説明

免震装置の交換方法

【課題】 建物に設置される免震装置を交換する際、施工中に地震が発生しても、施工箇所の免震状態を維持するとともに、ジャッキアップ装置が外れることによる柱の落下などの施工上の危険を回避することができる免震装置の交換方法を提供する。
【解決手段】 免震装置1の近傍に設置するジャッキアップ装置9と下部構造物3との間に、滑動部材としてステンレス板14を介在させることにより、このステンレス板14の免震作用により免震状態を維持したまま上部構造物4を持ち上げ、免震装置1と上部構造物4との間に隙間を作って、免震装置1を交換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部構造物と上部構造物との間に設置される免震装置の交換方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に免震装置は、免震装置としての機能を維持するために定期的な点検を行い、発錆,傷,座屈などによって所定の維持管理基準に設定された制限値を越えた場合等に、新しい免震装置に交換する必要がある。
【0003】
従来、免震装置を取り替える方法として、2つの方法が以下の特許文献において示されている。
【特許文献1】特開平11−182055号公報
【0004】
1つめの方法は図10に示すように、まず、免震装置1の近傍において、基礎となる下部構造物と上部構造物である建物躯体の下面との間にジャッキアップ装置9を設置する。
【0005】
そして固定用のボルト等を取り外した後ジャッキアップ装置9を作動させ、建物躯体をジャッキアップさせて建物の下面と免震装置1の上面との間に所要の隙間を作り、前記免震装置1を取り外す。そして、新しい免震装置を入れ替えて、ジャッキダウンさせた後、ボルト等で再度固定する。
【0006】
2つ目の方法は、免震装置が積層ゴム支承である場合に、上部構造物のジャッキアップを行わずに交換する方法であり、免震装置の周囲に当該免震装置に代わって、上部構造物である建物躯体の荷重を受ける支持部材を所要数設置して、該支持部材で建物躯体を支持させた後、免震装置の弾性体を切断して免震装置を撤去し、新しい免震装置を入れ替え、その後支持部材を撤去するというものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前記いずれの方法においても、免震装置の交換中は免震機能を有さないジャッキアップ装置9や支持部材によって上部構造物が支えられた状態となるため、もし免震装置の交換作業中に地震が起きると、施工箇所の免震効果が発揮されず、施工箇所以外の免震装置の負担が増え、構造物全体として十分な免震効果が得られず危険な状態となる。
【0008】
また、免震装置交換中の地震により下部構造物が上部構造物に対して相対的に移動すると、これに追随してジャッキアップ装置や支持部材の上端と下端との位置関係も変わるため、ジャッキアップ装置や支持部材が外れたり転倒したりすることにより、柱が落下するおそれもあり、施工上も危険がつきまとう。
【0009】
本発明は前記従来例の不都合を解消し、建物に設置される免震装置を交換する際、施工中に地震が発生しても、施工箇所の免震状態を維持するとともに、ジャッキアップ装置が外れることによる柱の落下などの施工上の危険を回避することができる免震装置の交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため本発明の免震装置の交換方法は、第1に、上部構造物と下部構造物との間に設置する免震装置の交換方法において、免震装置の近傍に設置するジャッキアップ装置と下部構造物、または、ジャッキアップ装置と上部構造物との間に滑動部材を介在させることにより、この滑動部材の免震作用により、免震状態を維持したまま上部構造物を持ち上げ、免震装置と上部構造物との間に隙間を作って免震装置を交換することを要旨とするものである。
【0011】
更にそれに加えて第2に、ジャッキアップ装置との間に滑動部材を介在させるのは、上部構造物または下部構造物のいずれか一方のみとし、他方には、角材、ブロック、若しくはH鋼をジャッキアップ装置に隣接配置して固定することにより、ジャッキアップ装置の移動規制手段を設けることを要旨とする。
