説明

免疫療法および系

【課題】 選択されたポリペプチド抗原に対して個体を脱感作する方法が提供される。
【解決手段】 これらの方法はそのペプチドに対して免疫寛容形成環境、すなわち低応答性状態を確立するように、ポリペプチド抗原由来のT細胞エピトープ含有ペプチドを投与することを含む。次に、この選択されたポリペプチド抗原を、低応答性状態および選択された抗原の同時投与がそのポリペプチド抗原に対して個体を脱感作するのに十分なように投与する。また、本発明の方法において有用な治療系、および本発明の方法における薬剤の製造におけるポリペプチド抗原およびペプチドの使用も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は免疫療法および系に関するものであり、詳しくはポリペプチド抗原、特にポリペプチドアレルゲンに対して個体を脱感作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の分子に対して応答を誘発する免疫系の能力は、その抗原の存在を認識する能力に決定的に依存している。従来、抗原という用語は、分子がB細胞の誘導を介する抗体生産機(generator)となる能力に関連したものであった。しかし、今では、T細胞も抗原を認識する能力を有することが知られている。T細胞抗原認識は、細胞表面に主要組織適合複合体(MHC)の分子を伴った抗原断片(ペプチド)を提示する抗原提示細胞(APC)を必要とする。T細胞は、APCにより提示された抗原断片を認識するのに抗原特異的T細胞受容体(TCR)を使用する。このような認識は、認識された抗原を根絶する一連の応答を生じる免疫系の引き金として作用する。
【0003】
Tリンパ球は、内部(宿主)および外部環境双方に由来する抗原の免疫認識を含む広範な疾患の病原に関連づけられている。自己免疫性甲状腺炎、慢性関節リウマチおよび紅斑性狼瘡などの自己免疫疾患は、免疫系による宿主または自己の抗原の認識から生ずる。
【0004】
ヒトなどの生物の免疫系による外部抗原の認識はアトピー状態として知られる疾患をもたらすことがありうる。後者の例は喘息、アトピー性皮膚炎およびアレルギー性鼻炎をはじめとするアレルギー疾患である。この群の疾患において、Bリンパ球は(ヒトでは)外来抗原に結合するIgEクラスの抗体を生成するが、これら外来抗原はこれらの分子がアレルギー応答を誘発するので、この背景ではアレルゲンと呼ばれる。アレルゲン特異的IgEの産生はTリンパ球に依存し、Tリンパ球もまたアレルゲンによって活性化される(特異的である)。アレルゲン特異的IgE抗体は、これらの細胞によるIgEに対する表面受容体の発現のために、好塩基球およびマスト細胞などの細胞の表面に結合する。表面に結合したIgE分子のアレルゲンによる交差結合は、これらのエフェクター細胞の脱顆粒化をもたらし、ヒスタミン、5-ヒドロキシトリプタミンなどの炎症メディエーターおよびスルフィドロイコトリエンなどの脂質メディエーターの放出を引き起こす。IgE依存的事象に加えて、喘息などのある種のアレルギー疾患は、IgE非依存的事象によって特徴付けられる。後期反応の誘導は少なくとも一部はIgE非依存的事象であり、アレルゲン特異的Tリンパ球の活性化に依存することが示されている。
【0005】
アレルギー性IgE媒介疾患は、現在のところ通常、徴候を緩和または抑制する薬剤で治療されている。このような薬剤の例は、抗ヒスタミン、β2アゴニスト、およびグルココルチコステロイドである。さらに、いくつかのIgE媒介疾患は、アレルゲン成分または抽出物の周期的な注射を含む脱感作手法によって治療されている。脱感作治療はIgG応答を誘導し、これはアレルゲンに関してIgEと競合し得るか、あるいはアレルゲンに対して指向されたIgEの合成を遮断する特異的なサプレッサーT細胞を誘導し得る。この治療形態は必ずしも常に有効ではなく、重大な副作用、特に全身性アナフィラキシーショックを引き起こす危険を持っている。これは、即座に認識してアドレナリンで治療しなければ致命的になる可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の主要な目的は選択されたポリペプチド抗原に対して個体を脱感作する方法を提供することである。この方法は、(a)一次組成物を個体に投与すること(該一次組成物はT細胞エピトープを含む第1のポリペプチド抗原を含んでなり、該個体は第1のポリペプチド抗原に予め曝されており、該一次組成物の投与は第1のポリペプチド抗原に対して低応答性状態を生じるのに十分な様式で行われる)、および(b)二次組成物を個体に投与すること(該二次組成物は選択されたポリペプチド抗原を含み、第1のポリペプチド抗原かまたは第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子のいずれかと同時投与される)を含んでなる。工程(a)において生じる低応答性状態と、工程(b)における選択されたポリペプチド抗原と第1のポリペプチド抗原または第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子との同時投与は、選択されたポリペプチド抗原に対して個体を脱感作するのに十分なものである。
【0007】
特定の態様では、個体は第1のポリペプチド抗原に対してアレルギー性である。他の態様では、第1のポリペプチド抗原は空中アレルゲンである。特に好ましい実施形態では、一次組成物は1以上のペプチドを含み、一次組成物はEICPAVKRDVDLFLTGT(配列番号1)、LFLTGTPDEYVEQVAQY(配列番号2)、EQVAQYKALPVVLENA(配列番号3)、KALPVVLENARILKNCV(配列番号4)、RILKNCVDAKMTEEDKE(配列番号5)、KMTEEDKENALSLLDK (配列番号6)、KENALSLLDKIYTSPL(配列番号7)、LTKVNATEPERTAMKK(配列番号8)、TAMKKIQDCYVENGLI(配列番号9)、SRVLDGLVMTTISSSK(配列番号10)、ISSSKDCMGEAVQNTV(配列番号11)、AVQNTVEDLKLNTLGR(配列番号12)、および配列番号1〜12のいずれか1以上に実質的に相同なペプチドからなる群から選択される1以上のFel d 1ペプチドを含む。
【0008】
選択されたポリペプチド抗原は以下の供給源:ラテックス;イネ科草本、樹木およびブタクサなどの植物;花粉;真菌類およびカビ類;食物;スズメバチを含む刺す昆虫;ユスリカ(chirnomidae, 刺さない蚊);クモ類およびダニ類;イエバエ、ミバエ、シープブローフライ(sheep blow fly)およびラセンウジバエなどのハエ類;コクゾウムシ;カイコ;ミツバチ;ユスリカ幼虫;ハチミツガ幼虫;ゴミムシダマシ;ゴキブリ;テニブリオ・モリトール(Tenibrio molitor)甲虫の幼虫;およびネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウサギ、ラット、モルモット、マウス、およびアレチネズミなどの哺乳類のうちいずれか1以上から得られるか、または誘導されるアレルゲンであり得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、選択されたポリペプチド抗原はアレルゲンであり、Der p 1、Der p 2、Der p 3、Der p 4、Der p 5、Der p 6、Der p 7、Der p 9、Der f 1、Der f 2、Der f 3、Der f 4、Der f 7、Fel d 1鎖1または2、Hev b 1、Hev b 3、Lol p 1、Lol p 2a、Lol p 3、Lol p 5a、Lol p 5b、Lol pイソ型9、Lol p 11、Ole e 1、Par j P2、Par j P5、Par j P8、Par j P9、Par j 1、Phl p 1、Phl p 2、Phl p 5、Phl p 5b、Phl p 5a、VES V 5、VES M 1、VES V 1、VES V 2、VES VI、Bet v 1、Bet v 2、Bet v 3、Bet v 4、Que a I、Car b I、Aln g I、Rubisco、Ara h 1、Amb a 1、Amb a 2、Amb a 1.3、Amb a 1.2、Amb a 1.1、Cry j IB前駆体、Cry j IA前駆体、Cry j II前駆体、Cry j IIタンパク質、Cry j I前駆体、Can f 1、Can f 2、血清アルブミン断片、Equ c1、Equ c 2、Eur m 1、POA P 9、Cr p1、Cr p2、Bla g 2、Bla g 4、およびBla g 5からなる群から選択される。
【0010】
他の実施形態では、選択されたポリペプチド抗原は自己抗原から得られるか、または誘導される。特定の実施形態では、自己抗原は以下の自己免疫疾患:多発性硬化症、糖尿病、慢性関節リウマチ、甲状腺炎、全身性紅斑性狼瘡、ベーチェット病、セリアック病、または重症筋無力症のいずれか1つと関連している。特に好ましい実施形態では、自己抗原はミエリン塩基性タンパク質(MBP)、プロテオリピドタンパク質(PLP)、ミエリン乏突起神経膠細胞糖タンパク質(MOG)、グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)、インスリン、IA-2(プロテインホスファターゼ様分子)、コラーゲン、熱ショックタンパク質(HSP)、チログロブリン、ヒストンタンパク質、免疫グロブリン重鎖、眼由来のS抗原(Sag)、HLA-B44、HLA B51、HSP65、グリアジン、およびアセチルコリン受容体からなる群から選択される。なおさらなる実施形態では、選択されたポリペプチド抗原は移植片抗原から得られるか、または誘導される。
【0011】
本発明の方法の実施において投与される組成物は徐放性製剤で投与することもできるし、または油・水エマルジョンで投与することもできる。さらに、これらの組成物は皮内注射、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射、経皮、鼻腔内、経口、眼内、または髄腔内投与技術を用いて投与することができる。ある好ましい実施形態では、1以上の組成物が乾燥粉末形態で提供され、経皮粒子注入技術を用いて投与される。
【0012】
また、選択されたポリペプチド抗原に対して個体を脱感作するための方法を提供することも本発明の1つの主要な目的である。この方法は、(a)一次組成物を個体に投与すること(該一次組成物は選択されたポリペプチド抗原から得られたか、または誘導されたペプチド抗原を含んでなり、このペプチド抗原はT細胞エピトープを含み、該個体はこのペプチド抗原に予め曝されており、該一次組成物の投与はペプチド抗原に対して低応答性状態を生じるのに十分な様式で行われる)、および(b)二次組成物を個体に投与すること(該二次組成物は選択されたポリペプチド抗原を含んでなり、それにより工程(a)において生じる低応答性状態と、二次組成物の投与とが、選択されたポリペプチド抗原に対して個体を脱感作するのに十分なものである)を含む。
【0013】
特定の態様では、個体は第1のポリペプチド抗原に対してアレルギー性である。他の態様では、第1のポリペプチド抗原は空中アレルゲンである。特に好ましい実施形態では、一次組成物は1以上のペプチドを含み、一次組成物はEICPAVKRDVDLFLTGT(配列番号1)、LFLTGTPDEYVEQVAQY(配列番号2)、EQVAQYKALPVVLENA(配列番号3)、KALPVVLENARILKNCV(配列番号4)、RILKNCVDAKMTEEDKE(配列番号5)、KMTEEDKENALSLLDK (配列番号6)、KENALSLLDKIYTSPL(配列番号7)、LTKVNATEPERTAMKK(配列番号8)、TAMKKIQDCYVENGLI(配列番号9)、SRVLDGLVMTTISSSK(配列番号10)、ISSSKDCMGEAVQNTV(配列番号11)、AVQNTVEDLKLNTLGR(配列番号12)、および配列番号1〜12のいずれか1以上に実質的に相同なペプチドからなる群から選択される1以上のFel d 1ペプチドを含む。
【0014】
選択されたポリペプチド抗原は以下の供給源:ラテックス;イネ科草本、樹木およびブタクサなどの植物;花粉;真菌類およびカビ類;食物;スズメバチを含む刺す昆虫;ユスリカ(chirnomidae, 刺さない蚊);クモ類およびダニ類;イエバエ、ミバエ、シープブローフライおよびラセンウジバエなどのハエ類;コクゾウムシ;カイコ;ミツバチ;ユスリカ幼虫;ハチミツガ幼虫;ゴミムシダマシ;ゴキブリ;テニブリオ・モリトール(Tenibrio molitor)甲虫の幼虫;およびネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウサギ、ラット、モルモット、マウス、およびアレチネズミなどの哺乳類のうちいずれか1以上から得られるか、または誘導されるアレルゲンであり得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、選択されたポリペプチド抗原はアレルゲンであり、Der p 1、Der p 2、Der p 3、Der p 4、Der p 5、Der p 6、Der p 7、Der p 9、Der f 1、Der f 2、Der f 3、Der f 4、Der f 7、Fel d 1鎖1または2、Hev b 1、Hev b 3、Lol p 1、Lol p 2a、Lol p 3、Lol p 5a、Lol p 5b、Lol pイソ型9、Lol p 11、Ole e 1、Par j P2、Par j P5、Par j P8、Par j P9、Par j 1、Phl p 1、Phl p 2、Phl p 5、Phl p 5b、Phl p 5a、VES V 5、VES M 1、VES V 1、VES V 2、VES VI、Bet v 1、Bet v 2、Bet v 3、Bet v 4、Que a I、Car b I、Aln g I、Rubisco、Ara h 1、Amb a 1、Amb a 2、Amb a 1.3、Amb a 1.2、Amb a 1.1、Cry j IB前駆体、Cry j IA前駆体、Cry j II前駆体、Cry j IIタンパク質、Cry j I前駆体、Can f 1、Can f 2、血清アルブミン断片、Equ c1、Equ c 2、Eur m 1、POA P 9、Cr p1、Cr p2、Bla g 2、Bla g 4、およびBla g 5からなる群から選択される。
【0016】
本発明の方法の実施において投与される組成物は徐放性製剤で投与することもできるし、または油・水エマルジョンで投与することもできる。さらに、これらの組成物は皮内注射、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射、経皮、鼻腔内、経口、眼内、または髄腔内投与技術を用いて投与することができる。ある好ましい実施形態では、1以上の組成物が乾燥粉末形態で提供され、経皮粒子注入技術を用いて投与される。
【0017】
本発明のなおさらなる主要な目的は、本発明の方法の実施において有用な組成物を含んでなる治療系を提供することである。また、本発明の方法の実施において用いるのに好適な薬剤の製造における、ポリペプチド抗原、ペプチド抗原、または完全な抗原(whole antigen)の使用を提供することも本発明の1つの主要な目的である。
【0018】
本発明の1つの利点は、異なるアレルゲンに対して複数のアレルギーを持つ個体を1回の時間のかからない方法で処置できることである。また、弱い抗原(例えば、空中アレルゲン)を用いて免疫寛容形成(tolergeneic/tolerogenic)環境を確立した後、より強い抗原(例えば、ナッツアレルゲン)の投与を可能とし、より強い抗原に対して脱感作する上でその環境を利用するようにすることができるということも本発明の1つの利点である。
【0019】
本発明のこれら、またその他の目的、態様、実施形態および利点は本明細書の開示を参照すれば当業者ならば容易に分かるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】ペプチド、次いで完全タンパク質の投与によりFel d 1に対する皮膚初期反応が軽減する。プラシーボ対照二重盲検臨床試験では、被験者に完全Fel d 1タンパク質を皮内注射し、15分の時点で反応の大きさを測定した(基準)。被験者に連続注射投与を行い、これらの注射はFel d 1のアミノ酸配列に由来するペプチドの組成物を用いて行った。ペプチド用量は各ペプチド5μgで始め、投与された累積量が90μgになるまで増加させた。約2〜4週間後、完全Fel d 1タンパク質を注射した(完全タンパク質)。3〜6ヶ月後、完全タンパク質によるチャレンジを行い、15分の時点で皮膚反応の大きさを規定した(結果)。
【図2】ペプチド、次いで完全タンパク質の投与によりFel d 1に対する皮膚後期反応が軽減する。プラシーボ対照二重盲検臨床試験では、被験者に完全Fel d 1タンパク質を皮内注射し、6時間の時点で反応の大きさを測定した(基準)。被験者に連続注射投与を行い、これらの注射はFel d 1のアミノ酸配列に由来するペプチドの組成物を用いて行った。ペプチド用量は各ペプチド5μgで始め、投与された累積量が90μgになるまで増加させた。約2〜4週間後、完全Fel d 1タンパク質を注射した(完全タンパク質)。3〜6ヶ月後、完全タンパク質によるチャレンジを行い、6時間の時点で皮膚反応の大きさを規定した(結果)。
【図3】ネコアレルゲン Fel d 1由来のペプチドを以下の投与計画で2週間間隔で皮内投与した:0.1μg、1.0μg、5.0μg、10.0μg、25.0μg。単離される後期喘息反応は見られなかった(n=被験者8人;データはプール)。投与したFel d 1ペプチドは、EICPAVKRDVDLFLTGT(配列番号1)、LFLTGTPDEYVEQVAQY(配列番号2)、EQVAQYKALPVVLENA(配列番号3)、KALPVVLENARILKNCV(配列番号4)、RILKNCVDAKMTEEDKE(配列番号5)、KMTEEDKENALSLLDK(配列番号6)、KENALSLLDKIYTSPL(配列番号7)、LTKVNATEPERTAMKK(配列番号8)、TAMKKIQDCYVENGLI(配列番号9)、SRVLDGLVMTTISSSK(配列番号10)、ISSSKDCMGEAVQNTV(配列番号11)、およびAVQNTVEDLKLNTLGR(配列番号12)であった。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を詳細に記載する前に、本発明は特に例示される分子、方法またはプロセスパラメーターに限定されるものではなく、もちろんそれ自体変更し得ると理解されるべきである。また、本明細書で用いる用語は単に本発明の特定の実施形態を説明するためのものであって、限定を意図するものではないことも理解されるべきである。さらに、本発明の実施は、特に断りのない限り、全て当業者の範囲内である、ウイルス学、微生物学、分子生物学、組換えDNA技術および免疫学の従来の方法を用いるだろう。このような技術は文献で十分説明されている。例えば、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual (第2版, 1989); DNA Cloning: A Practical Approach, 第IおよびII巻 (D. Glover編); Oligonucleotide Synthesis (N. Gait編, 1984); A Practical Guide to Molecular Cloning (1984);およびFundamental Virology, 第2版, 第IおよびII巻 (B.N. FieldsおよびD.M. Knipe編)を参照。
【0022】
本明細書で前記または後記で引用した全ての刊行物、特許および特許出願は、その全開示内容が参照により本明細書に組み入れられる。
【0023】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」および「the」は、内容が明確にそうではないことが示されていない限り、複数の対象を含むことに注意しなければならない。
【0024】
A. 定義
特に断りのない限り、本明細書で用いる全ての技術用語および科学用語は本発明が属する技術分野の当業者により通常理解されているものと同じ意味を有する。本発明の実施においては本明細書に記載のものと類似または同等の多くの方法および材料を使用することができるが、好ましい材料および方法が本明細書に記載されている。
【0025】
本発明を説明する上で以下の用語を用いるが、これらは以下に示されるように定義することを意図する。
【0026】
「ニードルレスシリンジ(needleless syringe)」とは、通常の針の補助を用いずに皮膚を突き通すように粒状(例えば、粉末状)組成物を経皮送達する装置を意味する。本発明に用いるためのニードルレスシリンジは本明細書を通じて論じられ、経皮粒子注入技術を行うために用いられる。
【0027】
「経皮」送達という用語は、皮内(例えば、真皮または表皮内へ)、経皮(例えば、「皮膚を通して(percutaneous)」)、および経粘膜投与、すなわち、皮膚または粘膜組織中へ、または皮膚または粘膜組織を通して薬剤を通過させることによる送達を意味する。例えば、Transdermal Drug Delivery: Developmental Issues and Research Initiatives, HadgraftおよびGuy (編), Marcel Dekker, Inc., (1989); Controlled Drug Delivery: Fundamentals and Applications, RobinsonおよびLee (編), Marcel Dekker Inc., (1987);およびTransdermal Delivery of Drugs, 第1〜3巻, KydonieusおよびBerner編, CRC Press, (1987)を参照。よって、この用語は米国特許第5,630,796号に記載のようなニードルレスシリンジデリバーからの送達、ならびに米国特許第5,865,796号に記載のような粒子媒介送達を包含する。
【0028】
「ペプチド」は本明細書では「ポリペプチド」という用語と互換的に用いられ、最も広い意味で、2以上のサブユニットアミノ酸、アミノ酸類似体、またはその他のペプチドミメティクス(peptidomimetics)の組成物を指して用いられる。これらのサブユニットはペプチド結合により、または例えばエステル、エーテルなどのその他の結合により連結されていてよい。本明細書において使用する「アミノ酸」という用語は、天然および/または非天然、または合成アミノ酸(グリシンおよびDまたはL双方の光学異性体を含む)、およびアミノ酸類似体およびペプチドミメティクスを指す。3以上のアミノ酸のペプチドは、ペプチド鎖が短い場合には一般にオリゴペプチドと呼ばれる。ペプチド鎖が長い場合には、ペプチドは典型的にはポリペプチドまたはタンパク質と呼ばれる。
【0029】
「抗原」とはある個体に免疫応答を誘発し得る薬剤、一般には高分子を指す。この用語は個々の高分子を指して用いる場合もあるし、あるいは抗原性高分子の均一または不均一な集団を指して用いる場合もある。抗原にはアレルゲンと自己抗原が含まれる。本明細書において使用する「抗原」は一般に1以上のエピトープを含むポリペプチド分子またはその一部を指して用いられる。本発明の目的では、抗原はいずれの適当な供給源から得てもよく、あるいはいずれの適当な供給源から誘導されたものでもよい。また、本発明の目的では、「抗原」は、そのポリペプチドが十分な免疫原性を保持している限り、天然配列に対して欠失、付加および置換(一般に、本質的に保存的)などの改変を有するポリペプチドを含む。これらの改変は、例えば部位特異的突然変異誘発によるなど意図的なものであってもよいし、抗原を産生する宿主の突然変異によるなど、偶発的なものであってもよい。
【0030】
本発明の種々の態様では、抗原は1以上のT細胞エピトープを含む分子として記載されている。「T細胞エピトープ」とは、一般にT細胞応答を誘導し得るペプチド構造の特徴を指す。これに関して、T細胞エピトープは、MHC分子のペプチド結合クレフト内の拡張したコンホメーションを推定する直鎖ペプチド決定基を含むことが当技術分野で認識されている(Unanueら (1987) Science 236:551-557)。本明細書において使用するT細胞エピトープとは一般に少なくとも約3〜5のアミノ酸残基、好ましくは少なくとも5〜10またはそれより多いアミノ酸残基を有するペプチドである。特定の抗原の細胞媒介性免疫応答を刺激する能力は、リンパ球増殖アッセイ(リンパ球活性化)アッセイ、CTL細胞傷害性細胞アッセイ、または感作させた被験者においてその抗原に特異的なTリンパ球をアッセイするなどのいくつかの周知のアッセイによって決定し得る。例えば、Ericksonら (1993) J. Immunol. 151:4189-4199;およびDoeら (1994) Eur. J. Immunol. 24:2369-2376参照。
【0031】
「アレルゲン」とは、そのアレルゲンにすでに感作している個体において過敏性状態を開始させ得るか、または即時的な過敏性反応を誘発し得る抗原である。アレルゲンは一般にアレルギー性であるという特性を有するタンパク質に結合したタンパク質または化学物質であるが、植物材料、金属、化粧品または洗剤成分、ラテックスなどの種々の人工または天然源に由来する有機または無機材料も含み得る。アレルゲンは感作した個体において何らかのタイプの過敏性反応を誘発し得る。例えば、ペニシリンアレルゲンは全部で4タイプ(I〜IV型)の過敏性反応を発現する可能性があり、接触性皮膚炎はIV型反応として発現し、グルテンアレルギーはIII型反応として発現し得る。しかし、アレルゲンは典型的には感作個体にI型の即時型過敏性反応を伴う。
【0032】
タンパク質またはペプチドアレルゲンは典型的には、限定されるものではないが、ヒョウヒダニ属(Dermatophagoides)、シワダニ属(Euroglyphus)、ネコ属(Felis)、ブタクサ属(Ambrosia)、ドクムギ属(Lolium)、オオアワガエリ属(Phleum)、スギ属(Cryptomeria)、アルテルナリア属(Alternaria)、 ハンノキ属(Alnus)、カバノキ属(Betula)、クマシデ属(Carpinus)、コナラ属(Quercus)、オリーブ属(Olea)、ヨモギ属(Artemisia)、オオバコ属(Plantago)、ヒカゲミズ属(Parietaria)、イヌ属(Canine)、チャバネゴキブリ属(Blattella)、ミツバチ属(Apis)、ルビスコ属(Rubisco)、クロスズメバチ属(Vespula)、およびゴキブリ属(Periplaneta)に特異的なタンパク質アレルゲンをはじめとする、公知の供給源に由来する、または公知の供給源から得られる領域を含む分子である。
【0033】
