説明

入力表示装置および加熱調理器

【課題】キー入力し易くキー入力ミスが生じにくい入力表示装置を提供する。
【解決手段】入力表示装置では、検出領域狭め設定部は、初期設定として、手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71,あたためスタートキー74の各キー画像の検出領域73a,72a,71a,74aをそのキー画像よりも狭くするので、キー入力を行なう際に誤って隣接する別のキー画像のキー入力を行なってしまうことを回避できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、入力表示装置および加熱調理器に関し、詳しくは、タッチパネルを備えた入力表示装置およびその入力表示装置を備えた加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の入力表示装置では、タッチパネルへ指または入力ペンを接触させたときに、上記接触の箇所がボタン画像の領域内である場合は上記ボタン画像に対応する入力がなされたものと判断する一方、上記接触の箇所がボタン画像の領域外である場合は上記ボタン画像に対応する入力がなされていないと判断していた。
【0003】
ところで、上記従来の入力表示装置では、上記ボタン画像が小さい場合等に、ピンポイントで上記小さいボタン画像を押すことが難しく、目的のボタン画像の隣のボタン画像を押してしまう等の入力ミスが生じ易いという問題がある。また、複数のボタン画像間の間隔が狭い場合、入力を行なう際に誤って隣接する別のボタン画像の入力をしてしまう入力ミスが生じ易いという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−74000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、この発明の課題は、入力し易く入力ミスが生じにくい入力表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、この発明の入力表示装置は、表示画面に少なくとも1つのアイコン画像を表示すると共にタッチパネルを有する入力表示部と、
上記タッチパネルへのユーザーの指またはペン状物体の接触箇所が上記アイコン画像に対応する検出領域であるか否かを判断する位置判断部と、
上記接触箇所が上記アイコン画像に対応する検出領域であると上記位置判断部が判断した場合に、上記アイコン画像に対応する入力がなされたと判断する入力判断部と、
上記アイコン画像の領域と上記アイコン画像に対応する検出領域とを異ならせる検出領域非同一設定部と
を備えることを特徴としている。
【0007】
この発明の入力表示装置によれば、検出領域非同一設定部によって、上記アイコン画像の領域と上記アイコン画像に対応する検出領域とを異ならせることができるので、アイコン画像が小さい場合には検出領域を広くする、複数のアイコン画像間の間隔が狭い場合には検出領域を狭くする、といった設定が可能となる。
【0008】
また、一実施形態の入力表示装置では、上記検出領域非同一設定部は、
上記アイコン画像の領域を拡張した領域を上記アイコン画像に対応する検出領域とする検出領域拡大設定部を含む。
【0009】
この実施形態の入力表示装置によれば、上記検出領域拡大設定部で、上記アイコン画像の検出領域の広さを上記アイコン画像よりも広くする。したがって、アイコン画像が小さくピンポイントでアイコン画像を押しづらい場合でも、検出領域を広げることで、上記アイコン画像による入力を行い易くすることができて、キー入力ミスの発生を抑えることができる。
【0010】
また、一実施形態の入力表示装置は、上記検出領域非同一設定部は、
上記アイコン画像の領域を狭めた領域を上記アイコン画像に対応する検出領域とする検出領域狭め設定部を含む。
【0011】
この実施形態の入力表示装置によれば、上記検出領域狭め設定部で、上記アイコン画像の検出領域の広さを上記アイコン画像よりも狭くする。したがって、複数のアイコン画像間の間隔が狭い場合にも、入力を行なう際に誤って隣接する別のアイコン画像の入力をしてしまうことを防止でき、入力ミスを防止できる。
【0012】
また、一実施形態の入力表示装置では、予め定められたアイコン画像を上記アイコン画像とは異なる別のアイコン画像よりも広く設定すると共に上記予め定められたアイコン画像の検出領域を上記別のアイコン画像の検出領域よりも広く設定するアイコン拡大設定部を備える。
【0013】
この実施形態によれば、予め定められたアイコン画像による入力が容易になり、例えば、上記予め定められたアイコン画像を加熱調理器の加熱停止キーとした場合、緊急のキー入力を要する場合にキー入力しづらい状況を回避でき、加熱の緊急停止に対応できる。
【0014】
また、一実施形態の入力表示装置では、上記入力表示部は、上記表示画面に複数のアイコン画像を表示し、
上記複数のアイコン画像の検出領域の検出感度を、各アイコン画像に応じて互いに異なる2段階以上の値に設定する検出感度設定部を備える。
【0015】
この実施形態によれば、各アイコン画像に応じた検出感度を設定できる。例えば、加熱調理器の加熱停止キーなどのアイコン画像の検出感度を他のキーの検出感度に比べて高くすることで、加熱停止キーを弱く押しても、キー入力を有効とすることができるので、緊急のキー入力を要する場合に迅速にキー入力でき、加熱の緊急停止に対応できる。また、例えば、加熱調理器の加熱開始キーなどのアイコン画像の検出感度を他のキーの検出感度に比べて低くして、アイコン画像を強く押した場合にのみ、入力を有効とすることができるので、不用意な操作によって加熱が開始してしまうことを回避できる。
【0016】
また、一実施形態の入力表示装置では、上記入力判断部は、
予め定められたアイコン画像について、予め定められた時間以上の期間、上記接触箇所が上記予め定められたアイコン画像に対応する検出領域の位置を表していると上記位置判断部が判断したときに、上記予め定められたアイコン画像の入力がなされたと判断する一方、上記位置判断部が上記接触箇所が上記予め定められたアイコン画像に対応する検出領域の位置を表していると判断している期間が上記予め定められた時間未満であると判断したときに、上記予め定められたアイコン画像の入力がなされていないと判断する。
【0017】
