入力処理装置および入力処理方法
【課題】 データ処理装置への文字や指示の入力を,キーボードを用いずに,少ない操作によって行える装置を提供する。
【解決手段】 入力指示部1が装着された指をユーザが動かすと,入力処理部2の情報読取部21は,所定の通信可能領域内に近づいた入力指示部1のICタグ11が発信するタグ識別情報を読み取り,読み取ったタグ識別情報と自己の読取部識別情報との組を処理確定部23へ送出する。処理確定部23は,データ格納部22の入力情報割り当てテーブルを参照して,タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせに対応する入力情報を特定し,通信部24を介して,操作対象であるデータ処理装置3へ特定した入力情報を入力処理する。
【解決手段】 入力指示部1が装着された指をユーザが動かすと,入力処理部2の情報読取部21は,所定の通信可能領域内に近づいた入力指示部1のICタグ11が発信するタグ識別情報を読み取り,読み取ったタグ識別情報と自己の読取部識別情報との組を処理確定部23へ送出する。処理確定部23は,データ格納部22の入力情報割り当てテーブルを参照して,タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせに対応する入力情報を特定し,通信部24を介して,操作対象であるデータ処理装置3へ特定した入力情報を入力処理する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,操作対象であるデータ処理装置への入力処理を行う入力処理装置に関する。特に,データ処理装置を携行した場所で入力操作を行うような場合に,データ処理装置への文字や指示の入力を,簡単な操作によって行えるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
例えば,コンピュータ・システムなどの計測や保守などの作業を行う場合に,作業員は,持参したノート型のコンピュータに,種々のコマンドやデータを入力して作業を行う。この場合に,コンピュータへの入力操作は,通常,キーボードやマウスなどの入力装置を用いて行う。
【0003】
しかし,作業現場が,ノート型のコンピュータを机上に置いて入力操作を行える環境であるとは限らない。例えば,コンピュータを床上に置いて入力操作をしなければならなかったり,作業員が片手で保持しながら入力操作をしなければならなかったりと,さまざまな状況下での入力操作が想定される。このような状況下では,JIS規格配列のキーボード(フルキーボード)を使用して文字を入力したり,マウスによってカーソルを移動させて指示を入力したりすることは,非常に困難であり,結果的に作業効率をも低下させることになる。
【0004】
机上などにコンピュータを置いて通常のキーボードによる入力操作を行えないような環境下で入力操作を支援する従来技術として,特許文献1の入力支援システムがある。この入力支援システムは,指を使用しないで文字の入力操作を行うユーザを支援するシステムであり,例えば,ユーザの足先など,身体の所定の部位にRF−IDタグを貼付し,足先のRF−IDタグを介してアンテナ型のリーダ・ライタで読み取った足先の移動動作から,予め移動動作に対応させておいた所定の指示を情報処理装置に入力できるようにするものである。
【0005】
また,フルキーボードによる文字入力の代わりに,テンキー文字入力方式がある。テンキー文字入力方式は,携帯電話器の入力部のように,1つのキーに複数の文字を割り当て,キーの押下回数によって文字を選択して入力する方式である。
【特許文献1】特開2002−116875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし,特許文献1のシステムでは,リーダ・ライタが,足先に貼付されたRF−IDタグの応答波を1回受信する度に,2次元マトリックスに構成された文字パレットの位置を上下または左右に1つずつ移動して入力する文字を決定するものである。そのため,1文字または1つの指示を入力するために,足先などRF−IDタグを貼付した部位を何度も動かす必要がある。このシステムは,手の不自由な人が,指以外の運動能力を保つ身体の部位を利用して入力を行うことを想定しているものであり,計測や保守作業における文字や命令の入力に適用した場合には,かえって入力操作の効率を悪化させることになる。
【0007】
また,携帯端末などに利用されるテンキー文字入力方式は,一つの数字キーに「あ」,「い」,「う」などの複数の文字が割り当てられているため,例えば,文字「う」を入力するためには,数字キーを3回,さらに決定キーを押すという操作が必要である。1文字の入力に対し複数回のキー操作を行わなければならないために,入力操作の効率が悪く,作業における文字入力方式として適切ではない。
【0008】
以上の問題点から,コンピュータに対する通常の入力操作を行えるスペースがないような状況において,キーボードを使用せずに文字や指示などの入力を,操作効率を落とすことなく容易に行える入力装置が要求されている。
【0009】
本発明は,キーボードを使用することなく,文字や命令などの入力を少ない操作で行える入力処理装置および入力処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は,操作対象であるデータ処理装置に対する入力処理を行う入力処理装置であって,1)固有のタグ識別情報を内部記憶部に保持し,前記タグ識別情報を発信する情報発信部を有し,ユーザの操作に従って移動可能なように設けられた複数の入力指示部と,2)固有の読取部識別情報を割り当てられ,前記入力指示部の情報発信部が所定の通信可能な空間領域内に位置する場合に,前記情報発信部が発信するタグ識別情報を読み取り,前記読み取ったタグ識別情報と自処理部へ割り当てられた読取部識別情報との組を送出する複数の情報読取部と,3)タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせごとに,操作対象であるデータ処理装置へ入力する所定の情報を割り当てた入力情報割り当て情報を格納する情報格納部と,4)前記情報格納部の入力情報割り当て情報をもとに,前記タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせに対応する入力情報を特定し,前記特定した入力情報を前記データ処理装置へ入力処理する処理確定部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明は,以下のように動作する。本発明の入力処理装置は,あらかじめ,情報格納部に,タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせごとに,操作対象であるデータ処理装置へ入力する所定の情報を割り当てた入力情報割り当て情報(入力情報割り当てテーブル)を格納しておく。そして,情報発信部を1つずつ有する複数の入力指示部の各々は,例えば,作業者(ユーザ)の指先などに装着されて使用される。
【0012】
入力指示部が装着された指をユーザが動かすことによって,複数の入力指示部のいずれか一つが入力処理装置の情報読取部へ近づき,複数の情報読取部の一つの情報読取部の所定の通信可能な空間領域内に位置するようになると,情報読取部は,前記空間領域内で最も近傍にある入力指示部に設けられた情報発信部が発信するタグ識別情報を読み取り,読み取ったタグ識別情報と自処理部に割り当てられた読取部識別情報との組を処理確定部へ送出する。処理確定部は,情報格納部の入力情報割り当てテーブルを参照して,タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせに対応する入力情報を特定し,操作対象であるデータ処理装置へ特定した入力情報を入力処理する。
