説明

入力機能付き表示装置、および携帯端末

【課題】接続信頼性を確保しつつ、小型化を実現することができる入力機能付き表示装置、および携帯端末を提供する。
【解決手段】入力機能付き表示装置X1は、タッチパネル4と、タッチパネル4に設けられており、かつ接続端子411a,411bおよび第1導通部412a,412bを有した配線電極41a,41bと、接続端子411a,411bと第1導電部材7を介して電気的に接続されており、かつタッチパネル4を振動させる振動体6と、タッチパネル4の背面側に配置された液晶表示パネル2と、液晶表示パネル2が収容された第1筐体5と、を備え、液晶表示パネル2には、第2導通部22a,22bが設けられており、第1導通部412a,412bと第2導通部22a,22bとは、第2導電部材8を介して電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力機能付き表示装置、および携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルのような入力部を備えた入力機能付き表示装置において、使用者がこの入力部を操作した場合に、使用者に対して、押圧感、なぞり感、肌触り感等の様々な触感を伝達する触覚伝達技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような入力機能付き表示装置は、接続端子および導通部を有した配線電極と、接続端子と電気的に接続された振動体と、を備えている。なお、配線電極は、入力部に設けられている。そして、入力部に設けられた導通部が、導電部材によってフレキシブル基板と電気的に接続される。フレキシブル基板は、表示部が収容された筐体内で折り曲げられ、例えば、表示部の背面側に配置された回路基板と電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−122507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の入力機能付き表示装置では、筐体内でフレキシブル基板を折り曲げて回路基板と電気的に接続しているため、筐体内の空間をある程度広く確保する必要があり、大型化する。また、フレキシブル基板を折り曲げて回路基板と電気的に接続しているため、入力部に設けられた導通部とフレキシブル基板との接続信頼性が低下する。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、接続信頼性を確保しつつ、小型化を実現することができる入力機能付き表示装置、および携帯端末に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の入力機能付き表示装置における一態様は、入力部と、前記入力部に設けられており、かつ接続端子および第1導通部を有した配線電極と、前記接続端子と第1導電部材を介して電気的に接続されており、かつ前記入力部を振動させる振動体と、前記入力部の背面側に配置された表示部と、前記表示部が収容された第1筐体と、を備え、前記表示部には、第2導通部が設けられており、前記第1導通部と前記第2導通部とは、第2導電部材を介して電気的に接続されている。
【0007】
本発明の携帯端末における一態様は、本発明に係る入力機能付き表示装置を第2筐体に備えた携帯端末。
【発明の効果】
【0008】
本発明の入力機能付き表示装置、および携帯端末は、接続信頼性を確保しつつ、小型化を実現することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係る入力機能付き表示装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】図1中に示した切断線I−Iに沿って切断した断面図である。
【図3】振動体の外観の概略構成を示す斜視図である。
【図4】図1のA1の部分における、タッチパネルを下面から見た図である。
【図5】図1のA1の部分における、液晶表示パネルの下側基板における張り出し部を上面から見た図である。
【図6】入力機能付き表示装置の動作例を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る携帯端末の概略構成を示す斜視図である。
【図8】第2の実施形態に係る入力機能付き表示装置の概略構成を示す平面図である。
【図9】図8中に示した切断線II−IIに沿って切断した断面図である。
【図10】図8のB1の部分における、回路基板の張り出し部を上面から見た図である。