この実施形態の入力表示装置によれば、ユーザーの指またはペン状物体を上記アイコン画像の検出領域に予め定められた時間以上接触させたときに初めて上記入力判断部は上記アイコン画像の入力がなされたと判断する。したがって、例えば、加熱調理器の加熱開始キーなどのアイコン画像において、不用意な操作によって加熱が開始してしまうことを回避できる。
【0018】
また、この発明の加熱調理器では、上記入力表示装置を備えた。
【0019】
この加熱調理器によれば、アイコン画像による入力が容易になると共に入力ミスを回避できる。
【発明の効果】
【0020】
この発明の入力表示装置によれば、検出領域非同一設定部によって、アイコン画像の領域と上記アイコン画像に対応する検出領域とを異ならせることができるので、アイコン画像が小さい場合には検出領域を広くする、複数のアイコン画像間の間隔が狭い場合には検出領域を狭くする、といった設定が可能となる。よって、アイコン画像による入力を行い易くすることができて、入力ミスの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の実施の一形態の入力表示装置を備えた加熱調理器の正面斜視図である。
【図2】上記加熱調理器の縦断面の模式図である。
【図3】上記加熱調理器の操作パネルの概略正面図である。
【図4】図3のF4−F4線矢視の模式断面図である。
【図5】上記加熱調理器の制御ブロック図である。
【図6】上記加熱調理器のカラー液晶表示部にトップ操作画面が表示された操作パネルの正面図である。
【図7】上記操作パネルの拡大正面図である。
【図8】上記加熱調理器の制御装置によって操作パネルの入力表示部を制御する動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8のフローチャートに続くフローチャートである。
【図10A】ユーザーの指またはペン状物体の接触箇所がキー画像の検出領域外にある様子を示す模式図である。
【図10B】ユーザーの指またはペン状物体の接触箇所がキー画像の検出領域内にある様子を示す模式図である。
【図10C】上記キー画像の検出領域を広げた様子を示す模式図である。
【図10D】ユーザーの指またはペン状物体の接触箇所が上記キー画像の検出領域の広げた部分にある様子を示す模式図である。
【図10E】ユーザーの指またはペン状物体の接触箇所が上記キー画像の広げた検出領域の外にある様子を示す模式図である。
【図10F】上記キー画像の検出領域を初期設定の検出領域に戻した様子を示す模式図である。
【図11】キー画像の検出領域の初期設定を上記キー画像よりも広く設定した様子を示す模式図である。
【図12】キー画像の検出領域をキー画像よりも狭く設定した様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の表示装置および加熱調理器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0023】
図1はこの発明の実施の一形態の入力表示装置を備えた加熱調理器の正面斜視図を示している。
【0024】
この実施の形態の加熱調理器は、図1に示すように、直方体形状のケーシング1の正面に、下端側の辺を略中心に回動する扉2が取り付けられている。この扉2の上部にハンドル3を取り付けると共に、扉2の略中央に耐熱ガラス4を取り付けている。また、扉2の右側に操作パネル5を設けている。この操作パネル5は、表示部の一例としてのカラー液晶表示部6とボタン群7を有している。また、ケーシング1の上側かつ右側後方に排気ダクト8を設けている。さらに、ケーシング1の扉2の下方に、露受容器9を着脱自在に取り付けている。
【0025】
図2は上記加熱調理器の縦断面の模式図を示している。図2に示すように、水タンク11から供給された水を蒸気発生装置12で加熱して飽和水蒸気を生成する。蒸気発生装置12で生成された飽和水蒸気は、蒸気供給通路(図示せず)を介して、加熱庫13の右側面に取り付けられた循環ユニット14の蒸気吸込口15の加熱庫13側に供給される。
【0026】
上記蒸気供給通路に接続された蒸気供給管34を、加熱庫13の右側面と平行になるように、循環ユニット14の蒸気吸込口15の近傍に取り付けている。また、循環ユニット14内には、蒸気吸込口15に対向するように循環ファン18を配置している。循環ファン18は、ファンモータ19によって回転駆動される。
【0027】
上記加熱庫13の上面および左側面を覆うように、L字状に屈曲した蒸気ダクト100を取り付けている。この蒸気ダクト100は、加熱庫13の上面側に固定された第1ダクト部110と、第1ダクト部110の左側方から下側に屈曲する屈曲部120と、加熱庫13の左側面側に固定され、屈曲部120を介して第1ダクト部110に連なる第2ダクト部130とを有している。
【0028】
この蒸気ダクト100の第1ダクト部110に、過熱蒸気生成ヒータ20を収納している。蒸気ダクト100の第1ダクト部110と、過熱蒸気生成ヒータ20で過熱蒸気生成装置21を構成している。なお、過熱蒸気生成装置は、蒸気ダクトとは別に設けてもよい。
【0029】
そして、蒸気ダクト100の第1ダクト部110の右側は、循環ユニット14の上部に設けられた蒸気供給口22に連通している。加熱庫13の天面には、複数の第1蒸気吹出口24が設けられており、蒸気ダクト100の第1ダクト部110は、第1蒸気吹出口24を介して加熱庫13内に連通している。一方、蒸気ダクト100の第2ダクト部130は、加熱庫13の左側面に設けられた複数の第2蒸気吹出口25を介して加熱庫13内に連通している。
【0030】
上記加熱庫13と蒸気ダクト100との隙間は、耐熱樹脂などによりシールされている。また、加熱庫13と蒸気ダクト100は、加熱庫13の前面開口を除いて断熱材により覆われている。
【0031】
上記循環ユニット14と過熱蒸気生成装置21と加熱庫13とそれらを接続する接続部材とによって、蒸気の循環経路が形成されている。そして、この循環経路における循環ユニット14の加熱庫13との境界部に、蒸気発生装置12で生成された飽和水蒸気が供給される。
【0032】
また、加熱庫13の下部にはマグネトロン80(図5に示す)が配置されている。このマグネトロンで発生したマイクロ波は、導波管(図示せず)によって加熱庫13の下部中央に導かれ、モータ37によって駆動される回転アンテナ38によって攪拌されながら加熱庫13内の上方に向かって放射されて被加熱物27を加熱する。
【0033】
また、ケーシング1内の下側には、冷却ファン部(図示せず)と、電装部品17と、マグネトロン80(図5に示す)を配置している。電装部品17は、加熱調理器の各部を駆動する駆動回路やこの駆動回路を制御する制御回路等を有している。
