説明

光触媒照明装置

【課題】 空気浄化と空間節約の効果を達し、光触媒材料の空気浄化効率を高めた、光触媒照明装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の光触媒照明装置は、第1電気基板、複数の第1発光ダイオード、放熱装置を含む。そのうち、前記第1発光ダイオードは可視光を発することができ、かつ前記第1電気基板上に配置され、かつ前記第1電気基板は前記放熱装置の下方に配置され、前記放熱装置は複数の放熱片を含み、前記光触媒照明装置がさらに第2電気基板、複数の第2発光ダイオード、光触媒材料を含むことを特徴とする。そのうち、前記光触媒材料は前記放熱片の上に塗布され、前記第2発光ダイオードは前記第2電気基板の上に配置され、かつ前記第2発光ダイオードは紫外光を発して前記光触媒材料に触媒反応を生じさせ、空気浄化の効果を達する。このほか、前記放熱装置はさらにファンモジュールを含み、光触媒照明装置の空気浄化の効率を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光ダイオード照明装置に関し、特に、放熱片上に光触媒材料を塗布した発光ダイオード照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
世界が工業化されるに連れ、人々の生活水準は改善されたものの、それに伴って環境汚染の問題が発生し、光触媒技術はこのような時空的背景の下で生まれた。例えば、空気汚染の面で光触媒材料は窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)等の汚染物質を効果的に処理することができる。また、光触媒材料は反応において触媒反応の役割を果たすのみであり、そのものは消耗されず、またよくない副作用もないため、空気汚染防止の利器となっている。
【0003】
光触媒反応とは、紫外光または太陽光の照射により、光触媒材料表面の電子に十分なエネルギーを吸収させて分離させ、電子が分離した位置で正電荷を持つ正孔を形成し、正孔が付近の水分子から遊離した水酸基(OH−)を酸化し、即ち正孔がその電子を奪取して、活性が極めて大きいヒドロキシラジカル(OH radical)を生成する。ヒドロキシラジカルが有機物に遭遇すると電子を奪い返し、有機物は結合が分断されて分解される。一般的な汚染物質または病原体はほとんどが炭水化物であり、分解後大部分が無害な水と二酸化炭素になるため、汚染除去と滅菌の目的を達することができる。
【0004】
室内の空気品質を改善するため、光触媒材料を空気清浄機に応用したものがあり、例えば日本の特許案JP200393486A号は空気清浄機(光触媒脱臭装置)を開示しており、これは典型的なファンを利用して外界の空気を本体内に取り込み、紫外光を照射して光触媒を励起し、空気浄化の効果を発生させるものである。しかしながら、空気清浄機が独立して設置されるため、使用上空間を占用するという問題がある。
【0005】
また、光触媒材料と照明光源を結合させ、上述の問題の解決を試みたものもある。例えば、日本の特許案JP2004209359A号は、照明光源のカバー部分に一層の光触媒材料を塗布し、これにより空気浄化と空間節約の効果を達するものである。しかしながら、光触媒材料の触媒反応が主に表面に塗布した箇所で発生するため、自然の対流による空気循環のみでは当然ながら空気浄化の効率が優れないという問題がある。
【0006】
このほか、欧州特許案EP1870114A1は、光触媒材料をシーリングファン照明装置上に塗布し、シーリングファン、照明装置、光触媒材料を結合して室内の放熱、照明、空気浄化の効果を兼ね備えさせたものであり、シーリングファンの強制対流を利用して光触媒材料の空気浄化効率を高めている。しかしながら、使用者は気候の変化に応じてこの発明の照明機能のみを使用し、シーリングファンを同時に使用しないことがよくあるため、強制対流の効果を発揮させることができず、前記光触媒シーリングファン照明装置は各種使用状況に適用することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】JP日本特許案第200393486A明細書