【0013】
これにより,ユーザは,入力処理装置の情報読取部へ,入力指示部を装着した指を使い分けて近づけるだけで,所定の入力情報である文字や命令をデータ処理装置へ入力することができる。
【0014】
また,本発明の入力処理装置は,上記の構成をとる場合に,5)前記入力指示部の接触を検出する所定の面領域であって前記情報読取部に関連付けられた接触認識面を有し,前記接触認識面に前記入力指示部が接触したことを認識した場合に,前記認識した接触認識面に関連付けられた前記情報読取部へ前記接触を通知する接触認識部を備えて,前記情報読取部は,前記接触が通知された場合に,前記接触した入力指示部に備えられた情報発信部からタグ識別情報を読み取ることを特徴とする。
【0015】
この場合に,本発明は,入力指示部が装着された指をユーザが動かすことによって,複数の入力指示部のいずれか一つが,入力処理装置の情報読取部にそれぞれ関連付けられた接触認識面の一つに接触したことを認識した場合に,入力指示部の接触を該当する前記情報読取部へ通知する。そして,通知された情報読取部のみが,最も近傍にある,すなわち接触した入力指示部に備えられた情報発信部からタグ識別情報を読み取る。
【0016】
これにより,ユーザは,入力処理装置の情報読取部に関連付けられた接触認識面を入力指示部を装着した指を使い分けて触れることによって,所定の入力情報である文字や命令をデータ処理装置へより確実に入力することができる。
【0017】
また,本発明の入力処理装置の複数の入力指示部は,各々が,別個に独立した部品として構成されていることを特徴とする。さらに,複数の入力指示部は,例えば手袋のような形状の一つの支持体に固着され,かつ各入力指示部が別個に可動するように構成されていることを特徴とする。
【0018】
また,本発明は,上記の構成をとる入力処理装置において実行される入力処理方法であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば,複数の入力指示部のいずれかを,入力処理装置の本体に備えた情報読取部へ近づけることによって,近づけた入力指示部の情報発信部と読み取る情報読取部とが保持する識別情報の組み合わせに応じてあらかじめ設定された入力情報をデータ処理装置へ入力することができる。例えば,入力指示部を片手の五指に割り当てて装着した場合に,入力処理装置のどの情報読取部にどの指を近づけるかという簡単な操作によって,異なる入力情報を入力することができる。よって,フルキーボードを置いて入力するスペースがないような状況でも,文字や命令の入力を行うことができる。その際に,煩わしい入力操作を行わずに,容易かつ効率的に入力を行うことができる。
【0020】
また,入力処理装置に備えられた接触認識部によって,入力指示部が装着された指などの接触が認識された情報読取部のみが,最も近傍にある入力指示部の情報発信部のタグ識別情報を読み取るようにする。これにより,情報読取部の通信可能な空間領域が重なることによって一つの情報発信部のタグ識別情報を同時に複数の情報読取部で読み取るという状況を回避し,読み取り処理の精度を高めることができる。
【0021】
また,フルキーボードは,JIS規格に準拠したキー数の配置のために一定の面積が必要であり,このキー配列の面積部分が小型化への制約となっている。そのため,狭い場所では,フルキーボードを備えるコンピュータ自体を使用することが困難となることもあるが,本発明のような入力処理装置を備えたコンピュータを実現することによって,コンピュータ本体の形状をいっそう小型化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下,本発明の最良の形態を図を用いて説明する。
【0023】
図1は,第1の実施例における本発明の構成例を示す図である。本発明の入力処理装置は,複数の入力指示部1および入力処理部2から構成される。
【0024】
入力指示部1は,ICタグ11(11a,11b)を備える。ICタグ11は,固有のタグ識別情報を内部記憶部に保持し,タグ識別情報を発信する処理手段である。
【0025】
入力処理部2は,複数の情報読取部21,データ格納部22,処理確定部23,および通信部24を備える。
【0026】
情報読取部21は,固有の読取部識別情報を割り当てられ,入力指示部1のICタグ11が通信可能な空間領域内に位置する場合に,ICタグ11が発信するタグ識別情報を読み取り,読み取ったタグ識別情報と自処理部へ割り当てられた読取部識別情報との組を処理確定部23へ送出する処理手段である。
【0027】
データ格納部22は,タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせごとに,操作対象であるデータ処理装置3へ入力する所定の情報(文字,命令など)を割り当てた入力情報割り当て情報を格納する記憶手段である。
【0028】
処理確定部23は,データ格納部22の入力情報割り当て情報をもとに,情報読取部21から受け取ったタグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせに対応する入力情報を特定し,特定した入力情報を通信部24へ送出する処理手段である。
【0029】
通信部24は,処理確定部23から受け取った入力情報をデータ処理装置3へ送信する処理手段である。
【0030】
データ処理装置3は,入力操作の対象となる処理装置であって,入力処理部2の通信部24から入力情報を受信する通信部31,入力情報を処理する処理部32,処理部32で処理された入力情報を表示する表示部33を備える。
【0031】
本実施例において,入力処理装置は,RFID(Radio Frequency IDentification)技術を用いて実施する。RFIDは,IDタグと呼ばれる情報記憶部を備えるICチップなどの小型電子デバイスと,リーダ・ライタと呼ばれる所定の周波数の電波を利用してIDタグとのデータの読み書きを行う装置を用いて,非接触でデータ読み書きを行う技術である。本発明は,図1に示す構成例の場合に,ICタグ11としてRFIDのIDタグを利用し,また,入力処理部2の情報読取部21としてRFIDのリーダを利用する。また,情報読取部21は,入力指示部1のICタグ11のタグ識別情報を誤りなく読み取れるように,ICタグ11と通信可能な空間領域を適切に設定する必要がある。本例では,情報読取部21は,通信可能距離が数mm程度の密着型の通信機能(例えばISO/IEC10536に準拠する通信機能)を備えるものとする。
【0032】
図2は,入力指示部1の構成例を示す図である。図2に示す複数の入力指示部1(1a,1b,1c,1d,1e)は,各々が,例えば,ユーザの片手の五指に割り当てられる別個に独立した円柱状の部品として構成される。ユーザは,片手に図2に示すように構成された入力指示部1のセットを装着し,指に装着した入力指示部1を入力処理部2の情報読取部21へ近づけたり遠ざけたりして入力を行う。図2に示す入力指示部1を2セット用意して,両手に装着するようにしてもよい。この場合に,10個の入力指示部1のICタグ11は,すべて固有のタグ識別情報を保持する。また,入力指示部1は,片面に粘着面を設けて,爪などに直接貼付できるように構成されてもよい。
【0033】
図3は,入力指示部1の別の構成例を示す図である。図3に示す複数の入力指示部1(1a,1b,1c,1d,1e)は,手袋形状の支持体の各指先の先端部にあたる位置に固着され,かつ各々が別個に可動するように構成されている。支持体は柔軟性を備えた素材で構成されるものとし,ユーザは,この手袋形状の支持体を手に装着し,入力処理部2の情報読取部21へ指を近づけたり遠ざけたりして入力を行う。
