説明

入力装置及び入力方法

【課題】比較的近距離に存在する比較的小さな検出対象の3次元的な位置、形状、速度を正確に検出することができ、検出対象の検出結果に対応した入力を行うことができる入力装置及び入力方法を提供する。
【解決手段】超音波を発信して検出対象により反射された超音波を受信する超音波センサーユニット1Aと、超音波センサーユニット1Aにより発信及び受信した超音波の情報を記録する記憶部42a,42bと、超音波センサーユニット1A及び記憶部42a,42bを制御して検出対象の位置、形状、速度を算出する制御演算部41と、を備え、制御演算部41は、超音波センサーユニット1Aにより受信した開始音を記憶部42aに記録し、記憶部42bに予め記録された参照開始音と開始音とを比較して、両者が一致したときに超音波センサーユニット1Aを作動させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波センサーを備えた入力装置及び入力方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、超音波を発信して障害物により反射された超音波を受信する超音波センサーが知られている。このような超音波センサーとして、自動車に搭載された障害物センサーが開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の超音波センサーは、超音波の送受信が可能な素子から超音波を送信して、被検出体に当って反射された超音波をこの素子によって受信する。これにより、自動車の周囲にある物体の位置測定又は距離測定や、その物体の2次元形状または3次元形状の測定などを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−99103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の超音波センサーを例えばPDA(Personal Data Assistance)や、PC(Personal Computer)等の電子機器の入力装置に用いる場合には、以下のような課題がある。
【0005】
特許文献1の超音波センサーは車載用として用いられ、比較的遠距離に存在する大きな障害物の位置、距離、形状等を検出するためのものである。超音波センサーによって遠距離の障害物を測定するためには、超音波の減衰を避けるため周波数を低下させ波長を長くする必要がある。超音波の波長が長くなると、検出対象の3次元的な位置の測定や動作を検出する分解能が低下する。したがって、このような超音波センサーでは、例えば人の手や指、入力用のペン等の状態や動作等、比較的近距離に存在する比較的小さな検出対象の3次元的な位置、形状、速度を正確に検出することができないという課題がある。
【0006】
また、超音波センサーによって検出対象を検出する領域が広くなると、広い範囲に超音波を発信しなくてはならなくなる。例えば、室内の人の動作を超音波センサーにより検出して電子機器の入力として用いる場合には、超音波を発信する領域を広くするために装置が大型化したり、室内で反射した超音波を受信した後のデータの処理量が増大したりする。したがって、室内等比較的広い領域内の検出対象の動作を効率よく検出して入力することができる小型の入力装置及び入力方法が求められている。
【0007】
そこで、本発明は、比較的近距離に存在する比較的小さな検出対象の3次元的な位置、形状、速度を正確に検出することができ、検出対象の検出結果に対応した入力を行うことができる入力装置及び入力方法を提供することを目的の一つとする。また、比較的広い検出領域内の検出対象を効率よく検出して入力することができ、装置の小型化が可能な入力装置及び入力方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の入力装置は、超音波を発信して検出対象により反射された超音波を受信する超音波センサーユニットと、前記超音波センサーユニットにより発信及び受信した前記超音波の情報を記録する記憶部と、前記超音波センサーユニット及び前記記憶部を制御して前記検出対象の位置、形状、速度を算出する制御演算部と、を備え、前記制御演算部は、前記超音波センサーユニットにより受信した開始音を前記記憶部に記録し、前記記憶部に予め記録された参照開始音と前記開始音とを比較して、両者が一致したときに前記超音波センサーユニットを作動させることを特徴とする。
【0009】
このように構成することで、超音波センサーユニットにより比較的高周波数の超音波を発信し、検出対象により反射した超音波を超音波センサーユニットにより受信することができる。そして、制御演算部によって検出対象の位置、形状、速度を算出することで、比較的近距離に存在する比較的小さな検出対象の3次元的な位置、形状、速度を正確に検出することができ、検出対象の検出結果に対応した入力を行うことができる。
また、操作者が予め例えば所定の音声や拍手音等を開始音として登録しておくことで、入力を開始したいときに開始音を発生させて入力装置の超音波センサーユニットを作動させることができ、常に超音波を発信しておく必要がない。したがって、比較的広い検出領域内の検出対象を検出する場合であっても、超音波情報の処理量を減少させ、検出対象を効率よく検出することができ、入力装置の小型化が可能となる。
【0010】
