説明

光触媒を用いた汚染ガス処理装置及び方法

【課題】
臭気ガスや揮発性有機化合物を含む排気ガスなどの汚染ガスを、光触媒を利用して効率よく分解処理すること。
【解決手段】
汚染物質を含む被処理ガスGを、光触媒が担持された充填材が配設された充填材部33へ光を照射する光照射部35が配置されている反応部3へ導入し、この反応部3へ供給された酸化助剤(F)が存在する雰囲気中で、前記被処理ガスGと前記充填材表面に液膜を形成して流れるスクラバー水Wとを接触させ、前記光触媒の酸化反応によって被処理ガスG中の汚染物質を分解する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒を用いた汚染ガス処理技術に関する。より詳しくは、装置及び方法処理技術に関する。より詳しくは、酸化助剤が存在する反応部で、汚染ガスと充填材表面に液膜を形成する水とを接触させながら、前記充填材表面の光触媒の酸化反応で汚染物質を分解する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、紫外線やオゾン等の酸化剤、あるいは、放電やマイクロ波熱分解などを用いた汚染ガスの浄化技術が普及している。
【0003】
しかし、紫外線やオゾンについては、それぞれ単独ではその酸化力に限界があり、放電やマイクロ波熱分解ではエネルギーの利用効率が低いので、いずれの方法においてもランニングコストが高いという問題がある。また、オゾンを用いる場合は、オゾンが人体に有害であることから、気密処置と廃オゾン処理のための活性炭設備を付設しなければならず、更に装置コストやランニングコストが高くなる。
【0004】
一方、活性炭やシリカゲルなどの吸着剤を用いて、汚染ガス中の被処理物質を吸着する技術も開発されている。しかし、この技術では、吸着剤の吸着能力が一旦飽和に達してしまうと、浄化能力が急速に低下してしまう点や処理能力を高めるためには処置を大型化する必要があるという点などの問題を抱えている。
【0005】
スクラバー水(洗浄水)を活用する汚染ガス浄化技術が知られている。例えば、特許文献1には、臭気ガスを効率よく脱臭処理するために、スクラバー装置内で臭気ガスとオゾン水を接触させて臭気物質を分解する技術が開示されている。特許文献2には、湿式ガススクラバーを利用するガス処理技術が開示されている。特許文献3には、電解スクラバー方式によって排ガスを浄化し、スクラバー水を電気分解により浄化してスクラバー水のクローズド化を行うことで、低ランニングコストの装置になることが開示されている。
【0006】
続いて、浄化能力を長く維持でき、排オゾン処理などの付帯設備の必要が全くない光触媒と紫外線を用いた脱臭方法が、例えば、特許文献4や特許文献5などに開示されている。なお、光触媒は、紫外線が照射されると電子と正孔に励起して、有機物などの原因物質を酸化分解する作用があることが知られている。
【特許文献1】特開2004−016465号公報。
【特許文献2】特開平10−128041号公報。
【特許文献3】特開2000−271429号公報。
【特許文献4】特開平3−157125号公報。
【特許文献5】特開2002−102656号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
光触媒による酸化作用を汚染ガス処理に利用した従来の技術では、充填材の構造が光触媒の作用や機能を充分に活用できる構造とはなっていないなどの理由から、光触媒による汚染ガス処理能を充分に発揮せしめているとは言い難い。
【0008】
そこで、本発明では、臭気ガスや揮発性有機化合物(VOC;ベンゼン、トルエン、キシレン等)を含む排気ガスなどの汚染ガスを、光触媒を利用して効率よく分解処理することができる汚染ガス処理技術を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、光触媒が担持されたラシヒリングなどの充填材、とりわけ光透過性の充填材が配設されているとともに、該充填材に対して光を照射する光照射部が配置された反応部に対して、汚染物質を含む被処理ガスを導入し、前記反応部へ供給された酸化助剤が存在する雰囲気中で、前記被処理ガスと前記充填材表面に液膜を形成して流れる水とを接触させながら、前記光触媒の酸化反応によって前記汚染物質を分解する構成を備える汚染ガス処理装置を提供する。
【0010】
反応部へ供給される前記酸化助剤は、供給前段階あるいは供給時に、酸素濃度高める処理が行われたガスを用いることによって、酸素を要求する光触媒活性をさらに向上させることができる。
【0011】