【0034】
図4は,第1の実施例における入力処理部2の装置例を示す図である。本実施例において,図4(A)に示すように,入力処理部2は,装置上面に,6つの情報読取部21それぞれが,所定の領域を持つ電波受信機構を備える装置として実施される。6つの情報読取部21は,それぞれ,第1読取部21a〜第6読取部21fとする。図4(B)に示すように,入力処理部2の装置上面部に備えられた情報読取部21は,非金属性の入力処理部2の部材を透過してICタグ11と通信が可能であり,入力指示部1のICタグ11が応答波として発信するタグ識別情報を読み取る。
【0035】
図5は,データ格納部22に格納される情報の例を示す図である。図5(A)のデータ格納部22は,5つの入力指示部1(1a,1b,1c,1d,1e)がユーザの片手(右手)の五指に割り当てられる場合のICタグ11の固有のタグ識別情報を示すICタグ割り当てテーブルの例を示す。例えば,右手の第1の指(親指)に割り当てられる入力指示部1aのICタグ11a(図2参照)には,タグ識別情報「a−1」が保持されていることを示す。同様に,右手の第2の指(人差し指)用の入力指示部1bのICタグ11bには,タグ識別情報「a−2」が,右手の第3の指(中指)用の入力指示部1cのICタグ11cには,タグ識別情報「a−3」が,右手の第4の指(薬指)用の入力指示部1dのICタグ11dには,タグ識別情報「a−4」が,右手の第5の指(小指)用の入力指示部1eのICタグ11eには,タグ識別情報「a−5」が,それぞれ保持されていることを示す。
【0036】
図5(B)は,図4に示す情報読取部21の構成の場合に,タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせに割り当てられた入力情報を示す入力情報割り当てテーブルの例を示す。5つのICタグ11a〜11eと6つの情報読取部21a〜21fとの組み合わせにより,30の入力情報を設定することができる。ここでは,入力情報として,26文字のアルファベットおよび上,下,左,右へのカーソル移動指示の命令が割り当てられるとする。ここで,入力情報割り当てテーブルには,アルファベット文字やカーソル移動指示の命令の他,数字,所定の動作指示の命令などが格納される。特定の用途のための入力情報として,コンピュータ・システムの保守作業においてよく使用される命令,例えば「ping」,「traceroute」などのコマンドが格納されてもよい。
【0037】
図6に,図5(B)の入力情報割り当てテーブルにもとづいて6つの情報読取部21の各々で入力できる情報の例を示す。ここで6つの情報読取部21a〜21fを,それぞれ第1読取部R1,第2読取部R2,第3読取部R3,第4読取部R4,第5読取部R5,第6読取部R6とすると,第1読取部R1に指を近づけることによって,「カーソル左,文字a,b,c,d」をデータ処理装置3へ入力することができる。
【0038】
具体的には,第1読取部R1に入力指示部1aを装着した親指を近づけると「文字a」を入力でき,第1読取部R1に入力指示部1bを装着した人指し指を近づけると「カーソル左移動の命令」を入力できる。同様に,第4読取部R4に入力指示部1aを装着した親指を近づけると「文字m」を入力でき,入力指示部1bを装着した人指し指を近づけると「文字n」を入力できる。
【0039】
図7は,第1の実施例における本発明の処理の流れを示す図である。
【0040】
第1の実施例において,入力処理部2の情報読取部21は,入力指示部1のICタグ11が発信するタグ識別情報を読み取ることができる状態として待機している。そして,入力処理部2に入力指示部1が近づくと,複数の情報読取部21のうちの一つが,最も近傍にある入力指示部1のICタグ11のタグ識別情報を読み取る(ステップS10)。ICタグ11が読み取り可能であれば(ステップS11のYES),読み取ったICタグ11のタグ識別情報と自己の読取部識別情報との組を処理確定部23へ送出する(ステップS12)。処理確定部23は,データ格納部22の入力情報割り当てテーブルを参照して,タグ識別情報と読取部識別情報との組をもとに割り当てられた入力情報を特定する(ステップS13)。そして,通信部24は,特定した入力情報をデータ処理装置3へ送信して(ステップS14),処理を終了する。
【0041】
なお,ICタグ11が読み取り可能でなければ(ステップS11のNO),情報読取部21で,最も近傍にある入力指示部1のICタグ11のタグ識別情報を読み取る処理を繰り返す(ステップS10)。
【0042】
本発明では,複数の入力指示部1のどの入力指示部1のICタグのタグ識別情報を,入力処理部2のどの情報読取部21が読み取るかという組み合わせによって,複数の情報を選択的に入力することができる。どの指を入力処理装置のどの部分に近づけるかという,簡単な1回の操作でデータ処理装置3へ入力することができる。
【0043】
図8は,第2の実施例における本発明の構成例を示す図である。第2の実施例における入力処理装置は,第1の実施例における構成例とほぼ同様であるが,入力処理部2に,情報読取部21の各々に関連付けられた接触認識部25が追加して構成される。なお,図6に示す構成例において,図1に示す処理手段と同一の番号が付与された処理手段は,同等の作用を行うものである。
【0044】
接触認識部25は,入力指示部1の接触を検出する所定の面領域であって情報読取部21に関連付けられた接触認識面を有して,接触認識面に入力指示部1が接触したことを認識した場合に,認識した接触認識面に関連付けられた情報読取部21へ入力指示部1の接触を通知する処理手段である。具体的には,ユーザが入力指示部1を装着した指で入力処理部2に接触認識部25として設けられた接触認識面を押下すると,接触認識部25は,指の押下による圧力の変化を検知して,入力指示部1が接触したことを認識する。
【0045】
そして,情報読取部21は,通常状態では,入力指示部1のICタグ11が発信するタグ識別情報の受信処理を休止した状態で待機し,接触認識部25から入力指示部1の接触が通知された場合にのみ,受信処理をアクティブにして,最も近傍にある入力指示部1,すなわち接触認識面に接触している入力指示部1のICタグ11からタグ識別情報を読み取る。
【0046】
図9は,第2の実施例における入力処理部2の装置例を示す図である。
【0047】
本実施例において,図9(A)に示すように,入力処理部2の装置上面には,6つの情報読取部21および接触認識部25が,それぞれ対として構成される。接触認識部25は,所定の領域の接触認識面を備える機構として実施される。6つの情報読取部21は,それぞれ,第1読取部21a〜第6読取部21fとし,6つの接触認識部25は,それぞれ,第1認識部25a〜第6認識部25fとする。
【0048】
図9(B)に示すように,入力処理部2の装置上面において,接触認識部25の接触認識面は,情報読取部21の上部に重なるように設けられて,外部からの圧力を検知する機構として実施される。接触認識面の下部に備えられる情報読取部21は,接触認識面を透過してICタグ11と通信が可能であり,入力指示部1のICタグ11が応答波として発信するタグ識別情報を読み取る。第1認識部25aは,入力指示部1の接触を認識した場合に,第1認識部25aに関連付けられた第1読取部21aへ接触の認識を通知する。そして,第1読取部21aのみが処理をアクティブにして,接触した入力指示部1のICタグ11のタグ識別情報を読み取る。このとき,他の情報読取部21b〜21fは処理を休止している。
【0049】
図10は,第2の実施例における本発明の処理の流れを示す図である。
【0050】
