説明

入力支援装置、入力支援方法

【課題】複数の入力態様によって選択対象を選択可能な入力装置において、使い勝手が悪いことがあった。
【解決手段】画面に選択対象を表示し、複数の入力態様によって前記選択対象を選択するための選択操作を入力し、前記選択操作の入力態様を判定し、前記入力態様に応じて、前記表示手段にて表示する前記選択対象の密度を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力支援装置および入力支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画面に表示された地図中の道路を指やペンでなぞることによって、ユーザが希望の経路を入力することができるナビゲーション装置が知られている。特許文献1には、ユーザが概略的な経路をなぞると、なぞり入力した区間の経路探索を行う技術が記載されている。
【特許文献1】特開2001−74481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし従来の技術では、複数の入力態様によって選択対象を選択可能な入力装置において、使い勝手が悪いことがあった。
例えば、ペン入力と指入力とが可能であるタッチパネルにおいて使い勝手が悪かった。すなわちペン入力の場合、ペンの先端とタッチパネルとの接触面積は小さいため、高密度で選択対象が表示された画面においても細かな選択操作が可能である。一方、指入力の場合は、ペン入力の場合と比較するとタッチパネルとの接触面積が大きいため、細かな選択操作がしづらい。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、入力態様に応じた適切な操作性をユーザに提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明においては、選択操作の入力態様を判定し、前記入力態様に応じて、画面に表示する選択対象の密度を変更する構成を採用している。このため、複数の入力態様によって選択対象を選択可能な入力装置において、自動的に入力態様に応じた密度の選択対象を表示することができ、入力態様に応じた適切な操作性を、ユーザに手間をかけることなく提供することができる。
【0006】
ここで、表示手段が画面に表示する選択対象とは、画面に表示されているオブジェクトのうち、入力手段によって選択可能なオブジェクトを指す。例えばナビゲーションシステムを例にすると、メニュー画面における個々の項目に対応するボタンや、地図画面における道路や建物などである。
【0007】
入力手段においては、画面に表示されている選択対象を選択することができればよく、種々の入力態様を採用可能である。例えば、タッチパネル(指入力、ペン入力)、ジョイスティック、マウス、トラックボール、タブレット、ディジタイザ、ライトペンなどのポインティングデバイスなどを採用可能である。他にもリモコン、ジョグダイヤルなどの入力デバイスであってもよい。本発明の入力手段は、これら複数の入力態様によって選択操作を入力することができる。
【0008】
判定手段においては、上記のような複数の入力態様のうちいずれの入力態様でユーザが選択操作を行っているかを判定できればよい。例えば、タッチパネルにおける入力態様は、パネルへの接触面積の相違によって指入力であるかペン入力であるかを判定してもよい。
【0009】
表示制御手段において入力態様に応じて変更する密度とは、画面内における単位面積あたりの情報量を意味する。すなわち、単位面積あたりの選択対象であるオブジェクトの量を意味する。
【0010】
本発明において、表示制御手段は、選択操作によって一度に選択される選択範囲内に、隣接する2以上の選択対象を含まない密度に変更してもよい。この構成によると、ユーザが一度の選択操作によって選択した範囲内に隣接する2つ以上の選択対象を含まないので、ユーザは自身が選択したい選択対象に隣接する選択対象を誤って選択することなく、選択したい選択対象を容易に選択することができる。
【0011】
また、本発明において、表示手段は選択対象として道路を含む地図を表示し、表示制御手段は、画面に表示されている隣接道路間の距離と入力態様とに基づいて地図の縮尺を変更してもよい。ナビゲーションシステムにおいてユーザが希望する経路を自身でなぞって選択するような場合、この構成を採用することにより、ユーザは容易に自身が選択したい道路を選択することができる。
【0012】
縮尺とは、地図上の二点間の距離と当該二点に対応する実際の2地点間の距離との比を意味し、通常、分子を1とする分数で表される。地図上の距離と縮尺分母の積が実際の距離を指す。縮尺分母が大きい場合を縮尺が小さいといい、縮尺分母が小さい場合を縮尺が大きいという。単位面積内に表示される地域の範囲は、縮尺が大きいほど狭域であり、縮尺が小さいほど広域である。なお、一般に縮尺によって表示される道路種別が異なる(例えば縮尺Aでは細街路は表示しないが縮尺B(B>A)では細街路も表示するなど)場合もある。表示制御手段では、表示される道路の種別が異ならない程度の縮尺の変更を行うが、もちろん、ユーザによる経路選択の実施形態によっては、表示される道路種別が異なる程度に縮尺を変更してもよい。