【図11】第2の実施形態に係る入力機能付き表示装置の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材を簡略化して示したものである。したがって、本発明に係る入力機能付き表示装置、および携帯端末は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
【0012】
[実施の形態1]
図1および図2に示すように、本実施形態に係る入力機能付き表示装置X1は、液晶表示パネル2、バックライト3、タッチパネル4、第1筐体5、および振動体6を備えている。
【0013】
液晶表示パネル2は、表示のために液晶組成物を利用した表示パネルである。具体的には、液晶表示パネル2は、上側基板21と、上側基板21に対向して配置されており、かつ上側基板21よりも外側に張り出した張り出し部22を有した下側基板23と、上側基板21と下側基板22との間に介在した液晶層(図示せず)と、上側基板21と下側基板23との間に介在しかつ表示に寄与する表示部材層(図示せず)と、を備えている。なお、表示部材層としては、例えば、画素電極、配向膜、カラーフィルタ等が挙げられる。液晶表示パネル2の駆動方式としては、単純マトリクス駆動方式であってもよいし、アクティブマトリクス駆動方式であってもよい。
【0014】
なお、液晶表示パネル2の代わりに、プラズマパネル、有機ELパネル、電子ペーパ等の表示パネルを用いてもよい。ここで、有機ELパネルは、電圧を印加すると発光する物質を利用した表示パネルである。具体的には、有機ELパネルは、ジアミン類等の有機物を用いた発光体を基板に蒸着し、5〜10Vの直流電圧を印加することで表示が行われる。なお、液晶表示パネル2の代わりに有機ELパネルを用いた場合には、バックライト3は不要となる。
【0015】
バックライト3は、液晶表示パネル2の背面側に配置されており、液晶表示パネル2を照射する役割を担う部材である。バックライト3は、光源31と、導光板32とを備えている。光源31は、導光板32の端面32aに向けて光を出射する役割を担う部材であり、例えば、LED(Light Emitting Diode)から構成される。なお、LEDの代わりに、冷陰極蛍光ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、EL(Electro-Luminescence)であってもよい。導光板32は、液晶表示パネル2の下面全体にわたって、光源31からの光を略均一に導くための役割を担う部材である。
【0016】
タッチパネル4は、使用者が指あるいはペン等で操作した箇所を入力位置として検出する入力デバイスである。タッチパネル4は、液晶表示パネル2の前面側に配置されている。すなわち、液晶表示パネル2は、タッチパネル4の背面側に配置されている。本実施形態では、タッチパネル4は、検出感度向上の観点から、静電容量方式のタッチパネルを用いているが、静電容量方式のタッチパネルに代えて、抵抗膜方式のタッチパネル、表面弾性波方式のタッチパネル、赤外線方式のタッチパネル、あるいは電磁誘導方式のタッチパネル等を用いてもよい。
【0017】
第1筐体5は、液晶表示パネル2およびバックライト3を収容する役割を担う部材である。第1筐体5は、タッチパネル4の外側領域を、両面テープT1を介して保持している。第1筐体5の構成材料としては、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、ステンレス、アルミニウム、マグネシウム合金等の金属が挙げられる。
【0018】
振動体6は、使用者による所定の入力操作を検知した場合に、タッチパネル4を湾曲振動させる役割を担う部材である。具体的には、振動体6は、タッチパネル4の短辺方向に伸縮運動を繰り返すことにより、タッチパネル4の厚み方向(以下、当該方向を「上下方向」と称する)に、タッチパネル4を湾曲振動させる。なお、詳細は後述するように、振動体6は、タッチパネル4への押圧荷重を検出する役割も有している。振動体6は、タッチパネル4の下面4aに設けられている。なお、タッチパネル4の下面4aとは、タッチパネル4を構成する基板の下面という意味である。具体的には、タッチパネル4が静電容量方式のタッチパネルである場合、タッチパネル4の下面4aとは、入力位置を検出するための検出電極が形成された基板の下面を意味する。本実施形態では、振動体6は、例えば、印加される電圧に基づいて伸縮運動を行う圧電素子であるが、これに限定されない。圧電素子の代わりに、電磁式振動体、バネ、モータ等を用いてもよい。