【特許文献1】JP日本特許案第2004209359A明細書
【特許文献1】EP欧州特許案第1870114A1明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の問題を解決するため、本発明の目的は、空気浄化と空間節約の効果を達し、かつ光触媒照明装置内部のファンモジュールにより、光触媒材料の空気浄化効率を高めた、光触媒照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達するため、本発明の光触媒照明装置は、第1電気基板、複数の第1発光ダイオード、放熱装置を含み、前記第1発光ダイオードは可視光を発することができ、かつ前記第1電気基板上に配置され、前記第1電気基板は前記放熱装置の下方に配置され、前記放熱装置は複数の放熱片を含み、かつ該放熱装置と前記第1電気基板の中央に第1中央孔と第2中央孔がそれぞれ設けられ、かつこれら2つの中央孔の位置が相互に対応し、前記光触媒照明装置がさらに第2電気基板、複数の第2発光ダイオード、光触媒材料を含み、前記光触媒材料は前記放熱片上に塗布され、前記第2発光ダイオードは前記第2電気基板上に配置され、かつ前記第2発光ダイオードは紫外光を発し、前記光触媒材料に触媒反応を生じさせることができることを特徴とする。
【0010】
上述の光触媒照明装置において、前記放熱装置はさらにファンモジュールを含み、該ファンモジュールは前記放熱装置の第1中央孔の位置に配置される。
【0011】
上述の光触媒照明装置において、前記光触媒材料は例えば二酸化チタンや二酸化チタンと白金の混合物とすることができる。
【0012】
上述の光触媒照明装置において、前記第2発光ダイオードが発する紫外光の波長範囲は300−400nmの間とし、最良の波長範囲は360−390nmの間とする。
【0013】
上述の光触媒照明装置において、前記ファンモジュールは直下式ファンモジュールまたは側面排気式ファンモジュールとする。
【0014】
上述の光触媒照明装置において、前記第2電気基板は例えばフレキシブルプリント配線板とし、かつ前記放熱片全体の内縁または前記放熱片全体の外囲に環状に配置され、かつ前記第2発光ダイオードが前記放熱片に向けて配置される。
【0015】
上述の光触媒照明装置において、さらに導流保護上蓋を含み、前記導流保護上蓋は中央に円形中空部を備え、かつ前記放熱装置の上に配置され、このほか、前記第2電気基板は前記導流保護上蓋の下表面に環状に配置され、かつ前記第2発光ダイオードが前記放熱片に向けて配置される。
【0016】
上述の光触媒照明装置において、前記放熱片は平板型のフィンとし、かつ前記放熱片は放射状、マトリクス排列、または不規則な排列で前記第1中央孔の外囲に配置される。
【0017】
上述の光触媒照明装置において、前記放熱片は針状のフィンとし、かつ前記放熱片の横断面は矩形、円形、楕円形とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
上述をまとめると、本発明の光触媒照明装置は光触媒材料と照明装置を結合したものであり、一般の空気清浄機のように独立設置するものではなく、空間を節約することができる。さらに、第2発光ダイオードが紫外光を発して光触媒材料を反応させるため、空気中の有機物や病原体を分解することができる。このほか、光触媒材料は放熱片上に塗布され、発光ダイオードの発生する廃熱を利用し、光触媒材料が有機物を分解する反応速度を高めることができる。また、ファンモジュールの強制対流効果により、光触媒照明装置の空気浄化効率を向上することができる。このため、本発明の光触媒照明装置は室内照明、空気浄化、空間節約等の効果を兼ね備えている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の光触媒照明装置の実施例1の立体分解図である。
【図2】上外殼を取り付ける前の光触媒照明装置の実施例1の立体図である。
【図2A】放熱装置の放熱片の数種の配置態様を示す立体図である。