本装置では、(1)被処理ガスと酸化助剤を混合して前記反応部へ導入する手段、(2)被処理ガスと水を混合して前記反応部へ導入する手段、(3)水と酸化助剤を混合して前記反応部へ導入する手段、のいずれかの手段を採用することによって、反応部へのガス供給手段を集約することができるなどの利点を得ることができる。
【0012】
また、本装置内に供給された酸化助剤用のガスの余剰ガス分を、気体精製膜を介して回収ガスと廃ガスとに分離し、前記回収ガスを酸化助剤として再利用するガス再利用手段を設けることによって、酸化助剤の利用効率を向上させることがで、ランニングコストの低下を実現できる。
【0013】
次に、本発明では、汚染物質を含む被処理ガスを、光触媒が担持された充填材が配設されているとともに、該充填材に対して光を照射する光照射部が配置されている反応部へ導入する工程と、前記反応部へ酸化助剤を供給する工程と、前記充填材へ水を供給する工程と、前記反応部へ供給された酸化助剤が存在する雰囲気中で、前記被処理ガスと前記充填材表面に液膜を形成して流れる水とを接触させながら、前記光触媒の酸化反応によって前記汚染物質を分解する工程と、を行う汚染ガス処理方法を提供する。
【0014】
この方法では、前記反応部へ供給する前段階あるいは供給と同時に、酸化助剤として作用するガスの酸素濃度を高めるガス処理工程を行うことによって、光触媒活性の向上を図り、また、酸化助剤として作用するガスの余剰ガスを回収ガスと廃ガスとに分離し、前記回収ガスを再利用するガス再利用工程を行うことによって、酸化助剤の利用効率の向上やランニングコストの低減を図る。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、光触媒による酸化作用を用いて汚染ガスの浄化処理を行う場合において、光利用効率、光触媒作用効率、ガス利用効率などに優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明に係る汚染ガス処理装置の例、あるいは本発明に係る汚染ガス処理方法を実施できる装置例を示すものであり、これらの例示された実施形態により、本発明が狭く限定されることはない。
【0017】
まず、図1は、本発明に係る汚染ガス処理装置及び方法の第一実施形態の構成を簡略に示す図である。
【0018】
この図1に示す符号1は、スクラバー水Wの貯留槽を簡略に示している。この貯留槽1に一時貯留されているスクラバー水Wを、ポンプ2によって反応部3へ送液し、該反応部3上方の内部へ突出して開口する散水管31を介して、その下方に配置された散水分配板32へ注水する。
【0019】
この散水分配板32によって、その下方に配置された充填材部33内へスクラバー水Wが均一に分散された状態で供給される。このスクラバー水Wは、光触媒が担持された充填材(例えば、ラシヒリング充填材)の表面を、液膜を形成しながら流れる。
【0020】
このとき、ガス供給管34を通じて、汚染ガスである被処理ガスGと酸化助剤として機能するガスFとが混合された状態で反応部3内へ供給される。このため、充填材部33は、これらのガスG、Fによって満たされた雰囲気となっているので、ガスG,Fは、スクラバー水Wの前記液膜中へ高い溶解速度を保って溶解する。
【0021】
また、充填材の近傍に配置された光照射管35から石英管36を通過して照射される光によって充填材表面の光触媒が励起され、液膜を形成するスクラバー水W中の被処理物質(即ち、被処理ガスGに含まれていた処理対象の物質)に対して酸化作用を及ぼし、該被処理物質を高い効率で分解する。
【0022】
ここで、反応部3内に配設される充填材は、スクラバー水Wが液膜を形成しながら流下するように機能する材料であれば適宜採用でき、材料、形態とも特に限定されない。好適例を挙げると、ラシヒリング(Rashig Ring)状構造材のような充填材である。その理由は、ラシヒリングはその形状が中空であることにより単位表面積が大きくとれるので、被処理ガスGやガスFなどの溶解効率や光反射効率が高いためである。
【0023】
図2は、本発明に係る汚染ガス処理装置における反応部(特に、充填材部33周辺)の構成の一例を示す拡大図である。
【0024】
この図2で示された構成では、光照射部35を内包する石英管36,36の間のスペースに充填材部33が配設されている。この充填材部33は、上記ラシヒリング状構造材などから形成されている中空円筒状の充填材331が多数詰め込まれた構成が採用されている。
【0025】
