入力装置、入力方法、及び、プログラム
【課題】ユーザの直感的な操作によって、画面上に表示される表示内容を入れ替えることができる入力装置等を提供する。
【解決手段】入力装置1は、ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネル42と画像を表示する第1の表示パネル41とからなる第1の表示部4と、ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネル52と画像を表示する第2の表示パネル51とからなり、第1の表示部4に隣接して配置される第2の表示部5と、表示を制御する制御部2と、を備える。制御部2は、第1のタッチパネル42と第2のタッチパネル52とから、タッチパネルへの入力操作を検出し、第1の表示パネル41と第2の表示パネル51とから、表示されたアプリケーションを特定し、検出した入力操作と特定したアプリケーションとに基づいて、当該アプリケーションの表示画像を制御する。
【解決手段】入力装置1は、ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネル42と画像を表示する第1の表示パネル41とからなる第1の表示部4と、ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネル52と画像を表示する第2の表示パネル51とからなり、第1の表示部4に隣接して配置される第2の表示部5と、表示を制御する制御部2と、を備える。制御部2は、第1のタッチパネル42と第2のタッチパネル52とから、タッチパネルへの入力操作を検出し、第1の表示パネル41と第2の表示パネル51とから、表示されたアプリケーションを特定し、検出した入力操作と特定したアプリケーションとに基づいて、当該アプリケーションの表示画像を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置、入力方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末、PHS、パソコンなどの機器において、表示画面上にタッチパネルを搭載し、当該タッチパネルに指先を接触(タッチ)したり、タッチパネル上で指を移動(ドラッグ)させたり、2本以上の指で同時にタッチ(マルチタッチ)やドラッグすることで、簡単かつ直感的に操作を行う方法が知られている。例えば、特許文献1には、2つの表示画面上のそれぞれにタッチパネルを搭載し、ユーザが所定のボタン操作を行うことにより、2つの表示画面上に表示されている内容を入れ替えるように制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−162354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、2つの表示画面上のそれぞれにタッチパネルを搭載しているが、2つの表示画面上に表示されている内容を入れ替えるために、タッチパネルを使用せずに所定のボタンを押下する必要がある。表示画面の内容を入れ替える際にタッチパネルを使用していないため、操作が直感的ではなく、ユーザによってはどのボタンを押せばよいのか分からない場合があった。そこで、タッチパネルを使用することにより、ユーザの直感的な操作によって、画面上に表示される表示内容を入れ替えることができる新たな方法が求められている。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ユーザの直感的な操作によって、画面上に表示される表示内容を入れ替えることができる入力装置、入力方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る入力装置は、
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部と、
前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部と、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルへの入力操作を検出する検出部と、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定する特定部と、
前記検出された入力操作と前記特定されたアプリケーションとに基づいて、当該アプリケーションの表示画像を制御する制御部と、を備える、
ことを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の観点に係る入力方法は、
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部と、前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部と、を備える入力装置における入力方法であって、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルの入力操作を検出し、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定し、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとにまたがって表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作を当該アプリケーションに送り、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとのそれぞれに表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作に基づいて、当該特定されたアプリケーションの表示画像位置を変更するように前記ユーザに促す、
ことを特徴とする。
【0008】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部、
前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルへの入力操作を検出する検出部、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定する特定部、
前記検出された入力操作と前記特定されたアプリケーションとに基づいて、当該アプリケーションの表示画像を制御する制御部、として機能させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの直感的な操作によって、画面上に表示される表示内容を入れ替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態1に係る入力装置の構成を示す図である。
【図2】入力装置の概略外観図である。
【図3】タッチパネルの座標例を示す図である。
【図4】ドラッグ操作処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】タッチイベント情報の例を示した図である。
【図6A】アプリケーション画像の表示サイズを変更する操作方法を説明するための図である。
【図6B】アプリケーション画像の表示サイズを変更する操作方法を説明するための図である。
【図6C】アプリケーション画像の表示サイズを変更する操作方法を説明するための図である。
【図7】画面変更処理を説明するためのフローチャートである。
【図8A】1アプリ表示モードにおける画面例を示した図である。
【図8B】2アプリ表示モードにおける画面例を示した図である。
【図9】アプリ操作画面の例を示した図である。
【図10】画像移動処理を説明するためのフローチャートである。
【図11A】アプリケーション画像の表示位置を変更する操作方法を説明するための図である。
【図11B】アプリケーション画像の表示位置を変更する操作方法を説明するための図である。
【図11C】アプリケーション画像の表示位置を変更する操作方法を説明するための図である。
【図11D】アプリケーション画像の表示位置を変更する操作方法を説明するための図である。
【図12】実施形態2に係る画面変更処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】実施形態3に係る画面変更処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
以下に本発明の実施形態を説明する。各種のコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯端末機、電子書籍端末、車載用PND(Portable Navigation Device)などの情報処理装置において本発明を適用することができる。すなわち、以下に記載する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0012】
図1は、本発明の実施形態1に係る入力装置1の構成を示すブロック図である。また、図2は、入力装置1の概略外観図である。以下、これらの図を参照して説明する。
【0013】
入力装置1は、図1に示すように、制御部2、記憶部3、第1の表示パネル41と第1のタッチパネル42とからなる第1の表示部4、第2の表示パネル51と第2のタッチパネル52とからなる第2の表示部5、通信部6、操作部7、音声出力部8、音声入力部9、タイマ部10、バス11から構成される。
【0014】
制御部2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、記憶部3に格納された動作プログラムに従って、入力装置1全体の動作を制御する。記憶部3に格納されている動作プログラムを実行することで、制御部2は、検出部21、特定部22などとして機能する。
【0015】
検出部21は、第1のタッチパネル42及び第2のタッチパネル52において、ユーザの指やタッチペンが指示(タッチ)している位置を検出することにより、例えば、イベント種別(タッチ状態)を検出する。ここで、イベント種別(タッチ状態)には、例えば、ユーザがタッチパネルをタッチした状態を示す「タッチ開始」、タッチしている状態が継続している「タッチ中」、タッチを解除(終了)した状態を示す「タッチ終了」などがある。検出部21は、イベント種別を検出することにより、タッチ(接触)、ドラッグ(移動)、ドロップ(解除)、マルチタッチ(2点以上の同時接触)等を検出する。
【0016】
特定部22は、第1の表示パネル41及び第2の表示パネル51に表示されているアプリケーションと特定(検出)することにより、現在の表示モードを特定する。ここで、アプリケーションとは、インターネットブラウザ、メーラ、時計、電卓等といったソフトウェア(プログラム)の単位を示す。また、表示モードとは、例えば、1アプリ表示モード、2アプリ表示モードといった、第1の表示パネル41及び第2の表示パネル51に表示されるアプリケーションの状態を示すものである。1アプリ表示モードは、第1の表示パネル41と第2の表示パネル51との両方の表示パネルを用いて、1つのアプリケーションを表示するモードである。また、2アプリ表示モードは、第1の表示パネル41と第2の表示パネル51とのそれぞれの表示パネルに1つずつのアプリケーションを表示するモードである。特定部22は、例えば、第1の表示パネル41と第2の表示パネル51との両方にまたがって、アプリケーションAが表示されている場合、1アプリ表示モードと特定し、第1の表示パネル41にはアプリケーションBが表示され、第2の表示パネル51にはアプリケーションCが表示されている場合、2アプリ表示モードと特定する。
【0017】
記憶部3は、例えば、ROMやフラッシュメモリ等の不揮発性半導体メモリ、あるいはRAM等の揮発性半導体メモリから構成され、制御部2が実行する動作プログラム(アプリケーション)の他、各処理の実行に必要なデータや各処理の実行によって生成されたデータなどを記憶する。また、記憶部3は、検出部21が検出したイベント種別(タッチ状態)等を示すタッチイベント情報履歴31、特定部22が特定した表示モードを識別するための表示モードフラグ32を記憶する。
【0018】
第1の表示部4は、LCD(Liquid Crystal Display)、もしくは、有機ELパネル、及び、ドライバ回路等からなる第1の表示パネル41と、感圧式のタッチセンサパネル(タッチスクリーン)等からなる第1のタッチパネル42と、から構成され、任意のアプリケーションや画像を適宜表示する。第1の表示パネル41と第1のタッチパネル42とが重畳して配置され、第1の表示部4は、ユーザの指やタッチペンからの圧力を検出することにより、ユーザからの指示入力を受け付ける。
【0019】
第1のタッチパネル42は、ユーザによって触れられるパネル部とタッチパネル制御部(図示せず)から構成される。第1のタッチパネル42は、ユーザのタッチを検出すると、タッチパネル制御部がタッチイベント情報を出力する。ここで、タッチイベント情報とは、タッチされた位置を示す座標や、時刻、イベント種別、パネル番号、タッチ数などを含んだ情報である。それぞれの詳細については後述する。パネル部にはタッチを検出する電極がマトリックス状に配置されており、静電容量の変化を順次スキャンすることで、第1のタッチパネル42は、マルチタッチも検出できる。
【0020】
第1のタッチパネル42は、図3に示すように、それぞれタッチされた位置の横方向、縦方向を表すための座標を記憶している。例えば、第1のタッチパネル42のサイズが、ハーフVGA(Video Graphics Array)サイズの場合、横方向に320画素、縦方向に480画素となる。そして、第1のタッチパネル42の左上の点(角)を原点(0,0)とすると、右上の点の座標(319,0)、左下の点の座標(0,479)、右下の点の座標(319,479)となる。
【0021】
第2の表示部5は、第1の表示部4と同様の機能、構成を備える。第2の表示部5は、図2に示すように、第1の表示部4と隣接するように配置される。
【0022】
通信部6は、例えば、無線アクセスに利用されるアンテナ、通信用の無線通信回路等から構成され、所定の通信プロトコルに沿って、アンテナを介して、基地局や他の入力装置1との間で無線通信を行う。通信部6が、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)等のセルラー方式移動通信システムを介しての通信を行うことにより、データ通信が実現される。また、通信部6は、USB(Universal Serial Bus)などの方式(規格)に沿って、ケーブルなどを介して、各種データ等を送受信する。
【0023】
操作部7は、ユーザからの操作指示を受け付けるための各種キー、ボタンから構成され、ユーザからの操作を受け付けて、ユーザからの操作に対応した操作信号を制御部2に入力する。
【0024】
音声出力部8は、通話用スピーカ81、スピーカ82、DAC(Digital Analog Converter)等から構成され、例えば、制御部2が再生したコンテンツの音声信号にDA変換を施し、スピーカ82により放音する。通話用スピーカ81は、音声や音楽を出力するものであり、受話音声を出力する。また、スピーカ82は、音声や音楽を出力するものであり、着信時の通知音等を出力する。
