説明

光記録装置、記録方法

【課題】複数の記録ヘッドを有する光記録装置において、複数の記録ヘッドを効率的に使用し高速記録を実現する。
【解決手段】データの転送時間と光記録媒体への記録時間とに基づいて、複数の記録ヘッド(複数のチャンネル)の記録処理が同時に終了するように、転送されてきた記録データをブロック単位で複数のチャンネル11〜14に振り分ける振分制御部102を設ける。これによって転送されてきた記録データが適切に各チャンネルに振り分けられて、複数チャンネルでの効率的な記録が実現されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光記録媒体に記録を行う光記録装置であって、特に2以上の記録チャンネルを有している光記録装置であり、各チャンネルに対して効率的にデータを振分け記録する記録装置と記録方法に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開2000−187879号公報
【背景技術】
【0003】
上記特許文献1に記載された発明は、複数の記録ヘッドを有し、当該ヘッドに対し効率的にデータを振分け、データ記録の高速化を図るものではないが、光記録媒体の複数の記録層のデータを記録することが可能であり、高速にデータの記録を可能とすることが開示されている。
【0004】
近年、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)等、光の照射により情報の記録が行われる光記録媒体(以下、光ディスクとも称する)が広く普及しており、それに伴いその光記録装置(光ディスクドライブ装置)も広く普及している。
【0005】
光記録装置について、光記録媒体に対するデータの記録の高速化には、光記録媒体を高速に回転させる方法がある。ところが、光記録媒体の特性による記録速度の限界、信号処理LSIの処理能力の限界、光記録媒体を高速で回転させることの物理的限界のためさらなる高速化は難しい状況となっている。
【0006】
そこで、複数の記録チャンネルを使用することで、高倍速の記録を実現することが行われている。
なお、本明細書では、記録ヘッドが1つであっても、その記録ヘッドにはレーザ光照射系を複数系統搭載されている場合があるので、レーザ光照射系の複数系統のことを、複数チャンネルと称し、レーザ光照射系の1系統のことを1チャンネルと称する。
つまり「チャンネル」とは、独立してレーザ光照射による記録を行うことができる1記録系をいう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、複数のヘッド(又はチャンネル)で連続データを記録する場合、連続データを所定のインターフェースで受信し、その連続データを各チャンネルに均等に割り当てると、各チャンネルのデータ転送時間との関係で各チャンネルの処理効率が期待するほど上がらないという問題があった。
本発明はこのような状況に鑑み、複数の記録ヘッドを使用した場合に、記録速度を更に向上させる光記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光記録装置は、光記録媒体に対しデータの記録するための複数のチャンネルを有し、外部装置から送られてきたデータを受け取る受信部と、前記受信部が受信したデータを一時的に記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたデータを読み取り、前記チャンネルへの転送時間と前記光記録媒体への記録時間とに基づいて、前記複数のチャンネルの記録処理が同時に終了するように当該データをブロック単位で前記複数のチャンネルに振り分ける振分制御部とを備える。
【0009】
前記振分制御部は、前記データのブロック数をカウントするデータブロックカウント部と、前記カウント部によりカウントされたデータのブロック数のうち、前記複数のチャンネルの最初のチャンネルに送る数のブロックが転送された後、次のチャンネルに送る数のブロックが転送され、当該転送の後、次のチャンネルに対し転送が行われることにより、全ての各チャンネルに対し所定数のブロックが転送され、各チャンネルに転送されたブロック数の総計は前記カウンタ部によりカウントされたブロック数と一致し、前記複数のチャンネルの最初のチャンネルに送る数のブロックの転送時間と記録時間との終了時点が、前記最初のチャンネル以外の各チャンネルに対する転送時間と記録時間との終了時点と同じとなるように前記複数の各チャンネルに割り振るブロックの数を演算する前記演算部と、前記演算部に基づいて前記複数のチャンネルに前記カウント部によりカウントされた数のブロックのうち、所定数のブロックを前記複数の各チャンネルに振分ける振分部を有する。
