説明

光通信システムおよび光通信システムのパス制御方法

【課題】ユーザの多様な使用帯域に対応した動的なパスの帯域制御を実現し、柔軟で効率的な光通信システムのパス制御方法を得る。
【解決手段】上位レイヤ装置を構成するRN32〜34が、RN32〜34に収容されるONU32−1〜34−Nの割当て帯域を計算するステップと、RN32〜34に収容される複数のONU32−1〜34−Nの割当て帯域を集計すると共に、ADM22〜24内のクライアントIF部の必要帯域を決定し、この必要帯域を集中局側のOLT1へ通知するステップと、OLT1が、RN32〜34の必要帯域から、複数のADM21〜24に要求すべきパスの帯域を決定し、ADM21〜24へ要求するステップと、複数のADM22〜24が、要求されたパスの帯域に従って、それぞれのパスの分岐挿入容量を設定し、パスを形成するステップと、を含む光通信システムのパス制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信システムのパス制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の光通信システムのパス制御方法としては、上位レイヤトラヒック量の観測状況に基づき、パスを構成するメンバーパスの増減を制御する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方で、大容量のデータを伝送するために、OTN(Optical Transport Network)がITU−T G.709で標準化されている。G.709では現在、1Gb/sから100Gb/sまでの伝送速度に対応したODU(Optical channel Data Unit)やOTU(Optical channel Transport Unit) が標準化されており、それらをWDM(Wavelength Division Multiplex)で多重化転送することで、その波長数倍の伝送容量の光通信システムを構築できる。また、従来のODUに加え、ユーザの通信容量に応じた低速から高速までの信号を収容できるODUflex(Optical channel Data Unit, flexible)も標準化されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
また、IEEE802.3 Ethernet(登録商標) Working Groupでは、GE−PON(Gigabit Ethernet(登録商標) Passive Optical Network)に加えて、10GE−PON(10Gigabit Ethernet(登録商標) Passive Optical Network)が標準化され、既にGE−PONは、FTTH(Fiber To The Home)のブロードバンドサービスとして、広く普及している(例えば、非特許文献2および3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−20572号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ITU−T Recommendation G.709
【0007】
【非特許文献2】IEEE802.3−2008
【0008】
【非特許文献3】IEEE802.3ba
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現在のユーザの使用可能帯域はFTTHを使用しても最大で1Gb/s程度であるが、大容量が必要なアプリケーションが登場することによって、低速(1Mb/s)から高速(100Gb/s)までの多様なユーザのニーズに対応することが必要と考えられる。しかしながら、従来の光通信システムのパス制御方法では、上位レイヤトラヒック量の観測状況に基づき下位レイヤのメンバーパスを増減させるのみのため、上位レイヤ装置と下位レイヤ装置間で連携した、ユーザの多様な使用帯域に対応した動的な帯域制御ができないという問題点があった。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザの多様な使用帯域に対応した動的なパスの帯域制御を実現し、柔軟で効率的な光通信システムおよび光通信システムのパス制御方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ユーザ側の上位レイヤ装置を構成する遠隔装置と、前記遠隔装置に収容されるユーザ側終端装置と、ユーザ側の下位レイヤ装置と、を含む光通信システムに適用され、前記上位レイヤ装置が収容するユーザの割当て帯域に応じて、前記下位レイヤ装置のパスの設定を動的に制御するパス制御方法であって、前記遠隔装置が、前記ユーザ側終端装置の割当て帯域を計算するステップと、前記遠隔装置が、複数の前記ユーザ側終端装置の割当て帯域を集計すると共に、前記下位レイヤ装置のインタフェースの必要帯域を決定し、この必要帯域を