【0025】
音声入力部9は、通話用マイク91、ADC(Analog Digital Converter)等から構成され、通話時等に、音声信号を収集し、通信部7に供給する。通話用マイク91は、ユーザが発した音声や周囲の音声を受け付ける。
【0026】
タイマ部10は、例えば、RTC(Real Time Clock)等から構成され、日時(年月日時分秒及び曜日を含む)を計時(カウント)することにより、タイマ、カレンダーや時計として機能する。タイマ部10が一定の時間間隔で割り込みを発生させることにより、制御部2は割り込みを発生させる時間間隔を設定できる。
【0027】
バス11は、各部間で相互にデータを伝送する。
【0028】
入力装置1は、例えば図2に示すような、折り畳み型の装置であり、第1の筺体101と第2の筺体102とから構成される。第1の筺体101は、第1の表示部4、操作部7、通話用スピーカ81、スピーカ82、通話用マイク91等から構成される。また、第2の筺体102は、第2の表示部5等から構成される。第1の筺体101と第2の筺体102とはヒンジ103により結合され、開いたり、折り畳んだりすることができる。入力装置1は、開いた状態では、第1の表示部4(第1の表示パネル41)と第2の表示部5(第2の表示パネル51)とに別々のアプリケーションを表示することができ、それぞれのタッチパネル(第1のタッチパネル42、第2のタッチパネル52)からユーザの操作入力を受け付けることができる。
【0029】
次に、入力装置1の動作について説明する。図4は、2枚のタッチパネルをまたいだドラッグ操作を実現するドラッグ操作処理を説明するためのフローチャートである。以下、図面を参照して説明する。
【0030】
入力装置1は、ユーザに対して操作入力を行うように促して、当該ユーザからの操作入力を受け付けることにより、ドラッグ操作処理を開始する。
【0031】
まず、制御部2は、検知部21を制御して、第1のタッチパネル42又は第2のタッチパネル52がタッチされたことを検出し(ステップS101)、タッチイベント情報(EVn)を取得する(ステップS102)。ここで、第1のタッチパネル42及び第2のタッチパネル52から出力されるタッチイベント情報(EVn)は、タッチイベント情報履歴31として記憶部3に記憶される。
【0032】
タッチイベント情報履歴31には、図5に示すように、イベント番号(イベントNo)301、時刻302、第1のタッチイベントに対する、パネル番号(パネルNo)303、X座標304、Y座標305、イベント種別306、第2のタッチイベントに対する、パネル番号(パネルNo)307、X座標308、Y座標309、イベント種別310、及び、タッチ数311などが記載される。ここで、時刻302は、タッチイベント情報(EVn)が出力された時刻である。タッチイベント情報(EVn)は、指がタッチパネルにタッチされたときのほか、ドラッグ中や、タッチパネルから離れたときにも出力される。また、パネル番号303は、どのタッチパネルから出力された情報であるかを区別するための番号である。例えば、第1のタッチパネル42のパネル番号を1、第2のタッチパネル52のパネル番号を2とする。また、イベント種別306、310は、ユーザの操作状態を示すものであり、例えば、「タッチ開始」、「タッチ中」、「タッチ終了」と区別される。また、X座標304、308及びY座標305、309は、タッチが検出された位置である。また、タッチ数311は、同時刻にタッチパネルがタッチされた回数である。タッチ数311が「2」の場合は、タッチイベント1及びタッチイベント2の2つのタッチイベントがタッチイベント情報履歴31に記載される。つまり、タッチ数311の示す値と同じ数のタッチイベントがタッチイベント情報履歴31に記載される。タッチ数311は、第1のタッチパネル42及び第2のタッチパネル52から出力される、それぞれのタッチ数の合計が記載される。タッチ数311の最大数は、第1のタッチパネル42のタッチパネル制御部と第2のタッチパネル52のタッチパネル制御部とが検出できるタッチイベントの最大数の和まで増え、例えば、10程度である。
【0033】
なお、ステップS102の処理で取得したタッチイベント情報(EVn)は、次のタッチイベント情報(EVn+1)が取得できるまで、記憶部3に一時的に保持しておけばよいので、タッチイベント情報履歴31には記載しなくてもよい。そのため、入力装置1は、タッチイベント情報履歴31を備えていなくともよい。
【0034】
次に、制御部2は、タッチイベント情報(EVn)に含まれるイベント種別306、310が「タッチ終了」であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0035】
イベント種別306、310が「タッチ終了」でない場合(ステップS103;No)、制御部2は、タッチイベント情報(EVn)をアプリケーションに通知して(ステップS112)、本処理を終了する。
【0036】
一方、イベント種別306、310が「タッチ終了」である場合(ステップS103;Yes)、制御部2は、タイマ部10を制御して、タイマを開始(始動)して(ステップS104)、次のタッチイベント情報(EVn+1)が出力されるのを待つ状態になる。そして、制御部2は、タイマ部10を制御して、次のタッチイベント情報(EVn+1)を取得する前にタイマが満了しているか否かを判定する(ステップS105)。
【0037】
タイマが満了している場合(ステップS105;Yes)、制御部2は、「タッチ終了」のタッチイベント情報(EVn)をアプリケーションに通知して(ステップS112)、本処理を終了する。
【0038】
一方、タイマが満了していない場合(ステップS105;No)、制御部2は、検知部21を制御して、次のタッチイベント情報(EVn+1)を取得したか否かを判定する(ステップS106)。これは、タッチパネルをまたぐドラッグ操作によって、「タッチ終了」のイベントが発生しても、すぐにアプリケーションに通知せず、次のタッチイベント情報(EVn+1)を取得することにより、連続した一連のドラッグ操作であるかどうかの判定を行うためである。
【0039】
タイマが満了する前に次のタッチイベント情報(EVn+1)を取得していない場合(ステップS106;No)、制御部2は、タイマ部10を制御して、タイマが満了しているか否かを再び判定する(ステップS105)。
【0040】
一方、タイマが満了する前に次のタッチイベント情報(EVn+1)を取得した場合(ステップS106;Yes)、制御部2は、検知部21を制御して、次のタッチイベント情報(EVn+1)のパネル番号303、307とタッチイベント情報(EVn)のパネル番号303、307とが異なるか否かを判定する(ステップS107)。
【0041】
次のタッチイベント情報(EVn+1)のパネル番号とタッチイベント情報(EVn)のパネル番号とが異ならない場合、すなわち、同一の場合(ステップS107;No)、制御部2は、タッチイベント情報(EVn)をアプリケーションにそのまま通知して(ステップS112)、本処理を終了する。
【0042】
一方、次のタッチイベント情報(EVn+1)のパネル番号とタッチイベント情報(EVn)のパネル番号とが異なる場合(ステップS107;Yes)、制御部2は、検知部21を制御して、次のタッチイベント情報(EVn+1)の座標とタッチイベント情報(EVn)の座標との距離dを算出する(ステップS108)。ここで、距離dを算出する方法は、それぞれの座標が(X1,Y1)、(X2,Y2)とした場合、距離d={(X2−X1)2+(Y2−Y1)2}(1/2)といった2点間の距離を求める式を用いることができる。しかしここで、図3に示すように、第1のタッチパネル42と第2のタッチパネル52との原点(0,0)は異なるので、第1のタッチパネル42上の点と第2のタッチパネル52上の点とが物理的に位置(距離)が近くても、座標としては大きく異なってしまう。そこで、正面から見て右に配置される第2のタッチパネル52上にタッチされた座標のX成分に、左に配置される第1のタッチパネル42のX方向(横方向)の最大値X_max(ここでは、319)を足す。つまり、タッチイベント情報(EVn)の新たなX座標X1’=X1+X_max=X1+319とする。このように、座標を変換することにより、制御部2は、座標(X1+319,Y1)と座標(X2,Y2)との間の距離dを、前記の式により算出する。2枚のタッチパネルをまたぐドラッグ操作を行う場合、一つのタッチパネルからユーザの指が離れて他のタッチパネルに移動するため、ドラッグ操作が終了したものと判定されてしまう。しかし、パネル番号を判定し座標を変換することにより、ドラッグ操作が2枚のタッチパネルをまたいでいる場合であっても、連続した一連のドラッグ操作として処理することができる。
【0043】
次に、制御部2は、算出した距離dが、閾値D1よりも小さいか否かを判定する(ステップS109)。ここで、閾値D1は、タッチパネルのサイズ、本体装置、表示部を結合するヒンジ等によって変化する値であり、任意の値を設定することができる。
【0044】
距離dが閾値D1よりも小さい場合(ステップS109;Yes)、制御部2は、タッチイベント情報(EVn)及びタッチイベント情報(EVn+1)のイベント種別306、310を「タッチ中」に変換し(ステップS110)、それぞれのタッチイベント情報をアプリケーションに通知する(ステップS111)。そして、本処理は終了する。
【0045】
ここで、第1の表示部4と第2の表示部5とにまたがって、1つのアプリケーションが表示された場合に、マルチタッチ操作を行うことにより、アプリケーション画像の表示サイズを変える操作方法について説明する。図6A〜6Cに示すようなマルチタッチ操作をした場合は、タッチイベント情報履歴31には、図5に示すような値が記載される。ここで、イベント番号(イベントNo)1は、タッチした際に出力されるイベントであり、また、イベント番号7は、タッチパネルから指を離した際に出力されるイベントである。2枚のタッチパネルをまたいでドラッグする場合、まず、第1のタッチパネル42の右端付近の点で、第1のタッチパネル42から指f1が離れ(イベント番号4)、すぐに第2のタッチパネル52の左端付近の点に指f1が触れる(イベント番号5)。このとき、イベント番号4のイベント種別が「タッチ終了」であるため、従来の入力装置ではドラッグ操作が終了してしまう。本発明に係る入力装置1では、イベント番号4のタッチイベント情報が出力された時点ではアプリケーションに「タッチ終了」を通知せず、次のイベント番号5のタッチイベント情報を待ってから、通知する。その際に、イベント番号4のタッチイベント情報とイベント番号5のタッチイベント情報とは異なるタッチパネルから出力されたものであり、2つのタッチイベント情報の座標が近く、かつ、イベントが発生した時刻の差が小さい場合は、連続した一連のドラッグ操作であると判断される。そして、タッチイベント1における、イベント番号4のタッチイベント情報、及び、イベント番号5のタッチイベント情報のイベント種別をどちらも「タッチ中」に変更してアプリケーションに通知する。これにより、ドラッグ操作は終了せず、継続することができる。
【0046】
一方、距離dが閾値D1よりも小さくない場合、すわなち、大きい場合(ステップS109;No)、制御部2は、タッチイベント情報(EVn)及びタッチイベント情報(EVn+1)のイベント種別306、310を変更せずそれぞれのタッチイベント情報をアプリケーションに通知する(ステップS111)。そして、本処理は終了する。
【0047】
なお、タッチイベント情報(EVn)とタッチイベント情報(EVn+1)との座標の距離dを用いることで、精度よくドラッグ操作の終了か継続かを判断することができるが、これは必ずしも必要ではない。2つのタッチイベント情報の座標間の距離によらず、所定の時間内にタッチイベントが発生すれば、ドラッグ操作の継続と判断してもよい。その場合、ステップS108の処理及びステップS109の処理を省略すればよい。
【0048】
以上の処理により、2枚のタッチパネルをまたいだドラッグ操作をできるようになるため、操作の利便性を向上させることができる。
【0049】
次に、マルチタッチ操作によって、アプリケーションを表示する画面を変更する画面変更処理について、図7を参照して説明する。
【0050】
入力装置1は、ユーザに対して操作入力を行うように促して、当該ユーザからの操作入力を受け付けることにより、画面変更処理を開始する。
【0051】
まず、制御部2は、検知部21を制御して、タッチを検出すると、タッチイベント情報(EVn)を取得する(ステップS201)。
【0052】
次に、制御部2は、取得したタッチイベント情報(EVn)が、マルチタッチであるか否かを判定する(ステップS202)。具体的には、制御部2は、図5に示されるタッチイベント情報履歴31のタッチ数311を確認することにより判定する。タッチ数311が、2以上であればマルチタッチとなる。また、タッチ数が1の場合は、制御部2は、もう一方のタッチパネルのタッチイベント情報も取得する。そしてもし、イベント種別「タッチ中」や「タッチ開始」のタッチイベント情報(EVn)が取得できた場合は、制御部2は、マルチタッチがあったと判定する。
【0053】
マルチタッチではない場合(ステップS202;No)、制御部2は、取得したタッチイベント情報(EVn)をアプリケーションに通知して(ステップS212)、本処理を終了する。
【0054】
一方、マルチタッチである場合(ステップS202;Yes)、制御部2は、タッチイベント情報(EVn)からタッチパネル番号を検出し(ステップS203)、2つのタッチイベントにおいてパネル番号が異なるか、すなわち、マルチタッチが2画面にまたがっているか否かを検出する(ステップS204)。具体的には、制御部2は、タッチイベント情報履歴31のパネル番号303と307とが異なるかを判定する。
【0055】
マルチタッチが2画面にまたがっていない場合(ステップS204;No)、制御部2は、取得したタッチイベント情報(EVn)をアプリケーションに通知して(ステップS212)、本処理を終了する。
【0056】
一方、マルチタッチが2画面にまたがっている場合(ステップS204;Yes)、制御部2は、特定部22を制御して、表示モードを取得し(ステップS205)、当該表示モードが、「2アプリ表示モード」であるか否かを判定する(ステップS206)。図8Aは、「1アプリ表示モード」の画面例であり、図8Bは、「2アプリ表示モード」の画面例である。制御部2は、図8Aに示すように、2つの画面にまたがって1つのアプリケーションが表示されている場合、現在の表示モードが「1アプリ表示モード」であると判定し、図8Bに示すように、それぞれの画面に1つのアプリケーションが表示されている場合、現在の表示モードが「2アプリ表示モード」であると判定する。そして、制御部2は、現在の表示モードを、表示モードフラグ32として、記憶部3に記憶させる。
【0057】
表示モードが「2アプリ表示モード」でない場合(ステップS206;No)、制御部2は、取得したタッチイベント情報(EVn)をアプリケーションに通知して(ステップS212)、本処理を終了する。
