説明

光配向装置、および配向層の形成方法、および液晶ディスプレイの形成方法

【課題】 液晶ディスプレイの配向層の形成装置および配向層の形成方法を提供する。
【解決手段】 光配向装置であって、非偏光を照射する光源、前記非偏光を受け、前記非偏光を偏光に変換する偏光板、および前記偏光を受け、前記偏光を第1光線と第2光線に分割する多層膜分光器を含む露光機、光線をそこに通過させる少なくとも2つの透過部を含み、前記第1光線と前記第2光線が前記2つの透過部をそれぞれ通過するマスク、および前記マスクに対応し、前記2つの透過部を通過する前記第1光線と前記第2光線がそこに照射される光配向領域を含む光配向装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイの配向層の形成装置および配向層の形成方法に関し、特に、単一光源によって1つの配向層に2つの異なる配向方向を形成する装置および単一光源によって1つの配向層に2つの異なる配向方向を形成する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LCDパネルは、画素電極を有する下部基板、共通電極を有する上部基板、および下部と上部基板との間に挟入された液晶層を含む。電場を画素電極と共通電極との間に印加した時、液晶層の液晶分子の配置は変わる。液晶分子の光透過率は、変えられた液晶分子の配置によって制御され、画像を表示する。
【0003】
液晶分子の制御は表示品質を向上させる1つの重要な要因であるため、配向層が通常、下部または上部基板の内表面に配置されて液晶分子のプレチルト角を効果的に制御する。
【0004】
図8に示されるように、従来の光配向装置では、搬送用トラック10は、製造方向に沿って、加工材料でコーティングされた基板11を搬送する。しかしながら、基板11に照射された光源17の同入射角により、基板11がマスク15と光源17を通過した後、1つの配向方向のみ基板11の表面に形成される。2つ以上の配向方向を基板11に形成するために、基板11は、搬送用トラック10の中央プラットフォーム13で180度回転され、再度マスク15と光源17を通過する。
【0005】
上述の光配向装置では、設備を収容しなければならない、より大きな工場のスペースが必要だけでなく、2つの配向方向を有する配向層を製作する、より長い製造時間が必要であり、これらは経済的に満足のいくものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
液晶ディスプレイの配向層の形成装置および配向層の形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これに鑑みて、本発明の主な目的は、基板上で2つの異なる配向方向を同時に行うことができる光配向装置を提供することである。本発明の他の主な目的は、より小さい工場面積およびより少ない製造時間を用いて光配向装置を提供することである。
【0008】
上述の目的を達成するために、1つの模範的な実施形態では、光配向装置は、露光機、少なくとも1つのマスク、および光配向領域を含む。露光機は、光源、偏光板、および多層膜分光器を含む。光源は、非偏光を照射する。偏光板は、非偏光を受け、非偏光を偏光に変換する。多層膜分光器は、偏光を受け、偏光を第1光線と第2光線に分割する。マスクは、光線をそこに通過させる少なくとも2つの透過部を含み、第1光線と第2光線は2つの透過部をそれぞれ通過する。光配向領域は、マスクに対応し、2つの異なる透過部を通過する第1光線と第2光線は光配向領域に照射される。
【0009】
1つの実施形態では、露光機は、1つの反射板および2つの光伝送板を含む。反射板は、光源から発された非偏光を偏光板に向けて反射し、偏光板は、非偏光をS偏光およびP偏光に変換し、P偏光は、多層膜分光器内に照射される。2つの光伝送板は、第1光線と第2光線を受信し、第1光線と第2光線の進行方向を変更する。注意するのは、P偏光が本実施形態に用いられているがこれに限定されるものではない。他の実施形態では、S偏光が用いられ得る。
【0010】
1つの実施形態では、多層膜分光器を通過した後、第1進行経路に沿った第1光線は、光伝送板の1つおよびマスクの透過部の1つを連続的に通過し、光配向領域に照射される。多層膜分光器を通過した後、第2進行経路に沿った第2光線は、もう1つの光伝送板およびもう1つの透過部を連続的に通過し、光配向領域に照射される。第1進行経路は、第2進行経路と同じであることができる。また、マスクにかかる露光エネルギーが実質的に同等である場合、第1進行経路は、第2進行経路と異なることができる。異なる要求に基づき、マスクの形状は、光線の入射方向および光線の強度を変えるように調整されることができる。
