説明

光電気ポリマー及び装置

本発明は、選択的に置換された9,9−ジメチルフルオレンの芳香族系共役繰り返し単位から構成される光−電気装置に使用されるポリマーを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電気装置、特に、ポリマー発光装置、及びこれに使用する光電気ポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
光電気装置の1つの種類は、発光又は光検出のための有機材料を使用するものである。これらの装置の基本的な構造は、負電荷輸送体(電子)を有機層へ注入するためのカソードと正電荷(正孔)を有機層に注入するためのアノードの間に挟まれた発光有機層、例えば、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)又はポリフルオレンの薄膜を有するものである。電子と正孔は有機層で結合して光子を生成する。WO90/13148においては、有機発光材料はポリマーである。US4,539,507においては、有機発光材料は、(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq3)のような低分子材料として知られる種類のものである。実用装置においては、電極の1つは透明であり、光子が装置から放出されるのを可能にする。
【0003】
典型的な有機発光装置(OLED)は、インジウム錫酸化物(ITO)のような透明な第1電極でコーティングされたガラス又はプラスチック基板上に製造される。少なくとも1つの電子発光有機材料の薄膜層は第1の電極を覆う。最後に、カソードが電子発光有機材料の層を覆う。カソードは、通常、金属又は合金であり、アルミニウムのような単層、又はカルシウムとアルミニウムのような複層から構成される。例えば、電極から電子発光材料への電荷の注入を改良するために、他の層も追加することができる。例えば、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホネート(PEDOT−PSS)又はポリアニリンのような正孔注入層がアノードと電子発光材料の間に供給される。電源から電極間に電圧が供給されるとき、電極の1つはカソードとして働き、他方はアノードとして働く。有機半導体においては、重要な特性は、電子エネルギーレベルの真空レベルに関して測定される結合エネルギー、特に、「最高占有軌道」(HOMO)及び「最低空軌道」(LUMO)レベルの電子エネルギーレベルの真空レベルに関連して測定される。これらは、光発光の測定、特に、酸化と還元電気化学ポテンシャルの測定から推定される。この分野においては、このようなエネルギーは、境界近辺の局地環境、値が決められる曲線(ピーク)上の点のような多くの要因によって影響を受ける。したがって、このような値の使用は定量的ではなく定性的である。
【0004】
作動においては、正孔がアノードを貫通して装置に注入され、電子はカソードを貫通して装置に注入される。正孔と電子は有機電子発光層で結合して励起子を生成し、次いで、これは放射性崩壊して光を放出する。装置の効率を改良する1つの方法は、正孔及び電子輸送材料を提供することであり、例えば、WO99/48610は正孔輸送ポリマー、電子輸送ポリマー及び電子発光ポリマーの混合を開示している。この文献においては、ジオクチルフルオレン及びトリフェニルアミンが1:1のコポリマーを正孔輸送ポリマーとして使用する。
【0005】
ポリマーOLEDの分野における注目は、赤、緑及び青色発光材料が必要とされるフルカラーディスプレイの開発である。この開発に関連する既存のポリマーOLEDディスプレイの欠点は、これまで公知の青色発光材料の比較的短い寿命(「寿命」は、DC駆動で作動され一定の電流において、OLEDの輝度が半分になるまでの時間を意味する)である。
【0006】
1つの手法において、発光材料の寿命はOLED構造の最適化によって延ばすことができる。例えば、青色材料の寿命は使用されるカソードに部分的に依存する。しかしながら、青色寿命を改良するカソードの選択の利点は、赤及び緑色材料に与えるカソードの悪影響によって相殺される。例えば、Synthetic Metals 111-112 (2000), 125-128は、カソードがLiF/Ca/Alであるフルカラーディスプレイを開示する。本発明の発明者らは、カソードが特に青色発光材料に関して有効であるが、緑及び特に、赤発光体に関しては不良であることを示している。
【0007】
他の手法は、新規の青色発光材料の開発である。例えば、WO99/48160の発展であるWO00/55927は、式(w)の青色発光ポリマーを開示する。
【化1】

上記式において、w+x+y=1、w≧0.5、0≦x+y≦0.5、及びn≧2
【0008】
要約すると、WO99/48160に開示される独立したポリマーの繰り返し単位が単一分子に結合される。F8繰り返し単位は電子注入の目的のために供給される。TFB単位は正孔輸送の目的のために供給される。PFB繰り返し単位が発光単位として供給される。
【0009】
WO03/095586に開示される他の例においては、光学装置に使用されるポリマー、特に電子発光ポリマーの寿命は、ポリマーのガラス転移温度(Tg)を高める繰り返し単位の組み込みによって増大する。特に、2,7結合9,9−ジアリールフルオレン繰り返し単位の電子発光ポリマー、特に青色発光ポリマーへの組み込みはポリマーの寿命の十分な増加をもたらす。さらに、独立した正孔輸送単位と青色発光単位を有する必要はないことが発見された。両機能はPFB単位によって達成されることが発見された。驚くべきことに、上記の従来のポリマーからのTFBの省略は寿命の重要な改善をもたらすことが分かった。WO03/095586に開示される好ましい実施態様は、9,9ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジ(エチレニルボラネート)(0.5価)、2,7−ジブロモ−9,9−ジフェニルフルオレン(0.35価)及びN,N'−ジ(4−ブロモフェニル)−N,N'−ジ(4−ブロモフェニル)−N,N'−ジ(4−ブロモフェニル)−N,N'−ジ(4−n−ブチルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン(0.15価)の反応によりポリマー(P1)が得られるWO00/53656のプロセスにより製造された青色電子発光ポリマーである。
【化2】

