光量調節装置およびそれを備える光学機器
【課題】高速動作と高分解能動作とを実現可能な光量調節装置およびそれを備える光学機器を提供する。
【解決手段】光量調節装置300は、第1のステッピングモータ1によって駆動される第1の被駆動部材3と第2のステッピングモータ2によって駆動される第2の被駆動部材4との相対的な位置関係に応じて光路を通過する光量を変化させる遮光部材7と、第1の被駆動部材をロックするロック状態と該ロック状態を解除する解除状態とに切り換わるロック部材9とを有し、第2のステッピングモータ2が1ステップだけ駆動されて第2の被駆動部材4を駆動する際の遮光部材7の移動量は、第1のステッピングモータ1が1ステップだけ駆動されて第1の被駆動部材3を駆動する際の遮光部材7の移動量よりも小さく、第2のステッピングモータ2が第2の被駆動部材4を駆動する際に、ロック部材9は第1の被駆動部材3をロックする。
【解決手段】光量調節装置300は、第1のステッピングモータ1によって駆動される第1の被駆動部材3と第2のステッピングモータ2によって駆動される第2の被駆動部材4との相対的な位置関係に応じて光路を通過する光量を変化させる遮光部材7と、第1の被駆動部材をロックするロック状態と該ロック状態を解除する解除状態とに切り換わるロック部材9とを有し、第2のステッピングモータ2が1ステップだけ駆動されて第2の被駆動部材4を駆動する際の遮光部材7の移動量は、第1のステッピングモータ1が1ステップだけ駆動されて第1の被駆動部材3を駆動する際の遮光部材7の移動量よりも小さく、第2のステッピングモータ2が第2の被駆動部材4を駆動する際に、ロック部材9は第1の被駆動部材3をロックする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通過する光量を調節する光量調節装置およびそれを備える光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラやデジタル一眼レフレックスカメラ(以下、「一眼レフカメラ」という)等の撮像装置には、絞り装置やシャッタ装置等の光量調節装置が搭載される。
【0003】
近年、静止画撮影のみならず動画撮影が可能な一眼レフカメラが市販されている。そのような一眼レフカメラの交換レンズには光量調節装置として絞り装置が搭載される。絞り装置は、静止画撮影においては連続撮影速度の向上のために高速動作が求められる。その一方で、動画撮影においては、絞り動作が低分解能で行われると光量が不自然に変化して動画品位が損なわれるので、高分解能動作が要求される。
【0004】
従来、一眼レフカメラの交換レンズに搭載される絞り装置は、1つのモータにより駆動される構成であるため、そのモータの特性の範囲内で絞り装置の高速動作のためにモータを高速駆動すると共に絞り装置の高分解能動作のためにモータを低速駆動するようにしている。例えばステッピングモータを駆動源に用いる絞り装置においては、1−2相駆動等の通常のステップ駆動によってモータを高速駆動し、マイクロステップ駆動によってモータを滑らかに低速駆動するようにしている。
【0005】
特許文献1には、駆動源として1個のステッピングモータを備える電磁駆動絞り装置が開示されている。この装置は、連続静止画撮影時にステッピングモータを1−2相駆動することにより静止画撮影でのモータの高速駆動性能を確保し、動画撮影時には同モータをマイクロステップ駆動することにより動画撮影での低速駆動性能を確保するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭62−240942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の絞り装置はステッピングモータ1個だけで駆動される構成であるため、高速駆動性能と低速駆動性能は共に1個のステッピングモータの性能に依存し、両者のバランスをとる設計を強いられる。
【0008】
その結果、例えば、要求される高速駆動性能を満足するようにロータマグネットの磁束密度を増大させれば、コギングトルクの増大により低速駆動時のモータの滑らかさが損なわれてしまう。従って、絞り装置の高速動作と高分解能動作の実現を両立することが困難であるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高速動作と高分解能動作とを実現可能な光量調節装置およびそれを備える光学機器を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の光量調節装置は、第1のステッピングモータと、第2のステッピングモータと、前記第1のステッピングモータによって駆動される第1の被駆動部材と、前記第2のステッピングモータによって駆動される第2の被駆動部材と、前記第1の被駆動部材と前記第2の被駆動部材との相対的な位置関係に応じて光路を通過する光量を変化させる遮光部材と、前記第1の被駆動部材をロックするロック状態と、前記ロック状態を解除する解除状態とに切り換わるロック部材とを有し、前記第2のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第2の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量は、前記第1のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第1の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量よりも小さく、前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動する際に、前記ロック部材は前記第1の被駆動部材をロックすることを特徴とする。
【0011】
本発明の光学機器は、第1のステッピングモータと、第2のステッピングモータと、前記第1のステッピングモータによって駆動される第1の被駆動部材と、前記第2のステッピングモータによって駆動される第2の被駆動部材と、前記第1の被駆動部材と前記第2の被駆動部材との相対的な位置関係に応じて光路を通過する光量を変化させる遮光部材と、前記第1の被駆動部材をロックするロック状態と、前記ロック状態を解除する解除状態とに切り換わるロック部材と、前記第1のステッピングモータ、前記第2のステッピングモータおよび前記ロック部材を制御することが可能な制御部とを備え、前記第2のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第2の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量は、前記第1のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第1の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量よりも小さく、前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第2のステッピングモータを制御する際には、前記ロック部材が前記第1の被駆動部材をロックするように、前記制御部が前記ロック部材を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、高速動作と高分解能動作とを実現可能な光量調節装置およびそれを備える光学機器を提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光量調節装置の構成を示す分解斜視図である。
【図2】組み付け状態の光量調節装置を模式的に示す縦断面図である。
【図3】光量調節装置の可動部分を光軸方向において上側ロータリプレート側から見た透視図であり、同図(a)〜(c)は開放状態、絞り状態および最小絞り状態をそれぞれ示す。
【図4】可動部分を光軸方向において下側ロータリプレートから見た透視図であり、同図(a)〜(c)は開放状態、絞り状態および最小絞り状態をそれぞれ示す。
【図5】光量調節装置を介して撮像素子に導かれる光量を説明するための拡大断面図であり、同図(a)〜(c)は図3(a)〜(c)に示した開放状態、絞り状態および最小絞り状態にされた絞り羽根をそれぞれ模式的に示す。
【図6】絞り羽根を示す拡大断面図であり、同図(a)〜(c)は図4(a)〜(c)に示した開放状態、絞り状態および最小絞り状態にされた絞り羽根をそれぞれ示す。
【図7】絞り羽根を示す拡大断面図であり、同図(a)は光量調節装置における第1のモータの駆動により開放状態から最小絞り状態まで絞り込まれた後に第2のモータの駆動により開放状態に復帰した絞り羽根を示し、同図(b)は第1のモータによる絞り込みと第2のモータによる絞り込みとを同時に行うことによって高速で最小絞り状態にされた絞り羽根を示す。
【図8】第1、第2のモータが有するロータの着磁状態を表す着磁波形を示す図である。
【図9】光量調節装置における通過光量を説明するための絞り羽根の拡大断面図であり、同図(a)〜(c)は最小絞り状態にある絞り羽根をそれぞれ模式的に示す。
【図10】光量調節装置のMPUおよび絞り駆動回路により実行される第1のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】同図(a)および(b)は第1のモータ駆動制御処理の進行に伴う光量調節装置の可動部分の動作を説明するための、光軸方向において上側ロータリプレート側から見た可動部分の透視図である。
【図12】同図(a)および(b)は第1のモータ駆動制御処理の更なる進行に伴う可動部分の動作を説明するための、可動部分の透視図である。
【図13】MPUおよび絞り駆動回路により実行される第2のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】MPUおよび絞り駆動回路により実行される第3のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る光量調節装置を備える光学機器の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る光量調節装置を模式的に示す縦断面図である。
【図17】図16の光量調節装置における第1のモータの出力ギアの回転角度と上側ロータリプレートの回転角度との関係を、第2のモータの出力ギアの回転角度と下側ロータリプレートの回転角度との関係と比較して示すグラフである。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係る光量調節装置の構成を示す分解斜視図である。
【図19】MPUおよび絞り駆動回路により実行される動画撮影開始までの動作を示すフローチャートである。
【図20】MPUおよび絞り駆動回路により実行される第1のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】MPUおよび絞り駆動回路により実行される第2のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図22】MPUおよび絞り駆動回路により実行される第3のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
以下、図1〜図15を用いて本発明の第1の実施の形態の光量調節装置および光量調節装置を備える光学機器を説明する。
【0016】
図15は、光量調節装置を備える光学機器であるデジタルカメラ30の機能構成を示すブロック図である。
【0017】
デジタルカメラ30のマイクロコンピュータ(以下、MPU)301は、デジタルカメラ30各部の動作を制御する。MPU301には、ミラー駆動回路302、焦点駆動回路303、シャッタ駆動回路304、画像信号処理回路305、スイッチセンサ回路306、測光回路307が接続されている。これらの回路302〜307は、MPU301の制御により動作する。
【0018】
MPU301は、マウント接点321を介してMPU301に接続されたAF(オートフォーカス)駆動回路403および絞り駆動回路404を制御する。AF駆動回路403は撮像レンズ401を駆動する。絞り駆動回路404は光量調節装置100を駆動する。なお、図15では便宜上1枚の撮像レンズ401のみを図示しているが、実際はフォーカスレンズ等の多数のレンズ群が設けられている。
【0019】
AF駆動回路403は、ステッピングモータを備え、MPU301の制御によりレンズ群に含まれるフォーカスレンズ位置を変化させることにより、撮像素子333に撮影光束を合焦させる。絞り駆動回路404は、2つのステッピングモータを独立して駆動することで、光量調節装置100を通過する光量を変化させる。
【0020】
メインミラー306aは、図15に示す撮影光軸に対して45度の角度に保持され、撮像レンズ401を通過する光束をペンタプリズム322へ導くと共に、その一部を透過させてサブミラー306bへ導く。サブミラー306bは、メインミラー306aを透過した撮影光束を焦点検出センサユニット331へ導く。
【0021】
ミラー駆動回路302は、例えばDCモータとギヤトレインにより構成され、メインミラー306aを光学ファインダー318により被写体像を観察可能とする位置と撮影光路から待避する位置との間で駆動する。同時にサブミラー306bも、焦点検出センサユニット331へ光束を導く位置と撮影光路から待避する位置との間で移動する。
【0022】
焦点検出センサユニット331は、位相差方式の焦点検出を行う。焦点検出センサユニット331から出力される信号は、焦点駆動回路303に供給され、被写体像信号に換算された後、MPU301に送信される。
【0023】
MPU301は、被写体像信号に基づいて位相差検出法による焦点検出演算を行う。MPU301は、被写体像信号を用いてデフォーカス量および方向を算出し、算出されたデフォーカス量および方向に従い、フォーカス駆動回路403を介してフォーカスレンズを合焦位置に駆動させる。
【0024】
ペンタプリズム322は、メインミラー306aにより反射された撮影光束を正立正像に変換反射する。これにより、撮影者は光学ファインダー318から被写体像を観察することができる。
【0025】
ペンタプリズム322は、撮影光束の一部を測光センサ337にも導く。測光回路307は、測光センサ337から出力された測光値を観察面上の各エリアの輝度信号に変換し、MPU301に出力する。MPU301は、輝度信号に基づいて露出値を算出する。
【0026】
シャッタユニット332は、シャッタ先幕およびシャッタ後幕を備えるフォーカルプレーンシャッタである。シャッタユニット332は、MPU301から制御命令を受けたシャッタ駆動回路304により制御される。撮影者が光学ファインダー318を介して被写体像を観察する際には、シャッタ先幕が遮光位置に位置し、シャッタ後幕が露光位置に位置する。撮影動作が実行される際には、シャッタ先幕が遮光位置から露光位置に移動して、撮像素子333に露光させる。露光開始から設定されたシャッタ秒時が経過した後、シャッタ後幕は露光位置から遮光位置へ移動する。
【0027】
画像信号処理回路305は、撮像素子333より出力されたアナログ画像信号に対してA/D変換処理を行い、さらに得られたデジタル画像データに対してノイズ除去処理やゲイン調整処理等の様々な画像処理を実行する。スイッチセンサ回路306は、モード選択SW343、レリーズSW344等のデジタルカメラ30が備えるユーザインタフェースを撮影者が操作することにより入力される入力信号をMPU301に送信する。
【0028】
撮像素子333は、例えばCMOSセンサやCCD等であり、上述したように、結像された被写体の光学像を光電変換することによりアナログ画像信号を出力する。
【0029】
図1は、光量調節装置100の構成を示す分解斜視図である。図2は、組み付け状態の光量調節装置100を示す縦断面図である。
【0030】
図1、図2に示すように、光量調節装置100は、第1のモータ1、第2のモータ2、第1の被駆動部材である上側ロータリプレート3、第2の被駆動部材である下側ロータリプレート4、第1のモータ1が固定された上側カバー5、および第2のモータ2が固定された下側カバー6を有している。ロータリプレート3,4およびカバー5,6は光軸Cに沿って積層され、光軸Cまわりに同軸に配されている。ロータリプレート3,4およびカバー5,6には、撮影光が通過する光路を形成する中央穴が形成されている。第1及び第2のモータ1、2はともにステッピングモータであり、絞り駆動回路404により互いに独立に駆動される。
【0031】
第1のステッピングモータ1は、ロータ12(第1のロータ)と、同ロータ12に連結され且つ上側ロータリプレート3に設けられた外周ギア部と噛み合う出力ギア11を有している。上側ロータリプレート3は、上側カバー5の中央穴に内嵌しており、モータ1により光軸Cの周りに回転駆動される。同様に、第2のステッピングモータ2は、ロータ22(第2のロータ)と、同ロータ22に連結され且つ下側ロータリプレート4に設けられた外周ギア部と噛み合う出力ギア21を有している。下側ロータリプレート4は、下側カバー6の中央穴に内嵌しており、モータ2により光軸C周りに回転駆動される。
【0032】
上側ロータリプレート3と下側ロータリプレート4との間に、遮光部材である絞り羽根7が複数(たとえば6枚)配設されている。上側ロータリプレート3は複数の穴31を有しており、下側ロータリプレート4は、複数のカム溝41を有している。絞り羽根7には、上側ロータリプレート3の穴31及び下側ロータリプレート4のカム溝41に嵌合されるダボ71及びダボ72が突設されている。
【0033】
第1のモータ1により上側ロータリプレート3が回転駆動される場合、上側ロータリプレート3の穴31に嵌合した絞り羽根7のダボ71は、上側ロータリプレート3とともに光軸C周りに回転する。その際、絞り羽根7のダボ72が下側ロータリプレート4のカム溝41内をカム溝41に沿って移動するので、絞り羽根7は、光軸Cに垂直な平面内を上側ロータリプレート3によってそれぞれのダボ71を中心として回転駆動され、これにより光路の面積が変化する。