第2の実施例において,入力処理部2の情報読取部21は,ICタグ11が発信するタグ識別情報の読み取り処理を休止した状態で待機する。そして,入力処理部2の接触認識部25に設けられた接触認識面に入力指示部1を装着したユーザの指,または入力指示部1が接触すると,接触認識部25は,この接触を認識して,関連付けられた情報読取部21へ接触を通知する(ステップS20)。そして,通知を受けた情報読取部21は,最も近傍にある入力指示部1すなわち接触した入力指示部1のICタグ11のタグ識別情報を読み取り(ステップS21),読み取ったICタグ11のタグ識別情報と自己の読取部識別情報との組を処理確定部23へ送出する(ステップS22)。処理確定部23は,データ格納部22の入力情報割り当てテーブルを参照して,タグ識別情報と読取部識別情報との組をもとに割り当てられた入力情報を特定する(ステップS23)。そして,通信部24は,特定した入力情報をデータ処理装置3へ送信して(ステップS24),処理を終了する。
【0051】
これにより,情報読取部21の通信可能領域が重なる状態などによって,ICタグ11のタグ識別情報がユーザが意図しなかった情報読取部21によって読み取られるという誤動作を回避し,情報読取処理精度を高くすることができる。
【0052】
以上,本発明をその実施の形態により説明したが,本発明はその主旨の範囲において種々の変形が可能であることは当然である。
【0053】
第1および第2の実施例において,入力指示部1を装着する部材としてユーザの指を想定している。これは,入力指示部1をユーザの指に装着させることによって,ユーザは,従来の入力操作におけるキータッチとよく似た自然な動作で入力を行えることを考慮したものである。しかし,本発明では,入力指示部は,例えばロボットなどの機械の複数の可動部分に割り当てて固着されるようにしてもよい。また,入力指示部1として複数の部位にICタグ11を固着したスタイラスなどを使用するようにしてもよい。
【0054】
また,実施例として,5つの入力指示部および6つの情報読取部がそれぞれ有する識別情報を用いて入力情報を割り当てる処理例を用いたが,本例は,少なくとも2つの入力指示部と1つの情報読取部の構成によっても実施することができる。また,入力指示部と情報読取部の構成数を適切に増減させることで,使用目的に合わせた入力情報を適切に割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】第1の実施例における本発明の構成例を示す図である。
【図2】入力指示部の構成例を示す図である。
【図3】入力指示部の別の構成例を示す図である。
【図4】第1の実施例における入力処理部の装置例を示す図である。
【図5】データ格納部に格納される情報の例を示す図である。
【図6】図5(B)の入力情報割り当てテーブルにもとづいて6つの情報読取部の各々で入力できる情報の例を示す。
【図7】第1の実施例における本発明の処理の流れを示す図である。
【図8】第2の実施例における本発明の構成例を示す図である。
【図9】第2の実施例における入力処理部の装置例を示す図である。
【図10】第2の実施例における本発明の処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1 入力指示部
11 ICタグ
2 入力処理部
21 情報読取部
22 データ格納部
23 処理確定部
24 通信部
25 接触認識部
3 データ処理装置
31 通信部
32 処理部
33 表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は,操作対象であるデータ処理装置への入力処理を行う入力処理装置に関する。特に,データ処理装置を携行した場所で入力操作を行うような場合に,データ処理装置への文字や指示の入力を,簡単な操作によって行えるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
例えば,コンピュータ・システムなどの計測や保守などの作業を行う場合に,作業員は,持参したノート型のコンピュータに,種々のコマンドやデータを入力して作業を行う。この場合に,コンピュータへの入力操作は,通常,キーボードやマウスなどの入力装置を用いて行う。
【0003】
しかし,作業現場が,ノート型のコンピュータを机上に置いて入力操作を行える環境であるとは限らない。例えば,コンピュータを床上に置いて入力操作をしなければならなかったり,作業員が片手で保持しながら入力操作をしなければならなかったりと,さまざまな状況下での入力操作が想定される。このような状況下では,JIS規格配列のキーボード(フルキーボード)を使用して文字を入力したり,マウスによってカーソルを移動させて指示を入力したりすることは,非常に困難であり,結果的に作業効率をも低下させることになる。
【0004】
机上などにコンピュータを置いて通常のキーボードによる入力操作を行えないような環境下で入力操作を支援する従来技術として,特許文献1の入力支援システムがある。この入力支援システムは,指を使用しないで文字の入力操作を行うユーザを支援するシステムであり,例えば,ユーザの足先など,身体の所定の部位にRF−IDタグを貼付し,足先のRF−IDタグを介してアンテナ型のリーダ・ライタで読み取った足先の移動動作から,予め移動動作に対応させておいた所定の指示を情報処理装置に入力できるようにするものである。
【0005】
また,フルキーボードによる文字入力の代わりに,テンキー文字入力方式がある。テンキー文字入力方式は,携帯電話器の入力部のように,1つのキーに複数の文字を割り当て,キーの押下回数によって文字を選択して入力する方式である。
【特許文献1】特開2002−116875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし,特許文献1のシステムでは,リーダ・ライタが,足先に貼付されたRF−IDタグの応答波を1回受信する度に,2次元マトリックスに構成された文字パレットの位置を上下または左右に1つずつ移動して入力する文字を決定するものである。そのため,1文字または1つの指示を入力するために,足先などRF−IDタグを貼付した部位を何度も動かす必要がある。このシステムは,手の不自由な人が,指以外の運動能力を保つ身体の部位を利用して入力を行うことを想定しているものであり,計測や保守作業における文字や命令の入力に適用した場合には,かえって入力操作の効率を悪化させることになる。
【0007】
また,携帯端末などに利用されるテンキー文字入力方式は,一つの数字キーに「あ」,「い」,「う」などの複数の文字が割り当てられているため,例えば,文字「う」を入力するためには,数字キーを3回,さらに決定キーを押すという操作が必要である。1文字の入力に対し複数回のキー操作を行わなければならないために,入力操作の効率が悪く,作業における文字入力方式として適切ではない。
【0008】
以上の問題点から,コンピュータに対する通常の入力操作を行えるスペースがないような状況において,キーボードを使用せずに文字や指示などの入力を,操作効率を落とすことなく容易に行える入力装置が要求されている。
【0009】