以上のように、本発明は、充填材表面のスクラバー水Wの液膜を形成することによって、供給されたガス、即ち被処理ガスGと酸化助剤のガスFが前記液膜へ高速で溶解するという特徴を有する。また、本発明は、この液膜によって、臭気物質やVOCなどの被処理物質が高い接触効率で充填材表面の光触媒と接触するという特徴を有する。
【0026】
さらには、充填材331を、光透過性を有する材料、より詳しくは、光触媒を励起する光を透過する性質の材料で形成することによって、光照射部35から充填材へ照射された光を透過させて、該充填材表面に担持された光触媒へと導くことができる。このような構成では、光を高い効率で利用できるので、エネルギー効率がよい。
【0027】
ここで、前記光照射部35は、例えば、水素放電管、キセノン放電管、水銀ランプ、レーザー光源、発光ダイオード(LED)などの中から、使用する光触媒材料の励起に適する光源を適宜採用することができ、これらを、例えば、透明な石英管36の内側に配置しておくようにする。この光照射部35から出射された光は、石英管36を通過して、その内部の充填材へ照射される。
【0028】
また、本発明において、酸化助剤として利用するガスFは、空気、酸素、オゾンのいずれを用いてもよいが、主にコスト面を考慮すれば、空気や酸素のいずれかを採用するのが望ましい。
【0029】
特に空気Aを採用する場合では、これを反応部3内へ供給する前段階、あるいは供給時に、酸素富化膜(気体分離膜)やPSAなどに代表される酸素分離装置4を用いて酸素濃度を高めるためのガス処理工程を行って窒素を取り除くようにする。
【0030】
このように、酸化助剤として作用させるためのガスFは、予め酸素濃度を高めるためのガス処理工程を行ってから、反応部3の下方領域37へ送り込まれるようにするのが特に望ましい。
【0031】
なお、酸素富化膜は、シリコンなどの薄膜の一方側の真空領域へ他方の側の酸素が窒素よりも早く通過するという原理により酸素を空気中から分離し、PSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)は、吸着材のガスに対する吸着特性の違いを利用して、目的とするガス(本発明では酸素)を空気中から連続的に分離することができる装置である。
【0032】
ここで、本発明で採用可能な光触媒は、特に制限はなく、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化チタン、酸化セリウムなどの金属酸化物、あるいは硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化水銀などの硫化金属を利用できる。
【0033】
さらには、これらの金属に対して、窒素イオンや硫黄イオンなどの不純物イオンをドープした光触媒を採用することによって、380nm以上650nm以下の可視光領域でも光触媒能を発揮できる。これにより、紫外線照射装置以外の光照射装置も広く適用できるようになり、また、太陽光を光触媒の励起として利用できるという利点が生まれる。また、これらの金属に対して、白金等の金属を担持させたものを採用した場合には、光反応における効率を向上させることができるという利点がある。
【0034】
なお、反応部3の外筒部38をガラスやアクリル樹脂などの光透過性材料によって形成し、太陽光を反応部3内部へ採り込むことができるように工夫することで、光触媒の励起効率をさらに高めてもよい。強度面を考慮すれば、外筒部38は、アクリル樹脂のような強化樹脂で形成するのが望ましいだろう。
【0035】
光触媒材料の中でも酸化チタンは、その触媒表面に大きな酸化力を有するヒドロキシラジカルとスーパーオキサイドイオンが生成し、被処理水中の有機物を強力に酸化分解する機能を発揮し、その構造安定性や取り扱い上の安定性等の観点からも好適に利用できる。
【0036】
酸化チタンとしては、汎用の二酸化チタンの他、メタチタン酸、オルトチタン酸、含水酸化チタン、水和酸化チタン、水酸化チタン、及び過酸化チタン等のチタン酸化物や水酸化チタンが挙げられる。中でもアナタースやルチル結晶構造を有する酸化チタンは比較的安価であり、また、性能的にも優れている。
【0037】
充填材の表面に光触媒を担持させて光触媒層(光触媒膜)を形成する方法としては、光触媒を薄膜状態に形成できる方法であれば適宜採用できる。例えば、真空蒸着法、メッキ法、ゾルゲル法等を採用できる。また、微細粉末を固定化する方法も適用可能である。
【0038】
次に、図1を再び参照すると、この図1中に符号5で示された装置は、ガス再利用工程に使用される装置であって、反応部3に付設されたガス精製膜装置である。このガス精製膜装置5は、反応部3内での余剰ガスFを再利用可能な回収ガスF11と再利用困難な廃ガスF12とに分離する役割を担う。