【0034】
図3は図1に示す操作パネル5を拡大した概略図である。
【0035】
ボタン群7は、戻るキー71、取り消しキー72、手動加熱キー73およびあたためスタートキー74で構成されている。戻るキー71は、カラー液晶パネル61の画面表示を直前の画面表示に戻すときに押す。また、取り消しキー72は、途中で加熱をやめるときや、操作を取り消すときに押す。そして、手動加熱キー73は、高周波出力および加熱出力を手動で設定するときに押す。また、あたためスタートキー74は、加熱を開始するときに押す。上記戻るキー71、取り消しキー72、手動加熱キー73、あたためスタートキー74は、それぞれ、1つのアイコン画像をなす。
【0036】
図4は図3のF4−F4線から見た模式断面図である。
【0037】
上記カラー液晶表示部6は、カラー液晶パネル61上にタッチパネル62を重ねて構成されている。なお、この発明の入力表示部は、液晶パネルに限らず、有機ELなどの他の表示デバイスを用いてもよく、カラー表示に限らず、白黒表示でもよい。
【0038】
このカラー液晶パネル61は、文字、数字、写真等をカラー表示できるものであり、加熱の種類、料理名、加熱時間、温度、料理の写真等を表示する。また、タッチパネル62は、ユーザーが指でタッチすると、表面電荷を変化させる透明素材からなる静電容量方式のタッチパネルである。これにより、ユーザーはタッチパネル62をタッチして、カラー液晶パネル61に表示される画像を選択できるようになっている。また、ユーザーがタッチパネル62をタッチして、カラー液晶パネル61に表示される選択可能な画像を選択すると、その画像の色が変わるようになっている。つまり、カラー液晶パネル61に表示される画像は、選択状態の色が非選択状態の色と異なるようになっている。なお、タッチパネル62は、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式または電磁誘導方式のタッチパネルに換えてもよく、また、指によるタッチパネルの操作だけでなく、タッチペンなどのペン状物体を用いて操作してもよい。
【0039】
また、上記ボタン群7は、上記カラー液晶パネル61とタッチパネル62を延長して構成されている入力表示部75に表示されている。この入力表示部75の一点鎖線で囲まれた領域が入力領域R1を示している。
【0040】
図5は、上記加熱調理器の制御ブロック図を示している。この加熱調理器は、マイクロコンピュータと入出力回路などからなる制御装置300を電装品部17(図2に示す)内に備えている。制御装置300は、過熱蒸気生成ヒータ20,循環ファン用モータ19,冷却ファン用モータ16,給気ダンパ用モータ44,排気ダンパ用モータ60,操作パネル5,庫内温度センサ29,解凍センサ50,給水ポンプ70,蒸気発生装置12およびマグネトロン80が接続されている。操作パネル5からの信号および庫内温度センサ29,解凍センサ50からの検出信号に基づいて、制御装置300は、過熱蒸気生成ヒータ20,循環ファン用モータ19,冷却ファン用モータ16,給気ダンパ用モータ44,排気ダンパ用モータ60,操作パネル5,給水ポンプ70,蒸気発生装置12およびマグネトロン80などを制御する。
【0041】
上記制御装置300は、位置情報取得部300a、位置判断部300b、接触判断部300c、入力判断部300d、検出領域拡大制御部300e、および、アイコン拡大設定部としてのキー領域拡大設定部301を有する。さらに、上記制御装置300は、検出領域狭め設定部300f-2を有する。
【0042】
上記検出領域狭め設定部300f-2は、図3,図7に示すように、初期設定として、上記あたためスタートキー74,取り消しキー72,手動加熱キー73,戻るキー71について各キー画像よりも狭い検出領域74a,72a,73a,71aを設定する。
【0043】
また、上記位置情報取得部300aは、上記タッチパネル62の上記入力表示部75における入力領域R1へのユーザーの指またはペン状物体の接触箇所の位置情報を取得する。また、上記位置判断部300bは、上記接触箇所の位置情報が上記入力表示部75に表示されている手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71,あたためスタートキー74のキー画像(図3に実線で示されている)に対応する検出領域の位置を表しているか否かを判断する。また、上記接触判断部300cは、上記タッチパネル62の上記入力領域R1にユーザーの指またはペン状物体が接触しているか否かを判断する。
【0044】
また、上記制御装置300の入力判断部300dは、上記位置判断部300bが上記接触箇所の位置情報が上記入力表示部75の上記キー画像に対応する検出領域内の位置を表していると判断した場合に、上記キー画像に対応したキー入力がなされたと判断する。
【0045】
さらに、この入力判断部300dは、上記位置判断部300bが上記接触箇所の位置情報が上記入力表示部75の上記キー画像の検出領域内の位置を表していないと判断した場合には、上記接触判断部300cがタッチパネル62の入力領域R1にユーザーの指またはペン状物体が接触していると判断し続けている期間は、位置情報取得部300aに上記接触箇所の位置情報の取得を継続させる。そして、入力判断部300dは、上記期間に位置判断部300bが接触箇所の位置情報が入力表示部75のキー画像に対応する検出領域内の位置を表していると判断したときに上記キー画像に対応したキー入力がなされたと判断する。そして、入力判断部300dは、上記接触判断部300cが上記タッチパネル62の上記入力領域にユーザーの指またはペン状物体が接触しなくなったと判断したときに上記キー画像に対応したキー入力がなされていないと判断する。
【0046】
また、上記検出領域拡大制御部300eは、上記位置判断部300bが上記接触箇所の位置情報が上記手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71,あたためスタートキー74のうちのいずれかのキー画像に対応する検出領域内の位置を表していると判断した場合に、上記接触判断部300cが上記タッチパネル62の入力領域R1にユーザーの指またはペン状物体が接触しているとの判断を継続している期間に、上記キー画像に対応する検出領域を初期設定の検出領域73a,72a,71a,74aを検出領域73b,72b,71b,74bへ広げる。