また当技術分野では、核酸およびアミノ酸「配列同一性」または「配列相同性」を決定するための技術も公知である。典型的には、このような技術としては、遺伝子に対するmRNAのヌクレオチド配列の決定、および/またはそれによりコードされるアミノ酸配列の決定、およびこれらの配列と第2のヌクレオチドまたはアミノ酸配列との比較が挙げられる。一般に「同一」とは、2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列それぞれのヌクレオチド対ヌクレオチド、またはアミノ酸対アミノ酸の正確な一致を指す。2以上の配列(ポリヌクレオチドまたはアミノ酸)はそれらの「同一性パーセント」を決定することにより比較することができる。核酸配列であれアミノ酸配列であれ、2つの配列の同一性パーセントは、アライメントした2つの配列間の正確な一致を短い方の配列長で割って100を掛けた値である。核酸配列の近似アライメントはSmithおよびWaterman (1981) Advances in Applied Mathematics 2:482-489のローカルホモロジーアルゴリズムによって得られる。このアルゴリズムはDayhoff, Atlas of Protein Sequences and Structure, M.O. Dayhoff編, 5 suppl. 3:353-358, National Biomedical Research Foundation, Washington, D.C., USAが開発し、Gribskov (1986) Nucl. Acids Res. 14(6):6745-6763が標準化したスコアリングマトリックスを用いることによってアミノ酸配列に対して適用することができる。配列の同一性パーセントを求めるためのこのアルゴリズムの実行の例は、「ベストフィット(BestFit)」ユーティリティーアプリケーションにおいてGenetics Computer Group (Madison, WI)が提供している。この方法のデフォルトパラメーターはWisconsin Sequence Analysis Package Program Manual, Version 8 (1995)(Genetics Computer Group, Madison, WIから入手可能)に記載されている。本発明の背景において同一性パーセントを確定する好ましい方法は、エジンバーグ大学が著作権を持ち、John F. CollinsおよびShane S. Sturrokが開発し、IntelliGenetics, Inc. (Mountain View, CA)が配布しているMPSRCHパッケージプログラムを使用することである。この一揃いのパッケージからSmith-Watermanアルゴリズムが利用でき、スコアリングテーブルに対してデフォルトパラメーターが用いられている(例えば、ギャップオープンペナルティー12、ギャップエクステンションペナルティー1、そしてギャップ6)。作成されたデータで、「マッチ」の値が「配列同一性」を示す。配列間の同一性または類似性パーセントを計算するその他の好適なプログラムも一般に当技術分野で知られており、例えば別のアルゴリズムプログラムとしてBLASTがあり、デフォルトパラメーターとともに用いる。例えば、BLASTNおよびBLASTPは以下のデフォルトパラメーター:遺伝コード=標準、フィルター=なし、ストランド=両方、カットオフ=60、期待値=10、マトリックス=BLOSUM62、表示=50配列、ソート=HIGH SCOREによる、データベース=非冗長GenBank + EMBL + DDBJ + PDB + GenBank CDS translations + Swiss protein + Spupdate + PIRを用いて使用できる。これらのプログラムの詳細は以下のインターネットアドレスで見出すことができる:http://www.ncbi.nlm.gov/cgi-bin/BLAST。
【0034】
あるいは、相同性は、相同な領域間で安定した二重らせんを形成する条件下でポリヌクレオチドをハイブリダイズさせた後、一本鎖特異的ヌクレアーゼで消化し、消化された断片をサイズ決定することにより決定することができる。上記の方法を用いて決定した際、2つのDNA、または2つのポリペプチド配列が所定の分子の長さにわたって少なくとも約80%〜85%、好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%〜98%の配列同一性を示す場合、それらの配列は互いに「実質的に相同」である。本明細書において使用する実質的に相同とはまた、特定のDNAまたはポリペプチド配列に対して完全な同一性を示す配列も指す。実質的に相同なDNA配列は、例えば特定の系について定義されているようなストリンジェントな条件下におけるサザンハイブリダイゼーション実験で同定することができる。例えばストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は50%ホルムアミド、5xデンハート(Denhardt’s)溶液, 5xSSC、0.1% SDSおよび100μg/ml変性サケ精子DNAを含んでよく、洗浄条件は2xSSC、0.1% SDS、37℃の後、1xSSC、0.1% SDSで68℃を含んでよい。適当なハイブリダイゼーション条件を規定することは当業者の範囲内である。例えば、Sambrookら, 前記; DNA Cloning, 前記; Nucleic Acid Hybridization, 前記を参照。
【0035】
本明細書において使用する「自己免疫疾患」という用語は、発現した自己免疫レパートリーの質的および/または量的欠陥によって現れる免疫恒常性の変更に関連した一連の持続性の器官特異的または全身性の臨床症状および徴候を意味する(Autoimmunity Physiology and Disease, CoutinhoおよびKazatchkine編, Wiley-Liss, 1993, 第27章433頁)。自己免疫疾患は罹患個体において本来見られる自己抗原上のエピトープに対する細胞傷害性の免疫応答により特徴づけられる。次にその個体の免疫系は特異的自己抗原を提示する細胞および組織に狙いを定めた炎症カスケードを活性化する。その個体自身の免疫系によって攻撃された抗原、組織、細胞型または器官の破壊がこの疾患の症状をもたらす。臨床上重要な自己免疫疾患としては、例えば、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、若年性糖尿病、全身性紅斑性狼瘡、自己免疫性ブドウ膜網膜炎(autoimmune uveoretinitis)、自己免疫性血管炎、水疱性類天疱瘡、重症筋無力症、自己免疫性甲状腺炎または橋本病、シェーグレン症候群、肉芽腫性睾丸炎、自己免疫性卵巣炎、クローン病、類肉腫症、リウマチ性心臓炎、強直性脊椎炎、グレーブス病、および自己免疫性血小板減少性紫斑病が挙げられる。例えば、Paul, W.E. (1993) Fundamental Immunology, Third Edition, Raven Press, New York, Chapter 30, 1033-1097頁;およびCohenら (1994) Autoimmune Disease Models, A Guidebook, Academic Press, 1994参照。
【0036】
「自己抗原(self antigen)」とは、本明細書では「自己抗原(autoantigen)」と互換的に使用され、免疫応答の間に認識され得る抗原、または分子、すなわちその個体の通常の一部を意味する。これはその個体の環境の通常の一部でない外来、または外因性の抗原とは対照的である。各自己免疫疾患はある自己抗原に対するある免疫応答により特徴づけられる。通常、自己抗原に対する活性のある免疫応答は起こらず、症状も現れない。自己抗原に対する免疫応答が起こると、自己免疫疾患が現れうる。自己免疫疾患は、免疫応答が起こる特定の自己抗原に応じて臨床上異なる症状とともに現れる。この免疫応答の結果、自己抗原を含む構造が破壊され、その構造の喪失とともにその構造の正常な機能も喪失し、自己免疫疾患の症状が生じる。
【0037】
抗原またはアレルゲンを含む組成物は典型的には、担体、ビヒクルおよび/または賦形剤などの1以上の付加物質を含み得る医薬組成物として調製される。「担体」、「ビヒクル」および「賦形剤」は一般に無毒で、薬理活性がなく、しかも組成物の他の成分と有害な相互作用をしない実質的に不活性な物質を指す。これらの物質は粒状組成物中で固体の量を増すために使用できる。好適な担体またはビヒクルの例としては、水、シリコーン、ゼラチン、ワックスなどの物質が挙げられる。通常用いられる賦形剤の例としては、医薬級のデキストロース、スクロース、ラクトース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、デキストラン、デンプン、セルロース、リン酸ナトリウムまたはカルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、酒石酸、グリシン、高分子量ポリエチレングリコール(PEG)、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0038】
「個体」および「被験者」という用語は本明細書では互換的に用いられ、限定されるものではないが、ヒトおよび他の霊長類(チンパンジーおよびその他の類人猿などの非ヒト霊長類を含む)およびサル種;例えば農場動物(ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギおよびウマなど)、家庭内動物(イヌおよびネコなど)、および実験室動物(マウス、ラットおよびモルモットなどの齧歯類を含む)をはじめとする哺乳類;ニワトリ、シチメンチョウおよびその他の家禽類、アヒル、ガチョウなどの家庭内の鳥、野鳥および猟鳥をはじめとする鳥類を含む脊索動物亜門(subphylum cordata)のいずれかのメンバーを指す。この用語は特定の齢を示さない。よって、成体および新生個体の双方を含むものとする。これらの脊椎動物の全ての免疫系は同様に扱えるので、本明細書に記載の方法は上記脊椎動物種のいずれにおいても使用が意図される。
【0039】
B. 概要
ポリペプチド抗原、特にアレルゲンに対して被験者を脱感作する別の治療戦略が必要とされている。特に多くの個体はいくつかのポリペプチド抗原に対してアレルギー性であるか、またはそれに対して脱感作する必要がありうるため、複数のポリペプチド抗原、特に複数のアレルゲンに対する脱感作を可能にする系を提供することが有利であろう。
【0040】
より詳しくは、本発明者らは驚くことに、個体において第1のポリペプチド抗原またはアレルゲンに対して誘導された「寛容」はその個体において「免疫寛容形成環境」を作り出し、他の抗原に対する不適切な免疫応答がダウンレギュレートされ、他の抗原に対する寛容を与え得ることを見出した。この驚くべき発見は、複数のアレルゲンに対してアレルギー性である個体を極めて短い時間内に処置できること、およびいくつかのアレルゲン(例えば、ピーナッツ)に対して重篤なアレルギーがあるが、他のアレルゲン(例えば、ネコ鱗屑)に対してはより弱いアレルギーしかない個体が、弱い方のアレルゲンに対する寛容が確立された後に、この免疫寛容形成環境を利用して他のより強力なアレルゲンに対する寛容を与えるという治療法から利益を受け得ることを意味する。さらに、関連のない抗原またはアレルゲンに付加的に感作した(そうでなければ免疫化された)自己免疫疾患を患う個体は、関連のない抗原またはアレルゲンに対する寛容をまず確立した後、この免疫寛容形成環境を利用して自己免疫疾患に関連のある自己抗原に対する寛容を与えるという治療様式から利益を受け得る。
【0041】
よって、本発明の第1の態様において、本発明者らは、各々がT細胞エピトープを含む1以上のポリペプチド抗原に対して個体を脱感作する方法を提供し、その方法は、工程(1)個体が予め曝された第1の抗原のT細胞エピトープ含有ペプチドまたは1クール(すなわち、治療単位)のT細胞エピトープ含有ペプチドを個体に投与して、第1の抗原に対する低応答性状態を生じさせ、次に工程(2)その個体に化合物、すなわち、工程(1)で投与されたペプチドのT細胞エピトープと、場合により個体がそれに対して脱感作される1以上のポリペプチド抗原のT細胞エピトープをさらに含む組成物を投与する工程を含んでなり、もし工程(2)で投与された組成物が該1以上のポリペプチド抗原のT細胞エピトープを含んでいなければ、該方法はさらに(3)個体がそれに対して脱感作される1以上のポリペプチド抗原のT細胞エピトープを含む組成物を個体に投与する工程を含み、工程(2)および(3)において該組成物は投与部位に実質的に局在し、工程(2)および(3)が行われる場合には、それらの組成物は実質的に同じ部位に投与される。
【0042】
好ましくは第1の抗原はアレルゲンである。さらに、治療される個体は典型的には、個体が第1の抗原の病原性認識を示すという点で抗原に感作される。
【0043】
言い換えれば、本発明の第1の態様では、1以上のポリペプチド抗原に対して個体を脱感作する方法が提供される。この方法は、第1の工程において、T細胞エピトープを含む第1のポリペプチド抗原を含んでなる一次組成物を個体に投与することを必要とし、この個体はその抗原に予め曝されており、投与は第1のポリペプチド抗原に対して低応答性状態を生じるのに十分な様式で行われる。一度、第1のポリペプチド抗原に対して低応答性状態が確立されるか、または少なくとも脱感作方向へのシフトが起こったならば、本方法は個体が脱感作される第2の異なるポリペプチド抗原を含んでなる二次組成物の投与を必要とする。二次組成物の投与は、一次組成物の使用によって確立された免疫寛容形成環境を利用する形で行われ、この時には第2の異なるポリペプチド抗原に対する寛容を確立することが可能である。この二次組成物は第1のポリペプチド抗原か、または第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子のいずれかと同時投与する。「同時投与する」とは、ポリペプチド抗原を同時または共投与することを意味し、例えば両者が同じ組成物に存在する場合、または別個の組成物で異なる部位にほぼ同時に投与する場合、ならびにポリペプチド抗原を別個の組成物として異なる時間に送達する場合がある。例えば、二次組成物は第1のポリペプチド抗原(または第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子)の送達前または送達後に同じ部位または異なる部位に送達し得る。送達間のタイミングは約数秒〜約数分、数時間、あるいはまた数日離すことができる。また、異なる送達方法を使用できる。
【0044】
第1のポリペプチド抗原は好ましくは個体を感作させるアレルゲンである。さらに、いくつかの実施形態では、第2のポリペプチド抗原もアレルゲンであるが、第2の異なるアレルゲンである。本発明の方法において用いるのに好適なアレルゲンはもちろん公知の方法を用いて得られ、かつ/または製造できる。好適なアレルゲンのクラスとしては、限定されるものではないが、花粉、動物鱗屑、イネ科草本、カビ、ダスト、抗生物質、刺す昆虫の毒液、および種々の環境(化学物質および金属を含む)、薬物および食物アレルゲンが挙げられる。一般的な樹木のアレルゲンとしては、ハコヤナギ(cottonwood)、ポプラ(popular)、トネリコ(ash)、カバノキ(birch)、カエデ(maple)、オーク(oak)、ニレ(elm)、ヒッコリー(hickory)、およびペカン(pecan)の樹木由来の花粉が挙げられ;一般的な植物アレルゲンとしては、ライムギ、ブタクサ、ヘラオオバコ(English plantain)、スカンポ(sorrel-dock)およびアカザ(pigweed)由来のものが挙げられ;植物接触アレルゲンとしては、ウルシ(poison oak)、ツタウルシ(poison ivy)およびイラクサ(nettles)由来のものが挙げられ;一般的なイネ科草本アレルゲンとしては、オオアワガエリ(Timothy)、ヒメモロコシ(Johnson)、バミューダグラス(Bermuda)、ウシノケグサ属(fescue)およびイチゴツナギ属(bluegrass)のアレルゲンが挙げられ;一般的なアレルゲンとしてまた、アルテルナリア属(Alternaria)、フザリウム属(Fusarium)、ホルモデンドラム属(Hormodendrum)、アスペルギルス属(Aspergillus)、ミクロポリスポラ属(Micropolyspora)、ケカビ属(Mucor)および好熱性放線菌類(thermophilic actinomycetes)などのカビ類または真菌類からも得ることができ;ペニシリンおよびテトラサイクリンは一般的な抗生物質アレルゲンであり;表皮性アレルゲンはハウスダストまたは生物ダスト(典型的には真菌類起源)、ウマダニ(dermatphagoides pterosinyssis)などの昆虫、または羽毛、ネコおよびイヌの鱗屑などの動物起源から得ることができ;一般的な食物アレルゲンとしては、牛乳およびチーズ(乳製品)、卵、小麦、ナッツ(例えば、ピーナッツ)、海産食物(例えば、甲殻類)、エンドウ、豆類およびグルテンアレルゲンが挙げられ;一般的な環境アレルゲンとしては金属(ニッケルおよび金)、化学物質(ホルムアルデヒド、トリニトロフェノールおよびテルペンチン)、ラテックス、ゴム、繊維(綿またはウール)、バーラップ、ヘアーダイ、化粧料、洗剤および香料アレルゲンが挙げられ;一般的な薬物アレルゲンとしては、局所麻酔薬およびサリチル酸塩アレルゲンが挙げられ;抗生物質アレルゲンとしては、ペニシリンおよびスルホンアミドアレルゲンが挙げられ;また、一般的な昆虫アレルゲンとしては、ミツバチ、スズメバチおよびアリの毒液、およびゴキブリ貯卵嚢(calyx)アレルゲンが挙げられる。特によく特徴づけられているアレルゲンとしては、限定されるものではないが、 Der p Iアレルゲンの主要および潜在エピトープ(Hoyneら (1994) Immunology 83190-195)、ミツバチ毒液ホスホリパーゼ A2 (PLA) (Akdisら (1996) J. Clin. Invest. 98:1676-1683)、カバノキ花粉アレルゲンBet v 1 (Bauerら (1997) Clin. Exp. Immunol. 107:536-541)、および複数エピトープ組換えイネ科草本アレルゲンrKBG8.3 (Caoら (1997) Immunology 90:46-51)が挙げられる。これら、およびその他の好適なアレルゲンは市販されており、かつ/または公知の技術に従って抽出液として容易に調製することができる。
【0045】
好ましい実施形態では、一次組成物において用いられるアレルゲンはFel d 1 (イエネコ(Felis domesticus)のネコ皮膚および唾液腺アレルゲン、そのアミノ酸配列は国際公開WO 91/06571に開示されている)、Der p I、Der p II、Der fIまたはDer fII(ハウスダストダニ(dermatophagoides)由来の主要なタンパク質アレルゲン、アミノ酸配列は国際公開WO 94/24281に開示されている)、または以下:イネ科草本、樹木および雑草(ブタクサを含む)花粉;真菌類およびカビ類;食物(例えば、魚、甲殻類、カニ、ロブスター、ピーナッツ、ナッツ類、小麦グルテン、卵および牛乳);刺す昆虫、例えば、ミツバチ、スズメバチ(wasp and hornet)およびユスリカ(chirnomidae, 刺さない蚊);クモ類およびダニ類(ハウスダストダニを含む);ネコ、イヌ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマ、ウサギ、ラット、モルモット、マウス、およびアレチネズミなどの哺乳類の鱗屑、尿、唾液、血液またはその他の体液中に見られるアレルゲン;空気伝搬粒子全般;ラテックス;およびタンパク質洗剤添加物のいずれかに存在するアレルゲンである。アレルゲンが昆虫タンパク質である場合、ペプチドはイエバエ、ミバエ、シープブローフライ、ラセンウジバエ、コクゾウムシ、カイコ、ミツバチ、ユスリカ幼虫、ハチミツガ幼虫、ゴミムシダマシ、ゴキブリおよびテニブリオ・モリトール(Tenibrio molitor)甲虫の幼虫のいずれから選択してもよい。これらは全て昆虫アレルゲンであり、作業場で持ち上がるアレルギー問題に特に関連のあるものである。
【0046】
空中アレルゲン(すなわち、空気伝搬アレルゲン)は個体がそのアレルゲンに対してアレルギー性でなかったとしてもこのようなアレルゲンに予め曝された可能性が高いため、一次組成物に存在するアレルゲンは空中アレルゲンであることが好ましい。よって、特に好ましいアレルゲンはネコまたはイヌ鱗屑由来のもの、花粉由来のもの、真菌類およびカビ類由来のもの、ハウスダストダニまたはその他のダニ由来のもの、およびナッツ類、特にピーナッツなどの特定の食物由来のものである。ラテックスも、エアゾルが形成された場合のピーナッツアレルゲン(例えば落花生油として飛散した場合)同様、空中アレルゲンとなる場合がある。
【0047】
本明細書に記載の方法において用いるために特に好ましいアレルゲン、特に一次組成物中に存在するアレルゲンはFel d 1である。よって、工程(1)においては、Fel d 1の1以上のT細胞エピトープ含有ペプチドを個体に投与することが好ましい。1以上の以下のFel d 1のペプチド:EQVAQYKALPVVLENA(配列番号2)またはKALPVVLENARILKNCV(配列番号3)(両者ともMHCにより拘束されることが知られている)を投与するのが特に好ましい。これらのペプチドは共有の国際公開WO 99/34826 (PCT/GB99/00080)にさらに詳細に記載されている。本方法において有用なその他のアレルゲンは広く利用できるアレルゲンに関する配列情報を用いて容易に作製できる。以下は既知のアレルゲン配列およびデータベース登録番号(NCBI Entrez登録番号)のリストである。NCBIはthe National Center for Biotechnology informationであり、米国国立衛生研究所の一部門である。データベースへのアクセスを試み得るNCBIウェブサイトはwww.ncbi.nlm.nih.gov/である。これらのアレルゲンは、特定のMHC分子を有する個体においてLPRを誘導し得るMHC拘束性ペプチドを同定するために上記のように用いることができる。
【0048】
アレルゲン配列およびデータベース登録番号(NCBI Entrez登録番号):
ハウスダストダニ
Dermatophagoides pteronyssinus
Der p 1
MKIVLAIASLLALSAVYARPSSIKTFEEYKKAFNKSYATFEDEEAARKNFLESVKYVQSNGGAINHLSDLSLDEFKNRFLMSAEAFEHLKTQFDLNAETNACSINGNAPAEIDLRQMRTVTPIRMQGGCGSCWAFSGVAATESAYLAYRNQSLDLAEQELVDCASQHGCHGDTIPRGIEYIQHNGVVQESYYRYVAREQSCRRPNAQRFGISNYCQIYPPNVNKIREALAQTHSAIAVIIGIKDLDAFRHYDGRTIIQRDNGYQPNYHAVNIVGYSNAQGVDYWIVRNSWDTNWGDNGYGYFAANIDLMMIEEYPYVVIL
【0049】
Der p 2
MMYKILCLSLLVAAVARDQVDVKDCANHEIKKVLVPGCHGSEPCIIHRGKPFQLEAVFEANQNTKTAKIEIKASIDGLEVDVPGIDPNACHYMKCPLVKGQQYDIKYTWNVPKIAPKSENVVVTVKVMGDDGVLACAIATHAKIRD
【0050】
Der p 3
MIIYNILIVLLLAINTLANPILPASPNATIVGGEKALAGECPYQISLQSSSHFCGGTILDEYWILTAAHCVAGQTASKLSIRYNSLKHSLGGEKISVAKIFAHEKYDSYQIDNDIALIKLKSPMKLNQKNAKAVGLPAKGSDVKVGDQVRVSGWGYLEEGSYSLPSELRRVDIAVVSRKECNELYSKANAEVTDNMICGGDVANGGKDSCQGDSGGPVVDVKNNQVVGIVSWGYGCARKGYPGVYTRVGNFIDWIESKRSQ
【0051】
Der p 4
KYXNPHFIGXRSVITXLME
【0052】
Der p 5
MKFIIAFFVATLAVMTVSGEDKKHDYQNEFDFLLMERIHEQIKKGELALFYLQEQINHFEEKPTKEMKDKIVAEMDTIIAMIDGVRGVLDRLMQRKDLDIFEQYNLEMAKKSGDILERDLKKEEARVKKIEV
【0053】
Der p 6
AIGXQPAAEAEAPFQISLMK
【0054】
Der p 7
MMKLLLIAAAAFVAVSADPIHYDKITEEINKAVDEAVAAIEKSETFDPMKVPDHSDKFERHIGIIDLKGELDMRNIQVRGLKQMKRVGDANVKSEDGVVKAHLLVGVHDDVVSMEYDLAYKLGDLHPNTHVISDIQDFVVELSLEVSEEGNMTLTSFEVRQFANVVNHIGGLSILDPIFAVLSDVLTAIFQDTVRAEMTKVLAPAFKKELERNNQ
【0055】
Der p9
IVGGSNASPGDAVYQIAL
【0056】
Dermatophagoides farinae
Der f 1
MKFVLAIASLLVLTVYARPASIKTFEFKKAFNKNYATVEEEEVARKNFLESLKYVEANKGAINHLSDLSLDEFKNRYLMSAEAFEQLKTQFDLNAETSACRINSVNVPSELDLRSLRTVTPIRMQGGCGSCWAFSGVAATESAYLAYRNTSLDLSEQELVDCASQHGCHGDTIPRGIEYIQQNGVVEERSYPYVAREQRCRRPNSQHYGISNYCQIYPPDVKQIREALTQTHTAIAVIIGIKDLRAFQHYDGRTIIQHDNGYQPNYHAVNIVGYGSTQGDDYWIVRNSWDTTWGDSGYGYFQAGNNLMMIEQYPYVVIM
【0057】
Der f 2
MISKILCLSLLVAAVVADQVDVKDCANNEIKKVMVDGCHGSDPCIIHRGKPFTLEALFDANQNTKTAKIEIKASLDGLEIDVPGIDTNACHFMKCPLVKGQQYDIKYTWNVPKIAPKSENVVVTVKLIGDNGVLACAIATHGKIRD
【0058】
Der f 3
MMILTIVVLLAANILATPILPSSPNATIVGGVKAQAGDCPYQISLQSSSHFCGGSILDEYWILTAAHCVNGQSAKKLSIRYNTLKHASGGEKIQVAEIYQHENYDSMTIDNDVALIKLKTPMTLDQTNAKPVPLPAQGSDVKVGDKIRVSGWGYLQEGSYSLPSELQRVDIDVVSREQCDQLYSKAGADVSENMICGGDVANGGVDSCQGDSGGPVVDVATKQIVGIVSWGYGCARKGYPGVYTRVGNFVDWIESKRSQ
【0059】
Der f 4
AVGGQDADLAEAPFQISLLK
【0060】
Der f 7
MMKFLLIAAVAFVAVSADPIHYDKITEEINKAIDDAIAAIEQSETIDPMKVPDHADKFERHVGIVDFKGELAMRNIEARGLKQMKRQGDANVKGEEGIVKAHLLIGVHDDIVSMEYDLAYKLGDLHPTTHVISDIQDFVVALSLEISDEGNITMTSFEVRQFANVVNHIGGLSILDPIFGVLSDVLTAIFQDTVRKEMTKVLAPAFKRELEKN
【0061】
さらなるダニアレルゲン配列(NCBI entrez登録番号):
1170095; 1359436; 2440053; 666007; 487661; 1545803; 84702; 84699; 625532; 404370; 1091577; 1460058; 7413; 9072; 387592。