【0012】
また、更にそれに加えて第3に、下部構造物の上に滑動部材を配置し、その後その上にジャッキアップ装置を設置することにより、下部構造物より上部の免震状態を維持したまま免震装置を交換すること、第4に、滑動部材としてステンレス板を使用すること、第5に、ステンレスに対する摩擦抵抗の小さい樹脂材を、ステンレス板とジャッキアップ装置との間に介在させることを要旨とするものである。
【0013】
請求項1記載の本発明によれば、建物に既設の免震装置の近傍に設置するジャッキアップ装置と下部構造物、または、当該ジャッキアップ装置と上部構造物との間に滑動部材を介在させるようにしたから、この滑動部材より上の部分は下の部分に対して滑動可能となり、互いに不追随に動くことが出来る。
【0014】
すなわち、滑動部材より下の部分が地震で揺れ動いてもその動きは滑動部材より上の部分には影響しないから、この滑動部材によって免震作用が得られ、これにより、滑動部材より上の部分について免震状態を維持することができるから、常に免震状態を維持したまま免震装置の交換作業を行うことができる。
【0015】
また、免震装置の交換作業中に地震が起きても、滑動部材を境に上下の部分が互いに不追随に滑動可能となるから、上部構造物と下部構造物との位置関係が相対的に変化しても、これに追随してジャッキアップ装置が外れたり倒れたりすることがなく、柱の落下などの施工上の危険を回避することができる。
【0016】
請求項2記載の本発明によれば、上部構造物または下部構造物のいずれか一方とジャッキアップ装置との間に滑動部材を介在させるとともに、他方には移動規制手段を設けてジャッキアップ装置の移動を規制するようにしたから、免震装置の交換中に地震が起きた場合には、ジャッキアップ装置は他方の構造物と一体的に移動するとともに、滑動部材を介在する一方の構造物に対しては完全に不追随となり、ジャッキアップ装置が外れたり転倒したりすることをより確実に防ぐことができる。
【0017】
すなわち、地震の規模や揺れの方向・滑動部材の性質などにより、滑動部材とジャッキアップ装置との間に多少の摩擦抵抗が生じ、ジャッキアップ装置が僅かに傾いた場合であっても、移動規制手段がジャッキアップ装置を支持するとともにそれ以上移動して傾くことを規制するから、ジャッキアップ装置の外れや転倒を防止することができる。
【0018】
また、移動規制手段はジャッキアップ装置が他方の構造物に対して移動することを規制するから、ジャッキアップ装置は他方の構造物と一体的に移動することとなり、滑動部材との間に生じた多少の摩擦抵抗を打ち消して、滑動部材を介在する一方の構造物に対しては完全に不追随とすることができる。つまり、より確実に免震状態を維持することができる。
【0019】
そしてこの移動規制手段は、角材、ブロック、若しくはH鋼をジャッキアップ装置に隣接配置して他方の構造物に固定すれば、他方の構造物に対するジャッキアップ装置の移動をこの角材若しくはH鋼によって規制することができるから、ジャッキアップ装置の移動規制手段を容易に実現することができる。
【0020】
請求項3記載の本発明によれば、下部構造物の上に滑動部材を配置し、その後その上にジャッキアップ装置を設置するようにしたから、下部構造物とジャッキアップ装置との間に滑動部材を容易に介在させることができる。
【0021】
また、滑動部材は下部構造物の上に載置された状態となるから、免震装置の交換作業中に起きた地震により、滑動部材に対してジャッキアップ装置が滑動して移動した場合であっても、滑動部材が落下するという事態が生じない。
【0022】
また、滑動部材としては、表面をテフロン(登録商標)加工した各種板材、十字型スライドレール、ボールベアリングなどが使用可能であるが、請求項4記載の本発明によれば、ステンレス板を使用することで、簡単な構成で安価に滑動部材を実現できるうえ、滑動の方向性にも制限が無いという利点がある。
【0023】
