説明

入力装置及びこれを用いた電子機器

【課題】ユーザの指がタッチパネルに触れていない状態でも、タッチパネルへの指の近接を正確に検知できる入力装置及びこれを用いた電子機器を提供する。
【解決手段】入力位置検出部101は、タッチパネル11の抵抗膜11Xと抵抗膜11Yとが接したときに、タッチパネル11への入力位置を検出する。近接検出部102は、抵抗膜11X及び抵抗膜11Yとグラウンドとの間に生じる静電容量を基にタッチパネル11へのユーザの指の近接を検出する。検出モード切換制御部103は、入力位置検出部101が動作している状態と近接検出部102が動作している状態とを切り換える。抵抗膜接続部12は、近接検出部102が動作している状態のときに、抵抗膜11Xと抵抗膜11Yとを電気的に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを用いた入力装置及びこれを用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、抵抗膜方式のタッチパネルを用いて操作入力を行う電子機器が普及している。抵抗膜方式のタッチパネルは、ユーザが入力した位置を2つの抵抗膜を用いて検出するものである。また、抵抗膜方式のタッチパネルを用いた電子機器においては、抵抗膜を近接センサとして利用し、タッチパネルの操作状況を検知することも可能である。
例えば、特開2008−152468号公報(特許文献1)には、このような抵抗膜方式のタッチパネルの抵抗膜を近接センサとして利用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−152468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明において、タッチパネルの抵抗膜を近接センサとして利用して、タッチパネルに触れていない状態のユーザの指を検知しようとした場合、2つの抵抗膜がお互いにノイズ源となってしまい、そのノイズの影響で正確な検出が難しいという問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、ユーザの指がタッチパネルに触れていない状態でも、タッチパネルへの指の近接を正確に検知できる入力装置及びこれを用いた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上述した従来の技術の課題を解決するため、第1の抵抗膜(11X)と第2の抵抗膜(11Y)を有するタッチパネル(11)と、前記第1の抵抗膜(11X)と前記第2の抵抗膜(11Y)とが接したときに、前記タッチパネル(11)への入力位置を検出する入力位置検出部(101)と、前記第1の抵抗膜(11X)及び前記第2の抵抗膜(11Y)とグラウンドとの間に生じる静電容量を基に前記タッチパネル(11)へのユーザの指の近接を検出する近接検出部(102)と、前記入力位置検出部(101)が動作している状態と前記近接検出部(102)が動作している状態とを切り換える検出モード切換制御部(103)と、前記近接検出部(102)が動作している状態のときに、前記第1の抵抗膜(11X)と前記第2の抵抗膜(11Y)とを電気的に接続する抵抗膜接続部(12)とを備えることを特徴とする入力装置を提供する。
また、本発明は上述した従来の技術の課題を解決するため、前記入力装置と、オンスクリーンディスプレイ信号を生成するオンスクリーンディスプレイ生成部(8)と、前記オンスクリーンディスプレイ信号に基づくオンスクリーンディスプレイが重畳された映像を表示する表示部(10)と、前記オンスクリーンディスプレイ生成部(8)にオンスクリーンディスプレイ信号を生成させる動作制御部(104)とを備え、前記動作制御部(104)は、前記入力装置の前記近接検出部(102)がユーザの指の近接を検出したとき、前記オンスクリーンディスプレイ生成部(8)に前記オンスクリーンディスプレイ信号を生成させることを特徴とする電子機器を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の入力装置及びこれを用いた電子機器によれば、ユーザの指がタッチパネルに触れていない状態でも、タッチパネルへの指の近接を正確に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態のタッチパネルを示す外観図である。
