説明

入力装置、表示装置、および機器

【課題】信頼性が向上する入力装置、表示装置、および機器を提供する。
【解決手段】入力装置X1は、平面視して矩形状をなした基体2と、基体2上に設けられた複数の検出電極3a,4aと、基体2上に設けられており、かつ複数の検出電極3a,4aの外側に位置する電極配線9と、基体2上に設けられており、かつ平面視して複数の検出電極3a,4aを覆うシールド層14と、電極配線9とシールド層14とが電気的に接続された導通部15と、を備え、導通部15は、基体2の隅部R1以外の部位上に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、使用者が入力操作した箇所を入力位置として検出する入力装置、表示装置、および機器に関する。
【背景技術】
【0002】
入力装置としては、例えば、指と検出電極との間での静電容量の変化を捉えて入力位置を検出する静電容量方式のタッチパネルが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。このような入力装置は、表示パネルと対向する面に、表示パネルにより発生したノイズを遮蔽するためのシールド層が設けられている(例えば、特許文献3参照)。このシールド層は、グランド電位に設定するために、入力装置の基体上に設けられた電極配線と電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−97283号公報
【特許文献2】特開2008−310551号公報
【特許文献3】特開2001−325070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の入力装置における基体は、使用環境によっては熱収縮が生じる可能性がある。基体に熱収縮が生じると、基体の隅部を中心に大きく変形することがある。このため、電極配線とシールド層とが電気的に接続された導通部を設ける位置によっては、導通部にクラック等が生じ、入力装置の信頼性が低下する可能性があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、信頼性が向上する入力装置、表示装置、および機器に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の入力装置における一態様は、平面視して矩形状をなした基体と、前記基体上に設けられた複数の検出電極と、前記基体上に設けられており、かつ前記複数の検出電極の外側に位置する電極配線と、前記基体上に設けられており、かつ平面視して前記複数の検出電極を覆うシールド層と、前記電極配線と前記シールド層とが電気的に接続された導通部と、を備え、前記導通部は、前記基体の隅部以外の部位上に設けられている。
【0007】
本発明の表示装置における一態様は、本発明に係る入力装置と、前記入力装置に対向して配置された表示パネルと、前記表示パネルが収容された第1筐体と、を備える。
【0008】
本発明の機器における一態様は、本発明に係る表示装置を第2筐体に備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の入力装置、表示装置、および機器は、信頼性が向上する、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係る入力装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】上記の入力装置の概略構成を示す平面図であって、基体を透視した図である。
【図3】上記の入力装置の概略構成を示す平面図であって、図1とは反対側から見た図である。
【図4】図2中に示した切断線I−Iに沿って切断した断面図である。
【図5】図2中に示した切断線II−IIに沿って切断した断面図である。
【図6】図2中に示した切断線III−IIIに沿って切断した断面図である。
【図7】本実施形態に係る表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図8】本実施形態に係る携帯端末の概略構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材を簡略化して示したものである。したがって、本発明に係る入力装置、表示装置、および機器は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
【0013】
図1および図2に示すように、本実施形態に係る入力装置X1は、静電容量方式のタッチパネルであって、使用者によって入力操作が可能な入力領域Eと、入力領域Eの外側に位置する外側領域Eとを有している。
【0014】
図1〜図6に示すように、入力装置X1は、基体2を備えている。
【0015】
基体2は、入力領域Eにおいて後述する第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、および第2接続電極4bを支持する役割を担うとともに、外側領域Eにおいて後述する配線導体8および電極配線9を支持する役割を担う部材である。基体2は、操作面2a、および操作面2aの反対側に位置する背面2bを有している。