これにより、複数のチャンネルを並行的に動作させ効率的な使用を可能とする。
【0010】
前記演算部は、前記カウント部によりカウントされたデータのブロック数nに対し、前記チャンネルへの1ブロックあたりの転送時間xと、1ブロックあたりの記録時間yと、前記複数のチャンネルの第1のチャンネルに送るべきブロックの数iとを使用して、第2のチャンネル以降である第aチャンネルについては送るべきブロックの数を、(1−x/y)(a-1)×iとして求め、全ブロックの数がnとなるように前記各チャンネルに送るべきブロック数を求める。
この演算により複数の各チャンネルへのデータの記録時間の終了時点がすべて同じとなる。
【0011】
また、前記振分制御部は前記演算部で演算された、前記複数のチャンネルに振り分けるべきブロック数を前記ブロック数nの値に応じて表としている振分テーブルを有する。
【0012】
本発明の記録方法は、複数のチャンネルを有する記録装置にデータを光記録媒体に記録する方法であり、前記データのブロック数をカウントし、カウントされたデータのブロック数のうち、前記複数のチャンネルの最初のチャンネルに送る数のブロックが転送された後、次のチャンネルに送る数のブロックが転送され、当該転送の後、次のチャンネルに対し転送が行われることにより、全ての各チャンネルに対し所定数のブロックが転送され、各チャンネルに転送されたブロック数の総計は前記カウントされたブロック数と一致し、前記複数のチャンネルの最初のチャンネルに送る数のブロックの転送時間と記録時間との終了時点が、前記最初のチャンネル以外の各チャンネルに対する転送時間と記録時間との終了時点と同じとなるように前記複数の各チャンネルに割り振り記録する。
また、本発明の記録方法は、複数のチャンネルを有する記録装置にデータを光記録媒体に記録する方法であり、前記データのブロック数をカウントし、カウントされたデータのブロック数nに対し、前記チャンネルへの1ブロックあたりの転送時間xと、1ブロックあたりの記録時間yと、前記複数のチャンネルの第1のチャンネルに送るべきブロックの数iとを使用して、第2のチャンネル以降である第aチャンネルについては送るべきブロックの数を、(1−x/y)(a-1)×iとして求め、各チャンネルに割り振り記録する。
【0013】
これらの本発明によれば、複数のチャンネルを有する光記録装置に装着された光記録媒体に対し、複数のチャンネルを効率的に使用させるように、データを割り振ることができる。
なお「チャンネル」とは、独立してレーザ光照射による記録を行うことができる1記録系をいうが、例えば記録装置に複数の記録ヘッドが設けられる場合は、必ず複数チャンネルが存在する。また1つの記録ヘッドであっても、その記録ヘッドに2系統以上のレーザ出力系を搭載するものもある。その場合、物理的には1つの記録ヘッドとしてのユニットであっても、複数「チャンネル」を有するものとなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、各チャンネルに対し適切なデータ割当てがなされ、チャンネルの動作効率が最適化され、複数チャンネルを有する光記録装置の高速化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】2ヘッド4チャンネルの光記録装置の具体例を表した図である。
【図2】第1の実施の形態を説明する図である。
【図3】第2の実施の形態を説明する図である。
【図4】データブロックの転送とデータブロックの記録のタイムチャートを表した図である。
【図5】第1の実施の形態において実行されるべき処理動作について示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第1〜第2の実施の形態を順に説明する。

<第1の実施の形態>

図1は、本発明の対象である複数のヘッドを有する光記録装置の具体例を表した図である。この図により、光記録媒体にデータが記録される動作の概要を説明する。
【0017】
図1において、光記録媒体20は、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)などの、光の照射により信号の記録が行われる光記録媒体である。
【0018】
図において、光記録装置1として1ヘッド2チャンネルのオプティカルヘッド16、17(以下ヘッド)を使用するものを例示している。ここで、1ヘッド2チャンネルとは、1つのヘッドにレーザ光照射系を2系統搭載したものをいう。