【0010】
WO04/041902に開示される他の実施例において、改良された電子注入及びそれによって改良された装置特性が公知のポリマーの電子親和性の増加によって(より深いLUMO提供することにより)達成されることが決められた。これは、電子誘引アリール基を有するフルオレン繰り返し単位の供給によってWO04/041902において達成された。この方法における電子親和性の増加はこれに開示されるポリマーの良好な寿命をもたらすことが分かった。
【0011】
US6,309,763は式(y)の基を10〜90%含むコポリマーを開示する。
【化3】

上記式において、R1はC1〜C20の炭化水素から独立して選択される。この繰り返し単位は10〜90%のトリアリールアミンを有するコポリマー中に供給される。全ての実施例において、各R1は上記で述べたようにポリマー(w)及び(p1)中におけるC817である。
【0012】
EP1528074は、R1がC817である上記で特定されるフルオレン基を有する多種のポリマーを開示する。EP1528074の実施例2において、式(y2)で示される主鎖中の窒素原子に直接結合される9,9−ジメチルフルオレン単位を有するポリマーが開示される。
【化4】

【0013】
JP2004−131700はR1がC817であるフルオレン基を有する多種のポリマーを開示する。加えて、この文献は、式(y3)で示されるポリマー主鎖中のシリコンに直接結合する9,9−ジメチルフルオレンを有するポリマーを開示する。
【化5】

【0014】
本発明の目的は、上記のような従来のポリマーの光学装置に使用されるポリマーの寿命を増大させる方法を供給することにある。本発明の他の目的は、光電気装置に使用される長寿命ポリマー、特に、長寿命青色電子発光材料を供給することにある。本発明のさらに他の目的は、上記の従来のポリマーの熱安定性を高める手段を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、改良された装置特性を提供することにある。
【0015】
本発明の第1の側面に従って、選択的に置換された9,9−ジメチルフルオレンの芳香族系共役繰り返し単位から構成される光電気装置に使用されるポリマー提供される。好ましくは、9,9−ジメチルフルオレン繰り返し単位は式(a)に示されるポリマー中に2,7結合される。
【化6】

【0016】
「芳香族系共役」とは、9,9−ジメチルフルオレン繰り返し単位中の6員芳香環が単結合によって隣接する繰り返し単位中に芳香環に結合していることを意味する。好ましくは、この結合はポリマーの主鎖に沿っている。
【0017】
本発明の発明者らは、驚くべきことに、光電気装置に使用されるポリマー、特に、電子発光ポリマーの寿命は9,9−ジメチルフルオレンの芳香族系共役の組み込みによって増加することを発見した。
【0018】
芳香族系共役9,9−ジメチルフルオレンは、従来のポリマーP1のような9,9−ジオクチルフルオレンから構成される等価のポリマーと比較するとき、ポリマーの電子親和性を驚くほど増加させる。芳香族系共役9,9−ジメチルフルオレンは電子注入を改善し、したがって装置特性を改良する。
【0019】
さらに、従来のポリマーP1のような9,9−ジオクチルフルオレンから構成される等価のポリマーと比較するとき、ポリマーのガラス転移温度(Tg)は増加され、光電気半導体ポリマーの熱的安定性を高める手段を供給する。
【0020】
好ましくは、芳香族系共役9,9−ジメチルフルオレンは、1又は2以上の他の芳香族系共役繰り返し単位から構成されるコポリマー中に供給される。他の芳香族系共役繰り返し単位は、正孔輸送及び発光のような他の機能を提供することができる。
【0021】
好ましい共繰り返し単位は、アミン及び9,9−ジメチルフルオレン以外の選択的に置換されたフルオレン単位、例えば、C2−20アルキル又はアルコキシを有するフルオレン及び/又はアリール又はヘテロアリールを有するフルオレンを含む。
【0022】
好ましくは、1又は2以上の他の共役繰り返し単位はアミン繰り返し単位から構成される。
【0023】
好ましくは、1又は2以上の他の芳香族系共役繰り返し単位は選択的に置換された式(b)の繰り返し単位から構成される。
【化7】