また、本発明の入力装置は、前記制御演算部は、前記超音波センサーユニットにより検出された前記開始音の情報に基づいて前記開始音が発せられた発音位置を算出し、前記超音波センサーユニットによって超音波を発信して前記発音位置の近傍を走査することを特徴とする。
【0011】
このように構成することで、室内等、比較的広い検出領域の任意の場所において例えば人の手の動きを検出する場合であっても、超音波を発信する範囲を限定することができる。したがって、超音波情報の処理量を減少させることができるだけでなく、超音波センサーユニットを小型化することができ、入力装置をより小型化することができる。
【0012】
また、本発明の入力装置は、前記制御演算部は、前記超音波センサーユニットが備える複数の超音波センサーの各々に位相の異なる超音波を発信させ、前記超音波の発信方向を制御することを特徴とする。
【0013】
このように構成することで、超音波センサーユニットを機械的に回転させることなく超音波の発信方向を変化させることができる。したがって、入力装置をより小型化することができる。
【0014】
また、本発明の入力装置は、前記制御演算部は、前記超音波センサーユニットが発信する前記超音波の発信周波数を前記記憶部に記録し、該発信周波数と前記検出対象によって反射された前記超音波の受信周波数とにより前記検出対象の速度を算出することを特徴とする。
【0015】
このように構成することで、検出対照の速度をより正確に検出し、検出対象の動作をより確実に検出することができる。
【0016】
また、本発明の入力装置は、前記制御演算部は、予め前記超音波センサーユニットによって所定時間連続して前記検出対象を検出して得られた情報を前記記憶部に前記検出対象の参照動作として記録し、前記開始音による作動後、前記超音波センサーユニットによって所定時間連続して前記検出対象を検出して得られた情報を前記記憶部に前記検出対象の動作として記録し、該動作と前記参照動作とを比較し、検出対象の前記動作と前記参照動作とが一致すれば、前記参照動作に対応する命令を出力することを特徴とする。
【0017】
このように構成することで、検出対象の動作の検出結果に対応した入力を行うことができる。
【0018】
また、本発明の入力方法は、超音波を発信して検出対象により反射された超音波を受信する超音波センサーユニットと、前記超音波センサーユニットにより発信及び受信した前記超音波の情報を記録する記憶部と、前記センサーユニット及び前記記憶部を制御して前記検出対象の位置、形状、速度を算出する制御演算部と、を備えた入力装置を用いた入力方法であって、前記超音波センサーによって開始音を受信して前記記憶部に参照開始音として記録する登録工程と、前記超音波センサーユニットによって前記開始音を受信し、該開始音と前記参照開始音とを比較して、両者が一致したときに前記超音波センサーユニットを作動させる前記検出対象を検出する検出工程と、を有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の入力方法は、前記検出工程において、前記超音波センサーユニットにより検出された前記開始音の情報に基づいて前記開始音が発せられた発音位置を算出し、前記超音波センサーユニットによって超音波を発信して前記発音位置の近傍を走査して前記検出対象を検出する走査工程を有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の入力方法は、前記走査工程において、前記超音波センサーユニットが備える複数の超音波センサーの各々に位相の異なる超音波を発信させ、前記超音波の発信方向を制御することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の入力方法は、前記検出工程において、前記超音波センサーユニットが発信する前記超音波の発信周波数を前記記憶部に記録し、該発信周波数と前記検出対象によって反射された前記超音波の受信周波数とにより前記検出対象の速度を算出することを特徴とする。
【0022】
また、本発明の入力方法は、前記登録工程において、前記超音波センサーユニットによって所定時間連続して前記検出対象を検出して得られた情報を前記記憶部に前記検出対象の参照動作として記録し、前記検出工程において、前記超音波センサーユニットによって所定時間連続して前記検出対象を検出して得られた情報を前記記憶部に前記検出対象の動作として記録し、該動作と前記参照動作とを比較し、検出対象の前記動作と前記参照動作とが一致すれば、前記参照動作に対応する命令を出力することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態におけるPDAの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態における超音波センサーユニットの斜視図である。
【図3】図2に示す入力装置の制御回路部のシステム構成図である。
【図4】図2のA−A’線に沿う超音波センサーの拡大断面図である。
【図5】登録工程のフローチャートである。
【図6】検出工程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各図面では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や部材毎に縮尺を適宜変更している。