【0047】
また、上記検出領域拡大制御部300eは、上記検出領域を広げた後に、上記ユーザーの指またはペン状物体による接触箇所が上記広げた検出領域に対応するキー画像とは別のキー画像に対応する検出領域であると上記位置判断部300bが判断した場合に、上記キー画像の広げた検出領域を広げる前の検出領域に戻す。
【0048】
上記制御装置300と操作パネル5とで、この実施形態の入力表示装置を構成している。
【0049】
上記構成の加熱調理器において、過熱蒸気によって加熱調理を行う場合には、図2に示す過熱蒸気生成ヒータ20をオンすると共に、循環ファン18を回転駆動する。そうして、蒸気発生装置12から循環ユニット14の蒸気吸込口15の近傍上流側に供給された飽和水蒸気は、循環ファン18の回転によって負圧になっている循環ユニット14内に蒸気吸込口15を介して吸い込まれて、蒸気供給口22から過熱蒸気生成装置21内に吹き出される。そして、過熱蒸気生成装置21の過熱蒸気生成ヒータ20によって加熱されて過熱蒸気となる。この過熱蒸気の一部は、下側の加熱庫13の天面に設けられた複数の第1蒸気吹出口24から、加熱庫13内に下方に向かって吹き出す。また、過熱蒸気の他の一部は、蒸気ダクト100を介して加熱庫13の第2蒸気吹出口25から加熱庫13内に吹き出す。
【0050】
そして、加熱庫13内に供給された過熱蒸気は、トレイ30上の網40に搭載された被加熱物27を加熱した後、加熱庫13の右壁面に循環ユニット14の蒸気吸込口15に対向して形成された吸込口28から循環ユニット14内に吸い込まれる。そうして、再び循環経路を通って加熱庫13内に戻るという循環を繰り返す。
【0051】
これに対して、非過熱蒸気によって被加熱物27を蒸すかまたは暖める運転を行う場合には、過熱蒸気生成ヒータ20をオフすると共に、循環ファン18を停止する。そうすると、循環ファン18が停止しているため、循環経路内に循環気流が発生することがなく、蒸気発生装置12から循環ユニット14の蒸気吸込口15の近傍上流側に供給された飽和水蒸気は、循環ユニット14内に強制的に吸い込まれない。これにより、蒸気圧によって自然に加熱庫13内に流れ込む飽和水蒸気により、被加熱物27を蒸すかまたは暖める。
【0052】
ここで、加熱庫13内の左壁面および右壁面には、図2に示すように、トレイ30の両端部を係止する係止部39a,39b,39cが上下方向に3段に設けられている。そして、蒸気供給管34は、上段の係止部39aよりもやや上側に位置するように配置されている。「蒸し暖めモード」において、被加熱物27を搭載した2つのトレイ30を上段と中段とに配置する場合には、蒸気導入室36内に架設された蒸気供給管34の総てのノズル(図2の34の円形部の左側開口)を加熱庫13方向に斜め下向きにしておく。こうすることにより、被加熱物27を搭載したトレイ30が上段および中段の何れの位置にあっても、蒸気供給管34の斜め下向きのノズルから引き出された飽和水蒸気を被加熱物27に当てることができる。したがって、蒸気供給管34のノズルからの吹き出し方向を操作することなく、上中2段の被加熱物27に蒸し斑や暖め斑が生ずることがないようにできる。
【0053】
次に、操作パネル5の入力表示部75に表示されたボタン群7が操作されたときの動作を説明する。まず、接触判断部300cは、上記タッチパネル62の入力領域R1にユーザーの指またはペン状物体が接触しているか否かを判断する。この接触判断部300cが、ユーザーの指またはペン状物体が入力領域R1に接触していると判断すると、上記位置判断部300bは、上記接触箇所の位置情報が上記入力表示部75に表示されている上記手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71,あたためスタートキー74の各キー画像のうちのいずれかの検出領域73a,72a,71a,74a内の位置を表しているか否かを判断する。
【0054】
例えば、上記位置判断部300bが、上記接触箇所の位置情報があたためスタートキー(加熱開始キー)74の検出領域74a内の位置を表していると判断すると、上記入力判断部300dは、上記あたためスタートキー(加熱開始キー)74のキー入力がなされたと判断する。すると、予めユーザーがカラー液晶表示部6のタッチパネル62をタッチしてカラー液晶パネル61に表示される画像を選択することで選択された所望の調理メニューが制御装置300の制御で実行される。また、例えば、上記位置判断部300bが、上記接触箇所の位置情報が手動加熱キー73の検出領域73a内の位置を表していると判断すると、上記入力判断部300dは、上記手動加熱キー73のキー入力がなされたと判断する。すると、上記制御装置300によって、カラー液晶表示部6に高周波出力および加熱出力を手動で設定するための画面が表示され、ユーザーはタッチパネル62をタッチして所望の設定を行なうこととなる。また、例えば、上記位置判断部300bが、上記接触箇所の位置情報が取り消しキー(加熱停止キー)72の検出領域72a内の位置を表していると判断すると、上記入力判断部300dは、上記取り消しキー72のキー入力がなされたと判断する。すると、加熱調理中であっても加熱調理器による加熱が制御装置300の制御により停止される。また、例えば、上記位置判断部300bが、上記接触箇所の位置情報が戻るキー71の検出領域71a内の位置を表していると判断すると、上記入力判断部300dは、戻るキー71のキー入力がなされたと判断する。すると、制御装置300により、カラー液晶パネル61の画面表示が直前の画面表示に戻される。
【0055】
そして、上記位置判断部300bが上記接触箇所の位置情報が上記入力表示部75の上記ボタン群7のキー71〜74のいずれについても検出領域内の位置を表していないと判断した場合には、入力判断部300dは、接触判断部300cがタッチパネル62の入力領域R1にユーザーの指またはペン状物体が接触していると判断し続けている期間は、位置情報取得部300aに上記接触箇所の位置情報の取得を継続させる。この期間に、上記位置判断部300bが上記接触箇所の位置情報が上記入力表示部75の上記ボタン群7のキー71〜74のいずれかの検出領域内の位置を表していると判断したときに、入力判断部300dは上記キー画像に対応したキー入力がなされたと判断する。
【0056】