【0019】
本実施形態では、図1に示すように、振動体6は、タッチパネル4の両方の短辺の近傍に、それぞれの短辺に沿って2つ設けられている。なお、振動体6の配置位置、個数等については、特に限定されない。例えば、振動体6は、タッチパネル4の両方の長辺の近傍に、それぞれの長辺に沿って2つ設けられていてもよいし、タッチパネル4の両方の長辺および短辺の近傍に、それぞれの長辺および短辺に沿って4つ設けられていてもよい。
【0020】
図3は、振動体6の外観の概略構成を示す斜視図である。図3に示すように、振動体6は、タッチパネル4の下面4aと向き合う表面6aに、2つの接続端子61a,61bを有している。接続端子61aは、正の電圧が印加される端子であり、接続端子61bは、負の電圧が印加される端子である。また、振動体6の表面6aから端面6bにわたって、接続端子61aと電気的に接続される端面電極611a、および接続端子61bと電気的に接続される端面電極611bを有している。
【0021】
また、振動体6は、その内部に、複数の内部電極と複数の活性層(共に図示せず)とが交互に積層されて構成されており、振動体6の表面6a近傍に位置する部位には不活性層が設けられている。複数の内部電極のうち偶数番目に位置する内部電極は、端面電極611aと電気的に接続されており、複数の内部電極のうち奇数番目に位置する内部電極は、端面電極611bと電気的に接続されている。ここで、活性層は、分極処理された圧電材料から構成されている。また、不活性層は、分極処理されていない圧電材料、金属材料、絶縁材料から構成されている。
【0022】
図4は、図1のA1の部分における、タッチパネル4を下面4aから見た図である。なお、説明の便宜上、振動体6の外観は点線で表している。図4に示すように、タッチパネル4の下面4aには、2つの配線電極41a,41bが設けられている。配線電極41a
は、一端部に接続端子411aを有しており、この接続端子411a上に設けられた第1導電部材7によって振動体6の接続端子61aと電気的に接続される。また、配線電極41bは、一端部に接続端子411bを有しており、この接続端子411b上に設けられた第1導電部材7によって振動体6の接続端子61bと電気的に接続される。第1導電部材7は、例えば、銀ペースト、異方性導電フィルム、はんだ等である。
【0023】
また、配線電極41aは、他端部に第1導通部412aを有しており、この第1導通部412a上には、第2導電部材8が設けられている。また、配線電極41bは、他端部に第1導通部412bを有しており、この第1導通部412b上には、第2導電部材8が設けられている。第2導電部材8は、例えば、異方性導電ゴム、メタルフィンガー、銀ペースト、異方性導電フィルム、はんだ等であるが、特に、異方性導電ゴムを用いることが好ましい。この理由については後述する。なお、異方性導電ゴムは、例えば、絶縁性ゴムの厚み方向に複数本のワイヤが並んだ構成を有し、ワイヤが延びる方向に電流が流れる部材である。
【0024】
また、配線電極41aは、接続端子411aと第1導通部412aとを接続する接続電極413aを有している。すなわち、配線電極41aは、接続端子411a、第1導通部412a、および接続電極413aによって構成される。また、配線電極41bは、接続端子411bと第1導通部412bとを接続する接続電極413bを有している。すなわち、配線電極41bは、接続端子411b、第1導通部412b、および接続電極413bによって構成される。
【0025】
なお、図4では、第1導電部材7が載置し易いように、接続端子411aを平面視して矩形状になしている例について図示したが、これに限定されない。例えば、接続電極413aを図4の紙面上から見て下側に延在させることにより、この延在部分を接続端子411aとしてもよい。なお、これは、接続端子411bの場合であっても同様である。また、図4では、接続電極413aを図4の紙面上から見て上側に延在させることにより、この延在部分を第1導通部412aとしている例について図示したが、これに限定されない。例えば、図4に示す接続端子411aのように、第2導電部材8が載置し易いように、第1導通部412aを平面視して矩形状に形成してもよい。なお、これは、第2導通部412bの場合であっても同様である。
【0026】
