光触媒内容液材料

【課題】一般家庭で簡単に吹き付け作業ができ人体や環境に安全でまた低コストであり、さらに光触媒能力を高めた光触媒内容液材料を作るのが目的である。
【解決手段】硬化後通気性のある植物性セルロースをバインダーに利用することによりアパタイト担持光触媒粒子を効率よく反応させ、また即効性の殺菌・脱臭能力を発揮させるためにエチルアルコールを混合し霧吹きスプレー等で吹き付け作業できる光触媒内容液を開発した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明はアパタイト担持光触媒粒子に植物性セルロースとエチルアルコールを均一に混合した光触媒内容液材料に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来における光触媒材料塗布における問題点は、光触媒粒子が混合するバインダーを触媒し、光触媒粒子を基材に定着できない。そのため、使用できるバインダーが限定されていた。また光触媒粒子が基材に接触すると基材も触媒されてボロボロになるので、光触媒材料の下に触媒されない無機質材料の下塗りが必要になる。さらに効率よく光触媒粒子を表面に突出させなければならないため、塗布方法も複雑で特殊なものになる。このような理由から一般家庭においては光触媒材料を入手することは難しく、施工代金や材料代金が高額になる。
また光触媒粒子に分解されず、有機物質を吸着する特性のアパタイトを担持させ光触媒粒子が直接基材に接触しないように、アパタイトをスペーサーと吸着材料に利用する材料もあるが、塗布時における溶剤被覆により、アパタイトが密封されその能力を十分に発揮できない。さらに塗布直後に光触媒粒子はすぐに反応しないし、またバインダーが硬化していないため、塗布後光触媒効果が現れるのに数日かかっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
本発明は、その欠点をなくすために、硬化後通気性のある植物性セルロースをバインダーに利用することにより、アパタイト担持光触媒粒子を効率よく反応させ、またエチルアルコールを混合することにより殺菌・脱臭の即効性を高めた。製造コストを下げ、環境や人体に安全である光触媒内容液を提供することを課題とし研究をすすめた。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
アパタイト担持光触媒粒子を使用することにより、アパタイト（２）がスペーサーとなり光触媒粒子（１）が直接基材（４）に接触しないため、基材への影響がない。材料塗布時に光触媒粒子（１）に被覆される植物性セルロース（３）は光をあびると効率よく分解されるので光触媒粒子（１）の表面積を多く突出することができる。
そのため、特殊な塗装機器や塗装方法で塗布する必要がない。アパタイト（２）に被覆したバインダーは分解されないので基材（４）と光触媒粒子（１）を結びつける役割をする。
また植物性セルロース（３）は硬化しても通気性があるのでアパタイト（２）が有機物質を効率よく吸収し、光触媒粒子が有機物を分解することを発見した。
【発明の効果】
【０００５】
本発明は以上のような構成であるため、光触媒材料塗布工程は短略化され、一般の家庭においても霧吹き等で簡単に塗布作業ができる。施工会社に依頼せずにできるのでコストを下げることができる。アパタイトを利用ことにより、光触媒粒子による基材の劣化を防ぐことができ、光触媒粒子の飛散、脱落を防げる。また植物性セルロースを使用することで、アパタイトの吸着能力を低下させることなく、効率よく光触媒機能を発揮させることができる。さらに塗布後は混合のエチルアルコールにより、即効の殺菌・脱臭効果がある。エチルアルコールはその後、揮発すると共に光触媒粒子により分解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００６】
本発明は以上のような構成であるため、塗布直後はエチルアルコールが殺菌・脱臭を行い、数日後、光触媒が有機物を分解する働きになる。そのため塗布直後から長期間、殺菌、脱臭、防汚、防カビの効果がある。特殊なバインダーを使用せず植物性セルロースを使用することで、霧吹き等でも簡単に塗布できる。また塗りすぎや塗ムラが発生しても酢酸で簡単に剥離でき、やり直しができる。
本発明を実施するために、エアゾール缶に充填し使用することもできるが、コスト高になるので、スプレーボトルを利用する。もちろんリサイクルのスプレーボトルでもよいが、遮光性の容器が望ましい。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明の塗布直後の光触媒粒子の断面図
【図２】本発明の塗布数日後の光触媒粒子の断面図
【符号の説明】
【０００９】
（１）光触媒粒子（２）植物性セルロース（３）アパタイト（４）基材

【特許請求の範囲】
【請求項１】
アパタイト担持光触媒粒子とエチルアルコールを混合し植物性セルロースをバインダーに利用した光触媒内容液材料
【請求項２】
前記内容液に対し、天然植物を原料とする安全性が高いセルロースの硬化後の通気性を利用していることを特徴とする請求項１に記載の光触媒内容液材料。
【請求項３】
前記内容液に対し、エチルアルコールを混合することにより、セルロースのバインダーが硬化し、光触媒粒子が十分に光を浴びて効果を発揮するまでの間、塗布時における殺菌・脱臭を特徴とする請求項１に記載の光触媒内容液材料。

【図１】