例えば、初めに、ユーザーの指またはペン状物体による接触箇所が上記あたためスタートキー74,手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71のいずれのキー画像の検出領域の外であっても、タッチパネル62の入力領域R1へユーザーの指またはペン状物体を接触させたままで接触箇所を上記あたためスタートキー74の検出領域内に移動させれば、上記あたためスタートキー74によるキー入力を行なうことができる。したがって、使用者はタッチパネル62の入力領域R1へユーザーの指またはペン状物体を接触させたまま上記あたためスタートキー74の検出領域74a内にスライドさせることで、あたためスタートキー74のキー入力が可能になり、キー入力し易くなる。このことは、ボタン群7の他のキー(手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71)についても同様である。
【0057】
一方、上記位置判断部300bが上記接触箇所の位置情報が上記入力表示部75の上記いずれのキー画像の検出領域内の位置も表していないと判断した場合に、上記接触判断部300cがタッチパネル62の入力領域R1にユーザーの指またはペン状物体が接触しなくなったと判断したときに入力判断部300dは上記いずれのキー画像に対応したキー入力もなされていないと判断する。
【0058】
また、検出領域拡大制御部300eは、例えば、ユーザーの指またはペン状物体を上記あたためスタートキー74の検出領域74aに接触させて、入力判断部300dによって、上記あたためスタートキー74がキー入力されたと判断した場合に、ユーザーの指またはペン状物体が上記タッチパネル62へ接触している期間に、上記あたためスタートキー74の検出領域74aを広げる。これにより、キー入力中にユーザーの指またはペン状物体がぶれてタッチパネル62への接触箇所が上記あたためスタートキー74の元の検出領域74aから外れても、ユーザーの指またはペン状物体を上記広げた検出領域74bに接触させている限りは、上記あたためスタートキー74のキー入力が継続され、キー入力がキャンセルされてしまうことを回避できる。
【0059】
また、検出領域拡大制御部300eは、上記検出領域74aを広げた後に、上記接触箇所が上記広げた検出領域74bに対応するあたためスタートキー74とは別のキー画像(例えば、取り消しキー72)に対応する検出領域であると上記位置判断部300bが判断した場合に、上記広げた検出領域74bを広げる前の検出領域74aに戻す。このことは、ボタン群7の他のキー(手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71)についても同様である。
【0060】
図8,図9は、この実施形態における制御装置300によって操作パネル5の入力表示部75を制御する動作を説明するためのフローチャートである。
【0061】
まず、制御装置300は、ステップS101において、カラー液晶パネル61に図3,図7に示すボタン群7を表示する。次に、ステップS102に進み、上記検出領域狭め設定部300f-2は、図7に示すように、初期設定として、上記あたためスタートキー74,取り消しキー72,手動加熱キー73,戻るキー71の各キー画像よりも狭い検出領域74a,72a,73a,71aを設定する。
【0062】
次に、ステップS103に進み、接触判断部300cによって、タッチパネル62の入力領域R1にユーザーの指またはペン状物体が接触しているか否かを判断する。ステップS103で、タッチパネル62の入力領域R1にユーザーの指またはペン状物体が接触していると判断すると、ステップS104に進み、ステップS103で、ユーザーの指またはペン状物体が接触していないと判断するとステップS103を繰り返す。
【0063】
ステップS104では、位置判断部300bによって、上記接触箇所の位置情報が入力表示部75に表示されている手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71,あたためスタートキー74の各キー画像の検出領域73a,72a,71a,74aのうちのいずれか1つの位置を表しているか否かを判断する。このステップS104で、上記接触箇所の位置情報が各キー画像の検出領域のうちのいずれか1つの検出領域の位置を表していると判断すると、ステップS105に進み、ステップS104で上記接触箇所の位置情報が各キー画像の検出領域うちのいずれの検出領域の位置も表していないと判断すると、ステップS106に進む。
【0064】
ステップS105では、上記検出領域拡大制御部300eにより、上記接触箇所の位置情報に該当するキー画像に対応する検出領域を拡大して、ステップS108に進む。図7は、上記手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71,あたためスタートキー74の各キー画像に対応する拡大した検出領域73b,72b,71b,74bの一例を示している。
【0065】
一方、ステップS106では、入力判断部300dは、接触判断部300cが上記タッチパネル62の入力領域R1へユーザーの指またはペン状物体が接触していると判断しているか否かを判断する。このステップS106で、上記接触していると判断するとステップS104に戻り、接触していないと判断するとステップS107に進む。ステップS107では、入力判断部300dにより、キー入力がなされていないと判断してステップS103に戻る。
【0066】
ステップS108では、入力判断部300dが、上記接触箇所の位置情報に該当するキー画像に対応したキー入力がなされたと判断してステップS109に進む。ステップS109では、入力判断部300dが、接触判断部300cがタッチパネル62の入力領域R1へユーザーの指またはペン状物体の接触が接触していると判断しているか否かを判断する。このステップS109で、上記接触していると判断すると、図9のステップS121に進み、ステップS109で、上記接触していないと判断すると、ステップS110に進んで、検出領域拡大制御部300eにより上記キー画像に対応する検出領域を初期設定に戻してから、ステップS103に戻る。
【0067】