図5は、図1のA1の部分における、液晶表示パネル2の下側基板23における張り出し部22を上面から見た図である。図5に示すように、張り出し部22には2つの第2導通部22a,22bを有している。第2導通部22a,22bは、図示しない電圧供給部と電気的に接続される。電圧供給部は、電圧を供給する役割を担う部材であり、公知の電源回路を備えている。電圧供給部は、液晶表示パネル2およびタッチパネル4に対しても電圧を供給する機能を有している。
【0027】
図2,図4,および図5に示すように、第1導通部412aと第2導通部22aとは、第2導電部材8を介して電気的に接続されている。また、第1導通部412bと第2導通部22bとは、第2導電部材8を介して電気的に接続されている。これにより、電圧供給部は、第2導通部22a,22b、第2導電部材8、第1導通部412a,412b、接続端子411a,411b、第1導電部材7、接続端子61a,61b、端面電極611a,611bを介して、振動体6の内部電極に電圧を印加することが可能となる。
【0028】
このように、入力機能付き表示装置X1では、上記従来の入力機能付き表示装置ように、第1導通部412a,412bとの電気的な接続にフレキシブル基板を用いる必要がない。フレキシブル基板を用いる必要がないので、第1筐体5内の空間を広く確保する必要がなく、入力機能付き表示装置X1を小型化にすることができる。また、フレキシブル基
板を用いる必要がないので、フレキシブル基板の折り曲げ等による第1導通部412a,412bと第2導通部22a,22bとの接続部分およびフレキシブル基板自体に負荷応力がかからなくなるので、第1導通部412a,412bと第2導通部22a,22bとの接続信頼性が向上する。
【0029】
なお、第1導通部412a,412bおよび第2導通部22a,22bの構成材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、クロムとアルミニウムとを積層したもの、クロムとアルミニウム合金とを積層したもの、銀、銀合金、金合金、ITO(Indium
Tin Oxide)等が挙げられるが、中でも、接続信頼性を向上する観点から、ITOであることが好ましい。
【0030】
ここで、使用者によってタッチパネル4が押圧された場合、この押圧力は、第2導電部材8を介して液晶表示パネル2へ付与されることになる。ここで、仮に、第2導通部が液晶表示パネルの上側基板に設けられていた場合、この押圧力によって、上側基板が下側基板の方にたわみ、押圧した箇所において液晶分子が変化し、色ムラが生じる可能性がある。しかしながら、本実施形態では、第2導通部22a,22bは、液晶表示パネル2の下側基板23における張り出し部22に設けられているので、このような問題は生じない。よって、本実施形態のように、第2導通部22a,22bは、張り出し部22に設けられていることが好ましい。
【0031】
なお、第1導通部412a,412bと第2導通部22a,22bとの電気的な接続に、第2導電部材8としての異方性導電ゴムを用いると、次の点で好ましい。すなわち、異方性導電ゴムは、柔軟性を有する導電部材であるため、振動体6における、タッチパネル4の短辺方向の伸縮運動を過度に抑制することを低減することができる。このため、タッチパネル4の上下方向の湾曲振動が抑制される可能性を低減することができる。
【0032】
次に、上記の入力機能付き表示装置X1の動作について、図6を参照しながら説明する。
【0033】
なお、以下では、触覚伝達のうち使用者に対して押圧感を伝達する場合の入力機能付き表示装置X1の動作例について説明するが、入力機能付き表示装置X1は、押圧感以外の、例えば、なぞり感、肌触り感等の様々な触感を伝達する場合にも適用できることは勿論である。
【0034】
図6に示すように、使用者が、タッチパネル4を押圧した場合に、振動体6は、タッチパネル4への押圧荷重を検出する(Op1)。ここで、振動体6の荷重検出機能について説明する。すなわち、使用者が、タッチパネル4を押圧すると、タッチパネル4が下方向に湾曲する。タッチパネル4が下方向に湾曲すると、振動体6も下方向に湾曲する。つまり、タッチパネル4への押圧荷重に応じて、振動体6の湾曲量が変移する。本実施形態では、振動体6は、圧電素子であるので、湾曲量に応じた電圧に変換することができる。この結果、振動体6によりタッチパネル4の押圧荷重を検出することができる。なお、上記では、荷重検出機能を振動体6で実現している例について説明したが、これに限らず、例えば、歪みセンサ等の荷重センサによって実現してもよい。
【0035】