【0034】
第2のモータ2により下側ロータリプレート4が回転駆動される場合、絞り羽根7のダボ72は、下側ロータリプレート4のカム溝41内を移動し、絞り羽根7は、光軸Cに垂直な平面内を下側ロータリプレート4によってそれぞれのダボ71を中心として回転駆動され、光路の面積が変化する。
【0035】
上述のように、第1のモータ1による上側ロータリプレート3の駆動または第2のモータ2による下側ロータリプレート4の駆動のいずれによっても、光路の面積を変化させることができる。すなわち、絞り羽根7により、上側ロータリプレート3と下側ロータリプレート4との相対的な位置関係に応じて光路を通過する光量を変化させることができ、これにより光量調節を行うことができる。
【0036】
図3、図4により、光量調節装置100の基本的な動作について説明する。
【0037】
図3(a)〜(c)は、光量調節装置100の可動部分を光軸方向において上側ロータリプレート側から見た透視図である。図4(a)〜(c)は可動部分を下側ロータリプレート4側から見た透視図である。可動部分は、出力ギア11、21、上側ロータリプレート3、下側ロータリプレート4、及び絞り羽根7を含む。
【0038】
図3(a)は、絞り羽根7が光路を一切遮らない絞り羽根7の「開放」状態を示す。第1のモータ1を駆動して上側ロータリプレート3を図3(b)に矢印で示す時計方向に下側ロータリプレート4に対して相対的に回転させると、絞り羽根7は、下側ロータリプレート4のカム溝41によって案内され、開放状態から図3(b)に示す光路を遮る絞り状態に移動する。さらにモータ1の駆動を継続することによって、絞り羽根7は図3(c)に示す光路を最も大きく遮る「最小絞り」状態に移動する。
【0039】
第1のモータ1を逆回転させて上側ロータリプレート3を反時計方向に回転させ、絞り羽根7を最小絞り状態から開放状態へ復帰可能である。
【0040】
図4(a)は図3(a)と同様に絞り羽根7の開放状態を示す。第2のモータ2を駆動して下側ロータリプレート4を、図4(b)に矢印で示す方向に回転させると、絞り羽根7は、下側ロータリプレート4のカム溝41によって案内され、開放状態から図4(b)に示す光路を遮る絞り状態に移動する。さらにモータ2の駆動を継続することによって、絞り羽根7は図4(c)に示す図3(c)と同じ最小絞りの状態に移動する。
【0041】
そして、第2のモータ2を逆回転させて下側ロータリプレート4を図4(b)、(c)に矢印で示す方向とは逆方向に回転させることにより、絞り羽根7を最小絞り状態から開放状態へ復帰可能である。
【0042】
図5(a)〜(c)は、光量調節装置100により光量調節がなされる際に撮像素子333(図15)に導かれる光量を説明するための、上側ロータリプレート3の回転により図3(a)〜(c)に示した開放状態、絞り状態および最小絞り状態にされた絞り羽根7を模式的に示す拡大断面図である。
【0043】
図5(a)において、絞り羽根7は、図3(a)に示す初期位置にある上側及び下側ロータリプレート3,4により保持されて開放状態にある。第1のモータ1により上側ロータリプレート3が図3(b)に示す位置まで回転駆動されると、絞り羽根7は図5(b)に示す絞り状態になり、ロータリプレート3が図3(c)に示す位置まで回転駆動されると図5(c)に示す最小絞り状態になる。図5(a)〜(c)中、記号L0、L1及びLminは水平方向に対向する絞り羽根7の間隔を表す。絞り羽根7が閉じられるにつれて、絞り羽根7の間隔がL0からL1へ減少し、さらにLminまで減少して光路断面積が減少し、絞り羽根7間を通過する光量が減少する。
【0044】
図6(a)〜(c)は、下側ロータリプレート4の回転により図4(a)〜(c)に示した開放状態、絞り状態および最小絞り状態にされた絞り羽根7を示す拡大断面図である。
【0045】
図6(a)において、絞り羽根7は、図4(a)に示す初期位置にある上側及び下側ロータリプレート3,4により保持されて開放状態にある。第2のモータ2により下側ロータリプレート4が図4(b)に示す位置まで回転駆動されると、絞り羽根7は図6(b)に示す絞り状態になり、ロータリプレート4が図4(c)に示す位置まで回転駆動されると図6(c)に示す最小絞り状態になる。絞り羽根7が閉じられるにつれて、絞り羽根7の間隔がL0からL1へ減少し、さらにLminまで減少して光路断面積すなわち通過光量が減少する。
【0046】
図5または図6に示す例では、第1のモータ1または第2のモータ2によって上側ロータリプレート3または下側ロータリプレート4を回転駆動して絞り羽根7を開放状態から最小絞り状態に移動させる場合について説明した。既述のように絞り羽根7を最小絞り状態から開放状態へ復帰させることができ、したがって、一方のモータによって最小絞り状態までの絞り込みを行った後、他方のモータにより開放状態への復帰を行うことも可能である。
【0047】
例えば、第1のモータ1による上側ロータリプレート3の回転により図5(a)の開放状態から図5(c)の最小絞り状態まで絞り羽根7の絞り込みを行った後、図7(a)に示すように、第2のモータ2による下側ロータリプレート4の開放方向への回転によって絞り羽根7を開放状態に復帰させることも可能である。また、下側ロータリプレート4の回転による図6(a)の開放状態から図6(c)の最小絞り状態までの絞り込み動作の後に、上側ロータリプレート3の開放方向への回転によって絞り羽根7を開放状態に復帰させることも可能である。
【0048】
あるいは、両方のモータによって並行して絞り羽根7の絞り込みまたは開放を行うことで、高速な開閉動作を実現可能である。例えば、図7(b)に示すように、第1のモータ1による図3(a)の開放状態から図3(c)の最小絞り状態への絞り込み動作と第2のモータ2による図4(a)の開放状態から図4(c)の最小絞り状態への絞り込み動作とを同時に実施することによって、高速で最小絞り状態にすることが可能である。
【0049】
つまり、本実施の形態の光量調節装置100によれば、第1及び第2のモータ1、2のいずれか一方を駆動して対応するロータリプレート3または4を回転させることによって、開放状態と最小絞り状態との間で絞り羽根7を開閉することが可能である。また、両方のモータ1、2を並行して駆動し、双方のロータリプレート3、4を並行して回転させて互いに反対の方向に移動させることにより、開放状態と最小絞り状態との間で絞り羽根7を高速で開閉することも可能である。
【0050】
図8は、第1及び第2のモータ1、2のロータ12、22の着磁状態を表す着磁波形を示す図である。同図において、ロータの機械角を横軸にとって示し、磁束の向きを縦軸にとって示している。
【0051】
第1のモータ1のロータ12(第1のロータ)は第1の着磁極数たとえば6つの着磁極数を有し(すなわち、第1の極数たとえば6極に着磁がなされており)、機械角360°の間に3個の略正弦波形が含まれた着磁波形となる。第2のモータ2のロータ22(第2のロータ)は、第1の極数より大きい第2の極数(たとえば12極)に着磁がなされており、機械角360°の間に6個の略正弦波形が含まれた着磁波形となる。そのため、第2のモータ2の1回転あたりの安定点の数は第1のモータ1の2倍であり、第2のモータ2は第1のモータ1の分解能の2倍の分解能を持つ。
【0052】
次に、図9(a)〜(c)を参照して、両モータ1、2の着磁極数の違いによる光量調節における分解能の違いを説明する。
【0053】
図9(a)〜(c)は、光量調節装置100により光量調節がなされる際の通過光量を説明するための、最小絞り状態にある絞り羽根7を模式的に示す断面図である。図9(a)〜(c)では、各モータ1、2の1ステップあたりの絞り羽根7の移動量(光量変化量)を縞状パターンで示している。
【0054】
本実施の形態において、第1のモータ1と上側ロータリプレート3とのギア連結における減速比は、第2のモータ2と下側ロータリプレート4とのギア連結における減速比と同一である。従って、モータ1回転当たりの両ロータリプレート3、4の回転角度は一致している。
【0055】
6極に着磁された第1のモータ1だけを1−2相駆動で駆動して開放状態から最小絞り状態まで絞り羽根7を動かすのには、図9(a)に示すように、第1のモータ1を24ステップ分駆動する必要がある。他方、12極に着磁された第2のモータ2だけを1−2相駆動で駆動して開放状態から最小絞り状態まで絞り羽根7を動かすのには、図9(b)に示すように、第2のモータ2を48ステップ分駆動する必要がある。
【0056】
すなわち、第1のモータ1を1ステップだけ駆動したときの上側ロータリプレート3の回転角は、第2のモータ2を1ステップだけ駆動したときの下側ロータリプレート4の回転角の約2倍の角度になる。したがって、第1のモータ1を1ステップだけ駆動したときの絞り羽根7の移動量は、第2のモータ2を1ステップだけ駆動したときの絞り羽根7の移動量の約2倍の移動量になる。第1のモータ1の分解能(第1の分解能)は、第2のモータ2の分解能(第2の分解能)よりも低分解能である。第1のモータ1の1ステップあたりのロータリプレート3の駆動量は、第2のモータ2の1ステップあたりのロータリプレート4の駆動量より大きい。
【0057】
第1のモータ1の方が第2のモータ2よりも低分解能であるため、同一の駆動周波数でモータ1、2を駆動した場合には、第1のモータ1の方が第2のモータ2よりも高速で回転する。そのため、第1のモータ1による絞り込み動作は、第2のモータ2による絞り込み動作よりも低分解能であるが高速である。
【0058】
言い換えると、第2のモータ2の方が第1のモータ1よりも高分解能であるため、同一の駆動周波数でモータ1、2を駆動した場合には、第2のモータ2の方が第1のモータ1よりも低速で回転する。そのため、第2のモータ2による絞り込み動作は、第1のモータ1による絞り込み動作よりも低速であるが高分解能である。
【0059】
第1のモータ1による絞り込み動作における絞り羽根7の光量変化速度(第1の速度)は第2のモータ2による絞り込み動作における絞り羽根7の光量変化速度(第2の速度)よりも速い。第2のモータ2による絞り込み動作における絞り羽根7の最小光量変化量は、第1のモータ1による絞り込み動作における絞り羽根7の最小光量変化量よりも小さい。
【0060】
また、図9(c)に示すように、双方のモータ1、2を例えば16ステップ分同時駆動する場合には、両ロータリプレート3、4が同時に回転して絞り羽根7が最小絞り状態となる。すなわち、双方のモータ1、2を同一駆動周波数で同時に駆動することによる絞り込み動作は、第1のモータ1のみによる絞り込み動作よりもさらに低分解能(第3の分解能)であるがより高速となる。これにより一方のモータのみを駆動することでは実現できない高速駆動を実現可能であり、絞り羽根7は上記第1の速度よりも速い速度(第3の速度)で光量を変化させることができる。
【0061】
第1の実施の形態においては、光量調節におけるモータの駆動モードとして、「高速駆動モード」と「低速駆動モード」とを備えている。高速駆動モードには、第1のモータ1及び第2のモータ2の両方を同時に駆動する同時駆動モードと第1のモータ1のみを駆動する単独高速駆動モードとがある。低速駆動モードでは、第1のモータ1を駆動することなく第2のモータ2のみを駆動する。第1のモータ1は、単独高速駆動モードあるいは同時駆動モードにおいて通常のステップ駆動にて駆動される。一方、第2のモータ2は、低速駆動モードにおいてマイクロステップ駆動にて駆動され、同時駆動モードでは通常のステップ駆動にて駆動される。
【0062】
MPU301は、これらの駆動モードのいずれかを選択することが可能である。すなわち、静止画の撮影時には、分解能は劣るが高速駆動が可能な第1のモータ1のみを駆動する単独高速駆動モードを選択する。一方、動画の撮影時には、分解能が高く且つマイクロステップ駆動により滑らかな駆動が可能な第2のモータ2のみを駆動する低速駆動モードを選択する。このような駆動モードの使い分けにより、静止画撮影における高速駆動及び動画撮影における滑らか駆動の両立が可能である。
【0063】
デジタルカメラ30は、動画撮影を中断して静止画撮影を実行することができる。したがって、動画撮影中は絞り装置を滑らかに高分解能動作させ、静止画撮影時には絞り装置を高速動作させ、その後、動画撮影へ短時間で復帰できるのが好ましい。
【0064】
以下、動画撮影を中断して静止画撮影を行う際にMPU301および絞り駆動回路404により実行される第1のモータ駆動制御処理を図10〜図12を用いて説明する。
【0065】
図10は、制御部、すなわち、MPU301および絞り駆動回路404により実行される第1のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0066】
撮影者によって撮像指示であるレリーズSW344がオンされると、第1のモータ駆動制御処理が開始される。
【0067】
ステップS201では、MPU301は、デジタルカメラ30が現在、動画撮影を行っているか否かを判別し、動画撮影を行っている場合には、動画撮影を中断するよう制御する(ステップS202)。
【0068】
動画撮影中は低速駆動モードが選択されて第2のモータ2がマイクロステップ駆動で駆動されるため、通常のステップ駆動の場合と異なり、第2のモータ2が不安定位相にある場合が多い。そこで、ステップS203において、MPU301は、第2のモータ2への通電を停止するよう、絞り駆動回路404を制御する。これにより、第2のモータ2は近傍の安定位相で停止する。
【0069】
ステップS204では、MPU301は単独高速駆動モードを選択する。そして、MPU301は、上側ロータリプレート3を初期位置から絞り羽根7が開放状態となる開放位置まで反時計方向に回転させるように、絞り駆動回路404を制御する。このとき、絞り駆動回路404は第1のモータ1を通常のステップ駆動で駆動させる。次に、MPU301は、AF動作を行うよう、フォーカス駆動回路403を制御する(ステップS205)。MPU301は、絞り羽根7が設定絞り値をとるまで第1のモータ1を時計方向に回転させるよう、絞り駆動回路404を制御する(ステップS206)。
【0070】
次に、MPU301は、静止画撮像動作を実行するよう制御する(ステップS207)。そして、MPU301は、第1のモータ1を反時計方向へ回転させるように、絞り駆動回路404を制御して、上側ロータリプレート3を初期位置へ復帰させる(ステップS208)。次に、MPU301は低速駆動モードを選択して、第2のモータ2への通電を再開するよう絞り駆動回路404を制御する(ステップS209)。すると、安定位相で停止していた第2のモータ2をマイクロステップ駆動して、第1のモータ駆動制御処理の開始時点の位相(初期位置)へ復帰させる。次に、MPU301は、動画撮影を再開するよう制御する(ステップS210)。そして、本処理を終了する。
【0071】
図11(a)、(b)および図12(a)、(b)は、第1のモータ駆動制御処理の進行に伴う光量調節装置100の可動部分の動作を説明するための、光軸方向において上側ロータリプレート3側から見た可動部分の透視図である。
【0072】
図11(a)は、動画撮影が中断される直前(図10のステップS201、S202に対応)において、第2のモータ2のマイクロステップ駆動により下側ロータリプレート4が反時計方向に回転している様子を示している。図11(b)は、第2のモータ2が近傍の安定位相で停止した状態(ステップS203に対応)を示しており、下側ロータリプレート4が図11(a)に示す位置から時計方向に僅かに回転している。
【0073】
図12(a)は、第1のモータ1の駆動により上側ロータリプレート3を図11(b)に示す位置から反時計方向に開放位置まで回転させた状態(図10のステップS204に対応)を示す。図12(b)は、第1のモータ1の駆動により上側ロータリプレート3を時計方向に回転させて、絞り羽根7を設定絞り値まで絞り込んだ状態(ステップS206に対応)を示す。
【0074】
このように、動画撮影時には滑らかな(高分解能な)第2のモータ2のマイクロステップ駆動を利用する一方、静止画撮影時には高速な(低分解能な)第1のモータ1のステップ駆動を利用する。これにより、静止画撮影時の高速動作と動画撮影時の高分解能動作とを両立することができ、動画撮影を中断して静止画撮影を行った後に高速に動画撮影を再開可能である。
【0075】
図13は、MPU301により実行される第2のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。図10の第1のモータ駆動制御処理と同様、第2のモータ駆動制御処理は、レリーズSW344がオンされると開始される。
【0076】
MPU301は、ステップS301、S302で、図10のステップS201、S202と同様の処理を実行する。ステップS303以降では、第1のモータ1及び第2のモータ2が同時に動作する。すなわち、第1のモータ駆動制御処理では単独高速駆動モードで行われた動作を同時駆動モードで行う。つまり、MPU301が同時駆動モードを選択すると、ステップS303とステップS304、S305とを同時に実行するよう絞り駆動回路404を制御する。そして、ステップS307とステップS308とを同時に実行するよう絞り駆動回路404を制御する。さらに、ステップS310とステップS311とS312とを同時に実行するよう絞り駆動回路404を制御する。ステップS304,S306,S309及びS313は、図10のステップS203,S205,S207及びS210にそれぞれ対応する。
【0077】
ステップS303において、MPU301は、第1のモータ1を通常のステップ駆動で駆動するよう絞り駆動回路404を制御して、上側ロータリプレート3を反時計方向に回転させる。また、MPU301は第2のモータ2への通電を停止するよう絞り駆動回路404を制御して、第2のモータ2を安定位相で停止させる(ステップS304)。MPU301は、第2のモータ2を通常のステップ駆動で駆動するよう絞り駆動回路404を制御して、下側ロータリプレート4を時計方向に回転させる(ステップS305)。すなわち、MPU301は、上側ロータリプレート3を反時計方向へ回転させると同時に、下側ロータリプレート4を時計方向へ回転させて、絞り羽根7が開放状態となるように、絞り駆動回路404を制御する。そして、絞り羽根7が開放状態になると、MPU301は、AF動作を行うよう、フォーカス駆動回路403を制御する(ステップS306)。