本発明は,キーボードを使用することなく,文字や命令などの入力を少ない操作で行える入力処理装置および入力処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は,操作対象であるデータ処理装置に対する入力処理を行う入力処理装置であって,1)固有のタグ識別情報を内部記憶部に保持し,前記タグ識別情報を発信する情報発信部を有し,ユーザの操作に従って移動可能なように設けられた複数の入力指示部と,2)固有の読取部識別情報を割り当てられ,前記入力指示部の情報発信部が所定の通信可能な空間領域内に位置する場合に,前記情報発信部が発信するタグ識別情報を読み取り,前記読み取ったタグ識別情報と自処理部へ割り当てられた読取部識別情報との組を送出する複数の情報読取部と,3)タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせごとに,操作対象であるデータ処理装置へ入力する所定の情報を割り当てた入力情報割り当て情報を格納する情報格納部と,4)前記情報格納部の入力情報割り当て情報をもとに,前記タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせに対応する入力情報を特定し,前記特定した入力情報を前記データ処理装置へ入力処理する処理確定部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明は,以下のように動作する。本発明の入力処理装置は,あらかじめ,情報格納部に,タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせごとに,操作対象であるデータ処理装置へ入力する所定の情報を割り当てた入力情報割り当て情報(入力情報割り当てテーブル)を格納しておく。そして,情報発信部を1つずつ有する複数の入力指示部の各々は,例えば,作業者(ユーザ)の指先などに装着されて使用される。
【0012】
入力指示部が装着された指をユーザが動かすことによって,複数の入力指示部のいずれか一つが入力処理装置の情報読取部へ近づき,複数の情報読取部の一つの情報読取部の所定の通信可能な空間領域内に位置するようになると,情報読取部は,前記空間領域内で最も近傍にある入力指示部に設けられた情報発信部が発信するタグ識別情報を読み取り,読み取ったタグ識別情報と自処理部に割り当てられた読取部識別情報との組を処理確定部へ送出する。処理確定部は,情報格納部の入力情報割り当てテーブルを参照して,タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせに対応する入力情報を特定し,操作対象であるデータ処理装置へ特定した入力情報を入力処理する。
【0013】
これにより,ユーザは,入力処理装置の情報読取部へ,入力指示部を装着した指を使い分けて近づけるだけで,所定の入力情報である文字や命令をデータ処理装置へ入力することができる。
【0014】
また,本発明の入力処理装置は,上記の構成をとる場合に,5)前記入力指示部の接触を検出する所定の面領域であって前記情報読取部に関連付けられた接触認識面を有し,前記接触認識面に前記入力指示部が接触したことを認識した場合に,前記認識した接触認識面に関連付けられた前記情報読取部へ前記接触を通知する接触認識部を備えて,前記情報読取部は,前記接触が通知された場合に,前記接触した入力指示部に備えられた情報発信部からタグ識別情報を読み取ることを特徴とする。
【0015】
この場合に,本発明は,入力指示部が装着された指をユーザが動かすことによって,複数の入力指示部のいずれか一つが,入力処理装置の情報読取部にそれぞれ関連付けられた接触認識面の一つに接触したことを認識した場合に,入力指示部の接触を該当する前記情報読取部へ通知する。そして,通知された情報読取部のみが,最も近傍にある,すなわち接触した入力指示部に備えられた情報発信部からタグ識別情報を読み取る。
【0016】
これにより,ユーザは,入力処理装置の情報読取部に関連付けられた接触認識面を入力指示部を装着した指を使い分けて触れることによって,所定の入力情報である文字や命令をデータ処理装置へより確実に入力することができる。
【0017】
また,本発明の入力処理装置の複数の入力指示部は,各々が,別個に独立した部品として構成されていることを特徴とする。さらに,複数の入力指示部は,例えば手袋のような形状の一つの支持体に固着され,かつ各入力指示部が別個に可動するように構成されていることを特徴とする。
【0018】
また,本発明は,上記の構成をとる入力処理装置において実行される入力処理方法であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば,複数の入力指示部のいずれかを,入力処理装置の本体に備えた情報読取部へ近づけることによって,近づけた入力指示部の情報発信部と読み取る情報読取部とが保持する識別情報の組み合わせに応じてあらかじめ設定された入力情報をデータ処理装置へ入力することができる。例えば,入力指示部を片手の五指に割り当てて装着した場合に,入力処理装置のどの情報読取部にどの指を近づけるかという簡単な操作によって,異なる入力情報を入力することができる。よって,フルキーボードを置いて入力するスペースがないような状況でも,文字や命令の入力を行うことができる。その際に,煩わしい入力操作を行わずに,容易かつ効率的に入力を行うことができる。
【0020】
また,入力処理装置に備えられた接触認識部によって,入力指示部が装着された指などの接触が認識された情報読取部のみが,最も近傍にある入力指示部の情報発信部のタグ識別情報を読み取るようにする。これにより,情報読取部の通信可能な空間領域が重なることによって一つの情報発信部のタグ識別情報を同時に複数の情報読取部で読み取るという状況を回避し,読み取り処理の精度を高めることができる。
【0021】
また,フルキーボードは,JIS規格に準拠したキー数の配置のために一定の面積が必要であり,このキー配列の面積部分が小型化への制約となっている。そのため,狭い場所では,フルキーボードを備えるコンピュータ自体を使用することが困難となることもあるが,本発明のような入力処理装置を備えたコンピュータを実現することによって,コンピュータ本体の形状をいっそう小型化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下,本発明の最良の形態を図を用いて説明する。
【0023】
図1は,第1の実施例における本発明の構成例を示す図である。本発明の入力処理装置は,複数の入力指示部1および入力処理部2から構成される。
【0024】
入力指示部1は,ICタグ11(11a,11b)を備える。ICタグ11は,固有のタグ識別情報を内部記憶部に保持し,タグ識別情報を発信する処理手段である。
【0025】
入力処理部2は,複数の情報読取部21,データ格納部22,処理確定部23,および通信部24を備える。
【0026】
情報読取部21は,固有の読取部識別情報を割り当てられ,入力指示部1のICタグ11が通信可能な空間領域内に位置する場合に,ICタグ11が発信するタグ識別情報を読み取り,読み取ったタグ識別情報と自処理部へ割り当てられた読取部識別情報との組を処理確定部23へ送出する処理手段である。
【0027】
データ格納部22は,タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせごとに,操作対象であるデータ処理装置3へ入力する所定の情報(文字,命令など)を割り当てた入力情報割り当て情報を格納する記憶手段である。
【0028】
処理確定部23は,データ格納部22の入力情報割り当て情報をもとに,情報読取部21から受け取ったタグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせに対応する入力情報を特定し,特定した入力情報を通信部24へ送出する処理手段である。
【0029】
通信部24は,処理確定部23から受け取った入力情報をデータ処理装置3へ送信する処理手段である。
【0030】
データ処理装置3は,入力操作の対象となる処理装置であって,入力処理部2の通信部24から入力情報を受信する通信部31,入力情報を処理する処理部32,処理部32で処理された入力情報を表示する表示部33を備える。