【0062】
ネコ
Felis配列
1082946 Fel dI鎖2前駆体 - ネコ
MRGALLVLALLVTQALGVKMAETCPIFYDVFFAVANGNELLLDLSLTKVNATEPERTAMKKIQDCYVENGLISRVLDGLVMTTISSSKDCMGEAVQNTVEDLKLNTLGR
【0063】
1082945 Fel dI鎖1短鎖型 - ネコ
MLDAALPPCPTVAATADCEICPAVKRDVDLFLTGTPDEYVEQVAQYKALPVVLENARILKNCVDAKMTEEDKENALSLLDKIYTSPLC
【0064】
1082944 Fel dI鎖1長鎖型前駆体 - ネコ
MKGARVLVLLWAALLLIWGGNCEICPAVKRDVDLFLTGTPDEYVEQVAQYKALPVVLENARILKNCVDAKMTEEDKENALSLLDKIYTSPLC
【0065】
さらなるFelis配列(NCBI entrez登録番号):
539716; 539715; 423193; 423192; 423191; 423190; 1364213; 1364212; 395407; 163827; 163823; 163825; 1169665; 232086; 1169666。
【0066】
ラテックス
パラゴムノキ(Hevea)配列:
Hev b 1
MAEDEDNQQGQGEGLKYLGFVQDAATYAVTTFSNVYLFAKDKSGPLQPGVDIIEGPVKNVAVPLYNRFSYIPNGALKFVDSTVVASVTIIDRSLPPIVKDASIQVVSAIRAAPEAARSLASSLPGQTKILAKVFYGEN
【0067】
Hev b 3
MAEEVEEERLKYLDFVRAAGVYAVDSFSTLYLYAKDISGPLKPGVDTIENVVKTVVTPVYYIPLEAVKFVDKTVDVSVTSLDGVVPPVIKQVSAQTYSVAQDAPRIVLDVASSVFNTGVQEGAKALYANLEPKAEQYAVITWRALNKLPLVPQVANVVVPTAVYFSEKYNDVVRGTTEQGYRVSSYLPLLPTEKITKVFGDEAS
【0068】
さらなるパラゴムノキ配列(NCBI entrez登録番号):
3319923; 3319921; 3087805; 1493836; 1480457; 1223884; 3452147; 3451147; 1916805; 232267; 123335; 2501578; 3319662; 3288200; 1942537; 2392631; 2392630; 1421554; 1311006; 494093; 3183706; 3172534; 283243; 1170248; 1708278; 1706547; 464775; 266892; 231586; 123337; 116359; 123062; 2213877; 542013; 2144920; 1070656; 2129914; 2129913; 2129912; 100135; 82026; 1076559; 82028; 82027; 282933; 280399; 100138; 1086972; 108697; 1086976; 1086978; 1086978; 1086976; 1086974; 1086972; 913758; 913757; 913756; 234388; 1092500; 228691; 1177405; 18839; 18837; 18835; 18833; 18831; 1209317; 1184668; 168217; 168215; 168213; 168211; 168209; 348137。
【0069】
ライグラス
Lolium配列:
126385 Lol p 1
MASSSSVLLVVALFAVFLGSAHGIAKVPPGPNITAEYGDKWLDAKSTWYGKPTGAGPKDNGGACGYKNVDKAPFNGMTGCGNTPIFKDGRGCGSCFEIKCTKPESCSGEAVTVTITDDNEEPIAPYHFDLSGHAFGSMAKKGEEQNVRSAGELELQFRRVKCKYPDDTKPTFHVEKASNPNYLAILVKYVDGDGDVVAVDIKEKGKDKWIELKESWGAVWRIDTPDKLTGPFTVRYTTEGGTKSEFEDVIPEGWKADTSYSAK
【0070】
126386 Lol p 2a
AAPVEFTVEKGSDEKNLALSIKYNKEGDSMAEVELKEHGSNEWLALKKNGDGVWEIKSDKPLKGPFNFRFVSEKGMRNVFDDVVPADFKVGTTYKPE
【0071】
126387 Lol p 3
TKVDLTVEKGSDAKTLVLNIKYTRPGDTLAEVELRQHGSEEWEPMTKKGNLWEVKSAKPLTGPMNFRFLSKGGMKNVFDEVIPTAFTVGKTYTPEYN
【0072】
2498581 Lol p 5a
MAVQKYTVALFLRRGPRGGPGRSYAADAGYTPAAAATPATPAATPAGGWREGDDRRAEAAGGRQRLASRQPWPPLPTPLRRTSSRSSRPPSPSPPRASSPTSAAKAPGLIPKLDTAYDVAYKAAEAHPRGQVRRLRHCPHRSLRVIAGALEVHAVKPATEEVLAAKIPTGELQIVDKIDAAFKIAATAANAAPTNDKFTVFESAFNKALNECTGGAMRPTSSSPPSRPRSSRPTPPPSPAAPEVKYAVFEAALTKAITAMTQAQKAGKPAAAAATAAATVATAAATAAAVLPPPLLVVQSLISLLIYY
【0073】
2498582 Lol p 5b
MAVQKHTVALFLAVALVAGPAASYAADAGYAPATPATPAAPATAATPATPATPATPAAVPSGKATTEEQKLIEKINAGFKAAVAAAAVVPPADKYKTFVETFGTATNKAFVEGLASGYADQSKNQLTSKLDAALKLAYEAAQGATPEAKYDAYVATLTEALRVIAGTLEVHAVKPAAEEVKVGAIPAAEVQLIDKVDAAYRTAATAANAAPANDKFTVFENTFNNAIKVSLGAAYDSYKFIPTLVAAVKQAYAAKQATAPEVKYTVSETALKKAVTAMSEAEKEATPAAAATATPTPAAATATATPAAAYATATPAAATATATPAAATATPAAAGGYKV
【0074】
455288 Lol pイソ型9
MAVQKHTVALFLAVALVAGPAASYAADAGYAPATPATPAAPATAATPATPATPATPAAVPSGKATTEEQKLIEKINAGFKAAVAAAAVVPPADKYKTFVETFGTATNKAFVEGLASGYADQSKNQLTSKLDAALKLAYEAAQGATPEAKYDAYVATLTEALRVIAGTLEVHAVKPAAEEVKVGAIPAAEVQLIDKVDAAYRTAATAANAAPANDKFTVFENTFNNAIKVSLGAAYDSYKFIPTLVAAVKQAYAAKQATAPEVKYTVSETALKKAVTAMSEAEKEATPAAAATATPTPAAATATATPAAAYATATPAAATATATPAAATATPAAAGGYKV
【0075】
1582249 Lol p 11
DKGPGFVVTGRVYCDPCRAGFETNVSHNVEGATVAVDCRPFDGGESKLKAEATTDKDGWYKIEIDQDHQEEICEVVLAKSPDKSCSEIEEFRDRARVPLTSNXGIKQQGIRYANPIAFFRKEPLKECGGILQAY
【0076】
さらなるLolium配列(NCBI entrez登録番号):
135480; 417103; 687261; 687259; 1771355; 2388662; 631955; 542131; 542130; 542129; 100636; 626029; 542132; 320616; 320615; 320614; 100638; 100634; 82450; 626028; 100639; 283345; 542133; 1771353; 1763163; 1040877; 1040875; 250525; 551047; 515377; 510911; 939932; 439950; 2718; 168316; 168314; 485371; 2388664; 2832717; 2828273; 548867。
【0077】
オリーブの木
オリーブ配列
416610 Ole e 1
EDIPQPPVSQFHIQGQVYCDTCRAGFITELSEFIPGASLRLQCKDKENGDVTFTEVGYTRAEGLYSMLVE
RDHKNEFCEITLISSGRKDCNEIPTEGWAKPSLKFKLNTVNGTTRTVNPLGFFKKEALPKCAQVYNKLGM
YPPNM
【0078】
ヒカゲミズ属(Parietaria)
ヒカゲミズ配列:
2497750 Par j P2
MRTVSMAALVVIAAALAWTSSAEPAPAPAPGEEACGKVVQDIMPCLHFVKGEEKEPSKECCSGTKKLSEEVKTTEQKREACKCIVRATKGISGIKNELVAEVPKKCDIKTTLPPITADFDCSKIQSTIFRGYY
【0079】
1352506 Par j P5
MVRALMPCLPFVQGKEKEPSKGCCSGAKRLDGETKTGPQRVHACECIQTAMKTYSDIDGKLVSEVPKHCGIVDSKLPPIDVNMDCKTVGVVPRQPQLPVSLRHGPVTGPSDPAHKARLERPQIRVPPPAPEKA
【0080】
1532056 Par j P8
MRTVSMAALVVIAAALAWTSSAELASAPAPGEGPCGKVVHHIMPCLKFVKGEEKEPSKSCCSGTKKLSEEVKTTEQKREACKCIVAATKGISGIKNELVAEVPKKCGITTTLPPITADFDCSKIESTIFRGYY
【0081】
1532058 Par j P9
MRTVSAPSAVALVVIVAAGLAWTSLASVAPPAPAPGSEETCGTVVRALMPCLPFVQGKEKEPSKGCCSGAKRLDGETKTGLQRVHACECIQTAMKTYSDIDGKLVSEVPKHCGIVDSKLPPIDVNMDCKTLGVVPRQPQLPVSLRHGPVTGPSDPAHKARLERPQIRVPPPAPEKA
【0082】
2497749 Par j P9
MRTVSARSSVALVVIVAAVLVWTSSASVAPAPAPGSEETCGTVVGALMPCLPFVQGKEKEPSKGCCSGAKRLDGETKTGPQRVHACECIQTAMKTYSDIDGKLVSEVPKHCGIVDSKLPPIDVNMDCKTLGVLHYKGN
【0083】
1086003 Par j 1
MVRALMPCLPFVQGKEKEPSKGCCSGAKRLDGETKTGPQRVHACECIQTAMKTYSDIDGKLVSEVPKHCGIVDSKLPPIDVNMDCKTVGVVPRQPQLPVSLRHGPVTGPSRSRPPTKHGWRDPRLEFRPPHRKKPNPAFSTLG
【0084】
さらなるヒカゲミズ配列(NCBI entrez登録番号):
543659; 1836011; 1836010; 1311513; 1311512; 1311511; 1311510; 1311509; 240971。
【0085】
オオアワガエリ
Phleum配列:
Phl p 1
MASSSSVLLVVVLFAVFLGSAYGIPKVPPGPNITATYGDKWLDAKSTWYGKPTGAGPKDNGGACGYKDVDKPPFSGMTGCGNTPIFKSGRGCGSCFEIKCTKPEACSGEPVVVHITDDNEEPIAPYHFDLSGHAFGAMAKKGDEQKLRSAGELELQFRRVKCKYPEGTKVTFHVEKGSNPNYLALLVKYVNGDGDVVAVDIKEKGKDKWIELKESWGAIWRIDTPDKLTGPFTVRYTTEGGTKTEAEDVIPEGWKADTSYESK
【0086】
Phl p 1
MASSSSVLLVVALFAVFLGSAHGIPKVPPGPNITATYGDKWLDAKSTWYGKPTAAGPKDNGGACGYKDVDKPPFSGMTGCGNTPIFKSGRGCGSCFEIKCTKPEACSGEPVVVHITDDNEEPIAAYHFDLSGIAFGSMAKKGDEQKLRSAGEVEIQFRRVKCKYPEGTKVTFHVEKGSNPNYLALLVKFSGDGDVVAVDIKEKGKDKWIALKESWGAIWRIDTPEVLKGPFTVRYTTEGGTKARAKDVIPEGWKADTAYESK
【0087】
Phlp 2
MSMASSSSSSLLAMAVLAALFAGAWCVPKVTFTVEKGSNEKHLAVLVKYEGDTMAEVELREHGSDEWVAMTKGEGGVWTFDSEEPLQGPFNFRFLTEKGMKNVFDDVVPEKYTIGATYAPEE
【0088】
Phl p 5
ADLGYGGPATPAAPAEAAPAGKATTEEQKLIEKINDGFKAALAAAAGVPPADKYKTFVATFGAASNKAFAEGLSAEPKGAAESSSKAALTSKLDAAYKLAYKTAEGATPEAKYDAYVATLSEALRIIAGTLEVHAVKPAAEEVKVIPAGELQVIEKVDSAFKVAATAANAAPANDKFTVFEAAFNNAIKASTGGAYESYKFIPALEAAVKQAYAATVATAPEVKYTVFETALKKAFTAMSEAQKAAKPATEATATATAAVGAATGAATAATGGYKV
【0089】
Phl p 5
ADLGYGGPATPAAPAEAAPAGKATTEEQKLIEKINDGFKAALAAAAGVPPADKYKTFVATFGAASNKAFAEGLSAEPKGAAESSSKAALTSKLDAAYKLAYKTAEGATPEAKYDAYVATLSEALRIIAGTLEVHAVKPAAEEVKVIPAGELQVIEKVDSAFKVAATAANAAPANDKFTVFEAAFNNAIKASTGGAYESYKFIPALEAAVKQAYAATVATAPEVKYTVFETALKKAITAMSEAQKAAKPATEATATATAAVGAATGAATAATGGYKV
【0090】
Phl p 5b
AAAAVPRRGPRGGPGRSYTADAGYAPATPAAAGAAAGKATTEEQKLIEDINVGFKAAVAAAASVPAADKFKTFEAAFTSSSKAAAAKAPGLVPKLDAAYSVAYKAAVGATPEAKFDSFVASLTEALRVIAGALEVHAVKPVTEEPGMAKIPAGELQIIDKIDAAFKVAATAAATAPADDKFTVFEAAFNKAIKESTGGAYDTYKCIPSLEAAVKQAYAATVAAAPQVKYAVFEAALTKAITAMSEVQKVSQPATGAATVAAGAATTAAGAASGAATVAAGGYKV
【0091】
Phl p 5a
ADLGYGPATPAAPAAGYTPATPAAPAGADAAGKATTEEQKLIEKINAGFKAALAGAGVQPADKYRTFVATFGPASNKAFAEGLSGEPKGAAESSSKAALTSKLDAAYKLAYKTAEGATPEAKYDAYVATLSEALRIIAGTLEVHAVKPAAEEVKVIPAGELQVIEKVDAAFKVAATAANAAPANDKFTVFEAAFNDEIKASTGGAYESYKFIPALEAAVKQAYAATVATAPEVKYTVFETALKKAITAMSEAQKAAKPAAAATATATAAVGAATGAATAATGGYKV
【0092】
Phl p 5
MAVQKYTVALFLAVALVAGPAASYAADAGYAPATPAAAGAEAGKATTEEQKLIEDINVGFKAAVAAAASVPAADKFKTFEAAFTSSSKAATAKAPGLVPKLDAAYSVSYKAAVGATPEAKFDSFVASLTEALRVIAGALEVHAVKPVTEEPGMAKIPAGELQIIDKIDAAFKVAATAAATAPADTVFEAAFNKAIKESTGGAYDTYKCIPSLEAAVKQAYAATVAAAPQVKYAVFEAALTKAITAMSEVQKVSQPATGAATVAAGAATTAAGAASGAATVAAGGYKV
【0093】
Phl p 5
MAVQKYTVALFLAVALVAGPAASYAADAGYAPATPAAAGAEAGKATTEEQKLIEDINVGFKAAVAAAASVPAADKFKTFEAAFTSSSKAATAKAPGLVPKLDAAYSVAYKAAVGATPEAKFDSFVASLTEALRVIAGALEVHAVKPVTEDPAWPKIPAGELQIIDKIDAAFKVAATAAATAPADDKFTVFEAAFNKAIKESTGGAYDTYKCIPSLEAAVKQAYAATVAAAPQVKYAVFEAALTKAITAMSEVQKVSQPATGAATVAAGAATTATGAASGAATVAAGGYKV
【0094】
Phl p 5
ADAGYAPATPAAAGAEAGKATTEEQKLIEDINVGFKAAVAAAASVPAADKFKTFEAAFTSSSKAATAKAPGLVPKLDAAYSVAYKAAVGATPEAKFDSFVASLTEALRVIAGALEVHAVKPVTEEPGMAKIPAGELQIIDKIDAAFKVAATAAATAPADDKFTVFEAAFNKAIKESTGGAYDTYKCIPSLEAAVKQAYAATVAAAPQVKYAVFEAALTKAITAMSEVQKVSQPATGAATVAAGAATTAAGAASGAATVAAGGYKV
【0095】
Phl p 5
SVKRSNGSAEVHRGAVPRRGPRGGPGRSYAADAGYAPATPAAAGAEAGKATTEEQKLIEDINVGFKAAVAAAASVPAADKFKTFEAAFTSSSKAATAKAPGLVPKLDAAYSVAYKAAVGATPEAKFDSFVASLTEALRVIAGALEVHAVKPVTEEPGMAKIPAGELQIIDKIDAAFKVAATAAATAPADDKFTVFEAAFNKAIKESTGGAYDTYKCIPSLEAAVKQAYAATVAAAPQVKYAVFEAALTKAITAMSEVQKVSQPATGAATVAAGAATTAAGAASGAATVAAGGYKV
【0096】
Phl p 5
MAVHQYTVALFLAVALVAGPAGSYAADLGYGPATPAAPAAGYTPATPAAPAGAEPAGKATTEEQKLIEKINAGFKAALAAAAGVPPADKYRTFVATFGAASNKAFAEGLSGEPKGAAESSSKAALTSKLDAAYKLAYKTAEGATPEAKYDAYVATVSEALRIIAGTLEVHAVKPAAEEVKVIPAGELQVIEKVDAAFKVAATAANAAPANDKFTVFEAAFNDAIKASTGGAYESYKFIPALEAAVKQAYAATVATAPEVKYTVFETALKKAITAMSEAQKAAKPAAAATATATAAVGAATGAATAATGGYKV
【0097】
Phl p 5
ADLGYGGPATPAAPAEAAPAGKATTEEQKLIEKINDGFKAALAAAAGVPPADKYKTFVATFGAASNKAFAEGLSAEPKGAAESSSKAALTSKLDAAYKLAYKTAEGATPEAKYDAYVATLSEALRIIAGTLEVHAVKPAAEEVKVIPAGELQVIEKVDSAFKVAATAANAAPANDKFTVFEAAFNNAIKASTGGAYESYKFIPALEAAVKQAYAATVATAPEVKYTVFETALKKAFTAMSEAQKAAKPATEATATATAAVGAATGAATAATGGYKV
【0098】
Phl p5b
AAAAVPRRGPRGGPGRSYTADAGYAPATPAAAGAAAGKATTEEQKLIEDINVGFKAAVAAAASVPAADKFKTFEAAFTSSSKAAAAKAPGLVPKLDAAYSVAYKAAVGATPEAKFDSFVASLTEALRVIAGALEVHAVKPVTEEPGMAKIPAGELQIIDKIDAAFKVAATAAATAPADDKFTVFEAAFNKAIKESTGGAYDTYKCIPSLEAAVKQAYAATVAAAPQVKYAVFEAALTKAITAMSEVQKVSQPATGAATVAAGAATTAAGAASGAATVAAGGYKV
【0099】
Phl p5a
ADLGYGPATPAAPAAGYTPATPAAPAGADAAGKATTEEQKLIEKINAGFKAALAGAGVQPADKYRTFVATFGPASNKAFAEGLSGEPKGAAESSSKAALTSKLDAAYKLAYKTAEGATPEAKYDAYVATLSEALRIIAGTLEVHAVKPAAEEVKVIPAGELQVIEKVDAAFKVAATAANAAPANDKFTVFEAAFNDEIKASTGGAYESYKFIPALEAAVKQAYAATVATAPEVKYTVFETALKKAITAMSEAQKAAKPAAAATATATAAVGAATGAATAATGGYKV
【0100】
Phl p 5
AVPRRGPRGGPGRSYAADAGYAPATPAAAGAEAGKATTEEQKLIEDINVGFKAAVAAAASVPAGDKFKTFEAAFTSSSKAATAKAPGLVPKLDAAYSVAYKAAVGATPEAKFDSFVASLTEALRVIAGALEVHAVKPVTEEPGMAKIPAGELQIIDKIDAAFKVAATAAATAPADDKFTVFEAAFNKAIKESTGGAYDTYKCIPSLEAAVKQAYAATVAAAPQVKYAVFEAALTKAITAMSEVQKVSQPATGAATVAAGAATTATGAASGAATVAAGGYKV
【0101】
Phl p 5b
MAVPRRGPRGGPGRSYTADAGYAPATPAAAGAAAGKATTEEQKLIEDINVGFKAAVAARQRPAADKFKTFEAASPRHPRPLRQGAGLVPKLDAAYSVAYKAAVGATPEAKFDSFVASLTEALRVIAGALEVHAVKPVTEEPGMAKIPAGELQIIDKIDAAFKVAATAAATAPADDKFTVFEAAFNKAIKESTGGAYDTYKCIPSLEAAVKQAYAATVAAAAEVKYAVFEAALTKAITAMSEVQKVSQPATGAATVAAGAATTAAGAASGAATVAAGGYKV
【0102】
Phl p 5
MAVHQYTVALFLAVALVAGPAASYAADLGYGPATPAAPAAGYTPATPAAPAEAAPAGKATTEEQKLIEKINAGFKAALAAAAGVQPADKYRTFVATFGAASNKAFAEGLSGEPKGAAESSSKAALTSKLDAAYKLAYKTAEGATPEAKYDAYVATLSEALRIIAGTLEVHAVKPAAEEVKVIPAGELQVIEKVDAAFKVAATAANAAPANDKFTVFEAAFNDAIKASTGGAYESYKFIPALEAAVKQAYAATVATAPEVKYTVFETALKKAITAMSEAQKAAKPAAAATATATAAVGAATGAATAATGGYKV
【0103】
Phl p 5
EAPAGKATTEEQKLIEKINAGFKAALARRLQPADKYRTFVATFGPASNKAFAEGLSGEPKGAAESSSKAALTSKLDAAYKLAYKTAEGATPEAKYDAYVATLSEALRIIAGTLEVHAVKPAAEEVKVIPAAELQVIEKVDAAFKVAATAANAAPANDKFTVFEAAFNDEIKASTGGAYESYKFIPALEAAVKQAYAATVATAPEVKYTVFETALKKAITAMSEAQKAAKPPPLPPPPQPPPLAATGAATAATGGYKV
【0104】
Phl p 5
MAVHQYTVALFLAVALVAGPAASYAADLGYGPATPAAPAAGYTPATPAAPAEAAPAGKATTEEQKLIEKINAGFKAALAAAAGVQPADKYRTFVATFGAASNKAFAEGLSGEPKGAAESSSKAALTSKLDAAYKLAYKTAEGATPEAKYDAYVATLSEALRIIAGTLEVHAVKPAAEEVKVIPAGELQVIEKVDAAFKVAATAANAAPANDKFTVFEAAFNDAIKASTGGAYESYKFIPALEAAVKQAYAATVATAPEVKYTVFETALKKAITAMSEAQKAAKPAAAATATATAAVGAATGAATAATGGYKV
【0105】
Phl p 5b
MAVPRRGPRGGPGRSYTADAGYAPATPAAAGAAAGKATTEEQKLIEDINVGFKAAVAARQRPAADKFKTFEAASPRHPRPLRQGAGLVPKLDAAYSVAYKAAVGATPEAKFDSFVASLTEALRVIAGALEVHAVKPVTEEPGMAKIPAGELQIIDKIDAAFKVAATAAATAPADDKFTVFEAAFNKAIKESTGGAYDTYKCIPSLEAAVKQAYAATVAAAAEVKYAVFEAALTKAITAMSEVQKVSQPATGAATVAAGAATTAAGAASGAATVAAGGYKV
【0106】
Phl p 5a
ADLGYGPATPAAPAAGYTPATPAAPAGADAAGKATTEEQKLIEKINAGFKAALAGAGVQPADKYRTFVATFGPASNKAFAEGLSGEPKGAAESSSKAALTSKLDAAYKLAYKTAEGATPEAKYDAYVATLSEALRIIAGTLEVHAVKPAAEEVKVIPAGELQVIEKVDAAFKVAATAANAAPANDKFTVFEAAFNDEIKASTGGAYESYKFIPALEAAVKQAYAATVATAPEVKYTVFETALKKAITAMSEAQKAAKPPPLPPPPQPPPLAATGAATAATGGYKV
【0107】
Phl p 5
MAVHQYTVALFLAVALVAGPAASYAADLGYGPATPAAPAAGYTPATPAAPAEAAPAGKATTEEQKLIEKINAGFKAALAAAAGVQPADKYRTFVATFGAASNKAFAEGLSGEPKGAAESSSKAALTSKLDAAYKLAYKTAEGATPEAKYDAYVATLSEALRIIAGTLEVHAVKPAAEEVKVIPAGELQVIEKVDAAFKVAATAANAAPANDKFTVFEAAFNDAIKASTGGAYESYKFIPALEAAVKQAYAATVATAPEVKYTVFETALKKAITAMSEAQKAAKPAAAATATATAAVGAATGAATAATGGYKV
【0108】
Phl p 6
MAAHKFMVAMFLAVAVVLGLATSPTAEGGKATTEEQKLIEDVNASFRAAMATTANVPPADKYKTFEAAFTVSSKRNLADAVSKAPQLVPKLDEVYNAAYNAADHAAPEDKYEAFVLHFSEALRIIAGTPEVHAVKPGA
【0109】
Phl p 6
SKAPQLVPKLDEVYNAAYNAADHAAPEDKYEAFVLHFSEALHIIAGTPEVHAVKPGA
【0110】
Phl p 6
ADKYKTFEAAFTVSSKRNLADAVSKAPQLVPKLDEVYNAAYNAADHAAPEDKYEAFVLHFSEALHIIAGTPEVHAVKPGA
【0111】
Phl p 6