【図3】本発明の一実施形態のタッチパネルを示す概略構成図である。
【図4】本発明の一実施形態のタッチパネル及び制御部を示す構成図である。
【図5】本発明の一実施形態の近接検出モードついて説明するフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態の電子機器の動について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の入力装置及びこれを用いた電子機器について、添付図面を参照して説明する。
【0010】
図1は電子機器として映像音声再生装置を例としたものである。制御部1は入力位置検出部101、近接検出部102、検出モード切換制御部103、動作制御部104、未入力時間測定部105を有する。
制御部1には例えばマイクロプロセッサを用いることができる。制御部1は1つのマイクロプロセッサで構成しても良いし、複数のマイクロプロセッサで構成しても良い。
【0011】
記憶部3又はメディア再生部4は、動作制御部104による制御に従い、映像データを映像データ処理部5に入力する。また、記憶部3又はメディア再生部4は、動作制御部103による制御に従い、映像データと同期している音声データを音声データ処理部6に入力する。記憶部3は例えばハードディスクドライブ(HDD)からなり、メディア再生部4は例えば光ディスクドライブからなる。
【0012】
映像データ処理部5は、入力された映像データを映像信号(例えばRGB信号)に変換する。映像データ処理部5はその映像信号をオンスクリーンディスプレイ(OSD)重畳部9へ入力する。
【0013】
音声データ処理部6は入力された音声データを音声信号(例えばアナログ音声信号)に変換する。音声データ処理部6はその映像信号と同期された音声信号を例えばスピーカとアンプとを有する音声出力部7に入力する。音声出力部7はその入力された音声信号を再生する。
【0014】
また、音声出力部7から出力される音声の音量は、動作制御部104によって調整される。
【0015】
OSD生成部8は動作制御部104による制御に基づいてOSD信号を生成し、OSD重畳部9へ入力する。
【0016】
OSD重畳部9は映像データ処理部5から入力された映像信号にOSD信号を重畳し、表示部10へ入力する。そして、表示部10は、OSD重畳部9から供給されたOSD信号が重畳された映像信号を表示する。また、電源2は各部へ電力を供給する。
【0017】
次に、図2を用いて、ユーザがタッチパネル11を操作した場合の電子機器の動作の一例について説明する。また、検出モードは後述する入力位置検出モードになっているとする。タッチパネル11は表示部10の上に重ねて設置されている。このように設置することで、表示部10に表示されるOSD21〜24とタッチパネル11への入力位置を対応させることができる。
【0018】
ユーザがタッチパネル11に触れると、入力位置検出部101は、ユーザがタッチパネル11に触れた位置である入力位置を検出する。
入力位置検出部101が検出した入力位置が停止用OSD21上の位置であった場合、動作制御部104は、電子機器がコンテンツデータに基づく映像を表示したり、コンテンツデータに基づく音声を出力したりしている状態、つまり、コンテンツデータを再生している状態を停止させる。コンテンツデータが再生されていない場合、動作制御部104は何も行わない。
【0019】
入力位置検出部101が検出した入力位置が再生用OSD22上の位置であった場合、動作制御部104は、コンテンツデータを再生する動作を各部に実行させる。コンテンツデータが再生されている場合、動作制御部104は何も行わない。
【0020】
入力位置検出部101が検出した入力位置がチャプタ戻り用OSD23上の位置であった場合、動作制御部104は、再生中のコンテンツデータのチャプタの一つ前のチャプタを先頭部分から再生する。コンテンツデータが再生されていない場合や一番先頭のチャプタを再生している場合、動作制御部104は何も行わない。