【0078】
次に、MPU301は、第1のモータ1を通常のステップ駆動で駆動するよう絞り駆動回路404を制御して、上側ロータリプレート3を時計方向に回転させる(ステップS307)。同時に、MPU301は、第2のモータ2を通常のステップ駆動で駆動するよう絞り駆動回路404を制御して下側ロータリプレート4を反時計方向に回転させる(ステップS308)。すなわち、MPU301は、上側ロータリプレート3の時計方向への回転と下側ロータリプレート4の反時計方向への回転を絞り羽根7が設定絞り値まで絞り込まれるよう、絞り駆動回路404を制御する。次に、MPU301は、静止画撮像動作を実行するよう制御する(ステップS309)。
【0079】
その後、MPU301は、第1のモータ1を通常のステップ駆動で駆動するよう絞り駆動回路404を制御して、上側ロータリプレート3を反時計方向に回転させ、上側ロータリプレート3を初期位置へ復帰させる(ステップS310)。また、MPU301は、第2のモータ2を通常のステップ駆動で駆動するよう絞り駆動回路404を制御して、下側ロータリプレート4を時計方向に回転させ、下側ロータリプレート4を第2のモータ2の安定位相まで移動させる(ステップS311)。そして、MPU301は、第2のモータ2をマイクロステップ駆動するよう絞り駆動回路404を制御して本処理の開始時点の位相(初期位置)へ復帰させる(ステップS312)。その後、MPU301は動画撮影を再開するよう制御する(ステップS313)。そして、本処理を終了する。
【0080】
第2のモータ駆動制御処理によれば、動画撮影を中断して行われる静止画撮影において第1のモータ1及び第2のモータ2の両方を同時に駆動することによって、動画撮影を再開するまでの時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0081】
図14は、MPU301および絞り駆動回路404により実行される第3のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。図10の第1のモータ駆動制御処理と同様、第3のモータ駆動制御処理は、レリーズSW344がオンされると開始される。
【0082】
MPU301は、ステップS401、S402で、図10のステップS201、S202と同様の処理を実行する。なお、後述のステップS405及びS408は図10のステップS205及びS207と対応する。
【0083】
ステップS403では、MPU301は、第2のモータ2に保持電力を供給するよう絞り駆動回路404を制御して、第2のモータ2が不安定位相にあってもその位相に保持し、下側ロータリプレート4を固定状態とする。
【0084】
続いて、MPU301は、第1のモータ1を通常のステップ駆動で駆動するよう絞り駆動回路404を制御して、上側ロータリプレート3を反時計回りに開放位置まで回転させる(ステップS404)。そして、MPU301は、AF動作を行うよう、フォーカス駆動回路403を制御する(ステップS405)。
【0085】
次に、ステップS406では、MPU301は、第1のモータ1を通常のステップ駆動で駆動するよう絞り駆動回路404を制御して、絞り羽根7が設定絞り値の付近の値をとるまで上側ロータリプレート3を時計回りに回転させる。その理由は、下側ロータリプレート3を駆動する第2のモータ2がステップS403で不安定位相に保持された場合、通常のステップ駆動では、絞り羽根7が設定絞り値をとるように第1のモータ1を正確に駆動することができないためである。
【0086】
次に、MPU301は、第1のモータ1をマイクロステップ駆動するよう絞り駆動回路404を制御して絞り羽根7が設定絞り値をとるまで上側ロータリプレート3を回転させる(ステップS407)。そして、MPU301は、静止画撮像動作を実行するよう制御する(ステップS408)。
【0087】
次に、ステップS409では、MPU301は、第1のモータ1をマイクロステップ駆動により駆動し、次に通常のステップ駆動により第1のモータ1を駆動するよう絞り駆動回路404を制御して、上側ロータリプレート3を初期位置へ復帰させる。これにより、本処理の開始時点での絞り込み状態へ戻るので、MPU301は、動画撮影を再開するよう制御する(ステップS410)。そして、本処理を終了する。
【0088】
第3のモータ駆動制御処理によれば、静止画撮像のための絞り込みを第1のモータ1のみで行う。これにより、静止画撮影時の光量調節装置の高速動作運転と動画撮影時の高分解能動作とを両立することができ、動画撮影を中断して静止画撮影を行った後に動画撮影を再開するまでの時間が長くなることもない。また、動画撮影から静止画撮影に移行する際に、下側ロータリプレート3を回転駆動させないので、より正確な絞り位置から動画撮影を再開することが可能となる。
【0089】
本実施の形態によれば、光量調節装置の高速動作と高分解能動作な低速駆動を選択的に実現することができる。
【0090】
(第2の実施の形態)
次に、図16及び図17を用いて、本発明の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態における光量調節装置100を、以下に説明する光量調節装置200に置き換えている点で第1の実施の形態とは異なっている。
【0091】
図16は、第2の実施の形態に係る光量調節装置200を模式的に示す縦断面図である。
【0092】
図16において、光量調節装置200の構成要素のうち、光量調節装置100の構成要素と同様の要素を同様の符号で示し、その説明を省略する。
【0093】
光量調節装置200は、第1のモータ201、第2のモータ202、第1の被駆動部材としての上側ロータリプレート203および第2の被駆動部材としての下側ロータリプレート204を備える。
【0094】
第1のモータ201、第2のモータ202はともにステッピングモータであり、互いに独立に駆動可能である。第1及び第2のモータ201,202は、出力ギア211,221と、着磁極数が互いに同一のロータ(図2に示す第1及び第2のロータ12,22に対応)とをそれぞれ有し、同一の駆動周波数で駆動された場合に同じ速度で回転する。
【0095】
上側ロータリプレート203は、第1のモータ201により出力ギア211を通じて第1の減速比Pにて回転駆動される。一方、下側ロータリプレート204は、第2のモータ202により出力ギア221を通じて第2の減速比Qにて回転駆動される。本実施の形態では、減速比P<減速比Qとなるように、出力ギア211、出力ギア221、ロータリプレート203、204の各ギア部のピッチ円直径や歯数が設定される。
【0096】
例えば、減速比Qは減速比Pの2倍に設定される。既述のように、本例では第1及び第2のモータ201、202のロータの着磁極数が同一であるので、同一の駆動周波数であればモータ201、202の回転速度は同じである。したがって、減速比Qを減速比Pの2倍に設定した場合、モータ1回転当たりの上側ロータリプレート203の回転角度は、図17に示すように、下側ロータリプレート204の回転角度の2倍となる。
【0097】
図17は、光量調節装置200における第1のモータ201の出力ギア211の回転角度と上側ロータリプレート203の回転角度との関係を、光量調節装置200における第2のモータ202の出力ギア221の回転角度と下側ロータリプレート204の回転角度との関係と比較して示すグラフである。同図において、出力ギア211、221の回転角度を横軸にとって示し、上側ロータリプレート203及び下側ロータリプレート204の回転角度を縦軸にとって示している。図17から明らかなように、モータ1回転当たりの上側ロータリプレート203の回転角度はモータ1回転当たりの下側ロータリプレート204の回転角度の2倍であり、上側ロータリプレート203の回転速度も下側ロータリプレート204の回転速度の2倍となる。
【0098】
従って、第1のモータ201による上側ロータリプレート203の回転駆動は、第2のモータ202による下側ロータリプレート204の回転駆動よりも高速に行うことが可能である。反面、第2のモータ202による下側ロータリプレート204の回転駆動は、第1のモータ201による上側ロータリプレート203の回転駆動よりも高分解能で行うことができる。すなわち、モータ202の1ステップ当たりの下側ロータリプレート204の回転量は、モータ202の1ステップ当たりの上側ロータリプレート203の回転量より少ない。
【0099】
第2の実施の形態による光量調節におけるモータの駆動モードは、第1の実施の形態の場合と同一である。第2の実施の形態においても、高速駆動モード(単独高速駆動モードあるいは同時駆動モード)では第1のモータ201は通常のステップ駆動にて駆動される。一方、第2のモータ202は、低速駆動モードではマイクロステップ駆動にて駆動され、同時駆動モードでは通常のステップ駆動にて駆動される。MPU301は、これらの駆動モードのいずれかを選択することが可能である。
【0100】
MPU301は、第2の実施の形態においても、動画撮影を中断して静止画撮影を行う場合には、第1の実施の形態と同様、第1ないし第3のモータ駆動制御処理のいずれかを実行することができる。
【0101】
(第3の実施の形態)
次に、図18〜図22を用いて、本発明の第3の実施の形態を説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態における光量調節装置100を、以下に説明する光量調節装置300に置き換えてている点で第1の実施の形態とは異なっている。
【0102】
図18は、光量調節装置300の構成を示す分解斜視図である。図18において、光量調節装置300の構成要素のうち、光量調節装置100の構成要素と同様の要素を同様の符号で示し、その説明を省略する。
【0103】
図18に示すように、光量調節装置300は、光量調節装置100の構成要素に加えて、係止ソレノイド(ラッチングソレノイド)9が追加されている。係止ソレノイド9は、絞り駆動回路404によって通電制御される。係止ソレノイド9(ロック部材)は、通電制御されることで係止ピン9aが上側ロータリプレート3に設けられた外周ギア部に係止して同プレート3を保持、ロックするロック状態と、係止ピン9aが外周ギア部との係止を解除してプレート3のロックを解除する解除状態とに切り換わる。
【0104】
第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、光量調節におけるモータの駆動モードとして、「高速駆動モード」と「低速駆動モード」とを備えている。高速駆動モードには、第1のモータ1及び第2のモータ2の両方を同時に駆動する同時駆動モードと第1のモータ1のみを駆動する単独高速駆動モードとがある。低速駆動モードでは、第1のモータ1を駆動することなく第2のモータ2のみを駆動する。第1のモータ1は、単独高速駆動モードあるいは同時駆動モードにおいて通常のステップ駆動にて駆動される。一方、第2のモータ2は、低速駆動モードにおいてマイクロステップ駆動にて駆動され、同時駆動モードでは通常のステップ駆動にて駆動される。
【0105】
第3の実施の形態では、第2のモータ2のみを駆動する際には、係止ソレノイド9をその係止ピン9aが上側ロータリプレート3の外周ギア部に係止する状態に切り換え、上側ロータリプレート3は動かないように固定される。これによって、第2のモータ2によって下側ロータリプレート4を回転させても、上側ロータリプレート3が動いてしまうことに起因する不安定な光量変化は発生しない。
【0106】
したがって、動画撮影時には、MPU301は、係止ソレノイド9が上側ロータリプレート3を係止するように、絞り駆動回路404を制御する。そして、MPU301は、第1のモータ1を駆動することなく、第2のモータ2をマイクロステップ駆動するように、絞り駆動回路404を制御する。
【0107】
第3の実施の形態において、デジタルカメラ30における動画撮影開始までの動作を図19のフローチャートを用いて説明する。
【0108】
ステップS501において、MPU301は、モード選択SW343によって動画撮影モードが選択されているか否かを判定する。動画撮影モードが選択されていないと判定された場合には、通常の静止画撮影のフローに移行する。この場合には、係止ソレノイド9は上側ロータリプレート3を係止しない状態に維持される。
【0109】
ステップS501において動画撮影モードが選択されていると判定された場合には、MPU301は上側ロータリプレート3が開放端位置に位置するか否かを判定する(ステップS502)。絞り羽根7が開放状態となる方向へ上側ロータリプレート3を回転させて、上側ロータリプレート3が図示しないストッパーに当接する位置が、開放端位置となる。
【0110】
上側ロータリプレート3と下側ロータリプレート4がともに開放端位置に位置する場合、光量調節装置100は開放状態となる。なお、光量調節装置100は、上側ロータリプレート3と下側ロータリプレート4との相対的な位置関係によって絞り羽根7による光量調節の状態が変化する。このため、上側ロータリプレート3と下側ロータリプレート4がともに開放端位置に位置しなくても、光量調節装置100は開放状態となることがある。
【0111】
上側ロータリプレート3が開放端位置に位置しない場合には、MPU301は単独高速駆動モードを選択し、上側ロータリプレート3が反時計方向に回転するように、絞り駆動回路404を制御する(ステップS503)。このとき、絞り駆動回路404は、第1のモータ1を通常のステップ駆動で駆動して、絞り羽根7が開放状態となる方向へ上側ロータリプレート3を回転させる。
【0112】
上側ロータリプレート3が開放端位置に位置する場合には、MPU301は、係止ソレノイド9が上側ロータリプレート3を係止するように、絞り駆動回路404を制御する(ステップS504)。係止ソレノイド9が上側ロータリプレート3を係止することで、上側ロータリプレート3は固定され、下側ロータリプレート4の回転によってのみ、絞り羽根7は開閉動作を行う。ステップS504で上側ロータリプレート3を固定した後、動画撮影をスタートさせ(ステップS505)、本フローを終了する。
【0113】
第3の実施の形態では、係止ソレノイド9によって上側ロータリプレート3を固定するので、第2のモータ2が下側ロータリプレート4を駆動する際に、上側ロータリプレート3が動いてしまうことに起因する光量変化は発生しない。下側ロータリプレート4の回転によってのみ、絞り羽根7の開閉動作を行う際には、第2のモータ2はマイクロステップ駆動で駆動され、第2のモータ2を1ステップ分駆動したときの光量変化量は小さい。したがって、上側ロータリプレート3が動いてしまうことに起因する光量変化は、それがわずかであっても、絞り羽根7の開閉動作の制御に大きな影響を与える。本実施形態では上側ロータリプレート3を固定することにより、その様な光量変化の発生を防止する。
【0114】
上側ロータリプレート3の回転によってのみ、絞り羽根7の開閉動作を行う際には、第1のモータ1は通常のステップ駆動で駆動される。このときにも、下側ロータリプレート4が動いてしまうことに起因する光量変化が発生する。しかし、この場合には、第1のモータ1を1ステップ分駆動したときの光量変化量が大きく、下側ロータリプレート4がわずか動いてしまうことに起因する光量変化は、絞り羽根7の開閉動作の制御に大きな影響を与えない。したがって、上側ロータリプレート3の回転によってのみ、絞り羽根7の開閉動作を行う際には、下側ロータリプレート4は係止しなくてもよい。
【0115】
図20は、第3の実施の形態における、MPU301および絞り駆動回路404により実行される第1のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。図20中、図10に示すステップと同じステップを同様の符号で示し、その説明を省略する。
【0116】
ステップS201〜ステップS203では、図10のステップS201〜ステップS203と同様の処理が行われる。
【0117】
ステップS203にて、第2のモータ2への通電を停止するよう、MPU301が絞り駆動回路404を制御すると、ステップS601に進む。
【0118】
ステップS601では、係止ソレノイド9によって上側ロータリプレート3を係止している状態を解除するように、MPU301が絞り駆動回路404を制御する。そして、ステップS204に進む。
【0119】
ステップS204〜ステップS208では、図10のステップS204〜ステップS208と同様の処理が行われる。
【0120】
ステップS208にて、MPU301は、第1のモータ1を反時計方向へ回転させるように、絞り駆動回路404を制御して、上側ロータリプレート3を初期位置へ復帰させると、ステップS602に進む。
【0121】
ステップS602にて、MPU301は、係止ソレノイド9が上側ロータリプレート3を係止するように、絞り駆動回路404を制御する。そして、ステップS209に進む。
【0122】
ステップS209〜ステップS210では、図10のステップS209〜ステップS210と同様の処理が行われる。そして、本処理を終了する。
【0123】
このように、動画撮影時には滑らかな(高分解能な)第2のモータ2のマイクロステップ駆動を利用する一方、静止画撮影時には高速な(低分解能な)第1のモータ1のステップ駆動を利用する。これにより、静止画撮影時の高速動作と動画撮影時の高分解能動作とを両立することができ、動画撮影を中断して静止画撮影を行った後に高速に動画撮影を再開可能である。
【0124】
図21は、第3の実施の形態における、MPU301および絞り駆動回路404により実行される第2のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。図20の第1のモータ駆動制御処理と同様、第2のモータ駆動制御処理は、レリーズSW344がオンされると開始される。