【0011】
1つの実施形態では、光配向装置は、基板を搬送できる搬送トラックを更に含み、基板は、製造方向に沿って搬送され、光配向領域を通過し、マスクの透過部は、製造方向上に所定の幅を有し、所定の幅は、光配向領域が受けた露光エネルギーの総和によって決まる。よって、2つのマスク部の伝送部は、異なる幅を有することができる。
【0012】
本発明は、感光材料で塗布された基板を提供するステップ、非偏光を発生する光源を提供するステップ、非偏光を偏光に変換するステップ、偏光を第1光線と第2光線に分割するステップ、および基板の上に配置された少なくとも1つのマスクを提供し、感光材料に照射された第1と第2光線の配光の形状を定義するステップ、および第1と第2光線をマスクに通過させ、感光材料を第1と第2光線に露光するステップを含む配向層を形成する方法を更に提供する。
【0013】
第1と第2光線が照射された領域で基板を移動するために、上述の方法は、製造方法に沿って基板を移動させる搬送トラックを提供するステップを更に含み、マスクの透過部は、製造方向に所定の幅を有し、透過部の所定の幅を変えることで、感光材料に照射された第1と第2光線の露光エネルギーの総和が変えられることができる。
【0014】
1つの実施形態では、上述の方法は、第1と第2光線を受け、第1と第2光線の進行方向を変える2つの光伝送板をそれぞれ提供するステップを更に含む。
【0015】
本発明は、第1と第2光線に露光されており、その感光材料が光配向されている2つの基板を提供するステップ、2つの基板の間に液晶層を配置して2つの基板を結合し、液晶パネルを形成するステップ、および液晶パネルに隣接して配置されるバックライトモジュールを提供するステップを含む液晶ディスプレイモジュールを製造する方法を更に提供する。
【0016】
本発明の光配向装置は、多層膜分光器を用いて、単一光源を実質的に同等の強度を有する第1光線と第2光線に分割する。第1光線と第2光線は、異なる入射角で、感光材料で塗布された基板に照射されるため、2つの異なる配向方向は、感光材料に同時に形成され、よって製造時間が大幅に減少される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明は、添付の図面と併せて後に続く詳細な説明と実施例を解釈することによって、より完全に理解されることができる。
【図1】本発明の好ましい実施形態に基づく、その上に基板を有する光配向装置の上面図を表している。
【図2】図1のX方向に沿って観察されたA−A断面を表している側面図を表している。
【図3】本発明の好ましい実施形態に基づく、配向層を光配向を行う時の光配向装置の概略図を表している。
【図4】本発明の好ましい実施形態に基づく、マスクの部分的な上面図を表している。
【図5】本発明の好ましい実施形態に基づく、配向層に光配向を行うプロセスを示す概略図を表している。
【図6】本発明の好ましい実施形態に基づく、配向層を製造する方法の模範的な実施形態を説明するフローチャートを表している。
【図7】本発明の好ましい実施形態に基づく、液晶ディスプレイ装置の構成要素の分解図を表している。
【図8】従来の光配向装置の概略図を表す側面図を表している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明は、本発明を実施するベストモードが開示されている。この説明は、本発明の一般原理を例示する目的のためのもので本発明を限定するものではない。本発明の範囲は、添付の請求の範囲を参考にして決定される。
【0019】
図1と2を参照すると、図2は、本発明の好ましい実施形態に基づく、図1のX方向に沿って観察されたA−A断面を表している側面図を表しており、簡易化のために、第1光配向領域E1に設定された1つの露光機100および一部のマスク200のみが図2に表されている。1つの模範的な実施形態では、光配向装置50は、搬送用トラック60、複数の露光機100、および複数のマスク200を含む。
【0020】