図1は本実施形態のPDA(Personal Data Assistance)100の構成を模式的に表す斜視図である。図2は本実施形態のPDA100が備える入力装置10の構成を模式的に表す分解斜視図である。図3は本実施形態の入力装置10の制御回路部40のシステム構成を模式的に表すシステム構成図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態のPDA(電子機器)100は本体30に表示部20を備えている。表示部20は例えば液晶パネルや有機ELパネル等からなり、本体30内部に収容された制御・演算部に接続され、種々の操作画像やその他の情報を表示するように構成されている。また、本体30の外周には、超音波センサーユニット1A(図2参照)を備えた入力装置10が設置されている。入力装置10は、例えば人の手、指、入力用のペン等の位置、形状、速度を超音波センサーユニット1Aにより検出して、それらに対応する信号を出力してPDA100へ入力する。
【0026】
図2に示すように、超音波センサーユニット1Aは複数の開口部11aがアレイ状に形成された基部11を備えている。基部11は例えば単結晶シリコン基板等により形成されている。開口部11aの各々には、超音波センサー1が設けられている。すなわち、超音波センサーユニット1Aは基部11の一面に複数の超音波センサー1がアレイ状に配置された構成となっている。
【0027】
各々の超音波センサー1にはそれぞれ配線(図示略)が接続され、各配線は基部11に接続されたフレキシブルプリント基板12を介して制御基板13の端子部13aに接続されている。制御基板13には制御演算部、記憶部等からなる制御回路部40が設けられている。制御回路部40は、超音波センサー1に入力する入力信号を制御すると共に、超音波センサー1から出力された出力信号を処理するように構成されている。
【0028】
図3に示すように、制御回路部40は超音波センサーユニット1Aに接続され、主に制御演算部41と、二つの記憶部42a,42bと、超音波発生部43と、超音波検出部44と、送受信を切り替えるT/Rスイッチ45とを備えている。なお二つの記憶部42a,42bのうち、一方の記憶部42bは不揮発メモリである。超音波発生部43は、サイン波を発生させるサイン波発生部43aと、個々の超音波センサー1に対して設けられサイン波の位相を変化させる位相43bと、ドライバー43cとにより構成されている。超音波検出部44は、主に増幅部44aと、切替スイッチ44bと、帯域通過濾波部(Band-pass filter,BPF)44cと、A/D変換部44dとにより構成されている。尚、超音波発生波形はサイン波に拘らず、たとえば回路簡略化のため矩形波や三角波を適宜組み合わせて用いたものでもよい。
【0029】
制御演算部41は、超音波センサーユニット1Aによる超音波の発信時には、サイン波発生部43aが発生させたサイン波を、位相43bにより個々の超音波センサー1に対応する位相に変化させ、超音波の発信方向を制御するようになっている。また、制御演算部41は、超音波センサーユニット1Aの超音波の受信時には、T/Rスイッチ45を切り換えて超音波センサーユニット1Aから出力された出力信号を増幅部44aに伝送させるようになっている。
【0030】
また、制御演算部41は、A/D変換部44dに伝送する信号を、切替スイッチ44bにより、BPF44cからの信号又は増幅部44aからの信号に切り替える。また、制御演算部41は、超音波センサーユニット1Aにより発信及び受信した超音波の情報を記憶部42a,42bに記録するとともに、記憶された情報に基づく命令をPDA100の制御・演算部(図示略)に出力可能に構成されている。
【0031】
また、制御演算部41は、超音波センサーユニット1Aから発信された超音波と、検出対象により反射され超音波センサーユニット1Aにより受信された超音波と、に基づいて検出対象の位置、形状、速度を算出するように構成されている。
具体的には、制御演算部41は、超音波センサー1によって超音波を発信した後、検出対象により反射された超音波が複数の超音波センサー1によって検出されるまでの時間から、各超音波センサー1と検出対象との距離を算出するようになっている。これにより、検出対象の3次元形状及び位置を算出するようになっている。
【0032】
また、制御演算部41は、超音波の発信と受信を所定の周期で繰り返すことで、検出対象の速度、動作を算出する。さらに、移動する検出対象によって反射され、ドップラー効果により周波数が変化した超音波を超音波センサー1により検出し、検出対象の移動方向及び速度を算出する。
【0033】
また、制御演算部41は、例えば操作者によるキー操作や、初期状態におけるプログラム等により、入力装置10の登録モードと検出モードを切り替えるようになっている。登録モードにおいては、制御演算部41は操作者が発した音声や拍手音等の開始音を参照開始音として記憶部42bに記録するようになっている。検出モードにおいては、制御演算部41は、超音波センサーユニット1Aにより受信した音声や拍手音等の開始音を記憶部42aに記録し、記憶部42bに予め記録された参照開始音と記憶部42aに記録された開始音とを比較して、両者が一致したときに超音波センサーユニット1Aを作動させるようになっている。
【0034】
また、制御演算部41は、超音波センサーユニット1Aにより検出された開始音の情報に基づいて開始音が発せられた発音位置を算出し、超音波センサーユニット1Aによって超音波を発信して発音位置の近傍を走査するようになっている。