請求項5記載の本発明によれば、ステンレスに対して摩擦抵抗の小さい樹脂材をジャッキアップ装置とステンレス板との間に介在させるようにしたから、ステンレス板とジャッキアップ装置との間の摩擦抵抗を更に抑えて、滑動作用をより高めることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上述べたように本発明の免震装置の交換方法は、建物に設置される免震装置を交換する際、施工中に地震が発生しても、施工箇所の免震効果を維持するとともに、ジャッキアップ装置が外れることによる柱の落下などの施工上の危険を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の免震装置の交換方法の一実施形態において対象となる、免震建物に既設の積層ゴム型免震装置の、交換前の状態を示す側面図である。
【0026】
免震装置1は下部構造物3の一部として床面33より突出して設けられるコンクリート製の免震基礎7と、免震建物を支える柱8との間に設置されており、ボルト28、29により、上下のフランジ1aを、柱8下部の柱脚ベースプレート8aおよび免震基礎7に固定されている。
【0027】
なお、図示はしないが免震建物はこの免震装置1と同様の複数の免震装置1およびその上の柱8によって支えられており、柱8同士は鉄骨の梁5によって互いに連結されている。また、柱8を中心として4本の梁5が十字方向に延びているが、図中手前側の梁5は省略して示す。この柱8と梁5を含み、これより上の部分が上部構造物4として免震装置1により支えられ、免震状態となっている。
【0028】
梁5はウェブ5bの上下にフランジ5aを備えるH型鋼梁であり、まず、加圧によるウェブ5bの座屈を防止するため、免震装置1近傍の、ジャッキアップ装置の設置予定箇所上の梁5を、鋼製のスチフナ6を取り付けて補強する。スチフナ6の板厚は反力に応じたものとし、ウェブ5bの片面に2枚ずつ溶接する。
【0029】
更に図2に示すように、ジャッキアップ装置の設置予定箇所上の梁5は、隣合う梁5間に筋交い10を架渡すことにより補強する。筋交い10は金属棒の両端に金属板を溶着した端部11を備え、端部11を梁5の下側のフランジ5aに溶接して取りつける。
【0030】
なお、柱8の下に位置する免震装置1を取り囲むようにその近傍の梁5の下にジャッキアップ装置を設置するため、柱8を中心とする4本の梁5全てに同様にして筋交いを形成する。
【0031】
その後、図3に示すように、ジャッキアップ装置9の設置予定箇所である下部構造物3の床面33に滑動部材として、表面が滑らかなステンレス板14を敷く。なお、ステンレス板14の平面寸法は、予想される上部構造物4の最大振幅を基に設定する。
【0032】
そしてステンレス板14上に、適宜高さのブロック30を配置し、その上にジャッキアップ装置9を設置する。なお、ステンレス板14の滑動作用を最大限に引き出せるよう、ブロック30の下面には、金属に対する摩擦抵抗の小さい樹脂材30a、例えばPTFEを予め下面に取り付けた金属板30bを溶接して取り付けておく。樹脂材30aの面積は、加圧に対して、所定の摩擦係数が損なわれないように設定する。
【0033】
また、ジャッキアップ装置9と梁5との間には、金属性のスペーサー31を配置する。そして、梁5に対するジャッキアップ装置9の移動規制手段として、ジャッキアップ装置9上のスペーサー31に隣接させてブロック13を配置し、梁5の下面(下側のフランジ5aの下面)にクランプ材12により固定する。すなわち、スペーサー31を介してブロック13をジャッキアップ装置9に隣接配置する。
【0034】
そしてボルト28、29を取り外し、免震装置1と免震基礎7および柱8との連結を解除する。図中25は、ボルト28を撤去した後に免震基礎7に残った穴であり、図中左右両端に位置する穴25以外は省略して示す。
【0035】
この状態で4つのジャッキアップ装置9の加力を開始し、柱脚ベースプレート8aが浮き上がり免震装置1を撤去できるようになるまで、上部構造物4をジャッキアップする。この際、上部構造物4である建物1階の床の変形角が1階床の使用に支障がないことを確認しながら加圧する。また、加圧に伴い梁5に発生する応力が許容耐力以下であることも確認しながら作業を行う。
【0036】