【0058】
一方、表示モードが「2アプリ表示モード」である場合(ステップS206;Yes)、制御部2は、イベント種別306、310を取得して(ステップS207)、当該イベント種別306、310が「タッチ開始」であるか否かを判定する(ステップS208)。
【0059】
イベント種別が「タッチ開始」でない場合(ステップS208;「タッチ開始」以外)、制御部2は、本来あり得ない処理であるため、エラー処理を行い(ステップS213)、本処理を終了する。ここで、エラー処理は、例えば、ユーザに対して警告音、警告表示を発生する処理、所定のステップに戻る処理等、任意の処理である。
【0060】
一方、イベント種別が「タッチ開始」である場合(ステップS208;「タッチ開始」)、制御部2は、第1の表示部4及び第2の表示部5を制御して、アプリケーションを示す画像の操作をユーザに促す「アプリ操作画面」に遷移する(ステップS209)。ここで、「アプリ操作画面」とは、アプリケーションの画像(画面)の配置を変更できることを、ユーザに認知させるための画面であり、例えば、図9に示すような画面である。制御部2は、例えば、システム状態を示すプログラム上の変数の値を「アプリ操作画面」を示す値(例えば、1など)に変更する。
【0061】
次に、制御部2は、タッチイベント情報のパネル番号303、307及びタッチ位置304、305、308、309(X座標、Y座標)を「アプリ操作画面」の開始点として保持する(ステップSS210)。そして、制御部2は、図9に示すように、アプリケーションが表示された画面を通常の状態よりも少し小さく表示した、「アプリ操作画面」を描画して(ステップS211)、現在の状態が「アプリ操作画面」であることをユーザに認知させ、本処理を終了する。
【0062】
以上の処理により、マルチタッチ操作を用いて、アプリケーション画像の配置位置を変更するための、「アプリ操作画面」に移行することができる。また、画面を変更することにより、現在の状態がアプリケーション画像の配置位置を変更できる状態であると、ユーザが容易に認識することができる。
【0063】
次に、「アプリ操作画面」が表示されているのときに、2枚のタッチパネルをまたがるドラッグ操作を検出した場合の、アプリケーション画像を移動させる画像移動処理について、図10を参照して説明する。
【0064】
入力装置1は、ユーザに対して操作入力を行うように促して、当該ユーザからの操作入力を受け付けることにより、画像移動処理を開始する。なお、ここでは、マルチタッチした1つの指だけドラッグして移動させ、もう1つの指は動かさない操作について説明する。
【0065】
まず、制御部2は、検知部21を制御して、タッチを検出すると、タッチイベント情報(EVn)を取得する(ステップS301)。
【0066】
次に、制御部2は、取得したタッチイベント情報(EVn)が、マルチタッチであるか否かを判定する(ステップS302)。マルチタッチであるか否かを判定する方法は、ステップS202の処理と同様である。
【0067】
マルチタッチではない場合(ステップS302;No)、制御部2は、本来あり得ない処理であるため、エラー処理を行い(ステップS307)、本処理を終了する。
【0068】
一方、マルチタッチである場合(ステップS302;Yes)、制御部2は、タッチイベント情報(EVn)から、タッチ位置(X座標304、308、及び、Y座標305、309)を検出する(ステップS303)。
【0069】
次に、制御部2は、タッチイベント情報(EVn)からイベント種別306、310を取得し、当該イベント種別306、310がいずれであるかを判定する(ステップS304)。
【0070】
イベント種別が「タッチ中」である場合(ステップS304;「タッチ中」)、制御部2は、第1の表示部4及び第2の表示部5を制御して、「アプリ操作画面」を描画して(ステップS305)、本処理を終了する。具体的には、制御部2は、ステップS210において保持された「アプリ操作画面」の開始点と、ステップS303において検出されたタッチ位置と、の差分を計算し、その差分と同じ分だけ、アプリケーション画像の表示位置をずらして描画する。制御部2は、例えば、後述する図11Cに示すように、アプリケーション画像401の表示位置をずらして表示する。
【0071】
イベント種別が「タッチ開始」である場合(ステップS304;「タッチ開始」)、制御部2は、本来あり得ない処理であるため、エラー処理を行い(ステップS307)、本処理を終了する。
【0072】
イベント種別が「タッチ終了」である場合(ステップS304;「タッチ終了」)、制御部2は、「アプリ操作画面」の描画を終了して、通常の表示状態に画面を遷移させる(ステップS306)。
【0073】
通常の表示状態に画面が遷移した後、制御部2は、「アプリ操作画面」の開始点を取得し(ステップS308)、当該開始点のパネル番号303、307を取得する(ステップS309)。また、制御部2は、ステップS301で取得したタッチイベント情報のパネル番号303、307も取得する(ステップS309)。
【0074】
そして、制御部2は、「アプリ操作画面」の開始点のパネル番号303、307と、ステップS301で取得したタッチイベント情報のパネル番号303、307と、を比較することにより、パネル番号303、307が異なるか否かを判定する(ステップS310)。当該ステップにおいて、制御部2は、ユーザがアプリケーション画像をドラッグ操作して、2つの表示部をまたがって、当該アプリケーション画像を移動させたか否かを判定している。
【0075】
パネル番号が異なる場合(ステップS310;Yes)、制御部2は、第1の表示部4及び第2の表示部5を制御して、アプリケーション画像が表示された画面の表示位置を変えて(ステップS311)、本処理を終了する。
【0076】
一方、パネル番号が同一の場合、すなわち、異なっていない場合(ステップS310;No)、制御部2は、第1の表示部4及び第2の表示部5を制御して、アプリケーション画像が表示された画面の表示位置を元に戻して(ステップS312)、本処理を終了する。
【0077】
ここで、「2アプリ表示モード」の場合において、アプリケーション画像の表示位置を変更する方法について、図11A〜11Dを用いて説明する。図11Aに示すように、第1の表示部4には、検索アプリケーション画像401が表示され、第2の表示部5には、時計アプリケーション画像501が表示されている。この状態で、指f1と指f2とでマルチタッチを開始すると、図11Bに示すように、2つのアプリケーション画像401、501のサイズが少し小さくなった「アプリ操作画面」が表示される。なお、アプリケーション画像401、501の背景には、例えば、無地の背景画像が表示される。この状態で、指f1をタッチパネル上で移動させてドラッグすると、検索アプリケーション画像401が指f1の位置に応じて移動して表示される。そして、指f1が第2の表示部5に移動すると、図11Cに示すように、検索アプリケーション画像401が、第1の表示部4と第2の表示部5とに分割されて表示される。また、検索アプリケーション画像401が表示されていた場所(位置)には、テレビアプリケーション画像402が表示される。これは、検索アプリケーションを起動する前まで、テレビアプリケーションが起動されていた場合にこのように表示される。そして、このまま指f1をタッチパネル(第2の表示部5)から離すと(ステップS304〜S310)、図11Dに示すように、検索アプリケーション画像401が第2の表示部5に表示され(ステップS311)、テレビアプリケーション画像402が第1の表示部4に表示される。なお、ここで、図11Bに示すように、タッチパネルをまたがずに、指f1をタッチパネル(第1の表示部4)から離すと、検索アプリケーション画像401が、第2の表示部5に表示されず、図11Aに示すように、第1の表示部4に表示された状態が継続する(ステップS312)。
【0078】
以上の処理により、マルチタッチ操作だけで、アプリケーション画像の表示位置を変更することができるため、操作性が向上する。また、ユーザの直感的な操作によって、画面上に表示される表示内容を入れ替えることができる。
【0079】
なお、本フローチャートでは、1つの指しか動かさない場合のタッチイベント情報だけを用いた処理について説明したが、2つの指を動かした場合のタッチイベント情報を用いた処理について、同様に図9のフローチャートを用いて以下で説明する。
【0080】
まず、制御部2は、タッチイベント情報を取得し(ステップS301)、マルチタッチかどうかを判定する(ステップS302)ここでは、制御部2は、2点のタッチイベント情報を取得し(ステップS301)、マルチタッチと判定する(ステップS302;Yes)。そして、制御部2は、2点のタッチイベントのタッチ位置を取得する(ステップS303)。
【0081】
次に、制御部2は、タッチイベント情報からイベント種別306、310を判定する際に(ステップS304)、2つのタッチイベント情報のイベント種別306、310がどちらも「タッチ中」である場合は(ステップS304;「タッチ中」)、「アプリ操作画面」を描画する(ステップS305)。また、どちらか一方のイベント種別306、310が「タッチ開始」であった場合は(ステップS304;「タッチ開始」)、制御部2は、エラー処理をして(ステップS307)、本処理を終了する。また、どちらか一方のイベント種別306、310が「タッチ終了」であった場合は(ステップS304;「タッチ終了」)、制御部2は、通常の表示状態に画面を遷移させる(ステップS306)。
【0082】
その後、制御部2は、「アプリ操作画面」の開始点を2点分取得して(ステップS308)、それぞれのパネル番号303、307を取得する(ステップS309)。また、制御部2は、ステップS301おいて取得したタッチイベント情報のパネル番号303、307も2つ分取得する。そして、制御部2は、「アプリ操作画面」の2点分の開始点でのパネル番号303、307と、2つ分のタッチイベント情報のパネル番号303、307と、を比較することにより、パネル番号303、307が異なるか否かを判定する(ステップS310)。
【0083】
タッチパネル番号が異なっていた場合は(ステップS310;Yes)、アプリケーション画像の表示位置を変え(ステップS311)、そうでなければ(ステップS310;No)、アプリケーション画像の表示位置を元に戻し(ステップS312)、本処理を終了する。
【0084】
なお、ステップS301において、タッチイベント情報を2つ取得した場合、それぞれのタッチイベントが、どちらの「アプリ操作画面」の開始点からドラッグされた点であるのかどうかを、逐次判断しておく必要がある。例えば、まず、「アプリ操作画面」の開始点が点A0と点B0であり、次に取得したタッチイベント情報のタッチ位置がそれぞれ点A1と点B1であったとする。ここで、制御部2は、点A0と点A1との距離D1と、点B0と点A1との距離D2とを比較する。距離D1が距離D2よりも短ければ、制御部2は、点A1は点A0からドラッグ操作された点であると判断し、点B1は点B0からドラッグ操作された点であると判断する。次にまたタッチイベント情報のタッチ位置として点A2、点B2を取得した場合は、制御部2は、前回に取得した点A1と点B1との座標と、点A2と点B2との座標と、を比較して、どちらの点からの操作であるのか判断する。このようにすることで、新たに取得した複数のタッチイベント情報がどの点からのドラッグ操作であるのかどうかが判断でき、複数のドラッグ操作を制御できる。
【0085】
(実施形態2)
実施形態1に係る入力装置1では、ユーザが、1つの画面を操作している最中に、誤って他の画面を触れてしまうと、ユーザが意図しないアプリケーション画像の移動が起きる可能性があった。そこで、実施形態2に係る入力装置1では、さらに操作性を向上させるために、ユーザが意図的に操作した場合だけ、「アプリ操作画面」に遷移する場合について説明する。以下に、本実施形態に係る画面変更処理について、図12を参照して説明する。なお、実施形態1に係る入力装置1と同様の構成、動作については、説明を適宜省略する。
【0086】
図12に示すステップS201からS213の処理は、図7に示すステップS201からS213の処理と同様であるため、説明を省略する。本処理では、ステップS208の処理の後、タッチの時間差の判定を行う。
【0087】
ステップS208において、イベント種別306、310が「タッチ開始」である場合(ステップS208;「タッチ開始」)、制御部2は、2つのタッチイベント情報(EVn)からそれぞれ時刻302を取得し、2つの時刻302の差を算出し、当該差が所定の時間差dTよりも小さいか否かを判定する(ステップS401)。ユーザがマルチタッチを行うことによって、制御部2は、ステップS201の処理において、2つのタッチイベント情報(EVn)を取得している。制御部2は、具体的には、2つのタッチイベント情報(EVn)の時間302の差として、第1のタッチイベントの「タッチ開始」となった時刻T1と、第2のタッチイベントの「タッチ開始」となった時刻T2との差分を計算する。そして、制御部2は、|T2−T1|<dT、が成り立つか否かを判定する。
【0088】
なお、所定の時間差dTは、ユーザが2点を同時にタッチしようとした場合に生じるタッチ時刻の差の許容範囲(許容時間)であり、典型的には、0.5秒程度である。また、3点以上のマルチタッチの場合は、全てのタッチイベントの「タッチ開始」の時刻を取得し、一番時間差が大きくなる2点を選択して時間差を求めることもできる。
【0089】
タッチの時間差がdT以上である場合(ステップS401;No)、ユーザの操作は「アプリ操作画面」への遷移を意図していないと判断し、制御部2は、状態遷移は行わず、取得したタッチイベント情報(EVn)をアプリケーションに通知して(ステップS212)、本処理を終了する。
【0090】
一方、タッチの時間差がdT未満である場合(ステップS401;Yes)、ユーザの操作は「アプリ操作画面」への遷移を意図していると判断して、制御部2は、第1の表示部4及び第2の表示部5を制御して、「アプリ操作画面」に遷移させる(ステップS209)。
【0091】
以上の処理により、ユーザの誤操作等によって画面が遷移することを防ぐことができるため、操作の利便性を向上させることができる。
【0092】
(実施形態3)
実施形態1では、「1アプリ表示モード」の場合に、アプリケーション画像のサイズを変更する方法、及び、「2アプリ表示モード」の場合に、アプリケーション画像の表示位置を変更する方法について説明した。実施形態3では、ユーザがマルチタッチをした指の位置(距離)に応じて、アプリケーション画像のサイズを変更する場合とアプリケーション画像の表示位置を変更する場合とを切り替える方法について説明する。以下に、本実施形態に係る画面変更処理について、図13を参照して説明する。なお、実施形態1に係る入力装置1と同様の構成、動作については、説明を適宜省略する。
【0093】