TEEQKLIEDVNASFRAAMATTANVPPADKYKTLEAAFTVSSKRNLADAVSKAPQLVPKLDEVYNAAYNAADHAAPEDKYEAFVLHFSEALRIIAGTPEVHAVKPGA
【0112】
Phl p 6
MAAHKFMVAMFLAVAVVLGLATSPTAEGGKATTEEQKLIEDINASFRAAMATTANVPPADKYKTFEAAFTVSSKRNLADAVSKAPQLVPKLDEVYNAAYNAADHAAPEDKYEAFVLHFSEALHIIAGTPEVHAVKPGA
【0113】
Phl p 6
MVAMFLAVAVVLGLATSPTAEGGKATTEEQKLIEDVNASFRAAMATTANVPPADKYKTFEAAFTVSSKRNLADAVSKAPQLVPKLDEVYNAAYNAADHAAPEDKYEAFVLHFSEALRIIAGTPEVHAVKPGA
【0114】
Phl p 7
MADDMERIFKRFDTNGDGKISLSELTDALRTLGSTSADEVQRMMAEIDTDGDGFIDFNEFISFCNANPGLMKDVAKVF
【0115】
Phl p 11
MSWQTYVDEHLMCEIEGHHLASAAILGHDGTVWAQSADFPQFKPEEITGIMKDFDEPGHLAPTGMFVAGAKYMVIQGEPGRVIRGKKGAGGITIKKTGQALVVGIYDEPMTPGQCNMVVERLGDYLVEQGM
【0116】
さらなるPhleum配列(NCBI entrez登録番号):
458878; 548863; 2529314; 2529308; 2415702; 2415700; 2415698; 542168; 542167; 626037; 542169; 541814; 542171; 253337; 253336; 453976; 439960。
【0117】
スズメバチ(および関連種)
Vespula配列:
465054 アレルゲン VES V 5
MEISGLVYLIIIVTIIDLPYGKANNYCKIKCLKGGVHTACKYGSLKPNCGNKVVVSYGLTKQEKQDILKEHNDFRQKIARGLETRGNPGPQPPAKNMKNLVWNDELAYVAQVWANQCQYGHDTCRDVAKYQVGQNVALTGSTAAKYDDPVKLVKMWEDEVKDYNPKKKFSGNDFLKTGHYTQMVWANTKEVGCGSIKYIQEKWHKHYLVCNYGPSGNFMNEELYQTK
【0118】
1709545 アレルゲン VES M 1
GPKCPFNSDTVSIIIETRENRNRDLYTLQTLQNHPEFKKKTITRPVVFITHGFTSSASEKNFINLAKALVDKDNYMVISIDWQTAACTNEYPGLKYAYYPTAASNTRLVGQYIATITQKLVKDYKISMANIRLIGHSLGAHVSGFAGKRVQELKLGKYSEIIGLDPARPSFDSNHCSERLCETDAEYVQIIHTSNYLGTEKILGTVDFYMNNGKNNPGCGRFFSEVCSHTRAVIYMAECIKHECCLIGIPRSKSSQPISRCTKQECVCVGLNAKKYPSRGSFYVPVESTAPFCNNKGKII
【0119】
1352699 アレルゲン VES V 1
MEENMNLKYLLLFVYFVQVLNCCYGHGDPLSYELDRGPKCPFNSDTVSIIIETRENRNRDLYTLQTLQNHPEFKKKTITRPVVFITHGFTSSASETNFINLAKALVDKDNYMVISIDWQTAACTNEAAGLKYLYYPTAARNTRLVGQYIATITQKLVKHYKISMANIRLIGHSLGAHASGFAGKKVQELKLGKYSEIIGLDPARPSFDSNHCSERLCETDAEYVQIIHTSNYLGTEKTLGTVDFYMNNGKNQPGCGRFFSEVCSHSRAVIYMAECIKHECCLIGIPKSKSSQPISSCTKQECVCVGLNAKKYPSRGSFYVPVESTAPFCNNKGKII
【0120】
1346323 アレルゲン VES V 2
SERPKRVFNIYWNVPTFMCHQYDLYFDEVTNFNIKRNSKDDFQGDKIAIFYDPGEFPALLSLKDGKYKKRNGGVPQEGNITIHLQKFIENLDKIYPNRNFSGIGVIDFERWRPIFRQNWGNMKIHKNFSIDLVRNEHPTWNKKMIELEASKRFEKYARFFMEETLKLAKKTRKQADWGYYGYPYCFNMSPNNLVPECDVTAMHENDKMSWLFNNQNVLLPSVYVRQELTPDQRIGLVQGRVKEAVRISNNLKHSPKVLSYWWYVYQDETNTFLTETDVKKTFQEIVINGGDGIIIWGSSSDVNSLSKCKRLQDYLLTVLGPIAINVTEAVN
【0121】
549194 アレルゲン VES VI 5
KVNYCKIKCLKGGVHTACKYGTSTKPNCGKMVVKAYGLTEAEKQEILKVHNDFRQKVAKGLETRGNPGPQPPAKNMNNLVWNDELANIAQVWASQCNYGHDTCKDTEKYPVGQNIAKRSTTAALFDSPGKLVKMWENEVKDFNPNIEWSKNNLKKTGHYTQMVWAKTKEIGCGSVKYVKDEWYTHYLVCNYGPSGNFRNEKLYEKK
【0122】
さらなるvespula配列(NCBI entrez登録番号):
549193; 549192; 549191; 549190; 549189; 117414; 126761; 69576; 625255; 627189; 627188; 627187; 482382; 112561; 627186; 627185; 1923233; 897645; 897647; 745570; 225764; 162551。
【0123】
樹木アレルゲン配列(主としてカバノキ)配列:
114922 Bet v 1
MGVFNYETETTSVIPAARLFKAFILDGDNLFPKVAPQAISSVENIEGNGGPGTIKKISFPEGFPFKYVKDRVDEVDHTNFKYNYSVIEGGPIGDTLEKISNEIKIVATPDGGSILKISNKYHTKGDHEVKAEQVKASKEMGETLLRAVESYLLAHSDAYN
【0124】
130975 Bet v 2
MSWQTYVDEHLMCDIDGQASNSLASAIVGHDGSVWAQSSSFPQFKPQEITGIMKDFEEPGHLAPTGLHLGGIKYMVIQGEAGAVIRGKKGSGGITIKKTGQALVFGIYEEPVTPGQCNMVVERLGDYLIDQGL
【0125】
1168696 Bet v 3
MPCSTEAMEKAGHGHASTPRKRSLSNSSFRLRSESLNTLRLRRIFDLFDKNSDGIITVDELSRALNLLGLETDLSELESTVKSFTREGNIGLQFEDFISLHQSLNDSYFAYGGEDEDDNEEDMRKSILSQEEADSFGGFKVFDEDGDGYISARELQMVLGKLGFSEGSEIDRVEKMIVSVDSNRDGRVDFFEFKDMMRSVLVRSS
【0126】
809536 Bet v 4
MADDHPQDKAERERIFKRFDANGDGKISAAELGEALKTLGSITPDEVKHMMAEIDTDGDGFISFQEFTDFGRANRGLLKDVAKIF
【0127】
543675 Que a I - Quercus alba=オーク類(断片)
GVFTXESQETSVIAPAXLFKALFL
【0128】
543509 Car b I - Carpinus betulus=シデ類(断片)
GVFNYEAETPSVIPAARLFKSYVLDGDKLIPKVAPQAIXK
【0129】
543491 Aln g I - Alnus glutinosa=ハンノキ類(断片)
GVFNYEAETPSVIPAARLFKAFILDGDKLLPKVAPEAVSSVENI
【0130】
1204056 Rubisco
VQCMQVWPPLGLKKFETLSYLPPLSSEQLAKEVDYLLRKNLIPCLEFELEHGFVYREHNRSPGYYDGRYWTMWKLPMFGCNDSSQVLKELEECKKAYPSAFIRIIGFDDK
【0131】
さらなる樹木のアレルゲン配列(NCBI entrez登録番号):
131919; 128193; 585564; 1942360; 2554672; 2392209; 2414158; 1321728; 1321726; 1321724; 1321722; 1321720; 1321718; 1321716; 1321714; 1321712; 3015520; 2935416; 464576; 1705843; 1168701;1168710; 1168709; 1168708; 1168707; 1168706; 1168705; 1168704; 1168703; 1168702; 1842188; 2564228; 2564226; 2564224; 2564222; 2564220; 2051993; 1813891; 1536889; 534910; 534900; 534898; 1340000; 1339998; 2149808; 66207; 2129477; 1076249;1076247; 629480; 481805; 81443; 1361968; 1361967; 1361966; 1361965; 1361964; 1361963; 1361962; 1361961; 1361960; 1361959; 320546; 629483 ; 629482; 629481; 541804; 320545; 81444; 541814:; 629484; 474911; 452742; 1834387; 298737; 298736; 1584322; 1584321; 584320; 1542873; 1542871; 1542869; 1542867; 1542865; 1542863; 1542861; 1542859; 1542857; 1483232; 1483230; 1483228; 558561; 551640; 488605; 452746; 452744; 452740; 452738; 452736; 452734; 452732; 452730; 452728; 450885; 17938; 17927; 17925; 17921; 297538; 510951; 289331; 289329; 166953。
【0132】
ピーナッツ
ピーナッツ配列
1168391 Ara h 1
MRGRVSPLMLLLGILVLASVSATHAKSSPYQKKTENPCAQRCLQSCQQEPDDLKQKACESRCTKLEYDPRCVYDPRGHTGTTNQRSPPGERTRGRQPGDYDDDRRQPRREEGGRWGPAGPREREREEDWRQPREDWRRPSHQQPRKIRPEGREGEQEWGTPGSHVREETSRNNPFYFPSRRFSTRYGNQNGRIRVLQRFDQRSRQFQNLQNHRIVQIEAKPNTLVLPKHADADNILVIQQGQATVTVANGNNRKSFNLDEGHALRIPSGFISYILNRHDNQNLRVAKISMPVNTPGQFEDFFPASSRDQSSYLQGFSRNTLEAAFNAEFNEIRRVLLEENAGGEQEERGQRRWSTRSSENNEGVIVKVSKEHVEELTKHAKSVSKKGSEEEGDITNPINLREGEPDLSNNFGKLFEVKPDKKNPQLQDLDMMLTCVEIKEGALMLPHFNSKAMVIVVVNKGTGNLELVAVRKEQQQRGRREEEEDEDEEEEGSNREVRRYTARLKEGDVFIMPAAHPVAINASSELHLLGFGINAENNHRIFLAGDKDNVIDQIEKQAKDLAFPGSGEQVEKLIKNQKESHFVSARPQSQSQSPSSPEKESPEKEDQEEENQGGKGPLLSILKAFN
【0133】
ブタクサ
Ambrosia配列
113478 Amb a 1
MGIKHCCYILYFTLALVTLLQPVRSAEDLQQILPSANETRSLTTCGTYNIIDGCWRGKADWAENRKALADCAQGFAKGTIGGKDGDIYTVTSELDDDVANPKEGTLRFGAAQNRPLWIIFARDMVIRLDRELAINNDKTIDGRGAKVEIINAGFAIYNVKNIIIHNIIMHDIVVNPGGLIKSHDGPPVPRKGSDGDAIGISGGSQIWIDHCSLSKAVDGLIDAKHGSTHFTVSNCLFTQHQYLLLFWDFDERGMLCTVAFNKFTDNVDQRMPNLRHGFVQVVNNNYERWGSYALGGSAGPTILSQGNRFLASDIKKEVVGRYGESAMSESINWNWRSYMDVFENGAIFVPSGVDPVLTPEQNAGMIPAEPGEAVLRLTSSAGVLSCQPGAPC
【0134】
113479 Amb a 2
MGIKHCCYILYFTLALVTLVQAGRLGEEVDILPSPNDTRRSLQGCEAHNIIDKCWRCKPDWAENRQALGNCAQGFGKATHGGKWGDIYMVTSDQDDDVVNPKEGTLRFGATQDRPLWIIFQRDMIIYLQQEMVVTSDKTIDGRGAKVELVYGGITLMNVKNVIIHNIDIHDVRVLPGGRIKSNGGPAIPRHQSDGDAIHVTGSSDIWIDHCTLSKSFDGLVDVNWGSTGVTISNCKFTHHEKAVLLGASDTHFQDLKMHVTLAYNIFTNTVHERMPRCRFGFFQIVNNFYDRWDKYAIGGSSNPTILSQGNKFVAPDFIYKKNVCLRTGAQEPEWMTWNWRTQNDVLENGAIFVASGSDPVLTAEQNAGMMQAEPGDMVPQLTMNAGVLTCSPGAPC
【0135】
113477 Amb a 1.3
MGIKQCCYILYFTLALVALLQPVRSAEGVGEILPSVNETRSLQACEALNIIDKCWRGKADWENNRQALADCAQGFAKGTYGGKWGDVYTVTSNLDDDVANPKEGTLRFAAAQNRPLWIIFKNDMVINLNQELVVNSDKTIDGRGVKVEIINGGLTLMNVKNIIIHNINIHDVKVLPGGMIKSNDGPPILRQASDGDTINVAGSSQIWIDHCSLSKSFDGLVDVTLGSTHVTISNCKFTQQSKAILLGADDTHVQDKGMLATVAFNMFTDNVDQRMPRCRFGFFQVVNNNYDRWGTYAIGGSSAPTILCQGNRFLAPDDQIKKNVLARTGTGAAESMAWNWRSDKDLLENGAIFVTSGSDPVLTPVQSAGMIPAEPGEAAIKLTSSAGVFSCHPGAPC
【0136】
113476 Amb a 1.2
MGIKHCCYILYFTLALVTLLQPVRSAEDVEEFLPSANETRRSLKACEAHNIIDKCWRCKADWANNRQALADCAQGFAKGTYGGKHGDVYTVTSDKDDDVANPKEGTLRFAAAQNRPLWIIFKRNMVIHLNQELVVNSDKTIDGRGVKVNIVNAGLTLMNVKNIIIHNINIHDIKVCPGGMIKSNDGPPILRQQSDGDAINVAGSSQIWIDHCSLSKASDGLLDITLGSSHVTVSNCKFTQHQFVLLLGADDTHYQDKGMLATVAFNMFTDHVDQRMPRCRFGFFQVVNNNYDRWGTYAIGGSSAPTILSQGNRFFAPDDIIKKNVLARTGTGNAESMSWNWRTDRDLLENGAIFLPSGSDPVLTPEQKAGMIPAEPGEAVLRLTSSAGVLSCHQGAPC
【0137】
113475 Amb a 1.1
MGIKHCCYILYFTLALVTLLQPVRSAEDLQEILPVNETRRLTTSGAYNIIDGCWRGKADWAENRKALADCAQGFGKGTVGGKDGDIYTVTSELDDDVANPKEGTLRFGAAQNRPLWIIFERDMVIRLDKEMVVNSDKTIDGRGAKVEIINAGFTLNGVKNVIIHNINMHDVKVNPGGLIKSNDGPAAPRAGSDGDAISISGSSQIWIDHCSLSKSVDGLVDAKLGTTRLTVSNSLFTQHQFVLLFGAGDENIEDRGMLATVAFNTFTDNVDQRMPRCRHGFFQVVNNNYDKWGSYAIGGSASPTILSQGNRFCAPDERSKKNVLGRHGEAAAESMKWNWRTNKDVLENGAIFVASGVDPVLTPEQSAGMIPAEPGESALSLTSSAGVLSCQPGAPC
【0138】
ヒマラヤスギ配列
493634 Cry j IB前駆体
MDSPCLVALLVFSFVIGSCFSDNPIDSCWRGDSNWAQNRMKLADCAVGFGSSTMGGKGGDLYTVTNSDDDPVNPPGTLRYGATRDRPLWIIFSGNMNIKLKMPMYIAGYKTFDGRGAQVYIGNGGPCVFIKRVSNVIIHGLYLYGCSTSVLGNVLINESFGVEPVHPQDGDALTLRTATNIWIDHNSFSNSSDGLVDVTLTSTGVTISNNLFFNHHKVMSLGHDDAYSDDKSMKVTVAFNQFGPNCGQRMPRARYGLVHVANNNYDPWTIYAIGGSSNPTILSEGNSFTAPNESYKKQVTIRIGCKTSSSCSNWVWQSTQDVFYNGAYFVSSGKYEGGNIYTKKEAFNVENGNATPHLTQNAGVLTCSLSKRC
【0139】
493632 Cry j IA前駆体
MDSPCLVALLVLSFVIGSCFSDNPIDSCWRGDSNWAQNRMKLADCAVGFGSSTMGGKGGDLYTVTNSDDDPVNPAPGTLRYGATRDRPLWIIFSGNMNIKLKMPMYIAGYKTFDGRGAQVYIGNGGPCVFIKRVSNVIIHGLHLYGCSTSVLGNVLINESFGVEPVHPQDGDALTLRTATNIWIDHNSFSNSSDGLVDVTLSSTGVTISNNLFFNHHKVMLLGHDDAYSDDKSMKVTVAFNQFGPNCGQRMPRARYGLVHVANNNYDPWTIYAIGGSSNPTILSEGNSFTAPNESYKKQVTIRIGCKTSSSCSNWVWQSTQDVFYNGAYFVSSGKYEGGNIYTKKEAFNVENGNATPQLTKNAGVLTCSLSKRC
【0140】
1076242 Cry j II前駆体 -スギ(Japanease cedar)
MAMKLIAPMAFLAMQLIIMAAAEDQSAQIMLDSVVEKYLRSNRSLRKVEHSRHDAINIFNVEKYGAVGDGKHDCTEAFSTAWQAACKNPSAMLLVPGSKKFVVNNLFFNGPCQPHFTFKVDGIIAAYQNPASWKNNRIWLQFAKLTGFTLMGKGVIDGQGKQWWAGQCKWVNGREICNDRDRPTAIKFDFSTGLIIQGLKLMNSPEFHLVFGNCEGVKIIGISITAPRDSPNTDGIDIFASKNFHLQKNTIGTGDDCVAIGTGSSNIVIEDLICGPGHGISIGSLGRENSRAEVSYVHVNGAKFIDTQNGLRIKTWQGGSGMASHIIYENVEMINSENPILINQFYCTSASACQNQRSAVQIQDVTYKNIRGTSATAAAIQLKCSDSMPCKDIKLSDISLKLTSGKIASCLNDNANGYFSGHVIPACKNLSPSAKRKESKSHKHPKTVMVENMRAYDKGNRTRILLGSRPPNCTNKCHGCSPCKAKLVIVHRIMPQEYYPQRWICSCHGKIYHP
【0141】
1076241 Cry j IIタンパク質 - スギ
MAMKFIAPMAFVAMQLIIMAAAEDQSAQIMLDSDIEQYLRSNRSLRKVEHSRHDAINIFNVEKYGAVGDGKHDCTEAFSTAWQAACKKPSAMLLVPGNKKFVVNNLFFNGPCQPHFTFKVDGIIAAYQNPASWKNNRIWLQFAKLTGFTLMGKGVIDGQGKQWWAGQCKWVNGREICNDRDRPTAIKFDFSTGLIIQGLKLMNSPEFHLVFGNCEGVKIIGISITAPRDSPNTDGIDIFASKNFHLQKNTIGTGDDCVAIGTGSSNIVIEDLICGPGHGISIGSLGRENSRAEVSYVHVNGAKFIDTQNGLRIKTWQGGSGMASHIIYENVEMINSENPILINQFYCTSASACQNQRSAVQIQDVTYKNIRGTSATAAAIQLKCSDSMPCKDIKLSDISLKLTSGKIASCLNDNANGYFSGHVIPACKNLSPSAKRKESKSHKHPKTVMVKNMGAYDKGNRTRILLGSRPPNCTNKCHGCSPCKAKLVIVHRIMPQEYYPQRWMCSRHGKIYHP
【0142】
541803 Cry j I前駆体 - スギ
MDSPCLVALLVLSFVIGSCFSDNPIDSCWRGDSNWAQNRMKLADCAVGFGSSTMGGKGGDLYTVTNSDDDPVNPPGTLRYGATRDRPLWIIFSGNMNIKLKMPMYIAGYKTFDGRGAQVYIGNGGPCVFIKRVSNVIIHGLHLYGCSTSVLGNVLINESFGVEPVHPQDGDALTLRTATNIWIDHNSFSNSSDGLVDVTLSSTGVTISNNLFFNHHKVMLLGHDDAYSDDKSMKVTVAFNQFGPNCGQRMPRARYGLVHVANNNYDPWTIYAIGGSSNPTILSEGNSFTAPNESYKKQVTIRIGCKTSSSCSNWVWQSTQDVFYNGAYFVSSGKYEGGNIYTKKEAFNVENGNATPQLTKNAGVLTCSLSKRC
【0143】
541802 Cry j I前駆体- スギ
MDSPCLVALLVFSFVIGSCFSDNPIDSCWRGDSNWAQNRMKLADCAVGFGSSTMGGKGGDLYTVTNSDDDPVNPAPGTLRYGATRDRPLWIIFSGNMNIKLKMPMYIAGYKTFDGRGAQVYIGNGGPCVFIKRVSNVIIHGLYLYGCSTSVLGNVLINESFGVEPVHPQDGDALTLRTATNIWIDHNSFSNSSDGLVDVTLTSTGVTISNNLFFNHHKVMSLGHDDAYSDDKSMKVTVAFNQFGPNCGQRMPRARYGLVHVANNNYDPWTIYAIGGSSNPTILSEGNSFTAPNESYKKQVTIRIGCKTSSSCSNWVWQSTQDVFYNGAYFVSSGKYEGGNIYTKKEAFNVENGNATPHLTQNAGVLTCSLSKRC
【0144】
イヌ
Canis配列:
Can f 1
MKTLLLTIGFSLIAILQAQDTPALGKDTVAVSGKWYLKAMTADQEVPEKPDSVTPMILKAQKGGNLEAKITMLTNGQCQNITVVLHKTSEPGKYTAYEGQRVVFIQPSPVRDHYILYCEGELHGRQIRMAKLLGRDPEQSQEALEDFREFSRAKGLNQEILELAQSETCSPGGQ
【0145】
血清アルブミン断片
EAYKSEIAHRYNDLGEEHFRGLVL
【0146】
血清アルブミン断片
LSSAKERFKCASLQKFGDRAFKAWSVARLSQRFPKADFAEISKVVTDLTKVHKECCHGDLLECADDRADLAKYMCENQDSISTKLKECCDKPVLEKSQCLAEVERDELPGDLPSLAADFVEDKEVCKNYQEAKDVFLGTFLYEYSRRHPEYSVSLLLRLAKEYEATLEKCCATDDPPTCYAKVLDEFKPLVDEPQNLVKTNCELFEKLGEYGFQNALLVRYTKKAPQVSTPTLVVEVSRKLGKVGTKCCKKPESERMSCADDFLS
【0147】
Can f 2
MQLLLLTVGLALICGLQAQEGNHEEPQGGLEELSGRWHSVALASNKSDLIKPWGHFRVFIHSMSAKDGNLHGDILIPQDGQCEKVSLTAFKTATSNKFDLEYWGHNDLYLAEVDPKSYLILYMINQYNDDTSLVAHLMVRDLSRQQDFLPAFESVCEDIGLHKDQIVVLSDDDRCQGSRD
【0148】
さらなるイヌアレルゲンタンパク質(NCBI entrez登録番号):
1731859
【0149】
ウマ
Equus配列:
1575778 Equ c1
MKLLLLCLGLILVCAQQEENSDVAIRNFDISKISGEWYSIFLASDVKEKIEENGSMRVFVDVIRALDNSSLYAEYQTKVNGECTEFPMVFDKTEEDGVYSLNYDGYNVFRISEFENDEHIILYLVNFDKDRPFQLFEFYAREPDVSPEIKEEFVKIVQKRGIVKENIIDLTKIDRCFQLRGNGVAQA
【0150】
3121755 Equ c 2
SQXPQSETDYSQLSGEWNTIYGAASNIXK
【0151】
Euroglyphus(ダニ)
Euroglyphus配列:
Eur m 1 (変異体)
TYACSINSVSLPSELDLRSLRTVTPIRMQGGCGSCWAFSGVASTESAYLAYRNMSLDLAEQELVDCASQNGCHGDTIPRGIEYIQQNGVVQEHYYPYVAREQSCHRPNAQRYGLKNYCQISPPDSNKIRQALTQTHTAVAVIIGIKDLNAFRHYDGRTIMQHDNGYQPNYHAVNIVGYGNTQGVDYWIVRNSWDTTWGDNGYGYFAANINL
【0152】
Eur m 1 (変異体)
TYACSINSVSLPSELDLRSLRTVTPIRMQGGCGSCWAFSGVASTESAYLAYRNMSLDLAEQELVDCASQNGCHGDTIPRGIEYIQQNGVVQEHYYPYVAREQSCHRPNAQRYGLKNYCQISPPDSNKIRQALTQTHTAVAVIIGIKDLNAFRHYDGRTIMQHDNGYQPNYHAVNIVGYGNTQGVDYWIVRNSWDTTWGDNGYGYFAANINL
【0153】
Eur m 1 (変異体)
ETNACSINGNAPAEIDLRQMRTVTPIRMQGGCGSCWAFSGVAATESAYLAYRNQSLDLAEQELVDCASQHGCHGDTIPRGIEYIQHNGVVQESYYRYVAREQSCRRPNAQRFGISNYCQIYPPNANKIREALAQTHSAIAVIIGIKDLDAFRHYDGRTIIQRDNGYQPNYHAVNIVGYSNAQGVDYWIVRNSWDTNWGDNGYGYFAANIDL
【0154】
Eur m 1 (変異体)
ETSACRINSVNVPSELDLRSLRTVTPIRMQGGCGSCWAFSGVAATESAYLAYRNTSLDLSEQELVDCASQHGCHGDTIPRGIEYIQQNGVVEERSYPYVAREQQCRRPNSQHYGISNYCQIYPPDVKQIREALTQTHTAIAVIIGIKDLRAFQHYDGRTIIQHDNGYQPNYHAVNIVGYGSTQGVDYWIVRNSWDTTWGDSGYGYFQAGNNL