上記式において、各Arは同じか異なり、選択的に置換されたアリール又はヘテロアリール基を有する。mは0、1又は2であり、2以上のアリール基が直接又は2価の基により結合される。
【0024】
好ましくは、mは0である。好ましくは、ポリマー直鎖中のアリール基は2価の基によって結合される。2価の基の好ましい例としては、O,Sがある。
【0025】
非常に好ましくは、選択的に置換された式(b)の繰り返し単位は次の構造を有する。
【化8】

【0026】
この繰り返し単位(b)はコポリマー中の発光単位として供給され、正孔輸送機能も提供することができる。選択的に置換されたAr−N(Ar)−Arの少量がコポリマー中に存在することができる。好ましくは、この繰り返し単位は5%以下のモル比を有する。しかしながら、式(b)の繰り返し単位は発光及び正孔輸送を実行するので、他の窒素含有正孔輸送単位は必要とされない。したがって、好ましい実施態様において、このポリマー式(b)の繰り返し単位以外に、主鎖繰り返し単位中窒素原子を有する繰り返し単位を含まない。
【0027】
各Arは好ましくは選択的に置換されたフェニルである。
【0028】
他の例は、式(c)の繰り返し単位である。
【化9】

上記式において、各R'は水素又は可溶化基から独立して選択される。
【0029】
他の例は、選択的に置換された、1又は2以上の置換基で選択された式(d)の繰り返し単位である。
【化10】

上記式において、各R基は同じか異なり、2つのR基は一緒に環を形成することができ、及び/又は少なくとも1つのR基は少なくとも選択的な置換基を有する環、例えば、次に示される構造を有することができる。
【化11】

【0030】
好ましいR基は、アルキル、アルコキシ、アリール及びヘテロアリールからなる群より独立して選択され、それぞれ選択的にさらに置換されることができる。
【0031】
非常に好ましくは、選択的に置換された、式(d)の繰り返し単位は次の構造を有する。
【化12】