【0016】
基体2は、操作面2aおよび背面2bに対して交差する方向に光を適切に透過することが可能な構成とされるとともに、絶縁性を有する構成とされている。基体2の構成材料としては、例えば、透明ガラスあるいは透明プラスチック等の透光性を有するものが挙げられるが、中でも視認性の観点において透明ガラスが好ましい。なお、本明細書において透光性とは、可視光に対する透過性を有することを意味する。また、本実施形態に係る基体2の平面視形状は隅部R1が丸みを帯びている矩形状とされているが、これには限られない。隅部R1が丸みを帯びていなくともよい。
【0017】
図2,図4,および図5に示すように、入力領域Eに対応する基体2の背面2b上には、第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、第2接続電極4b、および絶縁体5が設けられている。
【0018】
第1検出電極3aは、入力領域Eに接近した使用者の指F1の、Y方向における入力位置の検出を行う役割を有するものであり、指F1との間に静電容量を発生する機能を有している。すなわち、第1検出電極3aは、基体2の背面2b上に、X方向に沿って所定の間隔を空けて複数設けられている。ここで、本実施形態に係る第1検出電極3aは、検出感度を向上する観点から、平面視形状が略ひし形とされているが、これには限られない。
【0019】
第1接続電極3bは、隣り合う第1検出電極3aを電気的に接続する役割を担う部材である。第1接続電極3bは、基体2の背面2b上に設けられている。
【0020】
第2検出電極4aは、入力領域Eに接近した使用者の指F1の、X方向における入力位置の検出を行う役割を有するものであり、指F1との間に静電容量を発生する機能を有している。すなわち、第2検出電極4aは、基体2の背面2b上に、Y方向に沿って所定の間隔を空けて複数設けられている。ここで、本実施形態に係る第2検出電極4aは、検出感度を向上する観点から、平面視形状が略ひし形とされているが、これには限られない。
【0021】
第2接続電極4bは、隣り合う第2検出電極4aを電気的に接続する役割を担う部材である。第2接続電極4bは、第1接続電極3bと電気的に絶縁するように、絶縁体5を跨ぐように、絶縁体5上に設けられている。ここで、絶縁体5は、第1接続電極3bを覆うように基体2の背面2b上に設けられている。絶縁体5の構成材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、二酸化珪素、あるいは窒化珪素等が挙げられる。
【0022】
上述の第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、および第2接続電極4bの構成材料としては、例えば、透光性を有する導電部材が挙げられる。透光性を有する導電部材としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ATO(Antimony Tin Oxide)、AZO(Al-Doped Zinc Oxide)、酸化錫、酸化亜鉛、あるいは導電性高分子が挙げられる。
【0023】
また、図6に示すように、外側領域Eに対応する基体2の背面2b上には、遮光膜6、第1絶縁膜7、配線導体8、電極配線9、および第2絶縁膜10が設けられている。
【0024】
遮光膜6は、入力装置X1の外側領域Eを例えば黒色に加飾する役割を担う部材である。本実施形態では、遮光膜6は、入力領域Eを取り囲むように枠状に設けられている。遮光膜6が枠状に設けられているので、入力装置X1のデザイン性を向上させることができる。遮光膜6の構成材料としては、例えば、カーボンを含む樹脂材料、酸化クロム、あるいは酸化チタン等が挙げられる。遮光膜6を形成する方法としては、例えば、スクリーン印刷法、インクジェット法、スパッタリング法、蒸着法等が挙げられる。
【0025】
第1絶縁膜7は、外側領域Eにおいて、遮光膜6を保護するとともに、遮光膜6と配線導体8、および遮光膜6と電極配線9とを絶縁させる役割を担う部材である。このため、第1絶縁膜7は、遮光膜6を覆うように当該遮光膜6上に設けられている。第1絶縁膜7の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、あるいは二酸化珪素等が挙げられる。第1絶縁膜7を形成する方法としては、例えば、転写印刷法、スピンコート法、あるいはスリットコート法等が挙げられる。
【0026】
配線導体8は、第1検出電極3aおよび第2検出電極4aに電圧を印加するための役割を担う部材である。図2に示すように、配線導体8は、その一端部が第1検出電極3aおよび第2検出電極4aと電気的に接続され、その他端部が外部導通領域G1に位置している。外部導通領域G1には例えば図示しないフレキシブル基板が接続される。また、配線導体8は、第1絶縁膜7を介して遮光膜6上に設けられている。すなわち、遮光膜6は、平面視して、配線導体8および電極配線9を覆うように設けられている。このため、遮光膜6によって、配線導体8および電極配線9が使用者に視認されてしまう可能性を低減することができる。