【0021】
入力位置検出部101が検出した入力位置がチャプタ進み用OSD24上の位置であった場合、動作制御部104は、再生中のコンテンツデータのチャプタの一つ後のチャプタを先頭部分から再生する。コンテンツデータが再生されていない場合や一番後ろのチャプタを再生している場合、動作制御部104は何も行わない。
【0022】
次に、図3を用いてタッチパネル11について説明する。タッチパネル11は左右両端に電極を有する抵抗膜11Xと、上下両端に電極を有するY方向抵抗膜11Yを有している。抵抗膜11Xの電極は上下方向に延びており、抵抗膜11Yの電極は左右方向に延びている。抵抗膜11X及び抵抗膜11Yは、例えば、透明なフィルムにインジウムスズが成膜されて作成された透明な導電膜である。
【0023】
抵抗膜11Xの電極Xhと電極Xcとの間、及び、抵抗膜11Yの電極Yhと電極Ycとの間には導電膜による電気抵抗がある。
【0024】
次に図4を用いて、制御部1、タッチパネル11、抵抗膜接続部12の接続状態を説明する。
【0025】
タッチパネル11の抵抗膜11Xの電極Xhは、スイッチS3を介して電源2のプラス端子T0に接続されている。抵抗膜11Xの電極Xcは、第1の電圧測定部42のY位置検出端子T7に接続されている。また、抵抗膜11Xの電極Xcは、スイッチS4を介してグラウンドと接続されている。
【0026】
タッチパネル11の抵抗膜11Yの電極Yhは、スイッチS1を介して電源2のプラス端子T0に接続されている。抵抗膜11Yの電極Ycは第1の電圧測定部42のX位置検出端子T6に接続されている。また、抵抗膜11Yの電極Ycは、スイッチS2を介してグラウンドに接続されている。スイッチS1〜S4は例えばトランジスタである。
【0027】
また、抵抗膜11Xの電極Xcと抵抗膜11Yの電極Ycとは抵抗膜接続部12を介して接続されている。抵抗膜接続部12は、例えばアナログスイッチである。電極Xcは、第2の電圧検出部43の近接検出端子T8に接続されている。電極Ycは、抵抗膜接続部12がオンのときに、電極Xcとともに第2の電圧検出部43の近接検出端子T8と接続される。
【0028】
スイッチ制御部40は、スイッチ制御端子T1〜T5からスイッチ制御信号を出力することで、スイッチS1〜S4及び抵抗膜接続部12のオンオフを制御する。
【0029】
次に図3,図4を用いて、ユーザがタッチパネル11に触れた位置である入力位置を検出する入力位置検出モードについて説明する。図4のスイッチ制御部40は、図1の制御部1内の検出モード切換制御部103として機能する。また、スイッチ制御部40のスイッチS1〜S4を制御する機能と入力位置換算部41と第1の電圧測定部42とは、図1の制御部1内の入力位置検出部101として機能する。
【0030】
後述する近接検出モードから入力位置検出モードに切り換える場合、スイッチ制御部40は、スイッチS3,S4をオンにし、スイッチS1,S2、抵抗膜接続部102をオフにする。このスイッチの状態は、タッチパネルの横方向における入力位置の検出を待機している状態である。
【0031】
この状態で、ユーザの指30がタッチパネルの位置31Xへ触れると、抵抗膜11Xの位置31Xと、抵抗膜11Y上における位置31Xの直下の位置である位置31Yとが接する。第1の電圧測定部42は、抵抗膜11Yを介して、抵抗膜11Xの電極Xhから位置31Xまでの抵抗X1と位置31Xから電極Xcまでの抵抗X2とによって分圧された電圧値を検知し、その電圧値を入力位置換算部41へ入力する。入力位置換算部41は、検知した電圧値をタッチパネル11の横方向の位置に換算し、スイッチ制御部40へ入力する。
【0032】
入力位置換算部41からタッチパネル11の横方向の位置が入力されると、スイッチ制御部401はスイッチS1,S2をオンにし、スイッチS3,S4をオフにする。抵抗膜接続部12は引き続きオフである。このスイッチの状態は、タッチパネルの縦方向における入力位置を検出する状態である。
【0033】