上記式において、各Ar'は同じか異なり、選択的に置換されたアリール又はヘテロアリール基から構成される。好ましくは、各Ar'は選択的に置換されたフェニルである。選択的に、Ar'の1又は両者は電子誘引基から構成される。選択的に、Ar'の1又は両者は可溶化基から構成される。
【0032】
可溶化基の供給は本発明の実施態様において特に有益である。これは、9,9−ジメチルフルオレンは、例えば、9,9−ジオクチルフルオレンより可溶性が低い。したがって、9,9−ジメチルフルオレンより可溶性の高い共繰り返し単位を供給することによって、この繰り返し単位から構成されるポリマーの溶液プロセス性を改良することがいくつかの製品においては有利である。適切な可溶性側基の例としては、選択的に置換されたC4〜C20アルキル又はアルコキシ基、より好ましくはC4〜C10アルキル基、及び最も好ましくはC6〜C8アルキル基がある。可溶化置換基は、例えば、フルオレン繰り返し単位の9位置又は例えば、9,9−ジフェニルフルオレン又はPFBの場合分岐状アリール基に結合される。
【0033】
好ましくは、ポリマーは電子発光ポリマー、より好ましくは400〜500nm、最も好ましくは430〜500nmの波長の光を発光することができるポリマーである。9,9−ジメチルフルオレンから構成されるポリマーは、背景技術の章に記載される従来の青色発光体より長寿命を有する青色発光体として特に有益である。
【0034】
本発明の第2の側面に沿って、第1の電極、第2の電極、及び前記第1及び第2の電極の間に位置する半導体領域であって本発明の第1の側面のポリマーから構成される半導体領域から構成される光電気装置が供給される。
【0035】
本発明の第1の側面のポリマーは他のポリマー、デンドリマー又は低分子化合物との混合層として供給される。あるいは、それはそれ自身の上の層として供給され、このポリマーは層の機能を達成するに必要な部分を全て含む。
【0036】
好ましくは、このポリマーは半導体領域の電子発光層中に供給される。
【0037】
1つの実施態様において、電子発光層は1又は2以上の燐光性部を有し、本発明の第1の側面のポリマーが1又は2以上の燐光性部分のためのホストとして機能する。9,9−ジメチルフルオレンから構成されるポリマーは燐光性部からの発光をクエンチしないホスト材料として特に有益である。
【0038】
ポリマーは半導体領域の電荷輸送層、例えば、電子発光層とカソードの間に配置される電子輸送層、又は電子発光層とアノードの間に配置される正孔輸送層において供給される。疑義を回避するために、存在する場合、正孔注入材料(PEDOT−PSS又はポリアニリン)、正孔輸送層又は電子発光層から分離された電子輸送層は電子発光層の一部を構成しないものと理解されよう。
【0039】
一般的な装置構造
図1を参照すると、本発明の電子発光装置の標準的な構造は、透明なガラス又はプラスチック基板1、インジウム錫酸化物2のアノード及びカソード4から構成される。本発明のポリマーは、アノード2とカソード4の間に位置する。層3は、本発明のポリマー単独又は複数のポリマーから構成されることができる。
【0040】
電子発光装置はモノクロ装置又はフルカラー装置であることができる(すなわち、赤、緑及び青色電子発光材料)。「赤色電子発光材料」とは、電子発光によって、波長範囲600〜750nm、好ましくは600〜700nm、より好ましくは610〜650nm及び最も好ましくは発光ピーク650〜660nmを有する放射をする材料を意味する。「緑色電子発光材料」とは、電子発光によって、510〜580nm、好ましくは510〜570nmの範囲の波長を有する放射をする材料を意味する。「青色電子発光材料」とは、電子発光によって、400〜500nm、より好ましくは430〜500nmの範囲の波長を有する放射をする材料を意味する。
【0041】
電荷輸送層
電荷輸送、電荷注入又は電荷遮断層のような追加の層がアノード2とカソード4の間に位置する。
【0042】
特に、アノードから半導体ポリマー層への正孔の注入を促進するためにアノード2と電子発光層3の間に位置する半導体材料から形成される導電性正孔注入層を提供することが好ましい。ドープされた有機正孔注入材料の例としては、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT),特に、EP0901176及びEP0947123に開示されるPEDTがドープされたPEDT、又はUS5723873及びUS5798170に開示されるポリアニリンがある。
【0043】
存在する場合、アノード2と電子発光層3の間に位置する正孔輸送層は5.5eV、より好ましくは4.8〜5.5eVのHOMOレベルを有する。
【0044】
存在する場合、電子発光層3とカソード4の間に位置する電子輸送層は好ましくは約3〜3.5eVのLUMOレベルを有する。
【0045】
電極
カソード4は、電子を電子発光層へ注入する仕事関数を有する材料から選択される。カソードと電子発光材料の間の悪い相互作用の可能性のような他の要因がカソードの選択に影響する。カソードはアルミニウム層のような単一材料から構成される。あるいは、それは複数の金属、例えば、WO98/10621に開示されるようなカルシウムとアルミニウムの2層、WO98/57381、Appl. Phys. Lett. 2002, 81(4), 634及びWO02/84759に開示されるバリウム元素、又は電子の注入を促進するために誘電体材料層、例えば、WO00/48258に開示されるフッ化リチウム、又はAppl. Phys. Lett. 2001, 79(5), 2001に開示されるフッ化バリウムから構成されてもよい。装置に効率的に電子を注入するために、カソードは3.5eV未満、より好ましくは3.2eV未満、最も好ましくは3eV未満を有する。
【0046】
実用的な装置において、電極の少なくとも1つは、光が吸収されるか(光応答装置の場合)又は発光される(OLED装置の場合)ように半透明である。アノードが透明の場合、それは通常、インジウム錫酸化物から構成される。透明なカソード例としては、例えば、GB2348316に開示されている。
【0047】
図1の実施態様は、装置が最初に基板上にアノードを形成することによって形成され、続いて、電子発光層が積層される。しかしながら、本発明の装置は基板上にカソードを最初に形成することによって形成され、続いて電子発光層及びアノードが積層される。
【0048】
カプセル化
光学装置は湿気及び酸素に敏感な傾向にある。したがって、基板は、湿気及び酸素が装置に侵入するのを防ぐための良好な遮断特性を有することが好ましい。基板は通常ガラスであるが、特に、装置の柔軟性が望まれる場合には他の基板も使用される。例えば、基板はプラスチックと遮断層の交互の基板を開示するUS6268695のようなプラスチック、又はEP0949850に開示される又は薄いガラスとプラスチックのラミネートから構成される。
【0049】
この装置は、好ましくは、湿気及び酸素の侵入を防ぐためカプセル材(図示しない)でカプセル化される。適切なカプセル材としては、ガラスシート、例えば、WO01/81649に開示されるポリマーと誘電体の交互堆積層のような適切な遮断特性を有する薄膜、又は例えば、WO01/19142に開示されるような密封容器がある。基板又はカプセル材を浸透する室内の湿気及び/又は酸素の吸収のためのゲッター材料は基板とカプセル材の間に配置される。
【0050】
電子発光層
電子発光層3は、電子発光材料単独で構成されるか、又は1又は2以上の電子発光材料から構成されることができる。特に、電子発光材料は、例えば、WO99/48160に開示される正孔及び/又は電子輸送材料で混合されることができる。あるいは、電子発光材料は電荷輸送材料に共有的に結合される。
【0051】
本発明の実施態様のポリマー
本発明の実施態様のポリマーは、フルオレン、特に、2,7−結合9,9−ジアルキルフルオレン又は2,7−結合9,9−ジアリールフルオレン、2,7−結合9,9−スピロフルオレンのようなスピロフルオレン、2,7−結合インデノフルオレンのようなインデノフルオレン又はアルキル若しくはアルコキシ置換1,4−フェニレンのようなフェニルから構成される。これらの基はそれぞれ置換されることができる。
【0052】
例えば、WO00/55927、WO00/46321、WO03/095586及びWO2004/041902に開示されるような他の適切なAr基が公知である。
【0053】
本発明のポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー又は高次ポリマーから構成される。
【0054】
本発明のコポリマー、ターポリマー又は高次ポリマーとしては、規則交互、ランダム及びブロックポリマーがあげられるが、各モノマーのポリマーに使用される配合割合は変化し得る。
【0055】
製造の容易化のためには、ポリマーは可溶性であることが好ましい。C1-10アルキル又はC1-10アルコキシのような置換基は特定の溶媒系へのポリマーの可溶性を付与するために選択される。典型的な溶媒としては、トルエン及びキシレン又はTHFのようなモノ又はポリアルキレートベンゼンがある。
【0056】
芳香族系共役9,9−ジメチルフルオレンから構成されるポリマーは、それが使用される装置のどの層であるか及び共繰り返し単位の性質に応じて、正孔輸送、電子輸送及び発光の機能の1又は2以上を提供することができる。
【0057】
芳香族系共役9,9−ジメチルフルオレンのホモポリマーは電子の輸送を提供するために利用される。
【0058】
芳香族系共役9,9−ジメチルフルオレン及びトリアリールアミン繰り返し単位、特に、式1−6から選択される繰り返し単位から構成されるは正孔輸送及び/又は発光を提供するために利用される。
【化13】