【0027】
電極配線9は、外部からのノイズを遮蔽するための役割を担う部材である。すなわち、電極配線9は、配線導体8および検出電極3a,4aに対して外部からのノイズによる影響を低減するための役割を担う部材である。このため、電極配線9は、図2に示すように、配線導体8および検出電極3a,4aの外側に位置している。より具体的には、本実施
形態のように、電極配線2は、平面視して配線導体8および検出電極3a,4aを取り囲むように設けられていることが好ましい。電極配線2が平面視して配線導体8および検出電極3a,4aを取り囲むように設けられていると、入力装置X1が例えば後述する表示装置Y1および携帯端末P1に備えられた場合に、表示装置Y1および携帯端末P1に搭載された電子部品等の外部からのノイズによる影響をより確実に低減することが可能となる。なお、本明細書において、「配線導体8および検出電極3a,4aを取り囲む」とは、電極配線2が、配線導体8および検出電極3a,4aを完全に取り囲む必要はなく、例えば、図2で示されているように、電極配線2と外部導通領域G1とによって、配線導体8および検出電極3a,4aを取り囲むことも含む意味である。また、電極配線9は、一端および他端が、外部導通領域G1に位置している。電極配線9は、基準電位、特に、グランド電位に設定されていることが好ましい。
【0028】
配線導体8および電極配線9は、例えば、硬質で高い形状安定性を得るべく、金属薄膜で構成されている。この金属薄膜としては、例えば、アルミニウム膜、アルミニウム合金膜、クロム膜とアルミニウム膜との積層膜、クロム膜とアルミニウム合金膜との積層膜、銀膜、銀合金膜、あるいは金合金膜が挙げられる。なお、金属薄膜を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法、あるいは化学気相成長法が挙げられる。
【0029】
第2絶縁膜10は、外側領域Eにおいて、配線導体8および電極配線9を保護するための役割を担う部材である。このため、第2絶縁膜10は、配線導体8および電極配線9を覆うように第1絶縁膜7上に設けられている。第2絶縁膜10の構成材料としては、第1絶縁膜7と同様、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、あるいは二酸化珪素等が挙げられる。第2絶縁膜10を形成する方法としては、例えば、転写印刷法、スピンコート法、スリットコート法等が挙げられる。
【0030】
また、図1,図2,図4〜図6に示すように、入力領域Eおよび外側領域Eに対応する基体2の操作面2a上には、粘着材11を介して操作面保護フィルム12が設けられている。また、図4および図5に示すように、入力領域Eに対応する基体2の背面2b上には、粘着材11を介して背面保護フィルム13が設けられている。操作面保護フィルム12および背面保護フィルム13としては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等が挙げられる。また、粘着材11としては、例えば、アクリル系粘着材、シリコーン系粘着材、ゴム系粘着材、ウレタン系粘着材等が挙げられる。
【0031】
また、図3〜図6に示すように、入力領域Eに対応する背面保護フィルム13上、および外側領域Eに対応する第2絶縁膜10上には、シールド層14が設けられている。本実施形態では、シールド層14は、背面保護フィルム13の背面全面および第2絶縁膜10の背面全面に設けられている。シールド層14は、後述する液晶表示パネル101により発生したノイズを遮蔽するための役割を担う部材である。すなわち、シールド層14は、検出電極3a,4aおよび配線導体8に対して液晶表示パネル101からのノイズによる影響を低減するための役割を担う部材である。
【0032】
シールド層14は、ベースフィルム14a、および導電部材14bを備えている。ベースフィルム14aは、絶縁性を有している。ベースフィルム14aとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等が挙げられる。導電部材14bは、ベースフィルム14a上に設けられている。導電部材14bとしては、例えば、ITO、IZO、ATO、AZO、酸化錫、酸化亜鉛、あるいは導電性高分子が挙げられる。
【0033】
導通部15は、電極配線9とシールド層14における導電部材14bとを電気的に接続
するための役割を担う部材である。本実施形態では、図6に示すように、第2絶縁膜10およびベースフィルム14aに貫通孔T1を形成し、当該貫通孔T1に、はんだ、銀ペースト等からなる貫通導体を形成することにより、導通部15が形成される。電極配線9とシールド層14における導電部材14bとが導通部15により電気的に接続されることにより、導電部材14bの抵抗値を下げることができる。これにより、液晶表示パネル101により発生したノイズをより効率的に遮蔽することが可能となる。
【0034】
なお、上記では、導通部15を貫通導体により形成した例について説明したが、これに限定されない。第2絶縁膜10およびベースフィルム14aに切り欠きを形成し、当該切り欠きに、はんだ、銀ペースト等からなる導体部材を形成することにより、導通部15を形成してもよい。