【0125】
図21中、図13に示すステップと同じステップを同様の符号で示し、その説明を省略する。
【0126】
ステップS301〜ステップS302では、図13のステップS301〜ステップS302と同様の処理が行われる。
【0127】
ステップS302にて、MPU301が動画撮影を中断するよう制御すると、MPU301は、係止ソレノイド9によって上側ロータリプレート3を係止している状態を解除するように絞り駆動回路404を制御する処理をステップS701で行ってから図13のステップS303と同様の処理をステップS303で実行する。また、MPU301は、ステップS701およびS303の処理と同時に、図13のステップS304およびS305の処理と同様の処理をステップS304からステップS305において実行する。
【0128】
ステップS306〜ステップS309では、図13のステップS306〜ステップS309と同様の処理が行われる。
【0129】
ステップS309にて静止画撮像動作を実行するように制御すると、MPU301は、図13のステップS310と同様の処理をステップS310で行ってから係止ソレノイド9が上側ロータリプレート3を係止するように絞り駆動回路404を制御する処理をステップS702で行う。また、MPU301は、ステップS310及びS702の処理の実行と同時に、図13のステップS311及びS312の処理と同様の処理をステップS311からステップS312において実行する。
【0130】
ステップS313では、図13のステップS313と同様の処理が行われる。そして、本処理を終了する。
【0131】
第2のモータ駆動制御処理によれば、動画撮影を中断して行われる静止画撮影において第1のモータ1及び第2のモータ2の両方を同時に駆動することによって、動画撮影を再開するまでの時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0132】
図22は、第3の実施の形態における、MPU301および絞り駆動回路404により実行される第3のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。図20の第1のモータ駆動制御処理と同様、第3のモータ駆動制御処理は、レリーズSW344がオンされると開始される。
【0133】
図22中、図14に示すステップと同じステップを同様の符号で示し、その説明を省略する。
【0134】
ステップS401〜ステップS403では、図14のステップS401〜ステップS403と同様の処理が行われる。
【0135】
ステップS403にて、MPU301が、第2のモータ2に保持電力を供給するよう絞り駆動回路404を制御して、ステップS801に進む。
【0136】
ステップS801では、係止ソレノイド9によって上側ロータリプレート3を係止している状態を解除するように、MPU301が絞り駆動回路404を制御する。そして、ステップS404に進む。
【0137】
ステップS404〜ステップS409では、図14のステップS404〜ステップS409と同様の処理が行われる。
【0138】
ステップS409にて、MPU301は、第1のモータ1をマイクロステップ駆動により駆動し、次に通常のステップ駆動により第1のモータ1を駆動するように、絞り駆動回路404を制御する。そして、ステップS802に進む。
【0139】
ステップS802にて、MPU301は、係止ソレノイド9が上側ロータリプレート3を係止するように、絞り駆動回路404を制御する。そして、ステップS410に進む。
【0140】
ステップS410では、図14のステップS410と同様の処理が行われる。そして、本処理を終了する。
【0141】
第3の駆動制御処理によれば、静止画撮像のための絞り込みを第1のモータ1のみで行う。これにより、静止画撮影時の光量調節装置の高速動作運転と動画撮影時の高分解能動作とを両立することができ、動画撮影を中断して静止画撮影を行った後に動画撮影を再開するまでの時間が長くなることもない。また、動画撮影から静止画撮影に移行する際に、下側ロータリプレート3を回転駆動させないので、より正確な絞り位置から動画撮影を再開することが可能となる。
【0142】
(変形例)
以下、第1〜第3の実施の形態のいくつかの変形例を説明する。
【0143】
第1〜第3の実施の形態での上側ロータリプレートを回転させるための駆動系と下側ロータリプレートを回転させるための駆動系とで着磁極数や減速比などの設計パラメータを逆にしてもよい。その場合、低速駆動モードで駆動するモータもそれに応じて逆とする。
【0144】
また、第1〜第3の実施の形態において、同時駆動モードでは、第1及び第2のモータの駆動を同時に開始し、同時に終了するように制御するようにしたが、第1及び第2のモータの駆動を異なるタイミングで開始、終了するように制御してもよい。
【0145】
また、第1〜第3の実施の形態において、光量調節の行程(開放状態から最小絞り状態までの行程、または最小絞り状態から開放状態までの行程)の途中でモータの駆動モードを切り替えてもよい。例えば、静止画撮影に当たっては、高速駆動モード(同時駆動モードまたは単独高速駆動モード)でモータを駆動して絞り込み動作を行い、その後、絞り位置まで低速駆動モードでモータを駆動してもよい。すなわち、開放状態から最小絞り状態までの絞り込み行程の最終段階で高速駆動モードから低速駆動モードに切り替えることができる。これにより、静止画撮影におけるモータの高速駆動を実現することができると共に、絞り値への絞り込みを高い精度で行うことができる。
【0146】
第1、第3の実施の形態では第1及び第2のモータのロータの着磁極数を異ならせることにより、また、第2の実施の形態では第1のモータから上側ロータリプレートに至る回転駆動系の減速比と第2のモータから下側ロータリプレートに至る回転駆動系の減速比とを異ならせることによって、モータの1ステップ当たりの上側ロータリプレートの回転量(すなわち分解能)と下側ロータリプレートの回転量とが異なるようにした。しかしながら、第1のモータ側の回転駆動系における分解能と第2のモータ側の回転駆動系の分解能とを略同一としてもよい。例えば、第1及び第2のモータのロータのそれぞれにおける着磁極数を同一にすると共に上側ロータリプレート側の減速比と下側ロータリプレート側の減速比とを同一とすることができる。
【0147】
上記変形例の場合、駆動モードとして、同時駆動モードか低速駆動モードのいずれかを選択可能であり、低速駆動モードで駆動するモータとして第1のモータまたは第2のモータのいずれかを選択可能である。
【0148】
この変形例によれば、第1〜第3の実施の形態と同様、光量調節装置の高速動作と高分解能動作を選択的に実現することができる。また、上側および下側ロータリプレートを回転させるための駆動系の構成を共通化できるので、部品共通化の利点もある。
【0149】
なお、上記各実施の形態では、本発明が適用される光量調節装置として絞り装置を例示したが、本発明は、コンパクトデジタルカメラ等に配設され撮像時の露光時間を調節するのに用いられるシャッタ装置にも適用可能である。その場合、例えば、被駆動部材としてシャッタアームが用いられ、遮光部材としてシャッタ羽根が用いられる。
【0150】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0151】
1 第1のモータ
2 第2のモータ
3 上側ロータリプレート
4 下側ロータリプレート
7 絞り羽根
12 第1のロータ
22 第2のロータ
301 MPU
404 絞り駆動回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、通過する光量を調節する光量調節装置およびそれを備える光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラやデジタル一眼レフレックスカメラ(以下、「一眼レフカメラ」という)等の撮像装置には、絞り装置やシャッタ装置等の光量調節装置が搭載される。
【0003】
近年、静止画撮影のみならず動画撮影が可能な一眼レフカメラが市販されている。そのような一眼レフカメラの交換レンズには光量調節装置として絞り装置が搭載される。絞り装置は、静止画撮影においては連続撮影速度の向上のために高速動作が求められる。その一方で、動画撮影においては、絞り動作が低分解能で行われると光量が不自然に変化して動画品位が損なわれるので、高分解能動作が要求される。
【0004】
従来、一眼レフカメラの交換レンズに搭載される絞り装置は、1つのモータにより駆動される構成であるため、そのモータの特性の範囲内で絞り装置の高速動作のためにモータを高速駆動すると共に絞り装置の高分解能動作のためにモータを低速駆動するようにしている。例えばステッピングモータを駆動源に用いる絞り装置においては、1−2相駆動等の通常のステップ駆動によってモータを高速駆動し、マイクロステップ駆動によってモータを滑らかに低速駆動するようにしている。
【0005】
特許文献1には、駆動源として1個のステッピングモータを備える電磁駆動絞り装置が開示されている。この装置は、連続静止画撮影時にステッピングモータを1−2相駆動することにより静止画撮影でのモータの高速駆動性能を確保し、動画撮影時には同モータをマイクロステップ駆動することにより動画撮影での低速駆動性能を確保するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭62−240942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の絞り装置はステッピングモータ1個だけで駆動される構成であるため、高速駆動性能と低速駆動性能は共に1個のステッピングモータの性能に依存し、両者のバランスをとる設計を強いられる。
【0008】
その結果、例えば、要求される高速駆動性能を満足するようにロータマグネットの磁束密度を増大させれば、コギングトルクの増大により低速駆動時のモータの滑らかさが損なわれてしまう。従って、絞り装置の高速動作と高分解能動作の実現を両立することが困難であるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高速動作と高分解能動作とを実現可能な光量調節装置およびそれを備える光学機器を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の光量調節装置は、第1のステッピングモータと、第2のステッピングモータと、前記第1のステッピングモータによって駆動される第1の被駆動部材と、前記第2のステッピングモータによって駆動される第2の被駆動部材と、前記第1の被駆動部材と前記第2の被駆動部材との相対的な位置関係に応じて光路を通過する光量を変化させる遮光部材と、前記第1の被駆動部材をロックするロック状態と、前記ロック状態を解除する解除状態とに切り換わるロック部材とを有し、前記第2のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第2の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量は、前記第1のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第1の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量よりも小さく、前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動する際に、前記ロック部材は前記第1の被駆動部材をロックすることを特徴とする。
【0011】
本発明の光学機器は、第1のステッピングモータと、第2のステッピングモータと、前記第1のステッピングモータによって駆動される第1の被駆動部材と、前記第2のステッピングモータによって駆動される第2の被駆動部材と、前記第1の被駆動部材と前記第2の被駆動部材との相対的な位置関係に応じて光路を通過する光量を変化させる遮光部材と、前記第1の被駆動部材をロックするロック状態と、前記ロック状態を解除する解除状態とに切り換わるロック部材と、前記第1のステッピングモータ、前記第2のステッピングモータおよび前記ロック部材を制御することが可能な制御部とを備え、前記第2のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第2の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量は、前記第1のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第1の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量よりも小さく、前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第2のステッピングモータを制御する際には、前記ロック部材が前記第1の被駆動部材をロックするように、前記制御部が前記ロック部材を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、高速動作と高分解能動作とを実現可能な光量調節装置およびそれを備える光学機器を提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光量調節装置の構成を示す分解斜視図である。
【図2】組み付け状態の光量調節装置を模式的に示す縦断面図である。
【図3】光量調節装置の可動部分を光軸方向において上側ロータリプレート側から見た透視図であり、同図(a)〜(c)は開放状態、絞り状態および最小絞り状態をそれぞれ示す。
【図4】可動部分を光軸方向において下側ロータリプレートから見た透視図であり、同図(a)〜(c)は開放状態、絞り状態および最小絞り状態をそれぞれ示す。
【図5】光量調節装置を介して撮像素子に導かれる光量を説明するための拡大断面図であり、同図(a)〜(c)は図3(a)〜(c)に示した開放状態、絞り状態および最小絞り状態にされた絞り羽根をそれぞれ模式的に示す。
【図6】絞り羽根を示す拡大断面図であり、同図(a)〜(c)は図4(a)〜(c)に示した開放状態、絞り状態および最小絞り状態にされた絞り羽根をそれぞれ示す。
【図7】絞り羽根を示す拡大断面図であり、同図(a)は光量調節装置における第1のモータの駆動により開放状態から最小絞り状態まで絞り込まれた後に第2のモータの駆動により開放状態に復帰した絞り羽根を示し、同図(b)は第1のモータによる絞り込みと第2のモータによる絞り込みとを同時に行うことによって高速で最小絞り状態にされた絞り羽根を示す。
【図8】第1、第2のモータが有するロータの着磁状態を表す着磁波形を示す図である。
【図9】光量調節装置における通過光量を説明するための絞り羽根の拡大断面図であり、同図(a)〜(c)は最小絞り状態にある絞り羽根をそれぞれ模式的に示す。
【図10】光量調節装置のMPUおよび絞り駆動回路により実行される第1のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】同図(a)および(b)は第1のモータ駆動制御処理の進行に伴う光量調節装置の可動部分の動作を説明するための、光軸方向において上側ロータリプレート側から見た可動部分の透視図である。
【図12】同図(a)および(b)は第1のモータ駆動制御処理の更なる進行に伴う可動部分の動作を説明するための、可動部分の透視図である。
【図13】MPUおよび絞り駆動回路により実行される第2のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】MPUおよび絞り駆動回路により実行される第3のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る光量調節装置を備える光学機器の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る光量調節装置を模式的に示す縦断面図である。
【図17】図16の光量調節装置における第1のモータの出力ギアの回転角度と上側ロータリプレートの回転角度との関係を、第2のモータの出力ギアの回転角度と下側ロータリプレートの回転角度との関係と比較して示すグラフである。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係る光量調節装置の構成を示す分解斜視図である。
【図19】MPUおよび絞り駆動回路により実行される動画撮影開始までの動作を示すフローチャートである。
【図20】MPUおよび絞り駆動回路により実行される第1のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】MPUおよび絞り駆動回路により実行される第2のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図22】MPUおよび絞り駆動回路により実行される第3のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
以下、図1〜図15を用いて本発明の第1の実施の形態の光量調節装置および光量調節装置を備える光学機器を説明する。
【0016】
図15は、光量調節装置を備える光学機器であるデジタルカメラ30の機能構成を示すブロック図である。
【0017】
デジタルカメラ30のマイクロコンピュータ(以下、MPU)301は、デジタルカメラ30各部の動作を制御する。MPU301には、ミラー駆動回路302、焦点駆動回路303、シャッタ駆動回路304、画像信号処理回路305、スイッチセンサ回路306、測光回路307が接続されている。これらの回路302〜307は、MPU301の制御により動作する。
【0018】