【0031】
本実施例において,入力処理装置は,RFID(Radio Frequency IDentification)技術を用いて実施する。RFIDは,IDタグと呼ばれる情報記憶部を備えるICチップなどの小型電子デバイスと,リーダ・ライタと呼ばれる所定の周波数の電波を利用してIDタグとのデータの読み書きを行う装置を用いて,非接触でデータ読み書きを行う技術である。本発明は,図1に示す構成例の場合に,ICタグ11としてRFIDのIDタグを利用し,また,入力処理部2の情報読取部21としてRFIDのリーダを利用する。また,情報読取部21は,入力指示部1のICタグ11のタグ識別情報を誤りなく読み取れるように,ICタグ11と通信可能な空間領域を適切に設定する必要がある。本例では,情報読取部21は,通信可能距離が数mm程度の密着型の通信機能(例えばISO/IEC10536に準拠する通信機能)を備えるものとする。
【0032】
図2は,入力指示部1の構成例を示す図である。図2に示す複数の入力指示部1(1a,1b,1c,1d,1e)は,各々が,例えば,ユーザの片手の五指に割り当てられる別個に独立した円柱状の部品として構成される。ユーザは,片手に図2に示すように構成された入力指示部1のセットを装着し,指に装着した入力指示部1を入力処理部2の情報読取部21へ近づけたり遠ざけたりして入力を行う。図2に示す入力指示部1を2セット用意して,両手に装着するようにしてもよい。この場合に,10個の入力指示部1のICタグ11は,すべて固有のタグ識別情報を保持する。また,入力指示部1は,片面に粘着面を設けて,爪などに直接貼付できるように構成されてもよい。
【0033】
図3は,入力指示部1の別の構成例を示す図である。図3に示す複数の入力指示部1(1a,1b,1c,1d,1e)は,手袋形状の支持体の各指先の先端部にあたる位置に固着され,かつ各々が別個に可動するように構成されている。支持体は柔軟性を備えた素材で構成されるものとし,ユーザは,この手袋形状の支持体を手に装着し,入力処理部2の情報読取部21へ指を近づけたり遠ざけたりして入力を行う。
【0034】
図4は,第1の実施例における入力処理部2の装置例を示す図である。本実施例において,図4(A)に示すように,入力処理部2は,装置上面に,6つの情報読取部21それぞれが,所定の領域を持つ電波受信機構を備える装置として実施される。6つの情報読取部21は,それぞれ,第1読取部21a〜第6読取部21fとする。図4(B)に示すように,入力処理部2の装置上面部に備えられた情報読取部21は,非金属性の入力処理部2の部材を透過してICタグ11と通信が可能であり,入力指示部1のICタグ11が応答波として発信するタグ識別情報を読み取る。
【0035】
図5は,データ格納部22に格納される情報の例を示す図である。図5(A)のデータ格納部22は,5つの入力指示部1(1a,1b,1c,1d,1e)がユーザの片手(右手)の五指に割り当てられる場合のICタグ11の固有のタグ識別情報を示すICタグ割り当てテーブルの例を示す。例えば,右手の第1の指(親指)に割り当てられる入力指示部1aのICタグ11a(図2参照)には,タグ識別情報「a−1」が保持されていることを示す。同様に,右手の第2の指(人差し指)用の入力指示部1bのICタグ11bには,タグ識別情報「a−2」が,右手の第3の指(中指)用の入力指示部1cのICタグ11cには,タグ識別情報「a−3」が,右手の第4の指(薬指)用の入力指示部1dのICタグ11dには,タグ識別情報「a−4」が,右手の第5の指(小指)用の入力指示部1eのICタグ11eには,タグ識別情報「a−5」が,それぞれ保持されていることを示す。
【0036】
図5(B)は,図4に示す情報読取部21の構成の場合に,タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせに割り当てられた入力情報を示す入力情報割り当てテーブルの例を示す。5つのICタグ11a〜11eと6つの情報読取部21a〜21fとの組み合わせにより,30の入力情報を設定することができる。ここでは,入力情報として,26文字のアルファベットおよび上,下,左,右へのカーソル移動指示の命令が割り当てられるとする。ここで,入力情報割り当てテーブルには,アルファベット文字やカーソル移動指示の命令の他,数字,所定の動作指示の命令などが格納される。特定の用途のための入力情報として,コンピュータ・システムの保守作業においてよく使用される命令,例えば「ping」,「traceroute」などのコマンドが格納されてもよい。
【0037】
図6に,図5(B)の入力情報割り当てテーブルにもとづいて6つの情報読取部21の各々で入力できる情報の例を示す。ここで6つの情報読取部21a〜21fを,それぞれ第1読取部R1,第2読取部R2,第3読取部R3,第4読取部R4,第5読取部R5,第6読取部R6とすると,第1読取部R1に指を近づけることによって,「カーソル左,文字a,b,c,d」をデータ処理装置3へ入力することができる。
【0038】
具体的には,第1読取部R1に入力指示部1aを装着した親指を近づけると「文字a」を入力でき,第1読取部R1に入力指示部1bを装着した人指し指を近づけると「カーソル左移動の命令」を入力できる。同様に,第4読取部R4に入力指示部1aを装着した親指を近づけると「文字m」を入力でき,入力指示部1bを装着した人指し指を近づけると「文字n」を入力できる。
【0039】
図7は,第1の実施例における本発明の処理の流れを示す図である。
【0040】
第1の実施例において,入力処理部2の情報読取部21は,入力指示部1のICタグ11が発信するタグ識別情報を読み取ることができる状態として待機している。そして,入力処理部2に入力指示部1が近づくと,複数の情報読取部21のうちの一つが,最も近傍にある入力指示部1のICタグ11のタグ識別情報を読み取る(ステップS10)。ICタグ11が読み取り可能であれば(ステップS11のYES),読み取ったICタグ11のタグ識別情報と自己の読取部識別情報との組を処理確定部23へ送出する(ステップS12)。処理確定部23は,データ格納部22の入力情報割り当てテーブルを参照して,タグ識別情報と読取部識別情報との組をもとに割り当てられた入力情報を特定する(ステップS13)。そして,通信部24は,特定した入力情報をデータ処理装置3へ送信して(ステップS14),処理を終了する。
【0041】
なお,ICタグ11が読み取り可能でなければ(ステップS11のNO),情報読取部21で,最も近傍にある入力指示部1のICタグ11のタグ識別情報を読み取る処理を繰り返す(ステップS10)。
【0042】
本発明では,複数の入力指示部1のどの入力指示部1のICタグのタグ識別情報を,入力処理部2のどの情報読取部21が読み取るかという組み合わせによって,複数の情報を選択的に入力することができる。どの指を入力処理装置のどの部分に近づけるかという,簡単な1回の操作でデータ処理装置3へ入力することができる。
【0043】
図8は,第2の実施例における本発明の構成例を示す図である。第2の実施例における入力処理装置は,第1の実施例における構成例とほぼ同様であるが,入力処理部2に,情報読取部21の各々に関連付けられた接触認識部25が追加して構成される。なお,図6に示す構成例において,図1に示す処理手段と同一の番号が付与された処理手段は,同等の作用を行うものである。
【0044】
接触認識部25は,入力指示部1の接触を検出する所定の面領域であって情報読取部21に関連付けられた接触認識面を有して,接触認識面に入力指示部1が接触したことを認識した場合に,認識した接触認識面に関連付けられた情報読取部21へ入力指示部1の接触を通知する処理手段である。具体的には,ユーザが入力指示部1を装着した指で入力処理部2に接触認識部25として設けられた接触認識面を押下すると,接触認識部25は,指の押下による圧力の変化を検知して,入力指示部1が接触したことを認識する。