【0035】
また、制御演算部41は、検出モードにおいて超音波センサーユニット1Aが発信する超音波の発信周波数を記憶部42bに記録し、検出対象によって反射された超音波の受信周波数を記憶部42aに記憶するようになっている。そして、下記の式(1)により発信周波数と受信周波数とに基づいて検出対象の速度を算出するようになっている。ここで、式(1)において、f’はシフト周波数、fは基準周波数、Vは空気中の音速、vsは超音波の発信側から超音波センサーユニット1Aに近づく方向を正とする検出対象の速度である。
【0036】
f’/f=V/(V−vs) …(1)
【0037】
また、制御演算部41は、登録モードにおいて、超音波センサーユニット1Aによって所定時間連続して検出対象を検出して得られた情報を記憶部42bに検出対象の参照動作として記録するようになっている。
また、制御演算部41は、検出モードにおいて、超音波センサーユニット1Aによって所定時間連続して検出対象を検出して得られた情報を記憶部41aに検出対象の動作として記録し、記憶部42bに記録した動作と記憶部42aに記録した参照動作とを比較するようになっている。そして、両者が一致すれば、記憶部42bに記録された参照動作に対応する命令を出力してPDA100の制御・演算部に入力するようになっている。
【0038】
図4は、図2に示す超音波センサーユニット1AをA−A’線で切断し、超音波センサー1を拡大して表した拡大断面図である。
ここで、図2では基部11に設けられた開口部11aの形状を平面視で矩形状に表したが、以下では開口部11aの形状が平面視で円形状である場合について説明する。
【0039】
図4に示す本実施形態の超音波センサー1は、超音波を発信又受信する超音波センサーである。超音波センサー1は、開口部11aが形成された基部11と、基部11の開口部11aを閉塞するように設けられた振動板2と、振動板2の基部11と反対側に設けられた圧電体3と、圧電体3に接続された下部電極4及び上部電極5とを備えている。
基部11に形成された開口部11aの深さdは、例えば約100μm程度である。
【0040】
振動板2は、基部11側に設けられ例えばSiO2により形成された第1酸化膜2aと、第1酸化膜2aの基部11とは反対側に積層され例えばZrO2により形成された第2酸化膜2bとの二層構造となっている。第1酸化膜2aは例えば単結晶シリコン基板の表面を熱酸化させることにより約3μm程度の厚さに形成されている。第2酸化膜2bは例えばCVD(化学気相成長)法等により約400nm程度の厚さに形成されている。
【0041】
振動板2が開口部11aと平面的に重なって開口部11aに露出された領域は、振動板2の振動領域Vとなっている。開口部11aの径Dは振動領域Vの振動板2の固有振動数に応じて例えば約100μm〜数百μm程度の範囲で適宜設定されている。振動板2の振動領域Vで基部11と反対側の面には下部電極4が設けられている。
【0042】
下部電極4は、超音波センサーユニット1Aの制御回路部40に接続された配線(図示略)に接続されている。下部電極4は例えばIr等の導電性金属材料により約200nm程度の厚さに形成されている。下部電極4上には振動領域Vに対応して圧電体3が設けられている。
【0043】
圧電体3は振動板2の基部11とは反対側で開口部11aと平面的に重なる振動領域Vに島状に設けられている。圧電体3は例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、BaTiO3(チタン酸バリウム)等により約1.4μm程度の厚さに形成されている。圧電体3の上には上部電極5が形成されている。
【0044】
上部電極5は例えばIr等の導電性金属材料により形成され、圧電体3に接触して電気的に接続されている。上部電極5の厚さは例えば約50nm程度となっている。また、上部電極5は配線(図示略)を介して入力装置10の制御回路部40に接続されている。
【0045】
次に、本実施形態の入力装置10を用いた入力方法を説明しつつ、PDA100及び入力装置10の作用について説明する。
図5は、入力装置10に音や動作の情報を登録する登録工程のフローチャートである。
【0046】
(検出開始音登録工程)
まず、PDA100及び入力装置10の操作者は、入力装置10の超音波センサーユニット1Aに検出を開始させるための開始音を入力装置10に登録する。
具体的には、例えば操作者が直接PDA100や入力装置10のキー操作を行うか、あるいは入力装置10の制御演算部41の初期状態におけるプログラム等により、入力装置10のモードを登録モードに切り替える(ステップR1)。
次に、PDA100の表示部20への表示や音声案内等により、操作者への発音を促す(ステップR2)。
【0047】
操作者が案内に従って例えば発声、指鳴らし、拍手などにより音を発すると、図4に示す振動板2の振動領域Vが振動し、その音の超音波成分が超音波センサーユニット1Aによって受信される。超音波センサーユニット1Aに受信された超音波は、超音波センサー1によって電気信号に変換され、図3に示すようにT/Rスイッチを介して超音波検出部44に伝送される。このとき、制御演算部41は、例えば入力装置10やPDA100のLED表示部(図示略)を明滅させる等の動作により、操作者の発した音が正常に受信されていることを表示する。
【0048】
