説明

入力装置

【課題】ユーザが画面上に表示されたポインタ(カーソル)等の指示子を移動させ、目的とする位置に適切に停止させることができる入力装置を提供する。
【解決手段】センサ移動量を検出するセンサ部と、前記センサ部で検出したセンサ移動量を複数記憶する記憶部と、複数のセンサ移動量から外部操作手段の移動速度を計算する移動速度計算部と、移動速度計算部で計算された移動速度が減少しているとき、前記移動速度に応じてセンサ移動量に対する減少量を変化させるセンサ移動量処理部と、を備える。これにより、ユーザが画面上に表示された指示子を移動させ、目的とする位置に適切に停止させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力指示を行うためのタッチパッドを備えた入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話装置、携帯情報端末、携帯音楽プレーヤなどの各種電子機器は、PC(パーソナルコンピュータ)などと同様に、高性能化、多機能化、小型化が進んでおり、このような電子機器の進化に対応するため、入力指示を行う入力装置に関して様々な工夫が施されている。電子機器の入力装置として、最近では、操作面上の任意の位置を触れる操作をすることで入力指示を行うタッチパッドを備えたものが広く用いられつつある。
【0003】
従来のPCの入力装置における操作性を向上するものとして、例えば特許文献1には、スティックタイプの入力装置を用いて操作した場合に、減算処理をするデータ処理部へ送信する直前のセンサ変化量DT1と、最新のセンサ変化量DT2とを比較して、センサ変化量DT2がセンサ変化量DT1に対して、所定の大きさだけ小さくなった場合に、センサ移動量を減少、もしくは間引くことでポインタを目的とする位置から行き過ぎることなく適切に停止させることのできる入力装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−127338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1をはじめとした従来の入力装置では、単にセンサ変化量を減少、もしくは間引くことでは、ポインタの移動速度が急激に遅くなるため、目的とする位置を行き過ぎることは少なくなるが、手前に停止することが多くなり、前記目的とする位置に適切に停止することができないという課題があった。
【0006】
そこで、本発明では、上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザが画面上に表示されたポインタ(カーソル)等の指示子を移動させ、目的とする位置に適切に停止させることができる入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の入力装置は、センサ移動量を検出するセンサ部と、前記センサ部で検出したセンサ移動量を複数記憶する記憶部と、複数のセンサ移動量から外部操作手段の移動速度を計算する移動速度計算部と、移動速度計算部で計算された移動速度が減少しているとき、前記移動速度に応じてセンサ移動量に対する減少量を変化させるセンサ移動量処理部と、を備えた構成を有する。
【0008】
この構成により、ユーザが画面上に表示された指示子を移動させ、目的とする位置に適切に停止させることができるという効果を有する。
【0009】
また、本発明の入力装置は、前記センサ移動量に対する減少量の変化度合いを変更する減少量変化部をさらに備えた構成を有する。
【0010】
この構成により、移動速度に応じて減少量を変化させることにより指示子の移動速度が徐々に減速するため、本来停止すべき位置の手前で停止することを従来よりも緩和でき、画面上の指示子を目的とする位置に適切に停止させることができるという効果を有する。
【0011】
また、本発明の入力装置は、前記減少量変化部が、前記センサ部が前記外部操作手段の接触を検知している間に取得したセンサ移動量の積算値が、第1の積算閾値を超えた場合、センサ移動量に対する減少量の変化度合いを変更する構成を有する。
【0012】
この構成により、さらに、第1の積算閾値以下での距離の移動と、第1の積算閾値を超えた距離の移動との減少量の変化を変えることにより、2つの移動距離に適して指示子の移動速度が徐々に減速するため、近い距離(例えば、第1の積算閾値以下の距離)の移動でも、遠い距離(例えば、第1の積算閾値を超えた距離)の移動でも画面上の指示子を目的とする位置に適切に停止させることができるという効果を有する。
【0013】