【0045】
そして,情報読取部21は,通常状態では,入力指示部1のICタグ11が発信するタグ識別情報の受信処理を休止した状態で待機し,接触認識部25から入力指示部1の接触が通知された場合にのみ,受信処理をアクティブにして,最も近傍にある入力指示部1,すなわち接触認識面に接触している入力指示部1のICタグ11からタグ識別情報を読み取る。
【0046】
図9は,第2の実施例における入力処理部2の装置例を示す図である。
【0047】
本実施例において,図9(A)に示すように,入力処理部2の装置上面には,6つの情報読取部21および接触認識部25が,それぞれ対として構成される。接触認識部25は,所定の領域の接触認識面を備える機構として実施される。6つの情報読取部21は,それぞれ,第1読取部21a〜第6読取部21fとし,6つの接触認識部25は,それぞれ,第1認識部25a〜第6認識部25fとする。
【0048】
図9(B)に示すように,入力処理部2の装置上面において,接触認識部25の接触認識面は,情報読取部21の上部に重なるように設けられて,外部からの圧力を検知する機構として実施される。接触認識面の下部に備えられる情報読取部21は,接触認識面を透過してICタグ11と通信が可能であり,入力指示部1のICタグ11が応答波として発信するタグ識別情報を読み取る。第1認識部25aは,入力指示部1の接触を認識した場合に,第1認識部25aに関連付けられた第1読取部21aへ接触の認識を通知する。そして,第1読取部21aのみが処理をアクティブにして,接触した入力指示部1のICタグ11のタグ識別情報を読み取る。このとき,他の情報読取部21b〜21fは処理を休止している。
【0049】
図10は,第2の実施例における本発明の処理の流れを示す図である。
【0050】
第2の実施例において,入力処理部2の情報読取部21は,ICタグ11が発信するタグ識別情報の読み取り処理を休止した状態で待機する。そして,入力処理部2の接触認識部25に設けられた接触認識面に入力指示部1を装着したユーザの指,または入力指示部1が接触すると,接触認識部25は,この接触を認識して,関連付けられた情報読取部21へ接触を通知する(ステップS20)。そして,通知を受けた情報読取部21は,最も近傍にある入力指示部1すなわち接触した入力指示部1のICタグ11のタグ識別情報を読み取り(ステップS21),読み取ったICタグ11のタグ識別情報と自己の読取部識別情報との組を処理確定部23へ送出する(ステップS22)。処理確定部23は,データ格納部22の入力情報割り当てテーブルを参照して,タグ識別情報と読取部識別情報との組をもとに割り当てられた入力情報を特定する(ステップS23)。そして,通信部24は,特定した入力情報をデータ処理装置3へ送信して(ステップS24),処理を終了する。
【0051】
これにより,情報読取部21の通信可能領域が重なる状態などによって,ICタグ11のタグ識別情報がユーザが意図しなかった情報読取部21によって読み取られるという誤動作を回避し,情報読取処理精度を高くすることができる。
【0052】
以上,本発明をその実施の形態により説明したが,本発明はその主旨の範囲において種々の変形が可能であることは当然である。
【0053】
第1および第2の実施例において,入力指示部1を装着する部材としてユーザの指を想定している。これは,入力指示部1をユーザの指に装着させることによって,ユーザは,従来の入力操作におけるキータッチとよく似た自然な動作で入力を行えることを考慮したものである。しかし,本発明では,入力指示部は,例えばロボットなどの機械の複数の可動部分に割り当てて固着されるようにしてもよい。また,入力指示部1として複数の部位にICタグ11を固着したスタイラスなどを使用するようにしてもよい。
【0054】
また,実施例として,5つの入力指示部および6つの情報読取部がそれぞれ有する識別情報を用いて入力情報を割り当てる処理例を用いたが,本例は,少なくとも2つの入力指示部と1つの情報読取部の構成によっても実施することができる。また,入力指示部と情報読取部の構成数を適切に増減させることで,使用目的に合わせた入力情報を適切に割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】第1の実施例における本発明の構成例を示す図である。
【図2】入力指示部の構成例を示す図である。
【図3】入力指示部の別の構成例を示す図である。
【図4】第1の実施例における入力処理部の装置例を示す図である。
【図5】データ格納部に格納される情報の例を示す図である。
【図6】図5(B)の入力情報割り当てテーブルにもとづいて6つの情報読取部の各々で入力できる情報の例を示す。
【図7】第1の実施例における本発明の処理の流れを示す図である。
【図8】第2の実施例における本発明の構成例を示す図である。
【図9】第2の実施例における入力処理部の装置例を示す図である。
【図10】第2の実施例における本発明の処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1 入力指示部
11 ICタグ
2 入力処理部
21 情報読取部
22 データ格納部
23 処理確定部
24 通信部
25 接触認識部
3 データ処理装置
31 通信部
32 処理部
33 表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作対象であるデータ処理装置に対する入力処理を行う入力処理装置であって,
固有のタグ識別情報を内部記憶部に保持し,前記タグ識別情報を発信する情報発信部を有し,ユーザの操作に従って移動可能なように設けられた複数の入力指示部と,
固有の読取部識別情報を割り当てられ,前記入力指示部の情報発信部が所定の通信可能な空間領域内に位置する場合に,前記情報発信部が発信するタグ識別情報を読み取り,前記読み取ったタグ識別情報と自処理部へ割り当てられた読取部識別情報との組を送出する情報読取部と,
タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせごとに,操作対象であるデータ処理装置へ入力する所定の情報を割り当てた入力情報割り当て情報を格納する情報格納部と,
前記情報格納部の入力情報割り当て情報をもとに,前記タグ識別情報と前記読取部識別情報との組み合わせに対応する入力情報を特定し,前記特定した入力情報を前記データ処理装置へ入力処理する処理確定部とを備える
ことを特徴とする入力処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の入力処理装置は,複数の情報読取部を備える
ことを特徴とする入力処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の入力処理装置において,
前記入力指示部の接触を検出する所定の面領域であって前記情報読取部に関連付けられた接触認識面を有し,前記接触認識面に前記入力指示部が接触したことを認識した場合に,前記認識した接触認識面に関連付けられた前記情報読取部へ前記接触を通知する接触認識部を備えて,
前記情報読取部は,前記接触が通知された場合に,前記接触した入力指示部に備えられた情報発信部からタグ識別情報を読み取る
ことを特徴とする入力処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の入力処理装置において,
前記複数の入力指示部は,各々が,別個に独立した部品として構成されている