一方、図9のステップS121では、上記検出領域拡大制御部300eは、上記入力領域R1へのユーザーの指またはペン状物体の接触箇所が、上記拡大した検出領域にあるか否かを判断し、上記接触箇所が上記拡大した検出領域にあると判断するとステップS122に進み、上記拡大された検出領域を維持して、ステップS108に戻る。一方、ステップS121で、上記接触箇所が上記拡大した検出領域にないと判断するとステップS123に進む。このステップS123では、上記検出領域拡大制御部300eは、上記検出領域を広げた後に、上記接触箇所が、上記広げた検出領域に対応するキー画像とは別のキー画像に対応する検出領域であると位置判断部300bが判断した場合には、ステップS124に進む。一方、ステップS123で、上記接触箇所が、別のキー画像に対応する検出領域ではないと判断した場合は、ステップS110に進む。ステップS124では、検出領域拡大制御部300eは、元のキー画像に対応する検出領域を初期設定に戻すと共に、上記別のキー画像を新たに選択されたキー画像として、ステップS105に戻る。
【0068】
上述のように、この実施形態の入力表示装置によれば、上記キー画像の検出領域にユーザーの指またはペン状物体を接触させると、検出領域拡大制御部300eは、上記検出領域を広げる。よって、上記接触の後に、上記ユーザーの指またはペン状物体の接触箇所が元の検出領域から外れても上記広げた検出領域内にあれば、入力判断部300dは、上記キー画像に対応したキー入力がなされたと判断する。したがって、キー入力中に、ユーザーの指が震える等によって上記接触箇所が元の検出領域から外れても上記広げた検出領域内にあれば、キー入力がキャンセルされてしまうことを回避でき、キー入力が維持される。
【0069】
この実施形態によれば、例えば、図10Aに示すように、上記タッチパネル62の入力領域R1へのユーザーの指またはペン状物体の接触箇所500が上記入力領域R1に示されるボタン群7の各キーに対応するキー画像501の初期設定の検出領域501aの領域外であっても、上記タッチパネル62の入力領域R1へユーザーの指またはペン状物体を接触させたままで、図10Bに示すように、上記接触箇所500をキー画像501の検出領域501aの領域内に移動させれば、キー画像501に対応したキー入力を行なうことができる。
【0070】
また、この実施形態によれば、図10Bに示すように、上記接触箇所500をキー画像501の検出領域501aに移動させると、上記検出領域拡大制御部300eにより、上記キー画像501の検出領域501aを広げて、図10Cに示すように、拡大した検出領域501bにすることができる。したがって、キー入力中に、指がぶれる等によって、図10Dに示すように、上記接触箇所500が初期設定の検出領域501aから外れても、上記広げた検出領域501bにあれば、キー入力を維持できて、キー入力がキャンセルされてしまうことを回避できる。
【0071】
また、この実施形態によれば、図10Eに示すように、上記ユーザーの指またはペン状物体の接触箇所500が上記広げた検出領域501bから外れた場合には、図10Fに示すように、上記広げた検出領域501bを元の初期設定の検出領域501aに戻して、入力判断部300dは、キー画像501に対応したキー入力がなされていないと判断する。よって、キー画像501から大きく離れた位置へのユーザーの指またはペン状物体による接触については無効にできる。
【0072】
また、この実施形態では、上記検出領域拡大制御部300eは、上記検出領域を広げた後に、上記位置判断部300bがユーザーの指またはペン状物体による接触箇所が上記広げた検出領域に対応するキー画像とは別のキー画像に対応する検出領域であると判断した場合に、上記広げた検出領域を広げる前の検出領域に戻す。このように、選択されなくなった元のキー画像の検出領域を狭めると共に、新たに選択された別のキー画像の検出領域を広げることで、キー画像による入力を行ない易くできる。
【0073】
また、この実施形態によれば、上記検出領域狭め設定部300f-2は、初期設定として、手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71,あたためスタートキー74の各キー画像の検出領域73a,72a,71a,74aをそのキー画像よりも狭くするので、キー入力を行なう際に誤って隣接する別のキー画像のキー入力を行なってしまうことを回避できる。なお、上記検出領域狭め設定部300f-2は、初期設定として、上記手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71,あたためスタートキー74のうちの予め定められたキーについてのみ、キー画像よりも検出領域を狭く初期設定してもよい。例えば、上記手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71については、狭い検出領域73a,72a,71aとする一方、あたためスタートキー74についてはキー画像の領域と同じ検出領域に初期設定してもよい。
【0074】
このように、上記検出領域狭め設定部300f-2によれば、例えば、近接して配置されている手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71について、各キー画像よりも狭い有効領域73a,72a,71aを設定できる。この設定の一例に対応する図12に例示するように、配置されているキー画像701,702,703の有効領域701a,702a,703aをそのキー画像701,702,703よりも狭く設定することとなるので、キー入力を行なう際に誤って隣接する別のキー画像のキー入力を行なってしまうことを回避できる。
【0075】
また、この実施形態の入力表示装置では、キー領域拡大設定部301を有し、このキー領域拡大設定部301は、予め定められたキー画像の一例としての取り消しキー(加熱停止キー)72のキー画像領域と初期設定の検出領域を、この取り消しキー72に隣り合う手動加熱キー73および戻るキー71のキー画像領域と初期設定の検出領域よりも広く設定する。これにより、例えば、緊急の加熱停止を要する場合に取り消しキー(加熱停止キー)72のキー入力がしづらい状況を回避できる。また、上記キー領域拡大設定部301は、あたためスタートキー74の画像領域と初期設定の検出領域を、手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71の画像と初期設定の検出領域よりも広く設定する。これにより、入力の頻度が最も高いあたためスタートキー74のキー入力を容易にすることができる。
【0076】