【図2B】放熱装置の放熱片の数種の配置態様を示す立体図である。
【図2C】放熱装置の放熱片の数種の配置態様を示す立体図である。
【図2D】放熱装置の放熱片の数種の配置態様を示す立体図である。
【図2E】放熱装置の放熱片の数種の配置態様を示す立体図である。
【図2F】放熱装置の放熱片の数種の配置態様を示す立体図である。
【図2G】放熱装置の放熱片の数種の配置態様を示す立体図である。
【図2H】放熱装置の放熱片の数種の配置態様を示す立体図である。
【図3】上外殼を取り付ける前の光触媒照明装置の実施例2の立体図である。
【図4】上外殼を取り付ける前の光触媒照明装置の実施例3の立体図である。
【図5】実施例3の第2電気基板の配置を示す立体図である。
【図6】光触媒照明装置の実施例4の立体分解図である。
【図7】本発明の光触媒照明装置の実施例5の立体図である。
【図8】実施例5の放熱装置の別の実施態様を示す立体図である。
【図9】側面排気式ファンモジュールを使用した光触媒照明装置の気流方向を示す立体図である。
【図10】直下式ファンモジュールを使用した光触媒照明装置の気流方向を示す立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の上述目的、特徴、利点をよりはっきりと分かりやすく示すため、以下、実施例と図面に基づき、詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
まず図1を参照する。図1に本発明の光触媒照明装置の実施例1の立体分解図を示す。光触媒照明装置1は、保護カバー10、反射リングセット20、第1電気基板30、複数の第1発光ダイオード40、放熱装置50、第2電気基板60、複数の第2発光ダイオード70、上外殼80を含む。前記保護カバー10は前記第1電気基板30の下に配置され、前記第1発光ダイオード40は可視光を発することができ、かつ前記第1発光ダイオード40は点状または図1に示すような細長い形状の構造で前記第1電気基板30の前記保護カバー10に向いた一側に配置される。このほか、前記放熱装置50が前記第1電気基板30上方に配置され、さらに前記上外殼80が前記放熱装置50上方に配置される。そのうち、前記放熱装置50はファンモジュール501と複数の放熱片502を含む。さらに、前記放熱装置50、第1電気基板30、保護カバー10の中央に第1中央孔510、第2中央孔310、第三中央孔110がそれぞれ設けられ、かつ3つの中央孔の位置は相互に対応する。このほか、反射リングセット20は外反射リング201と内反射リング202を含み、そのうち、外反射リング201は保護カバー10外縁に配置され、内反射リング202は保護カバー10の第三中央孔110内縁に配置される。反射リングセット20と保護カバー10の結合方式は、例えばプレスや螺合の方式で固定することができる。このほか、第1発光ダイオード40、放熱装置50、上外殼80間は、例えばネジ(図示しない)やその他固定部材で固定し、連結する。
【0022】
続いて、同時に図1と図2を参照する。図2に上外殼を取り付ける前の光触媒照明装置の実施例1の立体図を示す。光触媒照明装置1のうち、前記ファンモジュール501は放熱装置50の中央第1中央孔510の位置に配置され、かつ前記放熱片502は前記ファンモジュール501の外囲に放射状に配置される。このほか、光触媒照明装置1はさらに複数のパワー集積回路90を含むことができ、前記パワー集積回路90は前記放熱片502の外縁に配置され、各パワー集積回路90は2つの相隣するパワー集積回路90と等距離で相互に隔てられ、かつ前記パワー集積回路90は導線またはその他コネクタ(Connector、図示しない)により前記第1電気基板30及び前記第2電気基板60と電気的に接続される。さらに、前記第1発光ダイオード40及び前記第2発光ダイオード70の電気特性は同じとし、それにより電源を共用することができ、即ち、前記第1発光ダイオード40及び前記第2発光ダイオード70共に、それぞれ前記第1電気基板30及び前記第2電気基板60を介して前記パワー集積回路90と電気的に接続される。このほか、前記第2電気基板60はフレキシブルプリント配線板であり、前記放熱片502全体の外囲に環状に配置され、前記第2電気基板60上に前記第2発光ダイオード70が前記放熱片502に向けて配置され、かつ前記第2発光ダイオード70は紫外光を発することができる。また、前記放熱片502上に光触媒材料が塗布される。つまり、前記光触媒材料は、前記第2発光ダイオード70が発する紫外光によって触媒反応を生じ、空気中の有機物を分解して空気浄化の効果を達することができる。