この状態で、第1の電圧測定部42は、抵抗膜11Xを介して、抵抗膜11Yの電極Yhから位置31Yまでの抵抗Y1と位置31Yから電極Ycまでの抵抗Y2とによって分圧された電圧値を検知し、その電圧値を入力位置換算部41へ入力する。入力位置換算部41は、検知した電圧値をタッチパネル11の縦方向の位置に換算し、スイッチ制御部40へ入力する。
【0034】
検出モードが入力位置検出モードの場合、スイッチ制御部40は、上記のように、横方向の入力位置を検出した後、スイッチS1,S2をオン、スイッチS3,S4をオフにして、即座に縦方向の入力位置を検出する状態へと切り換える。以上のように、スイッチ制御部40のスイッチS1〜S4を制御する機能と入力位置換算部41と第1の電圧測定部42とは、入力位置検出部101として機能する。
【0035】
次に図5のフローチャート及び図4を用いて、ユーザの指30がタッチパネル11に近接しているか否かを判断するモードである近接検出モードについて説明する。上述のように図4中のスイッチ制御部40は検出モード切換制御部103として機能する。また、スイッチ制御部40のスイッチS1〜S2を制御する機能、第2の電圧測定部43、放電時間測定部44、センシング時間測定部45、近接判断部46は、後述する動作を行うことによって、図1の制御部1内の近接検出部102として機能する。
【0036】
ステップS501にて、検出モード切換制御部103は、検出モードを近接検出モードに切り換える。つまり、ステップS501にてスイッチ制御部40は、スイッチS1,2及び抵抗膜接続部12をオンにし、スイッチS3,4をオフにすることで検出モードを近接検出モードにする。このとき、抵抗膜接続部12は、スイッチ制御部40によってオンにされることで、抵抗膜11Xと抵抗膜11Yとを電気的に接続する。このとき、抵抗膜11Xと抵抗膜11Yとを短絡するように接続するのが望ましいが、数百オーム程度までならば膜11Xと抵抗膜11Yとの間に抵抗が存在しても良い。
【0037】
また、本実施形態では近接検出モードのときも、抵抗膜11X,11Yと電圧測定部42とを接続しているが、近接検出モードのときに、抵抗膜11X,11Yと電圧測定部42とを接続しないようにしても良い。そうすれば、抵抗膜11X,11Yとグラウンドとの間の静電容量が小さくなり、指30が近づいたことによる静電容量の変化をより正確に検出することができる。
【0038】
次のステップS502にて、スイッチ制御部40は、スイッチS2をオフにして、抵抗膜11X,11Yとグラウンドとからなるキャパシタへの充電を開始する。また、充電開始と共にセンシング時間測定部45はセンシング時間Tsを初期化、つまりゼロにして、センシング時間Tsの測定を開始する。
【0039】
次のステップS503にて、第2の電圧測定部43は、抵抗膜11X,11Yとグラウンドとの間の電圧値を測定する。近接判断部46は、その電圧値が充電完了電圧値以上か否かを判断する。
ステップS503にて、電圧値が充電完了電圧値未満の場合(No)、ステップS503を繰り返す。電圧値が充電完了電圧値以上の場合(Yes)、近接判断部46は充電が完了したと判断する。その後、ステップS504に移る。
【0040】
次のステップS504にて、スイッチ制御部40は、スイッチS2をオンにして、抵抗膜11X,11Yとグラウンドとからなるキャパシタに溜まった電荷の放電を開始する。また、放電開始と共に放電時間測定部44は放電時間Thを初期化、つまりゼロにして、放電時間Thの測定を開始する。
【0041】
次のステップS505にて、第2の電圧測定部43は、抵抗膜11X,11Yとグラウンドとの間の電圧値を測定する。近接判断部46は、その電圧値が放電完了電圧値以下か否かを判断する。
ステップS505にて、電圧値が放電完了電圧値より大きい場合(No)、ステップS505を繰り返す。電圧値が放電完了電圧値以下の場合(Yes)、近接判断部46は放電が完了したと判断する。その後、ステップS506に移る。
【0042】
ステップS506にて、近接判断部46は図示しないメモリに放電時間を記憶する。放電時間とは抵抗膜11X,11Yとグラウンドとの間の電圧値が充電完了電圧値から放電完了電圧値に至るまでに要した時間である。
【0043】
