説明

入出庫管理方法、入出庫管理装置および入出庫管理システム

【課題】作業者が、部品の入出庫が行うときの作業効率を向上させる。
【解決手段】部品入出庫管理システムは、作業者が携帯するセンサモジュール10と、部品棚5に設置される部品棚無線モジュール6および部品箱7に設置される部品箱無線モジュール8と、各モジュールと通信を行う入出庫管理装置2とを備える。そして、この入出庫管理装置2は、部品IDごとに、この部品の入出庫先となる部品棚5および部品箱7を示した管理情報を記憶し、入出庫の対象となる物品が決まると、この物品の入出庫の際、移動距離が最短となるような移動経路を計算する。そして、この移動経路を示した情報を作業者のセンサモジュール10へ送信する。また、この入出庫管理装置2は、この部品の入出庫先である部品棚5および部品箱7の表示装置に対し、この作業者を誘導するための表示を行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequecy Identification)を用いた部品の入出庫管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工業製品の部品を倉庫で管理するために、RFIDタグが用いることがある。例えば、特許文献1には、部品にRFIDタグを付し、その部品が倉庫内のどの部品棚のどの位置に入庫されたか、また出庫されたかを示す情報を取得することにより、部品在庫の状況を管理する部品管理システムが開示されている。また、この特許文献1には、部品出庫を行う作業者にアクティブタグを設置し、そのアクティブタグからの送信信号を受信する無線装置を設置して、作業者の位置を把握し、出庫したい部品に最も近い作業者に出庫指示をする部品出庫管理システムが開示されている。
【特許文献1】特開2007‐290863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、作業者が部品の入出庫を行うとき、複数の部品をまとめて入出庫するため、複数の部品棚や部品箱を移動する場合が殆どである。この場合、作業者の力量によって、作業時間が大きく変動する。つまり、作業者が、部品の部品棚や部品箱の位置を認識し、最も作業効率のよい順で部品を入出庫できれば、その作業者は短い作業時間で作業を完了できる。ところが、作業者によっては、このように作業効率のよい順で部品を入出庫できない場合もある。
【0004】
そこで、本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、作業者が、部品の入出庫が行うときの作業効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記した課題を解決するため本発明は、物品の保管スペースへ物品の入庫または出庫を行う作業者が携帯する携帯装置と、物品の保管スペースそれぞれに設置される通信装置と、携帯装置および通信装置それぞれとの間で無線通信を行う入出庫管理装置とを備える入出庫管理システムとした。そして、この入出庫管理装置は、物品の物品IDごとに、この物品の保管スペースの保管スペースIDおよびこの保管スペースの位置情報を示した管理情報を記憶する記憶部を備える。また、この入出庫管理装置は、作業者の携帯する携帯装置のIDと、入庫または出庫の対象となる1以上の物品の物品IDと、携帯装置の位置情報を取得すると、この受け付けた物品IDをキーとして、記憶部の管理情報から、物品それぞれの保管スペースの位置情報を検索する。次に、入出庫管理装置は、この検索した物品それぞれの保管スペースの位置情報および取得した携帯装置の位置情報を参照して、物品の入庫または出庫の際の保管スペース間の移動距離が最短となるような移動経路を計算する。つまり、作業者の現在位置をスタート地点として、入出庫を行うときの最短経路を計算する。そして、この計算した移動経路を示した入出庫部品情報を、この物品の入出庫を行う作業者の携帯装置へ送信する。これにより、作業者はどの物品をどのような順で保管スペースを経由すれば効率よく入出庫できるかを知ることができる。また、この入出庫管理装置は、作業者の携帯装置の位置情報と、入出庫部品情報と、管理情報に示される保管スペースの位置情報とを参照して、作業者が入出庫部品の保管スペースへ向かって移動していると判断したとき、この保管スペースに設置される表示装置に対し、作業者を保管スペースへ誘導する所定の表示を行わせる。これにより、作業者は、様々な保管スペースに立ち寄りながら入出庫作業を行うとき、どの保管スペースに立ち寄ればよいかが分かりやすくなる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、作業者が、部品(物品)の入出庫作業を行うときの作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態の部品入出庫管理システムの構成例を示した図である。図1に示すように、部品入出庫管理システム(入出庫管理システム)1は、入出庫管理装置2と、RFIDタグリーダ3と、センサネット親機4と、部品棚無線モジュール(通信装置)6と、部品箱無線モジュール(通信装置)8と、センサモジュール(携帯装置)10とを含んで構成される。なお、ここで各部品は、入庫のときは部品棚5の部品箱7に入庫される。また、出庫のときには部品棚5の部品箱7から出庫される。また、本実施の形態において、入出庫の対象は部品である場合を例に説明するが、完成品である物品であってもよい。
【0008】
入出庫管理装置2は、部品入出庫管理システム1全体の制御を司る。この入出庫管理装置2は、入出庫作業者が効率よく部品の入出庫をできるような部品棚5(部品箱7)の経路(順路)を計算し、この計算した順路に従い入出庫作業者が部品の入出庫を行うよう、部品棚無線モジュール6に所定の表示を行わせる。
【0009】
RFIDタグリーダ3は、入出庫作業者が携帯するRFIDタグや、部品に付されたRFIDタグに記録された情報を読み取る。
【0010】
センサネット親機4は、入出庫管理装置2から出力された情報を、配膳台車9のセンサモジュール10や部品棚5の部品棚無線モジュール6へ送信する。また、このセンサネット親機4は、センサモジュール10や、部品棚無線モジュール8から送信された情報を受信し、入出庫管理装置2へ出力する。
【0011】
部品箱無線モジュール8は、部品箱7に設置される無線通信手段である。この部品箱無線モジュール8は、部品棚5に設置された部品棚無線モジュール6を介して入出庫管理装置2と通信を行う。
【0012】
センサモジュール10は、配膳台車9に設置され、部品棚5(例えば、この配膳台車9から最も近い部品棚5)の部品棚無線モジュール6を介して入出庫管理装置2と通信を行う。
【0013】
ここで、入出庫作業者が部品の出庫作業を行うときの手順を簡単に説明する。
【0014】