なお、1つのヘッドにレーザ光照射系が1系統搭載されたものを複数使用する場合もある。また、その他1つのヘッドにレーザ光照射系が複数系統存在するものもある。したがって、レーザ光照射系が複数系統(複数チャンネル)存在する限り、これらはすべて本発明の対象である。
【0019】
この光記録装置1は、外部のホストコンピュータ2から送出されてきたデータを受け取り、そのデータを光記録媒体20に記録する。
光記録媒体20は、光記録装置1に装填され、図示は省略したターンテーブル上にセットされるとともに図中のスピンドルモータ18によって回転駆動される。
【0020】
この回転駆動される光記録媒体20に対し、記録を行うためのレーザ光を照射するための構成として、ヘッド16、17が設けられている。
図の場合、光記録媒体20の片側に2つチャンネルを有するヘッドを光記録媒体の180°対向した配置とし、4チャンネル同時に光記録媒体20に記録可能となる。
【0021】
記録処理部11、記録処理部12、記録処理部13、記録処理部14が、各チャンネルにそれぞれ配置され、各ヘッド内の光学系を制御することにより、各チャンネルに送られてきたデータを光記録媒体に記録する。
各記録処理部(11〜14)は、エラー訂正コード付加(ECCエンコード)やインターリーブ、サブコードの付加等を行う。またこれらの処理を施したデータに対して、ランレングスリミテッドコード変調を施す。さらに変調処理された記録データに基づきレーザ駆動パルスを生成して、光学ヘッド内のレーザダイオードを駆動する。レーザダイオードがレーザ駆動パルスに基づいてレーザ発光を行うことで、光記録媒体20に、そのデータに応じたマークが形成されることになる。すなわちデータが記録される。
【0022】
インターフェース制御部10は、ホストコンピュータ2から送出されたデータを受け取り、各チャンネルの記録処理部(11〜14)で効率的に光記録媒体への記録ができるよう、各チャンネルにデータを割り振る制御を行う。
【0023】
図2は、第1の実施の形態としてのインターフェース制御部10の構成の詳細を表した図である。インターフェース制御部10は、データ送受部100、記憶部101、振分制御部102を備える。
【0024】
データ送受部100は、ホストコンピュータ2から送出されたデータを所定のインターフェースで受け取るものである。このインターフェースには、例えばSATAインターフェース(Serial Advanced Technology Attachment)が用いられる
受け取ったデータは、記憶部101に一時的に保存される。
ホストコンピュータは、通常、所定のデータ形式のライトコマンド(書込要求)により光記録装置1に記録動作を求める。例えば書込要求では、光記録媒体20上の書き込むべきアドレスやデータ量の情報を通知するとともに、それに続いて実際の記録データを送信してくる。
光記録装置1では、このように送信されてくるデータを、データ送受部100で受け取り、記憶部101にバッファリングしていくこととなる。
【0025】
振分制御部102は、記憶部101に一時的に保存されているデータを各チャンネルに対応する記録処理部11、記録処理部12、記録処理部13、記録処理部14に振分のための制御を行うものである。
なお、この光記録装置1は記録系統として4チャンネルを有するが、ホストコンピュータ2は、あくまでも書込要求の際に、1つのインターフェースで記録データを順次シリアル転送してくる。振分制御部102は、このように順次送信されてくる記録データの各ブロックを各チャンネルに振り分ける処理を行う。
振分制御部102は、データブロックカウント部200、演算部201、振分部202を有する。
【0026】
データブロックカウント部200は、記憶部101に保存されているデータのブロック数をカウントする。
なお本実施の形態では、1ブロックは64キロバイトのデータ単位であるとする。
ホストコンピュータ2は、例えば200ブロック、300ブロックなどの記録データ(映像データや音声データ等)を、書込要求に続いて送信してくる。データブロックカウント部200は、このように送信されてくる記録データのブロック数をカウントしていく。
【0027】
演算部201は、データブロックカウント部200によりカウントされたデータをデータ送受部100から各記録処理部までの転送時間と、各記録処理部(11〜14)による光記録媒体20への書込時間とに基づいて、その書込時間の終了時点が各チャンネルにおいて同じになるように各記録処理部に割当てるデータブロックの数を演算するものである。
ここで、図4に4チャンネルの場合の割当てたデータブロックの転送とデータブロックの記録のタイムチャートを示す。
【0028】