【0023】
図2に示すように、本実施例において、前記放熱片502は平板型のフィンとし、ファンモジュール501の外囲に放射状に配置される。しかしながら、本領域において通常の知識を有する者であれば分かるように、図2aに示す別の放射状に排列した前記放熱片502の配置や、図2bに示すマトリクス状に排列した前記放熱片502の配置、或いは図2cに示す不規則に排列した前記放熱片502の配置を採用することもできる。また、本領域において通常の知識を有する者であれば必要に応じて図2dに示す針状のフィンを用いた放熱片502をファンモジュール501の外囲に配置することもできる。さらに、本発明の放熱装置50の外観は円形に限らず、例えば図2e−2gに示す矩形の外観や図2hに示す不規則な外観など、本領域において通常の知識を有する者であればその他の幾何形状を用いることもできる。
【実施例2】
【0024】
さらに、図3を参照する。図3に上外殼を取り付ける前の光触媒照明装置の実施例2の立体図を示す。実施例2と実施例1の部材の配置方式が同じものについては説明を省略する。異なるのは、実施例2の光触媒照明装置2において、第2電気基板60’はファンモジュール501の側辺と前記放熱片502全体の内縁の間に環状に配置される点であり、第2発光ダイオード70’は第2電気基板60’上に前記放熱片502に向けて配置される。このため、前記放熱片502上に塗布した光触媒材料は前記第2発光ダイオード70’が発する紫外光によって触媒反応を生じ、空気中の有機物を分解して空気浄化の効果を達することができる。
【実施例3】
【0025】
図4を参照する。図4に上外殼を取り付ける前の光触媒照明装置の実施例3の立体図を示す。実施例3と実施例1の部材と配置方式が同じものについては説明を省略する。異なるのは、実施例3において、光触媒照明装置3はさらに導流保護上蓋100を含む点であり、前記導流保護上蓋100の中央は円形中空部105で(図5参照)、ファンモジュール501の上に位置する。続いて、同時に図4と図5を参照する。図5に実施例3の第2電気基板の配置を表す立体図を示す。そのうち、前記第2電気基板60’’は前記導流保護上蓋100の下表面に環状に配置され、かつ前記第2発光ダイオード70’’は前記第2電気基板60’’上に前記放熱片502に向けて配置される。このため、前記放熱片502上に塗布した光触媒材料は前記第2発光ダイオード70’’が発する紫外光によって触媒反応を生じ、空気中の有機物を分解して空気浄化の効果を達することができる。また、本実施例において、前記第2電気基板60’’はフレキシブルプリント配線板の使用に限らず、一般のよく見受けられるガラス繊維プリント配線板や熱伝導性に優れたアルミナセラミック基板を使用することもできる。
【実施例4】
【0026】
上述の光触媒照明装置の3つの実施例から分かるように、前記第2電気基板と前記第2発光ダイオードには3種類の配置方式があり、このため、本領域において通常の知識を有する者であれば光触媒照明装置上に1組以上の第2電気基板/第2発光ダイオードを設置することもできる。図6を参照する。図6に光触媒照明装置の実施例4の立体分解図を示す。実施例4において、光触媒照明装置4は以上3種類の第2電気基板/第2発光ダイオードの配置方式を結合し、3つの第2電気基板60、60’、60’’と3組の第2発光ダイオード70、70’、70’’を設置している。このため、放熱片502上に塗布した光触媒材料は前記第2発光ダイオード70、70’、70’’が発する紫外光によって触媒反応を生じ、空気中の有機物を分解して空気浄化の効果を達することができる。
【実施例5】