制御演算部41は、超音波検出部44に伝送された電気信号を、増幅部44a、切替スイッチ44b、A/D変換部44dを介して記憶部42aに記録する(ステップR3)。
次いで、記憶部42aに記録された超音波の情報からノイズ等を除去し、信号の特徴を抽出して参照開始音として記憶部42bに記録する(ステップR4)。
次いで、記憶部42bに記録された参照開始音が、所定の条件を満たしているか否かを確認し(ステップR5)、次の処理を決定する(ステップR6)。
確認の結果、基準を満たしていなければ、再度、操作者への発音を促す工程(ステップR2)に戻る。基準を満たしていれば登録工程を終了する(ステップR7)。
【0049】
(操作用動作登録工程)
次に、操作者の手や指あるいは入力用のペン等の動作を入力装置10に対する入力として用いるために、入力装置10に操作用の動作を登録する。
具体的には、例えば操作者が直接PDA100や入力装置10のキー操作を行うか、あるいは入力装置10の制御演算部41の初期状態におけるプログラム等により、入力装置10のモードを操作用動作登録モードに切り替える(ステップR1)。
次に、PDA100の表示部20への表示や音声案内等により、操作者に動作を促すとともに、超音波センサーユニット1Aにより所定時間、超音波の発信及び受信を所定の周期で繰り返し行う(ステップR2)。
【0050】
ここで、操作者が登録する動作とPDAが実行する処理の一例としては、例えば親指と人差し指を擦り合わせる動作を登録して、PDA100おいてページめくり動作を実行させる。また、人差し指と中指の先端を円運動させる動作を登録して、PDA100おいてオブジェクトの回転動作を実行する。また、人差し指の動作を登録して、PDA100おいてポインティング動作を実行する。また、親指の先端と人差し指の先端を接触させる動作を実行して、PDA100おいてクリック動作を実行する、等である。
【0051】
制御演算部41は、超音波センサーユニット1Aによって超音波を発信した後、発信した超音波の情報を記憶部42bに記録する。また、人の手や指あるいは入力用のペン等の検出対象によって反射され超音波センサーユニット1Aによって検出された超音波の情報を記憶部42aに記録する。そして、発信した超音波が検出対象によって反射され受信されるまでの時間から、各々の超音波センサーユニット1Aと検出対象の距離を算出する。これにより、人の手や指あるいは入力用のペン等の3次元形状及び位置を算出する。
【0052】
また、制御演算部41は、超音波センサーユニット1Aによる超音波の発信と受信を所定の周期で繰り返すことで、検出対象の移動や形状の変化を検知し、その速度、動作を算出する。さらに、動作中の検出対象によって反射され、ドップラー効果により周波数が変化した超音波の情報を超音波センサーユニット1Aにより検出して記憶装置24aに記録し、人の手や指の移動方向及び速度を算出する。そして、これら移動方向及び速度の情報から、人の手や指あるいは入力用のペン等の動作を検出して記憶部42aに記録する(ステップR3)。
【0053】
次いで、制御演算部41は、記憶部42aに記録された動作の情報からノイズ等を除去し、動作の特徴的な部分を抽出して検出対象の参照動作として記憶部42bに記録する。このとき、記録する動作とPDA100に実行させる処理との関連付けを行う(ステップR4)。
【0054】
次いで、記憶部42bに記録された参照動作が所定の条件を満たしているか否かを確認し(ステップR5)、次の処理を決定する(ステップR6)。すなわち、確認の結果、基準を満たしていなければ、再度、操作者へ動作を促す工程(ステップR2)に戻る。基準を満たしていれば登録工程を終了する(ステップR7)。
【0055】
(検出工程)
次に、登録工程において登録した開始音及び動作を入力装置10に入力し、PDA100に所定の処理を実行させる検出工程について説明する。
図6は、入力装置10によって検出対象を検出する検出工程のフローチャートである。
【0056】
まず、例えば操作者が直接PDA100や入力装置10のキー操作を行うか、あるいは入力装置10の制御演算部41の初期状態におけるプログラム等により、入力装置10のモードを検出モードに切り替える(ステップD1)。
そして、超音波センサーユニット1Aによって超音波の受信を開始する(ステップD2)。
制御演算部41は、超音波センサーユニット1Aによって受信し、超音波検出部44の増幅部44a、切替スイッチ44b、A/D変換部44dを介して得られた超音波の波形等の情報を、記憶部42aに記録して所定の時間が経過するまで保存しておく(ステップD3)。
【0057】
次いで、制御演算部41は、記憶部42aに記録された超音波の波形や周波数等の情報と、予め記憶部42bに記録された参照開始音の波形や周波数等の情報を比較する(ステップD4)。そして、記憶部42aに記録された超音波の情報と参照開始音の情報とが一致するか否かを判定する(ステップD5)。判定の結果、両者が一致しなければ、引き続き超音波を受信する工程(ステップD2)に戻る。
【0058】
ここで、操作者が例えば音声や拍手音あるいは指鳴らし音等、予め登録された開始音を発すると、その開始音の超音波成分が超音波センサーユニット1Aによって受信される(ステップD2)。
受信された開始音の波形や周波数等の情報は、超音波検出部44の増幅部44a、切替スイッチ44b、A/D変換部44dを介して記憶部42aに記録される(ステップD3)。