入出庫管理装置2は、表示画面上に、出庫すべき部品情報を表示させる。このような表示画面により、入出庫作業者は、出庫すべき部品情報(出庫部品情報)を確認する。入出庫管理装置2は、RFIDタグリーダ3により読み取られた当該入出庫作業者のIDと、センサモジュール10のIDとの入力を受け付ける。なお、このセンサモジュール10は、入出庫作業者が携帯してもよいし、入出庫作業者が利用する配膳台車9に搭載してもよい。
【0015】
この後、入出庫管理装置2は、センサネット親機4により、センサモジュール10へ、この入出庫作業者が出庫すべき部品の部品情報(出庫部品情報)を送信する。
【0016】
入出庫管理装置2は、入出庫作業者が携帯しているセンサモジュール10に接続されている加速度センサ11からの情報と、予め位置座標が分かっている部品棚無線モジュール6を介して受信するセンサモジュール10の位置情報(例えば、部品棚無線モジュール6とセンサモジュール10との距離情報)とから、三辺測量方式等を利用して、入出庫作業者の位置座標を計算する。また、同様に、入出庫管理装置2は、部品棚無線モジュール6を介して受信した部品箱7に設置された部品箱無線モジュール8の位置情報から三辺測量方式等を利用して、部品箱7の位置座標を計算する。
【0017】
入出庫管理装置2は、各部品が収納される部品箱7と、入出庫作業者が出庫すべき部品箱の部品情報と、センサモジュール10の位置座標情報(位置情報)と、この出庫すべき部品が収納される部品箱7の位置座標情報とに基づき、この入出庫作業者にとって作業効率が最もよい経路を計算する。そして、入出庫管理装置2は、この出庫すべき部品が入った部品箱7が保管されている部品棚5の部品棚無線モジュール6に対する表示指示を、センサネット親機4を介して送信する。
【0018】
ここで、出庫すべき部品が、図1の部品箱7a,7b,7cにある場合を例に説明する。入出庫作業者は、最も作業効率がよい部品棚5a→部品棚5b→部品棚5cの経路で出庫作業をすることを、センサモジュール10に表示されている出庫部品情報で確認する。また、部品棚5aに設置された部品棚無線モジュール6aの表示を確認する。
【0019】
入出庫管理装置2は、センサモジュール10の位置(つまり、入出庫作業者の位置)を把握し、この入出庫作業者と部品棚5aとの間の距離に応じ、部品棚無線モジュール6aに表示方法を変更させる。これによって、入出庫作業者は、出庫部品の部品棚5aに近づいているか否かを確認できる。
【0020】
次に、入出庫管理装置2は、入出庫作業者が部品棚5aに到達したことをセンサモジュール10の位置情報により判断したら、出庫対象の部品が収納される部品箱7aに入出庫作業者との距離に応じた表示方法情報を送信する。これにより、入出庫作業者は、部品棚5aのどの部品箱7から出庫すればよいかを確認できる。この後、入出庫作業者は、部品箱7aを確認し、部品を取り出したら、この部品箱7aの部品箱無線モジュール8aに接続されている表示装置の表示を消灯する操作を行う。この操作により、部品箱無線モジュール8aは、表示を消灯させ、部品棚無線モジュール6aを介して、部品の取り出し完了情報を、入出庫管理装置2へ送信する。
【0021】
入出庫管理装置2は、部品箱無線モジュール8aから、前記部品の取り出し完了情報を受信すると、センサモジュール10に当該部品の取り出し完了情報を送信する。また、部品棚5aに、さらに出庫を必要とする部品箱7がある場合、入出庫管理装置2は当該部品箱7と入出庫作業者との距離に応じた表示方法情報を送信する。一方、部品棚5aに出庫を必要とする部品箱7がない場合、入出庫管理装置2は当該部品棚無線モジュール6aに表示を消灯する情報を送信し、次に出庫を必要とする部品箱7bが保管されている部品棚5bの部品棚無線モジュール6bに入出庫作業者との距離に応じた表示方法情報を送信する。
【0022】
以下、前述した流れで入出庫作業者が、部品箱7cにあるすべての部品を取り出すと、入出庫作業者は、入出庫管理装置2に接続されたRFIDタグリーダ3により、この取り出した部品に付されたRFIDタグから部品情報を読み取る。
【0023】
入出庫管理装置2は、この読み取った部品情報と、この入出庫作業者に指示した出庫部品情報とを比較検証する。ここで読み取った部品情報と、入出庫作業者に指示した出庫部品情報とが異なるとき、そのことを入出庫管理装置2の表示装置に表示する。これにより入出庫作業者は出庫部品の誤りを認識することができる。
【0024】
次に部品入庫作業について説明する。
【0025】
入出庫管理装置2は、RFIDタグリーダ3から取得した入出庫作業者のIDと、入出庫作業者が携帯あるいは配膳台車9に搭載されるセンサモジュール10のIDと、RFIDタグリーダ3から取得した部品情報とに基づき、この当該部品を保管する部品棚5と部品箱7とを決定する。
【0026】
入出庫管理装置2は、部品入庫情報を表示画面に表示させる。そして、入庫作業が開始された旨の入力を受け付けた入出庫管理装置2は、当該センサモジュール10へ入庫部品情報をセンサネット親機4により送信する。
【0027】
また、入出庫管理装置2は、部品出庫作業と同じく、入出庫作業者の作業効率が最もよい経路を計算し、入出庫部品を保管する部品箱7が搭載されている部品棚5の部品棚無線モジュール6と入出庫作業者との距離に応じた表示方法情報を送信する。
【0028】
以下、部品出庫時と同様に、部品を部品箱7a、部品箱7b、部品箱7cの経路で入庫する例で説明する。入出力庫作業者は、部品箱7aに部品を入庫し、部品箱無線モジュール8aに接続されている表示を消灯させると、これを受けて部品箱無線モジュール8aは、部品棚無線モジュール6aを介し、入出庫管理装置2に、部品が入庫されたことを知らせる情報を送信する。
【0029】
入出庫管理装置2は、部品棚無線モジュール6aを介し、部品箱無線モジュール8aより入庫完了情報を取得すると、センサモジュール10に当該部品の入庫完了情報を送信する。また、部品棚5aに、まだ入庫を必要とする部品箱7がある場合、入出庫管理装置2は当該部品箱7に入出庫作業者との距離に応じた表示方法情報を送信する。しかし、部品棚5に入庫を必要とする部品箱7がない場合、入出庫管理装置2は、当該部品棚無線モジュール6aに表示を消灯する情報を送信し、次に部品入庫をする部品箱7bが保管されている部品棚5bの部品棚無線モジュール6bに入出庫作業者との距離に応じた表示方法情報を送信する。
【0030】
入出庫作業者が、前記した流れで部品箱7cまですべて入庫すると、入出庫管理装置2は、センサモジュール10に入庫がすべて正しく完了した旨の表示を行わせる。但し、入庫作業に何らかの誤りがあった場合、入出庫管理装置2はセンサモジュール10に入庫作業に誤りがあった旨の表示を行わせる。このようにすることで、入出庫作業者は、センサモジュール10の表示により、入庫作業が正しく完了したか否かを確認することができる。
【0031】