ことを特徴とする入力処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の入力処理装置において,
前記複数の入力指示部は,一つの支持体に固着され,かつ前記入力指示部の各々が別個に可動するように構成されている
ことを特徴とする入力処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の入力処理装置において,
前記複数の入力指示部は,五指の各指に割り当てられるように構成されるものである
ことを特徴とする入力処理装置。
【請求項7】
操作対象であるデータ処理装置に対する入力処理を行う装置であって,固有のタグ識別情報を内部に保持する情報発信部を有し,ユーザの操作に従って移動可能なように設けられた複数の入力指示部と,固有の読取部識別情報が割り当てられ,前記情報発信部の情報を読み取る情報読取部を備える入力処理装置において実行される入力処理方法であって,
入力処理装置が,
前記入力指示部の情報発信部が所定の通信可能な空間領域内に位置する場合に,前記情報発信部が発信するタグ識別情報を読み取り,前記読み取ったタグ識別情報と自処理部に割り当てられた読取部識別情報との組を送出する情報読取ステップと,
タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせごとに,操作対象であるデータ処理装置へ入力する所定の情報を割り当てた入力情報割り当て情報を格納する情報格納部へアクセスし,前記入力情報割り当て情報をもとに,前記タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせに対応する入力情報を特定し,前記特定した入力情報を前記データ処理装置へ入力処理する処理確定ステップとを備える
ことを特徴とする入力処理方法。
【請求項8】
請求項7記載の入力処理方法において,
前記入力処理装置が,前記入力指示部の接触を検出する所定の面領域であって前記情報読取部に関連付けられた接触認識面において前記入力指示部が接触したことを認識した場合に,前記接触認識面に関連付けられた前記情報読取部へ前記接触を通知する接触認識ステップを備えるとともに,
前記情報読取ステップでは,前記接触認識ステップにおいて前記接触が通知された場合に,前記接触した入力指示部に備えられた情報発信部のタグ識別情報を読み取る
ことを特徴とする入力処理方法。
【請求項1】
操作対象であるデータ処理装置に対する入力処理を行う入力処理装置であって,
固有のタグ識別情報を内部記憶部に保持し,前記タグ識別情報を発信する情報発信部を有し,ユーザの操作に従って移動可能なように設けられた複数の入力指示部と,
固有の読取部識別情報を割り当てられ,前記入力指示部の情報発信部が所定の通信可能な空間領域内に位置する場合に,前記情報発信部が発信するタグ識別情報を読み取り,前記読み取ったタグ識別情報と自処理部へ割り当てられた読取部識別情報との組を送出する情報読取部と,
タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせごとに,操作対象であるデータ処理装置へ入力する所定の情報を割り当てた入力情報割り当て情報を格納する情報格納部と,
前記情報格納部の入力情報割り当て情報をもとに,前記タグ識別情報と前記読取部識別情報との組み合わせに対応する入力情報を特定し,前記特定した入力情報を前記データ処理装置へ入力処理する処理確定部とを備える
ことを特徴とする入力処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の入力処理装置は,複数の情報読取部を備える
ことを特徴とする入力処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の入力処理装置において,
前記入力指示部の接触を検出する所定の面領域であって前記情報読取部に関連付けられた接触認識面を有し,前記接触認識面に前記入力指示部が接触したことを認識した場合に,前記認識した接触認識面に関連付けられた前記情報読取部へ前記接触を通知する接触認識部を備えて,
前記情報読取部は,前記接触が通知された場合に,前記接触した入力指示部に備えられた情報発信部からタグ識別情報を読み取る
ことを特徴とする入力処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の入力処理装置において,
前記複数の入力指示部は,各々が,別個に独立した部品として構成されている
ことを特徴とする入力処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の入力処理装置において,
前記複数の入力指示部は,一つの支持体に固着され,かつ前記入力指示部の各々が別個に可動するように構成されている
ことを特徴とする入力処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の入力処理装置において,
前記複数の入力指示部は,五指の各指に割り当てられるように構成されるものである
ことを特徴とする入力処理装置。
【請求項7】
操作対象であるデータ処理装置に対する入力処理を行う装置であって,固有のタグ識別情報を内部に保持する情報発信部を有し,ユーザの操作に従って移動可能なように設けられた複数の入力指示部と,固有の読取部識別情報が割り当てられ,前記情報発信部の情報を読み取る情報読取部を備える入力処理装置において実行される入力処理方法であって,
入力処理装置が,
前記入力指示部の情報発信部が所定の通信可能な空間領域内に位置する場合に,前記情報発信部が発信するタグ識別情報を読み取り,前記読み取ったタグ識別情報と自処理部に割り当てられた読取部識別情報との組を送出する情報読取ステップと,
タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせごとに,操作対象であるデータ処理装置へ入力する所定の情報を割り当てた入力情報割り当て情報を格納する情報格納部へアクセスし,前記入力情報割り当て情報をもとに,前記タグ識別情報と読取部識別情報との組み合わせに対応する入力情報を特定し,前記特定した入力情報を前記データ処理装置へ入力処理する処理確定ステップとを備える
ことを特徴とする入力処理方法。
【請求項8】
請求項7記載の入力処理方法において,
前記入力処理装置が,前記入力指示部の接触を検出する所定の面領域であって前記情報読取部に関連付けられた接触認識面において前記入力指示部が接触したことを認識した場合に,前記接触認識面に関連付けられた前記情報読取部へ前記接触を通知する接触認識ステップを備えるとともに,
前記情報読取ステップでは,前記接触認識ステップにおいて前記接触が通知された場合に,前記接触した入力指示部に備えられた情報発信部のタグ識別情報を読み取る
ことを特徴とする入力処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2006−293942(P2006−293942A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117626(P2005−117626)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(598057291)富士通サポートアンドサービス株式会社 (147)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(598057291)富士通サポートアンドサービス株式会社 (147)
【Fターム(参考)】
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