図13に示すステップS201からS203、ステップS205からS213の処理は、図7に示すステップS201からS203、ステップS205からS213の処理と同様であるため、説明を省略する。本処理では、ステップS204の処理において、マルチタッチが2画面にまたがっていないと判定された後(ステップS204;No)、制御部2は、検出部21を制御して、ユーザのドラッグ操作が、画面(表示部)をまたぐドラッグ操作であるか否かを判定する(ステップS501)。具体的には、制御部2は、図4に示すステップS109の処理を行い、「Yes」となった場合、ユーザのドラッグ操作が、画面をまたぐドラッグ操作であると判定する。もし、ユーザが画面をまたぐドラッグ操作を行った場合には、ユーザの2本の指は1画面をタッチしていることとなるため、ステップS204の処理において、「No」と判定される。
【0094】
ユーザ操作が画面をまたぐ操作でない場合(ステップS501;No)、制御部2は、表示モードの状態遷移は行わず、取得したタッチイベント情報(EVn)をアプリケーションに通知して(ステップS212)、本処理を終了する。
【0095】
一方、ユーザ操作が画面をまたぐ操作である場合(ステップS501;Yes)、制御部2は、表示モードが「2アプリ表示モード」であるか否かを判定する(ステップS502)。
【0096】
表示モードが「2アプリ表示モード」である場合(ステップS502;Yes)、制御部2は、「アプリ操作画面」を描画して(ステップS211)、現在の状態が「アプリ操作画面」であることをユーザに認知させ、本処理を終了する。
【0097】
一方、表示モードが「2アプリ表示モード」でない場合(ステップS502;No)、制御部2は、第1の表示部4及び第2の表示部5を制御して、表示モードを「2アプリ表示モード」に変更し(ステップS503)、「アプリ操作画面」に遷移させる(ステップS209)。
【0098】
ここで、アプリケーション画像のサイズを変更した後、当該アプリケーション画像の表示位置を変更する方法について、図6A、図6B、図11C、図11Dを用いて説明する。図6Aに示すように、アプリケーション画像が第1の表示部4と第2の表示部5とにまたがった状態、すなわち、1アプリ表示モードの場合において(ステップS206;No)、指f1を右方向(第2の表示部5の方向)へスライドさせると、図6Bに示すように、検索アプリケーション画像が徐々に小さくなるように表示される(ステップS212)。指f1を右方向へとスライドさせて、図11Cに示すように、指f1が、画面をまたいで第1の表示部4から第2の表示部5に来た際に(ステップS501;Yes)、表示モードが「1アプリ表示モード」の場合(ステップS502;No)、「アプリ操作画面」へと遷移する(ステップS209)。そして、指f1をタッチパネル(第2の表示部5)から離すと、図11Dに示すように、検索アプリケーション画像401を第2の表示部5に表示することができ、アプリケーション画像の表示位置を変更することができる。
【0099】
以上の処理により、アプリケーション画像のサイズ変更と、アプリケーション画像の表示位置変更と、を一度の操作で行うことができるため、操作性を向上させることができる。
【0100】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0101】
通信部6が行う通信方法(方式)は任意である。例えば、IEEE(the Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n規格等の無線LAN(Local Area Network)、赤外線通信、RFID、Bluetooth(登録商標)等の任意の通信方式により、通信を行うこともできる。
【0102】
第1の表示部4と第2の表示部5との2つの表示部がある場合について説明したが、表示部の数は任意である。例えば、表示部の数が1つの場合であっても、1つの表示部内に所定の境界線を設けて、ユーザのドラッグ操作が、当該境界線をまたぐドラッグ操作である場合に、当該ユーザのドラッグ操作を分離した2つの表示部をまたぐドラッグ操作とすることもできる。
【0103】
表示パネルの画素数とタッチパネルの画素数を同じにしたが、異なっていてもよい。その場合、タッチイベント情報の座標系と表示パネルの座標系が異なるため、換算すればよい。例えば、タッチパネルの画素数が表示パネルの画素数の10倍ある場合、タッチイベント情報の座標を10分の1に補正して、表示パネルの座標系に合わせればよい。そして、補正された座標をアプリケーションに通知することで、アプリケーションは表示パネルの座標系に合った位置に様々なデータを表示できる。このような制御をすることで、どのような画素数のタッチパネルでも処理が可能となる。
【0104】
その他、前記のハードウエェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0105】
入力装置1の処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する入力装置1を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで入力装置1を構成してもよい。
【0106】
また、入力装置1の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0107】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS; Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0108】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0109】
(付記1)
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部と、
前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部と、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルへの入力操作を検出する検出部と、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定する特定部と、
前記検出された入力操作と前記特定されたアプリケーションとに基づいて、当該アプリケーションの表示画像を制御する制御部と、を備える、
ことを特徴とする入力装置。
【0110】
(付記2)
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから入力操作が検出されると、
前記制御部は、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとにまたがって表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作を当該アプリケーションに送り、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとのそれぞれに表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作に基づいて、当該特定されたアプリケーションの画像位置を変更するように前記ユーザに促す、
ことを特徴とする付記1に記載の入力装置。
【0111】
(付記3)
前記制御部は、前記アプリケーションの画像位置を変更するように前記ユーザに促す際に、前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとをまたぐタッチ操作が検出されると、前記特定されたアプリケーションの画像位置を変更するように制御する、
ことを特徴とする付記2に記載の入力装置。
【0112】
(付記4)
前記制御部は、前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとにまたがって表示されたアプリケーションが特定されている際に、前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとをまたぐタッチ操作が検出されると、当該特定されたアプリケーションの画像サイズを変更するよう制御する、
ことを特徴とする付記2に記載の入力装置。
【0113】
(付記5)
前記検出部は、前記第1のタッチパネルから入力操作を検出した後、所定時間内に、前記第2のタッチパネルから入力操作を検出すると、前記ユーザからのタッチ操作が同時であると検出する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の入力装置。
【0114】
(付記6)
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部と、前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部と、を備える入力装置における入力方法であって、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルの入力操作を検出し、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定し、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとにまたがって表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作を当該アプリケーションに送り、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとのそれぞれに表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作に基づいて、当該特定されたアプリケーションの表示画像位置を変更するように前記ユーザに促す、
ことを特徴とする入力方法。
【0115】
(付記7)
コンピュータを、
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部、
前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルへの入力操作を検出する検出部、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定する特定部、
前記検出された入力操作と前記特定されたアプリケーションとに基づいて、当該アプリケーションの表示画像を制御する制御部、として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0116】
1 入力装置
2 制御部
21 検知部
22 特定部
3 記憶部
4 第1の表示部
41 第1の表示パネル
42 第1のタッチパネル
5 第2の表示部
51 第2の表示パネル
52 第2のタッチパネル
6 通信部
7 操作部
8 音声出力部
81 通話用スピーカ
82 スピーカ
9 音声入力部
91 通話用マイク
10 タイマ部
11 バス
101 第1の筺体
102 第2の筺体
103 ヒンジ
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置、入力方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末、PHS、パソコンなどの機器において、表示画面上にタッチパネルを搭載し、当該タッチパネルに指先を接触(タッチ)したり、タッチパネル上で指を移動(ドラッグ)させたり、2本以上の指で同時にタッチ(マルチタッチ)やドラッグすることで、簡単かつ直感的に操作を行う方法が知られている。例えば、特許文献1には、2つの表示画面上のそれぞれにタッチパネルを搭載し、ユーザが所定のボタン操作を行うことにより、2つの表示画面上に表示されている内容を入れ替えるように制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−162354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、2つの表示画面上のそれぞれにタッチパネルを搭載しているが、2つの表示画面上に表示されている内容を入れ替えるために、タッチパネルを使用せずに所定のボタンを押下する必要がある。表示画面の内容を入れ替える際にタッチパネルを使用していないため、操作が直感的ではなく、ユーザによってはどのボタンを押せばよいのか分からない場合があった。そこで、タッチパネルを使用することにより、ユーザの直感的な操作によって、画面上に表示される表示内容を入れ替えることができる新たな方法が求められている。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ユーザの直感的な操作によって、画面上に表示される表示内容を入れ替えることができる入力装置、入力方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る入力装置は、
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部と、
前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部と、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルへの入力操作を検出する検出部と、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定する特定部と、
前記検出された入力操作と前記特定されたアプリケーションとに基づいて、当該アプリケーションの表示画像を制御する制御部と、を備える、
ことを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の観点に係る入力方法は、
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部と、前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部と、を備える入力装置における入力方法であって、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルの入力操作を検出し、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定し、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとにまたがって表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作を当該アプリケーションに送り、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとのそれぞれに表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作に基づいて、当該特定されたアプリケーションの表示画像位置を変更するように前記ユーザに促す、
ことを特徴とする。