【0155】
イチゴツナギ(草本)配列
113562 花粉アレルゲン POA P 9
MAVQKYTVALFLVALVVGPAASYAADLSYGAPATPAAPAAGYTPAAPAGAAPKATTDEQKMIEKINVGFKAAVAAAGGVPAANKYKTFVATFGAASNKAFAEALSTEPKGAAVDSSKAALTSKLDAAYKLAYKSAEGATPEAKYDDYVATLSEALRIIAGTLEVHGVKPAAEEVKATPAGELQVIDKVDAAFKVAATAANAAPANDKFTVFEAAFNDAIKASTGGAYQSYKFIPALEAAVKQSYAATVATAPAVKYTVFETALKKAITAMSQAQKAAKPAAAATGTATAAVGAATGAATAAAGGYKV
【0156】
113561 POA P 9
MAVHQYTVALFLAVALVAGPAASYAADVGYGAPATLATPATPAAPAAGYTPAAPAGAAPKATTDEQKLIEKINAGFKAAVAAAAGVPAVDKYKTFVATFGTASNKAFAEALSTEPKGAAAASSNAVLTSKLDAAYKLAYKSAEGATPEAKYDAYVATLSEALRIIAGTLEVHAVKPAGEEVKAIPAGELQVIDKVDAAFKVAATAANAAPANDKFTVFEAAFNDAIKASTGGAYQSYKFIPALEAAVKQSYAATVATAPAVKYTVFETALKKAITAMSQAQKAAKPAAAVTATATGAVGAATGAVGAATGAATAAAGGYKTGAATPTAGGYKV
【0157】
113560 POA P 9
MDKANGAYKTALKAASAVAPAEKFPVFQATFDKNLKEGLSGPDAVGFAKKLDAFIQTSYLSTKAAEPKEKFDLFVLSLTEVLRFMAGAVKAPPASKFPAKPAPKVAAYTPAAPAGAAPKATTDEQKLIEKINVGFKAAVAAAAGVPAASKYKTFVATFGAASNKAFAEALSTEPKGAAVASSKAVLTSKLDAAYKLAYKSAEGATPEAKYDAYVATLSEALRIIAGTLEVHGVKPAAEEVKAIPAGELQVIDKVDAAFKVAATAANAAPANDKFTVFEAAFNDAIKASTGGAYQSYKFIPALEAAVKQSYAATVATAPAVKYTVFETALKKAITAMSQAQKAAKPAAAVTGTATSAVGAATGAATAAAGGYKV
【0158】
ゴキブリ配列
2833325 Cr p1
MKTALVFAAVVAFVAARFPDHKDYKQLADKQFLAKQRDVLRLFHRVHQHNILNDQVEVGIPMTSKQTSATTVPPSGEAVHGVLQEGHARPRGEPFSVNYEKHREQAIMLYDLLYFANDYDTFYKTACWARDRVNEGMFMYSFSIAVFHRDDMQGVMLPPPYEVYPYLFVDHDVIHMAQKYWMKNAGSGEHHSHVIPVNFTLRTQDHLLAYFTSDVNLNAFNTYYRYYYPSWYNTTLYGHNIDRRGEQFYYTYKQIYARYFLERLSNDLPDVYPFYYSKPVKSAYNPNLRYHNGEEMPVRPSNMYVTNFDLYYIADIKNYEKRVEDAIDFGYAFDEHMKPHSLYHDVHGMEYLADMIEGNMDSPNFYFYGSIYHMYHSMIGHIVDPYHKMGLAPSLEHPETVLRDPVFYQLWKRVDHLFQKYKNRLPRYTHDELAFEGVKVENVDVGKLYTYFEQYDMSLDMAVYVNNVDQISNVDVQLAVRLNHKPFTYNIEVSSDKAQDVYVAVFLGPKYDYLGREYDLNDRRHYFVEMDRFPYHVGAGKTVIERNSHDSNIIAPERDSYRTFYKKVQEAYEGKSQYYVDKGHNYCGYPENLLIPKGKKGGQAYTFYVIVTPYVKQDEHDFEPYNYKAFSYCGVGSERKYPDNKPLGYPFDRKIYSNDFYTPNMYFKDVIIFHKKYDEVGVQGH
【0159】
2231297 Cr p2
INEIHSIIGLPPFVPPSRRHARRGVGINGLIDDVIAILPVDELKALFQEKLETSPDFKALYDAIRSPEFQSIISTLNAMQRSEHHQNLRDKGVDVDHFIQLIRALFGLSRAARNLQDDLNDFLHSLEPISPRHRHGLPRQRRRSARVSAYLHADDFHKIITTIEALPEFANFYNFLKEHGLDVVDYINEIHSIIGLPPFVPPSRRHARRGVGINGLIDDVIAILPVDELKALFQEKLETSPDFKALYDAIRSPEFQSIISTLNAMPEYQELLQNLRDKGVDVDHFIRVDQGTLRTLSSGQRNLQDDLNDFLALIPTDQILAIAMDYLANDAEVQELVAYLQSDDFHKIITTIEALPEFANFYNFLKEHGLDVVDYINEIHSIIGLPPFVPPSQRHARRGVGINGLIDDVIAILPVDELKALFQEKLETSPDFKALYDAIDLRSSRA
【0160】
1703445 Bla g 2
MIGLKLVTVLFAVATITHAAELQRVPLYKLVHVFINTQYAGITKIGNQNFLTVFDSTSCNVVVASQECVGGACVCPNLQKYEKLKPKYISDGNVQVKFFDTGSAVGRGIEDSLTISNLTTSQQDIVLADELSQEVCILSADVVVGIAAPGCPNALKGKTVLENFVEENLIAPVFSIHHARFQDGEHFGEIIFGGSDWKYVDGEFTYVPLVGDDSWKFRLDGVKIGDTTVAPAGTQAIIDTSKAIIVGPKAYVNPINEAIGCVVEKTTTRRICKLDCSKIPSLPDVTFVINGRNFNISSQYYIQQNGNLCYSGFQPCGHSDHFFIGDFFVDHYYSEFNWENKTMGFGRSVE
SV
【0161】
1705483 Bla g 4
AVLALCATDTLANEDCFRHESLVPNLDYERFRGSWIIAAGTSEALTQYKCWIDRFSYDDALVSKYTDSQGKNRTTIRGRTKFEGNKFTIDYNDKGKAFSAPYSVLATDYENYAIVEGCPAAANGHVIYVQIRFSVRRFHPKLGDKEMIQHYTLDQVNQHKKAIEEDLKHFNLKYEDLHSTCH
【0162】
2326190 Bla g 5
YKLTYCPVKALGEPIRFLLSYGEKDFEDYRFQEGDWPNLKPSMPFGKTPVLEIDGKQTHQSVAISRYLGKQFGLSGKDDWENLEIDMIVDTISDFRAAIANYHYDADENSKQKKWDPLKKETIPYYTKKFDEVVKANGGYLAAGKLTWADFYFVAILDYLNHMAKEDLVANQPNLKALREKVLGLPAIKAWVAKRPPTDL
【0163】
さらなるゴキブリ配列(NCBI Entrez登録番号):
2580504; 1580797; 1580794; 1362590; 544619; 544618; 1531589; 1580792; 1166573; 1176397; 2897849。
【0164】
アレルゲン(全般)配列:
NCBI登録番号
2739154; 3719257; 3703107; 3687326; 3643813; 3087805; 1864024; 1493836; 1480457; 2598976; 2598974; 1575778; 763532; 746485; 163827; 163823; 3080761; 163825; 3608493; 3581965; 2253610; 2231297 ; 2897849; 3409499; 3409498; 3409497; 3409496; 3409495; 3409494; 3409493; 3409492; 3409491; 3409490; 3409489; 3409488; 3409487; 3409486; 3409485; 3409484; 3409483; 3409482; 3409481; 3409480; 3409479; 3409478; 3409477; 3409476; 3409475; 3409474; 3409473; 3409472; 3409471; 3409470; 3409469; 3409468; 3409467; 3409466; 3409465; 3409464; 3409463; 3409462; 3409461; 3409460; 3409459; 3409458; 3409457; 3409456; 3318885; 3396070 ; 3367732; 1916805; 3337403; 2851457; 2851456; 1351295; 549187; 136467; 1173367; 2499810; 2498582; 2498581; 1346478; 1171009; 126608; 114091; 2506771; 1706660; 1169665; 1169531; 232086; 416898; 114922; 2497701; 1703232; 1703233; 1703233; 1703232; 3287877; 3122132; 3182907; 3121758; 3121756; 3121755; 3121746; 3121745; 3319925; 3319923; 3319921; 3319651; 3318789; 3318779; 3309647; 3309047; 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1322183; 897645 ; 897647 ; 1850544 ; 1850542 ; 1850540 ; 288917; 452742; 1842045 ; 1839305; 1836011; 1836010; 1829900; 1829899; 1829898; 1829897; 1829896; 1829895; 1829894; 1825459 ; 1808987 ; 159653 ; 1773369 ; 1769849; 1769847; 608690 ; 1040877 ; 1040875; 1438761; 1311513; 1311512; 1311511; 1311510; 1311509; 1311689; 1246120; 1246119; 1246118; 1246117; 1246116; 1478293; 1478292; 1311642; 1174278; 1174276; 1086972; 1086974; 1086976; 1086978; 1086978; 1086976; 1086974; 1086972; 999009; 999356; 999355; 994866; 994865; 913758; 913757; 913756; 913285; 913283; 926885; 807138; 632782; 601807; 546852; 633938; 544619; 544618; 453094; 451275; 451274; 407610; 407609; 404371; 409328; 299551; 299550; 264742; 261407; 255657; 250902; 250525; 1613674; 1613673; 1613672; 1613671; 1613670; 1613304; 1613303; 1613302; 1613240; 1613239; 1613238; 1612181; 1612180; 1612179; 1612178; 1612177; 1612176; 1612175; 1612174; 1612173; 1612172; 1612171; 1612170; 1612169; 1612168; 1612167; 1612166; 1612165; 1612164; 1612163; 1612162; 1612161; 1612160; 1612159; 1612158; 1612157; 1612156; 1612155; 1612154; 1612153; 1612152; 1612151; 1612150; 1612149; 1612148; 1612147; 1612146; 1612145; 1612144; 1612143; 1612142; 1612141; 1612140; 1612139; 1093120; 447712; 447711; 447710; 1587177; 158542; 1582223; 1582222; 1531589 ; 1580792 ; 886215 ; 1545897; 1545895; 1545893; 1545891; 1545889; 1545887; 1545885; 1545883; 1545881; 1545879; 1545877; 1545875; 166486 ; 1498496 ; 1460058; 972513 ; 1009442 ; 1009440 ; 1009438 ; 1009436 ; 1009434 ; 7413 ; 1421808 ; 551228 ; 452606 ; 32905; 1377859 ; 1364213; 1364212; 395407; 22690 ; 22688 ; 22686 ; 22684 ; 488605 ; 17680 ; 1052817 ; 1008445 ; 1008443 ; 992612; 706811 ; 886683 ; 747852 ; 939932 ; 19003 ; 1247377 ; 1247375; 1247373; 862307 ; 312284 ; 999462 ; 999460 ; 999458 ; 587450 ; 763064 ; 886209 ; 1176397 ; 1173557 ; 902012 ; 997915; 997914; 997913; 997912; 997911; 997910; 99790; 997908; 997907; 997906; 997905; 997904; 997903; 997902; 997901; 997900; 997899; 997898; 997897; 997896; 997895; 997894; 997893; 997892; 910984; 910983; 910982; 910981; 511604 ; 169631 ; 169629 ; 169627 ; 168316 ; 168314 ; 607633 ; 555616 ; 293902 ; 485371 ; 455288 ; 166447 ; 166445 ; 166443 ; 166435 ; 162551 ; 160780 ; 552080 ; 156719 ; 156715 ; 515957 ; 515956 ; 515955 ; 515954 ; 515953 ; 459163 ; 166953 ; 386678 ; 169865。
【0165】
その他の好ましい実施形態では、ポリペプチド抗原は自己抗原であり、典型的にはこの自己抗原は二次組成物とともに、すなわち工程(2)または(3)で投与される。本方法において有用なペプチド自己抗原としては、限定されるものではないが、糖尿病においてはインスリン、グルタミン酸デカルボキシラーゼ(64K)、PM-1およびカルボキシペプチダーゼ;多発性硬化症においてはミエリン塩基性タンパク質;胎児性赤芽球症においてはrh因子;重症筋無力症においてはアセチルコリン受容体;グレーブス病においては甲状腺受容体;グッドパスチャー症候群においては基底膜タンパク質;および甲状腺炎においては甲状腺タンパク質が挙げられる。
【0166】
いずれにせよ、本明細書において用いられるペプチドアレルゲンは、一度選択すれば、当業者に知られている種々の方法を用いて得るか、かつ/または製造することができる。特に、これらのアレルゲンは標準的な精製技術を用いて天然源から直接単離することができる。あるいは、これらのアレルゲンは当技術分野で周知の発現系を用いて組換え生産し、公知の技術を用いて精製することもできる。またこれらのペプチドアレルゲンは、固相ペプチド合成などの化学ポリマー合成によって、記載のアミノ酸配列または目的の核酸分子のDNA配列に由来するアミノ酸配列に基づいて合成することもできる。このような方法は当業者に公知である。例えば、固相ペプチド合成技術に関しては、J. M. StewartおよびJ. D. Young, Solid Phase Peptide Synthesis, 第2版, Pierce Chemical Co., Rockford, IL (1984)およびG. BaranyおよびR. B. Merrifield, The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, E. GrossおよびJ. Meienhofer編, 第2巻, Academic Press, New York, (1980), 3-254頁;および従来からの液相合成に関してはM. Bodansky, Principles of Peptide Synthesis, Springer-Verlag, Berlin (1984)およびE. GrossおよびJ. Meienhofer編, The Peptide: Analysis, Synthesis, Biology, 前記, 第1巻を参照。
【0167】
抗原のT細胞エピトープ含有ペプチドとは、T細胞エピトープを含む抗原のいずれの好適なペプチドも意味する。典型的にはこの抗原のペプチドは単一のT細胞エピトープを含むペプチドであるが、2以上のT細胞エピトープを含んでもよい。しかし、以下でさらに詳細に記載するように、ペプチドの混合物であってもよい。混合物中の各ペプチドは、それらのうちの1以上がその個体内のT細胞によって認識される限り、個体内で生物学的に活性である必要は必ずしもない。これが起こるように、ペプチドまたは複数のペプチドは個体により発現されたMHC分子により(により拘束されることにより)提示される必要があるだろう。典型的には、抗原(アレルゲン)に応じて、ペプチド混合物は3または4種のペプチドを含み得るが、5または6または7または7または8または9または10または11または12、あるいはそれより多い異なるペプチドを含んでもよい。
【0168】
in vitro増殖アッセイまたはサイトカインアッセイ(共有のWO 99/34826(PCT/GB99/00080)に記載されているものなど、当技術分野で公知である)を用いることにより、ペプチドが抗原のT細胞エピトープを含むかどうかを容易に決定することができる。好ましくは、工程(1)において投与される、すなわち一次組成物中の抗原(アレルゲン)のペプチドはB細胞を刺激しないものである。典型的には、この抗原(アレルゲン)ペプチドは6〜30の間のアミノ酸、好ましくは6〜20の間のアミノ酸、より好ましくは7〜18の間のアミノ酸、最も好ましくは10〜14の間のアミノ酸を有するペプチドである。好ましくは抗原(アレルゲン)のペプチドは天然抗原(アレルゲン)の関連部分に見られるものと同じ連続するアミノ酸配列を有する。
【0169】
「抗原のペプチド」とは、そのペプチドが例えばタンパク質分解によってポリペプチド抗原から化学的に誘導されたという意味を含み、また、そのペプチドが例えばポリペプチド抗原のアミノ酸配列を用い、その配列に基づくペプチドを合成することにより、知的判断においてそのポリペプチド抗原から誘導されるという意味も含むものとする。
【0170】
「工程(1)においてペプチドが誘導されるポリペプチド抗原」とは、工程(1)において投与される、すなわち一次組成物中のペプチドまたは複数のペプチドに存在する同じT細胞エピトープを含むポリペプチド抗原を意味する。「ペプチド」とは、アミノ酸残基がペプチド(-CO-NH-)結合により連結されている分子だけでなく、ペプチド結合が逆になった分子も含むものとする。このようなレトロ-インベルソ(retro-inverso)ペプチドミメティクスは、例えばMeziereら (1997) J. Immunol. 159:3230-3237に記載されているものなど、当技術分野で公知の方法を用いて作製し得る。このアプローチには、側鎖の配向ではなく主鎖に関する変異を含むプソイドペプチド(pseudopeptide)を作製することを含む。少なくともMHCクラスIIおよびTヘルパー細胞応答に関してはこれらのプソイドペプチドが有用であることが示されている。CO-NHペプチド結合の代わりにNH-CO結合を含むレトロ-インバース(retro-inverse)ペプチドの方が、タンパク質分解耐性がはるかに高い。
【0171】
同様にこのペプチド結合は、アミノ酸残基のCα原子間のスペースを保持する適当なリンカー部分を用いるならば、全くなくすことができ、このリンカー部分がペプチド結合と実質的に同じ電荷分布および実質的に同じ平面性を有するのが特に好ましい。
【0172】
このペプチドは、エキソタンパク質分解(exoproteolytic)消化に対する感受性を低くする助けをするために、便宜的にそのNまたはC末端でブロッキングしてもよいと考えられるだろう。また、溶解度の向上、治療または予防効果の増進、または安定性(例えば、ex vivoでの保存性、およびin vivoにおけるタンパク質分解耐性)などの目的のためにペプチドの構造を改変することもできる。免疫原性を改変し、かつ/またはアレルゲン性を軽減するためにアミノ酸置換、欠失、または付加などによりアミノ酸配列が変更されているか、または同じ目的のためにある成分が付加された改変ペプチドが作製できる。例えば、T細胞エピトープ機能に必須のアミノ酸残基は公知の技術(例えば、各残基の置換およびT細胞反応性の存在又は不在の決定)を用いて決定することができる。必須であることが示された残基は、T細胞の反応性に必要でないもの(例えば、その組み込みがT細胞の反応性を増強するが、関連のあるMHCとの結合をなくさない別のアミノ酸により置換するなど)同様、改変することができる(例えば、その存在がT細胞の反応性を増強することが示されている別のアミノ酸による置換)。ペプチドの改変のもう1つの例として、ジスルフィド結合を介した二量体化を最小限にするためのシステイン残基の、好ましくはアラニンまたはグルタミン酸と、あるいはまたセリンまたはトレオニンとの置換がある。安定性および/または反応性を増強するためには、ペプチドはまた天然の対立遺伝子バリエーションから生じるタンパク質アレルゲンのアミノ酸配列に1以上の多型を組み込むよう改変することもできる。さらに、Dアミノ酸、非天然アミノ酸または非アミノ酸類似体を置換または付加して本発明の範囲内で改変ペプチドを作製することもできる。また、周知のポリエチレングリコール(PEG)法を用いてペプチドを改変し、PEGと共役したペプチドを作製することもできる。ペプチドの改変はまた、還元/アルキル化(Tarr in: Methods of Protein Microcharacterization, J. E. Silver編 Humana Press, Clifton, N.J., 155-194頁 (1986));アシル化(Tarr, 前記);エステル化(Tarr, 前記);適当な担体との化学的カップリング(MishellおよびShiigi編, Selected Methods in Cellular Immunology, W H Freeman, San Francisco, Calif. (1980); 米国特許第4,939,239号);または弱いホルマリン処理(Marsh International Archives of Allergy and Applied Immunology 41: 199-215 (1971))も含み得る。
【0173】
ペプチドはLuら (1981) J. Org. Chem. 46:3433およびその中の参照文献に開示されているようなFmoc-ポリアミド様式の固相ペプチド合成により合成してもよい。一時的なN-アミノ基保護は9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基により付与される。この極めて塩基に不安定な保護基の繰り返し切断はN,N-ジメチルホルムアミド中20%のピペリジンを用いて達成される。側鎖官能基はそれらのブチルエーテル(セリン、トレオニンおよびチロシンの場合)、ブチルエステル(グルタミン酸およびアスパラギン酸の場合)、ブチルオキシカルボニル誘導体(リシンおよびヒスチジンの場合)、トリチル誘導体(システインの場合)および4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル誘導体(アルギニンの場合)として保護すればよい。グルタミンまたはアスパラギンがC末端残基である場合、側鎖アミド官能基の保護には4,4'-ジメトキシベンズヒドリル基を用いる。固相支持体は、ジメチルアクリルアミド(主鎖モノマー)、ビスアクリロイルエチレンジアミン(クロスリンカー)およびアクリロイルサルコシンメチルエステル(官能基化剤)の3種類のモノマーから構成されるポリジメチル-アクリルアミドポリマーに基づくものである。用いるペプチド-樹脂を切断可能に結合させる薬剤は酸不安定性4-ヒドロキシメチル-フェノキシ酢酸誘導体である。アスパラギンおよびグルタミンを除き、全てのアミノ酸誘導体が、それらのプレフォーム対称無水誘導体として付加されるが、これらは逆転N,N-ジシクロヘキシル-カルボジイミド/1-ヒドロキシベンゾトリアゾール媒介カップリング法を用いて付加される。全てのカップリングおよび脱保護反応はニンヒドリン、トリニトロベンゼンスルホン酸またはイソチン試験法を用いてモニタリングされる。合成が完了したら、50%スカベンジャーミックスを含有する95%トリフルオロ酢酸で処理することにより、ペプチドを樹脂支持体から切断するとともに側鎖保護基を除去する。一般に用いられるスカベンジャーとしては、エタンジチオール、フェノール、アニソールおよび水があり、厳密な選択は合成されるペプチドの構成アミノ酸によって異なる。真空蒸発によってトリフルオロ酢酸を除去した後、ジエチルエーテルでトリチュレートして粗ペプチドを得る。簡単な抽出法により存在しているスカベンジャーを除去し、水相を凍結乾燥するとスカベンジャーを含まない粗ペプチドが得られる。ペプチド合成のための試薬は一般にCalbiochem-Novabiochem (UK) Ltd, Nottingham NG7 2QJ, UKから入手できる。精製は、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、および(主として)逆相高速液体クロマトグラフィーなどの技術のいずれか1つ、または組合せによって達成できる。ペプチドの分析は薄層クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、酸加水分解後のアミノ酸分析を用いて、また高速原子衝撃(fast atom bombardment, FAB)質量分析により行うことができる。
【0174】
好ましくは本明細書で用いるポリペプチド抗原は、そのペプチドに対して個体が持っているMHCクラスII分子に対する拘束が示すことができるものであり、そのペプチドは該MHCクラスII分子を持っている個体において後期応答を誘導することができる。このようなペプチド、このようなペプチドの組成物およびこのようなペプチドを同定する方法は共有の国際公開WO 99/34826に記載されている。
【0175】