搬送用トラック60は、搬送ベルト62、フレーム体64、および光配向領域Eを含み、搬送ベルト62は、製造方向(X方向)に沿った、幅2500ミリを有する複数の大型基板を搬送することができる。フレーム体64は、搬送ベルト62の一部に対応し、その上に配置されて、露光機100およびマスク200がその中に設置されるようにする。光配向領域Eは、露光機100およびマスク200の下方に位置する搬送ベルト62の表面の領域に定義される。製造方向(X方向)に沿って搬送されている基板70は、順次に第1光配向領域E1および第2光配向領域E2を通過する。
【0021】
1つの模範的な実施形態では、光配向装置50は、11個の露光機100を含み、6つの露光機100は、第1光配向領域E1に対応してフレーム体64の内部に配置され、他の5つの露光機100は、第2光配向領域E2に対応してフレーム体64の内部に配置される。特に、第1光配向領域E1の露光機100は、所定方向(Y方向)に沿ってフレーム体64の内部に配置され、露光機100は、間隔Sによってもう1つから間隔を開けられ、第2光配向領域E2の露光機100は、間隔Sの1つにそれぞれ対応し、所定方向(Y方向)に沿ってフレーム体64の内部に配置される。他の実施形態では、露光機100の数は、所望に応じて変えることができる。例えば、露光機100の数は、同時にそれに露出される基板の数または光配向装置50の仕様に基づいて変わることができる。
【0022】
図3を参照すると、露光機100のそれぞれは、光源110、反射板120、偏光板130、多層膜分光器140、および2つの光伝送板150と155を含む。光源110は、ランプ113と反射カバー115を含む。ランプ113は、非偏光UV(例えば本実施例では紫外線)を照射するように構成される。反射カバー115は、ランプ113から発された非偏光UVを反射板120に反射するまたは反射板120に集光するように構成される。1つの模範的な実施形態では、露光機100の光源110は、単一の光源である。注意するのは、ここに述べる「単一」とは、光源113の数または光源113内の発光素子に限定されているものとして狭義に解釈されるべきではなく、「単一」とは、光源110で発された光の進行方向であるものとして広義に解釈されるべきである。例えば図3に示された矢印は、光源110からの非偏光UVを示しており、通常単一の方向に沿って反射板120に照射される。
【0023】
反射板120は、光源110から発された非偏光UVを偏光板130に向けて反射するように構成される。偏光板130は、非偏光UVを受け、S偏光UVSおよびP偏光UVPを含む偏光UVを偏光に変換する。特に、偏光板130は、異なる反射率を有する複数の層によって堆積されているため、反射板120からの光が特定の角度、例えば偏光角で反射板130に照射されている時、S偏光UVSは、反射板130に完全に反射され、P偏光UVPは、反射板130を通過することができる。
【0024】
1つの模範的な実施形態では、偏光板130からのP偏光UVPは、多層膜分光器140に照射され、P偏光UVPは、第1光線LB1と第2光線LB2に同等に分割され、第1光線LB1は、多層膜分光器140によって反射され、第2光線LB2は、多層膜分光器140を通過する。
【0025】
2つの光伝送板150と155は、多層膜分光器140の相反する両側に配置され、第1光線LB1と第2光線LB2にそれぞれ反射される。2つの光伝送板150と155の配置された角度は、所望に応じて調節され、第1光線LB1と第2光線LB2の進行方向を変えることができるため、第1光線LB1と第2光線LB2は、特定の角度で搬送用トラック60の光配向領域Eに導かれることができる。また、2つの光伝送板150と155の配置された角度および位置はマスク200の形状、マスク200の配置された角度、または所望の進行光路に基づいて調整されることができる。
【0026】
図2および4を参照すると、各マスク200は、第1マスク部210、第2マスク部220、およびホルダー230をそれぞれ含む。各露光機100が配置される位置に応じて、ホルダー230は、フレーム体64に接続されるため、第1および第2マスク部210および220は、露光機100と搬送用トラック60との間に配置される。
【0027】
図4は、本発明の模範的な実施形態のマスクの1つの部分拡大図を表している。第1マスク部210は、所定の方向(Y方向)に沿って延伸し、所定の方向(Y方向)に連続的に配置された複数の露光ユニット211を含む。各複数の露光ユニット211は、光線を通過させる透過部213および光を遮蔽する遮蔽部215をそれぞれ含み、透過部213および遮蔽部215は、所定の方向(Y方向)に順次に配置される。言い換えると、透過部213および遮蔽部215は、第1マスク部210に交互に配置される。