【0027】
続いて図7を参照する。図7に本発明の光触媒照明装置の実施例5の立体図を示す。光触媒照明装置5において、第2電気基板60は前記放熱片502全体の外囲に環状に配置され、その上に複数の第2発光ダイオード70が配置され、かつ放熱装置50’はファンモジュール501を含まない(図6を参照)。このとき、前記放熱片502は前記放熱装置50’の第1中央孔510の外囲に放射状に配置される。このほか、上外殼80は上部に円形中空部801を備え、前記上外殼80の側縁に複数の弧形開孔802が設けられ、かつ前記弧形開孔802の数量は前記パワー集積回路90の数量に対応する。同時に、前記上外殼80の側縁の殼体803とパワー集積回路90の位置が相互に対応する。これにより、外界の空気が前記上外殼80上部の円形中空部801、側縁の弧形開孔802、放熱装置50’の第1中央孔510を経由して自然に対流し、前記放熱片502から発散される廃熱を外界に逃がすことができる。
【0028】
続いて、同時に図6と図7を参照する。実施例5において、前記第2電気基板60は前記放熱片502全体の外囲に配置されるが、本領域において通常の知識を有する者であれば前記第2電気基板60をその他の位置に設置することもできる。例えば、放熱片整体の内縁に第2電気基板60’を環状に配置したり、放熱装置50’の上に導流保護上蓋100を配置し、かつ前記導流保護上蓋100の下表面に第2電気基板60’’を環状に配置したりすることができる。同時に、前記第2電気基板60’、60’’上に複数の第2発光ダイオード70’、70’’を配置し、放熱片502上に塗布した光触媒材料に照射させ、空気浄化の効果を発揮させることができる。
【0029】
本実施例において、前記放熱片502は第1中央孔510の外囲に放射状に配置されるが、本領域において通常の知識を有する者であれば、マトリクス排列または不規則状の排列方式で前記放熱片502を前記第1中央孔510の外囲に配置し、放熱の効果を達することもできる。このほか、本実施例において、前記放熱片502は平板型のフィンであるが、本領域において通常の知識を有する者であれば、図8に示すように針状のフィンを用い、前記第1中央孔510の外囲に配置することもできる。図8において、前記放熱片502の横断面は円形であるが、横断面が楕円形、矩形、またはその他多辺形の針状のフィンを選択して使用することもできる。放熱に用いるほか、針状のフィンを使用するもう1つの利点は、弾性的に排列して放熱装置50’の上に配置することができる点であり、例えば図8に示すように、前記放熱片502は前記第1中央孔510の外囲に放射状に配置できるが、本領域において通常の知識を有する者であればマトリクス排列やその他不規則状の排列方式を用いて前記放熱片502を配置することもできる。
【0030】
このほか、光触媒照明装置において、前記ファンモジュールは直下式ファンモジュールまたは側面排気式ファンモジュールとすることができ、両者はそれぞれ異なる気流のルートを発生する。図9を参照する。図9に側面排気式ファンモジュールを使用した光触媒照明装置の気流方向を表す立体図を示す。光触媒照明装置6において、ファンモジュール501は側面排気式ファンモジュールである。このとき、気流520はファンモジュール501がある放熱装置50の第1中央孔510(図6を参照)から進入し、ファンモジュール501によって放熱片502の間の気流ルートを通り、同時に第1発光ダイオード40(図6を参照)、第2発光ダイオード70が発生する熱エネルギーを取り去り、最後に上外殼80上部の円形中空部801及び側縁の弧形開孔802から外界環境に発散される。続いて図10を参照する。図10に直下式ファンモジュールを使用した光触媒照明装置の気流方向を表す立体図を示す。光触媒照明装置7において、ファンモジュール501は直下式ファンモジュールである。このとき、気流520は主に上外殼80側縁の弧形開孔802から進入し、その後放熱片502の間の気流ルートを通り、同時に第1発光ダイオード40(図6を参照)、第2発光ダイオード70が発生する熱エネルギーを取り去り、ファンモジュール501によって上外殼80上部の円形中空部801から外界環境に発散される。