工程(1)において投与されるペプチドは単一のペプチドであってもよいが、この一次組成物としては便宜的に複数のT細胞エピトープを含む抗原、例えば複数のペプチドを含んでもよい。この組成物中のペプチドは同じポリペプチド抗原から誘導された多重重複ペプチド(multiple overlapping peptide, MOP)であっても、またはなくてもよい。この複数のペプチドはそのポリペプチド抗原全体から誘導されてもよく、従って、これらのペプチドはその抗原のポリペプチド鎖全体にわたり得る。しかし、それらはポリペプチド抗原の一部だけから誘導されてもよく、この場合にはそのポリペプチド抗原のいくらかの部分はこの複数のペプチドには現れない(例えば、抗原から誘導されたペプチドには水溶液によく溶けないものもあり、そのため有用とは言えないものがあり、またMHCクラスII分子に対して拘束を示さないものもある)。抗原から誘導され、この組成物中に存在するMOPまたはいずれかのペプチドはポリペプチド抗原のアミノ酸配列を参照することにより設計することができる。典型的には、これらのMOPは少なくとも7アミノ酸残基、より典型的には約10〜14アミノ酸残基の長さである。これらのMOPのペプチドは、同じ配列を含むより長いペプチドに比べて低いIgE結合能を有していることが好ましい。ペプチドまたはMOPがマスト細胞の表面上のIgEと実質的に架橋できないことが特に好ましい。典型的には、MOPが重複している場合、その重複は約1または2または3または4個のアミノ酸残基である。
【0176】
この方法はポリペプチドアレルゲンに対して個体を脱感作するために用い得る。「ポリペプチドアレルゲンに対して個体を脱感作する」とは、適宜感作した個体においてアレルゲンによって誘導されるアレルギー性の組織反応の阻害または軽減を意味する。ある個体がある特定のポリペプチドアレルゲンに感受性があるかどうかはアレルゲン抽出物の溶液を用いた皮膚プリックテスト、皮膚後期応答(late phase responses, LPR)の誘導、臨床歴、アレルゲンチャレンジ、およびアレルゲン特異的IgEの測定のための放射性アレルギー吸着試験(radio-allergosorbent test, RAST)などの周知の手順を用いて評価することができ、特定の個体が治療から利益を受けることが期待できるかどうかは例えばこのような試験に基づいて医師が決定できる。
【0177】
この方法はポリペプチド自己抗原に対して個体を脱感作するために用い得る。「ポリペプチド自己抗原に対して個体を脱感作する」とは、適宜感作した個体において該抗体によって誘導される自己または同種異系組織反応の阻害または軽減を意味する。ある個体が特定の自己抗原に感受性があるかどうかは、臨床歴;対象となる抗原による末梢血単球細胞のin vitro自己抗原チャレンジ;抗原特異的免疫グロブリン(Ig)の測定、例えば血清中の臨床上有意な自己抗体または移植片抗原に対する抗体、あるいは同種異系移植後の宿主抗原の存在の測定;あるいは組織内の目視可能な、または測定可能な炎症の存在の測定など、周知の手順を用いて評価することができる。例えば、同種異系移植片の一部をなす組織、または同種異系移植片を受容した宿主、または多発性硬化症を患う個体の中枢神経系、または1型糖尿病を患う個体のインスリン炎、慢性関節リウマチを患う個体の腫脹した関節の組織、および自己免疫疾患または移植片対宿主病または宿主対移植片病を判定するために用い得る他のいずれかの臨床試験。特定の個体が治療から利益を受け得ることが期待される個体かどうかは例えばこのような試験に基づいて医師が決定できる。
【0178】
工程(2)において投与される組成物は工程(1)において投与されたペプチドのT細胞エピトープと、個体がそれに対して脱感作される異なるポリペプチド抗原の少なくとも1つのT細胞エピトープを含んでなり得る。ある好ましい実施形態では、この組成物は工程(1)で定義されたようなT細胞エピトープ含有ペプチドと、個体がそれに対して脱感作される異なる実質的に完全な抗原の融合物である。それがアレルゲンである場合、「非アナフィラキシー」型の抗原を用いるのが有利であり得る。IgEは完全タンパク質の外面上の決定基(エピトープ)を認識する。よって、脱感作しようとするペプチドまたはポリペプチドの配列がキメラタンパク質内に隠れている場合には、例えばそれをIgEから効果的に隔離することができ、従って、もし単純に完全タンパク質を投与してしまったらというリスクを侵し得る、IgEにより媒介されるアナフィラキシーの様な事象の機会が少なくなる。
【0179】
「実質的に局在する」とは、免疫系とアクセスする個体におけるある部位へ投与または送達した際に、例えば24〜48時間などの適当な時間の間その部位に少なくともいくらかの組成物が残留しており、相当な範囲に拡散または分散していないという意味を含むものとする。組成物のいくらかは投与または送達部位から拡散または分散してもよいが、本発明の背景では、抗原提示細胞(APC)によって取り込まれ、また、リクルートされた(recruited)T細胞が同じAPC中の両エピトープセットを認識するに十分な存在量が特定の部位に残留しているならば、それは実質的に局在を維持すると理解されるだろう。よって、組成物の「デポー」製剤、または投与部位における局所固定が生じることが好ましい。この組成物は物理的または化学的手段によって実質的に局在し得る。よって、典型的には、この組成物はその分子量により、または徐放性製剤として提供されることで、または投与部位に実質的な局在をもたらすさらなる分子と共役されることで実質的に局在し得る。多くの抗原では、天然抗原ポリペプチド(組換え生産抗原など)単独で投与の際に実質的に局在させるに十分であることが分かるであろう。しかし、抗原が他の何らかの薬剤と組み合わされると有益である場合がある。典型的には、この組成物はペプチドのポリマー、またはその凝集塊もしくはエマルジョンであり得る。しかし、各場合において、工程(2)において投与される組成物中では、工程(1)において投与されたペプチドのT細胞エピトープがT細胞に接近可能でなければならず、このT細胞エピトープ含有部分は、少なくとも上記のような所望の作用を有するのに十分な量および十分な時間、投与部位に維持される。
【0180】
デポー形成薬剤は水および鉱油エマルジョンを含み、ポリペプチドなどの組成物は乳化前に水相に可溶化される。コンジュゲートとしては、組成物と、APCによる取り込みを刺激し得る細菌生成物とのコンジュゲートが挙げられうる。
【0181】
この方法は工程(1)においてペプチドが誘導されたポリペプチド抗原に対して個体を脱感作するために用いることができ、この場合、工程(2)において個体は工程(1)において投与されたペプチドのT細胞エピトープおよびさらに該抗原のT細胞エピトープを含む組成物を投与すればよい。よって、一実施形態では、工程(2)において単一の組成物が投与され、この組成物は工程(1)におけるペプチドまたは複数のペプチドに対応する実質的に完全な抗原である。
【0182】
ある好ましい実施形態では、それに加え、またはその代わりに、この方法は工程(1)においてペプチドが誘導されたポリペプチド抗原以外の1以上のポリペプチドに対して個体を脱感作するために用い得る。よって、この実施形態では、組成物は、工程(1)において投与されたペプチドのT細胞エピトープを含むもの、およびそれに対して個体が脱感作される1以上のポリペプチド抗原のT細胞エピトープを含むものであり得る。あるいは、この実施形態では、工程(2)において投与される組成物が該1以上のポリペプチド抗原のT細胞エピトープを含まない場合には、この方法は、それに対して個体が脱感作される1以上のポリペプチド抗原のT細胞エピトープを含む組成物を個体にさらに投与するという工程(3)を含む。
【0183】
工程(2)において投与される組成物は、工程(1)においてペプチドが誘導された実質的に完全な抗原を含むことができる。さらに、工程(3)における組成物は、それに対して個体が脱感作される実質的に完全な抗原を含むことができる。
【0184】
いずれの理論に拘束されるものでもないが、本発明者らは、工程(1)において投与されるペプチドは、その抗原が得られた、または誘導された抗原だけでなく他のポリペプチド抗原にも及ぶ全般的な低応答性状態を生じることができると考えている。よって、工程(1)において投与されたペプチドまたは複数のペプチドによってある種の寛容が誘導される。ここでもまたいずれの理論に拘束されるものでもないが、本発明者らは、工程(2)において投与される組成物中に工程(1)において投与されたペプチドのT細胞エピトープが存在することは、適切なT細胞(すなわち、それに対して特異的な新たに誘導された免疫寛容細胞)が、組成物が実質的に局在される環境に引き入れられることを意味すると考えている。さらなる組成物(例えば、工程(3)においてそれに対して個体が脱感作される完全抗原)が投与される場合、本発明者らは、そのさらなる抗原に特異的な病原性T細胞がリクルートされ、その同じ局部に免疫寛容細胞の影響下でさらなる抗原特異的細胞がやって来て、寛容となる。工程(2)および(3)において投与される組成物はまた、特にその組成物がアレルゲンを含まない場合にはB細胞(抗体)エピトープも含み得る。当技術分野では、T細胞エピトープのいくらかはB細胞エピトープでもあり、B細胞エピトープのいくらかはT細胞エピトープであることが知られている。しかし、T細胞エピトープは常にポリペプチドの直鎖決定基であり、B細胞エピトープは例えばそのポリペプチドの異なる部分からなる非直鎖であり得る。ここでもまたいずれの理論に拘束されるものでもないが、本発明者らは抗原特異的B細胞は、工程(2)(および実施される場合には工程(3))において投与される組成物中にポリペプチド抗原のB細胞(抗体)エピトープが存在することでその環境に導かれ、また、自己免疫タンパク質または移植アレルゲンに対して脱感作する場合(自己免疫状態および移植片対宿主病または宿主対移植片病など)にこれが有利であると考えている。IgE応答およびアナフィラキシーの可能性を軽減しようとするためには、工程(2)または(3)において投与される組成物においてB細胞エピトープは存在しないか、または隠されていることが好ましい。
【0185】
本発明の第2の態様では、本発明者らは1以上のポリペプチド抗原に対して個体を脱感作する方法を提供し、その方法は、工程(1)個体が予め曝された第1の抗原のT細胞エピトープ含有ペプチド、または1クールのT細胞エピトープ含有ペプチドを含んでなる組成物を個体に投与して、その個体において第1の抗原に対する低応答性状態を生じさせ;次に、工程(2)工程(1)におけるペプチドまたは複数のペプチドに対応する実質的に完全な抗原を個体に投与し;もしそれに対して個体が脱感作されるポリペプチド抗原が工程(2)において投与された実質的に完全な第1の抗原でなければ、この方法はそれに対して個体が脱感作される実質的に完全なポリペプチド抗原または複数の抗原を個体にさらに投与する工程(3)を含む。好ましくはこの第1の抗原はアレルゲンである。
【0186】
言い換えれば、本発明の第2の態様では、1以上のポリペプチド抗原に対して個体を脱感作する方法が提供される。この方法は、第1の工程において、T細胞エピトープを含むペプチド抗原を含んでなる一次組成物を個体に投与することを含み、この個体はその抗原に予め曝されており、投与はペプチド抗原に対して低応答性状態を生じるのに十分な様式で行われる。一度、ペプチド抗原に対して低応答性状態が確立されるか、または少なくとも脱感作方向へのシフトが起こったならば、本方法はそのペプチド抗原が得られたか、または誘導された実質的に完全な抗原を含んでなる二次組成物の投与を必要とする。二次組成物の投与は、一次組成物の使用によって確立された免疫寛容形成環境を利用する形で行われ、この時には完全抗原に対する寛容を確立することが可能である。この二次組成物は別の異なる抗原(すなわち、第1のポリペプチド抗原とも、それが得られたまたは誘導された完全抗原とも異なる)とともに同時投与することができ、この第2の抗原に対して個体を脱感作することも望ましい。
【0187】
ここでもまた、工程(1)において用いられる、すなわち一次組成物中の抗原は好適ないずれの抗原であってもよい。典型的には、それはアレルゲンである。個体が工程(1)において特定された抗原に対してアレルギー性である必要は必ずしもないが、そうであることが好ましい場合がある。この点で、個体はアトピー性である必要はなく、完全抗原に対してIgE応答を生じることを必要としない。しかし、その個体は少なくとも第1の抗原には予め曝されている必要がある。典型的には、その個体はペプチドが誘導された第1の抗原に対するT細胞応答(Th1またはTh2)を具備しており、次にペプチド処置により「免疫寛容形成」とされ得る特異的T細胞(いずれの種類でも)を存在させる。よって、一実施形態では、処置を始める前にその個体が予めある抗原に曝されたかどうかを判定する。これは抗原に対する血清抗体を測定することにより、かつ/またはT細胞増殖アッセイおよび/またはサイトカインアッセイを行うことにより判定することができる。第1の工程において投与されるペプチドがハウスダストダニアレルゲンまたはネコ鱗屑アレルゲンまたは樹木もしくはイネ科草本花粉アレルゲンなどの偏在するアレルゲンに由来するものであることが好ましく、この場合には個体を試験する必要はないであろうことが理解されるだろう。
【0188】
「実質的に完全な抗原」または「実質的に完全なアレルゲン」とは、抗原またはアレルゲン分子の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%または80%または90%、最も好ましくは抗原またはアレルゲンの全てが存在するという意味を含む。抗原またはアレルゲンのパーセンテージは実質的に完全な抗原またはアレルゲンにおけるアミノ酸の数および天然抗原またはアレルゲンにおける数を参照することにより決定することができる。
【0189】
典型的には、実質的に完全な抗原またはアレルゲンは完全な抗原またはアレルゲンのT細胞エピトープの少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%または80%または90%、最も好ましくは天然抗原またはアレルゲンのT細胞エピトープの全てを有する。
【0190】
本発明の第1および第2の態様(方法)の双方において、T細胞エピトープ含有ペプチド、またはT細胞エピトープ含有ペプチドの組成物は工程(1)において一回用量として投与してもよい。しかし、このペプチドまたは複数のペプチドは、工程(2)において組成物または実質的に完全なアレルゲンを投与する前に最適な低応答性状態を達成するように1クールとして投与するのが好ましい。
【0191】
好ましい実施形態では、一次組成物の投与は段階的用量増加計画で行い、すなわち、ペプチドまたは複数のペプチドを含んでなる一次組成物を好適な期間にわたって用量を段階的に増加させて投与することができる。ペプチドまたは複数のペプチドの好適な段階的用量増加は当業者により、例えば寛容(すなわち、皮膚における注射された全抗原に対する反応性の低下)が生じる無症状用量増加(symptom-free updosing)を行うことにより決定されうる。試験する症状は便宜的には単離後期喘息反応であってもよい。完全抗原に対する皮膚試験が一般に寛容の誘導を評価するよい方法であり、in vitro T細胞増殖アッセイおよび/またはサイトカインアッセイとともに、または伴わずに行う。
【0192】
段階的用量増加計画では、典型的には各ペプチド5μgをまず投与し、次に増加用量の一次組成物を累積量90μgが投与されるまで与える。増加用量のペプチドは典型的には各投与間を数日(例えば、10〜60日、典型的には10〜20日)あけて投与する。従って、8〜16週間の期間でその累積総量を与えるとよい。
【0193】
よって、ある好ましい実施形態では、好適な投与経過は各ペプチド5μg、10μg、25μg、その後50μgの用量で、投与間を3日間〜8週間の間、好ましくは10日間〜4週間の間、より好ましくは約10〜14日あける。用量は0.1μgまたは1.0μgといったより低いものから始めてもよい。便宜的には、その後、2週間の投与間隔で100μgを1または2または3回といった「維持」用量を投与してもよい。
【0194】
典型的には、最低開始用量は約0.01〜0.1μgの間、より特には約0.05〜0.1μgの間であろう。最高開始用量は非アレルギー個体(例えば、アナフィラキシーの危険性のない自己免疫状態の治療の場合)ではさらに高くしてもよく、mgレンジであってもよいが、好ましくは100〜500μgであろう。
【0195】
低応答性状態を生じる投与経過はいずれの好適な経過であってもよい。例えば、共有の国際公開WO 99/34826 (PCT/GB99/00080)では、喘息被験者群(コホート)に、彼らのうち50%が後期喘息反応(1秒努力呼気肺活量(FEV1)における20%を超える低下と定義)を生じるまでペプチドを注射することを含む療法のために用量を決定する方法が開示されている。この「上方用量」から、さかのぼって開始用量を確定することができる。典型的には、50%LAR用量がペプチド5μgであれば、療法開始用量はその50分の1、すなわち0.1μgとすべきである。
【0196】
「個体における抗原に対する低応答性状態」とは、個体が抗原に対して、例えば抗原に対する皮膚反応の大きさの低下によって測定されるように低応答性となることを意味する。低応答性は周知の臨床パラメーターを用いて容易に決定することができる。低応答性個体は、アレルギー反応の場合にはIL-4およびIL-5、またおそらくはIFN-γなどの疾病関連サイトカインを分泌するそれらの能力と同様、抗原に対する応答を増幅する能力が低下しているため、抗原特異的T細胞を含むだろう。低応答性状態は抗原特異的非応答性、すなわち寛容を含むことが理解されるだろう。
【0197】
皮内注射、または吸入チャレンジ(喘息の場合)、または眼内投与(アレルギー性結膜炎の場合)などのチャレンジ試験を用いてもよい。皮内試験は最も簡単であり、IgE媒介性のアレルギーを持つ個体において行える。アレルギーではないが、曝されたことがある個体では、in vitro増殖および/またはサイトカインアッセイを用いてT細胞応答のダウンレギュレーションを示すことが好ましい。
【0198】
二次組成物または工程(2)および/または(3)における実質的に完全な抗原の投与時、またはそのあたりに、好適な用量(例えば、1ng/kg〜10μg/kg)のインターロイキン-10(IL-10)またはトランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β)またはインターフェロン-α(IFN-α)またはそれらの組合せなどの免疫調節組成物を投与するのが有利である場合があり、低応答性状態または免疫寛容状態の誘導を助けるのに望ましいだろう。比較的高用量のIL-10またはTGF-βまたはIFN-αを投与してもよい。
【0199】
これまでに開示した本発明のいずれに関しても、それに対して個体が脱感作されるポリペプチド抗原はアレルゲン、自己抗原または移植片抗原のいずれか1つである。このアレルゲンは本明細書の上記に開示されるいずれのアレルゲンであってもよい。さらに、自己抗原は本明細書の上記に開示されるいずれの自己抗原であってもよい。
【0200】
よって、本発明のある好ましい実施形態では、個体は、その個体が脱感作されるアレルゲンから得られたか、または誘導され、その個体内でそのアレルゲンに対する低応答性状態または寛容状態をもたらす一連のペプチドを投与される。低応答性状態または寛容状態には、1回目の投与後、発生には典型的には約2週間、例えば10〜14日の間かかるという一定の枠があり、最適となり、その後はさらなるペプチドまたは完全なタンパク質の用量が投与されない限り、徐々に低下する。さらなる用量は1回だけよりも数回の一連のペプチド投与を行った後のほうが、チャレンジ試験後のアレルゲン反応性が著しく低下することにより現れるように、誘導される寛容の程度を改善し得る(例えば図3参照)。低応答性状態はペプチドの投与回数に応じて、投与後の持続時間が異なり、この間に、個体は低応答性状態を作り出す上で用いられるペプチドに対応する完全アレルゲンを投与される。最適な時間枠は2週間〜2ヶ月の間であり得る。典型的には、ペプチドの1回投与(注射)では数ヶ月間持続し、4ヶ月後の反応性は50%に過ぎない(すなわち、ペプチドの逐次投与(例えば注射)により、2回目の投与(注射)を1回目の4ヶ月後とした場合、もとのLPRの約50%の後期応答(例えば後期喘息応答)が得られる)。典型的には、完全な反応性(応答性)は8〜12ヶ月後に戻る。しかし、複数回注射し、かつより高いペプチド総用量とした場合には低応答性はより長く持続しうる。
【0201】
典型的には、増加用量(「維持」用量を用いる、または用いない)のペプチドを含んでなる組成物の連続投与は投与間隔を数日あけて所定の期間にわたり行われる(本発明者らは現在のところ、最適な間隔は約2〜8週間であることを示している)。ペプチド投与の後、完全タンパク質の投与(それに対する低応答性の誘導も望まれるその他のタンパク質を伴う、または伴わない)が行われる。この後、完全タンパク質抗原のさらなる注射を行ってもよい。最後に、チャレンジ試験を行ってもよく、完全タンパク質抗原によるチャレンジに対する被験者の応答が測定される。
【0202】
よって、一例として、本明細書の以下の実験の節でより詳細に記載するように、ネコ鱗屑および特にネコ鱗屑アレルゲンFel d 1に対してアレルギー性であることが分かっている個体が選択される。この個体にはFel d 1 アレルゲンの一連のT細胞エピトープ含有ペプチド(例えば、以下のペプチド:EICPAVKRDVDLFLTGT(配列番号1);LFLTGTPDEYVEQVAQY(配列番号2);EQVAQYKALPVVLENA(配列番号3);KALPVVLENARILKNCV(配列番号4);RILKNCVDAKMTEEDKE(配列番号5);KMTEEDKENALSLLDK(配列番号6);KENALSLLDKIYTSPL(配列番号7);LTKVNATEPERTAMKK(配列番号8);TAMKKIQDCYVENGLI(配列番号9);SRVLDGLVMTTISSSK(配列番号10);ISSSKDCMGEAVQNTV(配列番号11);およびAVQNTVEDLKLNTLGR(配列番号12))を含んでなる組成物)が投与される。
【0203】
個体において、例えばFel d 1の皮内注射により個体を皮膚試験することによって試験できるようなFel d 1に対する低応答性状態が生じる。最終用量のペプチドを投与して1週間後、まだ低応答性状態にあるうちに、個体に完全なFel d 1アレルゲンを投与する。典型的には、例えば4または5ngといった少量のFel d 1を投与する。典型的には、この後、例えば100ng〜100μg(おそらくはそれを超える)のより高い用量を、典型的には、さらなる用量を投与する前に事前に投与されたFel d 1が免疫寛容T細胞プールの拡大を可能なように2週間あけて送達する。
【0204】
その他の抗原に対して同様の処置計画を用いることができることが理解されるだろう。抗原が自己抗原である場合には、例えば1〜10mgの自己抗原といったより高用量を用いるのが好ましくありうる。
【0205】
本発明の方法では、個体に投与される完全抗原は治療計画の一部であり、完全抗原に対する感受性を試験するためのものではない。よって、個体を脱感作する方法は具体的には、完全抗原に対する個体の感受性に対するペプチド単独投与の作用を試験する目的でなく、抗原に対する脱感作性を増強する目的で完全抗原を投与する工程を含む。
【0206】
本発明の方法は、個体がそれに対して重篤なアレルギー性であり得るアレルゲンを含んでなる一次組成物の投与を含むものではない場合、例えばミツバチ毒液ホスホリパーゼA2のペプチドを含んでなる一次組成物の投与と、その後の完全なミツバチ毒液ホスホリパーゼA2の投与、あるいはピーナッツアレルゲンのペプチドを含んでなる一次組成物の投与の後に完全なピーナッツアレルゲンの投与を含むものであることが好ましい。
【0207】
本発明のあるより好ましい実施形態では、個体にその個体が予め曝されたことがあり、かつ、個体において抗原に対する低応答性状態または寛容状態をもたらす1クールのペプチド抗原を投与し、次にその個体に、まだ低応答性状態にあるうちに、低応答性状態を作り出すのに用いたペプチドまたは複数のペプチドに対応する、すなわち、低応答性状態を作り出すのに用いたペプチドが得られたか、または誘導された完全抗原、およびさらなる異なる完全抗原、例えばアレルゲンを投与する。典型的には、1ng〜10mg、例えば10ng〜1mgの間、または100ng〜100μgの間、例えば1〜10μgの間の完全抗原を投与する。このようにして、その個体がそのペプチドに対応する完全抗原を認識することができるT細胞を有する、すなわち、それらのTh1/Th2表現型に関係なく「抗原により感作された」T細胞を有するという意味で、この個体はさらなる異なる完全抗原に(および個体がその完全抗原に対してアレルギー性でなくともそのペプチドに対応する完全抗原にも)脱感作され得る。
【0208】
典型的には、この個体はさらなる異なる完全抗原に対してアレルギー性であり、個体が脱感作されるこの抗原に対してアレルギー性である。この方法はこの技術を用いて1または2または3または4またはそれを超える抗原に対して個体を脱感作するために用いることができることが理解されよう。よって、一例として、ネコ、ハウスダストダニおよびイネ科草本に対してアレルギー性である個体の治療は、ネコ鱗屑抗原に対して低応答性状態を誘導するのに好適な経過において投与される、ネコ鱗屑アレルゲンFel d 1のペプチドを含んでなる一次組成物の投与を必要とし得る。まだ低応答性状態にあるうちに、個体に完全ネコアレルゲン(Fel d 1)、完全ハウスダストダニアレルゲンおよび完全イネ科草本アレルゲンを含んでなる二次組成物、または各完全アレルゲンを含んでなる複数の二次組成物を投与する。この方法を用いることで、個体はネコアレルゲン、ハウスダストダニアレルゲンおよびイネ科草本アレルゲンに対して脱感作し得る。
【0209】
全ての完全抗原を同時に投与する必要はないが、便宜のため、そして、免疫寛容形成環境を最良に用いるためにこれが特に好ましいことが理解されよう。2種の異なる抗原を同時または逐次投与しない場合には、ペプチドに対応する抗原をまず投与し、第2の抗原を第1の抗原と同じ部位に投与するのがはるかに好ましい。
【0210】
追加用量の1以上の完全抗原を投与するのが望ましい場合があることが理解されるだろう。典型的には、追加用量は1週間または1ヶ月に2回投与するだろう。例えば抗原チャレンジにより個体を抗原に対する反応性に関して試験(反応のサイズを測定することによる)した後、さらなる用量が必要であることが示唆された場合に追加用量を与えることができる。
【0211】
よって、本発明の方法は比較的短時間で複数のアレルゲンに対してアレルギー性である個体を治療する機会を与える。この方法はまた、いくつかのものに対しては極めて深刻にアレルギー性であるが他のものに対してはアレルギー性がより弱い個体の治療において有益である。よって、例えば、一次組成物において(工程(1)において)投与されるペプチドまたはポリペプチド抗原は弱いアレルゲンに向けることができ、次に選択されたより強いポリペプチド抗原を段階的増加用量のその強いアレルゲンを用いて投与することができる。よって、一例として、治療する個体がネコ鱗屑に対しては弱いアレルギー性であるが、ピーナッツに対しては極めて深刻にアレルギー性であるという場合、この個体は低応答性状態を誘導するためにネコ鱗屑アレルゲンの1クールのT細胞エピトープ含有ペプチドで処置することができる。この個体はその後、極めて低用量の完全ピーナッツアレルゲンと同時に一定用量の完全ネコアレルゲンを持つことになろう。この個体に次にさらなる用量のネコアレルゲンとともに段階的増加用量の完全ピーナッツアレルゲンを投与する。