上記式において、X、Y、A、B、C及びDは、H又は置換基から独立して選択される。より好ましくは、X、Y、A、B、C及びDは、選択的に置換される、分岐された又は直鎖のアルキル、アリール、ぺルフルオロアルキル、チオアルキル、シアノ、アルコキシ、ヘテロアリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基からなる群より独立して選択される。最も好ましくは、X、Y、A及びBはC1-10アルキルである。選択的に、芳香環のいずれかの2つは直鎖の結合又は酸素又は硫黄原子のような2価基で結合され得る。
【0059】
このタイプの特に好ましい正孔輸送ポリマーは、芳香族系共役9,9−ジメチルフルオレン及びトリアリールアミン繰り返し単位である。
【0060】
芳香族系共役9,9−ジメチルフルオレン及びヘテロアリーレン繰り返し単位は電荷輸送又は発光のために利用される。好ましいヘテロアリーレン繰り返し単位は、式7〜21から選択される。
【化14】

上記式において、R6及びR7は同じか異なり、それぞれ独立して水素又は置換基、好ましくは、アルキル、アリール、ペルフルオロアルキル、チオアルキル、シアノ、アルコキシ、ヘテロアリール、アリールアルキル又はアリールアルキルである。製造の容易化のため、R6及びR7は好ましくは同じである。より好ましくは、これらは同じであり、それぞれフェニル基である。
【化15】