図4において、チャンネル0〜3は、記録装置11〜14及びそれぞれが2つチャンネル型のオプティカルヘッド16,17によって構成される、4つのチャンネルのそれぞれを示している。
また「*」は1ブロックの転送を表している。「*」に続く実線「−」の部分は、各チャンネルにおけるデータの光記録媒体20への書込動作を表している。
チャンネル0、1、2、3には、それぞれi個、j個、k個、m個のブロック数が所定の演算により割り当てられる。これらi、j、k、mは総計すると光記録媒体に書込むデータブロックの総数nとなる。
【0029】
まず、時点t0において、ホストコンピュータ2から順次データブロックの転送が開始されるとする。時点t1は、i個のデータブロックの転送が終了した時点としている。この最初のi個のブロックがチャンネル0に割り当てられ、チャンネル0により光記録装置1への記録が行われる。そのチャンネル0によるi個のブロックの記録は時点t5において終了する。
続く時点t1〜t2に転送されてくるj個のブロックは、チャンネル1に割り当てられる。このj個のブロックはチャンネル1により光記録装置1へ記録される。チャンネル1によるj個のブロックの記録は時点t5において終了する。
【0030】
続く時点t2〜t3に転送されてくるk個のブロックは、チャンネル2に割り当てられる。このk個のブロックはチャンネル2により光記録装置1へ記録される。チャンネル2によるk個のブロックの記録は時点t5において終了する。
【0031】
さらに続く時点t3〜t4に転送されてくるm個のブロックは、チャンネル3に割り当てられる。このm個のブロックはチャンネル3により光記録装置1へ記録される。チャンネル3によるm個のブロックの記録は時点t5において終了する。
【0032】
以上のように、各チャンネルにそれぞれ所定数のデータブロックが割当てられ、記録動作の終了時点がすべてのチャンネルにおいてほぼ同時となるようにしている。
これにより、複数のチャンネルを効率的に使用できる。つまり転送時間を考慮しつつ、4チャンネルに適切なデータブロックの振り分けを行うことで、記録動作を最も速く完了できる。
【0033】
以上の動作を実現するために、各チャンネルに振り分けるべきデータブロックの数は、次のように求める。
光記録媒体20に記録する全データブロック数、各チャンネルへの割当てブロック数と1ブロック当たりの転送時間、1ブロック当たりの光記録媒体20への書込時間を以下のように定義する。
全データブロック数:n
チャンネル0の割当てブロック数:i
チャンネル1の割当てブロック数:j
チャンネル2の割当てブロック数:k
チャンネル3の割当てブロック数:m
1ブロック当たりの転送時間:x(m秒)
1ブロック当たりの光記録媒体への書込時間:y(m秒)
n=i+j+k+m
【0034】
チャンネル0から順次書込を開始することとし、順にチャンネル1、チャンネル2、チャンネル3へデータブロックを割当てることにする。
この場合、チャンネル1における書き始めは、チャンネル0に対してx×i(m秒)遅れる。したがって、チャンネル0における書込が終了するまでにx×i/yだけデータブロックの数が少なくなる。これを式で表すと、
j=i−x×i/y=(1−x/y)×i ・・・式1
同様にして、
k=(1−x/y)×j ・・・式2
m=(1−x/y)×k ・・・式3
以上から、j、k、mをそれぞれチャンネル0への割当てブロック数iで表現すると、
j=(1−x/y)×i ・・・式4
k=(1−x/y)2×i ・・・式5
m=(1−x/y)3×i ・・・式6
となる。
全てのチャンネルへの割当数は、転送時間xと書込時間yとチャンネル0への割当数iで表される。
【0035】
書込時間yは、光記録装置1で一定と考えると、転送時間xがわかれば、各チャンネルへの割当数を決定できる。
つまり、記録する全データブロック数nについては、n=i+j+k+mであるので、これに上記j、k、mをiで表した式4,式5、式6を代入すると、
n=i+(1−x/y)×i+(1−x/y)2×i+(1−x/y)3×i
となる。従って、既知であるブロック数n,転送速度x,書込時間yから、チャンネル0の割当てブロック数iを求めることができる。
そしてiが求められたら、それぞれ式4,式5、式6に代入して、j,k,mが算出される。
なお、書込時間に対して転送時間が早いほど均等に割振ることができる。転送時間が0であれば、全ての割当数が等しくなる。実際には転送時間は有限なので、割当数がそれぞれ相異することになる。
転送時間を計測し、各チャンネルへの割当てを制御することにより、全てのチャンネルの書込時間の終了時点を同じにすることができる。
【0036】