また、本発明の入力装置は、前記減少量変化部が、前記センサ移動量の積算値が、前記第1の積算閾値よりも大きい第2の積算閾値を超えた場合、前記第1の積算閾値を超えた場合の前記センサ移動量に対する減少量の変化度合いと異なる変化度合いに変更する構成を有する。
【0014】
この構成により、さらに様々な移動距離に応じて減少量の変化を変えることにより、任意の移動距離に適して指示子の移動速度が徐々に減速するため、任意の移動距離でも画面上の指示子を目的とする位置に適切に停止させることができるという効果を有する。
【0015】
また、本発明の入力装置は、前記減少量変化部が、前記センサ部の領域に応じて、センサ移動量に対する減少量の変化度合いを変更する構成を有する。
【0016】
この構成により、外部操作手段が接触するセンサ面の領域に応じて減少量の変化を変えることにより、センサ面の端の領域(センサ面の端の領域では、センサ外部の領域との境界となるため、外部操作手段と接触するセンサ面が小さくなる。一方、センサの中央の領域では外部操作手段と接触するセンサ面は十分大きいので、領域よってセンサセンシング能力が異なる)であっても移動速度が徐々に減速するため、画面上の指示子を目的とする位置に適切に停止させることができるという効果を有する。
【0017】
また、本発明の入力装置は、前記減少量変化部は、表示部に表示された指示子の表示位置に応じて、センサ移動量に対する減少量の変化度合いを変更する構成を有する。
【0018】
この構成により、画面上の指示子を表示する領域に応じて減少量の変化を変えることにより、例えば、画面上の表示の字の大きさが異なっており、指示子が最も小さい字の領域を移動する場合であっても移動速度が徐々に減速するため、画面上の指示子を目的とする位置に適切に停止させることができるという効果を有する。
【0019】
また、本発明の入力装置は、前記第1の積算閾値、前記第2の積算閾値、前記領域、または前記表示位置が任意に変更可能なものである構成を有する。
【0020】
この構成により、個々のユーザが自身に最も適した減速処理を選択することで、画面上の指示子を目的とする位置に適切に停止させることができるという効果を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、画面上に表示されたポインタ(カーソル)等の指示子を移動させ、目的とする位置に適切に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態1に係る入力装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る入力装置の動作手順を示すフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1に係る減少量の変化(減少パターン)を示す図
【図4】本発明の実施の形態2、3、4に係る入力装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態2に係る入力装置の動作手順を示すフローチャート
【図6】本発明の実施の形態3に係る入力装置のセンサ面を示す外観図
【図7】本発明の実施の形態3に係る入力装置の動作手順を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態4に係る入力装置の出力を表示する表示部の画面例を示す図
【図9】本発明の実施の形態4に係る入力装置の動作手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る入力装置の構成を示すブロック図である。
【0024】
図示したとおり、入力装置は、センサ部101、記憶部102、移動速度計算部103、センサ移動量処理部104、および表示制御部105から構成されている。
【0025】
センサ部101は、例えば、指、スタイラスペン等の外部操作手段が、センサ面に接触することでセンサ移動量を検出する。
【0026】
記憶部102は、前記センサ部101で検出したセンサ移動量を複数記憶する。
【0027】
移動速度計算部103は、前記記憶部102に記憶している複数のセンサ移動量から外部操作手段の移動速度を計算する。
【0028】
センサ移動量処理部104は、前記移動速度計算部103で計算された移動速度が減少しているとき、例えば、時刻T1の移動速度と時刻T2の移動速度(T1<T2)を比較し、T2の値が小さいとき、前記T2の移動速度に応じてセンサ移動量に対する減少量を決定し、センサ移動量を減少させる。また、センサ移動量処理部104は、前記移動速度に応じてセンサ移動量に対する減少量を変化させる。
【0029】
表示制御部105は、前記センサ移動量処理部104にて減少されたセンサ移動量をポインタ(カーソル)等の指示子(以下、ポインタとして説明する)の移動量とし、ポインタ座標に加算し、移動後の前記ポインタ座標を算出する。