集中局側の上位レイヤ装置へ通知するステップと、前記集中局側の上位レイヤ装置が、複数の前記遠隔装置の必要帯域から、複数の前記下位レイヤ装置に要求すべきパスの帯域を決定し、前記下位レイヤ装置へ要求するステップと、複数の前記下位レイヤ装置が、要求されたパスの帯域に従って、それぞれのパスの帯域を動的に設定し、パスを形成するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、上位レイヤ装置と下位レイヤ装置間のパス制御を連携して動作させるようにしたので、ユーザの多様な使用帯域に対応した動的なパスの帯域制御を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかる光通信システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、図1に示したADMの詳細を示す構成図である。
【図3】図3は、ITU−T Recommendation G.709に示されたOTUkフレームの構造を示す図である。
【図4】図4は、図2に示したADMにおけるクライアントIF部の詳細を示す図である。
【図5】図5は、図1に示したOLTの詳細を示す構成図である。
【図6】図6は、図1に示したRNの詳細を示す構成図である。
【図7】図7は、図1に示した光通信システムにおけるパスの設定方法のフローチャートを示す図である。
【図8】図8は、ADMで構成されるリングネットワーク上のODUflex帯域が変化する前の状態を示す図である。
【図9】図9は、ADMで構成されるリングネットワーク上のODUflex帯域が変化した後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明にかかる光通信システムおよび光通信システムのパス制御方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態にかかる光通信システムの構成例を示す図である。図1に示される光通信システムにおいて、OLT(Optical Line Terminal)1は、ルータ4からの信号をADM(Add-Drop Multiplexer)21〜24を介して、RN(Remote Node)32〜34と通信する集中局側の光終端装置(集中局側の上位レイヤ装置)である。
【0016】
ADM21〜24は、OLT1やRN32〜34の信号を収容し、リングネットワーク(「下位レイヤネットワーク」と称する場合もある)を構成する分岐挿入多重化装置である。例えば、ADM21は、OLT1を収容し、ADM22は、RN32を収容し、ADM23は、RN33を収容し、ADM24は、RN34を収容する。なお、ADM21〜24は、「下位レイヤ装置」と称する場合もある。
【0017】
RN32〜34は、ADM21〜24を介してOLT1と通信すると共に、ユーザ側終端装置であるONU(Optical Network Unit)32−1〜32−N、ONU33−1〜33−N、およびONU34−1〜34−Nを収容する遠隔局側の光終端装置(遠隔装置)である。例えば、RN32は、ONU32−1〜32−Nを収容し、RN33は、ONU33−1〜33−Nを収容し、RN34は、ONU34−1〜34−Nを収容する。なお、RN32〜34およびONU32−1〜34−Nは、上位レイヤネットワークを構成する上位レイヤ装置である。
【0018】
ONU32−1〜34−Nは、ユーザからの信号を収容し、それぞれRN32〜34との間で1:N通信を行ってPON(Passive Optical Network)を構成するユーザ側の光網終端装置である。これら装置により、メトロ・アクセスネットワークが構成されている。
【0019】
図2は、図1に示したADM21〜24の詳細を示す構成図である。図2において、OTU IF(Optical channel Transport Unit InterFace)部201、202は、OTUフレームを終端して隣接するADM21〜24間で光通信を行うインタフェースである。クライアントIF部203は、OLT1やRN32〜34との通信インタフェースである。ODU分岐挿入部204は、OTU IF部201、202とクライアントIF部203との間で信号を分岐挿入する。なお、信号を分岐挿入するとは、ODUflexパスの分岐挿入容量(「ODUflexパスの帯域」と称する場合もある)を設定することである。ADM制御部205は、OLT1から要求されたODUflex帯域に従ってODU分岐挿入部204の分岐挿入容量を設定・制御する。その結果、ADM21〜24によるリングネットワークのODUflexパスが形成される。
【0020】