【0035】
ここで、導通部15は、基体2の隅部R1以外の部位上に設けられている。導通部15が基体2の隅部R1以外の部位上に設けられているので、基体2に熱収縮が生じた場合であっても、導通部15にクラック等が生じる可能性を低減することができる。
【0036】
具体的には、入力装置X1が、例えば、昼と夜のように温度差のある使用環境で用いられた場合、入力装置X1における基体2は、熱収縮が生じる可能性がある。基体2に熱収縮が生じた場合、基体2の隅部R1を中心に大きく変形する可能性がある。これに対して、本実施形態に係る入力装置X1では、導通部15は、基体2の隅部R1以外の部位上に設けられている。このため、基体2に熱収縮が生じた場合であっても、導通部15にクラック等が生じる可能性を低減することができる。
【0037】
なお、本実施形態では、基体2の隅部R1とは、平面視して、基体2の長辺を等間隔に8分割するとともに、基体2の短辺を等間隔に8分割し、基体2の長辺に対して垂直な線と、基体2の短辺に対して垂直な線とを結ぶ領域のうち、基体2の隅に最も近い領域を意味している。
【0038】
また、図3に示すように、導通部15は、基体2の隅部R1間の中央部C1に位置することが好ましい。基体2に熱収縮が生じた場合には、基体2の隅部R1が最も熱収縮の影響を受けるとともに、基体2の隅部R1間に位置する中央部C1が最も熱収縮の影響を受けないことになる。すなわち、基体2の隅部R1が最も大きく変形し、基体2の隅部R1間に位置する中央部C1が最も変形しない。このため、導通部15が基体2の隅部R1間の中央部C1に位置していると、導通部15にクラック等が生じる可能性をより低減することができる。
【0039】
なお、図2および図3では、導通部15は、2つ設けられていることを図示したが、これに限定されない。導通部15が基体2の隅部R1以外の部位上に設けられていれば、導通部15の数については、特に限定されない。
【0040】
次に、上記の入力装置X1の検出原理について説明する。
【0041】
入力領域Eに対応する基体2の操作面2aに、操作面保護フィルム12を介して導電体である指F1が近接、接触、または押圧すると、指F1と検出電極3a,4aとの間の
静電容量が変化する。ここで、図示しない位置検出ドライバは、指F1と検出電極3a,
4aとの間の静電容量の変化を常に検出している。この位置検出ドライバは、所定値以上の静電容量の変化を検出すると、静電容量の変化が検出された位置を入力位置として検出する。このようにして、入力装置X1は、入力位置を検出することができる。なお、入力装置X1が入力位置を検出する方式として、相互キャパシタンス方式および自己キャパシタンス方式のいずれの方式であってもよい。相互キャパシタンス方式を採用すると、同時
に複数の入力位置を検出できるので、自己キャパシタンス方式を採用する場合と比べて、好ましい。
【0042】
以上のように、上記の入力装置X1では、信頼性が向上する。
【0043】
次に、入力装置X1を備えた表示装置Y1について、図7を参照しながら説明する。
【0044】
図7に示すように、本実施形態に係る表示装置Y1は、入力装置X1と、入力装置X1に対向して配置される液晶表示装置Z1とを備えている。
【0045】
液晶表示装置Z1は、液晶表示パネル101、バックライト102、および第1筐体103を備えている。
【0046】
液晶表示パネル101は、表示のために液晶組成物を利用した表示パネルである。なお、液晶表示パネル101の代わりに、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパ等の表示パネルであってもよい。バックライト102は、光源102aおよび導光板102bを備えている。光源102aは、導光板102bに向けて光を出射する役割を担う部材であり、例えば、LED(Light Emitting Diode)から構成される。なお、LEDの代わりに、冷陰極蛍光ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、EL(Electro-Luminescence)であってもよい。導光板102bは、液晶表示パネル101の下面全体にわたって、光源102aからの光を略均一に導くための役割を担う部材である。
【0047】
第1筐体103は、液晶表示パネル101およびバックライト102を収容する役割を担うものであり、上側筐体103aおよび下側筐体103bを含んで構成される。第1筐体103の構成材料としては、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、あるいは、ステンレス、アルミニウム等の金属が挙げられる。
【0048】
ここで、入力装置X1と液晶表示装置Z1とは、両面テープ104を介して接着される。すなわち、入力装置X1における基体2の背面2bが液晶表示パネル101の主面に対向して配置されるように、入力装置X1と液晶表示装置Z1とが、両面テープ104を介して接着される。なお、入力装置X1と液晶表示装置Z1との固定方法に使用される固定用部材は両面テープ104には限られず、例えば、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等の接着部材、あるいは入力装置X1と液晶表示装置Z1とを物理的に固定する固定構造体であってもよい。また、入力装置X1と液晶表示装置Z1とは、互いに接して配置されていてもよいし、隙間を空けて配置されていてもよい。