MPU301は、マウント接点321を介してMPU301に接続されたAF(オートフォーカス)駆動回路403および絞り駆動回路404を制御する。AF駆動回路403は撮像レンズ401を駆動する。絞り駆動回路404は光量調節装置100を駆動する。なお、図15では便宜上1枚の撮像レンズ401のみを図示しているが、実際はフォーカスレンズ等の多数のレンズ群が設けられている。
【0019】
AF駆動回路403は、ステッピングモータを備え、MPU301の制御によりレンズ群に含まれるフォーカスレンズ位置を変化させることにより、撮像素子333に撮影光束を合焦させる。絞り駆動回路404は、2つのステッピングモータを独立して駆動することで、光量調節装置100を通過する光量を変化させる。
【0020】
メインミラー306aは、図15に示す撮影光軸に対して45度の角度に保持され、撮像レンズ401を通過する光束をペンタプリズム322へ導くと共に、その一部を透過させてサブミラー306bへ導く。サブミラー306bは、メインミラー306aを透過した撮影光束を焦点検出センサユニット331へ導く。
【0021】
ミラー駆動回路302は、例えばDCモータとギヤトレインにより構成され、メインミラー306aを光学ファインダー318により被写体像を観察可能とする位置と撮影光路から待避する位置との間で駆動する。同時にサブミラー306bも、焦点検出センサユニット331へ光束を導く位置と撮影光路から待避する位置との間で移動する。
【0022】
焦点検出センサユニット331は、位相差方式の焦点検出を行う。焦点検出センサユニット331から出力される信号は、焦点駆動回路303に供給され、被写体像信号に換算された後、MPU301に送信される。
【0023】
MPU301は、被写体像信号に基づいて位相差検出法による焦点検出演算を行う。MPU301は、被写体像信号を用いてデフォーカス量および方向を算出し、算出されたデフォーカス量および方向に従い、フォーカス駆動回路403を介してフォーカスレンズを合焦位置に駆動させる。
【0024】
ペンタプリズム322は、メインミラー306aにより反射された撮影光束を正立正像に変換反射する。これにより、撮影者は光学ファインダー318から被写体像を観察することができる。
【0025】
ペンタプリズム322は、撮影光束の一部を測光センサ337にも導く。測光回路307は、測光センサ337から出力された測光値を観察面上の各エリアの輝度信号に変換し、MPU301に出力する。MPU301は、輝度信号に基づいて露出値を算出する。
【0026】
シャッタユニット332は、シャッタ先幕およびシャッタ後幕を備えるフォーカルプレーンシャッタである。シャッタユニット332は、MPU301から制御命令を受けたシャッタ駆動回路304により制御される。撮影者が光学ファインダー318を介して被写体像を観察する際には、シャッタ先幕が遮光位置に位置し、シャッタ後幕が露光位置に位置する。撮影動作が実行される際には、シャッタ先幕が遮光位置から露光位置に移動して、撮像素子333に露光させる。露光開始から設定されたシャッタ秒時が経過した後、シャッタ後幕は露光位置から遮光位置へ移動する。
【0027】
画像信号処理回路305は、撮像素子333より出力されたアナログ画像信号に対してA/D変換処理を行い、さらに得られたデジタル画像データに対してノイズ除去処理やゲイン調整処理等の様々な画像処理を実行する。スイッチセンサ回路306は、モード選択SW343、レリーズSW344等のデジタルカメラ30が備えるユーザインタフェースを撮影者が操作することにより入力される入力信号をMPU301に送信する。
【0028】
撮像素子333は、例えばCMOSセンサやCCD等であり、上述したように、結像された被写体の光学像を光電変換することによりアナログ画像信号を出力する。
【0029】
図1は、光量調節装置100の構成を示す分解斜視図である。図2は、組み付け状態の光量調節装置100を示す縦断面図である。
【0030】
図1、図2に示すように、光量調節装置100は、第1のモータ1、第2のモータ2、第1の被駆動部材である上側ロータリプレート3、第2の被駆動部材である下側ロータリプレート4、第1のモータ1が固定された上側カバー5、および第2のモータ2が固定された下側カバー6を有している。ロータリプレート3,4およびカバー5,6は光軸Cに沿って積層され、光軸Cまわりに同軸に配されている。ロータリプレート3,4およびカバー5,6には、撮影光が通過する光路を形成する中央穴が形成されている。第1及び第2のモータ1、2はともにステッピングモータであり、絞り駆動回路404により互いに独立に駆動される。
【0031】
第1のステッピングモータ1は、ロータ12(第1のロータ)と、同ロータ12に連結され且つ上側ロータリプレート3に設けられた外周ギア部と噛み合う出力ギア11を有している。上側ロータリプレート3は、上側カバー5の中央穴に内嵌しており、モータ1により光軸Cの周りに回転駆動される。同様に、第2のステッピングモータ2は、ロータ22(第2のロータ)と、同ロータ22に連結され且つ下側ロータリプレート4に設けられた外周ギア部と噛み合う出力ギア21を有している。下側ロータリプレート4は、下側カバー6の中央穴に内嵌しており、モータ2により光軸C周りに回転駆動される。
【0032】
上側ロータリプレート3と下側ロータリプレート4との間に、遮光部材である絞り羽根7が複数(たとえば6枚)配設されている。上側ロータリプレート3は複数の穴31を有しており、下側ロータリプレート4は、複数のカム溝41を有している。絞り羽根7には、上側ロータリプレート3の穴31及び下側ロータリプレート4のカム溝41に嵌合されるダボ71及びダボ72が突設されている。
【0033】
第1のモータ1により上側ロータリプレート3が回転駆動される場合、上側ロータリプレート3の穴31に嵌合した絞り羽根7のダボ71は、上側ロータリプレート3とともに光軸C周りに回転する。その際、絞り羽根7のダボ72が下側ロータリプレート4のカム溝41内をカム溝41に沿って移動するので、絞り羽根7は、光軸Cに垂直な平面内を上側ロータリプレート3によってそれぞれのダボ71を中心として回転駆動され、これにより光路の面積が変化する。
【0034】
第2のモータ2により下側ロータリプレート4が回転駆動される場合、絞り羽根7のダボ72は、下側ロータリプレート4のカム溝41内を移動し、絞り羽根7は、光軸Cに垂直な平面内を下側ロータリプレート4によってそれぞれのダボ71を中心として回転駆動され、光路の面積が変化する。
【0035】
上述のように、第1のモータ1による上側ロータリプレート3の駆動または第2のモータ2による下側ロータリプレート4の駆動のいずれによっても、光路の面積を変化させることができる。すなわち、絞り羽根7により、上側ロータリプレート3と下側ロータリプレート4との相対的な位置関係に応じて光路を通過する光量を変化させることができ、これにより光量調節を行うことができる。
【0036】
図3、図4により、光量調節装置100の基本的な動作について説明する。
【0037】
図3(a)〜(c)は、光量調節装置100の可動部分を光軸方向において上側ロータリプレート側から見た透視図である。図4(a)〜(c)は可動部分を下側ロータリプレート4側から見た透視図である。可動部分は、出力ギア11、21、上側ロータリプレート3、下側ロータリプレート4、及び絞り羽根7を含む。
【0038】
図3(a)は、絞り羽根7が光路を一切遮らない絞り羽根7の「開放」状態を示す。第1のモータ1を駆動して上側ロータリプレート3を図3(b)に矢印で示す時計方向に下側ロータリプレート4に対して相対的に回転させると、絞り羽根7は、下側ロータリプレート4のカム溝41によって案内され、開放状態から図3(b)に示す光路を遮る絞り状態に移動する。さらにモータ1の駆動を継続することによって、絞り羽根7は図3(c)に示す光路を最も大きく遮る「最小絞り」状態に移動する。
【0039】
第1のモータ1を逆回転させて上側ロータリプレート3を反時計方向に回転させ、絞り羽根7を最小絞り状態から開放状態へ復帰可能である。
【0040】
図4(a)は図3(a)と同様に絞り羽根7の開放状態を示す。第2のモータ2を駆動して下側ロータリプレート4を、図4(b)に矢印で示す方向に回転させると、絞り羽根7は、下側ロータリプレート4のカム溝41によって案内され、開放状態から図4(b)に示す光路を遮る絞り状態に移動する。さらにモータ2の駆動を継続することによって、絞り羽根7は図4(c)に示す図3(c)と同じ最小絞りの状態に移動する。
【0041】
そして、第2のモータ2を逆回転させて下側ロータリプレート4を図4(b)、(c)に矢印で示す方向とは逆方向に回転させることにより、絞り羽根7を最小絞り状態から開放状態へ復帰可能である。
【0042】
図5(a)〜(c)は、光量調節装置100により光量調節がなされる際に撮像素子333(図15)に導かれる光量を説明するための、上側ロータリプレート3の回転により図3(a)〜(c)に示した開放状態、絞り状態および最小絞り状態にされた絞り羽根7を模式的に示す拡大断面図である。
【0043】
図5(a)において、絞り羽根7は、図3(a)に示す初期位置にある上側及び下側ロータリプレート3,4により保持されて開放状態にある。第1のモータ1により上側ロータリプレート3が図3(b)に示す位置まで回転駆動されると、絞り羽根7は図5(b)に示す絞り状態になり、ロータリプレート3が図3(c)に示す位置まで回転駆動されると図5(c)に示す最小絞り状態になる。図5(a)〜(c)中、記号L0、L1及びLminは水平方向に対向する絞り羽根7の間隔を表す。絞り羽根7が閉じられるにつれて、絞り羽根7の間隔がL0からL1へ減少し、さらにLminまで減少して光路断面積が減少し、絞り羽根7間を通過する光量が減少する。
【0044】
図6(a)〜(c)は、下側ロータリプレート4の回転により図4(a)〜(c)に示した開放状態、絞り状態および最小絞り状態にされた絞り羽根7を示す拡大断面図である。
【0045】
図6(a)において、絞り羽根7は、図4(a)に示す初期位置にある上側及び下側ロータリプレート3,4により保持されて開放状態にある。第2のモータ2により下側ロータリプレート4が図4(b)に示す位置まで回転駆動されると、絞り羽根7は図6(b)に示す絞り状態になり、ロータリプレート4が図4(c)に示す位置まで回転駆動されると図6(c)に示す最小絞り状態になる。絞り羽根7が閉じられるにつれて、絞り羽根7の間隔がL0からL1へ減少し、さらにLminまで減少して光路断面積すなわち通過光量が減少する。
【0046】
図5または図6に示す例では、第1のモータ1または第2のモータ2によって上側ロータリプレート3または下側ロータリプレート4を回転駆動して絞り羽根7を開放状態から最小絞り状態に移動させる場合について説明した。既述のように絞り羽根7を最小絞り状態から開放状態へ復帰させることができ、したがって、一方のモータによって最小絞り状態までの絞り込みを行った後、他方のモータにより開放状態への復帰を行うことも可能である。
【0047】
例えば、第1のモータ1による上側ロータリプレート3の回転により図5(a)の開放状態から図5(c)の最小絞り状態まで絞り羽根7の絞り込みを行った後、図7(a)に示すように、第2のモータ2による下側ロータリプレート4の開放方向への回転によって絞り羽根7を開放状態に復帰させることも可能である。また、下側ロータリプレート4の回転による図6(a)の開放状態から図6(c)の最小絞り状態までの絞り込み動作の後に、上側ロータリプレート3の開放方向への回転によって絞り羽根7を開放状態に復帰させることも可能である。
【0048】
あるいは、両方のモータによって並行して絞り羽根7の絞り込みまたは開放を行うことで、高速な開閉動作を実現可能である。例えば、図7(b)に示すように、第1のモータ1による図3(a)の開放状態から図3(c)の最小絞り状態への絞り込み動作と第2のモータ2による図4(a)の開放状態から図4(c)の最小絞り状態への絞り込み動作とを同時に実施することによって、高速で最小絞り状態にすることが可能である。
【0049】
つまり、本実施の形態の光量調節装置100によれば、第1及び第2のモータ1、2のいずれか一方を駆動して対応するロータリプレート3または4を回転させることによって、開放状態と最小絞り状態との間で絞り羽根7を開閉することが可能である。また、両方のモータ1、2を並行して駆動し、双方のロータリプレート3、4を並行して回転させて互いに反対の方向に移動させることにより、開放状態と最小絞り状態との間で絞り羽根7を高速で開閉することも可能である。
【0050】
図8は、第1及び第2のモータ1、2のロータ12、22の着磁状態を表す着磁波形を示す図である。同図において、ロータの機械角を横軸にとって示し、磁束の向きを縦軸にとって示している。
【0051】
第1のモータ1のロータ12(第1のロータ)は第1の着磁極数たとえば6つの着磁極数を有し(すなわち、第1の極数たとえば6極に着磁がなされており)、機械角360°の間に3個の略正弦波形が含まれた着磁波形となる。第2のモータ2のロータ22(第2のロータ)は、第1の極数より大きい第2の極数(たとえば12極)に着磁がなされており、機械角360°の間に6個の略正弦波形が含まれた着磁波形となる。そのため、第2のモータ2の1回転あたりの安定点の数は第1のモータ1の2倍であり、第2のモータ2は第1のモータ1の分解能の2倍の分解能を持つ。
【0052】
次に、図9(a)〜(c)を参照して、両モータ1、2の着磁極数の違いによる光量調節における分解能の違いを説明する。
【0053】
図9(a)〜(c)は、光量調節装置100により光量調節がなされる際の通過光量を説明するための、最小絞り状態にある絞り羽根7を模式的に示す断面図である。図9(a)〜(c)では、各モータ1、2の1ステップあたりの絞り羽根7の移動量(光量変化量)を縞状パターンで示している。
【0054】
本実施の形態において、第1のモータ1と上側ロータリプレート3とのギア連結における減速比は、第2のモータ2と下側ロータリプレート4とのギア連結における減速比と同一である。従って、モータ1回転当たりの両ロータリプレート3、4の回転角度は一致している。
【0055】
6極に着磁された第1のモータ1だけを1−2相駆動で駆動して開放状態から最小絞り状態まで絞り羽根7を動かすのには、図9(a)に示すように、第1のモータ1を24ステップ分駆動する必要がある。他方、12極に着磁された第2のモータ2だけを1−2相駆動で駆動して開放状態から最小絞り状態まで絞り羽根7を動かすのには、図9(b)に示すように、第2のモータ2を48ステップ分駆動する必要がある。
【0056】
すなわち、第1のモータ1を1ステップだけ駆動したときの上側ロータリプレート3の回転角は、第2のモータ2を1ステップだけ駆動したときの下側ロータリプレート4の回転角の約2倍の角度になる。したがって、第1のモータ1を1ステップだけ駆動したときの絞り羽根7の移動量は、第2のモータ2を1ステップだけ駆動したときの絞り羽根7の移動量の約2倍の移動量になる。第1のモータ1の分解能(第1の分解能)は、第2のモータ2の分解能(第2の分解能)よりも低分解能である。第1のモータ1の1ステップあたりのロータリプレート3の駆動量は、第2のモータ2の1ステップあたりのロータリプレート4の駆動量より大きい。
【0057】
第1のモータ1の方が第2のモータ2よりも低分解能であるため、同一の駆動周波数でモータ1、2を駆動した場合には、第1のモータ1の方が第2のモータ2よりも高速で回転する。そのため、第1のモータ1による絞り込み動作は、第2のモータ2による絞り込み動作よりも低分解能であるが高速である。
【0058】
言い換えると、第2のモータ2の方が第1のモータ1よりも高分解能であるため、同一の駆動周波数でモータ1、2を駆動した場合には、第2のモータ2の方が第1のモータ1よりも低速で回転する。そのため、第2のモータ2による絞り込み動作は、第1のモータ1による絞り込み動作よりも低速であるが高分解能である。
【0059】
第1のモータ1による絞り込み動作における絞り羽根7の光量変化速度(第1の速度)は第2のモータ2による絞り込み動作における絞り羽根7の光量変化速度(第2の速度)よりも速い。第2のモータ2による絞り込み動作における絞り羽根7の最小光量変化量は、第1のモータ1による絞り込み動作における絞り羽根7の最小光量変化量よりも小さい。
【0060】
また、図9(c)に示すように、双方のモータ1、2を例えば16ステップ分同時駆動する場合には、両ロータリプレート3、4が同時に回転して絞り羽根7が最小絞り状態となる。すなわち、双方のモータ1、2を同一駆動周波数で同時に駆動することによる絞り込み動作は、第1のモータ1のみによる絞り込み動作よりもさらに低分解能(第3の分解能)であるがより高速となる。これにより一方のモータのみを駆動することでは実現できない高速駆動を実現可能であり、絞り羽根7は上記第1の速度よりも速い速度(第3の速度)で光量を変化させることができる。
【0061】
第1の実施の形態においては、光量調節におけるモータの駆動モードとして、「高速駆動モード」と「低速駆動モード」とを備えている。高速駆動モードには、第1のモータ1及び第2のモータ2の両方を同時に駆動する同時駆動モードと第1のモータ1のみを駆動する単独高速駆動モードとがある。低速駆動モードでは、第1のモータ1を駆動することなく第2のモータ2のみを駆動する。第1のモータ1は、単独高速駆動モードあるいは同時駆動モードにおいて通常のステップ駆動にて駆動される。一方、第2のモータ2は、低速駆動モードにおいてマイクロステップ駆動にて駆動され、同時駆動モードでは通常のステップ駆動にて駆動される。
【0062】
MPU301は、これらの駆動モードのいずれかを選択することが可能である。すなわち、静止画の撮影時には、分解能は劣るが高速駆動が可能な第1のモータ1のみを駆動する単独高速駆動モードを選択する。一方、動画の撮影時には、分解能が高く且つマイクロステップ駆動により滑らかな駆動が可能な第2のモータ2のみを駆動する低速駆動モードを選択する。このような駆動モードの使い分けにより、静止画撮影における高速駆動及び動画撮影における滑らか駆動の両立が可能である。
【0063】