これら2点について確認し、限界まで加力しても、免震装置1を撤去できるだけの充分なジャッキアップが行えない場合には、隣接する免震装置1近傍の他のジャッキアップ装置9も稼動して加圧する。このようにして、上部構造物4と免震装置1との間に僅かな隙間を作り、隙間ができた時点で加圧を止める。
【0037】
このとき、上部構造物4はジャッキアップ装置9によって支えられた状態となり、免震装置1によっては支えられていないため、免震装置1による上部構造物4に対する免震作用は解除された状態となる。
【0038】
しかし、ジャッキアップ装置9と下部構造物3の一部である床面33との間には、表面が滑らかなステンレス板14が介在しており、更にブロック30の存在によって、ジャッキアップ装置9は床面33に対して滑動しやすい状態となっているため、もしこの状態のときに地震が起こったとしても、このステンレス板14とブロック30により免震状態が維持される。
【0039】
すなわち、地震の揺れにより床面33が水平方向に移動したとしても、ジャッキアップ装置9はそれには追随せずに滑動するから、床面33の揺れはステンレス板14およびブロック30より上には伝わらない。
【0040】
また、ステンレス板14およびブロック30を境に上下の部分が互いに不追随に滑動可能となるから、上部構造物4と下部構造物3との位置関係が相対的に変化しても、これに追随してジャッキアップ装置9が外れたり倒れたりすることがなく、柱8の落下などの、施工上の危険を回避することができる。
【0041】
更に、地震の規模や揺れの方向、その他ステンレス板14表面の状態などにより、ステンレス板14とブロック30との間に多少の摩擦抵抗が生じ、ジャッキアップ装置9が僅かに傾いた場合であっても、ブロック13がスペーサー31を介してジャッキアップ装置9を支持するとともにそれ以上移動して傾くことを規制する移動規制手段として働くから、ジャッキアップ装置9の外れや転倒を防止することができる。
【0042】
また、ブロック13はスペーサー31を介して、ジャッキアップ装置9が上部構造物4に対して移動することを規制するから、ジャッキアップ装置9は上部構造物4と一体的に移動することとなり、ステンレス板14やブロック30との間に生じた多少の摩擦抵抗を打ち消して、下部構造物3に対しては完全に不追随とすることができる。つまり、より確実に免震状態を維持することができる。
【0043】
なお、免震装置1の交換作業中の地震により僅かにジャッキアップ装置9が傾いた場合であっても、梁5間には筋交い10が形成されているから、ジャッキアップ装置9の傾きにつられて梁5が歪むなど、上部構造物4に大きな影響がでることはない。
【0044】
このようにして上部構造物4をジャッキアップした後、図4に示すように免震装置1を横方向(図中矢印方向)にスライド移動させて撤去する。なお、新しく設置する免震装置の高さが以前に設置されていた免震装置の高さよりも小さい場合には、図5に示すように、免震基礎7上にプレキャストコンクリートブロック(以下、PCブロック)18を設置して嵩上げすることにより高さを調節する。
【0045】
そして、新たに設置する免震装置の位置を保持するための支持部材20を、古い免震基礎7の周囲に立設する。更に、古い免震基礎7とPCブロック18とを一体化して新たに設置する免震装置に合った免震基礎を作るため、図6に示すように、免震基礎7に残された穴25とPCブロック18下面に開口させて設ける穴26に、ダボ筋24を挿入する。そしてグラウトによって、ダボ筋24と穴25、26との隙間を埋めるとともに、免震基礎7とPCブロック18とを結合する。
【0046】
その後、PCブロック18上に新しい免震装置2として、例えばすべり支承型免震装置を設置する。この際、新しい免震装置2のフランジ2aとすべり板19は、仮固定治具22を用いて仮固定しておき、フランジ2aとすべり板19の相対的な位置が変化しないようにしておく。そして、PCブロック18とすべり板19の間にスペーサー16を設置して、新しい免震装置2の水平度を調整しながら、支持部材20で新しい免震装置2の位置を保持する。そして、新しい免震装置2下面とPCブロック18上面とをグラウトにより結合する。
【0047】
図7に示すように、ボルト29を仮固定した状態で、フランジ2aと柱脚ベースプレート8aとをグラウトにより結合する。グラウトが硬化したのち、ボルト29を本締めする。