【0212】
個体の必要性に応じて(例えば、その個体がどのアレルゲンに対して脱感作する必要があるのか、また、個体がどのアレルゲンに対して弱いアレルギー性であるのか、または強いアレルギー性であるのか)、個体の治療を調整するためにペプチドと完全アレルゲンの組合せを選択することができることが理解されるだろう。
【0213】
さらに、本発明の方法、特に第1の方法は自己抗原に対して、すなわち、選択されたポリペプチド抗原が自己抗原である場合に、個体を脱感作するために使用できる。自己抗原はいずれかの自己免疫疾患と何らかの関連があり得る。以下は自己免疫疾患と本発明の方法において用い得る関連自己抗原との非網羅的リストである:多発性硬化症−MBP(ミエリン塩基性タンパク質)、PLP(プロテオリピドタンパク質)、および/またはMOG(ミエリン乏突起神経膠細胞糖タンパク質);糖尿病−GAD(グルタミン酸デカルボキシラーゼ)、インスリン、および/またはIA-2(プロテインチロシンホスファターゼ様分子);慢性関節リウマチ−コラーゲンおよび/またはHSP(熱ショックタンパク質);甲状腺炎−チログロブリン;全身性紅斑性狼瘡−ヒストンタンパク質および/または免疫グロブリン重鎖;ベーチェット病−Sag(眼由来のS抗原)、HLA-B44、HLA-B51、および/またはHSP65;セリアック病/疱疹性皮膚炎−グリアジン(完全なグリアジンの使用よりむしろ、グリアジン特異的T細胞増殖をダウンレギュレートすることができるグリアジンのある画分を用いるほうが有用でありうる。好適な画分はMauranoら (2001) Scand. J. Immunol. 53:290-295に開示されているα画分であり得る)、および重症筋無力症−アセチルコリン受容体。
【0214】
本発明の方法はまた、一般に、アレルギー性でない個体における慢性関節リウマチ、糖尿病および多発性硬化症(MS)などのTh1型自己免疫状態を治療するために適用することもできる。よって、一実施形態では、個体はMSを有するが、ネコに対してのアレルギー性はない。しかし、この個体はネコ鱗屑アレルゲンに曝されているであろう。この個体に、ネコ鱗屑アレルゲンに対する好適な低応答性環境または免疫寛容形成環境を誘導するために1クールの好適なネコ鱗屑ペプチドを与え、次に、ネコ鱗屑ペプチドまたは実質的に完全なネコ鱗屑アレルゲンを含んでなる二次組成物をミエリン塩基性タンパク質と同時投与する。このようにして、ミエリン塩基性タンパク質が注射される環境に存在するネコ特異的T細胞はミエリン塩基性タンパク質特異的細胞に対する個体の不適切な免疫応答をダウンレギュレートし、それによりMSを治療するだろう。
【0215】
本発明の方法は一般に移植片(graft or transplant)拒絶を治療するためにも適用できる。例えば、移植片抗原(それに対して個体を脱感作しようと選択されるポリペプチド抗原)はHLA-A2分子またはMHC遺伝子によりコードされるその他の分子であり得る。白色人種の約50%はクラスI MHC分子HLA-A2を発現する。これは極めて免疫原性の高い分子であり、非A2受容者がA2移植片を受け取った場合、その分子に対する強いTおよびB細胞応答がある。宿主のT細胞受容体は自分自身のMHC分子によって提示されたHLA-A2由来のペプチドを認識し、反応する(これは上記のベーチェット病と同様であり、ベーチェット病ではHLA-B44とHLA-B51の両分子に共通のペプチドが抗原性ペプチドとして働いていると考えられている)。従って、このペプチドによる療法は良好な移植状態をもたらし得る。
【0216】
好適には、本発明の方法は皮膚においてTh1過敏症を引き起こすラテックス由来、またはダニ(Trichopyton tonsurans)由来のタンパク質をはじめ、病原性T細胞応答を引き起こすいずれのタンパク質に対して脱感作するためにも使用できる。
【0217】
本発明の方法は2以上のポリペプチド抗原に対して同時に個体を脱感作するために特に適していることが理解されるだろう。
【0218】
一次組成物、二次組成物および/または第1のポリペプチド抗原または第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子を含んでなる組成物のいずれか1つの投与に用いる投与経路は皮内注射、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射、経皮、鼻腔内、経口(口腔を介した吸入を含む)、眼内または髄腔内投与技術をはじめとする公知のいずれかの技術を用いて行うことができる。
【0219】
好ましい投与経路は皮内、筋肉内、静脈内および皮下注射であり、皮内または皮下注射経路が特に好ましい。もう1つの好ましい投与経路として、経皮粒子注入技術の使用によるものがある。
【0220】
一次組成物、二次組成物および他のいずれかの組成物(例えば、二次組成物と同時投与されるもの)は、一次組成物由来のポリペプチド抗原または一次組成物由来のポリペプチド抗原を含むより大きな分子の投与によって生じた局在する免疫寛容形成環境を最良に使用するために実質的に同じ部位に投与されるのが特に好ましい。しかし、当業者ならば、本明細書を読めば、一次および二次組成物は異なる投与技術を用いて異なる部位に投与することもできることが分かるであろう。
【0221】
当業者ならば、本明細書を読めば、二次組成物は一定の時間にわたって、例えば段階的増加用量計画を用いて一連の投与を行うのが望ましい場合があることが理解されるだろう。このように、低応答性環境または免疫寛容形成環境は拡張可能であると考えられる。典型的には、段階的増加用量は約1ng〜1mg、典型的には10ng〜100μg、またはより典型的には100ng〜10μgの範囲であろう。
【0222】
本発明の第2の工程において複数回の投与を行う場合、個体の実質的に同じ部位に投与するのが好ましい。典型的には、複数の選択されたポリペプチド抗原を二次組成物(または複数の二次組成物)にて投与する場合には、抗原を同時に同じ部位に、典型的には単一の組合せ組成物として投与する。しかし、脱感作のために複数の抗原を選択する場合、もちろん、複数の異なる二次組成物を2以上の異なる部位に投与することも可能である。
【0223】
ペプチド、ポリペプチド、または実質的に完全な抗原は原料の形で提供することもできるが、本方法の実施において個体に投与する種々の組成物において用いられる医薬製剤として提供するのが好ましい。医薬製剤としては本明細書で定義されたような1以上のペプチド、ポリペプチドまたは実質的に完全な抗原を、その医薬上許容される担体またはビヒクルなどの1以上の補助物質、および場合により賦形剤または安定剤などの1以上の他の成分とともに含んでなる。これら種々の担体、ビヒクルおよび賦形剤はその製剤の他の成分と共存でき、その受容者に有害でないという意味において「許容される」ものでなければならない。典型的には、注射及び最終的製剤のための担体またはビヒクルは無菌であり発熱因子を含まない。
【0224】
より詳しくは、湿潤または乳化剤、pH緩衝物質などの補助物質は賦形剤またはビヒクルとして本発明の組成物中に存在してもよい。これらの賦形剤、ビヒクルおよび補助物質は一般にその組成物を受容する個体において免疫応答を誘導せず、また、過度の毒性なく投与し得る医薬剤である。医薬上許容される賦形剤としては、限定されるものではないが、水、生理食塩水、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、グリセロールおよびエタノールなどの液体が挙げられる。そこには例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩などの鉱酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩などの有機酸の塩などの医薬上許容される塩もまた含まれうる。また、この調製物は、必要というわけではないが、組成物中のペプチド、ポリペプチドタンパク質その他の分子の安定剤として働く医薬上許容される賦形剤を含むのが好ましい。ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質の安定剤としても働く好適な担体の例としては、限定されるものではないが、医薬級のデキストロース、スクロース、ラクトース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、デキストランなどが挙げられる。その他の好適な担体としては、これもまた限定されるものではないが、デンプン、セルロース、リン酸ナトリウムまたはカルシウム、クエン酸、酒石酸、グリシン、高分子量ポリエチレングリコール(PEG)、およびそれらの組合せが挙げられる。医薬上許容される賦形剤、ビヒクルおよび補助物質の十分な考察はREMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES (Mack Pub. Co., N.J. 1991)で得られる。
【0225】
本方法の実施において有用な製剤は、経口(例えば、舌下または吸入)、非経口(皮下、経皮、皮内、筋肉内及び静脈内及び直腸を含む)、または経皮投与に好適なものを含むが、最も好適な経路は、例えば受容者の状態及び疾患によって異なりうる。製剤は便宜的に単位剤形で提供され、製薬分野で周知のいずれかの方法によって調製されうる。従って、本明細書で開示される方法は通常、本明細書で定義される本発明の組成物またはその薬理上許容される塩もしくは溶媒和物(「有効成分」)と、1以上の補助成分を構成する担体、ビヒクルまたは賦形剤と合わせる工程を含むだろう。
【0226】
経口投与に適した本発明の製剤は、各々が所定量の有効成分を含むカプセル剤、カシェ剤または錠剤などの個別単位として;粉末または顆粒として;水性液体または非水性液体中の溶液または懸濁液として;あるいは水中油型液体エマルジョンまたは油中水型液体エマルジョンとして提供してよい。また有効成分はボーラス、舐剤またはペーストとして提供してもよい。吸入用の製剤は、例えば定量投与吸入器などの有効であることが分かっているいずれかの方法で提供してよい。
【0227】
非経口投与用の製剤は、酸化防止剤、緩衝剤、抗菌剤および製剤を意図する受容者の血液と等張とする溶質を含有していてもよい水性および非水性無菌注射液;ならびに懸濁剤および増粘剤を含有していてもよい水性及び非水性の無菌懸濁液を含む。これらの製剤は、単位用量または複数用量容器、例えば密封アンプルおよびバイアルで提供してもよく、使用の直前に無菌の液状担体、例えば注射用水を添加することのみを必要とする凍結乾燥条件で保存してもよい。即時調合注射溶液および懸濁液は、これまでに記載した種類の無菌粉末、顆粒および錠剤から調製できる。
【0228】
直腸投与のための製剤は、ココアバターまたはポリエチレングリコールなどの通常の担体を伴った坐剤として提供してもよい。
【0229】
本発明のペプチド、ポリペプチドまたは実質的に完全な抗原/アレルゲンはまた、吸入により経鼻で、経口、または注射により、1投与当たり0.0001〜1μg/kgの用量で投与すればよい。好ましくは、ヒト個体当たり10ng〜10mgの範囲、10μg〜1mgまたは100μg〜1mgなどの用量であり、有利には約80μgの用量である。
【0230】
好ましい単位投与製剤は、有効量の本明細書に記載の有効成分またはその適当な画分を含有するものである。工程(1)において、すなわち一次組成物において異なる用量のペプチドまたはポリペプチドの1クールの投与、あるいは工程(2)において、すなわち二次組成物またはその他の組成物において用いる組成物または複数の組成物を投与する場合、その経過における各用量の単位投与製剤を調製すればよい。従って、投与すべき1クールのペプチドまたはポリペプチドにおいて、ペプチドの単位投与は、典型的には、各段階的増加用量において利用できる。
【0231】
いくつかの好ましい実施形態では、1以上の一次組成物、二次組成物および任意のさらなる組成物(例えば、第1のポリペプチド抗原または第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子を含んでなる組成物)は粒状(粉末)組成物として調剤することができる。より詳しくは、ペプチド、ポリペプチドまたは完全抗原を含んでなる粒子の調剤は標準的な医薬製剤化学を用いて行うことができる。例えば、これらの抗原分子を1以上の医薬上許容される賦形剤またはビヒクルと組み合わせて好適な調剤組成物を提供することができる。
【0232】
次にこれらの調剤組成物を単純蒸発(風乾)、真空乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥、噴霧凍結乾燥、噴霧コーティング、沈殿形成、超臨界溶液粒子形成などの標準的な技術を用いて粒子として調製することができる。所望により、得られた粒子を国際公開WO 97/48485に記載の技術を用いて高密度化することができる。
【0233】
これらの方法を用いて約0.01〜約250μm、好ましくは約10〜約150μm、最も好ましくは約20〜約60μmの範囲の大きさ、および約0.1〜約25g/cm3の範囲の粒子密度、および約0.5〜約3.0g/cm3またはそれより大きな嵩密度を有する核酸粒子を得ることができる。
【0234】
同様に、約0.1〜約250μm、好ましくは約0.1〜約150μm、最も好ましくは約20〜約60μmの範囲の大きさ、および約0.1〜約25g/cm3の範囲の粒子密度、および好ましくは約0.5〜約3.0g/cm3、最も好ましくは約0.8〜約1.5g/cm3の嵩密度を有する選択されたアジュバントの粒子を得ることができる。
【0235】
使用に先立ち粒子をパッケージングし得る単回単位用量または複数用量容器は、目的の抗原を含む好適な量の粒子を封入した密閉容器を含み得る。これらの粒状組成物は無菌製剤としてパッケージングすることができ、密閉容器は本発明の方法において使用するまで組成物の無菌性を保持するように設計することができる。所望により、これらの容器はニードルレスシリンジ系でそのまま使用できるように適合させることができる。このような容器はカプセル剤、ホイルポーチ剤、サシェ剤、カセットなどの形態をとり得る。適当なニードルレスシリンジは本明細書に記載されており、また、そうでなくとも当技術分野で公知である。
【0236】
粒子がパッケージングされた容器はさらに組成物を識別するためにラベルをつけ、関連の投与情報を示すことができる。さらに、容器は政府機関、例えば米国食品医薬品局(Food and Drug Administration)が指定した形で告知情報をラベル表示することができ、この告知情報はそこに含まれる抗原、アジュバント(またはワクチン組成物)の製造、使用または販売に関する連邦法のもと、当局がヒトへの投与を認可していることを示すものである。
【0237】
粒状組成物(例えば粉末)は、形成後、好適な経皮粒子注入技術を用いて個々の組織へ経皮送達することができる。経皮粒子注入に好適な種々の粒子加速化装置が当技術分野で知られており、本発明の実施に使用が見出せるだろう。特に好ましい経皮粒子注入系は無傷な皮膚および組織中へ、また、無傷な皮膚および組織を介して制御された用量で固体薬物含有粒子を発射するためニードルレスシリンジを用いる。例えば、ニードルレスシリンジ(「パウダージェクトニードルレスシリンジディバイス(PowderJect needleless syringe device)」としても知られる)を記載しているBellhouseらの米国特許第5,630,796号を参照。当技術分野ではその他のニードルレスシリンジ構造も知られており、本明細書に記載されている。好ましくは、これらの粒状組成物は国際公開第WO 94/24263号、第WO 96/04947号、第WO 96/12513号および第WO 96/20022号に記載されているものなどのニードルレスシリンジ系を用いて送達するだろう。このようなニードルレスシリンジ系からの粒子の送達は典型的には、およその大きさが一般に0.1〜250μm、好ましくは約10〜70μmの範囲である粒子を用いて実施される。約250μmより大きな粒子もこの装置から送達することができるが、大きさの上限は粒子が皮膚細胞に著しい損傷を起こす点である。送達された粒子が標的面を貫通するであろう実際の距離は粒径(例えば、おおよそ球体の粒子の幾何学を推定する公称粒径)、粒子密度、粒子が表面に衝撃を与える初速、ならびに標的とされる皮膚組織の密度および動的粘度によって異なる。これに関して、ニードルレス注射で用いるための最適な粒子密度は一般に約0.1〜25g/cm3の間、好ましくは約0.9〜1.5g/cm3の間であり、注射速度は一般に約100〜3,000m/秒またはそれ以上である。適当なガス圧を用いて平均直径10〜70μmの粒子を超音速に近い速度の駆動ガス流でノズルから加速化することができる。
【0238】
所望によりこれらのニードルレスシリンジ系は目的のペプチド、ポリペプチドまたは完全抗原を含む好適な用量の粒子を含有する予め充填済みの条件で提供することができる。この充填済みシリンジは密封容器にパッケージングすることができ、さらに上記のようにラベル表示することができる。
【0239】
粉末状組成物は投与製剤と適合する様式で、予防上および/または治療上有効であろう量で処置する個体に投与する。送達する組成物の量は一般に用量あたり核酸分子0.5μg/kg〜100μg/kgの範囲であるが、処置する被験者によって異なる。生理学上活性なペプチドおよびタンパク質の用量は一般に約0.1μg〜約20mg、好ましくは10μg〜約3mgの範囲である。厳密な必要量は処置する個体の年齢および全身状態、処置する症状の重篤度、送達する特定の調製物、投与部位ならびにその他の要因に応じて変わるだろう。適当な有効量は当業者によって容易に決定することができる。
【0240】
本発明の第3の態様では、本発明者らは1以上のポリペプチド抗原に対して個体を脱感作するための治療系(または、パーツキットと呼んでもよい)を提供する。この系は(1)ある抗原のT細胞含有ペプチド、または複数のT細胞エピトープ含有ペプチド、および(2)(1)で定義されたペプチドのT細胞エピトープを含み、さらにそれに対して個体が脱感作される1以上のポリペプチド抗原のT細胞エピトープを含む組成物(この組成物はその投与部位に実質的に残留することができる)を含んでなる。
【0241】
言い換えれば、本発明の第3の態様では、本発明者らは1以上のポリペプチド抗原に対して個体を脱感作するための治療系を提供する。この系はT細胞エピトープを含む第1のポリペプチド抗原を含んでなる一次組成物と、第1のポリペプチド抗原およびそれに対して個体が脱感作される少なくとも1つの第2の異なる抗原を含んでなる二次組成物を含む。
【0242】
典型的には、投与部位に残留することができる組成物は投与部位に局在する、または局在するし得るように調剤される。好適な組成物および製剤は本発明の方法に関して上記されている。便宜的には、二次組成物は一次組成物中に存在するペプチドまたは複数のペプチドに対応する実質的に完全な抗原を含む。好ましくはこのポリペプチド抗原はアレルゲンである。典型的には、二次組成物は第1のポリペプチド抗原のT細胞エピトープと、異なるポリペプチド抗原の少なくとも1つのT細胞エピトープを含む。二次組成物はT細胞エピトープ含有ペプチドと、異なる実質的に完全なポリペプチド抗原との融合物を含み得る。
【0243】
本発明の第4の態様では、本発明者らはその各々がT細胞エピトープを含む1以上のポリペプチド抗原に対して個体を脱感作するための治療系(または、パーツキットと呼んでもよい)を提供する。この系は(1)T細胞エピトープを含む1以上のペプチド抗原、(2)(1)で定義されたペプチドのT細胞エピトープを含む組成物、および(3)異なるポリペプチド抗原のT細胞エピトープを含む組成物を含んでなり、(2)および(3)で定義された組成物はそれらの投与部位に局在し得る。典型的には、(2)で定義された組成物は(1)で定義されたペプチドまたは複数のペプチドに対応する実質的に完全な抗原であり、(3)で定義された組成物は実質的に完全な抗原である。好ましくは抗原はアレルゲンである。
【0244】
本発明の第5の態様では、本発明者らは1以上のポリペプチド抗原に対して個体を脱感作するための治療系(または、パーツキットと呼んでもよい)を提供し、この系はT細胞エピトープを含む1以上のペプチド抗原と、ペプチド抗原または複数のペプチド抗原に対応する第1の実質的に完全な抗原を含んでなる。典型的には、この系は第1の実質的に完全なアレルゲンとは異なる第2の実質的に完全なポリペプチド抗原をさらに含む。好ましくは抗原はアレルゲンである。
【0245】
よって、本発明は、選択された抗原(例えば、アレルゲン)に対して個体を脱感作するための種々の治療系(またはパーツキット)を含む。この系は本明細書において上記で定義されたペプチド抗原と実質的に完全な抗原を含み、両成分ともその抗原に対して個体を脱感作するための治療様式で用いるものである。典型的には、このパーツキットは治療様式において2つの成分を用いるための使用説明書を含む。好適には、このペプチド抗原は好適な個体に投与された場合、それが誘導された抗原に対する個体の低応答性状態を生じるものである。この種の治療系の一例として、以下のペプチド:EICPAVKRDVDLFLTGT(配列番号1);LFLTGTPDEYVEQVAQY(配列番号2);EQVAQYKALPVVLENA(配列番号3);KALPVVLENARILKNCV(配列番号4);RILKNCVDAKMTEEDKE(配列番号5);KMTEEDKENALSLLDK(配列番号6);KENALSLLDKIYTSPL(配列番号7);LTKVNATEPERTAMKK(配列番号8);TAMKKIQDCYVENGLI(配列番号9);SRVLDGLVMTTISSSK(配列番号10);ISSSKDCMGEAVQNTV(配列番号11);AVQNTVEDLKLNTLGR(配列番号12);および配列番号1〜12のいずれか1以上に実質的に相同なペプチドの1以上などのFel d 1ペプチド、および完全なFel d 1を含むものがある。このようにFel d 1ペプチドおよび完全なFel d 1は治療様式において治療的に用いられる。この種の系はその他の成分を用いて脱感作の有効性を確立するため場合により完全アレルゲン(例えば完全Fel d 1)を含んでもよい。
【0246】
本発明はまた、定義されたような抗原(例えばアレルゲン)の1クールのペプチドと実質的に完全な抗原を含む治療系(パーツキット)も含む。この系は1クールのペプチドと1クールの実質的に完全な抗原を含み得る。抗原の1クールのペプチドは好適な個体に投与された場合、それが得られた、または誘導された抗原に対する個体の低応答性状態を生じるものである。典型的には、上記のように、1クールのペプチドは段階的増加用量の1クールのペプチドであり得る。一実施形態では、治療系はT細胞エピトープを含む単一のペプチド抗原を含み得るが、これは個体に対して段階的増加用量で投与するため、一連の段階的増加濃度または段階的増加単位用量で個別にパッケージングされて存在しうる。さらなる実施形態では、この系はこの系は個別にパッケージングされているか、または一緒にパッケージングされている(例えば同じ無菌発熱因子非含有水溶液中に存在する)異なるペプチド抗原を含み得る。好適には、いくつかの実施形態において、個体に段階的増加用量で投与するため、複数のペプチドが一連の段階的増加濃度または段階的増加単位用量でパッケージングされる。その他の好適な組合せは、当業者ならば本明細書の教示が得て容易に考案できる。
【0247】
また、アレルゲンも、段階的増加用量で個体に投与するために一連の段階的増加濃度または段階的増加単位用量でパッケージングし得る。
【0248】
よって、一例として、ネコ鱗屑に対して個体を脱感作するための治療系は、5μg、10μg、25μgおよび50μgの単位用量で個別にパッケージングされたEICPAVKRDVDLFLTGT(配列番号1)、LFLTGTPDEYVEQVAQY(配列番号2)、EQVAQYKALPVVLENA(配列番号3)、KALPVVLENARILKNCV(配列番号4)、RILKNCVDAKMTEEDKE(配列番号5)、KMTEEDKENALSLLDK(配列番号6)、KENALSLLDKIYTSPL(配列番号7)、LTKVNATEPERTAMKK(配列番号8)、TAMKKIQDCYVENGLI(配列番号9)、SRVLDGLVMTTISSSK(配列番号10)、ISSSKDCMGEAVQNTV(配列番号11)、AVQNTVEDLKLNTLGR(配列番号12)、および配列番号1〜12のいずれか1以上に実質的に相同なペプチドから選択されるいずれか1以上のペプチド、および1ng〜50μgの単位用量で個別にパッケージングされた完全Fel d 1抗原を含む。完全なFel d 1アレルゲンを投与する前にFel d 1に対して最適な低応答性状態を得るためにそれらのペプチドをどのように投与するかを医師に指示する適切な使用説明書を提供してもよい。その他の抗原に対する脱感作のためにも同様の治療系およびキットを考案することができる。
【0249】
ある好ましい実施形態では、本発明は複数の抗原(例えば、複数のアレルゲン)に対して個体を脱感作するための治療系を含む。この系は個体が予め曝されているペプチド抗原、そのペプチドに対応する、すなわちそのペプチド抗原が得られた、または誘導された実質的に完全な抗原、およびそれに対して個体が脱感作される1以上の実質的に完全な抗原を含む。典型的には、この治療系は上記のようなペプチド、複数のペプチドまたは1クールのペプチド、およびそのペプチドまたは複数のペプチドに対応する抗原を含む。しかし、この治療系はさらにそれに対して個体が脱感作される1以上の完全抗原を含む。
【0250】
よって、一実施形態では、治療系はピーナッツアレルゲンに対して個体を脱感作するためのものである。個体はネコ鱗屑アレルゲンに曝されているが(ネコ鱗屑に対してはアレルギー性でなくともよいが)、ピーナッツアレルゲンに対してはアレルギー性である。この系は低応答性状態を作り出すための1クールのFel d 1ペプチド、完全Fel d 1、および段階的増加用量の一連の完全なピーナッツアレルゲンを含む。
【0251】
もう1つの実施形態では、治療系はネコ鱗屑、ハウスダストダニおよびイネ科草本花粉に対して個体を脱感作するためのものである。個体はネコ鱗屑アレルゲン、ハウスダストダニアレルゲンおよびイネ科草本花粉に対してアレルギー性である。この系は低応答性状態を作り出すための1クールのFel d 1ペプチド、完全Fel d 1および完全ハウスダストダニアレルゲンおよび完全イネ科草本花粉アレルゲンを含む。
【0252】
本発明の第6の態様では、本発明者らは各々がT細胞エピトープを含む1以上のポリペプチド抗原に脱感作させるために、個体において抗原に対する低応答性状態を作り出す薬剤の製造における、その個体が曝されている抗原(例えばアレルゲン)のT細胞エピトープ含有ペプチドの使用を提供する。好ましくは抗原はアレルゲンである。
【0253】
本発明の第7の態様では、本発明者らはその個体において抗原に対する低応答性状態を作り出すため、個体が曝されているアレルゲンなどの抗原のT細胞エピトープ含有ペプチドまたは1クールのT細胞エピトープ含有ペプチドを投与された個体に投与するための薬剤の製造における、それに対して個体が脱感作される1以上のポリペプチド抗原のT細胞エピトープを含む組成物の使用を提供し、この組成物が投与されるペプチドまたは複数のペプチドのT細胞エピトープを含まない場合には、その個体には該T細胞エピトープを含む組成物がさらに投与されており、これらの組成物は実質的に投与部位に局在する。