【化16】

【化17】

【0061】
電子発光コポリマーは電子発光領域並びに、例えば、WO00/55927及びUS6353083に開示される正孔輸送領域及び電子輸送領域の少なくとも1つから構成される。もし、正孔輸送領域及び電子輸送領域が提供されるならば、次いで、電子発光領域も正孔輸送及び電子輸送機能も提供することができる。
【0062】
このようなポリマー内の異なる領域は、US6353083に開示されるポリマー主鎖に沿って供給されるか、又はWO01/62869に開示されるポリマー主鎖からの分岐状基として供給される。
【0063】
重合方法
これらポリマーの製造の好ましい方法は、例えば、WO00/53656及び、例えば、T. Yamamoto, "Electrically Conducting And Thermally Stable Conjugated Poly(arylene)s Prepared by Organometallic Processes", Progress in Polymer Science 1993, 17, 1153-1205に開示されている。これらの重合技術は、金属錯体の金属原子がモノマーのアリール基と離脱基の間に挿入される「金属挿入」によって駆動する。ヤマモト重合の場合、ニッケル触媒が使用され、スズキ重合の場合、パラジウム錯体触媒が使用される。
【0064】
例えば、ヤマモト重合による直鎖ポリマーの合成の場合、2つの反応性ハロゲン基を有するモノマーが使用される。同様に、スズキ重合の方法の場合、少なくとも1つの反応基はボロン酸又はボロンエステルのようなボロン誘導基であり、他の反応基はハロゲンである。好ましいハロゲンは塩素、臭素及びヨウ素であり、最も好ましくは臭素である。
【0065】
本願を通して例示されるアリール基から構成される繰り返し単位及び末端基は、適切な離脱基を有するモノマーから導かれる。
【0066】
部分規則、ブロック及びランダムコポリマーを製造するためのスズキ重合が使用され得る。特に、ホモポリマー又はランダムコポリマーは、1つの反応基がハロゲンであり、他の反応基がボロン誘導基であるときに製造される。あるいは、ブロック又は部分規則、特にABコポリマーは、第1のモノマーの両反応基がボロンであり、第2のモノマーの反応基が共にハロゲンであるときに製造される。
【0067】
ハロゲン化物の代替として、金属挿入に参加することができる他の離脱基としては、トシレート、メシレート及びトリフレートがある。
【0068】
溶液プロセス
単一のポリマー又は複数のポリマーは層5を形成するために積層される。ポリアリーレン、特にポリフルオレンのために適切な溶媒は、トルエン及びキシレンのようなモノ−又はポリ−アルキルベンゼンである。特に好ましい溶液積層技術は、スピンコート及びインクジェット印刷である。
【0069】
スピンコートは、電子発光材料の印刷が不必要な−例えば、照明製品又は単一モノクロ区域ディスプレイのための装置に適している。
【0070】
インクジェット印刷は、高度情報含有ディスプレイ、特にフルカラーディスプレイのために適している。OLEDのインクジェット印刷は、例えば、EP0880303に開示されている。
【0071】
装置の多層は溶液プロセスにより形成され、次いで、例えば、次の層の積層前に1つの層を架橋することにより、又は、第1の層の材料が第2の層の積層に使用される溶媒中に溶解しないように材料を選択することにより隣接する層が相互に混合するのを防止するための技術について当業者は認識するだろう。
【0072】
複数のポリマーが積層される場合、これらは少なくとも2つの正孔輸送層、電子輸送ポリマーから構成され、装置がPLEDの場合、WO99/48160に開示される発光ポリマーから構成される。あるいは、層3は、例えば、WO00/55927及びUS6353083に開示されるような2又はそれ以上の正孔輸送領域、電子輸送領域及び発光領域から選択される領域から構成される単一ポリマーから形成される。正孔輸送、電子輸送及び発光の各機能は、独立したポリマー又は単一ポリマーの独立した領域によって供給される。あるいは、2以上の機能が単一領域又はポリマーから遂行される。特に、単一ポリマー又は領域は電荷輸送及び発光を共に行うことができる。各領域は、単一繰り返し単位から構成されることができ、例えば、トリアリールアミン繰り返し単位は正孔輸送領域であり得る。
【0073】
あるいは、各領域は、電子輸送領域としてポリフルオレン単位の鎖のような繰り返し単位であり得る。このようなポリマー内の異なる領域は、US6353083に開示されるようなポリマー主鎖に沿って、又はWO01/62869に開示されるようなポリマー主鎖からの分岐状基であり得る。
【0074】
燐光発光体のためのホスト材料
CBPとして知られる4,4'−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル)のような「低分子」ホスト材料、Ikai et al.(Appl.Phys.Lett.,79 no.2,2001,156)に開示されるTCTAとして知られる(4,4',4''−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン)、及びMTDATAとして知られるトリス−4−(N−3−メチルフェニル−N−フェニル)フェニルアミンのようなトリアリールアミンを含む多くのホスト材料が公知文献に記載されている。ポリマー、特に、例えば、Appl. Phys. Lett. 2000, 77 (15), 2280に開示されるポリ(ビニル カルバゾール)のようなホモポリマー、Synth. Met. 2001, 116, 379, Phys. Rev. B2001, 63, 235206及びAppl. Phys. Lett. 2003, 82(7), 1006 に開示されるポリフルオレン、Adv. Mater. 1999, 11 (4), 285に開示されるポリ[4−(N−4−ビニルベンジルオキシエチル,N−メチルアミノ)−N−(2,5−ジ−タート−ブチルフェニルナフタルイミド)及びJ. Mater. Chem. 2003, 13, 50-55に開示されるポリ(パラ−フェニレン)がホスト材料として知られる。コポリマーもホスト材料として知られる。
【0075】
芳香族共役9,9−ジメチルフルオリドから構成されるポリマーの大きなバンドギャップのために、本発明のポリマーは燐光材料のホスト材料として有益であることが明らかである。
【0076】
金属錯体
好ましい金属錯体としては、選択的に置換された式(V)の錯体から構成される。
ML1q2r3s (V)である。
上記式において、Mは金属である。L1、L2及びL3のそれぞれは配位基である。qは整数であり、r及びsはそれぞれ独立して0又は整数である。(a.q)+(b.r)+(c.s)の合計は、M上で有効な配位位置の数であり、aはL1上の配位位置の数であり、bはL2上の配位位置の数であり、cはL3上の配位位置の数である。
【0077】
重金属Mは、3重項状態(燐光)からの急速な相互架橋及び発光を可能にする。適切な重金属Mとしては、次のものがある。
セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、ジスプロジウム、ツリウム、エルビウム及びネオジウム、及び
d−ブロック金属、特に、2族及び3族のもの、すなわち、元素39〜48及び72〜80、特に、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、プラチナ及び金である。
【0078】
f−ブロック金属のための配位基としては、カルボン酸、1,3−ジケトネート、水酸化カルボン酸、アクリルフェノールを含むシッフ塩基及びイミノアシル基のような酸素又は窒素寄与系である。公知のように、発光ランタニド金属錯体は、金属イオンの第1励起状態より高い3重項励起状態を有する感応基を要求する。発光は、金属のf−f遷移からであり、したがって、発光色は金属の選択によって決められる。鋭い発光は一般的に狭く、ディスプレイ製品のために有益な純粋な色発光をもたらす。
【0079】
有機金属錯体は、ポルフィリン又は式(VI)の2座リガンドのような炭素又は窒素ドナーを有する有機金属錯体を形成する。
【化18】