また、上記実施形態の入力表示装置において、上記検出領域狭め設定部300f-2に替えて、図5に破線で示す検出領域拡大設定部300f-1を備えてもよい。この検出領域拡大設定部300f-1は、手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71,あたためスタートキー74の各キー画像のうちの、予め定められたキー画像(例えば、取り消しキー72)について、図7に2点鎖線で示すように、初期設定として、キー画像よりも広い検出領域(例えば、検出領域72c)を設定する。なお、検出領域拡大設定部300f-1により、上記取り消しキー72の他に、上記手動加熱キー73,戻るキー71,あたためスタートキー74のうちのいずれか1つ以上について、キー画像よりも広い検出領域73c,71c,74cを初期設定してもよい。なお、上記検出領域拡大設定部300f-1は、上記予め定められたキー画像以外のキー画像については、上記検出領域狭め設定部300f-2と同様に、キー画像よりも検出領域を狭く初期設定するものとしてもよく、キー画像とその検出領域とを同じ領域に初期設定するものとしてもよい。この検出領域拡大設定部300f-1によれば、図11に例示するように、予め定められたキー画像601の検出領域601aを上記キー画像601よりも広く初期設定する。この検出領域拡大設定部300f-1によれば、キー画像601が小さくても上記キー画像601の検出領域601aを広く初期設定できるので、小さなキー画像でも入力し易くなる。なお、手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71,あたためスタートキー74の各キー画像のうちの、予め定められたキー画像について、初期設定として、キー画像と同じ領域の検出領域を設定する検出領域一致設定部300f-0を備えてもよい。なお、この検出領域一致設定部300f-0は、上記予め定められたキー画像以外のキー画像については、キー画像よりも検出領域を広く初期設定するものとしてもよく、キー画像よりも検出領域を狭く初期設定するものとしてもよい。また、検出領域拡大設定部300f-1と検出領域狭め設定部300f-2の各機能を併せ持つ1つの検出領域設定部を検出領域非同一設定部として備えてもよい。さらに、上記検出領域一致設定部300f-0と検出領域拡大設定部300f-1と検出領域狭め設定部300f-2の各機能を併せ持つ1つの検出領域設定部を備えてもよい。
【0077】
また、上記実施形態において、検出感度設定部として図5に示すキー高感度設定部300g‐1を備えてもよい。このキー高感度設定部300g‐1は、図6に示す手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71,あたためスタートキー74の各キー画像のうちの、予め定められたキー画像(例えば取り消しキー72)に対応するキー感度を、上記予め定められたキー画像とは異なる別のキー画像のキー感度よりも高く設定する。このキー高感度設定部300g‐1によれば、予め定められたキー(例えば取り消しキー72)を入力し易くなり、例えば、緊急の加熱停止を要する場合に取り消しキー(加熱停止キー)72のキー入力を速やかに行なうことができる。また、上記実施形態において、検出感度設定部として図5に示すキー低感度設定部300g‐2を備えてもよい。このキー低感度設定300g‐2は、手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71,あたためスタートキー74の各キー画像のうちの、予め定められたキー画像(例えばあたためスタートキー74)について、キー感度を、上記予め定められたキー画像とは異なる別のキー画像のキー感度よりも低く設定する。このキー低感度設定部300g‐2によれば、予め定められたキーのキー感度を低くして、キーを強く押した場合にのみ、キー入力を有効とすることができるので、例えば、加熱調理器のあたためスタートキー(加熱開始キー)74などにおいて、不用意な操作によって加熱が開始してしまうことを回避できる。なお、上記キー高感度設定部300g‐1とキー低感度設定部300g‐2の両方の機能を併せ持つ1つのキー感度設定部を検出感度設定部として備えてもよい。
【0078】
また、上記実施形態において、上記制御装置300の入力判断部300dは、手動加熱キー73,取り消しキー72,戻るキー71,あたためスタートキー74のうちの、予め定められたキー(例えば、あたためスタートキー74(加熱開始キー))に対応するキー画像について、予め定められた時間(例えば、1秒または2秒間)以上の期間、上記位置判断部300bが上記接触箇所の位置情報が上記予め定められたキーのキー画像に対応する検出領域内の位置を表していると判断したときに、上記予め定められたキーのキー入力がなされたと判断する一方、上記位置判断部300bが上記接触箇所の位置情報が上記予め定められたキーのキー画像に対応する検出領域内の位置を表していると判断している期間が上記予め定められた時間未満であると判断したときに、上記予め定められたキーのキー入力がなされていないと判断するものとしてもよい。この場合、上記入力判断部300dは、ユーザーの指またはペン状物体を上記キー画像の検出領域に予め定められた時間以上接触させたときに初めて上記キー画像のキー入力がなされたと判断する。したがって、例えば、加熱調理器のあたためスタートキー(加熱開始キー)74において、不用意な操作によって加熱が開始してしまうことを回避できる。
【0079】
また、上記実施形態において、制御装置300により、図10B,図10Cに例示するキー入力がなされた状態のキー画像501を、図10Aに例示するキー入力がなされていないキー画像501と比較して、色(色相,明度,彩度)が変わるか、コントラストが変わるか、例えば網掛けなどの模様の変更などを行なうことにより、他のキー入力がなされていないキー画像と容易に区別できるようにしてもよい。
【0080】
上記実施の形態では、加熱調理器に備えられた入力表示装置について説明したが、入力表示装置はこれに限らず、他の電子装置などにこの発明の入力表示装置を適用してもよい。例えば、本発明の入力表示装置は、携帯電話や携帯端末などにも適用することが可能である。また、本発明は、図形,文字,画像のいずれか一つ若しくはそれらの組み合わせからなるアイコン画像を表示し、このアイコン画像に対応する検出領域に対するタッチの有無を検出することにより、機器制御を行う入力表示装置に適用できる。
【0081】
また、この発明の加熱調理器としては、例えば、過熱水蒸気を使用するオーブンレンジのみならず、過熱水蒸気を使用するオーブン、過熱水蒸気を使用しないオーブンレンジ、過熱水蒸気を使用しないオーブンなどがある。
【0082】