【0039】
分離された回収ガスF11は、ガス供給部34を介して、あるいは酸素分離装置4を経た後にガス供給管34を介して、反応部3の内部へ再供給することによって、酸化助剤として作用させるガスFの利用効率の向上を図ることができる。
【0040】
以上のような処理を行う充填材部33において、気液接触によって酸化処理が施されてきた処理済の水Wは、反応部3の底部39の排出口391から取り出され、隣設された貯留槽1に返送され、再びスクラバー水Wとして利用される(図1参照)。
【0041】
続いて、図3は、本発明に係る汚染ガス処理装置及び方法の第二実施形態の構成を簡略に示す図である。
【0042】
この図3に示された第二実施形態では、被処理ガスGをスクラバー水Wへ混合して反応部3へ導入する手段が採用されている点が、図1に示された第一実施形態とその構成が異なっている。
【0043】
この構成では、被処理ガスGをスクラバー水Wに含有させて、散水管31を介して反応部3内へ導入する。酸化助剤として利用するガスFはそのままガス供給部34へ、あるいは酸素分離装置4で処理してからガス供給管34へ送り、反応部3内へ供給する。その他の装置構成は、上記の第一実施形態と同様であるので、説明を割愛する。
【0044】
次に、図4は、本発明に係る汚染ガス処理装置及び方法の第三実施形態の構成を簡略に示す図である。
【0045】
この図4に示された第三実施形態では、酸化助剤として利用するガスFをスクラバー水Wへ混合して反応部3へ導入する手段が採用されている点が、図1に示された第一実施形態とその構成が異なっている。この構成では、酸化助剤として利用するガスFをスクラバー水Wに含有させて、散水管31を介して反応部3内へ導入する。
【0046】
酸化助剤として利用するガスFは、そのままスクラバー水Wへ導入してもよいし、あるいは酸素分離装置4で処理してからスクラバー水Wへ導入してもよい。一方、被処理ガスGは、単独でガス供給管34へ送り、反応部3内へ供給する(図4参照)。なお、図示はしないが、スクラバー水Wへ被処理ガスGと酸化助剤として利用するガスFの両方を混合して、反応部3へ導入することも可能である。なお、その他の装置構成は、上記の第一実施形態と同様であるので、説明を割愛する。
【実施例】
【0047】
以下に、実施例を挙げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0048】
本実験では、被処理ガス(G)としてメチルエチルケトンを含む空気を用いた。スクラバー水(W)として水道水を使用し、実施例では、オゾンガスと過酸化水素水を酸化助剤として用いた。
【0049】
充填材は、実施例1から4ではφ6×10mmの石英製ラシヒリングにゾルゲル法を用いてアナタース型の粉末酸化チタンを担持したものを用いた。一方、比較例1、2では、同法によってアナタース型の酸化チタンを非光透過性のハニカムに担持したものを用いた。なお、比較例のハニカム状光触媒と実施例のラシヒリング担持光触媒の酸化チタン量は同量となるように調整した。
【0050】
光源には主波長365nmの高圧水銀ランプを用いた。尚、高圧水銀ランプは発熱するため、石英ガラスを二重管として間に冷却水としての超純粋を通水した。
【0051】
メチルエチルケトンを50ppm含む空気(この空気は酸化助剤として使用される)、即ち被処理ガスGは、1.0m/minの風量で反応部へ供給し、酸化助剤としてのオゾンガス又は酸素ガスは、濃度0.65g/mの濃度で0.5m/minで混合し、同酸化助剤としての過酸化水素は、濃度70mg/Lとなるようにスクラバー水へ添加した。なお、スクラバー水は5L/minで反応部へ散水した。
【0052】
処理されたガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフィーにて分析してメチルエチルケトンの除去率を求めた。なお、以下の「表1」に実施例1〜4と比較例1、2の処理方法をまとめた。また、「表2」には、本実験の結果をまとめた。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

【0055】
前掲した「表2」に示された結果からわかるように、ハニカム状の光触媒を用いた比較例1の場合、ハニカム状の表面積が小さいことと、光透過性ではないために光が光触媒の全面に行き渡らないことなどの理由により、除去率が極端に低かった。また、酸化助剤としてオゾンを供給した比較例2では、オゾンから生成する活性酸素によって酸化力が向上し、比較例1と比べて除去率が2倍に向上した。