ここで、部品入庫時に当該部品棚5に、部品箱7が無い場合、入出庫作業者が、空き部品箱保管場所から部品箱7を持ってくる必要がある。本実施の形態では、入出庫管理装置2は、これらの部品箱7の位置情報も考慮して、経路を作成する。例えば、入出庫管理装置2は、部品棚5aでの入庫作業の次は、空き部品箱保管場所の部品箱7dを取得してから、部品棚5bに向かうといった経路を作成する。
【0032】
図2は、本実施の形態に係る入出庫管理装置の例を示した図である。図2に示すように、入出庫管理装置2は、処理部20と、通信インタフェース30と、記憶部40と、入出力インタフェース50と、表示装置60とを含んで構成される。この表示装置60は、例えば、液晶モニタ等であり、処理部20の処理によって生成される部品入出庫管理情報等を表示する。
【0033】
処理部20は、この入出庫管理装置2全体の制御を司る。通信インタフェース30は、処理部20をRFIDタグリーダ3やセンサネット親機4に接続するための電気的なインタフェース回路や通信制御回路を含んで構成される。この通信インタフェース30は、処理部20がRFIDタグリーダ3やセンサネット親機4を介してRFIDタグやセンサモジュール10と通信するのを可能にする。記憶部40は、部品入出庫管理情報等を記憶する。入出力インタフェース50は、処理部20から出力された情報を表示装置60に出力したり、キーボード等(図示省略)により入力された情報を処理部20へ出力したりするための入出力インタフェースである。
【0034】
処理部20は、情報管理部21(部品入出庫情報管理部22と、部品棚情報管理部23と、部品箱情報管理部24と、入出庫作業者情報管理部25)と、表示処理部26と、表示処理部27とを含んで構成される。これらの構成の詳細は、後記する。
【0035】
記憶部40は、部品入出庫管理情報記憶部41と、部品棚管理情報記憶部42と、部品箱管理情報記憶部43と、入出庫作業者管理情報記憶部44とを記憶する。これらの詳細は、後記する。
【0036】
なお、処理部20の機能は、この入出庫管理装置2が備えるCPU(Central Processing Unit)によるプログラム実行処理により実現される。また、記憶部40は、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の記憶媒体により実現される。
【0037】
<センサモジュール>
次に、センサモジュール10を説明する。図3は、本実施の形態に係るセンサモジュールの例を示した図である。センサモジュール10は、CPU51と、通信部52と、加速度センサモジュール11と、表示処理部55と、表示装置56とを含んで構成される。このとき、センサモジュール10は、必要に応じて、温度センサモジュール、湿度センサモジュール等を備えていてもよい。
【0038】
図3において、CPU51は、例えば、所定時間ごとに、加速度センサモジュール11から入力される加速度値等のセンシングデータを取得し、その取得したセンシングデータを、通信部52を介して入出庫管理装置2へ送信する機能を有する。この機能は、CPU51が図示しないメモリに格納された所定のプログラムを実行することによって実現される。なお、この加速度センサモジュール11は、少なくともx軸方向およびy軸方向の加速度を検出するセンサモジュールである。
【0039】
通信部52は、UWB(Ultra Wide Band)等を用いた無線通信により部品棚無線モジュール6との間で通信を行う通信回路を含んで構成される。また、加速度センサモジュール11は、入出庫作業者や配膳台車9の移動時の振動等による加速度を検知する加速度センサにより構成され、その加速度センサにより検知した加速度の値をCPU51へ入力する。
【0040】
表示処理部55は、通信部52に介して入出庫管理装置2から送信される入出庫部品情報を表示装置56に表示させる処理を行う。
【0041】
なお、図3において図示を省略しているが、このセンサモジュール10はメモリを備える。このメモリは、通常、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリによって構成され、その一部には、センサモジュール10をユニークに識別するためのIDが予め書き込まれている。このIDは、センシングデータの取得装置を識別するデータとして、センシングデータに付されて入出庫管理装置2へ送信される。本実施の形態では、1人の入出庫作業者または1つの配膳台車9に、1つのセンサモジュール10が対応するように設けられるので、センサモジュール10のIDを、入出庫作業者または配膳台車9を識別するIDとして利用が可能である。
【0042】
図4は、本実施の形態に係る部品箱無線モジュールの例を示した図である。部品箱無線モジュール8は、その制御主体であるCPU61と、通信部62と、表示処理部63と、表示装置64とを含んで構成される。この通信部62は、図2の部品棚無線モジュール6と通信を行うための回路を含んで構成される。図4において、表示処理部63は、通信部62を介して受信した入出庫管理装置2からの表示方法情報を基に、表示装置64の表示処理を行う。また、ここでは図示を省略しているが、この部品箱無線モジュール8は、入出庫作業者が出庫時および入庫時に押すボタンおよびこのボタンを押した情報をCPU61に入力する回路を備えるものとする。
【0043】
図5は、本実施の形態に係る部品棚無線モジュールの例を示した図である。部品棚無線モジュール6は、その制御主体であるCPU71と、通信部72と、表示処理部73と、表示装置74とを含んで構成される。通信部72は、センサモジュール10と、部品箱無線モジュール8と、センサネット親機4と通信が行える回路を含んで構成される。図5において、表示処理部73は、通信部72を介して受信した入出庫管理装置2からの表示方法情報を基に、表示装置74に表示する処理を行う。また、この部品棚無線モジュール6は、センサモジュール10との距離を検出する手段を備える(図示省略)。そして、この部品棚無線モジュール6は、センサモジュール10との距離を検出すると、この距離の値を、通信部72を介して入出庫管理装置2へ送信する。
【0044】
次に、図6〜図9を用いて記憶部40に記憶される各情報を説明する。図6は、本実施の形態に係る部品入出庫情報の例を示した図である。この部品入出庫管理情報は、図6に示すように、部品ごとに、その部品の製品情報、工程情報、部品番号、部品品名、数量、部品棚番号、部分箱番号、入出庫情報を含んで構成され、入出庫管理情報記憶部41に記憶される。
【0045】
ここで、製品情報は、製造させる部品を識別する情報である。工程情報は、筐体組立や回路基板組立等部品が使われる工程の識別情報や工程の名称等である。部品番号と部品品名は、当該部品を識別する情報である。数量は、当該製品および工程で必要な当該部品の数量情報である。部品箱番号は、当該部品を入れる、あるいは、当該部品が入っている部品箱7の番号である。部品棚番号は、当該部品が入っている部品箱7の収納される部品棚5の番号である。入出庫情報は、当該部品が入庫された、または、出庫されたことを表す情報である。