【0254】
本発明の第8の態様では、本発明者らは1以上の実質的に完全なアレルゲンに対して脱感作させるため、個体において抗原に対する低応答性状態を作り出すための薬剤の製造における、個体が曝されている抗原、好ましくはアレルゲンのT細胞エピトープ含有ペプチドの使用を提供する。
【0255】
本発明の第9の態様では、本発明者らは1以上のポリペプチド抗原に対して個体を脱感作するための薬剤の製造における、個体が曝されている実質的に完全な第1の抗原、好ましくはアレルゲンの使用を提供し、ここで個体は第1の抗原のT細胞エピトープ含有ペプチド、または一連のT細胞エピトープ含有ペプチドを投与されており、その後、それに対して個体が脱感作される実質的に完全な抗原が個体に投与される。
【0256】
本発明の第10の態様では、本発明者らは抗原に対して個体を脱感作するための薬剤の製造における、個体が曝されている実質的に完全な抗原、好ましくはアレルゲンの使用を提供し、ここで個体はその抗原のT細胞エピトープ含有ペプチドまたは一連のT細胞エピトープ含有ペプチドを投与されている。
【0257】
C. 実験
以下は本発明を実施するための特定の実施形態の実施例である。これらの実施例は単に例示を目的として示されるものであり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0258】
用いられる数字(例えば、量、温度など)については正確となるように努力したが、いくらかの実験誤差および偏差をもちろん許容しなければならない。
【0259】
図1. ペプチド、次いで完全タンパク質の投与によりFel d 1に対する皮膚初期反応が軽減する。プラシーボ対照二重盲検臨床試験では、被験者に完全Fel d 1タンパク質を皮内注射し、15分の時点で反応のサイズを測定した(基準)。連続注射では、Fel d 1の配列に由来するペプチドを投与した。ペプチド用量は各ペプチド5μgで始め、投与された累積量が90μgになるまで増加させた。約2〜4週間後、完全タンパク質を注射した(完全タンパク質)。3〜6ヶ月後、完全タンパク質チャレンジを行い、15分の時点で皮膚反応の大きさを規定した(結果)。
【0260】
図2. ペプチド、次いで完全タンパク質の投与によりFel d 1に対する皮膚後期反応が軽減する。プラシーボ対照二重盲検臨床試験では、被験者に完全Fel d 1タンパク質を皮内注射し、6時間の時点で反応のサイズを測定した(基準)。連続注射では、Fel d 1の配列に由来するペプチドを投与した。ペプチド用量は各ペプチド5μgで始め、投与された累積量が90μgになるまで増加させた。約2〜4週間後、完全タンパク質を注射した(完全タンパク質)。3〜6ヶ月後、完全タンパク質チャレンジを行い、6時間の時点で皮膚反応の大きさを規定した(結果)。
【0261】
図3. ネコアレルゲン Fel d 1由来のペプチドを以下の投与計画で2週間間隔で皮内投与した:0.1μg、1.0μg、5.0μg、10.0μg、25.0μg。単離される後期喘息反応は見られなかった(n=被験者8人;データはプール)。EICPAVKRDVDLFLTGT(配列番号1)、LFLTGTPDEYVEQVAQY(配列番号2)、EQVAQYKALPVVLENA(配列番号3)、KALPVVLENARILKNCV(配列番号4)、RILKNCVDAKMTEEDKE(配列番号5)、KMTEEDKENALSLLDK(配列番号6)、KENALSLLDKIYTSPL(配列番号7)、LTKVNATEPERTAMKK(配列番号8)、TAMKKIQDCYVENGLI(配列番号9)、SRVLDGLVMTTISSSK(配列番号10)、ISSSKDCMGEAVQNTV(配列番号11)、およびAVQNTVEDLKLNTLGR(配列番号12)。
【実施例】
【0262】
[実施例1]
Fel d 1に対する脱感作
本実施例では、二重盲険プラシーボ対照研究において、16人の被験者に主要ネコアレルゲンFel d 1の配列に由来するペプチド:EICPAVKRDVDLFLTGT(配列番号1)、LFLTGTPDEYVEQVAQY(配列番号2)、EQVAQYKALPVVLENA(配列番号3)、KALPVVLENARILKNCV(配列番号4)、RILKNCVDAKMTEEDKE(配列番号5)、KMTEEDKENALSLLDK(配列番号6)、KENALSLLDKIYTSPL(配列番号7)、LTKVNATEPERTAMKK(配列番号8)、TAMKKIQDCYVENGLI(配列番号9)、SRVLDGLVMTTISSSK(配列番号10)、ISSSKDCMGEAVQNTV(配列番号11)、AVQNTVEDLKLNTLGR(配列番号12)の混合物を皮内注射した(各ペプチド5μgで始め、累積用量が90μgとなるまで用量を増加させた)。8人の対照群には希釈剤単独を与えた(プラシーボ)。次に(約1ヶ月後)、被験者および対照群に完全タンパク質を皮内注射した。最後に、3〜6ヶ月後、完全タンパク質の皮内チャレンジに対する応答を、注射後15分および6時間の時点で測定される皮膚反応の大きさ(mm2)として評価した。注射したタンパク質に対するこの反応をペプチド注射前に行った同じタンパク質チャレンジに対する反応と比較した。
【0263】
図1はペプチド、次いでタンパク質の注射が15分の時点で完全タンパク質でのチャレンジに対する皮膚応答の大きさに統計学的に有意な減少をもたらすことを示す。
【0264】
図2はペプチド単独の注射が完全タンパク質の注射に対する反応の大きさに有意な減少を起こすことができるが、ペプチド注射およびタンパク質注射の作用は、この2つの組合せがタンパク質チャレンジの6時間後に測定される3〜6ヶ月の「結果」としての注射に対する反応の大きさを著しく減少させることから、ペプチド注射単独よりもかなり大きくなることを示す。
【0265】
[実施例2]
ハウスダストダニアレルゲンDer p 1に対する脱感作
本実施例では、被験者に主要ネコアレルゲンFel d 1の配列に由来するペプチド:EICPAVKRDVDLFLTGT(配列番号1)、LFLTGTPDEYVEQVAQY(配列番号2)、EQVAQYKALPVVLENA(配列番号3)、KALPVVLENARILKNCV(配列番号4)、RILKNCVDAKMTEEDKE(配列番号5)、KMTEEDKENALSLLDK(配列番号6)、KENALSLLDKIYTSPL(配列番号7)、LTKVNATEPERTAMKK(配列番号8)、TAMKKIQDCYVENGLI(配列番号9)、SRVLDGLVMTTISSSK(配列番号10)、ISSSKDCMGEAVQNTV(配列番号11)、AVQNTVEDLKLNTLGR(配列番号12)、および配列番号1〜12のいずれか1以上と実質的に相同なペプチドの混合物を皮内注射する(各ペプチド5μgで始め、累積用量が90μgとなるまで用量を増加させる)。対照群には希釈剤単独を与える(プラシーボ)。次に(約1ヶ月後)、被験者および対照群に完全Fel d 1タンパク質をハウスダストダニタンパク質アレルゲンDer p 1と混合して皮内注射する。最後に、3〜6ヶ月後、完全Fel d 1タンパク質と完全Der p 1タンパク質との皮内チャレンジに対する応答を、注射後15分および6時間の時点で測定される皮膚反応の大きさ(mm2)として評価する。注射したタンパク質に対するこの反応をペプチド注射前に行った同じタンパク質チャレンジに対する反応と比較する。
【0266】
Fel d 1とDer p1の両者に対する皮膚反応は注射15分後および/または注射6時間後で低下すると期待される。
【0267】
[実施例3]
ハウスダストダニアレルゲンDer p 1に対する脱感作
本実施例では、被験者に主要ネコアレルゲンFel d 1の配列に由来するペプチド:EICPAVKRDVDLFLTGT(配列番号1)、LFLTGTPDEYVEQVAQY(配列番号2)、EQVAQYKALPVVLENA(配列番号3)、KALPVVLENARILKNCV(配列番号4)、RILKNCVDAKMTEEDKE(配列番号5)、KMTEEDKENALSLLDK(配列番号6)、KENALSLLDKIYTSPL(配列番号7)、LTKVNATEPERTAMKK(配列番号8)、TAMKKIQDCYVENGLI(配列番号9)、SRVLDGLVMTTISSSK(配列番号10)、ISSSKDCMGEAVQNTV(配列番号11)、AVQNTVEDLKLNTLGR(配列番号12)、および配列番号1〜12のいずれか1以上と実質的に相同なペプチドの混合物を皮内注射する(各ペプチド5μgで始め、累積用量が90μgとなるまで用量を増加させる)。対照群には希釈剤単独を与える(プラシーボ)。次に(約1ヶ月後)、被験者および対象群に予め投与されたFel p 1ペプチドをハウスダストダニタンパク質アレルゲンDer p 1由来のペプチドとともに含有するエマルジョンを皮内注射する。最後に、3〜6ヶ月後、完全Fel d 1タンパク質と完全Der p 1タンパク質の皮内チャレンジに対する応答を、注射後15分および6時間の時点で測定される皮膚反応の大きさ(mm2)として評価する。注射したタンパク質に対するこの反応をペプチド注射前に行った同じタンパク質チャレンジに対する反応と比較する。
【0268】
Fel d 1とDer p1の両者に対する皮膚反応は注射15分後および/または注射6時間後で低下すると期待される。
【0269】
[実施例4]
ミエリン塩基性タンパク質(MBP)に対する脱感作
本実施例では、被験者に主要ネコアレルゲンFel d 1の配列に由来するペプチド:EICPAVKRDVDLFLTGT(配列番号1)、LFLTGTPDEYVEQVAQY(配列番号2)、EQVAQYKALPVVLENA(配列番号3)、KALPVVLENARILKNCV(配列番号4)、RILKNCVDAKMTEEDKE(配列番号5)、KMTEEDKENALSLLDK(配列番号6)、KENALSLLDKIYTSPL(配列番号7)、LTKVNATEPERTAMKK(配列番号8)、TAMKKIQDCYVENGLI(配列番号9)、SRVLDGLVMTTISSSK(配列番号10)、ISSSKDCMGEAVQNTV(配列番号11)、AVQNTVEDLKLNTLGR(配列番号12)、および配列番号1〜12のいずれか1以上と実質的に相同なペプチドの混合物を皮内注射する(各ペプチド5μgで始め、累積用量が90μgとなるまで用量を増加させる)。対照群には希釈剤単独を与える(プラシーボ)。次に(約1ヶ月後)、被験者および対照群に、完全Fel d 1タンパク質を自己抗原ミエリン塩基性タンパク質(MBP)と混合して皮内注射する。最後に、3〜6ヶ月後、完全Fel d 1タンパク質の皮内チャレンジに対する応答を、注射後15分および6時間の時点で測定される皮膚反応の大きさ(mm2)として評価する。MBPに対する低応答性の誘導は、例えば「拡大障害状態尺度(expanded disability status scale)」(Kurtze JF. Rating neurological impairment in multiple sclerosis: an expanded disability status scale. (EDSS). Neurology 33; 1444-52 (1983)および/または「スクリプス神経学的評価尺度(the Scripps neurological rating scale)」Sharrack B & Hughes RA. Clinical scales for multiple sclerosis. J. Neurol. Sci. 135; 1-9 (1996)を用いた症状スコアの評価、および脳の磁気共鳴画像(MRI)の使用により測定する。さらに、MBPに対するin vitro T細胞応答は、増殖能およびIFNγの産生の点でを低下することが期待される。注射されたFel d 1タンパク質に対する反応はペプチド注射前に行った同じタンパク質チャレンジに対する反応と比較する。
【0270】
Fel d 1に対する皮膚反応は注射15分後および/または注射6時間後で低下する。また、上記で列挙した装置を用いて記録される症状スコアはMBPに対する反応性の低下を伴う改善を示すものと期待される。
【0271】
[実施例5]
ネコおよびイヌアレルゲンに対する脱感作
本実施例では、ネコ誘発性のアレルギー性喘息を持ち、さらにイヌアレルゲンに対するアレルギー感作を持つ個体に主要ネコアレルゲンFel d 1由来のペプチドの混合物を皮内注射した。これらのペプチドは具体的にはEICPAVKRDVDLFLTGT(配列番号1)、LFLTGTPDEYVEQVAQY(配列番号2)、EQVAQYKALPVVLENA(配列番号3)、KALPVVLENARILKNCV(配列番号4)、RILKNCVDAKMTEEDKE(配列番号5)、KMTEEDKENALSLLDK(配列番号6)、KENALSLLDKIYTSPL(配列番号7)、LTKVNATEPERTAMKK(配列番号8)、TAMKKIQDCYVENGLI(配列番号9)、SRVLDGLVMTTISSSK(配列番号10)、ISSSKDCMGEAVQNTV(配列番号11)、AVQNTVEDLKLNTLGR(配列番号12)であった。これらのペプチドを約2週間間隔で増加的分割用量で注射した。各用量は100μl量で投与し、以下の濃度の12種類の各ペプチドを含んだ:1μg、5μg、10μg、25μg、50μg、100μgおよび100μg(この順序で)。
【0272】
また、処置中の種々の時点で個体に同じ経路にて完全なネコ鱗屑抽出物30生物学的単位(BU;ALK, Horsholm, Denmarkから購入)およびイヌ鱗屑抽出物(30BU)を皮内注射した。
【0273】
両アレルゲン抽出物に対する初期(15分)および後期(6時間)アレルギー性皮膚応答の大きさを一連のペプチド注射前および注射4週間後に測定した。反応の大きさは以下の通りであった。
【表1】

【0274】
2種のアレルゲンに対する皮膚後期反応性における変化に加え、ネコ鱗屑抽出物を用いた鼻腔アレルゲンチャレンジ後の鼻腔症状スコアにおける改善により(イヌアレルゲンは行われていない)、症状に関するペプチド処置の臨床効果が確認された。
【0275】
これらの結果はあるタンパク質に由来するペプチドでの処置を用いて、1クールのペプチドの投与中または投与後間もなく完全タンパク質を同時投与すれば、その親タンパク質に対してだけでなく別のタンパク質に対する低応答性を誘導することができることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)T細胞エピトープを含みかつ個体が予め曝された第1のポリペプチド抗原または該第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子、あるいは(ii)選択されたポリペプチド抗原を含む、選択された抗原に対して個体を脱感作するための薬剤であって、投与が、
(a)該第1のポリペプチド抗原を含む一次組成物を該個体に、該第1のポリペプチド抗原に対して低応答性状態を生じるのに十分な様式で投与すること、および
(b)二次組成物を該個体に投与することによって実施され、ここで、該二次組成物は選択されたポリペプチド抗原を含み、該第1のポリペプチド抗原かまたは該第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子のいずれかと同時投与され、それにより工程(a)において生じる低応答性状態と、選択されたポリペプチド抗原と該第1のポリペプチド抗原または該第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子との同時投与とが、選択されたポリペプチド抗原に対して該個体を脱感作するのに十分なものである、上記薬剤。
【請求項2】
(i)個体を脱感作することが望まれかつ該個体が予め曝された選択されたポリペプチド抗原から得られたかまたは誘導された、T細胞エピトープを含むペプチド抗原、あるいは(ii)該選択されたポリペプチド抗原を含む選択された抗原に対して個体を脱感作するための薬剤であって、投与が、
(a)該ペプチド抗原を含む一次組成物を個体に、該ペプチド抗原に対して低応答性状態を生じるのに十分な様式で投与すること、および
(b)二次組成物を該個体に投与することによって実施され、ここで、該二次組成物は選択されたポリペプチド抗原を含み、それにより工程(a)において生じる低応答性状態と、該二次組成物の投与とが、該選択されたポリペプチド抗原に対して該個体を脱感作するのに十分なものである、上記薬剤。
【請求項3】
前記工程(b)において複数の二次組成物が個体に投与され、該二次組成物の各々が異なる選択されたポリペプチド抗原を含み、それにより複数の選択されたポリペプチド抗原に対して個体を脱感作する、請求項1に記載の薬剤。
【請求項4】
前記個体が請求項1に記載の第1のポリペプチド抗原または請求項2に記載の選択されたポリペプチド抗原に対してアレルギー性である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項5】
前記第1のポリペプチド抗原がアレルゲンから得られるか、または誘導される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項6】
請求項1に記載の第1のポリペプチド抗原または請求項2に記載の選択されたポリペプチド抗原が空中アレルゲンから得られるか、または誘導される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項7】
前記空中アレルゲンがネコ鱗屑アレルゲン、イヌ鱗屑アレルゲン、ハウスダストダニアレルゲン、花粉アレルゲン、イネ科草本アレルゲン、および食物アレルゲンからなる群から選択される、請求項6に記載の薬剤。
【請求項8】
前記ネコ鱗屑アレルゲンがFel d 1である、請求項7に記載の薬剤。
【請求項9】
前記一次組成物が、各々T細胞エピトープを含む複数の第1のポリペプチド抗原を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項10】
一次組成物がEICPAVKRDVDLFLTGT(配列番号1)、LFLTGTPDEYVEQVAQY(配列番号2)、EQVAQYKALPVVLENA(配列番号3)、KALPVVLENARILKNCV(配列番号4)、RILKNCVDAKMTEEDKE(配列番号5)、KMTEEDKENALSLLDK (配列番号6)、KENALSLLDKIYTSPL(配列番号7)、LTKVNATEPERTAMKK(配列番号8)、TAMKKIQDCYVENGLI(配列番号9)、SRVLDGLVMTTISSSK(配列番号10)、ISSSKDCMGEAVQNTV(配列番号11)、AVQNTVEDLKLNTLGR(配列番号12)、および配列番号1〜12のいずれか1以上に実質的に相同なペプチドからなる群から選択される1以上のFel d 1ペプチドを含む、請求項9に記載の薬剤。
【請求項11】
前記工程(a)が前記一次組成物の連続投与を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項12】
前記一次組成物が一定の期間にわたって前記第1のポリペプチド抗原の一連の段階的増加の用量で個体に投与される、請求項11に記載の薬剤。
【請求項13】
前記選択されたポリペプチド抗原がアレルゲンから得られるか、または誘導される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項14】
前記選択されたポリペプチド抗原が以下の供給源、すなわちラテックス;イネ科草本、樹木およびブタクサなどの植物;花粉;真菌類およびカビ類;食物;スズメバチを含む刺す昆虫;ユスリカ(chirnomidae, 刺さない蚊);クモ類およびダニ類;イエバエ、ミバエ、シープブローフライおよびラセンウジバエなどのハエ類;コクゾウムシ;カイコ;ミツバチ;ユスリカ幼虫;ハチミツガ幼虫;ゴミムシダマシ;ゴキブリ;テニブリオ・モリトール(Tenibrio molitor)甲虫の幼虫;およびネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウサギ、ラット、モルモット、マウス、およびアレチネズミなどの哺乳類のうちいずれか1以上から得られるか、またはそれから誘導されるアレルゲンである、請求項13に記載の薬剤。
【請求項15】
前記アレルゲンがDer p 1、Der p 2、Der p 3、Der p 4、Der p 5、Der p 6、Der p 7、Der p 9、Der f 1、Der f 2、Der f 3、Der f 4、Der f 7、Fel d 1鎖1または2、Hev b 1、Hev b 3、Lol p 1、Lol p 2a、Lol p 3、Lol p 5a、Lol p 5b、Lol pイソ型9、Lol p 11、Ole e 1、Par j P2、Par j P5、Par j P8、Par j P9、Par j 1、Phl p 1、Phl p 2、Phl p 5、Phl p 5b、Phl p 5a、VES V 5、VES M 1、VES V 1、VES V 2、VES VI、Bet v 1、Bet v 2、Bet v 3、Bet v 4、Que a I、Car b I、Aln g I、Rubisco、Ara h 1、Amb a 1、Amb a 2、Amb a 1.3、Amb a 1.2、Amb a 1.1、Cry j IB前駆体、Cry j IA前駆体、Cry j II前駆体、Cry j IIタンパク質、Cry j I前駆体、Can f 1、Can f 2、血清アルブミン断片、Equ c1、Equ c 2、Eur m 1、POA P 9、Cr p1、Cr p2、Bla g 2、Bla g 4、およびBla g 5からなる群から選択される、請求項14に記載の薬剤。
【請求項16】
前記選択されたポリペプチド抗原が自己抗原から得られるか、または誘導される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項17】
前記自己抗原が以下の自己免疫疾患、すなわち多発性硬化症、糖尿病、慢性関節リウマチ、甲状腺炎、全身性紅斑性狼瘡、ベーチェット病、セリアック病、または重症筋無力症のいずれか1つと関連している、請求項16に記載の薬剤。
【請求項18】
前記自己抗原がミエリン塩基性タンパク質(MBP)、プロテオリピドタンパク質(PLP)、ミエリン乏突起神経膠細胞糖タンパク質(MOG)、グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)、インスリン、IA-2(プロテインホスファターゼ様分子)、コラーゲン、熱ショックタンパク質(HSP)、チログロブリン、ヒストンタンパク質、免疫グロブリン重鎖、眼由来のS抗原(Sag)、HLA-B44、HLA B51、HSP65、グリアジン、およびアセチルコリン受容体からなる群から選択される、請求項17に記載の薬剤。
【請求項19】
前記選択されたポリペプチド抗原が移植片抗原から得られるか、または誘導される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項20】
前記一次組成物が第1の部位に投与され、前記二次組成物が第2の部位に投与される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項21】
前記一次および二次組成物が同じ部位に投与される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項22】
前記工程(b)において前記第1のポリペプチド抗原または第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子が、個体のある投与部位に投与され、該投与部位に実質的に局在されたままである、請求項1〜19のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項23】
前記第1のポリペプチド抗原または第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子が徐放性製剤で投与されるか、または油・水エマルジョンで投与される、請求項22に記載の薬剤。
【請求項24】
前記一次組成物、二次組成物、または第1のポリペプチド抗原もしくは第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子を含んでなる組成物のうち少なくとも1つが、皮内注射、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射、経皮、鼻腔内、経口、眼内、または髄腔内投与技術を用いて投与される、請求項1〜23のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項25】
前記一次組成物、二次組成物、または第1のポリペプチド抗原もしくは第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子を含んでなる組成物のうち少なくとも1つが、水性または液体担体またはビヒクルを含む、請求項24に記載の薬剤。
【請求項26】
前記一次組成物、二次組成物、または第1のポリペプチド抗原もしくは第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子を含んでなる組成物のうち少なくとも1つが、乾燥粉末形態で提供される、請求項24に記載の薬剤。
【請求項27】
前記乾燥粉末組成物が経皮粒子注入技術を用いて投与される、請求項26に記載の薬剤。
【請求項28】
(i)個体が予め曝されている、T細胞エピトープを含む第1のポリペプチド抗原、(ii)個体の脱感作を望む選択されたポリペプチド抗原、および場合により(iii)第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子、を含む製品であって、
(a)一次組成物を該個体に投与すること、および
(b)二次組成物を該個体に投与すること
を含み、ここで、
該一次組成物はT細胞エピトープを含む第1のポリペプチド抗原を含み、該個体は予め該第1のポリペプチド抗原に曝されており、該一次組成物の投与は該第1のポリペプチド抗原に対して低応答性状態が生じるのに十分な様式で行われ、
該二次組成物は、選択されたポリペプチド抗原を含み、かつ該第1のポリペプチド抗原かまたは該第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子のいずれかと同時投与され、それにより工程(a)において生じる低応答性状態と、該選択されたポリペプチド抗原と該第1のポリペプチド抗原または第1のポリペプチド抗原を含むより大きな分子との同時投与とが、該選択されたポリペプチド抗原に対して該個体を脱感作するのに十分なものである、
該選択されたポリペプチドに対して該個体を脱感作する方法において、同時、別個または逐次使用するための組合せた製剤としての前記製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−292838(P2009−292838A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215825(P2009−215825)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【分割の表示】特願2003−548873(P2003−548873)の分割
【原出願日】平成14年12月5日(2002.12.5)
【出願人】(504214682)サーカッシア リミテッド (1)
【Fターム(参考)】