【0030】
表示部106は、前記表示制御部105で算出された移動後の前記ポインタ座標画面上と一致する画面上の座標位置にポインタを表示する。
【0031】
図2は、本発明の実施の形態1に係る入力装置の動作手順を示すフローチャートである。
【0032】
まず、センサ移動量処理部104は、移動速度計算部103にて計算された移動速度が減少しているか否かを判定する(ステップS101)。
【0033】
ここで、センサ移動量処理部104は、移動速度が減少していると判定した場合(ステップS101、Yes)、移動速度と第1の減少閾値(移動速度に応じた減少量を選択するに当たり、判断するための閾値)との大きさを比較する(ステップS102)。
【0034】
一方、センサ移動量処理部104は、移動速度が減少していないと判定した場合(ステップS101、No)、処理を終了する。
【0035】
次に、センサ移動量処理部104は、移動速度が第1の減少閾値よりも大きい場合には(ステップS102、Yes)、第1の減少量でセンサ移動量を減少させ(ステップS103)、処理を終了する。
【0036】
一方、センサ移動量処理部104は、移動速度が第1の減少閾値よりも小さい場合には(ステップS102、No)、第2の減少量でセンサ移動量を減少させ(ステップS104)、処理を終了する。
【0037】
これにより、移動速度に応じて減少量を変化させることにより指示子の移動速度が徐々に減速するため、本来停止すべき位置の手前で停止することを従来よりも緩和でき、画面上の指示子を目的とする位置に適切に停止させることができる。
【0038】
図3(a)〜図3(d)は、本発明の実施の形態1に係る減少量の変化を示す図である。
【0039】
図3(a)〜図3(d)に示す、パターン1〜4は、減少処理を実施する前の移動量である通常曲線と比較して、減少処理を実施した後の移動量である減少曲線の移動量を小さくしている。移動量を小さくすることでポインタの移動が遅くなるため、目的とする位置に停止することが可能となる。
【0040】
図3(a)に示すパターン1は、前記通常曲線から急激に前記減少曲線に変更するが、その後、前記減少曲線が緩やかな曲線にて推移することで減少処理後でも少量のポインタの移動が可能となる。
【0041】
図3(b)に示すパターン2は、前記通常曲線から急激に前記減少曲線に変更し、その後、前記減少曲線が急激な曲線にて推移することで減少処理後に前記センサ移動量が小さくなり目的とする位置に停止することが可能となる。
【0042】
図3(c)に示すパターン3は、前記通常曲線から滑らかに前記減少曲線に変更し、その後、前記減少曲線が緩やかな曲線に推移することで減少処理に移行したことをユーザに気づかせることなく、目的とする位置に停止することが可能となる。また、減少処理後でも少量のポインタの移動が可能となる。
【0043】
図3(d)に示すパターン4は、前記通常曲線から滑らかに前記減少曲線に変更し。その後、前記減少曲線が急激な曲線にて推移することで減少処理に移行したことをユーザに気づかせることなく、また、減少処置処理後に前記センサ移動量が小さくなり、目的とする位置に停止することが可能となる。
【0044】
パターン1〜4に示したように、前記センサ移動量に対する減少量の変化を変えることにより目的とする位置に停止することが可能となる。
【0045】
このように、本実施の形態1によれば、様々な条件に応じて減少量を変化させることにより、全ての条件下において徐々に減速するため、任意の移動距離でも画面上の指示子を目的とする位置に適切に停止させることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、既に説明した本発明の実施の形態1における減少量の変化度合いをセンサ移動量の積算値に応じて変更する点に特徴がある。
【0046】
図4は、本発明の実施の形態2に係る入力装置の構成を示すブロック図である。
【0047】
図4において、入力装置は、図1に示す本発明の実施の形態1における入力装置の構成に加えて、減少量変化部107を有する。
【0048】
減少量変化部107は、センサ移動量に対する減少量の変化度合いをセンサ移動量の積算値に応じて変更する。ここでの変化度合いを変更するとは、図3で示した変化パターンを変えることではなく、1つのパターンの減少量の変化の傾きを変えることを意味している。
【0049】
図5は、本発明の実施の形態2に係る入力装置の動作手順を示すフローチャートである。
【0050】
まず、減少量変化部107は、移動速度計算部103にて計算された移動速度が減少しているか否かを判定する(ステップS201。
【0051】