【0046】
図7は、本実施の形態に係る部品棚管理情報の例を示した図である。部品棚管理情報は、図7に示すように、部品棚5の部品棚番号ごとに、この部品棚無線モジュールID(通信装置ID)、部品棚位置情報を含んで構成され、部品棚管理情報記億部42に記憶される。
【0047】
ここで、部品棚番号は、部品棚5を識別する情報である。部品棚無線モジュールIDは、当該部品棚5に設置された部品棚無線モジュール6を識別する情報である。部品棚位置情報は、部品棚5が設置される部屋や倉庫等における位置座標情報である。なお、この部品棚位置情報は、前記した部屋や倉庫等を格子状に区切ったときの升目の番号等でもよい。
【0048】
図8は、本実施の形態に係る部品箱管理情報の例を示した図である。部品箱管理情報は、図8に示すように、部品箱7の部品箱番号ごとに、部品箱無線モジュールID(通信装置ID)、部品搭載状況、部品箱位置情報を含んで構成され、部品箱管理情報記憶部43に記憶される。なお、この部品搭載状況は、この部品箱に部品が入っているか否かを示す情報であり、部品箱無線モジュール8から送信される部品の出庫作業完了の情報や入庫作業完了の情報をもとに更新される。
【0049】
ここで、部品箱番号は、部品箱7を識別する情報である。部品箱無線モジュールIDは、当該部品箱7に設置された部品箱無線モジュール8を識別する情報である。部品搭載状況は、当該部品箱7に部品が入っているか否か等を示す情報である。部品箱位置情報は、部品棚5が設置されている部屋や倉庫等における位置座標情報である。なお、この部品箱位置情報も、格子状に区切った升目の番号等でもよい。
【0050】
図9は、本実施の形態に係る入出庫作業者管理情報の例を示した図である。入出庫作業者管理情報は、図9に示すように、入出庫作業者IDごとに、この入出庫作業者が持つセンサモジュールID(装置ID)、加速度情報、センサモジュール位置情報等を含んで構成され、入出庫作業者管理情報記憶部44に記憶される。
【0051】
ここで、入出庫作業者IDは入出庫作業者を識別する情報である。センサモジュールIDは、当該入出庫作業者に携帯されるセンサモジュール10を識別する情報である。加速度情報は、当該センサモジュール10からセンサネット親機4を介して送られてきた加速度情報である。センサネット位置情報は、部品棚5が設置されている部屋や倉庫等における位置座標情報である。なお、このセンサネット位置情報も、前記した部屋や倉庫等を格子状に区切った升目の番号等でもよい。
【0052】
なお、本実施の形態において、記憶部40に記憶される各管理情報は別個のものとして説明したが、これらをまとめた1つの管理情報として記憶されていてもよい。
【0053】
次に、処理部20の各構成について詳細に説明する。
【0054】
図1の処理部20の部品入出庫情報管理部22は、入出庫作業者が部品出庫を行おうとしたときに、部品入出庫管理情報、部品棚管理情報および部品箱管理情報を参照して、この出庫部品を最も効率よく部品を出庫できる経路を計算し、記憶部40に記録する。また、この経路を、表示処理部26により表示装置60に表示させる。また、この出庫部品と、この部品を出庫するときの経路を示した出庫部品情報を作成し、この出庫部品情報を、センサネット親機4を介してセンサモジュール10へ送信する。
【0055】
また、部品入出庫情報管理部22は、入出庫作業者が部品入庫を行おうとしたときも同様に、部品入出庫管理情報、部品棚管理情報および部品箱管理情報を参照して、この入出庫作業者が最も効率よく部品を入庫できる経路を計算し、記憶部40に記録する。また、この経路を、表示処理部26により表示装置60に表示させる。また、この入庫部品と、この部品を入庫するときの経路を示した出庫部品情報を作成し、この入庫部品情報を、センサネット親機4を介してセンサモジュール10へ送信する。
【0056】
部品棚情報管理部23は、部品棚番号と部品棚無線モジュールIDとを対応付け、部品棚5および部品棚無線モジュール6を新規に設置あるいは設置場所の変更するとき、図7に示す部品棚番号、部品棚無線モジュールID、部品棚位置情報を部品棚管理情報記憶部27に記録する。
【0057】
部品箱情報管理部23は、部品箱番号と部品箱無線モジュールIDを対応付け、部品箱無線モジュール8からセンサネット親機4を介して送られてくる、図8に示す部品搭載状況および部品箱位置情報を部品箱管理情報記憶部43に記録する。
【0058】
入出庫作業者情報管理部25は、RFIDタグリーダ3から入力される入出庫作業者IDと入出庫作業者が入力するセンサモジュールIDとを対応付け、センサモジュール10からセンサネット親機4を介して送られてくる、図9に示す加速度情報、センサモジュール位置情報を入出庫作業者管理情報記憶部44に記録する。
【0059】
表示処理部26は、各管理部からの指示に従い、記憶部40の情報を、表示装置60に表示する。例えば、部品入出庫情報管理部22は、入出庫作業者が部品の出庫作業に入る場合には、部品入出庫管理情報記憶部41より情報を取り出し、表示処理部26を介して、出庫する部品情報を表示する。
【0060】
この表示処理部26は、入出庫作業者と、部品棚5または部品箱7との距離に応じた表示方法情報を、部品棚5または部品箱7にセンサネット親機4を介して送信する。このときの表示方法情報は、入出庫作業者の移動によって更新される図9の入出庫作業者管理情報の加速度情報、センサモジュール位置情報と、図7の部品棚管理情報または図8の部品箱管理情報とにより、この入出庫作業者と部品棚5または部品箱7との距離を求め、その距離をもとに判断される。
【0061】
<出庫処理フロー>
次に、図10を用いて、入出庫管理装置2の部品出庫処理の処理フローを説明する。図10は、本実施の形態に係る入出庫管理装置の部品出庫処理の処理フローの例を示した図である。
【0062】
図2の入出庫管理装置2の処理部20は、出庫が必要な部品群の情報を、入出庫作業者の移動経路が最短経路になるように並べた出庫部品情報を作成し、表示装置60に表示する(ステップS01)。つまり、処理部20は、出庫が必要な部品群について、図6の部品入出庫管理情報を参照して、それぞれの部品がどの部品棚5のどの部品箱7にあるかを判断する。そして、部品棚管理情報(図7参照)、部品箱管理情報(図8参照)に示されるこの部品棚5および部品箱7の位置情報から、出庫が必要な部品群の情報を、この部品群の出庫時の移動距離が最短となるように並べる。
【0063】