図3は、ITU−T Recommendation G.709に示されたOTUkフレームの構造を示す図である。図3において、OTUk(Optical channel Transport Unit-k:kは伝送速度によりk=1、2、3となる)フレームは、クライアント信号のような実際の通信データを格納するためのペイロードと、フレーム同期のためのFA OH(Frame Alignment OverHead)と、保守監視情報のためのOTUk OHおよびODUk OH(Optical channel Data Unit-k OverHead)と、ペイロードのマッピングのためのOPUk OH(Optical channel Payload Unit-k)とから構成されている。さらに、OTUkフレームは、伝送後の光品質の劣化によるビット誤りを訂正するための誤り訂正符号の情報を格納するFEC(Forward Error Correction)冗長領域を有している。なお、一般的に、FA OH、OTUk OH、ODUk OH、およびOPUk OHから構成された部分をオーバヘッドと呼ぶ。
【0021】
図4は、図2に示したADM21〜24におけるクライアントIF部203の詳細を示す図であり、ここでは、100GbE(100Gigabit Ethernet(登録商標))光インタフェースの例を示している。光送受信器2031は、100GbE光信号と電気信号との相互変換を行う。PHY(physical layer)回路2032は、100GbEの伝送路符号変換等を行い、MACフレームをGFP−F(Generic Framing Procedure -Frame)処理回路2033へ送受信する。GFP−F処理回路2033は、MACフレームにGFPヘッダを付加してGFPフレームへカプセリングする。GFPフレームは、ODUflex処理回路2034においてODUflexへマッピングされ、ODU分岐挿入部204へ接続される。
【0022】
図5は、図1に示したOLT1の詳細を示す構成図である。ネットワークIF部101は、ルータ4と接続されて通信を行うインタフェースである。クライアントIF部102はADM21と接続されて通信を行うインタフェースである。PON制御部103は、ネットワークIF部101とクライアントIF部102との間のデータ信号の転送を行うと共に、OLT制御部104の指示に従って、RN32〜34との制御信号の通信を行う。OLT制御部104は、PON制御部103の制御を行うと共に、ADM21のADM制御部205との間で制御信号の通信を行う。OLT制御部104は、例えば、RN32、RN33、およびRN34から通知された必要帯域から、ADM22〜24へ要求すべきODUflex帯域を決定し、ADM22〜24へ要求する。より具体的には、決定されたODUflex帯域は、ADM21を経由してADM22〜24に通知される。なお、RN32、RN33、およびRN34から通知された必要帯域に関しては後述する。
【0023】
図6は、図1に示したRN32〜34の詳細を示す構成図である。クライアントIF部301は、ADM21〜24に接続され通信を行うインタフェースである。PON IF部302は、ONU32−1〜34−Nとの間で、それぞれ、1:N通信を行うインタフェースである。RN制御部303は、ONU32−1〜34−NとのPON区間の通信制御を行う。
【0024】
より具体的に説明する。RN制御部303は、収容しているONU(例えば32−1〜32−N)の割当て帯域を計算する。これは、例えば、GE−PONや10GE−PONにおいて標準化されているMPCP(Multi Point Control Protocol)を使用してGATEフレームおよびREPORTフレームを、RN32とONU32−1〜32−Nとの間でやり取りし、RN32が各ONU32−1〜32−Nに割り当てるべき帯域を計算する。さらに、RN制御部303は、収容しているONUの割当て帯域を集計して、アップリンクであるクライアントIF部301の必要帯域を決定し、この必要帯域をOLT1へ通知する。なお、図1の例では、RN32、RN33、およびRN34から通知された必要帯域は、ADM21〜ADM24を介してOLT1に通知される。
【0025】
次に動作について、図7を参照して説明する。図7は、図1に示した光通信システムにおけるパスの設定方法のフローチャートを示す図である。まず、RN32〜34は、それぞれ収容しているONU32−1〜34−Nの割当て帯域を計算する(ステップS1)。次に、RN32〜34が、それぞれ収容しているONU32−1〜34−Nの割当て帯域を集計して、クライアントIF部301(インタフェース)の必要帯域を決定し、この必要帯域をOLT1へ通知する(ステップS2)。OLT1は、通知された各RN32〜34の必要帯域からADM21〜24へ要求すべきODUflex帯域を決定してADM21〜24へ要求する(ステップS3)。ADM21〜24では、要求されたODUflex帯域に従って、各ADM21〜24内のODU分岐挿入部204にODUflex帯域を設定し、ODUflexパスを形成する(ステップS4)。
【0026】