【0008】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部、
前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルへの入力操作を検出する検出部、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定する特定部、
前記検出された入力操作と前記特定されたアプリケーションとに基づいて、当該アプリケーションの表示画像を制御する制御部、として機能させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの直感的な操作によって、画面上に表示される表示内容を入れ替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態1に係る入力装置の構成を示す図である。
【図2】入力装置の概略外観図である。
【図3】タッチパネルの座標例を示す図である。
【図4】ドラッグ操作処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】タッチイベント情報の例を示した図である。
【図6A】アプリケーション画像の表示サイズを変更する操作方法を説明するための図である。
【図6B】アプリケーション画像の表示サイズを変更する操作方法を説明するための図である。
【図6C】アプリケーション画像の表示サイズを変更する操作方法を説明するための図である。
【図7】画面変更処理を説明するためのフローチャートである。
【図8A】1アプリ表示モードにおける画面例を示した図である。
【図8B】2アプリ表示モードにおける画面例を示した図である。
【図9】アプリ操作画面の例を示した図である。
【図10】画像移動処理を説明するためのフローチャートである。
【図11A】アプリケーション画像の表示位置を変更する操作方法を説明するための図である。
【図11B】アプリケーション画像の表示位置を変更する操作方法を説明するための図である。
【図11C】アプリケーション画像の表示位置を変更する操作方法を説明するための図である。
【図11D】アプリケーション画像の表示位置を変更する操作方法を説明するための図である。
【図12】実施形態2に係る画面変更処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】実施形態3に係る画面変更処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
以下に本発明の実施形態を説明する。各種のコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯端末機、電子書籍端末、車載用PND(Portable Navigation Device)などの情報処理装置において本発明を適用することができる。すなわち、以下に記載する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0012】
図1は、本発明の実施形態1に係る入力装置1の構成を示すブロック図である。また、図2は、入力装置1の概略外観図である。以下、これらの図を参照して説明する。
【0013】
入力装置1は、図1に示すように、制御部2、記憶部3、第1の表示パネル41と第1のタッチパネル42とからなる第1の表示部4、第2の表示パネル51と第2のタッチパネル52とからなる第2の表示部5、通信部6、操作部7、音声出力部8、音声入力部9、タイマ部10、バス11から構成される。
【0014】
制御部2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、記憶部3に格納された動作プログラムに従って、入力装置1全体の動作を制御する。記憶部3に格納されている動作プログラムを実行することで、制御部2は、検出部21、特定部22などとして機能する。
【0015】
検出部21は、第1のタッチパネル42及び第2のタッチパネル52において、ユーザの指やタッチペンが指示(タッチ)している位置を検出することにより、例えば、イベント種別(タッチ状態)を検出する。ここで、イベント種別(タッチ状態)には、例えば、ユーザがタッチパネルをタッチした状態を示す「タッチ開始」、タッチしている状態が継続している「タッチ中」、タッチを解除(終了)した状態を示す「タッチ終了」などがある。検出部21は、イベント種別を検出することにより、タッチ(接触)、ドラッグ(移動)、ドロップ(解除)、マルチタッチ(2点以上の同時接触)等を検出する。
【0016】
特定部22は、第1の表示パネル41及び第2の表示パネル51に表示されているアプリケーションと特定(検出)することにより、現在の表示モードを特定する。ここで、アプリケーションとは、インターネットブラウザ、メーラ、時計、電卓等といったソフトウェア(プログラム)の単位を示す。また、表示モードとは、例えば、1アプリ表示モード、2アプリ表示モードといった、第1の表示パネル41及び第2の表示パネル51に表示されるアプリケーションの状態を示すものである。1アプリ表示モードは、第1の表示パネル41と第2の表示パネル51との両方の表示パネルを用いて、1つのアプリケーションを表示するモードである。また、2アプリ表示モードは、第1の表示パネル41と第2の表示パネル51とのそれぞれの表示パネルに1つずつのアプリケーションを表示するモードである。特定部22は、例えば、第1の表示パネル41と第2の表示パネル51との両方にまたがって、アプリケーションAが表示されている場合、1アプリ表示モードと特定し、第1の表示パネル41にはアプリケーションBが表示され、第2の表示パネル51にはアプリケーションCが表示されている場合、2アプリ表示モードと特定する。
【0017】
記憶部3は、例えば、ROMやフラッシュメモリ等の不揮発性半導体メモリ、あるいはRAM等の揮発性半導体メモリから構成され、制御部2が実行する動作プログラム(アプリケーション)の他、各処理の実行に必要なデータや各処理の実行によって生成されたデータなどを記憶する。また、記憶部3は、検出部21が検出したイベント種別(タッチ状態)等を示すタッチイベント情報履歴31、特定部22が特定した表示モードを識別するための表示モードフラグ32を記憶する。
【0018】
第1の表示部4は、LCD(Liquid Crystal Display)、もしくは、有機ELパネル、及び、ドライバ回路等からなる第1の表示パネル41と、感圧式のタッチセンサパネル(タッチスクリーン)等からなる第1のタッチパネル42と、から構成され、任意のアプリケーションや画像を適宜表示する。第1の表示パネル41と第1のタッチパネル42とが重畳して配置され、第1の表示部4は、ユーザの指やタッチペンからの圧力を検出することにより、ユーザからの指示入力を受け付ける。
【0019】
第1のタッチパネル42は、ユーザによって触れられるパネル部とタッチパネル制御部(図示せず)から構成される。第1のタッチパネル42は、ユーザのタッチを検出すると、タッチパネル制御部がタッチイベント情報を出力する。ここで、タッチイベント情報とは、タッチされた位置を示す座標や、時刻、イベント種別、パネル番号、タッチ数などを含んだ情報である。それぞれの詳細については後述する。パネル部にはタッチを検出する電極がマトリックス状に配置されており、静電容量の変化を順次スキャンすることで、第1のタッチパネル42は、マルチタッチも検出できる。
【0020】
第1のタッチパネル42は、図3に示すように、それぞれタッチされた位置の横方向、縦方向を表すための座標を記憶している。例えば、第1のタッチパネル42のサイズが、ハーフVGA(Video Graphics Array)サイズの場合、横方向に320画素、縦方向に480画素となる。そして、第1のタッチパネル42の左上の点(角)を原点(0,0)とすると、右上の点の座標(319,0)、左下の点の座標(0,479)、右下の点の座標(319,479)となる。
【0021】
第2の表示部5は、第1の表示部4と同様の機能、構成を備える。第2の表示部5は、図2に示すように、第1の表示部4と隣接するように配置される。
【0022】
通信部6は、例えば、無線アクセスに利用されるアンテナ、通信用の無線通信回路等から構成され、所定の通信プロトコルに沿って、アンテナを介して、基地局や他の入力装置1との間で無線通信を行う。通信部6が、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)等のセルラー方式移動通信システムを介しての通信を行うことにより、データ通信が実現される。また、通信部6は、USB(Universal Serial Bus)などの方式(規格)に沿って、ケーブルなどを介して、各種データ等を送受信する。
【0023】
操作部7は、ユーザからの操作指示を受け付けるための各種キー、ボタンから構成され、ユーザからの操作を受け付けて、ユーザからの操作に対応した操作信号を制御部2に入力する。
【0024】
音声出力部8は、通話用スピーカ81、スピーカ82、DAC(Digital Analog Converter)等から構成され、例えば、制御部2が再生したコンテンツの音声信号にDA変換を施し、スピーカ82により放音する。通話用スピーカ81は、音声や音楽を出力するものであり、受話音声を出力する。また、スピーカ82は、音声や音楽を出力するものであり、着信時の通知音等を出力する。
【0025】
音声入力部9は、通話用マイク91、ADC(Analog Digital Converter)等から構成され、通話時等に、音声信号を収集し、通信部7に供給する。通話用マイク91は、ユーザが発した音声や周囲の音声を受け付ける。
【0026】
タイマ部10は、例えば、RTC(Real Time Clock)等から構成され、日時(年月日時分秒及び曜日を含む)を計時(カウント)することにより、タイマ、カレンダーや時計として機能する。タイマ部10が一定の時間間隔で割り込みを発生させることにより、制御部2は割り込みを発生させる時間間隔を設定できる。
【0027】
バス11は、各部間で相互にデータを伝送する。
【0028】
入力装置1は、例えば図2に示すような、折り畳み型の装置であり、第1の筺体101と第2の筺体102とから構成される。第1の筺体101は、第1の表示部4、操作部7、通話用スピーカ81、スピーカ82、通話用マイク91等から構成される。また、第2の筺体102は、第2の表示部5等から構成される。第1の筺体101と第2の筺体102とはヒンジ103により結合され、開いたり、折り畳んだりすることができる。入力装置1は、開いた状態では、第1の表示部4(第1の表示パネル41)と第2の表示部5(第2の表示パネル51)とに別々のアプリケーションを表示することができ、それぞれのタッチパネル(第1のタッチパネル42、第2のタッチパネル52)からユーザの操作入力を受け付けることができる。
【0029】
次に、入力装置1の動作について説明する。図4は、2枚のタッチパネルをまたいだドラッグ操作を実現するドラッグ操作処理を説明するためのフローチャートである。以下、図面を参照して説明する。
【0030】
入力装置1は、ユーザに対して操作入力を行うように促して、当該ユーザからの操作入力を受け付けることにより、ドラッグ操作処理を開始する。
【0031】
まず、制御部2は、検知部21を制御して、第1のタッチパネル42又は第2のタッチパネル52がタッチされたことを検出し(ステップS101)、タッチイベント情報(EVn)を取得する(ステップS102)。ここで、第1のタッチパネル42及び第2のタッチパネル52から出力されるタッチイベント情報(EVn)は、タッチイベント情報履歴31として記憶部3に記憶される。
【0032】
タッチイベント情報履歴31には、図5に示すように、イベント番号(イベントNo)301、時刻302、第1のタッチイベントに対する、パネル番号(パネルNo)303、X座標304、Y座標305、イベント種別306、第2のタッチイベントに対する、パネル番号(パネルNo)307、X座標308、Y座標309、イベント種別310、及び、タッチ数311などが記載される。ここで、時刻302は、タッチイベント情報(EVn)が出力された時刻である。タッチイベント情報(EVn)は、指がタッチパネルにタッチされたときのほか、ドラッグ中や、タッチパネルから離れたときにも出力される。また、パネル番号303は、どのタッチパネルから出力された情報であるかを区別するための番号である。例えば、第1のタッチパネル42のパネル番号を1、第2のタッチパネル52のパネル番号を2とする。また、イベント種別306、310は、ユーザの操作状態を示すものであり、例えば、「タッチ開始」、「タッチ中」、「タッチ終了」と区別される。また、X座標304、308及びY座標305、309は、タッチが検出された位置である。また、タッチ数311は、同時刻にタッチパネルがタッチされた回数である。タッチ数311が「2」の場合は、タッチイベント1及びタッチイベント2の2つのタッチイベントがタッチイベント情報履歴31に記載される。つまり、タッチ数311の示す値と同じ数のタッチイベントがタッチイベント情報履歴31に記載される。タッチ数311は、第1のタッチパネル42及び第2のタッチパネル52から出力される、それぞれのタッチ数の合計が記載される。タッチ数311の最大数は、第1のタッチパネル42のタッチパネル制御部と第2のタッチパネル52のタッチパネル制御部とが検出できるタッチイベントの最大数の和まで増え、例えば、10程度である。
【0033】
なお、ステップS102の処理で取得したタッチイベント情報(EVn)は、次のタッチイベント情報(EVn+1)が取得できるまで、記憶部3に一時的に保持しておけばよいので、タッチイベント情報履歴31には記載しなくてもよい。そのため、入力装置1は、タッチイベント情報履歴31を備えていなくともよい。
【0034】
次に、制御部2は、タッチイベント情報(EVn)に含まれるイベント種別306、310が「タッチ終了」であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0035】
イベント種別306、310が「タッチ終了」でない場合(ステップS103;No)、制御部2は、タッチイベント情報(EVn)をアプリケーションに通知して(ステップS112)、本処理を終了する。
【0036】
一方、イベント種別306、310が「タッチ終了」である場合(ステップS103;Yes)、制御部2は、タイマ部10を制御して、タイマを開始(始動)して(ステップS104)、次のタッチイベント情報(EVn+1)が出力されるのを待つ状態になる。そして、制御部2は、タイマ部10を制御して、次のタッチイベント情報(EVn+1)を取得する前にタイマが満了しているか否かを判定する(ステップS105)。
【0037】
タイマが満了している場合(ステップS105;Yes)、制御部2は、「タッチ終了」のタッチイベント情報(EVn)をアプリケーションに通知して(ステップS112)、本処理を終了する。
【0038】