【0049】
このように、入力装置X1は、液晶表示装置Z1の液晶表示パネル101を透視しながら、入力装置X1の入力領域Eを入力操作することによって、各種の情報を入力することができる。なお、各種の情報を入力する際に、情報を入力した使用者に対して、押圧感、なぞり感、肌触り感等の様々な触感を呈示する機能を入力装置X1に付与してもよい。この場合、入力装置X1における基体2に、1または複数の振動体(例えば、圧電素子等)を備え、所定の入力操作あるいは所定の押圧荷重を検知した場合に、当該振動体を所定の周波数で振動させることで実現することができる。
【0050】
表示装置Y1は、入力装置X1を備えているので、信頼性が向上する。
【0051】
次に、表示装置Y1を備えた携帯端末P1について、図8を参照しながら説明する。
【0052】
図8に示すように、本実施形態に係る携帯端末P1は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA等の機器であって、表示装置Y1と、音声入力部201と、音声出力部20
2と、キー入力部203と、第2筐体204とを備えている。
【0053】
音声入力部201は、例えば、マイク等により構成されており、使用者の音声等が入力される。音声出力部202は、スピーカ等により構成されており、相手方からの音声等が出力される。キー入力部203は、例えば、機械的なキーにより構成される。なお、キー入力部203は、表示画面に表示された操作キーであってもよい。第2筐体204は、表示装置Y1、音声入力部201、音声出力部202、およびキー入力部203を収容する役割を担う部材である。
【0054】
他にも、携帯端末P1は、必要な機能に応じて、デジタルカメラ機能部、ワンセグ放送用チューナ、赤外線通信機能部等の近距離無線通信部、および各種インタフェース等を備える場合もあるが、これらの詳細についての図示および説明は省略する。
【0055】
携帯端末P1は、表示装置Y1を備えているので、信頼性が向上する。
【0056】
なお、上記では、携帯端末P1に音声入力部201を備えている例について説明したが、これに限定されない。すなわち、携帯端末P1には音声入力部201は備えられていなくともよい。
【0057】
ここで、表示装置Y1は、上記の携帯端末P1の代わりに、産業用途で使用されるプログラマブル表示器、電子手帳、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム用の端末装置、テレビ、デジタルカメラ等の種々の機器に備えられていてもよい。
【符号の説明】
【0058】
X1 入力装置
Y1 表示装置
P1 携帯端末
2 基体
3a 第1検出電極(検出電極)
4a 第2検出電極(検出電極)
9 電極配線
14 シールド層
14a ベースフィルム
14b 導電部材
15 導通部
101 液晶表示パネル(表示パネル)
103 第1筐体
204 第2筐体
R1 基体の隅部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視して矩形状をなした基体と、
前記基体上に設けられた複数の検出電極と、
前記基体上に設けられており、かつ前記複数の検出電極の外側に位置する電極配線と、
前記基体上に設けられており、かつ平面視して前記複数の検出電極を覆うシールド層と、
前記電極配線と前記シールド層とが電気的に接続された導通部と、を備え、
前記導通部は、前記基体の隅部以外の部位上に設けられている、入力装置。
【請求項2】
前記導通部は、前記基体の隅部間の中央部に位置する、請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記電極配線は、平面視して前記複数の検出電極を取り囲むように設けられている、請求項1または2に記載の入力装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の入力装置と、
前記入力装置に対向して配置された表示パネルと、
前記表示パネルが収容された第1筐体と、を備えた表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルは、液晶表示パネルである、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の表示装置を第2筐体に備えた機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−45155(P2013−45155A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180582(P2011−180582)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】