【0013】
画面上に表示されている隣接道路間の距離が入力態様によっては狭すぎる場合は、選択したい道路でない道路を誤って選択してしまうことが懸念される。この場合は現在表示されている縮尺よりも大きな縮尺に変更する。一方、逆に隣接道路間の距離が入力態様に鑑みて過度に広い場合は、同じ距離区間の道路であっても縮尺が小さい場合よりなぞる長さが増えるため、かえって使い勝手が悪くなることが考えられる。具体的には例えば、同じ縮尺で表示される地図において、道路密集地帯の地図と道路非密集地帯の地図とでは、道路非密集地帯の地図の方が隣接道路間の距離は広いため所望の道路を選択しやすいが、過度に隣接道路間の距離が広いと上述のように使い勝手が悪くなる。したがってこの場合は、隣接道路を一度の選択操作で選択しない程度まで縮尺を小さくする。このように隣接道路間の距離と入力態様とに基づいて地図の縮尺を変更することにより、道路選択のための適切な操作性をユーザに提供することができる。
【0014】
また、画面に表示される地図において、ユーザによる経路選択の対象として予め設定された対象道路を選択対象としてもよい。この構成によると、経路選択の手間を軽減することができる。具体的には例えば、有料道路優先で経路選択したい場合には、出発地および目的地周辺以外の区域では非有料道路を表示しない、あるいは表示しても選択対象としないことで、経路選択を簡素化することができる。すなわち、隣接していても選択対象外の道路との距離は、縮尺変更の際に考慮しないことによって、過度に縮尺が大きい地図を用いるために上述のように経路選択の手間が増大することを抑制することができる。他にも例えば、一般道優先で経路選択したい場合は、有料道路を選択対象としないようにしてもよい。また、渋滞情報や通行規制情報に基づいて、渋滞している道路や通行規制がある道路を選択対象としないようにしてもよい。
【0015】
また、本発明において、表示手段は、画面に、出発地と目的地とを含む広域地図と、表示制御手段によって縮尺が変更された狭域地図とを表示してもよい。この構成によると、出発地から目的地までの全経路におけるどのあたりの地点を選択中であるかを広域地図で認識しながら、ユーザは狭域地図で所望の経路を選択することができる。なお、広域地図と狭域地図とは、一画面内に表示されていてもよいし、二つの画面を用いる構成ではそのそれぞれに表示させるようにしてもよい。
【0016】
なお、本発明のように、選択操作の入力態様を判定し、前記入力態様に応じて、画面に表示する選択対象の密度を変更する手法は、この入力支援を行うプログラムや方法としても適用可能である。また、以上のような入力支援および方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、入力支援装置を制御するプログラムやそのプログラムを記録する記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)入力支援装置の構成:
(2)入力支援処理:
(3)他の実施形態:
【0018】
(1)入力支援装置の構成:
図1は、本発明にかかる入力支援装置としてのナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。本実施形態における入力支援装置は、タッチパネルディスプレイ40とナビゲーション装置10とが協業することにより実現される。
【0019】
タッチパネルディスプレイ40は、ディスプレイ40aとタッチパネル40bとを備え、タッチパネルディスプレイ40の画面(タッチパネル40bの検出面)に対する接触によって指示操作を受け付ける機能を備える入力装置である。タッチパネルディスプレイ40とナビゲーション装置10とは、図示しないインタフェースで電気的に接続され、相互にデータの授受が可能である。本実施形態のタッチパネル40bは、人間の指先程度の太さの物体による接触から、ペン先程度のような細さの物体による接触までを検出する精度を有している。タッチパネル40bは、検出面に対する物体の接触を検出すると、接触部分の座標をナビゲーション装置に受け渡す。
【0020】
ナビゲーション装置10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20と記憶媒体30とを備えており、記憶媒体30やROMに記憶された種々のプログラムを制御部20で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとして入力支援プログラム21を実施することができる。入力支援プログラム21は、表示部21a、入力部21b、判定部21c、表示制御部21fとを備えている。
【0021】
表示部21aは、選択対象のオブジェクトを含む各種オブジェクトをディスプレイ40aに表示させるモジュールである。各種オブジェクトを描画するための描画データ30bは予め記憶媒体30やROMに記憶されている。選択対象のオブジェクトとは、画面に表示されている各種オブジェクトのうち、入力手段によってユーザが選択可能なオブジェクトを指す。例えば、メニュー画面における個々の項目に対応するボタンや、地図画面における道路や建物などである。地図データ30aには、道路上に設定されたノードを示すノードデータやノード同士の連結を示すリンクデータ、その他の地物データなどが含まれており、記憶媒体30に記憶されている。ノードデータには、ノード番号・位置座標・ノード種別・接続リンク本数などが、リンクデータには、リンク番号(起終点ノード番号)・道路種別・幅員・レーン数を示すデータなどが含まれている。