【0056】
一方、実施例1では、石英製ラシヒリングが吸収しきれない紫外光を別の酸化チタンへ供給できるため、光の利用効率が向上し、更に除去率の向上が見られた。
【0057】
また、実施例2〜4のように、被処理ガス中に存在する空気とは別に、更に酸化助剤を反応部へ供給した実施例では、他の例に比較して、最も高い除去率を示した。これは、スクラバー水が液膜を形成しながら触媒表面を充填材の表面を流れて、触媒とスクラバー水へ溶解した被処理物質の接触と酸化剤の接触の効率が向上したことから、高い除去効率を示したと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、光触媒による酸化作用を用いた汚染ガスの浄化処理技術として利用できる。とくに、光利用効率、光触媒作用効率、ガス利用効率などに優れている前記浄化処理技術として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る汚染ガス処理装置及び方法の第一実施形態の構成を簡略に示す図である。
【図2】本発明に係る汚染ガス処理装置における反応部(特に、充填材部周辺)の構成の一例を示す拡大図である。
【図3】本発明に係る汚染ガス処理装置及び方法の第二実施形態の構成を簡略に示す図である。
【図4】本発明に係る汚染ガス処理装置及び方法の第三実施形態の構成を簡略に示す図である。
【符号の説明】
【0060】
3 反応部
4 酸素分離装置
5 ガス精製膜装置
33 充填材部
34 ガス供給管
35 光照射部
36 石英管
331 充填材
G 被処理ガス(汚染ガス)
F 酸化助剤として利用するガス
余剰ガス
11 再利用する回収ガス
12 廃ガス
W スクラバー水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染物質を含む被処理ガスを、
光触媒が担持された充填材が配設されているとともに、該充填材に対して光を照射する光照射部が配置されている反応部へ導入し、
前記反応部へ供給された酸化助剤が存在する雰囲気中で、前記被処理ガスと前記充填材表面に液膜を形成して流れる水とを接触させながら、前記光触媒の酸化反応によって前記汚染物質を分解する汚染ガス処理装置。
【請求項2】
前記充填材は、ラシヒリングであることを特徴とする請求項1記載の汚染ガス処理装置。
【請求項3】
前記充填材は、光透過性であることを特徴とする請求項1又は2に記載の汚染ガス処理装置。
【請求項4】
前記酸化助剤は、酸素濃度高める処理が行われたガスであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項5】
次の(1)から(3)のいずれかの手段が採用されたことを特徴とする請求項1に記載の汚染ガス処理装置。
(1)被処理ガスと酸化助剤を混合して前記反応部へ導入する手段。
(2)被処理ガスと水を混合して前記反応部へ導入する手段。
(3)水と酸化助剤を混合して前記反応部へ導入する手段。
【請求項6】
装置内に供給された酸化助剤ガスの余剰分を、気体精製膜を介して回収ガスと廃ガスとに分離し、前記回収ガスを酸化助剤として再利用するガス再利用手段を有することを特徴とする請求項1に記載の汚染ガス処理装置。
【請求項7】
汚染物質を含む被処理ガスを、光触媒が担持された充填材が配設されているとともに、該充填材に対して光を照射する光照射部が配置されている反応部へ導入する工程と、
前記反応部へ酸化助剤を供給する工程と、
前記充填材へ水を供給する工程と、
前記反応部へ供給された酸化助剤が存在する雰囲気中で、前記被処理ガスと前記充填材表面に液膜を形成して流れる水とを接触させながら、前記光触媒の酸化反応によって前記汚染物質を分解する工程と、
を行う汚染ガス処理方法。
【請求項8】
前記反応部へ供給する前段階あるいは供給と同時に、酸化助剤として作用するガスの酸素濃度を高めるガス処理工程を行うことを特徴とする請求項7記載の汚染ガス処理方法。
【請求項9】
酸化助剤として作用するガスの余剰ガスを回収ガスと廃ガスとに分離し、前記回収ガスを再利用するガス再利用工程を行うことを特徴とする請求項7記載の汚染ガス処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−272034(P2006−272034A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−90625(P2005−90625)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】