【0031】
上述の光触媒照明装置6、7においては、導流保護上蓋100を取り付けていないが、本領域において通常の知識を有する者であれば必要に応じてファンモジュール501の上に導流保護上蓋100を取り付け、気流520をさらに導引するほか、光触媒照明装置6、7の内部部材を保護することもできる。
【0032】
ファンモジュール501の設置と放熱片502、導流保護上蓋100の配置を組み合わせた構造により、光触媒照明装置に優れた強制対流を発生させるため、放熱効果を顕著に向上することができる。さらに、光触媒材料の触媒反応は基本的にその塗布された表面箇所でのみ発生するが、強制対流の作用で空気循環を強化する効果が得られるため、光触媒材料が空気を浄化する効率を高めることができる。
【0033】
本発明の光触媒照明装置1〜7において、光触媒材料は二酸化チタンまたは二酸化チタンと白金の混合物(Pt/TiO2)とし、溶液を噴き付けて塗布する方法や化学蒸着めっき法で前記放熱片502上に塗布することができる。このほか、第2発光ダイオード70、70’、70’’が発する紫外光の波長範囲は300−400nmの間とする。二酸化チタンのバンドギャップ幅は3.2電子ボルトで、その対応する波長は約387nmであり、このため、前記第2発光ダイオード70、70’、70’’が発する紫外光の最良の波長範囲は360−390nmの間とする。さらに、第2発光ダイオード70、70’、70’’の材質は、例えば是窒化インジウムガリウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化アルミニウムとすることができる。また、前記第1電気基板30は、一般によく見受けられるガラス繊維プリント配線板または熱伝導性に優れたアルミナセラミック基板などのセラミック基板とすることができる。
【0034】
本発明において、光触媒材料は二酸化チタンと白金の混合物とすることができる。反応温度を高めることはPt/TiO2の触媒反応による有機物分解の転化率を高めるのに役立つ。例えば、温度が32℃から90℃まで上がると、Pt/TiO2の触媒反応によるエチレン分解の転化率は9%から100%近くまで高められる。このほか、白金そのものが一種の熱触媒であるため、白金は二酸化チタンの光触媒反応を増進する効果のほか、同時に反応温度を高めることができる状況下において、白金そのものの熱触媒特性を利用し、有機物の分解度を増加することができ、即ち、相乗効果(Synergistic effect)が発生し、反応速度の向上に対しプラスの効果がある。このため、光触媒照明装置において、Pt/TiO2は放熱片上に塗布され、放熱片は発光ダイオードの発生する廃熱を伝導するために用いることができるため、このときPt/TiO2は発光ダイオードの発生する熱エネルギーを充分に利用し、有機物の分解速度を増進することができる。
【0035】
また、本発明の光触媒照明装置は室内照明、室外照明、バイオ医療環境等のさまざまな使用状況に応用することができる。室内照明の使用状況においては、光触媒照明装置を従来の照明装置の取り付け位置に取り付け、良好な照明効果と効率的な空気浄化等の利点を兼ね備えることができる。
【0036】
上述をまとめると、本発明の光触媒照明装置は光触媒材料と照明装置を結合したものであり、一般の空気清浄機のように独立設置するものではなく、空間を節約することができる。さらに、第2発光ダイオードが紫外光を発して光触媒材料を反応させるため、空気中の有機物や病原体を分解することができる。このほか、光触媒材料は放熱片上に塗布され、発光ダイオードの発生する廃熱を利用し、光触媒材料が有機物を分解する反応速度を高めることができる。また、ファンモジュールの強制対流効果により、光触媒照明装置の空気浄化効率を向上することができる。このため、本発明の光触媒照明装置は、良好な室内照明、効率的な空気浄化、空間節約等の効果を兼ね備えている。
【0037】