【0022】
入力部21bは、タッチパネルディスプレイ40の画面に表示されている選択対象のオブジェクトに対する選択操作を入力するモジュールである。具体的には、入力部21bは、表示部21aからディスプレイ40aに表示中のオブジェクトの座標を取得し、タッチパネル40bから接触部分の座標を取得し、それらの座標に基づいて選択操作を入力する。
【0023】
判定部21cは、複数の入力態様のうちいずれの入力態様でユーザが選択操作を行っているかを判定するモジュールである。具体的には例えば、本実施形態の場合、タッチパネル40bの検出面に対する物体の接触面積の相違によって、指入力であるかペン入力であるかを判定する。なお、判定方法はタッチパネル40bの検出方法によって異なる。例えば検出方法が静電容量方式である場合は、静電容量の相違によって指入力であるかペン入力であるかを判定してもよい。
【0024】
表示制御部21dは、判定部21cによる入力態様の判定結果に応じて、表示部21aにて表示させる選択対象の密度を変更するモジュールである。表示部21aは、表示制御部21dによって密度の変更が指示されると、指示された密度で選択対象を再表示する。ここで密度とは、画面内における単位面積あたりの情報量を意味する。すなわち本実施形態においては、単位面積あたりの選択対象であるオブジェクトの量を意味する。
以上、入力支援装置の構成を説明した。
【0025】
(2)入力支援処理:
次に、以上の構成においてナビゲーション装置10が実施する入力支援処理について説明する。図2は、本実施形態における入力支援処理を示すフローチャートである。本実施形態では、出発地と目的地とが設定されている状態で、出発地と目的地の間の経路を、地図上の道路をユーザになぞらせることによって入力する場面を想定している。図2に示す入力支援処理が実行される前に、表示部21aは、地図データ30aと描画データ30bとを用いてディスプレイ40aに地図の表示を完了させている。このとき表示される地図の縮尺は任意の値でよい。図2に示す入力支援処理は、一定期間毎に繰り返し実行される。
【0026】
ところで縮尺とは、地図上の二点間の距離と当該二点に対応する実際の2地点間の距離との比を意味し、通常、分子を1とする分数で表される。地図上の距離と縮尺分母との積が実際の距離と等しい。縮尺分母が大きい場合を縮尺が小さいといい、縮尺分母が小さい場合を縮尺が大きいという。単位面積内に表示される地域の範囲は、縮尺が大きいほど狭域であり、縮尺が小さいほど広域である。
【0027】
まずはじめに、入力部21bは、ディスプレイ40aに表示されている選択対象への選択操作があったか判定する(ステップS100)。具体的には、入力部21bは、表示部21aからディスプレイ40aに表示中のオブジェクトの座標を取得し、タッチパネル40bから接触部分の座標を受け取り、それらの座標に基づいて選択操作の有無を判定する。
【0028】
次に、判定部21cは、選択操作の入力態様を判定する(ステップS105)。具体的には、判定部21cは、タッチパネル40bからタッチ検出面と接触物体との接触面積を取得し、指入力であるかペン入力であるかを判定する。
次に、画面に表示されている隣接道路間の距離を取得する(ステップS110)。具体的には例えば、指またはペンがタッチしている部分の周辺に表示されている道路間の距離を現在表示している地図の縮尺に基づいて算出する。
【0029】
次に、表示制御部21dは、地図の縮尺を変更し、変更後の縮尺で表示部21aに地図を表示させる(ステップS115)。具体的には、ステップS110で算出した隣接道路間の距離と入力態様とに基づいて地図の縮尺を設定する。図3は、縮尺変更後にディスプレイ40aに再表示される画面の一例を示す図である。
【0030】
画面200はペン入力、画面202は指入力の場合にそれぞれディスプレイ40aに表示される画面を示している。画面200および画面202に示すように、いずれの入力態様の場合も、選択操作によって一度に選択される選択範囲内に、隣接する2以上の選択対象としての道路を含まない縮尺にて地図が表示される。この場合、選択範囲とは、タッチパネル40bへの接触を検出している範囲を指す。画面上に表示されている隣接道路間の距離が入力態様に鑑みて狭い場合、選択したい道路でない道路を誤って選択してしまうことが懸念されるため、縮尺を大きくして地図を再表示する。
【0031】
一方、逆に画面上に表示されている隣接道路間の距離が入力態様に鑑みて過度に広い場合、同じ距離区間の道路であっても縮尺が小さい場合よりなぞる長さが増えるため、かえって使い勝手が悪くなることが考えられる。具体的には例えば、同じ縮尺で表示される地図において、道路密集地帯の地図と道路非密集地帯の地図とでは、道路非密集地帯の地図の方が隣接道路間の距離は広いため所望の道路を選択しやすいが、過度に隣接道路間の距離が広いと上述のように使い勝手が悪くなる。したがってこの場合は、隣接道路を一度の選択操作で選択しない程度の縮尺まで小さくして地図を再表示する。このように隣接道路間の距離と入力態様とに基づいて地図の縮尺を変更することにより、指入力またはペン入力のいずれの場合であっても、道路選択のための適切な操作性をユーザに提供することができる。