デジタルカメラ30は、動画撮影を中断して静止画撮影を実行することができる。したがって、動画撮影中は絞り装置を滑らかに高分解能動作させ、静止画撮影時には絞り装置を高速動作させ、その後、動画撮影へ短時間で復帰できるのが好ましい。
【0064】
以下、動画撮影を中断して静止画撮影を行う際にMPU301および絞り駆動回路404により実行される第1のモータ駆動制御処理を図10〜図12を用いて説明する。
【0065】
図10は、制御部、すなわち、MPU301および絞り駆動回路404により実行される第1のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0066】
撮影者によって撮像指示であるレリーズSW344がオンされると、第1のモータ駆動制御処理が開始される。
【0067】
ステップS201では、MPU301は、デジタルカメラ30が現在、動画撮影を行っているか否かを判別し、動画撮影を行っている場合には、動画撮影を中断するよう制御する(ステップS202)。
【0068】
動画撮影中は低速駆動モードが選択されて第2のモータ2がマイクロステップ駆動で駆動されるため、通常のステップ駆動の場合と異なり、第2のモータ2が不安定位相にある場合が多い。そこで、ステップS203において、MPU301は、第2のモータ2への通電を停止するよう、絞り駆動回路404を制御する。これにより、第2のモータ2は近傍の安定位相で停止する。
【0069】
ステップS204では、MPU301は単独高速駆動モードを選択する。そして、MPU301は、上側ロータリプレート3を初期位置から絞り羽根7が開放状態となる開放位置まで反時計方向に回転させるように、絞り駆動回路404を制御する。このとき、絞り駆動回路404は第1のモータ1を通常のステップ駆動で駆動させる。次に、MPU301は、AF動作を行うよう、フォーカス駆動回路403を制御する(ステップS205)。MPU301は、絞り羽根7が設定絞り値をとるまで第1のモータ1を時計方向に回転させるよう、絞り駆動回路404を制御する(ステップS206)。
【0070】
次に、MPU301は、静止画撮像動作を実行するよう制御する(ステップS207)。そして、MPU301は、第1のモータ1を反時計方向へ回転させるように、絞り駆動回路404を制御して、上側ロータリプレート3を初期位置へ復帰させる(ステップS208)。次に、MPU301は低速駆動モードを選択して、第2のモータ2への通電を再開するよう絞り駆動回路404を制御する(ステップS209)。すると、安定位相で停止していた第2のモータ2をマイクロステップ駆動して、第1のモータ駆動制御処理の開始時点の位相(初期位置)へ復帰させる。次に、MPU301は、動画撮影を再開するよう制御する(ステップS210)。そして、本処理を終了する。
【0071】
図11(a)、(b)および図12(a)、(b)は、第1のモータ駆動制御処理の進行に伴う光量調節装置100の可動部分の動作を説明するための、光軸方向において上側ロータリプレート3側から見た可動部分の透視図である。
【0072】
図11(a)は、動画撮影が中断される直前(図10のステップS201、S202に対応)において、第2のモータ2のマイクロステップ駆動により下側ロータリプレート4が反時計方向に回転している様子を示している。図11(b)は、第2のモータ2が近傍の安定位相で停止した状態(ステップS203に対応)を示しており、下側ロータリプレート4が図11(a)に示す位置から時計方向に僅かに回転している。
【0073】
図12(a)は、第1のモータ1の駆動により上側ロータリプレート3を図11(b)に示す位置から反時計方向に開放位置まで回転させた状態(図10のステップS204に対応)を示す。図12(b)は、第1のモータ1の駆動により上側ロータリプレート3を時計方向に回転させて、絞り羽根7を設定絞り値まで絞り込んだ状態(ステップS206に対応)を示す。
【0074】
このように、動画撮影時には滑らかな(高分解能な)第2のモータ2のマイクロステップ駆動を利用する一方、静止画撮影時には高速な(低分解能な)第1のモータ1のステップ駆動を利用する。これにより、静止画撮影時の高速動作と動画撮影時の高分解能動作とを両立することができ、動画撮影を中断して静止画撮影を行った後に高速に動画撮影を再開可能である。
【0075】
図13は、MPU301により実行される第2のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。図10の第1のモータ駆動制御処理と同様、第2のモータ駆動制御処理は、レリーズSW344がオンされると開始される。
【0076】
MPU301は、ステップS301、S302で、図10のステップS201、S202と同様の処理を実行する。ステップS303以降では、第1のモータ1及び第2のモータ2が同時に動作する。すなわち、第1のモータ駆動制御処理では単独高速駆動モードで行われた動作を同時駆動モードで行う。つまり、MPU301が同時駆動モードを選択すると、ステップS303とステップS304、S305とを同時に実行するよう絞り駆動回路404を制御する。そして、ステップS307とステップS308とを同時に実行するよう絞り駆動回路404を制御する。さらに、ステップS310とステップS311とS312とを同時に実行するよう絞り駆動回路404を制御する。ステップS304,S306,S309及びS313は、図10のステップS203,S205,S207及びS210にそれぞれ対応する。
【0077】
ステップS303において、MPU301は、第1のモータ1を通常のステップ駆動で駆動するよう絞り駆動回路404を制御して、上側ロータリプレート3を反時計方向に回転させる。また、MPU301は第2のモータ2への通電を停止するよう絞り駆動回路404を制御して、第2のモータ2を安定位相で停止させる(ステップS304)。MPU301は、第2のモータ2を通常のステップ駆動で駆動するよう絞り駆動回路404を制御して、下側ロータリプレート4を時計方向に回転させる(ステップS305)。すなわち、MPU301は、上側ロータリプレート3を反時計方向へ回転させると同時に、下側ロータリプレート4を時計方向へ回転させて、絞り羽根7が開放状態となるように、絞り駆動回路404を制御する。そして、絞り羽根7が開放状態になると、MPU301は、AF動作を行うよう、フォーカス駆動回路403を制御する(ステップS306)。
【0078】
次に、MPU301は、第1のモータ1を通常のステップ駆動で駆動するよう絞り駆動回路404を制御して、上側ロータリプレート3を時計方向に回転させる(ステップS307)。同時に、MPU301は、第2のモータ2を通常のステップ駆動で駆動するよう絞り駆動回路404を制御して下側ロータリプレート4を反時計方向に回転させる(ステップS308)。すなわち、MPU301は、上側ロータリプレート3の時計方向への回転と下側ロータリプレート4の反時計方向への回転を絞り羽根7が設定絞り値まで絞り込まれるよう、絞り駆動回路404を制御する。次に、MPU301は、静止画撮像動作を実行するよう制御する(ステップS309)。
【0079】
その後、MPU301は、第1のモータ1を通常のステップ駆動で駆動するよう絞り駆動回路404を制御して、上側ロータリプレート3を反時計方向に回転させ、上側ロータリプレート3を初期位置へ復帰させる(ステップS310)。また、MPU301は、第2のモータ2を通常のステップ駆動で駆動するよう絞り駆動回路404を制御して、下側ロータリプレート4を時計方向に回転させ、下側ロータリプレート4を第2のモータ2の安定位相まで移動させる(ステップS311)。そして、MPU301は、第2のモータ2をマイクロステップ駆動するよう絞り駆動回路404を制御して本処理の開始時点の位相(初期位置)へ復帰させる(ステップS312)。その後、MPU301は動画撮影を再開するよう制御する(ステップS313)。そして、本処理を終了する。
【0080】
第2のモータ駆動制御処理によれば、動画撮影を中断して行われる静止画撮影において第1のモータ1及び第2のモータ2の両方を同時に駆動することによって、動画撮影を再開するまでの時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0081】
図14は、MPU301および絞り駆動回路404により実行される第3のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。図10の第1のモータ駆動制御処理と同様、第3のモータ駆動制御処理は、レリーズSW344がオンされると開始される。
【0082】
MPU301は、ステップS401、S402で、図10のステップS201、S202と同様の処理を実行する。なお、後述のステップS405及びS408は図10のステップS205及びS207と対応する。
【0083】
ステップS403では、MPU301は、第2のモータ2に保持電力を供給するよう絞り駆動回路404を制御して、第2のモータ2が不安定位相にあってもその位相に保持し、下側ロータリプレート4を固定状態とする。
【0084】
続いて、MPU301は、第1のモータ1を通常のステップ駆動で駆動するよう絞り駆動回路404を制御して、上側ロータリプレート3を反時計回りに開放位置まで回転させる(ステップS404)。そして、MPU301は、AF動作を行うよう、フォーカス駆動回路403を制御する(ステップS405)。
【0085】
次に、ステップS406では、MPU301は、第1のモータ1を通常のステップ駆動で駆動するよう絞り駆動回路404を制御して、絞り羽根7が設定絞り値の付近の値をとるまで上側ロータリプレート3を時計回りに回転させる。その理由は、下側ロータリプレート3を駆動する第2のモータ2がステップS403で不安定位相に保持された場合、通常のステップ駆動では、絞り羽根7が設定絞り値をとるように第1のモータ1を正確に駆動することができないためである。
【0086】
次に、MPU301は、第1のモータ1をマイクロステップ駆動するよう絞り駆動回路404を制御して絞り羽根7が設定絞り値をとるまで上側ロータリプレート3を回転させる(ステップS407)。そして、MPU301は、静止画撮像動作を実行するよう制御する(ステップS408)。
【0087】
次に、ステップS409では、MPU301は、第1のモータ1をマイクロステップ駆動により駆動し、次に通常のステップ駆動により第1のモータ1を駆動するよう絞り駆動回路404を制御して、上側ロータリプレート3を初期位置へ復帰させる。これにより、本処理の開始時点での絞り込み状態へ戻るので、MPU301は、動画撮影を再開するよう制御する(ステップS410)。そして、本処理を終了する。
【0088】
第3のモータ駆動制御処理によれば、静止画撮像のための絞り込みを第1のモータ1のみで行う。これにより、静止画撮影時の光量調節装置の高速動作運転と動画撮影時の高分解能動作とを両立することができ、動画撮影を中断して静止画撮影を行った後に動画撮影を再開するまでの時間が長くなることもない。また、動画撮影から静止画撮影に移行する際に、下側ロータリプレート3を回転駆動させないので、より正確な絞り位置から動画撮影を再開することが可能となる。
【0089】
本実施の形態によれば、光量調節装置の高速動作と高分解能動作な低速駆動を選択的に実現することができる。
【0090】
(第2の実施の形態)
次に、図16及び図17を用いて、本発明の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態における光量調節装置100を、以下に説明する光量調節装置200に置き換えている点で第1の実施の形態とは異なっている。
【0091】
図16は、第2の実施の形態に係る光量調節装置200を模式的に示す縦断面図である。
【0092】
図16において、光量調節装置200の構成要素のうち、光量調節装置100の構成要素と同様の要素を同様の符号で示し、その説明を省略する。
【0093】
光量調節装置200は、第1のモータ201、第2のモータ202、第1の被駆動部材としての上側ロータリプレート203および第2の被駆動部材としての下側ロータリプレート204を備える。
【0094】
第1のモータ201、第2のモータ202はともにステッピングモータであり、互いに独立に駆動可能である。第1及び第2のモータ201,202は、出力ギア211,221と、着磁極数が互いに同一のロータ(図2に示す第1及び第2のロータ12,22に対応)とをそれぞれ有し、同一の駆動周波数で駆動された場合に同じ速度で回転する。
【0095】
上側ロータリプレート203は、第1のモータ201により出力ギア211を通じて第1の減速比Pにて回転駆動される。一方、下側ロータリプレート204は、第2のモータ202により出力ギア221を通じて第2の減速比Qにて回転駆動される。本実施の形態では、減速比P<減速比Qとなるように、出力ギア211、出力ギア221、ロータリプレート203、204の各ギア部のピッチ円直径や歯数が設定される。
【0096】
例えば、減速比Qは減速比Pの2倍に設定される。既述のように、本例では第1及び第2のモータ201、202のロータの着磁極数が同一であるので、同一の駆動周波数であればモータ201、202の回転速度は同じである。したがって、減速比Qを減速比Pの2倍に設定した場合、モータ1回転当たりの上側ロータリプレート203の回転角度は、図17に示すように、下側ロータリプレート204の回転角度の2倍となる。
【0097】
図17は、光量調節装置200における第1のモータ201の出力ギア211の回転角度と上側ロータリプレート203の回転角度との関係を、光量調節装置200における第2のモータ202の出力ギア221の回転角度と下側ロータリプレート204の回転角度との関係と比較して示すグラフである。同図において、出力ギア211、221の回転角度を横軸にとって示し、上側ロータリプレート203及び下側ロータリプレート204の回転角度を縦軸にとって示している。図17から明らかなように、モータ1回転当たりの上側ロータリプレート203の回転角度はモータ1回転当たりの下側ロータリプレート204の回転角度の2倍であり、上側ロータリプレート203の回転速度も下側ロータリプレート204の回転速度の2倍となる。
【0098】
従って、第1のモータ201による上側ロータリプレート203の回転駆動は、第2のモータ202による下側ロータリプレート204の回転駆動よりも高速に行うことが可能である。反面、第2のモータ202による下側ロータリプレート204の回転駆動は、第1のモータ201による上側ロータリプレート203の回転駆動よりも高分解能で行うことができる。すなわち、モータ202の1ステップ当たりの下側ロータリプレート204の回転量は、モータ202の1ステップ当たりの上側ロータリプレート203の回転量より少ない。
【0099】
第2の実施の形態による光量調節におけるモータの駆動モードは、第1の実施の形態の場合と同一である。第2の実施の形態においても、高速駆動モード(単独高速駆動モードあるいは同時駆動モード)では第1のモータ201は通常のステップ駆動にて駆動される。一方、第2のモータ202は、低速駆動モードではマイクロステップ駆動にて駆動され、同時駆動モードでは通常のステップ駆動にて駆動される。MPU301は、これらの駆動モードのいずれかを選択することが可能である。
【0100】
MPU301は、第2の実施の形態においても、動画撮影を中断して静止画撮影を行う場合には、第1の実施の形態と同様、第1ないし第3のモータ駆動制御処理のいずれかを実行することができる。
【0101】
(第3の実施の形態)
次に、図18〜図22を用いて、本発明の第3の実施の形態を説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態における光量調節装置100を、以下に説明する光量調節装置300に置き換えてている点で第1の実施の形態とは異なっている。
【0102】
図18は、光量調節装置300の構成を示す分解斜視図である。図18において、光量調節装置300の構成要素のうち、光量調節装置100の構成要素と同様の要素を同様の符号で示し、その説明を省略する。
【0103】
図18に示すように、光量調節装置300は、光量調節装置100の構成要素に加えて、係止ソレノイド(ラッチングソレノイド)9が追加されている。係止ソレノイド9は、絞り駆動回路404によって通電制御される。係止ソレノイド9(ロック部材)は、通電制御されることで係止ピン9aが上側ロータリプレート3に設けられた外周ギア部に係止して同プレート3を保持、ロックするロック状態と、係止ピン9aが外周ギア部との係止を解除してプレート3のロックを解除する解除状態とに切り換わる。
【0104】
第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、光量調節におけるモータの駆動モードとして、「高速駆動モード」と「低速駆動モード」とを備えている。高速駆動モードには、第1のモータ1及び第2のモータ2の両方を同時に駆動する同時駆動モードと第1のモータ1のみを駆動する単独高速駆動モードとがある。低速駆動モードでは、第1のモータ1を駆動することなく第2のモータ2のみを駆動する。第1のモータ1は、単独高速駆動モードあるいは同時駆動モードにおいて通常のステップ駆動にて駆動される。一方、第2のモータ2は、低速駆動モードにおいてマイクロステップ駆動にて駆動され、同時駆動モードでは通常のステップ駆動にて駆動される。
【0105】
第3の実施の形態では、第2のモータ2のみを駆動する際には、係止ソレノイド9をその係止ピン9aが上側ロータリプレート3の外周ギア部に係止する状態に切り換え、上側ロータリプレート3は動かないように固定される。これによって、第2のモータ2によって下側ロータリプレート4を回転させても、上側ロータリプレート3が動いてしまうことに起因する不安定な光量変化は発生しない。
【0106】
したがって、動画撮影時には、MPU301は、係止ソレノイド9が上側ロータリプレート3を係止するように、絞り駆動回路404を制御する。そして、MPU301は、第1のモータ1を駆動することなく、第2のモータ2をマイクロステップ駆動するように、絞り駆動回路404を制御する。