振分部202は、このように演算部201で求められた各チャンネルの割当てブロック数i,j,k,mに基づいて、転送されてきたデータを各チャンネルに振分けるものである。
【0037】
図5は、上記により説明した第1の実施の形態において実行されるべき処理動作を示したフローチャートである。
なお、この図5における処理動作は、インターフェース制御部10が実行するものである。
【0038】
ステップS100において、インターフェース制御部10はホストコンピュータ2からの記録要求、すなわち光記憶媒体への書込みの要求を受信するとともに転送ブロック数、すなわち光記憶媒体へ書込むデータのブロック数を受信する。同時にインターフェース制御部10はそのブロック数を確認する。
【0039】
ステップS101において、インターフェース制御部10はデータブロックを受信する。即ちホストコンピュータ2からの1ブロック分のデータが受信され、記憶部101にバッファリングされる。
ステップS102において、インターフェース制御部10はデータブロックの数をカウントする。即ちデータブロックカウント部200が、記憶部101に1ブロック分のデータがバッファリングされる毎に、内部カウンタをカウントアップする。
【0040】
ステップS103では、インターフェース制御部10はステップS102でカウントしたカウント値(つまり転送されてきたブロック数)が所定値Aになったかどうかの判別処理を行う。ここで、所定値Aは上記で計算したチャンネル0の割当てブロック数iである。
当初は、ブロック数≦Aであるので、ステップS104に進む。
ステップS104において、インターフェース制御部10は受信したデータブロックをチャンネル0(記録処理部11)に振分ける。つまり、そのデータブロックについては振分部202から記録処理部11に転送して、記録動作を実行させる。
以降、1ブロック分のデータ受信(バッファリング)毎にインターフェース制御部10は、S101に戻り、S101、S102、S103、S104の動作を繰り返す。
【0041】
或る時点で、ステップS103において、ステップS102でカウントしたブロック数が値Aを超えたと判定した場合は、ステップS105に進む。
つまり上記図4でいえば、時点t0〜t1までは、ステップS104の処理に進むが、時点t1後は、ブロック数のカウント値が値A以上になるため、ステップS105にすすむこととなる。
ステップS105では、インターフェース制御部10はS102でカウントしたブロック数が値B以下であるかの判別処理を行う。ここで、B=i+j(iとjは上記で計算した値)である。
図4の時点t1以降の当初は、ブロック数≦Bであるので、ステップS106に進む。
ステップS106において、インターフェース制御部10は受信したデータブロックをチャンネル1(記録処理部12)に振分ける。つまり、そのデータブロックについては振分部202から記録処理部12に転送して、記録動作を実行させる。
以降、カウントしたブロック数≦Bの期間は、インターフェース制御部10は、S101、S102、S105、S106の動作を繰り返す。
【0042】
或る時点でステップS105において、ステップS102でカウントしたブロック数が値Bを超えたと判定したらステップS107に進む。
上記図4でいえば、時点t1〜t2までは、ステップS106の処理に進むが、時点t2後は、ブロック数のカウント値が値B以上になるため、ステップS107に進むこととなる。
ステップS107では、インターフェース制御部10はステップS102でカウントしたブロック数が値Cになったかどうかの判別処理を行う。ここで、値Cはi+j+k(iとjとkは上記で計算した値)である。
図4の時点t2以降の当初は、ブロック数≦Cであるので、ステップS108に進む。
ステップS108において、インターフェース制御部10は受信したデータブロックをチャンネル2(記録処理部13)に振分ける。つまり、そのデータブロックについては振分部202から記録処理部13に転送して、記録動作を実行させる。
以降、カウントしたブロック数≦Cの期間は、インターフェース制御部10は、S101、S102、S105、S107、S108の動作を繰り返す。
【0043】
或る時点でステップS107において、ステップS102でカウントしたブロック数が値Cを超えたと判定したら、ステップS109に進む。
上記図4でいえば、時点t2〜t3までは、ステップS108の処理に進むが、時点t3後は、ブロック数のカウント値が値C以上になるため、ステップS109に進むこととなる。
ステップS109において、インターフェース制御部10は受信したデータブロックをチャンネル3(記録処理部14)に振分ける。つまり、そのデータブロックについては振分部202から記録処理部14に転送して、記録動作を実行させる。