【0032】
なお、一般に縮尺によって表示される道路種別が異なる(例えば縮尺Aでは細街路は表示しないが縮尺B(B>A)では細街路も表示するなど)場合もあるが、本実施形態では、表示される道路の種別が異ならない程度の縮尺の変更を行うものとする。もちろん、ユーザによる経路選択の実施にあたって不都合(例えば選択中の道路が、地図の縮尺が変わることにより表示されなくなる等)がないのであれば、表示される道路種別が異なる程度に縮尺を変更してもよい。
【0033】
なお、図3の各画面に表示されている「詳細」ボタンは地図の縮尺を大きくする指示を入力するボタンであり、「広域」ボタンは地図の縮尺を小さくする指示を入力するためのボタンである。これらの「詳細」ボタン、「広域」ボタンを選択してももちろん地図の縮尺を変更することができるが、本実施形態によるとユーザがこれらのボタンにタッチしなくても、接触面積に応じて自動的に縮尺を変更するため、ユーザの手間を省くことができる。
【0034】
また、画面200や画面202に示すように、出発地と目的地とを含む広域地図を、選択操作用の狭域地図と共にディスプレイ40aに表示させることにより、出発地から目的地までの全経路におけるどのあたりの地点を選択中であるかをユーザは広域地図で認識しながら、狭域地図で所望の経路を選択することができる。
【0035】
次に、入力部21bは、選択地点が画面の端に到達したか判定する(ステップS120)。まだ到達していない場合は、表示部21aは、ユーザがなぞりによって選択した経路を、その他の道路と識別可能なように表示させる(ステップS125)。例えば線種を太くしたり色を変えたりして表示させる。画面の端に到達した場合は、図3の画面204に示すように「次の範囲の地図を表示します。指を離してください。」とのメッセージを表示する(ステップS130)。入力態様がペン入力であると判定している場合は、「ペンを離してください。」と表示する。入力部21bが指またはペンが離されたことを検知すると、表示部21aは隣接する次の区画の地図をディスプレイ40aに表示し、処理はステップS100に戻る。
【0036】
以上説明したように、ペン入力と指入力など複数の入力態様によって選択対象を選択可能な入力装置において、入力態様に応じた適切な選択操作性を、ユーザに手間をかけることなく提供することができる。
【0037】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、選択操作の入力態様を判定し、前記入力態様に応じて、画面に表示する選択対象の密度を変更する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、上記実施形態では入力態様としてタッチパネルに対する接触面の面積が異なる物体による選択操作を入力する構成を説明したが、入力手段においては画面に表示されている選択対象を選択することができればよく、他の入力態様ももちろん採用可能である。例えばジョイスティック、マウス、トラックボール、タブレット、ディジタイザ、ライトペンなどのポインティングデバイス、リモコン、ジョグダイヤルなども想定しうる。入力デバイスの判定方法は例えば、入力部21bがそれらデバイスとの通信によって取得するデバイス情報に基づいて個々のデバイスを判別することができる。
【0038】
また、上記実施形態では経路選択の際の地図表示の例を用いて説明したが、本発明は入力態様に応じて地図の縮尺を変更することにもちろん限定されない。例えば、メニュー画面における個々の項目に対応するボタンの表示密度を、入力態様に応じて変更してもよい。具体的には例えば、入力態様として、リモコンとタッチパネルの両方を許容している入力装置において、リモコンのカーソルボタンの押下操作によってメニュー画面に表示されているボタンを選択する場合と、画面に表示されているボタンをタッチ操作によって選択する場合とで、一画面に一度に表示するボタンの数を変更してもよい。リモコンのカーソルボタンの押下操作の方がタッチパネルへのタッチ操作と比較して選択操作しやすいのであれば、入力態様がタッチパネルの場合はリモコンの場合より一画面中におけるボタンの表示数を少なくする。
【0039】
その他のデバイスに関しても、そのデバイスによる選択操作のしやすさを考慮して選択対象の表示密度を変更してもよい。密度設定は例えば、選択操作によって一度に選択される選択範囲内に、隣接する2以上の選択対象を含まない程度の密度であることを基準としてよい。ユーザが一度の選択操作によって選択した範囲内に隣接する2つ以上の選択対象を含まないので、ユーザは自身が選択したい選択対象に隣接する選択対象を誤って選択することなく、選択したい選択対象を容易に選択することができる。
【0040】