この発明の加熱調理器では、オーブンレンジなどにおいて、過熱水蒸気または飽和水蒸気を用いることによって、ヘルシーな調理を行うことができる。例えば、本発明の加熱調理器では、温度が100℃以上の過熱水蒸気または飽和水蒸気を食品表面に供給し、食品表面に付着した過熱水蒸気または飽和水蒸気が凝縮して大量の凝縮潜熱を食品に与えるので、食品に熱を効率よく伝えることができる。また、凝縮水が食品表面に付着して塩分や油分が凝縮水と共に滴下することにより、食品中の塩分や油分を低減できる。さらに、加熱庫内は過熱水蒸気または飽和水蒸気が充満して低酸素状態となることにより、食品の酸化を抑制した調理が可能となる。ここで、低酸素状態とは、加熱庫内において酸素の体積%が10%以下(例えば2〜3%)である状態を指す。
【0083】
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0084】
1…ケーシング
2…扉
3…ハンドル
4…耐熱ガラス
5…操作パネル
6…カラー液晶表示部
7…ボタン群
8…排気ダクト
9…露受容器
11…水タンク
12…蒸気発生装置
13…加熱庫
14…循環ユニット
15…蒸気吸込口
17…電装部品
18…循環ファン
19…ファンモータ
20…過熱蒸気生成ヒータ
21…過熱蒸気生成装置
22…蒸気供給口
24…第1蒸気吹出口
25…第2蒸気吹出口
27…被加熱物
28…吸込口
30…トレイ
34…蒸気供給管
36…蒸気導入室
37…モータ
38…回転アンテナ
39a,39b,39c…係止部
40…網
61…カラー液晶パネル
62…タッチパネル
71…戻るキー
71a…狭い検出領域(初期設定)
71b…広い検出領域
71c…広い検出領域(初期設定)
72…取り消しキー
72a…狭い検出領域(初期設定)
72b…広い検出領域
72c…広い検出領域(初期設定)
73…手動加熱キー
73a…狭い検出領域(初期設定)
73b…広い検出領域
73c…広い検出領域(初期設定)
74…あたためスタートキー
74a…狭い検出領域(初期設定)
74b…広い検出領域
74c…広い検出領域(初期設定)
75…入力表示部
80…マグネトロン
100…蒸気ダクト
110…第1ダクト部
120…屈曲部
130…第2ダクト部
300…制御装置
300a…位置情報取得部
300b…位置判断部
300c…接触判断部
300d…入力判断部
300f‐0…検出領域一致設定部
300f‐1…検出領域拡大設定部
300f‐2…検出領域狭め設定部
300g‐1…キー高感度設定部
300g‐2…キー低感度設定部
301…キー領域拡大設定部
300e…検出領域拡大制御部
500…接触箇所
501,601…キー画像
501a,601a…検出領域
501b…拡大した検出領域
R1…入力領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に少なくとも1つのアイコン画像を表示すると共にタッチパネルを有する入力表示部と、
上記タッチパネルへのユーザーの指またはペン状物体の接触箇所が上記アイコン画像に対応する検出領域であるか否かを判断する位置判断部と、
上記接触箇所が上記アイコン画像に対応する検出領域であると上記位置判断部が判断した場合に、上記アイコン画像に対応する入力がなされたと判断する入力判断部と、
上記アイコン画像の領域と上記アイコン画像に対応する検出領域とを異ならせる検出領域非同一設定部と
を備えることを特徴とする入力表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力表示装置において、
上記検出領域非同一設定部は、
上記アイコン画像の領域を拡張した領域を上記アイコン画像に対応する検出領域とする検出領域拡大設定部を含むことを特徴とする入力表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の入力表示装置において、
上記検出領域非同一設定部は、
上記アイコン画像の領域を狭めた領域を上記アイコン画像に対応する検出領域とする検出領域狭め設定部を含むことを特徴とする入力表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の入力表示装置において、
予め定められたアイコン画像を上記アイコン画像とは異なる別のアイコン画像よりも広く設定すると共に上記予め定められたアイコン画像の検出領域を上記別のアイコン画像の検出領域よりも広く設定するアイコン拡大設定部を備えることを特徴とする入力表示装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の入力表示装置において、
上記入力表示部は、上記表示画面に複数のアイコン画像を表示し、
上記複数のアイコン画像の検出領域の検出感度を、各アイコン画像に応じて互いに異なる2段階以上の値に設定する検出感度設定部を備えることを特徴とする入力表示装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の入力表示装置において、
上記入力判断部は、
予め定められたアイコン画像について、予め定められた時間以上の期間、上記接触箇所が上記予め定められたアイコン画像に対応する検出領域の位置を表していると上記位置判断部が判断したときに、上記予め定められたアイコン画像の入力がなされたと判断する一方、上記位置判断部が上記接触箇所が上記予め定められたアイコン画像に対応する検出領域の位置を表していると判断している期間が上記予め定められた時間未満であると判断したときに、上記予め定められたアイコン画像の入力がなされていないと判断することを特徴とする入力表示装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載の入力表示装置を備えたことを特徴とする加熱調理器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図10D】
image rotate

【図10E】
image rotate

【図10F】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−133719(P2012−133719A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287317(P2010−287317)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】