ここで、OLT1とRN32〜34との間の必要帯域の通知は、例えば、ITU−T Recommendation Y.1731に規定されたOAM(Operations, Administration and Maintenance)フレームを拡張して、OLT制御部104とRN制御部303とで制御通信することにより行うことができる。また、OLT1とADM21〜24との間、およびADM21〜24相互間の通知や要求は、GMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)プロトコルを拡張して、OLT制御部104とADM制御部205との間、および異なるADM21〜24のADM制御部205間で制御通信することにより行うことができる。なお、GMPLSによる制御通信は、OTU OHやOAMフレーム等を使用してIn−bandで行っても、図示していない別の通信チャネルを用いてOut of bandで行ってもよい。
【0027】
図8は、ADM21〜24で構成されるリングネットワーク上のODUflex帯域が変化する前の状態を示す図であり、図9は、ADM21〜24で構成されるリングネットワーク上のODUflex帯域が変化した後の状態を示す図である。
【0028】
ここで、図8に示されるODUflex−22、ODUflex−23、およびODUflex−24の各帯域は以下のような容量を示している。例えば、図3に示したOTUフレームのペイロード領域を40のタイムスロットとし、ADM21〜24間の伝送容量を100Gb/sと仮定する。すなわち、1タイムスロットが2.5Gb/sである。
【0029】
このとき、ADM22において分岐挿入されるタイムスロットが1〜15相当のODUflex−22の帯域は、37.5Gb/sの容量である。ADM23において分岐挿入されるタイムスロットが16〜35相当のODUflex−23の帯域は、50.0Gb/sの容量である。また、ADM24において分岐挿入されるタイムスロットが36〜40相当のODUflex−24の帯域は、12.5Gb/sの容量である。
【0030】
今、RN34が収容しているONU34−1〜ONU34−Nの要求帯域が増加し、RN32が収容しているONU32−1〜ONU32−Nの要求帯域が減少し、RN33が収容しているONU33−1〜ONU33−Nの要求帯域が減少したとする。このとき、ADM22〜ADM24のODUflexパスの帯域は、図7に示したフローチャートに従って変更される。図9には、ADM22〜ADM24のODUflexパスの帯域が変化した状態が示されている。具体的には、ADM22において分岐挿入されるタイムスロットが1〜10相当のODUflex−22の帯域は、25.0Gb/sの容量に変化し、ADM23において分岐挿入されるタイムスロットが11〜18相当のODUflex−23の帯域は20.0Gb/sの容量に変化し、ADM24において分岐挿入されるタイムスロットが19〜40相当のODUflex−24の容量は、55.0Gb/sの容量に変化する。
【0031】
以上説明したように、ONU32−1〜34−Nの割当て帯域を収集してクライアントIF部301の必要帯域を決定し、この必要帯域をOLT1へ通知するRN32〜34と、RN32〜34から通知された必要帯域に基づいてADM21〜24へ要求すべきODUflex帯域を決定してADM21〜24へ要求するOLT1と、要求されたODUflex帯域に従ってADM21〜24内のODU分岐挿入部204にODUflex帯域を設定し、ODUflexパスを形成するADM21〜24とを備えるようにしたので、上位レイヤ装置(例えばRN32〜34)と下位レイヤ装置(例えば、ADM21〜ADM24)との間のパス制御を連携して動作させることができ、ユーザの多様な使用帯域に対応した動的なパスの帯域制御を実現し、柔軟で効率的な光通信システムを提供することが可能である。また、ONU32−1〜34−Nの要求帯域に応じてADM22〜ADM24のODUflexパスの帯域が適切に制御されるため、光通信システム全体での消費エネルギーの増加を抑制することが可能である。
【0032】
なお、本実施の形態では、100Gb/sの伝送容量を40のタイムスロットでODUflex帯域をシェアする構成を示したが、異なる伝送容量や異なるタイムスロット数としてもよい。
【0033】
また、本実施の形態では、ADMによりリングネットワークを構成した例を示したが、ADMの代わりに、パスの経路を切り替えるXC(Cross-connect)装置を配置して、メッシュネットワークを構成した場合も、本実施の形態と同様な効果を奏することは言うまでもない。
【0034】
また、本実施の形態では、RNとONUでPONを構成している例を示したが、L2スイッチとメディアコンバータでAON(Active Optical Network)を構成し、L2スイッチとメディアコンバータとの間で割当て帯域を計算するようにしても、本実施の形態と同様な効果を奏することは言うまでもない。
【0035】
また、本実施の形態では、RNとONUでPONを構成している例を示したが、RNとONUでGE−PON、10GE−PON、あるいはEthernet(登録商標)を構成する場合も、本実施の形態と同様な効果を奏することは言うまでもない。