【0059】
制御演算部41は、記憶部42aに記録された開始音の情報と、予め記憶部42bに記録された参照開始音の情報を比較する(ステップD4)。
そして、記憶部42aに記録された開始音の情報と参照開始音の情報とが一致するか否かを判定する(ステップD5)。
判定の結果、両者が一致すれば、記憶部42aに記録された開始音の複数の周波数の情報を展開し、開始音が発せられた発音位置を算出する(ステップD6)。
【0060】
次いで、超音波センサーユニット1Aにより超音波を発信し、算出した発音位置の近傍を走査する(ステップD7)。
具体的には、制御演算部41により図3に示す位相43bを制御し、図4に示す各々の超音波センサー1の下部電極4aに少しずつ位相をずらしたサイン波電圧を印加する。これにより、各々の超音波センサー1の振動領域Vの振動板2を、少しずつ位相がずれた状態で振動させる。各々の超音波センサー1の振動領域Vの振動板2が少しずつ位相のずれた状態で振動することで、各々の超音波センサー1から発せられる超音波が干渉する。
【0061】
この超音波の干渉により、超音波の進行方向が振動板2の法線方向に対して傾いた状態となり、超音波に指向性が付与される。この超音波の指向性の変化を利用し、各々の超音波センサー1の圧電体3に印加するサイン波電圧の位相のずれを変化させる。これにより、図1に示す入力装置10の超音波センサーユニット1Aから発信される超音波の方向を変化させ、発音位置の近傍を走査する(走査工程)。
【0062】
次に、人の手や指あるいは入力用のペン等の検出対象によって反射された超音波を超音波センサーユニット1Aによって受信し、検出対象を検出する(ステップD8)。
具体的には、検出対象によって反射した超音波が超音波センサーユニット1Aの超音波センサー1に到達すると、超音波センサー1の振動領域Vの振動板2が振動する。振動領域Vの振動板2が振動すると、圧電体3が振動板2の面方向の伸縮に伴って伸縮され、圧電体3に電位差が発生する。
【0063】
圧電体3に発生した電位差は、上部電極5及び下部電極4に接続された配線(図示略)によって超音波センサー1の出力信号として入力装置10の制御回路部40に伝送される。入力装置10の制御回路部40に伝送された個々の超音波センサー1からの出力信号は、T/Rスイッチ45、増幅部44a、切替スイッチ44b、A/D変換部44dを介して記憶部42aに記録される。制御演算部41は、超音波センサーユニット1Aから発信された超音波の情報と、検出対象により反射され超音波センサーユニット1Aにより受信された超音波の情報と、に基づいて検出領域の人の手や指の形状、距離、移動速度を算出して検出対象の動作を検出する。
【0064】
すなわち、制御演算部41は、超音波センサーユニット1Aによって超音波を発信した後、発信した超音波の情報を記憶部42aに記録する。また、人の手や指によって反射され複数の超音波センサーユニット1Aによって検出された超音波の情報をそれぞれ記憶部42aに記録する。そして、発信した超音波が人の手や指によって反射され受信されるまでの時間から、各々の超音波センサー1と人の手や指との距離を算出する。これにより、人の手や指の3次元形状及び位置を算出する。また、制御演算部41は、超音波の発信と受信を所定の周期で繰り返すことで、人の手や指等の検出対象の移動を検知し、その速度、動作を算出する。
【0065】
さらに、検出対象が所定の動作を行う場合には、動作中の検出対象よって反射され、ドップラー効果により周波数が変化した超音波の情報を超音波センサーユニット1Aにより検出する。そして、周波数が変化した超音波の情報を、増幅部44a、BPF44c、切替スイッチ44b、A/D変換部44dを介して記憶部42aに記録する。そして、発信した超音波の周波数と受信した超音波の周波数に基づいて上記の式(1)により検出対象の移動方向及び速度vsを算出する。そして、これら移動方向及び速度の情報を検出対象の状態や動作の情報として記憶部42aに記録する。
【0066】
次に、制御演算部42は、記憶部42aに記録された動作と、予め記憶部42bに記録された検出対象の登録動作とを比較する(ステップD9)。比較の結果、検出対象の動作が登録動作と一致すれば、登録動作と関連付けられた処理に対応する命令をPDA100の制御・演算部(図示略)に出力する(ステップD10)。PDA100は、例えばページめくり動作、オブジェクト回転動作、ポインティング動作等、入力装置10の出力に基づく所定の動作を実行し、これらの動作に対応する画像を表示部20に表示させる。
【0067】
制御演算部41は、PDA100の制御・演算部(図示略)に命令を出力後、所定時間待機してPDA100の制御・演算部からの指令を待機する。そして、PDA100制御・演算部からの指令を判定し、次の処理を実行する(ステップD11)。PDA100制御・演算部からの指令がさらなる入力の要求であった場合には、再度、発音位置の近傍を走査を繰り返す(ステップD7)。また、指令が検出の終了であれば、検出モードを終了する(ステップD12)。
【0068】
本実施形態の入力装置10によれば、従来のタッチパネルに代わる非接触の入力装置を提供することができ、上記したような3次元の豊かな表現による入力が可能となる。したがって、表示部20の表示パネルの透過度を向上させることができ、タッチパネルを用いる場合と比較して表示品質を著しく向上させることができる。また、表示部20に触れる必要がないので、表示部20に指紋等が付着することを防止できる。