上記式において、Ar4及びAr5は同じか異なり、選択的に置換されたアリール又はヘテロアリールから独立して選択される。X1及びY1は同じか異なり、炭素又は窒素から独立して選択される。Ar4及びAr5は互いに縮合され得る。X1が炭素であり、Y1が窒素であるリガンドが特に好ましい。
【0080】
2座リガンドの例としては、下記のものが挙げられる。
【化19】

【0081】
Ar4及びAr5のそれぞれは、1又は2以上の置換基を有することができる。特に好ましい置換基としては、WO02/45466、WO02/44189、US2002−117662及びUS2002−182441に開示される錯体からの発光を青色シフトするために使用されるフッ化物又はトリフルオロメチル、JP2002−324679に開示されるアルキル又はアルコキシ基、WO02/81448に開示される発光材料として使用されるときに錯体への正孔輸送を促進するために使用されるカルバゾール、WO02/68435及びEP1245659に開示される追加の基の付着のためのリガンドを機能化するために働く臭素、塩素又はヨウ素、及びWO02/66552に開示される金属錯体の溶液プロセス性を獲得又は高めるために使用されるデンドロンがある。
【0082】
d−ブロック元素と共に使用するのに適切な他のリガンドとしては、ジケトネート、特に、アセチルアセトン(acac)、トリアリールホスフィン及びピリジンがあり、それぞれ置換され得る。
【0083】
主族金属錯体は、リガンド系又は電荷転移発光を示す。これらの錯体のためには、発光色はリガンド並びに金属の選択によって決められる。
【0084】
ホスト材料及び金属錯体は物理的混合の形で結合される。あるいは、金属錯体はホスト材料に化学的に結合される。ポリマーホスト材料の場合、金属錯体はポリマー主鎖の付着される置換基として化学的に結合されるか、ポリマー主鎖中の繰り返し単位として組み込まれるか、又は、例えば、EP1245659、WO02/31896、WO03/18653及びWO03/22908に開示されている。
【0085】
蛍光性低分子量金属錯体、特に、トリス−(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウムの広い範囲が公知であり、有機発光装置中に試作されている(例えば、Macromol. Sym. 125 (1997) 1-48, US-A 5,150,006, US-A 6,083,634及びUS-A 5,432,014参照)。2価又は3価の金属のための適切なリガンドとしては、オキシノイド、例えば、酸素−窒素又は酸素−酸素寄与原子、一般的に置換酸素原子を有する窒素環、又は8−ヒドロキシキノレート及びヒドロキシキノクサリノール−10−ヒドロキシベンゾ(h)キノリナート(II)のような置換酸素原子を有する置換窒素原子又は酸素原子、ベンザゾール(III),シッフ塩基、アゾインドール、クロム誘導体、3−ヒドロキシフラボン並びにサリチルアミノカルボキシレート及びエステルカルボキシレートのようなカルボキシル酸がある。選択的な置換基としては、発光色を変えることができる(ヘテロ)芳香環上のハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、シアノ、アミノ、アミド、スルホニル、カルボニル、アリール又はヘテロアリールである。
【0086】
本発明のポリマーは、芳香族系共役9,9−ジメチルフルオライドから構成されるポリマーの大きなバンドギャップのために、蛍光性発光体のホスト材料として有益である。
【0087】
ポリマーの実施例
PFB、選択的に置換された9,9−ジメチルフルオレン、F8及び選択的に置換された9,9−ジフェニルフルオレンからポリマーを製造するための標準のスズキ重合を使用して電子発光ポリマーが製造された。
【0088】
図2から分かるように、光−電気半導体ポリマー中の9,9−ジメチルフルオレン繰り返し単位の割合の増加により、ガラス転移温度が増加し、これによって光−電気半導体ポリマーの熱的安定性を増加させる。
【0089】
図3から分かるように、光−電気半導体ポリマー中の9,9−ジメチルフルオレン繰り返し単位の増加により、LUMOレベルは低下し、ポリマーの電子親和性を増加させる。これは、下記のように電子注入及び装置特性を改良する。LUMOレベルは公知の周期的ボルタンメトリーを使用して測定された。
【0090】
装置の実施例
ガラス基板(Applied Films, Colorado, USAより市販されている)上に支持されたインジウム錫酸化物上に、Bayer からBaytron P(商標登録)として市販されているPEDT/PSS層が積層された。フルオレン及びトリアリールアミン単位から構成される正孔輸送層がWO2004/023573に記載される方法に従ってPEDOT層上に積層された。光−電気半導体ポリマー層がキシレン溶液からスピンコートによってPEDT/PSS上に積層された。光−電気半導体ポリマー上にBa/Alカソードが積層された。
【0091】
本発明の光−電気半導体ポリマー層を含む装置と芳香族系共役9,9−ジエチルフルオレン繰り返し単位のポリマーを含む他の装置との比較は、本発明のポリマーの1600cd/m2から開始して半分の寿命が少なくとも300時間であるのに対して、公知の芳香族系共役9,9−ジエチルフルオレン繰り返し単位のポリマーの1600cd/m2から開始して半分の寿命は200時間以内であることを明確に示している。寿命データを生成するために使用される駆動条件は一定の電流におけるDC駆動を使用して稼働された。
【0092】
本発明は、特定の例示の実施態様により記載されているが、本明細書に開示された特徴の多くの改良、変形及び/またはこれらの組み合わせは、特許請求の範囲に規定される本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、当業者にとって明らかでるものと理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】電子発光装置を示す。
【図2】2つの異なるポリマーのLUMOレベルが9,9−ジメチルフルオレン含有量によりいかに変わるかを表すグラフを示す。
【図3】2つの異なるポリマーのガラス転移温度が9,9−ジメチルフルオレン含有量によりいかに変わるかを表すグラフを示す。
【符号の説明】
【0094】
1 基板
2 アノード
3 ポリマー層
4 カソード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択的に置換された9,9−ジメチルフルオレンの芳香族系共役繰り返し単位から構成される光−電気装置に使用されるポリマー。
【請求項2】
前記選択的に置換された9,9−ジメチルフルオレンの芳香族系共役繰り返し単位は、式(a)で示されるポリマー中に2,7結合されている請求項1に記載のポリマー。
【化1】