一方、タイマが満了していない場合(ステップS105;No)、制御部2は、検知部21を制御して、次のタッチイベント情報(EVn+1)を取得したか否かを判定する(ステップS106)。これは、タッチパネルをまたぐドラッグ操作によって、「タッチ終了」のイベントが発生しても、すぐにアプリケーションに通知せず、次のタッチイベント情報(EVn+1)を取得することにより、連続した一連のドラッグ操作であるかどうかの判定を行うためである。
【0039】
タイマが満了する前に次のタッチイベント情報(EVn+1)を取得していない場合(ステップS106;No)、制御部2は、タイマ部10を制御して、タイマが満了しているか否かを再び判定する(ステップS105)。
【0040】
一方、タイマが満了する前に次のタッチイベント情報(EVn+1)を取得した場合(ステップS106;Yes)、制御部2は、検知部21を制御して、次のタッチイベント情報(EVn+1)のパネル番号303、307とタッチイベント情報(EVn)のパネル番号303、307とが異なるか否かを判定する(ステップS107)。
【0041】
次のタッチイベント情報(EVn+1)のパネル番号とタッチイベント情報(EVn)のパネル番号とが異ならない場合、すなわち、同一の場合(ステップS107;No)、制御部2は、タッチイベント情報(EVn)をアプリケーションにそのまま通知して(ステップS112)、本処理を終了する。
【0042】
一方、次のタッチイベント情報(EVn+1)のパネル番号とタッチイベント情報(EVn)のパネル番号とが異なる場合(ステップS107;Yes)、制御部2は、検知部21を制御して、次のタッチイベント情報(EVn+1)の座標とタッチイベント情報(EVn)の座標との距離dを算出する(ステップS108)。ここで、距離dを算出する方法は、それぞれの座標が(X1,Y1)、(X2,Y2)とした場合、距離d={(X2−X1)2+(Y2−Y1)2}(1/2)といった2点間の距離を求める式を用いることができる。しかしここで、図3に示すように、第1のタッチパネル42と第2のタッチパネル52との原点(0,0)は異なるので、第1のタッチパネル42上の点と第2のタッチパネル52上の点とが物理的に位置(距離)が近くても、座標としては大きく異なってしまう。そこで、正面から見て右に配置される第2のタッチパネル52上にタッチされた座標のX成分に、左に配置される第1のタッチパネル42のX方向(横方向)の最大値X_max(ここでは、319)を足す。つまり、タッチイベント情報(EVn)の新たなX座標X1’=X1+X_max=X1+319とする。このように、座標を変換することにより、制御部2は、座標(X1+319,Y1)と座標(X2,Y2)との間の距離dを、前記の式により算出する。2枚のタッチパネルをまたぐドラッグ操作を行う場合、一つのタッチパネルからユーザの指が離れて他のタッチパネルに移動するため、ドラッグ操作が終了したものと判定されてしまう。しかし、パネル番号を判定し座標を変換することにより、ドラッグ操作が2枚のタッチパネルをまたいでいる場合であっても、連続した一連のドラッグ操作として処理することができる。
【0043】
次に、制御部2は、算出した距離dが、閾値D1よりも小さいか否かを判定する(ステップS109)。ここで、閾値D1は、タッチパネルのサイズ、本体装置、表示部を結合するヒンジ等によって変化する値であり、任意の値を設定することができる。
【0044】
距離dが閾値D1よりも小さい場合(ステップS109;Yes)、制御部2は、タッチイベント情報(EVn)及びタッチイベント情報(EVn+1)のイベント種別306、310を「タッチ中」に変換し(ステップS110)、それぞれのタッチイベント情報をアプリケーションに通知する(ステップS111)。そして、本処理は終了する。
【0045】
ここで、第1の表示部4と第2の表示部5とにまたがって、1つのアプリケーションが表示された場合に、マルチタッチ操作を行うことにより、アプリケーション画像の表示サイズを変える操作方法について説明する。図6A〜6Cに示すようなマルチタッチ操作をした場合は、タッチイベント情報履歴31には、図5に示すような値が記載される。ここで、イベント番号(イベントNo)1は、タッチした際に出力されるイベントであり、また、イベント番号7は、タッチパネルから指を離した際に出力されるイベントである。2枚のタッチパネルをまたいでドラッグする場合、まず、第1のタッチパネル42の右端付近の点で、第1のタッチパネル42から指f1が離れ(イベント番号4)、すぐに第2のタッチパネル52の左端付近の点に指f1が触れる(イベント番号5)。このとき、イベント番号4のイベント種別が「タッチ終了」であるため、従来の入力装置ではドラッグ操作が終了してしまう。本発明に係る入力装置1では、イベント番号4のタッチイベント情報が出力された時点ではアプリケーションに「タッチ終了」を通知せず、次のイベント番号5のタッチイベント情報を待ってから、通知する。その際に、イベント番号4のタッチイベント情報とイベント番号5のタッチイベント情報とは異なるタッチパネルから出力されたものであり、2つのタッチイベント情報の座標が近く、かつ、イベントが発生した時刻の差が小さい場合は、連続した一連のドラッグ操作であると判断される。そして、タッチイベント1における、イベント番号4のタッチイベント情報、及び、イベント番号5のタッチイベント情報のイベント種別をどちらも「タッチ中」に変更してアプリケーションに通知する。これにより、ドラッグ操作は終了せず、継続することができる。
【0046】
一方、距離dが閾値D1よりも小さくない場合、すわなち、大きい場合(ステップS109;No)、制御部2は、タッチイベント情報(EVn)及びタッチイベント情報(EVn+1)のイベント種別306、310を変更せずそれぞれのタッチイベント情報をアプリケーションに通知する(ステップS111)。そして、本処理は終了する。
【0047】
なお、タッチイベント情報(EVn)とタッチイベント情報(EVn+1)との座標の距離dを用いることで、精度よくドラッグ操作の終了か継続かを判断することができるが、これは必ずしも必要ではない。2つのタッチイベント情報の座標間の距離によらず、所定の時間内にタッチイベントが発生すれば、ドラッグ操作の継続と判断してもよい。その場合、ステップS108の処理及びステップS109の処理を省略すればよい。
【0048】
以上の処理により、2枚のタッチパネルをまたいだドラッグ操作をできるようになるため、操作の利便性を向上させることができる。
【0049】
次に、マルチタッチ操作によって、アプリケーションを表示する画面を変更する画面変更処理について、図7を参照して説明する。
【0050】
入力装置1は、ユーザに対して操作入力を行うように促して、当該ユーザからの操作入力を受け付けることにより、画面変更処理を開始する。
【0051】
まず、制御部2は、検知部21を制御して、タッチを検出すると、タッチイベント情報(EVn)を取得する(ステップS201)。
【0052】
次に、制御部2は、取得したタッチイベント情報(EVn)が、マルチタッチであるか否かを判定する(ステップS202)。具体的には、制御部2は、図5に示されるタッチイベント情報履歴31のタッチ数311を確認することにより判定する。タッチ数311が、2以上であればマルチタッチとなる。また、タッチ数が1の場合は、制御部2は、もう一方のタッチパネルのタッチイベント情報も取得する。そしてもし、イベント種別「タッチ中」や「タッチ開始」のタッチイベント情報(EVn)が取得できた場合は、制御部2は、マルチタッチがあったと判定する。
【0053】
マルチタッチではない場合(ステップS202;No)、制御部2は、取得したタッチイベント情報(EVn)をアプリケーションに通知して(ステップS212)、本処理を終了する。
【0054】
一方、マルチタッチである場合(ステップS202;Yes)、制御部2は、タッチイベント情報(EVn)からタッチパネル番号を検出し(ステップS203)、2つのタッチイベントにおいてパネル番号が異なるか、すなわち、マルチタッチが2画面にまたがっているか否かを検出する(ステップS204)。具体的には、制御部2は、タッチイベント情報履歴31のパネル番号303と307とが異なるかを判定する。
【0055】
マルチタッチが2画面にまたがっていない場合(ステップS204;No)、制御部2は、取得したタッチイベント情報(EVn)をアプリケーションに通知して(ステップS212)、本処理を終了する。
【0056】
一方、マルチタッチが2画面にまたがっている場合(ステップS204;Yes)、制御部2は、特定部22を制御して、表示モードを取得し(ステップS205)、当該表示モードが、「2アプリ表示モード」であるか否かを判定する(ステップS206)。図8Aは、「1アプリ表示モード」の画面例であり、図8Bは、「2アプリ表示モード」の画面例である。制御部2は、図8Aに示すように、2つの画面にまたがって1つのアプリケーションが表示されている場合、現在の表示モードが「1アプリ表示モード」であると判定し、図8Bに示すように、それぞれの画面に1つのアプリケーションが表示されている場合、現在の表示モードが「2アプリ表示モード」であると判定する。そして、制御部2は、現在の表示モードを、表示モードフラグ32として、記憶部3に記憶させる。
【0057】
表示モードが「2アプリ表示モード」でない場合(ステップS206;No)、制御部2は、取得したタッチイベント情報(EVn)をアプリケーションに通知して(ステップS212)、本処理を終了する。
【0058】
一方、表示モードが「2アプリ表示モード」である場合(ステップS206;Yes)、制御部2は、イベント種別306、310を取得して(ステップS207)、当該イベント種別306、310が「タッチ開始」であるか否かを判定する(ステップS208)。
【0059】
イベント種別が「タッチ開始」でない場合(ステップS208;「タッチ開始」以外)、制御部2は、本来あり得ない処理であるため、エラー処理を行い(ステップS213)、本処理を終了する。ここで、エラー処理は、例えば、ユーザに対して警告音、警告表示を発生する処理、所定のステップに戻る処理等、任意の処理である。
【0060】
一方、イベント種別が「タッチ開始」である場合(ステップS208;「タッチ開始」)、制御部2は、第1の表示部4及び第2の表示部5を制御して、アプリケーションを示す画像の操作をユーザに促す「アプリ操作画面」に遷移する(ステップS209)。ここで、「アプリ操作画面」とは、アプリケーションの画像(画面)の配置を変更できることを、ユーザに認知させるための画面であり、例えば、図9に示すような画面である。制御部2は、例えば、システム状態を示すプログラム上の変数の値を「アプリ操作画面」を示す値(例えば、1など)に変更する。
【0061】
次に、制御部2は、タッチイベント情報のパネル番号303、307及びタッチ位置304、305、308、309(X座標、Y座標)を「アプリ操作画面」の開始点として保持する(ステップSS210)。そして、制御部2は、図9に示すように、アプリケーションが表示された画面を通常の状態よりも少し小さく表示した、「アプリ操作画面」を描画して(ステップS211)、現在の状態が「アプリ操作画面」であることをユーザに認知させ、本処理を終了する。
【0062】
以上の処理により、マルチタッチ操作を用いて、アプリケーション画像の配置位置を変更するための、「アプリ操作画面」に移行することができる。また、画面を変更することにより、現在の状態がアプリケーション画像の配置位置を変更できる状態であると、ユーザが容易に認識することができる。
【0063】
次に、「アプリ操作画面」が表示されているのときに、2枚のタッチパネルをまたがるドラッグ操作を検出した場合の、アプリケーション画像を移動させる画像移動処理について、図10を参照して説明する。
【0064】
入力装置1は、ユーザに対して操作入力を行うように促して、当該ユーザからの操作入力を受け付けることにより、画像移動処理を開始する。なお、ここでは、マルチタッチした1つの指だけドラッグして移動させ、もう1つの指は動かさない操作について説明する。
【0065】
まず、制御部2は、検知部21を制御して、タッチを検出すると、タッチイベント情報(EVn)を取得する(ステップS301)。
【0066】
次に、制御部2は、取得したタッチイベント情報(EVn)が、マルチタッチであるか否かを判定する(ステップS302)。マルチタッチであるか否かを判定する方法は、ステップS202の処理と同様である。
【0067】
マルチタッチではない場合(ステップS302;No)、制御部2は、本来あり得ない処理であるため、エラー処理を行い(ステップS307)、本処理を終了する。
【0068】
一方、マルチタッチである場合(ステップS302;Yes)、制御部2は、タッチイベント情報(EVn)から、タッチ位置(X座標304、308、及び、Y座標305、309)を検出する(ステップS303)。
【0069】
次に、制御部2は、タッチイベント情報(EVn)からイベント種別306、310を取得し、当該イベント種別306、310がいずれであるかを判定する(ステップS304)。
【0070】
イベント種別が「タッチ中」である場合(ステップS304;「タッチ中」)、制御部2は、第1の表示部4及び第2の表示部5を制御して、「アプリ操作画面」を描画して(ステップS305)、本処理を終了する。具体的には、制御部2は、ステップS210において保持された「アプリ操作画面」の開始点と、ステップS303において検出されたタッチ位置と、の差分を計算し、その差分と同じ分だけ、アプリケーション画像の表示位置をずらして描画する。制御部2は、例えば、後述する図11Cに示すように、アプリケーション画像401の表示位置をずらして表示する。
【0071】
イベント種別が「タッチ開始」である場合(ステップS304;「タッチ開始」)、制御部2は、本来あり得ない処理であるため、エラー処理を行い(ステップS307)、本処理を終了する。
【0072】
イベント種別が「タッチ終了」である場合(ステップS304;「タッチ終了」)、制御部2は、「アプリ操作画面」の描画を終了して、通常の表示状態に画面を遷移させる(ステップS306)。
【0073】
通常の表示状態に画面が遷移した後、制御部2は、「アプリ操作画面」の開始点を取得し(ステップS308)、当該開始点のパネル番号303、307を取得する(ステップS309)。また、制御部2は、ステップS301で取得したタッチイベント情報のパネル番号303、307も取得する(ステップS309)。
【0074】
そして、制御部2は、「アプリ操作画面」の開始点のパネル番号303、307と、ステップS301で取得したタッチイベント情報のパネル番号303、307と、を比較することにより、パネル番号303、307が異なるか否かを判定する(ステップS310)。当該ステップにおいて、制御部2は、ユーザがアプリケーション画像をドラッグ操作して、2つの表示部をまたがって、当該アプリケーション画像を移動させたか否かを判定している。
【0075】
パネル番号が異なる場合(ステップS310;Yes)、制御部2は、第1の表示部4及び第2の表示部5を制御して、アプリケーション画像が表示された画面の表示位置を変えて(ステップS311)、本処理を終了する。
【0076】