例えば、処理部20は、図6の部品入出庫管理情報を参照して、出庫が必要な部品群のうち、同じ部品棚5および部品箱7にあるものをまとめておく。次に、部品棚管理情報または部品箱管理情報に示される部品棚5および部品箱7の位置情報を参照して、出庫が必要な部品群が収容される部品棚5および部品箱7の位置情報を確認し、入出庫作業者の移動距離の合計が最短となるような経路を計算する。例えば、同じ部品棚5内の部品箱7について、その部品箱7の位置情報から、その部品箱7間の移動距離が最短となる経路を計算する。次に、部品棚5の位置情報から、部品棚5間の移動距離が最短となる経路を計算し、これらの情報をもとに、各部品棚5間の移動順と、その部品棚5それぞれにおける部品箱7間の移動順を計算する。処理部20は、この計算した経路順に部品情報を並べた出庫部品情報を記憶部40に記録し、表示装置60に表示する(後記する図12参照)。
あるいは、部品棚5の位置情報(その部品棚5のx座標、y座標、z座標)と、その部品棚5における部品箱7の位置情報とから、部品箱7それぞれの居室内における位置座標(x座標、y座標、z座標)を求め、入出庫作業者のその部品箱7間の移動距離の合計が最短となる経路を計算するようにしてもよい。
【0064】
次に、処理部20は、通信インタフェース30を介して、RFIDタグリーダ3から入出庫作業者IDを受信する(ステップS02)。また、処理部20は、この入出庫作業者が使用するセンサモジュール10のセンサモジュールIDの入力を受け付ける(ステップS03)。そして、処理部20は、センサネット親機4経由で、この入出庫作業者からの出庫作業開始情報の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS04)。ここで、処理部20は、出庫作業開始情報の入力を待ち、出庫作業開始情報の入力を受け付けたとき(ステップS04のYes)、センサネット親機4を介して、センサモジュール10(ステップS03で入力されたセンサモジュールIDに対応するセンサモジュール10)に出庫部品情報を送信する(ステップS05)。ここで送信する出庫部品情報は、処理部20がステップS01で作成した情報である。なお、出庫作業開始情報の入力がないときは(ステップS04のNo)、ステップS05へ進まない。出庫部品情報を受信したセンサモジュール10は、受信した出庫部品情報を、表示処理部55により表示装置56に表示する。これにより入出庫作業者は、どのような順で部品を出庫すればよいかを知ることができる。
【0065】
次に、処理部20は、入出庫作業者の移動とともに更新される入出庫作業者管理情報における加速度情報と、センサモジュール位置情報と、部品棚位置情報とをもとにして、入庫部品情報に示される部品の入庫先となる部品棚5へ向かって移動していると判断したとき、この入出庫作業者が向かっている部品棚5との距離を計算する(ステップS06)。ここで、入出庫作業者の位置は、部品棚5の位置が既知であるため、この入出庫作業が携帯するセンサモジュール10の位置情報を受信した複数の部品棚無線モジュール6(部品棚5に設置)の情報を用いて、三辺測量方式等により計算することができる。
【0066】
次に、処理部20は、当該部品棚5に対し、入出庫作業者と、この部品棚5との距離に応じた表示方法(表示方法を示した情報)を、センサネット親機4を介して送信する(ステップS07)。ここでの距離に応じた表示方法としては、例えば、入出庫作業者と部品棚5との距離が、(1)3m以上ある場合は、部品棚無線モジュール6の表示装置64(図4参照)のランプを1秒間点灯、1秒間消灯を繰り返し、(2)3m未満、1m以上の場合は、表示装置64のランプを0.5秒間点灯、0.5秒間消灯を繰り返し、(3)1m未満の場合は、表示装置64のランプを点灯したままにする。このようにすることで、入出庫作業者は、出庫すべき出庫部品が収納される部品棚5にどの程度近づいているかを把握しやすくなる。
【0067】
次に、処理部20は、当該部品棚5の近傍に入出庫作業者が来たと判断したとき(ステップS08のYes)、出庫する部品の入った部品箱7の部品箱無線モジュール8に対し、センサネット親機4を介して、距離に応じた表示方法を送信する(ステップS07)。
【0068】
一方、処理部20が、当該部品棚5の近傍に入出庫作業者が来ていないと判断したとき(ステップS08のNo)、ステップS07へ戻る。そして、処理部20は、この入出庫作業者に最も近い部品箱7に表示開始制御信号を送信する(ステップS09)。そして、入出庫作業者により部品箱無線モジュール8の表示装置64が消灯されたことにより、当該部品が取り出されたことを検知した部品箱7の部品箱無線モジュール8は、入出庫管理装置2のセンサネット親機4へ、この取り出した部品の出庫作業完了の情報を送信する。そして、この部品の出庫作業完了の情報を受信した処理部20は、センサモジュール10に対し、この部品の出庫作業完了情報を、センサネット親機4を介して送信する(ステップS10)。なお、処理部20は、記憶部40に記憶される出庫部品情報のうち、出庫作業完了の情報を受信した部品について、出庫済み等のフラグを立てておく。
【0069】
ここで、処理部20は、記憶部40の出庫部品情報を参照して、当該部品棚5にまだ出庫すべき部品があると判断したとき(ステップS11のYes)、ステップS07へ戻る。一方、処理部20は、当該部品棚5に出庫すべき部品はない判断したとき(ステップS11のNo)、当該部品棚5の表示消灯を指示する(ステップS12)。つまり、処理部20はセンサネット親機4を介して当該部品棚5の部品棚無線モジュール6に対し、表示装置74の表示消灯制御信号を送信する。つまり、当該部品棚5の表示装置74を消灯させることで、入出庫作業者に、その部品棚5における出庫作業が完了したことを知らせる。ここで、処理部20が、まだ部品を出庫していない部品棚5があると判断したとき(ステップS13のNo)、S07へ戻る。一方、部品を出庫していない部品棚5はないと判断したとき、つまり、出庫部品情報に示されるすべての部品を出庫したとき(ステップS13のYes)、処理部20は出庫部品の検証を行う(ステップS14)。
【0070】
すなわち、入出庫作業者は出庫作業を終了すると、出庫部品を持って入出庫管理装置2のある場所へ戻り、出庫部品それぞれに付されたRFIDタグの情報をRFIDタグリーダ3に読み取らせる。入出庫管理装置2の処理部20は、RFIDタグリーダ3を介してこの出庫部品の部品IDを受信する。そして、処理部20は、RFIDタグリーダ3を介して受信した部品IDが、記憶部40に記憶された出庫部品情報に示される部品の部品IDと一致するか否かを判断する。つまり、処理部20は、入出庫作業者が、出庫すべき部品をすべて出庫したか否かを判断する。ここで、出庫部品情報が、RFIDタグリーダ3を介して取得した出庫部品情報と一致しなかったとき、処理部20は表示処理部26により表示装置60に、一致しなかったことを表示する。これにより、入出庫管理装置2は、入出庫作業者が出庫した部品に誤りがあったことを知らせることができる。
【0071】