次のステップS507にて、近接判断部46は、センシング時間測定部45が測定しているセンシング時間Tsが測定周期以上か否かを判断する。本実施形態では、測定周期を20mSとする。測定周期とは、近接検出部102が、指30がタッチパネルに近接しているか否かを判断する周期である。つまり、本実施形態では20mSに一度、指30がタッチパネル11に近接しているか否かを判断する。
【0044】
ステップS507にてセンシング時間が測定周期未満の場合(No)、ステップS508に移る。ステップS508にて、スイッチ制御部40は、スイッチS2をオフにして、抵抗膜11X,11Yとグラウンドとからなるキャパシタへの充電を再開する。その後、ステップS503に戻る。このようにして、センシング時間が測定周期になるまで、放電時間の測定を繰り返す。
【0045】
ステップS507にてセンシング時間が測定周期以上の場合(Yes)、ステップS509に移る。ステップS509にて、近接判断部46は一回の測定周期中に測定した放電時間を平均し、その値が閾値以上か否かを判断する。閾値以上の場合(Yes)、ステップS510に移り、近接判断部46は、ユーザの指30がタッチパネル11に近接していると判断する。閾値未満の場合(No)、ステップS511に移り、近接判断部46は、ユーザの指30がタッチパネル11に近接していないと判断する。
【0046】
以上が、1回の測定周期に近接検出部102が行う動作である。続けて近接検出を行う場合、近接検出部102はステップS502に戻り、以上の処理を繰り返す。また、本実施形態では、測定周期中の放電時間の平均を基に指30が近接しているか否かを判断しているが、測定周期中の放電時間の合計を基に判断しても良い。
【0047】
以上のように、本実施形態においては、抵抗膜方式タッチパネルの抵抗膜を近接センサとして利用する場合に、2つの抵抗膜11Xと11Yを電気的に接続するので、接続しない場合と比較して、抵抗膜がお互いにノイズ源がなることがないために正確な検出が可能となる。そのため、検出感度を上げることが可能となり、タッチパネル11から数センチメートル離れた状態のユーザの指30も検知できる。このとき、抵抗膜11Xと抵抗膜11Yとを短絡するように接続するのが望ましいが、数百オーム程度までならば抵抗膜11Xと抵抗膜11Yとの間に抵抗が存在しても良い。
【0048】
次に、図6のフローチャートを用いて、本実施形態の電子機器の動作について説明する。
電子機器の電源2がオンになると、ステップS601にて検出モード切換制御部103は、検出モードを近接検出モードにする。近接検出モードのとき、抵抗膜接続部12は、抵抗膜11Xと抵抗膜11Yとを接続する。
【0049】
次にステップS602にて、近接検出部102は、ユーザの指30がタッチパネル11に近接しているか否かを判断する。指30が近接していない場合(No)、ステップS602を繰り返す。
【0050】
指30がタッチパネルに近接すると(Yes)、ステップS603にて検出モード切換制御部103は、検出モードを入力位置検出モードにする。すなわち、検出モード切換制御部はスイッチS1〜S4及び抵抗膜接続部12を制御することで、入力位置検出部101の検出機能を有効にし、近接検出部102の機能をオフにする。入力位置検出モードのとき、抵抗膜接続部12は、抵抗膜11Xと抵抗膜11Yとを接続しない。
【0051】
次に、ステップS604にて動作制御部104はOSD生成部8に停止用OSD21,再生用OSD22,チャプタ戻り用OSD24,チャプタ進み用OSD24を表示させるためのOSD信号を生成させる。OSD生成部8は、そのOSD信号をOSD重畳部9へ入力する。OSD重畳部9は映像データ処理部5から入力された映像信号にそのOSD信号を重畳し、表示部10へ入力する。そして、表示部10は、OSD重畳部9から供給された停止用OSD21,再生用OSD22,チャプタ戻り用OSD24,チャプタ進み用OSD24が重畳された映像信号を表示する。
【0052】
次に、ステップS605にて、未入力時間測定部105は未入力時間Tnの計測を開始する。
【0053】