【0036】
また、本実施の形態に示した光通信システムは、本発明の内容の一例を示すものであり、更なる別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは無論である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上のように、本発明は、光通信システムに適用可能であり、特に、ユーザの多様な使用帯域に対応した動的なパスの帯域制御を実現することができる発明として有用である。
【符号の説明】
【0038】
1 OLT(集中局側の上位レイヤ装置)
4 ルータ
21、22、23、24 ADM(下位レイヤ装置)
32、33、34 RN(遠隔装置)
32−1、32−2、32−3、32−N、33−1、33−2、33−3、33−N、34−1、34−2、34−3、34−N ONU
101 ネットワークIF部
102、203 クライアントIF部
103 PON制御部
104 OLT制御部
201、202 OTU IF部
204 ODU分岐挿入部
205 ADM制御部
301 クライアントIF部(インターフェイス)
302 PON IF部
303 RN制御部
2031 光送受信器
2032 PHY回路
2033 GFP−F処理回路
2034 ODUflex処理回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ側の上位レイヤ装置を構成する遠隔装置と、前記遠隔装置に収容されるユーザ側終端装置と、ユーザ側の下位レイヤ装置と、を含む光通信システムに適用され、前記上位レイヤ装置が収容するユーザの割当て帯域に応じて、前記下位レイヤ装置のパスの設定を動的に制御するパス制御方法であって、
前記遠隔装置が、前記ユーザ側終端装置の割当て帯域を計算するステップと、
前記遠隔装置が、複数の前記ユーザ側終端装置の割当て帯域を集計すると共に、前記下位レイヤ装置のインタフェースの必要帯域を決定し、この必要帯域を集中局側の上位レイヤ装置へ通知するステップと、
前記集中局側の上位レイヤ装置が、複数の前記遠隔装置の必要帯域から、複数の前記下位レイヤ装置に要求すべきパスの帯域を決定し、前記下位レイヤ装置へ要求するステップと、
複数の前記下位レイヤ装置が、要求されたパスの帯域に従って、それぞれのパスの帯域を動的に設定し、パスを形成するステップと、
を含むことを特徴とする光通信システムのパス制御方法。
【請求項2】
前記上位レイヤネットワークにおいて、前記遠隔装置および前記ユーザ側終端装置は、PON(Passive Optical Network)を構成していることを特徴とする請求項1に記載の光通信システムのパス制御方法。
【請求項3】
前記遠隔装置および前記ユーザ側終端装置は、IEEE802.3のGE−PON(Gigabit Ethernet(登録商標) Passive Optical Network)あるいは10GE−PON(10Gigabit Ethernet(登録商標) Passive Optical Network)を構成していることを特徴とする請求項2に記載の光通信システムのパス制御方法。
【請求項4】
前記上位レイヤネットワークにおいて、前記遠隔装置および前記ユーザ側終端装置は、AON(Active Optical Network)を構成していることを特徴とする請求項1に記載の光通信システムのパス制御方法。
【請求項5】
前記遠隔装置および前記ユーザ側終端装置は、IEEE802.3のEthernet(登録商標)を構成していることを特徴とする請求項4に記載の光通信システムのパス制御方法。
【請求項6】
前記下位レイヤネットワークにおいて、前記下位レイヤ装置は、ITU−T G.709のOTUフレームを処理し、ODUflex(Optical channel Data Unit, flexible)によるパスの分岐挿入を行うことを特徴とする請求項1に記載の光通信システムのパス制御方法。
【請求項7】
前記下位レイヤ装置は、前記ODUflexによるパスを分岐挿入するADM(Add-Drop Multiplexer)あるいはODUflexによるパスの経路を切り替えるXC(Cross-Connect)であることを特徴とする請求項6に記載の光通信システムのパス制御方法。
【請求項8】
請求項1〜7に記載の前記遠隔装置と、前記下位レイヤ装置と、前記集中局側の上位レイヤ装置とを備えたことを特徴とする光通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−124595(P2012−124595A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271811(P2010−271811)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】