一方、パネル番号が同一の場合、すなわち、異なっていない場合(ステップS310;No)、制御部2は、第1の表示部4及び第2の表示部5を制御して、アプリケーション画像が表示された画面の表示位置を元に戻して(ステップS312)、本処理を終了する。
【0077】
ここで、「2アプリ表示モード」の場合において、アプリケーション画像の表示位置を変更する方法について、図11A〜11Dを用いて説明する。図11Aに示すように、第1の表示部4には、検索アプリケーション画像401が表示され、第2の表示部5には、時計アプリケーション画像501が表示されている。この状態で、指f1と指f2とでマルチタッチを開始すると、図11Bに示すように、2つのアプリケーション画像401、501のサイズが少し小さくなった「アプリ操作画面」が表示される。なお、アプリケーション画像401、501の背景には、例えば、無地の背景画像が表示される。この状態で、指f1をタッチパネル上で移動させてドラッグすると、検索アプリケーション画像401が指f1の位置に応じて移動して表示される。そして、指f1が第2の表示部5に移動すると、図11Cに示すように、検索アプリケーション画像401が、第1の表示部4と第2の表示部5とに分割されて表示される。また、検索アプリケーション画像401が表示されていた場所(位置)には、テレビアプリケーション画像402が表示される。これは、検索アプリケーションを起動する前まで、テレビアプリケーションが起動されていた場合にこのように表示される。そして、このまま指f1をタッチパネル(第2の表示部5)から離すと(ステップS304〜S310)、図11Dに示すように、検索アプリケーション画像401が第2の表示部5に表示され(ステップS311)、テレビアプリケーション画像402が第1の表示部4に表示される。なお、ここで、図11Bに示すように、タッチパネルをまたがずに、指f1をタッチパネル(第1の表示部4)から離すと、検索アプリケーション画像401が、第2の表示部5に表示されず、図11Aに示すように、第1の表示部4に表示された状態が継続する(ステップS312)。
【0078】
以上の処理により、マルチタッチ操作だけで、アプリケーション画像の表示位置を変更することができるため、操作性が向上する。また、ユーザの直感的な操作によって、画面上に表示される表示内容を入れ替えることができる。
【0079】
なお、本フローチャートでは、1つの指しか動かさない場合のタッチイベント情報だけを用いた処理について説明したが、2つの指を動かした場合のタッチイベント情報を用いた処理について、同様に図9のフローチャートを用いて以下で説明する。
【0080】
まず、制御部2は、タッチイベント情報を取得し(ステップS301)、マルチタッチかどうかを判定する(ステップS302)ここでは、制御部2は、2点のタッチイベント情報を取得し(ステップS301)、マルチタッチと判定する(ステップS302;Yes)。そして、制御部2は、2点のタッチイベントのタッチ位置を取得する(ステップS303)。
【0081】
次に、制御部2は、タッチイベント情報からイベント種別306、310を判定する際に(ステップS304)、2つのタッチイベント情報のイベント種別306、310がどちらも「タッチ中」である場合は(ステップS304;「タッチ中」)、「アプリ操作画面」を描画する(ステップS305)。また、どちらか一方のイベント種別306、310が「タッチ開始」であった場合は(ステップS304;「タッチ開始」)、制御部2は、エラー処理をして(ステップS307)、本処理を終了する。また、どちらか一方のイベント種別306、310が「タッチ終了」であった場合は(ステップS304;「タッチ終了」)、制御部2は、通常の表示状態に画面を遷移させる(ステップS306)。
【0082】
その後、制御部2は、「アプリ操作画面」の開始点を2点分取得して(ステップS308)、それぞれのパネル番号303、307を取得する(ステップS309)。また、制御部2は、ステップS301おいて取得したタッチイベント情報のパネル番号303、307も2つ分取得する。そして、制御部2は、「アプリ操作画面」の2点分の開始点でのパネル番号303、307と、2つ分のタッチイベント情報のパネル番号303、307と、を比較することにより、パネル番号303、307が異なるか否かを判定する(ステップS310)。
【0083】
タッチパネル番号が異なっていた場合は(ステップS310;Yes)、アプリケーション画像の表示位置を変え(ステップS311)、そうでなければ(ステップS310;No)、アプリケーション画像の表示位置を元に戻し(ステップS312)、本処理を終了する。
【0084】
なお、ステップS301において、タッチイベント情報を2つ取得した場合、それぞれのタッチイベントが、どちらの「アプリ操作画面」の開始点からドラッグされた点であるのかどうかを、逐次判断しておく必要がある。例えば、まず、「アプリ操作画面」の開始点が点A0と点B0であり、次に取得したタッチイベント情報のタッチ位置がそれぞれ点A1と点B1であったとする。ここで、制御部2は、点A0と点A1との距離D1と、点B0と点A1との距離D2とを比較する。距離D1が距離D2よりも短ければ、制御部2は、点A1は点A0からドラッグ操作された点であると判断し、点B1は点B0からドラッグ操作された点であると判断する。次にまたタッチイベント情報のタッチ位置として点A2、点B2を取得した場合は、制御部2は、前回に取得した点A1と点B1との座標と、点A2と点B2との座標と、を比較して、どちらの点からの操作であるのか判断する。このようにすることで、新たに取得した複数のタッチイベント情報がどの点からのドラッグ操作であるのかどうかが判断でき、複数のドラッグ操作を制御できる。
【0085】
(実施形態2)
実施形態1に係る入力装置1では、ユーザが、1つの画面を操作している最中に、誤って他の画面を触れてしまうと、ユーザが意図しないアプリケーション画像の移動が起きる可能性があった。そこで、実施形態2に係る入力装置1では、さらに操作性を向上させるために、ユーザが意図的に操作した場合だけ、「アプリ操作画面」に遷移する場合について説明する。以下に、本実施形態に係る画面変更処理について、図12を参照して説明する。なお、実施形態1に係る入力装置1と同様の構成、動作については、説明を適宜省略する。
【0086】
図12に示すステップS201からS213の処理は、図7に示すステップS201からS213の処理と同様であるため、説明を省略する。本処理では、ステップS208の処理の後、タッチの時間差の判定を行う。
【0087】
ステップS208において、イベント種別306、310が「タッチ開始」である場合(ステップS208;「タッチ開始」)、制御部2は、2つのタッチイベント情報(EVn)からそれぞれ時刻302を取得し、2つの時刻302の差を算出し、当該差が所定の時間差dTよりも小さいか否かを判定する(ステップS401)。ユーザがマルチタッチを行うことによって、制御部2は、ステップS201の処理において、2つのタッチイベント情報(EVn)を取得している。制御部2は、具体的には、2つのタッチイベント情報(EVn)の時間302の差として、第1のタッチイベントの「タッチ開始」となった時刻T1と、第2のタッチイベントの「タッチ開始」となった時刻T2との差分を計算する。そして、制御部2は、|T2−T1|<dT、が成り立つか否かを判定する。
【0088】
なお、所定の時間差dTは、ユーザが2点を同時にタッチしようとした場合に生じるタッチ時刻の差の許容範囲(許容時間)であり、典型的には、0.5秒程度である。また、3点以上のマルチタッチの場合は、全てのタッチイベントの「タッチ開始」の時刻を取得し、一番時間差が大きくなる2点を選択して時間差を求めることもできる。
【0089】
タッチの時間差がdT以上である場合(ステップS401;No)、ユーザの操作は「アプリ操作画面」への遷移を意図していないと判断し、制御部2は、状態遷移は行わず、取得したタッチイベント情報(EVn)をアプリケーションに通知して(ステップS212)、本処理を終了する。
【0090】
一方、タッチの時間差がdT未満である場合(ステップS401;Yes)、ユーザの操作は「アプリ操作画面」への遷移を意図していると判断して、制御部2は、第1の表示部4及び第2の表示部5を制御して、「アプリ操作画面」に遷移させる(ステップS209)。
【0091】
以上の処理により、ユーザの誤操作等によって画面が遷移することを防ぐことができるため、操作の利便性を向上させることができる。
【0092】
(実施形態3)
実施形態1では、「1アプリ表示モード」の場合に、アプリケーション画像のサイズを変更する方法、及び、「2アプリ表示モード」の場合に、アプリケーション画像の表示位置を変更する方法について説明した。実施形態3では、ユーザがマルチタッチをした指の位置(距離)に応じて、アプリケーション画像のサイズを変更する場合とアプリケーション画像の表示位置を変更する場合とを切り替える方法について説明する。以下に、本実施形態に係る画面変更処理について、図13を参照して説明する。なお、実施形態1に係る入力装置1と同様の構成、動作については、説明を適宜省略する。
【0093】
図13に示すステップS201からS203、ステップS205からS213の処理は、図7に示すステップS201からS203、ステップS205からS213の処理と同様であるため、説明を省略する。本処理では、ステップS204の処理において、マルチタッチが2画面にまたがっていないと判定された後(ステップS204;No)、制御部2は、検出部21を制御して、ユーザのドラッグ操作が、画面(表示部)をまたぐドラッグ操作であるか否かを判定する(ステップS501)。具体的には、制御部2は、図4に示すステップS109の処理を行い、「Yes」となった場合、ユーザのドラッグ操作が、画面をまたぐドラッグ操作であると判定する。もし、ユーザが画面をまたぐドラッグ操作を行った場合には、ユーザの2本の指は1画面をタッチしていることとなるため、ステップS204の処理において、「No」と判定される。
【0094】
ユーザ操作が画面をまたぐ操作でない場合(ステップS501;No)、制御部2は、表示モードの状態遷移は行わず、取得したタッチイベント情報(EVn)をアプリケーションに通知して(ステップS212)、本処理を終了する。
【0095】
一方、ユーザ操作が画面をまたぐ操作である場合(ステップS501;Yes)、制御部2は、表示モードが「2アプリ表示モード」であるか否かを判定する(ステップS502)。
【0096】
表示モードが「2アプリ表示モード」である場合(ステップS502;Yes)、制御部2は、「アプリ操作画面」を描画して(ステップS211)、現在の状態が「アプリ操作画面」であることをユーザに認知させ、本処理を終了する。
【0097】
一方、表示モードが「2アプリ表示モード」でない場合(ステップS502;No)、制御部2は、第1の表示部4及び第2の表示部5を制御して、表示モードを「2アプリ表示モード」に変更し(ステップS503)、「アプリ操作画面」に遷移させる(ステップS209)。
【0098】
ここで、アプリケーション画像のサイズを変更した後、当該アプリケーション画像の表示位置を変更する方法について、図6A、図6B、図11C、図11Dを用いて説明する。図6Aに示すように、アプリケーション画像が第1の表示部4と第2の表示部5とにまたがった状態、すなわち、1アプリ表示モードの場合において(ステップS206;No)、指f1を右方向(第2の表示部5の方向)へスライドさせると、図6Bに示すように、検索アプリケーション画像が徐々に小さくなるように表示される(ステップS212)。指f1を右方向へとスライドさせて、図11Cに示すように、指f1が、画面をまたいで第1の表示部4から第2の表示部5に来た際に(ステップS501;Yes)、表示モードが「1アプリ表示モード」の場合(ステップS502;No)、「アプリ操作画面」へと遷移する(ステップS209)。そして、指f1をタッチパネル(第2の表示部5)から離すと、図11Dに示すように、検索アプリケーション画像401を第2の表示部5に表示することができ、アプリケーション画像の表示位置を変更することができる。
【0099】
以上の処理により、アプリケーション画像のサイズ変更と、アプリケーション画像の表示位置変更と、を一度の操作で行うことができるため、操作性を向上させることができる。
【0100】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0101】
通信部6が行う通信方法(方式)は任意である。例えば、IEEE(the Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n規格等の無線LAN(Local Area Network)、赤外線通信、RFID、Bluetooth(登録商標)等の任意の通信方式により、通信を行うこともできる。
【0102】
第1の表示部4と第2の表示部5との2つの表示部がある場合について説明したが、表示部の数は任意である。例えば、表示部の数が1つの場合であっても、1つの表示部内に所定の境界線を設けて、ユーザのドラッグ操作が、当該境界線をまたぐドラッグ操作である場合に、当該ユーザのドラッグ操作を分離した2つの表示部をまたぐドラッグ操作とすることもできる。
【0103】
表示パネルの画素数とタッチパネルの画素数を同じにしたが、異なっていてもよい。その場合、タッチイベント情報の座標系と表示パネルの座標系が異なるため、換算すればよい。例えば、タッチパネルの画素数が表示パネルの画素数の10倍ある場合、タッチイベント情報の座標を10分の1に補正して、表示パネルの座標系に合わせればよい。そして、補正された座標をアプリケーションに通知することで、アプリケーションは表示パネルの座標系に合った位置に様々なデータを表示できる。このような制御をすることで、どのような画素数のタッチパネルでも処理が可能となる。
【0104】
その他、前記のハードウエェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0105】
入力装置1の処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する入力装置1を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで入力装置1を構成してもよい。
【0106】
また、入力装置1の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0107】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS; Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0108】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0109】
(付記1)
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部と、