そして、図示しない触覚伝達ドライバは、使用者によるタッチパネル4への押圧操作が、表示画面に表示された入力オブジェクトに対する押圧操作である場合に、Op1にて検出された押圧荷重が閾値以上であるか否かを判定する(Op2)。
【0036】
そして、触覚伝達ドライバは、Op1にて検出された押圧荷重が閾値以上であると判定すれば(Op2にてYES)、振動体6をタッチパネル4の短辺方向に伸縮運動させる(
Op3)。そして、Op3にて伸縮運動された振動体6によりタッチパネル4が上下方向に湾曲振動する(Op4)。これにより、タッチパネル4を押圧した使用者に対して押圧感が伝達される。一方、触覚伝達ドライバは、Op1にて検出された押圧荷重が閾値未満であると判定すれば(Op2にてNO)、図6の処理を終了する。
【0037】
以上より、上記の入力機能付き表示装置X1は、接続信頼性を確保しつつ、小型化を実現することができる。
【0038】
次に、入力機能付き表示装置X1を備えた携帯端末P1について、図7を参照しながら説明する。
【0039】
図7に示すように、本実施形態に係る携帯端末P1は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA等の機器であって、入力機能付き表示装置X1と、音声入力部101と、音声出力部102と、キー入力部103と、第2筐体104とを備えている。
【0040】
音声入力部101は、例えば、マイク等により構成されており、使用者の音声等が入力される。音声出力部102は、スピーカ等により構成されており、相手方からの音声等が出力される。キー入力部103は、例えば、機械的なキーにより構成される。なお、キー入力部103は、表示画面に表示された操作キーであってもよい。第2筐体104は、入力機能付き表示装置X1、音声入力部101、音声出力部102、およびキー入力部103を収容する役割を担う部材である。
【0041】
他にも、携帯端末P1は、必要な機能に応じて、デジタルカメラ機能部、ワンセグ放送用チューナ、赤外線通信機能部等の近距離無線通信部、および各種インタフェース等を備える場合もあるが、これらの詳細についての図示および説明は省略する。
【0042】
携帯端末P1は、入力機能付き表示装置X1を備えているので、接続信頼性を確保しつつ、小型化を実現することができる。
【0043】
なお、上記では、携帯端末P1に音声入力部101を備えている例について説明したが、これに限定されない。すなわち、携帯端末P1には音声入力部101は備えられていなくともよい。
【0044】
[実施の形態2]
図8は、第2の実施形態に係る入力機能付き表示装置X2の概略構成を示す平面図である。図9は、図8中に示した切断線II−IIに沿って切断した断面図である。なお、図8および図9において、図1および図2と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0045】
図9に示すように、入力機能付き表示装置X2では、入力機能付き表示装置X1に加えて、バックライト3の背面側に回路基板10が配置されている。
【0046】
回路基板10は、電圧供給部、制御回路、抵抗器、コンデンサ等が実装され、その部品間を配線で接続することで電子回路を構成する板状またはフィルム状の基板である。回路基板10に設けられた制御回路としては、例えば、タッチパネル4を制御するためのタッチパネルドライバ、バックライト3を制御するためのバックライトドライバ、液晶表示パネル2を制御するための表示ドライバ等が挙げられる。回路基板10は、液晶表示パネル2およびバックライト3の背面側に配置されている。回路基板10には、液晶表示パネル2およびバックライト3よりも外側に張り出した張り出し部11を有している。
【0047】
図10は、図8のB1の部分における、回路基板10の張り出し部11を上面から見た図である。図10に示すように、張り出し部11には2つの第2導通部11a,11bを有している。第2導通部11a,11bは、第2導通部22a,22bと同様、図示しない電圧供給部と電気的に接続される。第2導通部22a,22b上には、第2導電部材8が設けられている。
【0048】
入力機能付き表示装置X2では、入力機能付き表示装置X1と同様、第1導通部412aと第2導通部11aとは、第2導電部材8を介して電気的に接続されている。また、第1導通部412bと第2導通部11bとは、第2導電部材8を介して電気的に接続されている。これにより、電圧供給部は、第2導通部11a,11b、第2導電部材8、第1導通部412a,412b、接続端子411a,411b、第1導電部材7、接続端子61a,61b、端面電極611a,611bを介して、振動体6の内部電極に電圧を印加することが可能となる。