このようにして処理部20が出庫部品の検証を行った後、この出庫部品それぞれに関する部品入出庫管理情報(図6参照)に、当該部品が出庫済みであることを示す情報を書き込む。なお、この部品入出庫管理情報の入出庫情報の書き込みは、前記したステップS10において処理部20が、各センサモジュール10から部品の出庫作業完了の情報を受信したときでもよい。つまり、この部品入出庫管理情報の入出庫情報の書き込みは、部品が部品箱7から出庫されたときに行ってもよいし、入出庫管理装置2において入出庫作業者がすべての商品を出庫したことを検証したときに行ってもよい。
【0072】
<入庫処理フロー>
次に、図11を用いて、入出庫管理装置2の部品入庫処理の処理フローを説明する。図11は、本実施の形態に係る入出庫管理装置の部品入庫処理の処理フローの例を示した図である。
【0073】
図2の入出庫管理装置2の処理部20は、前記した出庫処理の場合と同様に、RFIDタグリーダ3から入出庫作業者IDを、通信インタフェース30を介して受信する(ステップS21)。また、処理部20は、この入出庫作業者が使用するセンサモジュール10のセンサモジュールIDの入力を受け付ける(ステップS22)。
【0074】
そして、入出庫作業者は、これから入庫する入庫部品それぞれに付されたRFIDタグをRFIDタグリーダ3に読み取らせる。そして、入出庫管理装置2の処理部20は、RFIDタグリーダ3を介して、この入庫部品の部品IDを受信する(ステップS23)。
【0075】
次に、処理部20は、入庫が必要な部品群の情報を、入出庫作業者の移動経路が最短経路になるように並べた情報を作成し、表示装置60に表示する(ステップS24)。つまり、処理部20は、入庫部品について、図6の部品入出庫管理情報を参照して、それぞれの部品をどの部品棚5のどの部品箱7に入庫すればよいかを判断する。そして、前記した出庫処理の場合と同様に、処理部20は、入庫時の移動距離が最短になるように入庫部品の情報を並べる。そして、処理部20は、この計算した経路順に部品情報を並べた入庫部品情報を記憶部40に記録し、表示装置60に表示する(後記する図13参照)。
【0076】
そして、処理部20は、センサネット親機4経由で、この入出庫作業者からの入庫作業開始情報の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS25)。ここで、処理部20は、入庫作業開始情報の入力を待ち、入庫作業開始情報の入力を受け付けたとき(ステップS25のYes)、センサネット親機4を介して、センサモジュール10に入庫部品情報を送信する(ステップS26)。この後、入庫部品情報を受信したセンサモジュール10は、受信した入庫部品情報を、表示処理部55により表示装置56に表示する。これにより入出庫作業者は、どのような順で部品を入庫すればよいかを知ることができる。なお、処理部20は、この入庫部品情報を、記憶部40に記憶しておく。また、入庫作業開始情報の入力がないときは(ステップS25のNo)、ステップS26へ進まない。
【0077】
この後のステップS27〜ステップS30は、前記した出庫処理におけるステップS05〜ステップS09と同様なので説明を省略し、ステップS31から説明する。
【0078】
入出庫作業者により、部品が入庫されたことを検知した部品箱7の部品箱無線モジュール8は、前記した出庫処理の場合と同様に、入出庫管理装置2のセンサネット親機4へ、この入庫された部品の入庫作業完了の情報を送信する。そして、この部品の入庫作業完了の情報を受信した処理部20は、この部品が入庫された部品箱7の部品箱無線モジュール8の表示装置64の表示を消灯させる(ステップS31)。なお、処理部20は、記憶部40に記憶された入庫部品情報に、当該部品が入庫済みであることを示すフラグを立ておく。
【0079】
そして、処理部20は、記憶部40の入庫部品情報を参照して、当該部品棚5にまだ入庫すべき部品があると判断したとき(ステップS32のYes)、ステップS28へ戻る。一方、処理部20は、当該部品棚5に入庫すべき部品はない判断したとき(ステップS32のNo)、センサネット親機4を介して当該部品棚5の部品棚無線モジュール6の表示装置74の表示を消灯させる(ステップS33)。つまり、処理部20はセンサネット親機4を介して当該部品棚5の部品棚無線モジュール6に対し、表示装置74の表示消灯制御信号を送信する。つまり、処理部20は当該部品棚5の表示装置74を消灯させることで、入出庫作業者に、その部品棚5における入庫作業が完了したことを知らせる。
【0080】
ここで、処理部20が、まだ部品を入庫していない部品棚5があると判断したとき(ステップS34のNo)、ステップS07へ戻る。一方、部品を入庫していない部品棚5はないと判断したとき、つまり、入庫部品情報に示されるすべての部品を入庫したとき(ステップS34のYes)、処理を終了する。そして、処理部20は、入庫した各部品の情報を、部品入出庫管理情報の入出庫情報に反映する。なお、この入庫した部品の情報は、処理部20が、この部品が部品箱7に入庫された都度、部品入出庫管理情報に書き込んでもよい。
【0081】
なお、ここでは説明を省略したが、入出庫作業者が部品を入庫するとき、部品棚5に収納されている部品箱7ではなく、図1に示すような空き箱保管場所に置かれる部品箱7を用いるようにしてもよい。この場合、入出庫作業者がこの部品箱7に向かうよう、入出庫管理装置2は、この部品箱7の部品箱無線モジュール8に対し、入出庫作業者との距離に応じた表示方法情報を、センサネット親機4を介して送信するようにしてもよい。
【0082】
入出庫管理装置2が、以上のような出庫処理および入庫処理を実行することで、入出庫作業者は効率よく、部品の入出庫作業を行うことができる。また、入出庫作業者が部品を入庫したとき、この部品の入庫先である部品棚5や部品箱7に関する情報が自動で部品入出庫管理情報に記録されていく。よって、部品入出庫管理情報を作成する手間を軽減できる。
【0083】
<表示画面>
なお、入出庫管理装置2の表示処理部26は、この入出庫管理装置2に接続されるキーボードやマウス(図示省略)を介して、所定の表示要求情報が入力されたとき、記憶部40に記憶される各情報を表示装置60に表示する。図12ないし図14を用いて、図2の入出庫管理装置2の表示処理部26により表示される表示画面例を説明する。図12は、部品出庫時における表示画面を例示した図である。図13は、部品入庫時における表示画面を例示した図である。図14は、部品入出庫時において入出庫の対象となる部品が保管される部品棚および部品箱を示す表示画面を例示した図である。
【0084】