ここで、減少量変化部107は、移動速度が減少していると判定した場合(ステップS201、Yes)、前記センサ部が前記外部操作手段による接触の検知を継続しているか否かを判定する(ステップS202)。
【0052】
一方、減少量変化部107は、移動速度が減少していないと判定した場合(ステップS201、No)、処理を終了する。
【0053】
次に、センサ部が外部操作手段による接触の検知を継続している場合(ステップS202、Yes)、減少量変化部107は、センサ移動量を積算する(ステップS203)。
【0054】
一方、センサ部が外部操作手段による接触の検知を継続していない場合(ステップS202、No)、減少量変化部107は、センサ移動量の積算をリセットする(ステップS207)。
【0055】
次に、減少量変化部107は、センサ移動量の積算値と第1の積算閾値とを比較する(ステップS204)。
【0056】
ここで、減少量変化部107が、センサ移動量の積算値が前記第1の積算閾値よりも小さいと判定した場合(ステップS204、Yes)、移動速度と前記第1の減少閾値とを比較する(ステップS205)
さらに、センサ移動量処理部104が、移動速度が前記第1の減少閾値より大きいと判定した場合(ステップS205、Yes)、センサ移動量処理部104は、第1の減少量でセンサ移動量を減少させ(ステップS206)、処理を終了する。
【0057】
また、センサ移動量処理部104が、移動速度が前記第1の減少閾値より小さいと判定した場合(ステップS205、No)、センサ移動量処理部104は、第2の減少量でセンサ移動量を減少させ(ステップS208)、処理を終了する。
【0058】
一方、センサ移動量処理部104が、センサ移動量の積算値が前記第1の積算閾値よりも大きいと判定した場合(ステップS204、No)、移動速度と前記第1の減少閾値とを比較する(ステップS209)。
【0059】
さらに、センサ移動量処理部104が、移動速度が前記第1の減少閾値より大きいと判定した場合(ステップS209、Yes)、センサ移動量処理部104は、第3の減少量でセンサ移動量を減少させ(ステップS210)、処理を終了する。
【0060】
また、センサ移動量処理部104が、移動速度が前記第1の減少閾値より小さいと判定した場合(ステップS209、No)、センサ移動量処理部104は、第4の減少量でセンサ移動量を減少させ(ステップS211)、処理を終了する。
【0061】
このように、本実施の形態2によれば、様々な移動距離に応じて減少量の変化度合いを変更することにより、任意の移動距離に適して指示子の移動速度が徐々に減速するため、任意の移動距離でも画面上の指示子を目的とする位置に適切に停止させることができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、既に説明した本発明の実施の形態2における減少量変化部107がセンサ部101の領域に応じて減少量の変化度合いを変更する点に特徴がある。
【0062】
本発明の実施の形態3における入力装置の構成のうち、上記実施の形態2の同様の構成については、重複した説明を省略する。
【0063】
減少量変化部107は、センサ移動量に対する減少量の変化度合いをセンサ部101の領域に応じて変更する。
【0064】
図6は、本発明の実施の形態3に係る入力装置のセンサ部101を示す外観図である。
【0065】
図6に示すセンサ部101は、領域300と領域301とを有している。ここで、減少量変化部107は、減少量の変化度合いを変更するセンサ部101の領域300において、外部操作手段の接触を検知した場合には、センサ移動量に対する減少量の変化度合いを変更する。一方、減少量変化部107は、減少量の変化度合いを変更しないセンサ部101の領域301において、外部操作手段の接触を検知した場合には、センサ移動量に対する減少量の変化度合いを変更しない。
【0066】
これにより、外部操作手段が接触するセンサ部の領域に応じて減少量の変化度合いを変更することにより、センサ部の端の領域(センサ面の端の領域では、センサ外部の領域との境界となるため、外部操作手段と接触するセンサ面が小さくなる。一方、センサの中央の領域では外部操作手段と接触するセンサ面は十分大きいので、領域よってセンサセンシング能力が異なる)であっても移動速度が徐々に減速するため、画面上の指示子を目的とする位置に適切に停止させることができる。
【0067】
図7は、本発明の実施の形態3に係る入力装置の動作手順を示すフローチャートである。
【0068】
まず、減少量変化部107は、移動速度計算部103にて計算された移動速度が減少しているか否かを判定する(ステップS301)。
【0069】