ステップS110では、インターフェース制御部10はステップS102でカウントしたブロック数が値Dになったかどうかの判別処理を行う。ここで、Dはi+j+k+m(iとjとkとmは上記で計算した値であり、つまりD=n)である。
カウントしたブロック数≦Dの期間は、インターフェース制御部10は、S101、S102、S105、S107、S109の動作を繰り返す。
ある時点(図4の時点t4)でステップS110において、ステップS102でカウントしたブロック数が値Dを超えるとステップ111に進み、ステップS102でカウントしたブロック数をクリアする。これにより総ブロック数nのデータを各チャンネルに振り分ける動作が終了する。
このように各チャンネルに振り分けられたデータは、それぞれのチャンネルにおいて記録処理される。図4で説明したように、その後時点t5で全チャンネルでの記録動作が完了する。
【0044】
なお、本実施の形態においては、記録系として4チャンネルを有する光記録装置を例にして説明したが、チャンネル数が幾つになったとしても同じ方法で割当てを実現できる。念のために、2チャンネルの場合を記しておく。
【0045】
2チャンネルの場合も同様に、光記録装置に書込む全データブロック数、各チャンネルへの割当てブロック数と1ブロック当たりの転送時間、1ブロック当たりの光記録媒体への書込時間を以下のように定義する。
全データブロック数:n
チャンネル0の割当てブロック数:i
チャンネル1の割当てブロック数:j
1ブロック当たりの転送時間:x(m秒)
1ブロック当たりの光記録媒体への書込時間:y(m秒)
n=i+j
【0046】
チャンネル0から書込を開始し、つぎにチャンネル1へデータブロックを割当てる。 この場合、チャンネル1における書き始めは、x×i(m秒)遅れる。したがって、チャンネル0における書込が終了するまでにx×i/yだけデータブロックの数が少なくなる。これを式で表すと、
j=i−x×i/y=(1−x/y)×i
となる。よって、全てのチャンネルへの割当数は、転送時間と書込時間とチャンネル0への割当数で表される。
【0047】
以上説明した第1の実施の形態によれば、複数のチャンネルを効率的に使うことが可能となり、各チャンネル使用効率を最適化でき、高速記録を実現できる。
【0048】
<第2の実施の形態>

続いて、第2の実施の形態について説明する。
上記により説明した第1の実施の形態では、各チャンネルに割当てるブロック数は演算部201の演算により求める。この演算はデータが、ホストコンピュータから送られてくるたびに行われ、各チャンネルにはその演算により算出されたデータブロック数が割当てられる。
第2の実施の形態では、この演算をしないで予め振分けるべきブロック数をテーブルとして持ちこのテーブルの数値に基づいてデータをブロック単位で各チャンネルに振り分け、光記録媒体20に記録しようとするものである。
【0049】
図3は、第2の実施の形態のブロック図である。以下の説明において、既に説明した部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
振分テーブル203は、各チャンネルに振り分けるべきデータのブロック数を表(メモリテーブル)の形で持つものである。振分テーブル203はROMや不揮発性メモリとして構成してもよい。例えばフラッシュメモリ等で構成してもよい。
【0050】
あらかじめホストコンピュータから送られてくるデータのブロック数nが固定であれば、それに合わせて第1の実施の形態で示した演算により各チャンネルに振り分けるべきブロック数を求め、それをテーブルに持てば同一の機能を実現できる。
【0051】
また、ホストコンピュータから送られてくるデータのブロック数nが何種類かある時は、その各種類に応じて、各チャンネルに振り分けるべきブロック数を記憶したテーブルをもてばよい。つまり書込要求の際に、転送されてくる総ブロック数nを知ったときに、それ応じて、振分テーブル203を参照して、各チャンネルに振り分けるべきブロック数が決定されるようにすればよい。
【0052】
この第2の実施の形態により、ブロック数を算出するための演算時間を省略することができ、さらなる光記録媒体への書込の高速化が可能となる。
【符号の説明】
【0053】
1 光記録装置、2 ホストコンピュータ、10 インターフェース制御部、11 記録処理部0、12 記録処理部1、13 記録処理部2、14 記録処理部3、16 光学ヘッド、17 光学ヘッド、100 データ送受部、101 記憶部、102 振分制御部、200 データブロックカウント部、201 演算部、202 振分部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光記録媒体に対しデータの記録するための複数のチャンネルを有し、