前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部と、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルへの入力操作を検出する検出部と、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定する特定部と、
前記検出された入力操作と前記特定されたアプリケーションとに基づいて、当該アプリケーションの表示画像を制御する制御部と、を備える、
ことを特徴とする入力装置。
【0110】
(付記2)
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから入力操作が検出されると、
前記制御部は、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとにまたがって表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作を当該アプリケーションに送り、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとのそれぞれに表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作に基づいて、当該特定されたアプリケーションの画像位置を変更するように前記ユーザに促す、
ことを特徴とする付記1に記載の入力装置。
【0111】
(付記3)
前記制御部は、前記アプリケーションの画像位置を変更するように前記ユーザに促す際に、前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとをまたぐタッチ操作が検出されると、前記特定されたアプリケーションの画像位置を変更するように制御する、
ことを特徴とする付記2に記載の入力装置。
【0112】
(付記4)
前記制御部は、前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとにまたがって表示されたアプリケーションが特定されている際に、前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとをまたぐタッチ操作が検出されると、当該特定されたアプリケーションの画像サイズを変更するよう制御する、
ことを特徴とする付記2に記載の入力装置。
【0113】
(付記5)
前記検出部は、前記第1のタッチパネルから入力操作を検出した後、所定時間内に、前記第2のタッチパネルから入力操作を検出すると、前記ユーザからのタッチ操作が同時であると検出する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の入力装置。
【0114】
(付記6)
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部と、前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部と、を備える入力装置における入力方法であって、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルの入力操作を検出し、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定し、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとにまたがって表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作を当該アプリケーションに送り、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとのそれぞれに表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作に基づいて、当該特定されたアプリケーションの表示画像位置を変更するように前記ユーザに促す、
ことを特徴とする入力方法。
【0115】
(付記7)
コンピュータを、
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部、
前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルへの入力操作を検出する検出部、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定する特定部、
前記検出された入力操作と前記特定されたアプリケーションとに基づいて、当該アプリケーションの表示画像を制御する制御部、として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0116】
1 入力装置
2 制御部
21 検知部
22 特定部
3 記憶部
4 第1の表示部
41 第1の表示パネル
42 第1のタッチパネル
5 第2の表示部
51 第2の表示パネル
52 第2のタッチパネル
6 通信部
7 操作部
8 音声出力部
81 通話用スピーカ
82 スピーカ
9 音声入力部
91 通話用マイク
10 タイマ部
11 バス
101 第1の筺体
102 第2の筺体
103 ヒンジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部と、
前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部と、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルへの入力操作を検出する検出部と、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定する特定部と、
前記検出された入力操作と前記特定されたアプリケーションとに基づいて、当該アプリケーションの表示画像を制御する制御部と、を備える、
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから入力操作が検出されると、
前記制御部は、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとにまたがって表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作を当該アプリケーションに送り、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとのそれぞれに表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作に基づいて、当該特定されたアプリケーションの画像位置を変更するように前記ユーザに促す、
ことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記アプリケーションの画像位置を変更するように前記ユーザに促す際に、前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとをまたぐタッチ操作が検出されると、前記特定されたアプリケーションの画像位置を変更するように制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとにまたがって表示されたアプリケーションが特定されている際に、前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとをまたぐタッチ操作が検出されると、当該特定されたアプリケーションの画像サイズを変更するよう制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記第1のタッチパネルから入力操作を検出した後、所定時間内に、前記第2のタッチパネルから入力操作を検出すると、前記ユーザからのタッチ操作が同時であると検出する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項6】
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部と、前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部と、を備える入力装置における入力方法であって、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルの入力操作を検出し、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定し、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとにまたがって表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作を当該アプリケーションに送り、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとのそれぞれに表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作に基づいて、当該特定されたアプリケーションの表示画像位置を変更するように前記ユーザに促す、
ことを特徴とする入力方法。
【請求項7】
コンピュータを、
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部、
前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルへの入力操作を検出する検出部、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定する特定部、
前記検出された入力操作と前記特定されたアプリケーションとに基づいて、当該アプリケーションの表示画像を制御する制御部、として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部と、
前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部と、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルへの入力操作を検出する検出部と、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定する特定部と、
前記検出された入力操作と前記特定されたアプリケーションとに基づいて、当該アプリケーションの表示画像を制御する制御部と、を備える、
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから入力操作が検出されると、
前記制御部は、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとにまたがって表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作を当該アプリケーションに送り、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとのそれぞれに表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作に基づいて、当該特定されたアプリケーションの画像位置を変更するように前記ユーザに促す、
ことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記アプリケーションの画像位置を変更するように前記ユーザに促す際に、前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとをまたぐタッチ操作が検出されると、前記特定されたアプリケーションの画像位置を変更するように制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとにまたがって表示されたアプリケーションが特定されている際に、前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとをまたぐタッチ操作が検出されると、当該特定されたアプリケーションの画像サイズを変更するよう制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記第1のタッチパネルから入力操作を検出した後、所定時間内に、前記第2のタッチパネルから入力操作を検出すると、前記ユーザからのタッチ操作が同時であると検出する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項6】
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部と、前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部と、を備える入力装置における入力方法であって、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルの入力操作を検出し、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定し、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとにまたがって表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作を当該アプリケーションに送り、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとのそれぞれに表示されたアプリケーションが特定されている場合、前記検出された入力操作に基づいて、当該特定されたアプリケーションの表示画像位置を変更するように前記ユーザに促す、
ことを特徴とする入力方法。
【請求項7】
コンピュータを、
ユーザからのタッチ操作を受け付ける第1のタッチパネルと画像を表示する第1の表示パネルとからなる第1の表示部、
前記ユーザからのタッチ操作を受け付ける第2のタッチパネルと画像を表示する第2の表示パネルとからなり、前記第1の表示部に隣接して配置される第2の表示部、
前記第1のタッチパネルと前記第2のタッチパネルとから、タッチパネルへの入力操作を検出する検出部、
前記第1の表示パネルと前記第2の表示パネルとから、表示されたアプリケーションを特定する特定部、
前記検出された入力操作と前記特定されたアプリケーションとに基づいて、当該アプリケーションの表示画像を制御する制御部、として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−181806(P2012−181806A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46050(P2011−46050)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
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