【0049】
このように、入力機能付き表示装置X2では、入力機能付き表示装置X1と同様、第1導通部412a,412bとの電気的な接続にフレキシブル基板を用いる必要がない。フレキシブル基板を用いる必要がないので、第1筐体5内の空間を広く確保する必要がなく、入力機能付き表示装置X1を小型化にすることができる。また、フレキシブル基板を用いる必要がないので、フレキシブル基板の折り曲げ等による第1導通部412a,412bと第2導通部11a,11bとの接続部分およびフレキシブル基板自体に負荷応力がかからなくなるので、第1導通部412a,412bと第2導通部11a,11bとの接続信頼性が向上する。
【0050】
なお、図11に示すように、回路基板10は、液晶表示パネル2、バックライト3、および第1筐体5の背面側に配置されていてもよい。図11に示す例では、第2導通部11a,11bは、接続配線12を介して、図示しない電圧供給部に電気的に接続されている。このようにしても、上述したのと同様の効果を得られる。
【0051】
なお、上記では、入力機能付き表示装置X1を備えた携帯端末P1の例について説明したが、入力機能付き表示装置X1に代えて、入力機能付き表示装置X2を採用してもよい。
【符号の説明】
【0052】
X1,X2 入力機能付き表示装置
P1 携帯端末
2 液晶表示パネル(表示部)
4 タッチパネル(入力部)
5 第1筐体
6 振動体
7 第1導電部材
8 第2導電部材
10 回路基板
11 回路基板の張り出し部
11a 第2導通部
11b 第2導通部
21 上側基板(第1基板)
22 下側基板の張り出し部
22a 第2導通部
22b 第2導通部
23 下側基板(第2基板)
41a 配線電極
411a 配線電極の接続端子
412a 配線電極の第1導通部
41b 配線電極
411b 配線電極の接続端子
412b 配線電極の第1導通部
104 第2筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部と、
前記入力部に設けられており、かつ接続端子および第1導通部を有した配線電極と、
前記接続端子と第1導電部材を介して電気的に接続されており、かつ前記入力部を振動させる振動体と、
前記入力部の背面側に配置された表示部と、
前記表示部が収容された第1筐体と、を備え、
前記表示部には、第2導通部が設けられており、
前記第1導通部と前記第2導通部とは、第2導電部材を介して電気的に接続されている、入力機能付き表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、
第1基板と、
前記第1基板に対向して配置されており、かつ前記第1基板よりも外側に張り出した張り出し部を有した第2基板と、を備え、
前記第2導通部は、前記張り出し部に設けられている、請求項1に記載の入力機能付き表示装置。
【請求項3】
入力部と、
前記入力部に設けられており、かつ接続端子および第1導通部を有した配線電極と、
前記接続端子と第1導電部材を介して電気的に接続されており、かつ前記入力部を振動させる振動体と、
前記入力部の背面側に配置された表示部と、
前記表示部の背面側に配置された回路基板と、
前記表示部および前記回路基板が収容された第1筐体と、を備え、
前記回路基板には、第2導通部が設けられており、
前記第1導通部と前記第2導通部とは、第2導電部材を介して電気的に接続されている、入力機能付き表示装置。
【請求項4】
前記第2導電部材は、異方性導電ゴムである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の入力機能付き表示装置。
【請求項5】
前記表示部は、液晶表示パネルまたは有機ELパネルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の入力機能付き表示装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の入力機能付き表示装置を第2筐体に備えた携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−73356(P2013−73356A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211042(P2011−211042)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】