本発明について実施例に基づき上述のように説明したが、上述の説明は本発明の主張する特許の権利範囲を限定しない。本発明の特許の保護範囲は、後付の特許請求の範囲およびその同等領域によって定められる。本領域において通常の知識を有する者が、本発明の要旨または範囲を逸脱せずに行った変更や修飾はすべて本発明の開示する要旨に基づき完成された同等効果の変化または設計とみなし、かつ後付の特許請求の範囲内に含まれるものとみなす。
【符号の説明】
【0038】
1、2、3、4、5、6、7 光触媒照明装置
10 保護カバー
110 第三中央孔
20 反射リングセット
201 外反射リング
202 内反射リング
30 第1電気基板
310 第2中央孔
40 第1発光ダイオード
50、50’ 放熱装置
501 ファンモジュール
502 放熱片
510 第1中央孔
520 気流
60、60’、60’’ 第2電気基板
70、70’、70’’ 第2発光ダイオード
80 上外殼
801 円形中空部
802 弧形開孔
803 殼体
90 パワー集積回路
100 導流保護上蓋
105 円形中空部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光触媒照明装置であって、前記光触媒照明装置が、放熱装置、第1電気基板、複数の第1発光ダイオードを含み、
前記放熱装置が複数の放熱片を含み、かつ前記放熱装置の中央に第1中央孔が形成され、前記放熱片が前記第1中央孔の外囲に配置され、
前記第1電気基板が前記放熱装置の下方に配置され、かつ前記第1電気基板の中央に第2中央孔が形成され、前記第2中央孔と前記第1中央孔が相互に対応し、
前記第1発光ダイオードが可視光を発することができ、かつ前記第1電気基板上に配置され、
そのうち、前記光触媒照明装置がさらに、第2電気基板と、光触媒材料と、複数の第2発光ダイオードを含み、
前記光触媒材料が前記放熱片上に塗布され、
前記第2発光ダイオードが前記第2電気基板の上に配置され、かつ前記第2発光ダイオードが紫外光を発し、前記光触媒材料に触媒反応を生じさせることができることを特徴とする、光触媒照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光触媒照明装置であって、そのうち前記放熱装置がさらにファンモジュールを含み、前記ファンモジュールが前記放熱装置の第1中央孔の位置に配置され、かつ前記ファンモジュールが直下式ファンモジュールまたは側面排気式ファンモジュールであり、そのうち、前記第2電気基板が前記ファンモジュールの側辺と前記放熱片全体の内縁の間に環状に配置され、かつ前記第2発光ダイオードが前記放熱片に向けて配置されたことを特徴とする、光触媒照明装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光触媒照明装置であって、さらに、導流保護上蓋を含み、そのうち、前記導流保護上蓋は中央に円形中空部を備え、かつ前記放熱装置の上に配置され、前記導流保護上蓋の円形中空部と前記第1中央孔が相互に対応し、そのうち、前記第2電気基板が前記導流保護上蓋の下表面に環状に配置され、かつ前記第2発光ダイオードが前記放熱片に向けて配置されたことを特徴とする、光触媒照明装置。
【請求項4】
請求項1に記載の光触媒照明装置であって、そのうち、前記第2電気基板が前記放熱片全体の内縁または外囲に環状に配置され、かつ前記第2発光ダイオードが前記放熱片に向けて配置されたことを特徴とする、光触媒照明装置。
【請求項5】
請求項1に記載の光触媒照明装置であって、そのうち、前記第2電気基板がガラス繊維プリント配線板、フレキシブルプリント配線板、アルミナセラミック基板のいずれかであることを特徴とする、光触媒照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−295578(P2009−295578A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117212(P2009−117212)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(509120632)先進開發光電股▲ふん▼有限公司 (17)
【Fターム(参考)】