【0107】
第3の実施の形態において、デジタルカメラ30における動画撮影開始までの動作を図19のフローチャートを用いて説明する。
【0108】
ステップS501において、MPU301は、モード選択SW343によって動画撮影モードが選択されているか否かを判定する。動画撮影モードが選択されていないと判定された場合には、通常の静止画撮影のフローに移行する。この場合には、係止ソレノイド9は上側ロータリプレート3を係止しない状態に維持される。
【0109】
ステップS501において動画撮影モードが選択されていると判定された場合には、MPU301は上側ロータリプレート3が開放端位置に位置するか否かを判定する(ステップS502)。絞り羽根7が開放状態となる方向へ上側ロータリプレート3を回転させて、上側ロータリプレート3が図示しないストッパーに当接する位置が、開放端位置となる。
【0110】
上側ロータリプレート3と下側ロータリプレート4がともに開放端位置に位置する場合、光量調節装置100は開放状態となる。なお、光量調節装置100は、上側ロータリプレート3と下側ロータリプレート4との相対的な位置関係によって絞り羽根7による光量調節の状態が変化する。このため、上側ロータリプレート3と下側ロータリプレート4がともに開放端位置に位置しなくても、光量調節装置100は開放状態となることがある。
【0111】
上側ロータリプレート3が開放端位置に位置しない場合には、MPU301は単独高速駆動モードを選択し、上側ロータリプレート3が反時計方向に回転するように、絞り駆動回路404を制御する(ステップS503)。このとき、絞り駆動回路404は、第1のモータ1を通常のステップ駆動で駆動して、絞り羽根7が開放状態となる方向へ上側ロータリプレート3を回転させる。
【0112】
上側ロータリプレート3が開放端位置に位置する場合には、MPU301は、係止ソレノイド9が上側ロータリプレート3を係止するように、絞り駆動回路404を制御する(ステップS504)。係止ソレノイド9が上側ロータリプレート3を係止することで、上側ロータリプレート3は固定され、下側ロータリプレート4の回転によってのみ、絞り羽根7は開閉動作を行う。ステップS504で上側ロータリプレート3を固定した後、動画撮影をスタートさせ(ステップS505)、本フローを終了する。
【0113】
第3の実施の形態では、係止ソレノイド9によって上側ロータリプレート3を固定するので、第2のモータ2が下側ロータリプレート4を駆動する際に、上側ロータリプレート3が動いてしまうことに起因する光量変化は発生しない。下側ロータリプレート4の回転によってのみ、絞り羽根7の開閉動作を行う際には、第2のモータ2はマイクロステップ駆動で駆動され、第2のモータ2を1ステップ分駆動したときの光量変化量は小さい。したがって、上側ロータリプレート3が動いてしまうことに起因する光量変化は、それがわずかであっても、絞り羽根7の開閉動作の制御に大きな影響を与える。本実施形態では上側ロータリプレート3を固定することにより、その様な光量変化の発生を防止する。
【0114】
上側ロータリプレート3の回転によってのみ、絞り羽根7の開閉動作を行う際には、第1のモータ1は通常のステップ駆動で駆動される。このときにも、下側ロータリプレート4が動いてしまうことに起因する光量変化が発生する。しかし、この場合には、第1のモータ1を1ステップ分駆動したときの光量変化量が大きく、下側ロータリプレート4がわずか動いてしまうことに起因する光量変化は、絞り羽根7の開閉動作の制御に大きな影響を与えない。したがって、上側ロータリプレート3の回転によってのみ、絞り羽根7の開閉動作を行う際には、下側ロータリプレート4は係止しなくてもよい。
【0115】
図20は、第3の実施の形態における、MPU301および絞り駆動回路404により実行される第1のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。図20中、図10に示すステップと同じステップを同様の符号で示し、その説明を省略する。
【0116】
ステップS201〜ステップS203では、図10のステップS201〜ステップS203と同様の処理が行われる。
【0117】
ステップS203にて、第2のモータ2への通電を停止するよう、MPU301が絞り駆動回路404を制御すると、ステップS601に進む。
【0118】
ステップS601では、係止ソレノイド9によって上側ロータリプレート3を係止している状態を解除するように、MPU301が絞り駆動回路404を制御する。そして、ステップS204に進む。
【0119】
ステップS204〜ステップS208では、図10のステップS204〜ステップS208と同様の処理が行われる。
【0120】
ステップS208にて、MPU301は、第1のモータ1を反時計方向へ回転させるように、絞り駆動回路404を制御して、上側ロータリプレート3を初期位置へ復帰させると、ステップS602に進む。
【0121】
ステップS602にて、MPU301は、係止ソレノイド9が上側ロータリプレート3を係止するように、絞り駆動回路404を制御する。そして、ステップS209に進む。
【0122】
ステップS209〜ステップS210では、図10のステップS209〜ステップS210と同様の処理が行われる。そして、本処理を終了する。
【0123】
このように、動画撮影時には滑らかな(高分解能な)第2のモータ2のマイクロステップ駆動を利用する一方、静止画撮影時には高速な(低分解能な)第1のモータ1のステップ駆動を利用する。これにより、静止画撮影時の高速動作と動画撮影時の高分解能動作とを両立することができ、動画撮影を中断して静止画撮影を行った後に高速に動画撮影を再開可能である。
【0124】
図21は、第3の実施の形態における、MPU301および絞り駆動回路404により実行される第2のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。図20の第1のモータ駆動制御処理と同様、第2のモータ駆動制御処理は、レリーズSW344がオンされると開始される。
【0125】
図21中、図13に示すステップと同じステップを同様の符号で示し、その説明を省略する。
【0126】
ステップS301〜ステップS302では、図13のステップS301〜ステップS302と同様の処理が行われる。
【0127】
ステップS302にて、MPU301が動画撮影を中断するよう制御すると、MPU301は、係止ソレノイド9によって上側ロータリプレート3を係止している状態を解除するように絞り駆動回路404を制御する処理をステップS701で行ってから図13のステップS303と同様の処理をステップS303で実行する。また、MPU301は、ステップS701およびS303の処理と同時に、図13のステップS304およびS305の処理と同様の処理をステップS304からステップS305において実行する。
【0128】
ステップS306〜ステップS309では、図13のステップS306〜ステップS309と同様の処理が行われる。
【0129】
ステップS309にて静止画撮像動作を実行するように制御すると、MPU301は、図13のステップS310と同様の処理をステップS310で行ってから係止ソレノイド9が上側ロータリプレート3を係止するように絞り駆動回路404を制御する処理をステップS702で行う。また、MPU301は、ステップS310及びS702の処理の実行と同時に、図13のステップS311及びS312の処理と同様の処理をステップS311からステップS312において実行する。
【0130】
ステップS313では、図13のステップS313と同様の処理が行われる。そして、本処理を終了する。
【0131】
第2のモータ駆動制御処理によれば、動画撮影を中断して行われる静止画撮影において第1のモータ1及び第2のモータ2の両方を同時に駆動することによって、動画撮影を再開するまでの時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0132】
図22は、第3の実施の形態における、MPU301および絞り駆動回路404により実行される第3のモータ駆動制御処理の手順を示すフローチャートである。図20の第1のモータ駆動制御処理と同様、第3のモータ駆動制御処理は、レリーズSW344がオンされると開始される。
【0133】
図22中、図14に示すステップと同じステップを同様の符号で示し、その説明を省略する。
【0134】
ステップS401〜ステップS403では、図14のステップS401〜ステップS403と同様の処理が行われる。
【0135】
ステップS403にて、MPU301が、第2のモータ2に保持電力を供給するよう絞り駆動回路404を制御して、ステップS801に進む。
【0136】
ステップS801では、係止ソレノイド9によって上側ロータリプレート3を係止している状態を解除するように、MPU301が絞り駆動回路404を制御する。そして、ステップS404に進む。
【0137】
ステップS404〜ステップS409では、図14のステップS404〜ステップS409と同様の処理が行われる。
【0138】
ステップS409にて、MPU301は、第1のモータ1をマイクロステップ駆動により駆動し、次に通常のステップ駆動により第1のモータ1を駆動するように、絞り駆動回路404を制御する。そして、ステップS802に進む。
【0139】
ステップS802にて、MPU301は、係止ソレノイド9が上側ロータリプレート3を係止するように、絞り駆動回路404を制御する。そして、ステップS410に進む。
【0140】
ステップS410では、図14のステップS410と同様の処理が行われる。そして、本処理を終了する。
【0141】
第3の駆動制御処理によれば、静止画撮像のための絞り込みを第1のモータ1のみで行う。これにより、静止画撮影時の光量調節装置の高速動作運転と動画撮影時の高分解能動作とを両立することができ、動画撮影を中断して静止画撮影を行った後に動画撮影を再開するまでの時間が長くなることもない。また、動画撮影から静止画撮影に移行する際に、下側ロータリプレート3を回転駆動させないので、より正確な絞り位置から動画撮影を再開することが可能となる。
【0142】
(変形例)
以下、第1〜第3の実施の形態のいくつかの変形例を説明する。
【0143】
第1〜第3の実施の形態での上側ロータリプレートを回転させるための駆動系と下側ロータリプレートを回転させるための駆動系とで着磁極数や減速比などの設計パラメータを逆にしてもよい。その場合、低速駆動モードで駆動するモータもそれに応じて逆とする。
【0144】
また、第1〜第3の実施の形態において、同時駆動モードでは、第1及び第2のモータの駆動を同時に開始し、同時に終了するように制御するようにしたが、第1及び第2のモータの駆動を異なるタイミングで開始、終了するように制御してもよい。
【0145】
また、第1〜第3の実施の形態において、光量調節の行程(開放状態から最小絞り状態までの行程、または最小絞り状態から開放状態までの行程)の途中でモータの駆動モードを切り替えてもよい。例えば、静止画撮影に当たっては、高速駆動モード(同時駆動モードまたは単独高速駆動モード)でモータを駆動して絞り込み動作を行い、その後、絞り位置まで低速駆動モードでモータを駆動してもよい。すなわち、開放状態から最小絞り状態までの絞り込み行程の最終段階で高速駆動モードから低速駆動モードに切り替えることができる。これにより、静止画撮影におけるモータの高速駆動を実現することができると共に、絞り値への絞り込みを高い精度で行うことができる。
【0146】
第1、第3の実施の形態では第1及び第2のモータのロータの着磁極数を異ならせることにより、また、第2の実施の形態では第1のモータから上側ロータリプレートに至る回転駆動系の減速比と第2のモータから下側ロータリプレートに至る回転駆動系の減速比とを異ならせることによって、モータの1ステップ当たりの上側ロータリプレートの回転量(すなわち分解能)と下側ロータリプレートの回転量とが異なるようにした。しかしながら、第1のモータ側の回転駆動系における分解能と第2のモータ側の回転駆動系の分解能とを略同一としてもよい。例えば、第1及び第2のモータのロータのそれぞれにおける着磁極数を同一にすると共に上側ロータリプレート側の減速比と下側ロータリプレート側の減速比とを同一とすることができる。
【0147】
上記変形例の場合、駆動モードとして、同時駆動モードか低速駆動モードのいずれかを選択可能であり、低速駆動モードで駆動するモータとして第1のモータまたは第2のモータのいずれかを選択可能である。
【0148】
この変形例によれば、第1〜第3の実施の形態と同様、光量調節装置の高速動作と高分解能動作を選択的に実現することができる。また、上側および下側ロータリプレートを回転させるための駆動系の構成を共通化できるので、部品共通化の利点もある。
【0149】
なお、上記各実施の形態では、本発明が適用される光量調節装置として絞り装置を例示したが、本発明は、コンパクトデジタルカメラ等に配設され撮像時の露光時間を調節するのに用いられるシャッタ装置にも適用可能である。その場合、例えば、被駆動部材としてシャッタアームが用いられ、遮光部材としてシャッタ羽根が用いられる。
【0150】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0151】
1 第1のモータ
2 第2のモータ
3 上側ロータリプレート
4 下側ロータリプレート
7 絞り羽根
12 第1のロータ
22 第2のロータ
301 MPU
404 絞り駆動回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のステッピングモータと、
第2のステッピングモータと、
前記第1のステッピングモータによって駆動される第1の被駆動部材と、
前記第2のステッピングモータによって駆動される第2の被駆動部材と、
前記第1の被駆動部材と前記第2の被駆動部材との相対的な位置関係に応じて光路を通過する光量を変化させる遮光部材と、
前記第1の被駆動部材をロックするロック状態と、前記ロック状態を解除する解除状態とに切り換わるロック部材とを有し、
前記第2のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第2の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量は、前記第1のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第1の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量よりも小さく、
前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動する際に、前記ロック部材は前記第1の被駆動部材をロックすることを特徴とする光量調節装置。
【請求項2】
前記第1のステッピングモータは第1のロータを有し、
前記第2のステッピングモータは第2のロータを有し、
前記第2のロータに形成される磁極の数は前記第1のロータに形成される磁極の数より多いことを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項3】
前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動する際、前記第1のステッピングモータは通常のステップ駆動で駆動され、
前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動する際、前記第2のステッピングモータはマイクロステップ駆動で駆動されることを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項4】
前記第1の被駆動部材は、前記第1のステッピングモータによって第1の減速比で駆動され、
前記第2の被駆動部材は、前記第2のステッピングモータによって第2の減速比で駆動され、
前記第2の減速比は前記第1の減速比より大きいことを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項5】
前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動する際、前記第1のステッピングモータは通常のステップ駆動で駆動され、
前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動する際、前記第2のステッピングモータはマイクロステップ駆動で駆動されることを特徴とする請求項4に記載の光量調節装置。
【請求項6】
前記ロック部材が前記第1の被駆動部材をロックすると、前記第1の被駆動部材は移動できなくなり、
前記ロック部材が前記第1の被駆動部材をロックした後、前記第2のモータを駆動し且つ前記第1のモータを停止することを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項7】
第1のステッピングモータと、
第2のステッピングモータと、
前記第1のステッピングモータによって駆動される第1の被駆動部材と、
前記第2のステッピングモータによって駆動される第2の被駆動部材と、
前記第1の被駆動部材と前記第2の被駆動部材との相対的な位置関係に応じて光路を通過する光量を変化させる遮光部材と、
前記第1の被駆動部材をロックするロック状態と、前記ロック状態を解除する解除状態とに切り換わるロック部材と、
前記第1のステッピングモータ、前記第2のステッピングモータおよび前記ロック部材を制御することが可能な制御部とを備え、
前記第2のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第2の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量は、前記第1のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第1の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量よりも小さく、