外部装置から送られてきたデータを受け取る受信部と、
前記受信部が受信したデータを一時的に記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたデータを読み取り、前記データの転送時間と前記光記録媒体への記録時間とに基づいて、前記複数のチャンネルの記録処理が同時に終了するように当該データをブロック単位で前記複数のチャンネルに振り分ける振分制御部と、
を備える記録装置。
【請求項2】
前記振分制御部は、前記データのブロック数をカウントするデータブロックカウント部と、
前記カウント部によりカウントされたデータのブロック数のうち、前記複数のチャンネルの最初のチャンネルに送る数のブロックが転送された後、次のチャンネルに送る数のブロックが転送され、当該転送の後、次のチャンネルに対し転送が行われることにより、全ての各チャンネルに対し所定数のブロックが転送され、各チャンネルに転送されたブロック数の総計は前記カウンタ部によりカウントされたブロック数と一致し、前記複数のチャンネルの最初のチャンネルに送る数のブロックの転送時間と記録時間との終了時点が、前記最初のチャンネル以外の各チャンネルに対する転送時間と記録時間との終了時点と同じとなるように前記複数の各チャンネルに割り振るブロックの数を演算する前記演算部と、
前記演算部に基づいて前記複数のチャンネルに前記カウント部によりカウントされた数のブロックのうち、所定数のブロックを前記複数の各チャンネルに振分ける振分部を有する請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記演算部は、前記カウント部によりカウントされたデータのブロック数nに対し、前記チャンネルへの1ブロックあたりの転送時間xと、1ブロックあたりの記録時間yと、前記複数のチャンネルの第1のチャンネルに送るべきブロックの数iとを使用して、第2のチャンネル以降である第aチャンネルについては送るべきブロックの数を、(1−x/y)(a-1)×iとして求め、全ブロックの数がnとなるように前記複数の各チャンネルに送るべきブロック数を求める請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記振分制御部は前記演算部で演算された、前記複数のチャンネルに振り分けるべきブロック数を前記ブロック数nの値に応じて表としている振分テーブルを有し、当該振分テーブルを用いて所定数のブロックを前記複数の各チャンネルに振分ける請求項2の記録装置。
【請求項5】
複数のチャンネルを有する記録装置にデータを光記録媒体に記録する方法であり、
前記データのブロック数をカウントし、
カウントされたデータのブロック数のうち、前記複数のチャンネルの最初のチャンネルに送る数のブロックが転送された後、次のチャンネルに送る数のブロックが転送され、当該転送の後、次のチャンネルに対し転送が行われることにより、全ての各チャンネルに対し所定数のブロックが転送され、各チャンネルに転送されたブロック数の総計は前記カウントされたブロック数と一致し、前記複数のチャンネルの最初のチャンネルに送る数のブロックの転送時間と記録時間との終了時点が、前記最初のチャンネル以外の各チャンネルに対する転送時間と記録時間との終了時点と同じとなるように前記複数の各チャンネルに割り振り記録する記録方法。
【請求項6】
複数のチャンネルを有する記録装置にデータを光記録媒体に記録する方法であり、
前記データのブロック数をカウントし、
カウントされたデータのブロック数nに対し、前記チャンネルへの1ブロックあたりの転送時間xと、1ブロックあたりの記録時間yと、前記複数のチャンネルの第1のチャンネルに送るべきブロックの数iとを使用して、第2のチャンネル以降である第aチャンネルについては送るべきブロックの数を、(1−x/y)(a-1)×iとして求め、全ブロックの数がnとなるように前記複数の各チャンネルに送るべきブロック数を求め、各チャンネルに割り振り記録する記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−18737(P2012−18737A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156399(P2010−156399)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】