次のステップS606にて、入力位置検出部101は、入力があるか否かを判断し、入力があれば(Yes)、ステップS607に移る。入力がなければ(No)、ステップS609に移る。ステップS606において、検出モードは入力位置検出モードである。よって、ここでの入力がある状態とは、ユーザの操作によって抵抗膜11Xと抵抗膜11Yとが接触した状態である。
【0054】
ステップS607にて、入力位置検出部101は入力位置を検出し、動作制御部104は、その入力位置検出部101が検出した入力位置に応じた動作を各部に実行させる。
【0055】
次のステップS608にて、未入力時間測定部105は未入力時間Tnを0にリセットした上で、未入力時間Tnの計測を再開する。
【0056】
ステップS606にて、入力がなかった場合であるステップS609にて、未入力時間測定部105は、未入力時間Tnが所定の閾値以上であるか否かを判断する。本実施形態において、閾値は10秒とする。未入力時間Tnが閾値未満の場合(No)、ステップS606に戻る。未入力時間Tnが閾値以上である場合(Yes)、ステップS610に移る。
【0057】
ステップS610にて、動作制御部104は、OSD生成部8にOSD信号の生成を停止させる。その結果、表示部10は、OSDが重畳されていない映像信号を表示する。その後ステップS601に戻る。
【0058】
このようにタッチパネル11を近接センサとしても利用することで、ユーザが操作しようとして、タッチパネル11に指30を近づけたことを検知することができる。その結果、以上のように映像の表示中に指30の接近を検知して自動で操作用のOSDを表示させるなど、様々に利用できる。
【0059】
本発明は以上説明した実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。本実施形態においてはタッチパネルへの操作を指30で行うことを例としたが、タッチパネル11への操作入力は指30以外で行っても良い。本発明を用いれば指30以外のタッチパネル11への近接を検出することも可能である。
また、本実施形態においては、放電時間を測定することで静電容量を検出したが、公知の様々な方法を用いることができる。
【符号の説明】
【0060】
8 オンスクリーンディスプレイ生成部
10 表示部
11 タッチパネル
11X,11Y 抵抗膜
12 抵抗膜接続部
101 入力位置検出部
102 近接検出部
103 検出モード切換制御部
104 動作制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の抵抗膜と第2の抵抗膜を有するタッチパネルと、
前記第1の抵抗膜と前記第2の抵抗膜とが接したときに、前記タッチパネルへの入力位置を検出する入力位置検出部と、
前記第1の抵抗膜及び前記第2の抵抗膜とグラウンドとの間に生じる静電容量を基に前記タッチパネルへのユーザの指の近接を検出する近接検出部と、
前記入力位置検出部が動作している状態と前記近接検出部が動作している状態とを切り換える検出モード切換制御部と、
前記近接検出部が動作している状態のときに、前記第1の抵抗膜と前記第2の抵抗膜とを電気的に接続する抵抗膜接続部と
を備えることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力装置と、
オンスクリーンディスプレイ信号を生成するオンスクリーンディスプレイ生成部と、
前記オンスクリーンディスプレイ信号に基づくオンスクリーンディスプレイが重畳された映像を表示する表示部と、
前記オンスクリーンディスプレイ生成部に前記オンスクリーンディスプレイ信号を生成させる動作制御部と
を備え、
前記動作制御部は、前記入力装置の前記近接検出部がユーザの指の近接を検出したとき、前記オンスクリーンディスプレイ生成部に前記オンスクリーンディスプレイ信号を生成させることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−231565(P2010−231565A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−79179(P2009−79179)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】