【0028】
所定の方向(Y方向)では、各複数の露光ユニット211は長さdを有する。各透過部213および各遮蔽部215は、所定の方向(Y方向)に長さdおよび長さdを有し、且つ製造方向(X方向)に幅Hを有する。1つの模範的な実施形態では、長さdは、1つの画素の長さと等しく、長さdは、半分の画素の長さより大きいまたは等しく、長さdは、長さdより大きいまたは長さdと等しい(即ち、0μm <=Δd<=5μm であり、Δdは、長さdと長さdとの間の差である)。幅Hの大きさは、後に詳述される、所望の露光エネルギーの総和によって決まる。
【0029】
注意するのは、各複数の露光ユニット211の透過部213および遮蔽部215の数は、上述の実施形態に限定されるものではない。各露光ユニット211は、2つ以上の透過部213および2つ以上の遮蔽部215を有することができ、透過部213の数および遮蔽部215の数は、異なってもよい。例えば、他の実施形態(図示されていない)では、各複数の露光ユニット211は、2つの透過部213および2つの遮蔽部215を有し、透過部213および遮蔽部215は、第1マスク部210に交互に配列され、各透過部213は、長さdを有し、遮蔽部215は、長さdを有する。長さdは、長さdより大きいまたは長さdと等しい(即ち、0μm <=Δd<=5μm であり、Δdは、長さdと長さdとの間の差である)。
【0030】
同様に、第2マスク部220は、複数の露光ユニット221を有し、各複数の露光ユニット221は、透過部223および遮蔽部225をそれぞれ有する。第2マスク部220の複数の露光ユニット221の説明は、第1マスク部210の複数の露光ユニット211と同様であるため、簡易化のためにここでは省略される。しかしながら注意するのは、製造方向(X方向)では、露光ユニット221の透過部223および露光ユニット211の遮蔽部225は、同一ラインに配置されることができる。即ち、それらは製造方向(X方向)に互いに重複される。また、各複数の露光ユニットの透過部223および遮蔽部225は、幅Hを有する。
【0031】
配向層の製造方法が詳述される。図1、3、および6を参照すると、図6は、配向層の製造方法の模範的な実施形態を説明するフローチャートを表している。まず、感光材料80は、基板70に塗布され(図1、S10)、感光材料80は、後に液晶分子を注入する表面に塗布される。次いで、光源110は、非偏光UVを発生するように提供され(図3、S20)、偏光板130は、非偏光UVをS偏光UVSおよびP偏光UVPに分割するように提供される(図3、S30)。多層膜分光器140は、P偏光UVPを第1光線LB1と第2光線LB2に分割するように提供される(図3、S40)。最後に感光材料80は、第1光線LB1と第2光線LB2によって照射される(図3、S50)。
【0032】
図5は、配向層に光配向を行うプロセスを示す概略図を表している。基板70は、第1サブピクセル領域SPおよび第1サブピクセル領域SPに隣接する第2サブピクセル領域SPを有する。基板70が製造方向(X方向)に沿って搬送される時、第1マスク部210の透過部213を通過する第1光線LB1は、基板70の第1サブピクセル領域SPに照射されるため、第1光配向方向aは、第1サブピクセル領域SPの表面に形成される。一方、第2マスク部220の透過部223を通過する第2光線LB2は、基板70の第2サブピクセル領域SPに照射されるため、第2光配向方向aは、第2サブピクセル領域SPの表面に形成される。この実施形態では、第1光線LB1は、製造方向(X方向)に対して第1入射角θで感光材料80に照射され、第2光線LB2は、製造方向(X方向)に対して第2入射角θで感光材料80に照射され、第1入射角θは、90度より小さく、第2入射角θは、90度より大きい。その結果、第1光線LB1および第2光線LB2に露光された感光材料(配向層)80は、2つの実質的に相反する光配向方向a1およびaを含む。
【0033】