例えば、入出庫管理装置2が、図10に示した部品出庫処理を開始するとき、表示処理部26は、部品入出庫管理情報記憶部41から部品入出庫管理情報を読み出し、この読み出した情報をもとに図12に例示するような表示画面を表示する。この表示画面上には、部品入出庫管理情報に含まれる各部品の製品番号、工程名称、保管場所(部品棚5の棚番号および部品箱7の箱番号)、部品情報等が表示される。また、この表示画面上に、出庫対象となる部品の選択入力を受け付ける欄を設けてもよい。そして、この表示画面上で選択された部品について、部品入出庫管理情報から情報を読み出し、出庫が必要な部品群の情報(図10のステップS01参照)としてもよい。
【0085】
また、例えば、入出庫管理装置2が、図11に示した部品入庫処理を開始するときも、前記した出庫処理の場合と同様に、表示処理部26は、部品入出庫管理情報記憶部41から部品入出庫情報を読み出す。そして、表示処理部26は、この読み出した情報をもとに図13に例示するような表示画面を表示する。この表示画面は、新たに部品箱7が必要な部品について、その旨を示す情報を含んでいてもよい。例えば、図13に示す表示画面において製品番号「1234567」の部品のうち、部品情報「AAA」のものは新たな部品箱7が必要な部品であり、その部品箱7は「い−01」であり、この部品箱7が収納される部品棚5は「A−13」であることを示す。
【0086】
さらに、入出庫作業者の入出庫作業中において、表示処理部26は、部品入出庫管理情報を参照して、図14に例示するように、入出庫の対象となる部品が保管される部品棚5および部品箱7を示した表示画面を表示するようにしてもよい。この図14に示す表示画面には、入出庫作業者(作業者A)と、各部品棚5の棚位置とが示される。そして、このうち入出庫の対象となる部品が保管される部品棚5について●印等を付け、この部品が保管される部品箱7の番号を示しておく。例えば、図14に示す表示画面例において、入出庫作業者は、「A」という部品棚5の、棚番号「A−13」の箱番号「い−01」という部品箱7と、「D」という部品棚5の、棚番号「D−13」の箱番号「い−13」という部品箱7と、「E」という部品棚5の、棚番号「E−11」の箱番号「ろ−11」という部品箱7とに対し部品の入出庫を行うことを示す。なお、入出庫管理装置2の処理部20はこのような情報を、当該部品の入出庫を行う入出庫作業者のセンサモジュール10へ送信してもよい。このようにすることで、入出庫作業者は、センサモジュール10の備える表示装置56により、どの部品棚5のどの部品箱7に対し入出庫を行えばよいかを視覚的に把握しやすくなる。
【0087】
以上、本実施の形態によれば、部品棚5に設置された部品棚無線モジュール6および部品箱7に設置された部品箱無線モジュール8の表示により、入出庫作業者は効率よく部品の入出庫を行うことができる。
【0088】
なお、前記した実施の形態において、部品の保管スペースとして、部品棚5およびその部品棚5に収納される部品箱7を用いる場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、部品棚5のみを保管スペースとして用いてもよいし、部品棚5、部品箱7以外のものを保管スペースとして用いるようにしてもよい。
【0089】
さらに、センサモジュール位置情報は、予め位置座標が分かっている部品棚無線モジュール6を介して受信するセンサモジュール10の位置情報から、入出庫管理装置2が三辺測量方式を用いて計算することとしたが、これに限定されない。例えば、入出庫管理装置2が、このセンサモジュール10から送信される送信電波の方向や、その送信電波の強弱により求めるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本実施の形態の部品入出庫管理システムの構成例を示した図である。
【図2】本実施の形態に係る入出庫管理装置の例を示した図である。
【図3】本実施の形態に係るセンサモジュールの例を示した図である。
【図4】本実施の形態に係る部品箱無線モジュールの例を示した図である。
【図5】本実施の形態に係る部品棚無線モジュールの例を示した図である。
【図6】本実施の形態に係る部品入出庫情報の例を示した図である。
【図7】本実施の形態に係る部品棚管理情報の例を示した図である。
【図8】本実施の形態に係る部品箱管理情報の例を示した図である。
【図9】本実施の形態に係る入出庫作業者管理情報の例を示した図である。
【図10】本実施の形態に係る入出庫管理装置の部品出庫処理の処理フローの例を示した図である。
【図11】本実施の形態に係る入出庫管理装置の部品入庫処理の処理フローの例を示した図である。
【図12】部品出庫時における表示画面を例示した図である。
【図13】部品入庫時における表示画面を例示した図である。
【図14】部品入出庫時において入出庫の対象となる部品が保管される部品棚および部品箱を示す表示画面を例示した図である。
【符号の説明】
【0091】
1 部品入出庫管理システム
2 入出庫管理装置
3 RFIDタグリーダ
4 センサネット親機
5(5a,5b,5c) 部品棚
6(6a,6b,6c) 部品棚無線モジュール
7(7a,7b,7c,7d) 部品箱
8(8a,8b,8c) 部品箱無線モジュール
9 配膳台車
10 センサモジュール
11 加速度センサモジュール
20 処理部
21 情報管理部
22 部品入出庫情報管理部
23 部品棚情報管理部
24 部品箱情報管理部
25 入出庫作業者情報管理部
26,55,63,73 表示処理部
30 通信インタフェース
40 記憶部
41 部品入出庫管理情報記憶部
42 部品棚管理情報記憶部
43 部品箱管理情報記憶部
44 入出庫作業者管理情報記憶部
50 入出力インタフェース
51,61,71 CPU
52,62,72 通信部
56,60,64,74 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の保管スペースへ前記物品の入庫または出庫を行う作業者が携帯する携帯装置と、前記物品の保管スペースそれぞれに設置される通信装置と、前記携帯装置および通信装置それぞれとの間で無線通信を行う入出庫管理装置とを備える入出庫管理システムにおける入出庫管理方法であって、
前記物品の物品IDごとに、この物品の保管スペースの保管スペースIDおよびこの保管スペースの位置情報を示した管理情報を記憶する記憶部を備える前記入出庫管理装置が、
通信インタフェースを介して、前記作業者が携帯する携帯装置の装置ID、前記携帯装置の位置情報、および、入庫または出庫の対象となる1以上の物品の物品IDの入力を受け付け、
前記入力を受け付けた装置ID、前記携帯装置の位置情報および前記物品IDを前記記憶部に記憶し、
前記物品IDをキーとして、前記記憶部の管理情報から、前記物品IDに対応する物品それぞれの保管スペースの位置情報を検索し、前記検索した物品それぞれの保管スペースの位置情報および前記携帯装置の位置情報を参照して、前記物品の入庫または出庫の際の前記保管スペース間の移動距離が最短となる前記移動経路を計算し、前記計算した移動経路を示した入出庫部品情報を作成し、