【0069】
また、操作者が予め開始音として例えば所定の音声や拍手音等を開始音として登録しておくことで、入力装置10による入力を開始したいときに開始音を発生させて超音波センサーユニット1Aを作動させることができ、常に超音波を発信しておく必要がない。したがって、入力装置10に対して比較的広い検出領域の検出対象を検出する場合であっても、超音波情報の処理量を減少させ、検出対象を効率よく検出することができ、入力装置10の小型化が可能となる。
【0070】
また、開始音の発音位置を特定してその近傍に超音波を発信して走査することで、入力装置10に対して比較的広い検出領域の任意の場所において例えば人の手の動きや入力用のペンの動作を検出する場合であっても、超音波を発信する範囲を限定することができる。したがって、超音波情報の処理量を減少させることができるだけでなく、超音波センサーユニット1Aを小型化することができ、入力装置10をより小型化することができる。
【0071】
また、超音波センサーユニット1Aが備える複数の超音波センサー1の各々に位相の異なる超音波を発信させ、超音波の発信方向を制御している。そのため、超音波センサーユニット1Aを機械的に回転させることなく超音波の発信方向を変化させることができる。したがって、入力装置10をより小型化することができる。
【0072】
また、基部11が単結晶シリコンにより形成されている。そのため、フォトリソグラフィ法、エッチング法等、半導体装置の製造に用いられる技術により開口部11aを形成することで、超音波センサーの高集積化及び微細化が可能となる。したがって、開口部11aの径を精密に制御することで、振動板2の振動領域Vの共振周波数を制御することができる。これにより、超音波センサーユニット1Aにより比較的高周波数の超音波を発信し、検出対象により反射した超音波を超音波センサーユニット1Aにより受信することができる。そして、制御演算部41によって検出対象の位置、形状、速度を算出することで、比較的近距離に存在する比較的小さな検出対象の3次元的な位置、形状、速度を正確に検出することができ、検出対象の検出結果に対応した入力を行うことができる。
【0073】
また、振動板2はSiO2等のシリコン酸化物により形成された第1酸化膜2aと、ZrO2等により形成された第2酸化膜2bとにより形成されている。そのため、基部11の表面を熱酸化させて振動板2の第1酸化膜2aを形成し、CVD法、スパッタリング法等により第2酸化膜2bを形成することができる。これにより、振動板の厚さを精密に制御することが可能となる。したがって、高周波数の超音波を発信及び受信することが可能な超音波センサーユニット1Aを容易に製造することが可能になる。
【0074】
また、超音波センサーユニット1Aから発信される超音波の周波数を100kHz以上とすることで、超音波センサーユニット1Aが発信する超音波の波長が十分に短くなり、比較的近距離に存在する検出対象の分解能が向上する。したがって、超音波センサーユニット1Aによって比較的近距離に存在する比較的小さな人の手や指、あるいはタッチペン等の3次元的な位置、形状、速度を正確に検出することができる。
また、超音波センサーユニット1Aから発信される超音波の周波数を200kHz以上とすることで、解像度をさらに向上させることができる。また、発信される周波数を1MHz以下とすることで検出領域をPDA100を用いる際に実用的な範囲とすることができる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態によれば、比較的近距離に存在する比較的小さな検出対象の3次元的な位置、形状、速度を正確に検出することができ、検出対象の検出結果に対応した入力を行うことができる入力装置10及び入力方法を提供することができる。また、比較的広い検出領域内の検出対象を効率よく検出することができ、装置の小型化が可能な入力装置10及び入力方法を提供することができる。
【0076】
尚、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、電子機器はPDAではなくてもよい。例えば、本実施形態の入力装置を例えば室内の天井等に設置して、操作者の手の動きによりテレビジョン、電灯、その他家電の操作を行うようにしてもよい。このような場合には、検出音の発音位置に超音波を発信することで、より高速かつ高精度に操作者のジェスチャー等の入力を検出することが可能になる。
【0077】
また、本発明の入力装置は、例えば人の指の動きを検出することで、パーソナルコンピュータのバーチャルキーボードとして利用することも可能である。また、血流等の液体の速度検出装置として用いてもよい。また、手話の翻訳機等にも応用することができる。
また、振動板の材料としては、シリコン酸化物以外にも、ニッケル、クロム、アルミニウムのような金属材料及び、それらの酸化物であるセラミック材料、シリコン、有機樹脂を用いた高分子有機物等を用いることができる。また、酸化膜は基板表面の熱酸化以外に、CVD、スパッタリング、蒸着、塗布等、或いはこれらの金属膜成膜と熱酸化の組み合わせにより形成してもよい。
また、基部に形成する開口部の平面形状は矩形状や円形状に限られない。
また、入力装置は複数の超音波センサーユニットを備えていてもよい。これにより、検出対象の複数の方向の速度をより正確に検出することが可能になる。