【0048】
その後、ジャッキアップ装置9を減圧し、上部構造物4をジャッキダウンする。そして、図8に示すように、免震基礎7の周囲に鉄筋21を配筋し、一点鎖線で示す位置に型枠15を設け、型枠15内にコンクリートを打設して、PCブロック18および古い免震基礎7とともに支持部材20をコンクリートにより固めて下部構造物3に一体化する。
【0049】
そして図9に示すように型枠15を外し、作業完了となる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の免震装置の交換方法の一実施形態において対象となる、免震装置の交換前の状態を示す側面図である。
【図2】梁に筋交いを施した状態を示す、梁のウェブ部分での横断平面図である。
【図3】免震装置近傍にジャッキアップ装置を設置した状態を示す側面図である。
【図4】撤去途中の免震装置を示す側面図である。
【図5】古い免震基礎上にPCブロックを配置し、更に周囲に支持部材を立設した状態を示す側面図である。
【図6】作成途中の新しい免震基礎上に新しい免震装置を設置した状態を示す側面図である。
【図7】古い免震基礎とPCブロックとをグラウトで結合した状態を示す側面図である。
【図8】古い免震基礎の周囲に鉄筋を配筋した状態を示す側面図である。
【図9】新しい免震基礎の完成状態を示す側面図である。
【図10】従来の免震装置の交換方法において、免震装置の上部の構造物をジャッキアップする様子を示す側面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 免震装置 1a フランジ
2 新しい免震装置 2a フランジ
2b すべり板 2c 仮固定治具
3 下部構造物
4 上部構造物 5 梁
5a フランジ 5b ウェブ
6 スチフナ 7 免震基礎
8 柱 8a 柱脚ベースプレート
9 ジャッキアップ装置 10 筋交い
11 端部
13 ブロック 14 ステンレス板
15 型枠 16 スペーサー
18 PCブロック 20 支持部材
21 鉄筋 22 仮固定治具
23 グラウト 24 ダボ筋
25,26 穴 27 新しい免震基礎
28,29 ボルト 30 ブロック
31 スペーサー 33 床面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部構造物と下部構造物との間に設置する免震装置の交換方法において、免震装置の近傍に設置するジャッキアップ装置と下部構造物、または、ジャッキアップ装置と上部構造物との間に滑動部材を介在させることにより、この滑動部材の免震作用により、免震状態を維持したまま上部構造物を持ち上げ、免震装置と上部構造物との間に隙間を作って免震装置を交換することを特徴とする免震装置の交換方法。
【請求項2】
ジャッキアップ装置との間に滑動部材を介在させるのは、上部構造物または下部構造物のいずれか一方のみとし、他方には、角材、ブロック、若しくはH鋼をジャッキアップ装置に隣接配置して固定することにより、ジャッキアップ装置の移動規制手段を設ける請求項1記載の免震装置の交換方法。
【請求項3】
下部構造物の上に滑動部材を配置し、その後その上にジャッキアップ装置を設置することにより、下部構造物より上部の免震状態を維持したまま免震装置を交換する請求項1または請求項2に記載の免震装置の交換方法。
【請求項4】
滑動部材としてステンレス板を使用する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の免震装置の交換方法。
【請求項5】
ステンレスに対する摩擦抵抗の小さい樹脂材を、ステンレス板とジャッキアップ装置との間に介在させる請求項4記載の免震装置の交換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−163636(P2008−163636A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354192(P2006−354192)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【Fターム(参考)】