図3を参照すると、感光材料80は、単一のP偏光UVPから分割された第1光線LB1および第2光線LB2に露光されるため、第1光線LB1と第2光線LB2との間に異なるエネルギー強度が生じる可能性がある。この状態が発生するのを防ぐために、それらが基板70に照射される前に、第1光線LB1および第2光線LB2の進行経路は、実質的に同等となるように調整されてもよい。特に、多層膜分光器140を通過した後、第1進行経路に沿った第1光線LB1は、光伝送板150および第1マスク部210の透過部213を連続的に通過し、感光材料80に照射される。一方、多層膜分光器140を通過した後、第2進行経路に沿った第2光線LB2は、光伝送板155および第2マスク部220の透過部223を連続的に通過し、感光材料80に照射される。第1進行経路は、第2進行経路と同じであることができる。
【0034】
また、第1進行経路は、第2進行経路と異なるが、マスク200の配置された位置、またはマスク200の配置された角度、またはマスク200の配置された形状は、光配向プロセスの要求に適うように合わせて調節されることができる。例えば図4と5を参照すると、第1光線LB1と第2光線LB2のエネルギー強度に基づき、透過部213の幅Hおよび透過部223の幅Hは、設計者によって対応して変えられることができる。特に、第1光線LB1のエネルギー強度が第2光線LB2のエネルギー強度より小さい時、幅Hは、幅Hより大きい可能性があるため、第1サブピクセル領域SPおよび第2サブピクセル領域SPは、実質的に同等の露光エネルギーの総和を受けることができる。
【0035】
また、多層膜分光器140(図3)の構成材料、2つの光伝送板150と155(図3)の配置された角度、または搬送トラック60(図1)上の基板70の搬送速度を変えることで、第1光線LB1および第2光線LB2によって感光材料80に照射された露光エネルギーの総和が変えられることができる。
【0036】
図7は、本発明の好ましい実施形態の液晶ディスプレイ装置500の構成要素の分解図を表している。液晶ディスプレイ装置500は、液晶パネル510、少なくとも1つの光学フィルム520、バックライトモジュール530、およびフレーム540を含む。少なくとも1つの光学フィルム520は、バックライトモジュール530の上に配置される。液晶パネル510は、少なくとも1つの光学フィルム520の上に配置され、2つの基板70と液晶層75を含み、2つの基板70は、2つの光配向の配向層80で構成される。フレーム540は、液晶パネル510、少なくとも1つの光学フィルム520、およびバックライトモジュール530を囲み、それら全てをその中に固定する。液晶ディスプレイ装置500の製造方法では、まず液晶層75が配向層80で構成された基板の1つ側に配置される。配向層80で構成されたもう1つの基板70の1つ側は、液晶層75に配置されるため、液晶層75は2つの基板70の間に挟入される。2つの基板70は結合されて、液晶パネル510を形成する。少なくとも1つの光学フィルム520およびバックライトモジュール530は、液晶パネル510の光入射面に隣接して配置されるように提供される。フレーム540は、液晶パネル510、少なくとも1つの光学フィルム520、およびバックライトモジュール530をその中に固定するように提供される。
【0037】
本発明の配向層の光配向装置は、製造時間を減少し得る、単一の光源によって2つの異なる配向方向を同時に形成することができ、工場の床面積を減少するため、製造コストが減少されることができる。
【0038】
この発明は、実施例の方法及び望ましい実施の形態によって記述されているが、本発明は、これらを限定するものではないことは理解される。逆に、種々の変更及び同様の配置をカバーするものである(当業者には明白なように)。よって、添付の請求の範囲は、最も広義な解釈が与えられ、全てのこのような変更及び同様の配置を含むべきである。
【符号の説明】
【0039】
10 搬送用トラック
11 基板
13 中央プラットフォーム
15 マスク
17 光源
50 光配向装置
60 搬送用トラック
62 搬送ベルト
64 フレーム体
70 基板
75 液晶層
80 感光材料(配向層)
100 露光機
110 光源
113 ランプ
115 反射カバー
120 反射板
130 偏光板
140 多層膜分光器
150、155 光伝送板
200 マスク
210 第1マスク部
220 第2マスク部
211、221 露光ユニット
213、223 透過部
215、225 遮蔽部
500 液晶ディスプレイ装置
510 液晶パネル
520 光学フィルム
530 バックライトモジュール
540 フレーム
a 第1光配向方向
a 第2光配向方向
UV 非偏光
UVS S偏光
UVP P偏光
LB1 第1光線
LB2 第2光線
E、E1、E2 光配向領域
d1、d2 長さ
H1、H2 所定の幅