【符号の説明】
【0078】
1 超音波センサー、1A 超音波センサーユニット、10 入力装置、41 制御演算部、42a,42b 記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を発信して検出対象により反射された超音波を受信する超音波センサーユニットと、前記超音波センサーユニットにより発信及び受信した前記超音波の情報を記録する記憶部と、前記超音波センサーユニット及び前記記憶部を制御して前記検出対象の位置、形状、速度を算出する制御演算部と、を備え、
前記制御演算部は、前記超音波センサーユニットにより受信した開始音を前記記憶部に記録し、前記記憶部に予め記録された参照開始音と前記開始音とを比較して、両者が一致したときに前記超音波センサーユニットを作動させることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記制御演算部は、前記超音波センサーユニットにより検出された前記開始音の情報に基づいて前記開始音が発せられた発音位置を算出し、前記超音波センサーユニットによって超音波を発信して前記発音位置の近傍を走査することを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記制御演算部は、前記超音波センサーユニットが備える複数の超音波センサーの各々に位相の異なる超音波を発信させ、前記超音波の発信方向を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記制御演算部は、前記超音波センサーユニットが発信する前記超音波の発信周波数を前記記憶部に記録し、該発信周波数と前記検出対象によって反射された前記超音波の受信周波数とにより前記検出対象の速度を算出することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項5】
前記制御演算部は、予め前記超音波センサーユニットによって所定時間連続して前記検出対象を検出して得られた情報を前記記憶部に前記検出対象の参照動作として記録し、前記開始音による作動後、前記超音波センサーユニットによって所定時間連続して前記検出対象を検出して得られた情報を前記記憶部に前記検出対象の動作として記録し、該動作と前記参照動作とを比較し、検出対象の前記動作と前記参照動作とが一致すれば、前記参照動作に対応する命令を出力することを特徴とする請求項請求項4記載の入力装置。
【請求項6】
超音波を発信して検出対象により反射された超音波を受信する超音波センサーユニットと、前記超音波センサーユニットにより発信及び受信した前記超音波の情報を記録する記憶部と、前記センサーユニット及び前記記憶部を制御して前記検出対象の位置、形状、速度を算出する制御演算部と、を備えた入力装置を用いた入力方法であって、
前記超音波センサーによって開始音を受信して前記記憶部に参照開始音として記録する登録工程と、
前記超音波センサーユニットによって前記開始音を受信し、該開始音と前記参照開始音とを比較して、両者が一致したときに前記超音波センサーユニットを作動させる前記検出対象を検出する検出工程と、
を有することを特徴とする入力方法。
【請求項7】
前記検出工程において、前記超音波センサーユニットにより検出された前記開始音の情報に基づいて前記開始音が発せられた発音位置を算出し、前記超音波センサーユニットによって超音波を発信して前記発音位置の近傍を走査して前記検出対象を検出する走査工程を有することを特徴とする請求項6記載の入力方法。
【請求項8】
前記走査工程において、前記超音波センサーユニットが備える複数の超音波センサーの各々に位相の異なる超音波を発信させ、前記超音波の発信方向を制御することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の入力方法。
【請求項9】
前記検出工程において、前記超音波センサーユニットが発信する前記超音波の発信周波数を前記記憶部に記録し、該発信周波数と前記検出対象によって反射された前記超音波の受信周波数とにより前記検出対象の速度を算出することを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の入力方法。
【請求項10】
前記登録工程において、前記超音波センサーユニットによって所定時間連続して前記検出対象を検出して得られた情報を前記記憶部に前記検出対象の参照動作として記録し、
前記検出工程において、前記超音波センサーユニットによって所定時間連続して前記検出対象を検出して得られた情報を前記記憶部に前記検出対象の動作として記録し、該動作と前記参照動作とを比較し、検出対象の前記動作と前記参照動作とが一致すれば、前記参照動作に対応する命令を出力することを特徴とする請求項9記載の入力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−93064(P2013−93064A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−30728(P2013−30728)
【出願日】平成25年2月20日(2013.2.20)
【分割の表示】特願2009−4775(P2009−4775)の分割
【原出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】