前記通信インタフェースを介して、前記作成した入出庫部品情報を、前記入力を受け付けた装置IDに対応する携帯装置へ送信し、
前記携帯装置の位置情報と、前記入出庫部品情報と、前記管理情報に示される前記保管スペースの位置情報とを参照して、前記作業者が前記情報に示される部品の保管スペースへ向かって移動していると判断したとき、
前記通信インタフェースを介して、前記部品の保管スペースに設置される前記通信装置へ、この保管スペースに設置される表示装置に対し、前記作業者を前記保管スペースへ誘導する所定の表示を行わせる表示制御信号を送信することを特徴とする入出庫管理方法。
【請求項2】
前記管理情報は、前記保管スペースごとに、この保管スペースに設置される通信装置の通信装置IDを含み、
前記通信装置は、この通信装置と前記作業者が携帯する携帯装置との距離を検出する手段を備え、
前記携帯装置の位置情報は、前記入出庫管理装置が、
前記通信インタフェースを介して、複数の前記通信装置から、当該通信装置と前記携帯装置との距離を示した距離情報を受信し、
前記距離情報の送信元である通信装置のIDをキーとして、前記管理情報を検索し、前記通信装置それぞれが設置される前記保管スペースの位置情報を特定し、
前記特定した前記保管スペースの位置情報を前記通信装置の位置情報とみなし、この位置情報と、前記通信装置から前記受信した前記携帯装置との距離情報とを用いた三辺測量方式により求めることを特徴とする請求項1に記載の入出庫管理方法。
【請求項3】
前記入出庫管理装置が送信する表示制御信号は、
前記受信した距離情報に示される前記通信装置と前記携帯装置との距離に応じて、前記所定の表示を変化させたものであることを特徴とする請求項1に記載の入出庫管理方法。
【請求項4】
前記入出庫管理装置が、
前記通信インタフェースを介して、前記携帯装置から、この携帯装置の加速度情報を受信し、
前記管理情報と、前記携帯装置の位置情報および前記加速度情報とを参照して、前記入出庫管理装置に接続される表示装置に、
前記保存スペースの位置情報、前記携帯装置の位置情報および前記携帯装置が移動中か否かを示す情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の入出庫管理方法。
【請求項5】
前記保存スペースはそれぞれ、前記部品を保管する1以上の部品箱と、その箱を収納する部品棚とを含み、前記部品箱および部品棚はそれぞれ前記通信装置と前記表示装置とを備え、
前記管理情報は、前記物品の物品IDごとに、この物品を保管する部品箱の部品箱IDおよびこの部品箱を収納する部品棚の部品棚IDと、前記部品箱の位置情報および前記部品箱の位置情報とを示した情報であり、
前記入出庫管理装置が、
前記入出庫部品情報を作成するとき、
前記物品IDをキーとして、前記記憶部の管理情報から、前記物品IDに対応する物品それぞれの部品箱および部品棚の位置情報を検索し、前記検索した部品箱および部品棚の位置情報および前記携帯装置の位置情報を参照して、前記物品の入庫または出庫の際の前記部品箱および部品棚の移動距離が最短となるような移動経路を計算し、前記計算した移動経路を示した入出庫部品情報を作成し、
前記作業者を誘導する所定の表示を行わせる表示制御信号を送信するとき、
前記携帯装置の位置情報と、前記入出庫部品情報と、前記管理情報に示される前記部品箱および部品棚の位置情報とを参照して、前記作業者が前記入出庫部品情報に示される部品箱へ向かって移動していると判断した場合、
前記通信インタフェースを介して、前記部品箱に設置される前記通信装置へ、この部品箱に設置される表示装置に対し、前記作業者を前記部品箱へ誘導する所定の表示を行わせる表示制御信号を送信する請求項1に記載の入出庫管理方法。
【請求項6】
前記入出庫管理装置が、
前記通信インタフェースを介して、前記部品箱に設置される通信装置から、当該部品箱に前記部品が入庫または出庫されたことを示す情報を受信し、
前記受信した情報と前記入出庫部品情報とを参照して、前記部品を保管する部品棚の部品箱のうち、すべての部品箱について、前記入庫または出庫が完了したと判断したとき、
当該部品棚に設置される表示装置に対し、前記作業者を誘導する所定の表示を停止させる表示停止指示を送信することを特徴とする請求項5に記載の入出庫管理方法。
【請求項7】
前記入出庫管理装置が、
前記通信インタフェースを介して、前記部品箱に設置される通信装置から受信した、当該部品箱に前記部品が入庫または出庫されたことを示す情報を前記管理情報に記録し、この管理情報を前記入出庫管理装置に接続される表示装置に表示することを特徴とする請求項6に記載の入出庫管理方法。
【請求項8】
物品の保管スペースへ前記物品の入庫または出庫を行う作業者が携帯する携帯装置と、前記物品の保管スペースそれぞれに設置される通信装置と、前記携帯装置および通信装置それぞれとの間で無線通信を行う入出庫管理装置とを含んで構成される入出庫管理システムにおける前記入出庫管理装置であって、
前記物品の物品IDごとに、この物品の保管スペースの保管スペースIDおよびこの保管スペースの位置情報を示した管理情報を記憶する記憶部と、
前記作業者が携帯する携帯装置の装置ID、前記携帯装置の位置情報、および、入庫または出庫の対象となる1以上の物品の物品IDの入力を受け付ける通信インタフェースと、
前記物品IDをキーとして、前記記憶部の管理情報から、前記物品IDに対応する物品それぞれの保管スペースの位置情報を検索し、前記検索した物品それぞれの保管スペースの位置情報および前記携帯装置の位置情報を参照して、前記物品の入庫または出庫の際の前記保管スペース間の移動距離が最短となる前記移動経路を計算し、前記計算した移動経路を示した入出庫部品情報を作成し、前記通信インタフェースを介して、前記作成した入出庫部品情報を、前記入力を受け付けた装置IDに対応する携帯装置へ送信する部品入出庫情報管理部と、
前記携帯装置の位置情報と、前記入出庫部品情報と、前記管理情報に示される前記保管スペースの位置情報とを参照して、前記作業者が前記情報に示される部品の保管スペースへ向かって移動していると判断したとき、前記通信インタフェースを介して、前記部品の保管スペースに設置される前記通信装置へ、この保管スペースに設置される表示装置に対し、前記作業者を前記保管スペースへ誘導する所定の表示を行わせる表示制御信号を送信する表示処理部とを備えることを特徴とする入出庫管理装置。
【請求項9】
物品の保管スペースへ前記物品の入庫または出庫を行う作業者が携帯する携帯装置と、前記物品の保管スペースそれぞれに設置される表示装置および通信装置と、請求項8に記載の入出庫管理装置とを備える入出庫管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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