【請求項3】
前記選択的に置換された9,9−ジメチルフルオレンの芳香族系共役繰り返し単位は、ポリマーの主鎖中に供給される請求項1又は2に記載のポリマー。
【請求項4】
前記ポリマーは、前記芳香族系共役9,9−ジメチルフルオレン繰り返し単位及び1又は2以上の異なる芳香族系共役繰り返し単位から構成されるコポリマーである請求項1ないし3のいずれかに記載のポリマー。
【請求項5】
前記1又は2以上の異なる芳香族系共役繰り返し単位は、選択的に置換された式(b)の繰り返し単位から構成される請求項4に記載のポリマーであって、
【化2】

上記式において、各Arは、同じか異なり、選択的に置換されたアリール又はヘテロアリール基から構成され、mは0、1又は2であり、前記2以上のアリール基は直鎖又は2価の基により結合されるポリマー。
【請求項6】
各Arは選択的に置換されたフェニルである請求項5に記載のポリマー。
【請求項7】
前記式(b)の繰り返し単位は、式(c)で示される構造を有し、
【化3】

上記式において、各R'は水素又は可溶性基から独立して選択され、選択的に、各R'は前記選択的に置換されたフェニルの任意の位置に付着され、R'の数は2以上、好ましくは、2又は3である請求項6に記載のポリマー。
【請求項8】
前記1又は2以上の異なる芳香族系共役繰り返し単位は、1又は2以上の置換基で選択的に置換された式(d)の繰り返し単位である請求項4ないし7のいずれかに記載のポリマーであって、
【化4】

上記式において、Rは同じか異なり、前記2つのRは互いに環を形成することができ、及び/又は少なくとも1つのRは前記少なくとも1つの選択的な置換基を有する環を形成することができるポリマー。
【請求項9】
各Rは選択的に置換されたフェニルである請求項8に記載のポリマー。
【請求項10】
各Rは少なくとも1つの可溶性基を有する請求項8又は9に記載のポリマー。
【請求項11】
前記可溶性基は選択的に置換されたC420アルキル又はアルコキシ基から構成される請求項10に記載のポリマー。
【請求項12】
前記ポリマーは、赤緑青可視光の範囲で、赤外線近傍で、及び好ましくは400〜500nmの波長の発光を行うことができる請求項1ないし11のいずれかに記載のポリマー。
【請求項13】
第1の電極、第2の電極、前記第1の電極と第2の電極の間に位置する半導体領域から構成される光―電気装置であって、前記半導体領域は請求項1ないし12のいずれかに記載のポリマーから構成される光−電気装置。
【請求項14】
前記ポリマーは他のポリマー、デンドリマー又は低分子との混合された層中に供給される請求項13に記載の光−電気装置。
【請求項15】
前記ポリマーはそれ自体が層中に供給される請求項13に記載の光―電気装置。
【請求項16】
前記ポリマーは前記半導体領域の電子発光層中に供給される請求項13ないし15のいずれかに記載の光−電気装置。
【請求項17】
前記電子発光層は1又は2以上の燐光体から構成され、前記ポリマーは前記1又は2以上の燐光体のためのホスト材料として機能する請求項14又は16に記載の光―電気装置。
【請求項18】
前記ポリマーは前記半導体領域中の電荷輸送層中に供給される請求項13ないし17のいずれかに記載の光―電気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−535795(P2009−535795A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507140(P2009−507140)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001420
【国際公開番号】WO2007/129015
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(503419985)シーディーティー オックスフォード リミテッド (21)
【Fターム(参考)】