また、上記のように画面に表示されている地図上の道路をなぞることによってユーザが経路選択する実施形態において、表示制御手段は、判定手段によって指入力かペン入力のどちらであるかを一旦判別すると、それ以降入力態様が変化するまで一定の縮尺にて地図を表示させてもよいし、表示部21aによる地図の再描画に過度の処理負荷がかからないのであれば、選択中の道路に隣接する道路との距離の変化に応じて都度縮尺を変更してもよい。
【0041】
なお、画面に表示される地図において、ユーザによる経路選択の対象として予め設定された対象道路を、選択対象としてもよい。この構成によると、経路選択の手間を軽減することができる。具体的には例えば、有料道路優先で経路選択したい場合には、出発地および目的地周辺以外の区域では非有料道路を表示しない、あるいは表示しても選択対象としないことで、経路選択を簡素化することができる。すなわち、隣接していても選択対象外の道路との距離は、縮尺変更の際に考慮しないことによって、過度に縮尺が大きい地図を用いるために経路選択の手間が増大することを抑制することができる。経路選択の手間が増大するとは、地図において縮尺が大きい(狭域地図)場合、同じ距離区間の道路であっても縮尺が小さい場合よりなぞる長さが増えることを意味する。他にも例えば、細街路は選択対象としないようにしてもよいし、一般道優先で経路選択したい場合は、有料道路を選択対象としないようにしてもよい。また、渋滞情報や通行規制情報に基づいて、渋滞している道路や通行規制がある道路を選択対象としないようにしてもよい。
【0042】
さらに、上記実施形態において狭域地図の中の一部領域に広域地図を表示する構成を説明したが、広域地図の中の一部領域に経路選択用の狭域地図を表示する構成であってもよい。また、二つの画面を用いる構成ではそのそれぞれに表示させるようにしてもよい(図4参照)。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】入力支援装置の構成を示すブロック図である。
【図2】入力支援処理を示すフローチャートである。
【図3】入力態様に応じて縮尺を変更した地図表示画面の一例を示す図である。
【図4】その他の実施形態にかかる表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
10:ナビゲーション装置(入力支援装置)、20:制御部、21:入力支援プログラム、21a:表示部、21b:入力部、21c:判定部、21d:表示制御部、21f:表示制御部、30:記憶媒体、30a:地図データ、30b:描画データ、40:タッチパネルディスプレイ、40a:ディスプレイ、40b:タッチパネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面に選択対象を表示する表示手段と、
複数の入力態様によって前記選択対象を選択するための選択操作を入力する入力手段と、
前記選択操作の入力態様を判定する判定手段と、
前記入力態様に応じて、前記表示手段にて表示する前記選択対象の密度を変更する表示制御手段と、
を備える入力支援装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記選択操作によって一度に選択される選択範囲内に、隣接する2以上の選択対象を含まない密度に変更する、
請求項1に記載の入力支援装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記選択対象としての道路を含む地図を表示し、
前記表示制御手段は、前記画面に表示されている隣接道路間の距離と前記入力態様とに基づいて前記地図の縮尺を変更する、
請求項1または2に記載の入力支援装置。
【請求項4】
前記地図において、ユーザによる経路選択の対象として予め設定された対象道路を前記選択対象とする、
請求項3に記載の入力支援装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記画面に、出発地と目的地とを含む広域地図と、前記表示制御手段によって縮尺が変更された狭域地図とを表示する、
請求項3または4に記載の入力支援装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記選択対象としてのボタンを含むメニュー画面を表示し、
前記表示制御手段は、前記メニュー画面に表示されているボタンの密度を、前記入力態様に応じて変更する、
請求項1または2に記載の入力支援装置。
【請求項7】
画面に選択対象を表示する表示工程と、
複数の入力態様によって前記選択対象を選択するための選択操作を入力する入力工程と、
前記選択操作の入力態様を判定する判定工程と、
前記入力態様に応じて、前記画面に表示する前記選択対象の密度を変更する表示制御工程と、
を含む入力支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−226048(P2008−226048A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−65674(P2007−65674)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】