前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第2のステッピングモータを制御する際には、前記ロック部材が前記第1の被駆動部材をロックするように、前記制御部が前記ロック部材を制御することを特徴とする光学機器。
【請求項8】
前記第1のステッピングモータは第1のロータを有し、
前記第2のステッピングモータは第2のロータを有し、
前記第1のロータに形成される磁極の数および前記第2のロータに形成される磁極の数は同一であることを特徴とする請求項7に記載の光学機器。
【請求項9】
前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第1のステッピングモータを制御する際には、前記第1のステッピングモータは通常のステップ駆動で駆動され、
前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第2のステッピングモータを制御する際には、前記第2のステッピングモータはマイクロステップ駆動で駆動されることを特徴とする請求項7に記載の光学機器。
【請求項10】
前記第1の被駆動部材は、前記第1のステッピングモータによって第1の減速比で駆動され、
前記第2の被駆動部材は、前記第2のステッピングモータによって第2の減速比で駆動され、
前記第2の減速比は前記第1の減速比より大きいことを特徴とする請求項7に記載の光学機器。
【請求項11】
前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第1のステッピングモータを制御する際には、前記第1のステッピングモータは通常のステップ駆動で駆動され、
前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第2のステッピングモータを制御する際には、前記第2のステッピングモータはマイクロステップ駆動で駆動されることを特徴とする請求項10に記載の光学機器。
【請求項12】
第1のステッピングモータと、
第2のステッピングモータと、
前記第1のステッピングモータによって駆動される第1の被駆動部材と、
前記第2のステッピングモータによって駆動される第2の被駆動部材と、
前記第1の被駆動部材と前記第2の被駆動部材との相対的な位置関係に応じて光路を通過する光量を変化させる遮光部材とを備え、
前記第2のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第2の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量は、前記第1のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第1の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量よりも小さく、
前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動することなく、前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動する際には、前記遮光部材は第1の分解能で光量を変化させ、
前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動することなく、前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動する際には、前記遮光部材は前記第1の分解能よりも高い第2の分解能で光量を変化させ、
前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動するとともに、前記第2のステッピングモータが前記第1の被駆動部材の駆動の方向とは反対の方向に前記第2の被駆動部材を駆動する際には、前記遮光部材は前記第1の分解能より低い第3の分解能で光量を変化させることを特徴とする光量調節装置。
【請求項13】
第1のステッピングモータと、
第2のステッピングモータと、
前記第1のステッピングモータによって駆動される第1の被駆動部材と、
前記第2のステッピングモータによって駆動される第2の被駆動部材と、
前記第1の被駆動部材と前記第2の被駆動部材との相対的な位置関係に応じて光路を通過する光量を変化させる遮光部材と、
前記第1のステッピングモータおよび前記第2のステッピングモータを制御することが可能な制御部とを備え、
前記第2のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第2の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量は、前記第1のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第1の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量よりも小さく、
前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動することなく、前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第1のステッピングモータおよび前記第2のステッピングモータを制御する際には、前記遮光部材は第1の分解能で光量を変化させ、
前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動することなく、前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第1のステッピングモータおよび前記第2のステッピングモータを制御する際には、前記遮光部材は前記第1の分解能よりも高い第2の分解能で光量を変化させ、
前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動するとともに、前記第2のステッピングモータが前記第1の被駆動部材の駆動の方向とは反対の方向に前記第2の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第1のステッピングモータおよび前記第2のステッピングモータを制御する際には、前記遮光部材は前記第1の分解能より低い第3の分解能で光量を変化させることを特徴とする光学機器。
【請求項1】
第1のステッピングモータと、
第2のステッピングモータと、
前記第1のステッピングモータによって駆動される第1の被駆動部材と、
前記第2のステッピングモータによって駆動される第2の被駆動部材と、
前記第1の被駆動部材と前記第2の被駆動部材との相対的な位置関係に応じて光路を通過する光量を変化させる遮光部材と、
前記第1の被駆動部材をロックするロック状態と、前記ロック状態を解除する解除状態とに切り換わるロック部材とを有し、
前記第2のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第2の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量は、前記第1のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第1の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量よりも小さく、
前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動する際に、前記ロック部材は前記第1の被駆動部材をロックすることを特徴とする光量調節装置。
【請求項2】
前記第1のステッピングモータは第1のロータを有し、
前記第2のステッピングモータは第2のロータを有し、
前記第2のロータに形成される磁極の数は前記第1のロータに形成される磁極の数より多いことを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項3】
前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動する際、前記第1のステッピングモータは通常のステップ駆動で駆動され、
前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動する際、前記第2のステッピングモータはマイクロステップ駆動で駆動されることを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項4】
前記第1の被駆動部材は、前記第1のステッピングモータによって第1の減速比で駆動され、
前記第2の被駆動部材は、前記第2のステッピングモータによって第2の減速比で駆動され、
前記第2の減速比は前記第1の減速比より大きいことを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項5】
前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動する際、前記第1のステッピングモータは通常のステップ駆動で駆動され、
前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動する際、前記第2のステッピングモータはマイクロステップ駆動で駆動されることを特徴とする請求項4に記載の光量調節装置。
【請求項6】
前記ロック部材が前記第1の被駆動部材をロックすると、前記第1の被駆動部材は移動できなくなり、
前記ロック部材が前記第1の被駆動部材をロックした後、前記第2のモータを駆動し且つ前記第1のモータを停止することを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項7】
第1のステッピングモータと、
第2のステッピングモータと、
前記第1のステッピングモータによって駆動される第1の被駆動部材と、
前記第2のステッピングモータによって駆動される第2の被駆動部材と、
前記第1の被駆動部材と前記第2の被駆動部材との相対的な位置関係に応じて光路を通過する光量を変化させる遮光部材と、
前記第1の被駆動部材をロックするロック状態と、前記ロック状態を解除する解除状態とに切り換わるロック部材と、
前記第1のステッピングモータ、前記第2のステッピングモータおよび前記ロック部材を制御することが可能な制御部とを備え、
前記第2のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第2の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量は、前記第1のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第1の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量よりも小さく、
前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第2のステッピングモータを制御する際には、前記ロック部材が前記第1の被駆動部材をロックするように、前記制御部が前記ロック部材を制御することを特徴とする光学機器。
【請求項8】
前記第1のステッピングモータは第1のロータを有し、
前記第2のステッピングモータは第2のロータを有し、
前記第1のロータに形成される磁極の数および前記第2のロータに形成される磁極の数は同一であることを特徴とする請求項7に記載の光学機器。
【請求項9】
前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第1のステッピングモータを制御する際には、前記第1のステッピングモータは通常のステップ駆動で駆動され、
前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第2のステッピングモータを制御する際には、前記第2のステッピングモータはマイクロステップ駆動で駆動されることを特徴とする請求項7に記載の光学機器。
【請求項10】
前記第1の被駆動部材は、前記第1のステッピングモータによって第1の減速比で駆動され、
前記第2の被駆動部材は、前記第2のステッピングモータによって第2の減速比で駆動され、
前記第2の減速比は前記第1の減速比より大きいことを特徴とする請求項7に記載の光学機器。
【請求項11】
前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第1のステッピングモータを制御する際には、前記第1のステッピングモータは通常のステップ駆動で駆動され、
前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第2のステッピングモータを制御する際には、前記第2のステッピングモータはマイクロステップ駆動で駆動されることを特徴とする請求項10に記載の光学機器。
【請求項12】
第1のステッピングモータと、
第2のステッピングモータと、
前記第1のステッピングモータによって駆動される第1の被駆動部材と、
前記第2のステッピングモータによって駆動される第2の被駆動部材と、
前記第1の被駆動部材と前記第2の被駆動部材との相対的な位置関係に応じて光路を通過する光量を変化させる遮光部材とを備え、
前記第2のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第2の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量は、前記第1のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第1の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量よりも小さく、
前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動することなく、前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動する際には、前記遮光部材は第1の分解能で光量を変化させ、
前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動することなく、前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動する際には、前記遮光部材は前記第1の分解能よりも高い第2の分解能で光量を変化させ、
前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動するとともに、前記第2のステッピングモータが前記第1の被駆動部材の駆動の方向とは反対の方向に前記第2の被駆動部材を駆動する際には、前記遮光部材は前記第1の分解能より低い第3の分解能で光量を変化させることを特徴とする光量調節装置。
【請求項13】
第1のステッピングモータと、
第2のステッピングモータと、
前記第1のステッピングモータによって駆動される第1の被駆動部材と、
前記第2のステッピングモータによって駆動される第2の被駆動部材と、
前記第1の被駆動部材と前記第2の被駆動部材との相対的な位置関係に応じて光路を通過する光量を変化させる遮光部材と、
前記第1のステッピングモータおよび前記第2のステッピングモータを制御することが可能な制御部とを備え、
前記第2のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第2の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量は、前記第1のステッピングモータが1ステップだけ駆動されて前記第1の被駆動部材を駆動する際の前記遮光部材の移動量よりも小さく、
前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動することなく、前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第1のステッピングモータおよび前記第2のステッピングモータを制御する際には、前記遮光部材は第1の分解能で光量を変化させ、
前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動することなく、前記第2のステッピングモータが前記第2の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第1のステッピングモータおよび前記第2のステッピングモータを制御する際には、前記遮光部材は前記第1の分解能よりも高い第2の分解能で光量を変化させ、
前記第1のステッピングモータが前記第1の被駆動部材を駆動するとともに、前記第2のステッピングモータが前記第1の被駆動部材の駆動の方向とは反対の方向に前記第2の被駆動部材を駆動するように、前記制御部が前記第1のステッピングモータおよび前記第2のステッピングモータを制御する際には、前記遮光部材は前記第1の分解能より低い第3の分解能で光量を変化させることを特徴とする光学機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図16】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−8017(P2013−8017A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−107467(P2012−107467)
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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