ここで、減少量変化部107は、移動速度が減少していると判定した場合(ステップS301、Yes)、前記センサ部が前記外部操作手段による接触を検知し、減少量を変更するセンサ部の領域での接触か否かを判定する(ステップS302)。
【0070】
一方、減少量変化部107は、移動速度が減少していないと判定した場合(ステップSS301、No)、処理を終了する。
【0071】
次に、減少量変化部107は、センサ部が外部操作手段によるセンサ部の減少量の変化の度合いを変更する領域以外での接触を検知した場合(ステップS302、No)、センサ移動量処理部104は、移動速度と第1の減少閾値とを比較する(ステップS303)。
【0072】
一方、減少量変化部107は、センサ部が外部操作手段によるセンサ部の減少量の変化の度合いを変更する領域で接触を検知した場合(ステップS302、Yes)、センサ移動量処理部104は、移動速度と第1の減少閾値とを比較する(ステップS306)。
【0073】
次に、センサ移動量処理部104は、移動速度が第1の減少閾値より大きいと判定した場合(ステップS303)、センサ移動量処理部104は、第1の減少量でセンサ移動量を減少させ(ステップS304)、処理を終了する。
【0074】
一方、センサ移動量処理部104は、移動速度が第1の減少閾値より小さいと判定した場合(ステップS303)、センサ移動量処理部104は、第2の減少量でセンサ移動量を減少させ(ステップS305)、処理を終了する。
【0075】
さらに、センサ移動量処理部104は、移動速度が第1の減少閾値より大きいと判定した場合(ステップS306)、センサ移動量処理部104は、第1の減少量でセンサ移動量を減少させ(ステップS307)、処理を終了する。
【0076】
一方、センサ移動量処理部104は、移動速度が第1の減少閾値より小さいと判定した場合(ステップS306)、センサ移動量処理部104は、第2の減少量でセンサ移動量を減少させ(ステップS308)、処理を終了する。
【0077】
このように、本実施の形態3によれば、外部操作手段が接触するセンサ面の領域に応じて減少量の変化度合いを変更することにより、センサ部の端の領域(センサ面の端の領域では、センサ外部の領域との境界となるため、外部操作手段と接触するセンサ面が小さくなる。一方、センサの中央の領域では外部操作手段と接触するセンサ面は十分大きいので、領域よってセンサセンシング能力が異なる)であっても移動速度が叙情に減速するため、画面上の指示子を目的とする位置に適切に停止させることができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4は、既に説明した本発明の実施の形態2における減少量変化部107が画面上の指示子の表示領域に応じて減少量の変化度合いを変更する点に特徴がある。
【0078】
本発明の実施の形態4における入力装置の構成のうち、上記実施の形態2の構成と同様の構成については、重複した説明は省略する。
【0079】
減少量変化部107は、センサ移動量に対する減少量の変化度合いを画面上の指示子の表示領域に応じて変更する。
【0080】
図8は、本発明の実施の形態4に係る入力装置の出力を表示する表示部の画面例を示す図である。
【0081】
図8に示す表示部106は、画面上に領域400と領域401とを表示している。ここで、減少量変化部107は、減少量の変化度合いを変更する表示部106の領域400に指示子が表示されている場合には、センサ移動量に対する減少量の変化度合いを変更する。一方、減少量変化部107は、減少量の変化度合いを変更しない表示部106の領域401に指示子が表示されている場合には、センサ移動量に対する減少量の変化度合いを変更しない。
【0082】
これにより、画面上の指示子を表示する領域に応じて減少量の変化度合いを変更することにより、例えば、画面上の表示がの字の大きさが異なっており、指示子が最も小さい字の領域を移動する場合であっても移動速度が徐々に減速するため、画面上の指示子を目的とする位置に適切に停止させることができる。
【0083】
図9は、本発明の実施の形態4に係る入力装置の動作手順を示すフローチャートである。
まず、減少量変化部107は、移動速度計算部103にて計算された移動速度が減少しているか否かを判定する(ステップS401)。
【0084】
ここで、減少量変化部107は、移動速度が減少していると判定した場合(ステップS401、Yes)、表示制御部105から取得した画面上の指示子の表示している領域に応じて減少量の変化の度合いを変更か否かを判定する(ステップS402)。
【0085】
一方、減少量変化部107は、移動速度が減少していないと判定した場合(ステップSS401、No)、処理を終了する。
【0086】