θ 第1入射角
θ 第1入射角
SP 第1サブピクセル領域
SP 第2サブピクセル領域
L 液晶材料


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光配向装置であって、
非偏光を照射する光源、
前記非偏光を受け、前記非偏光を偏光に変換する偏光板、および
前記偏光を受け、前記偏光を第1光線と第2光線に分割する多層膜分光器を含む露光機、
光線をそこに通過させる少なくとも2つの透過部を含み、前記第1光線と前記第2光線が前記2つの透過部をそれぞれ通過するマスク、および
前記マスクに対応し、前記2つの透過部を通過する前記第1光線と前記第2光線がそこに照射される光配向領域を含む光配向装置。
【請求項2】
前記露光機は、前記光源から前記偏光板に向けて発される非偏光を反射させる反射板を更に含む請求項1に記載の光配向装置。
【請求項3】
前記偏光板は、前記非偏光をS偏光およびP偏光に変換し、前記P偏光は、前記多層膜分光器内に照射される請求項1に記載の光配向装置。
【請求項4】
前記第1光線と前記第2光線をそれぞれ受信し、前記第1光線と前記第2光線の進行方向をそれぞれ変更する2つの光伝送板を更に含む請求項1に記載の光配向装置。
【請求項5】
前記マスクは、
少なくとも1つの透過部を含む第1マスク部、および
前記第1マスク部に隣接し、少なくとも1つの透過部を含む第2マスク部を含み、
前記第1光線は、前記第1マスク部の前記透過部を通過し、前記第2光線は、前記第2マスク部の前記透過部を通過する請求項1に記載の光配向装置。
【請求項6】
前記第1マスク部および前記第2マスク部の前記透過部は、複数であり、前記透過部は、所定の方向に沿って配置される請求項5に記載の光配向装置。
【請求項7】
基板を搬送できる搬送トラックを更に含み、前記基板は、前記搬送トラックによって製造方向に沿って搬送され、前記光配向領域を通過し、前記透過部は、前記第1光線をそこに通過させ、製造方向上に第1幅を有し、前記透過部は、前記第2光線をそこに通過させ、製造方向上に第2幅を有し、前記第1幅は前記第2幅と異なる請求項1に記載の光配向装置。
【請求項8】
感光材料で塗布された2つの基板を提供するステップ、
非偏光を発生する光源を提供するステップ、
前記非偏光を偏光に変換するステップ、
前記偏光を第1光線と第2光線に分割するステップ、
前記2つの基板の上に配置された少なくとも1つのマスクを提供し、前記感光材料に照射された第1と第2光線の配光の形状を定義するステップ、
前記第1と第2光線を前記マスクに通過させ、前記感光材料を前記第1と第2光線に露光するステップ、
前記2つの基板の間に液晶層を配置して前記2つの基板を結合し、液晶パネルを形成するステップ、および
前記液晶パネルに隣接して配置されるバックライトモジュールを提供するステップを含む液晶ディスプレイモジュールを製造する方法。
【請求項9】
製造方法に沿って前記2つの基板を移動させる搬送トラックを提供して、前記感光材料を前記第1と第2光線に露光するステップを更に含み、前記マスクの透過部は、製造方向に所定の幅を有し、前記透過部の所定の幅を変えることで、前記感光材料に照射された前記第1と第2光線の露光エネルギーの総和が変えられる請求項8に記載の液晶ディスプレイモジュールを製造する方法。
【請求項10】
前記第1と第2光線を受信し、前記第1と第2光線の進行方向をそれぞれ変更する2つの光伝送板を提供するステップを更に含む請求項8に記載の液晶ディスプレイモジュールを製造する方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−80215(P2013−80215A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−198354(P2012−198354)
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【出願人】(505227076)群康科技(深▲セン▼)有限公司 (27)
【出願人】(510134581)奇美電子股▲ふん▼有限公司 (28)
【氏名又は名称原語表記】Chimei Innolux Corporation
【住所又は居所原語表記】No.160 Kesyue Rd.,Chu−Nan Site,Hsinchu Science Park,Chu−Nan 350,Miao−Li County,Taiwan,
【Fターム(参考)】