次に、減少量変化部107は、画面上の指示子が減少量の変化の度合いを変更する画面の領域以外での表示の場合(ステップS402、No)、センサ移動量処理部104は、移動速度と第1の減少閾値とを比較する(ステップS403)。
【0087】
一方。減少量変化部107は、画面上の指示子が減少量の変化の度合いを変更する領域での表示の場合(ステップS402、Yes)、センサ移動量処理部104は、移動速度と第1の減少閾値とを比較する(ステップS406)。
【0088】
次に、センサ移動量処理部104は、移動速度が第1の減少閾値より大きいと判定した場合(ステップS403)、センサ移動量処理部104は、第1の減少量でセンサ移動量を減少させ(ステップS404)、処理を終了する。
【0089】
一方、センサ移動量処理部104は、移動速度が第1の減少閾値より小さいと判定した場合(ステップS403)、センサ移動量処理部104は、第2の減少量でセンサ移動量を減少させ(ステップS405)、処理を終了する。
【0090】
さらに、センサ移動量処理部104は、移動速度が第1の減少閾値より大きいと判定した場合(ステップS406)、センサ移動量処理部104は、第1の減少量でセンサ移動量を減少させ(ステップS407)、処理を終了する。
【0091】
一方、センサ移動量処理部104は、移動速度が第1の減少閾値より小さいと判定した場合(ステップS406)、センサ移動量処理部104は、第2の減少量でセンサ移動量を減少させ(ステップS408)、処理を終了する。
【0092】
このように、本実施の形態4によれば、画面上の指示子を表示する領域に応じて減少量の変化度合いを変更することにより、画面上の表示が字の大きさが異なっており、指示子が最も小さい字の領域を移動する場合であっても移動速度が徐々に減速するため、画面上の指示子を目的とする位置に適切に停止させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上のように、本発明に係る入力装置は、画面上に表示されたポインタ(カーソル)を移動させ、目的とする位置に適切に停止することができるという効果を有し、携帯電話装置、PC(パーソナルコンピュータ)等の各種電子機器に有用である。
【符号の説明】
【0094】
100 センサ部
102 記憶部
103 移動速度計算部
104 センサ移動量処理部
105 表示制御部
106 表示部
107 減少量変化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ移動量を検出するセンサ部と、
前記センサ部で検出したセンサ移動量を複数記憶する記憶部と、
複数のセンサ移動量から外部操作手段の移動速度を計算する移動速度計算部と、
移動速度計算部で計算された移動速度が減少しているとき、前記移動速度に応じてセンサ移動量に対する減少量を変化させるセンサ移動量処理部と、
を有する入力装置。
【請求項2】
前記センサ移動量に対する減少量の変化度合いを変更する減少量変化部をさらに有することを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記減少量変化部は、前記センサ部が前記外部操作手段の接触を検知している間に取得したセンサ移動量の積算値が、第1の積算閾値を超えた場合、センサ移動量に対する減少量の変化度合いを変更することを特徴とする請求項2記載の入力装置。
【請求項4】
前記減少量変化部は、前記センサ移動量の積算値が、前記第1の積算閾値よりも大きい第2の積算閾値を超えた場合、前記第1の積算閾値を超えた場合の前記センサ移動量に対する減少量の変化度合いと異なる変化度合いに変更することを特徴とする請求項3記載の入力装置。
【請求項5】
前記減少量変化部は、前記センサ部の領域に応じて、センサ移動量に対する減少量の変化度合いを変更することを特徴とする請求項2記載の入力装置。
【請求項6】
前記減少量変化部は、表示部に表示された指示子の表示位置に応じて、センサ移動量に対する減少量の変化度合いを変更することを特徴とする請求項2記載の入力装置。
【請求項7】
前記第1の積算閾値、前記第2の積算閾値、前記領域、または前記表示位置は、任意に変更可能なものであることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載の入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−3121(P2011−3121A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147420(P2009−147420)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】