説明

入力装置

【課題】ユーザが携帯端末を注視することなく所望の入力を行える入力装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る入力装置は、入力部と、所定のキーが長押しされている間、当該キーに割り当てられた複数の文字を所定時間毎に更新して順番に表示する表示部と、前記所定のキーが長押しされている間に当該キーに割り当てられた文字の表示の更新タイミングを報知する報知部と、前記入力部への入力が前記所定のキーから他のキーへと移った際に、切り替えが発生した旨を報知するように前記報知部を制御する制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願のクロスリファレンス]
本出願は、日本国特許出願2007−210255号(2007年8月10日出願)及び日本国特許出願2008−140939号(2008年5月29日出願)の優先権を主張するものであり、当該出願の開示全体を、参照により本明細書に組み込むものとする。
【0002】
本発明は、携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0003】
携帯電話等のようなフルキーボードが装備されていない携帯端末においては、ユーザは一般にテンキーを用いて文字入力を行っている。テンキーの各キーには、例えば、あ行(1)、か行(2)、さ行(3)、〜わ行(0)が割り当てられ、このキーの押下回数に応じて各行の文字を順番に表示(あ→い→う→え→お→ぁ→ぃ→ぅ→ぇ→ぉ、か→き→く→け→こ等)させることで、ユーザは所望の文字を入力することができる。テンキーの各キーにabc(2)、def(3)、ghi(4)〜wxyz(9)のように割り当てることで、同様の方法でアルファベットでの入力も可能になる。また、ユーザが各キーを所定時間以上押したままにする(長押しする)ことで、キーを長押ししている間の所定時間毎に、当該キーに割り当てられた文字が上述したように順番に表示され、ユーザが目的の文字が表示されている間にキーを放す(長押しを解除する)ことで、目的の文字を入力することができる。
【0004】
タッチパネルが入力装置として装備された携帯端末においても、同様の文字入力方法が適用されており、表示画面上に表示されたテンキーにおいて、タッチパネル上の入力位置に対応して表示されているキーに割り当てられ、当該入力位置(キー)への入力回数(押下回数)または長押し時間に応じて当該キーに割り当てられた文字を順番に表示し、ユーザの決定操作により入力文字を決定することができる。
【0005】
テンキーが機械的なキーまたはボタンなど(ハードキー)によって構成されている場合、押下回数に応じてキーに割り当てられた文字を決定する方法であれば、ユーザは、キーの境目や凹凸の有無に基づき目的のキーを触覚で判断し、押下回数に基づき当該キーに割り当てられた目的の文字を判断できるため、携帯端末を注視することなく文字を入力することが可能である。
【0006】
しかしながら、タッチパネルの場合、目的の入力位置(キー)を触覚で判断することは難しく、ユーザは、キーの位置を目で見て判断しなければならない。さらに、押下回数に応じてキーに割り当てられた文字を決定する方法では、ユーザは、目的のキーを目で確認しながら押下して当該キーに割り当てられた文字を1つずつ順番に表示させ、目的の文字を探さなければならず、例えば、テレビを見ながらメールを打つ等、携帯端末を注視することができない他のことをしながら携帯端末への入力を行う「ながら入力」ができない。
【0007】
このようなタッチパネルへの入力の不便さを解消するために、タッチパネルに被覆面を重ね、被覆面の凹凸を変化させる情報入力・表示装置が提案されており(特許文献1参照)、これによれば、タッチパネル上の目的の位置を触覚で判断できるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−319518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、タッチパネルの場合、入力の際にハードキーのような「クリック感」が得られないため、ユーザは、タッチパネル上の目的の位置を触覚で判断できたとしても、当該目的の位置への入力が自分の意図した通りに有効に受け付けられたか否かを判断することができない。つまり、押下回数に応じてキーに割り当てられた文字を決定する方法では、クリック感が得られないことにより、例えば、ユーザは2回押下して「き」(または「b」)を入力したつもりが、意図せずにタッチパネルに余計に触れてしまい、携帯端末では3回押下されたと認識し「く」(または「c」)を表示してしまうなどの誤入力が起こり得る。
【0010】
一方、キーを長押しすることで目的の文字を入力する方法によれば、ユーザは、始めに目的のキーの位置が判断できれば、後はそのキーを押下し続ければ良いので、クリック感が得られないことによる誤入力の問題はなくなる。しかしながら、この場合、ユーザは、長押し時間に応じて表示画面上で順番に表示される文字から目的の文字を判断するため、表示画面を注視しなければならない。
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ユーザが携帯端末を注視することなく所望の入力を行える携帯端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の携帯端末は、ユーザ入力を受け付ける入力部と、前記入力部の所定のキーが長押しされている間、当該キーに割り当てられた複数の文字を所定時間毎に更新して順番に表示する表示部と、前記入力部への入力に応じて入力を受け付けたことを報知するとともに、前記入力部の所定のキーが長押しされている間に当該キーに割り当てられた文字の表示の更新タイミングを報知する報知部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、携帯端末を注視することなく文字を入力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯端末の一例を示すブロック図である。
【図2】キー表示部に表示されるテンキーを示す図である。
【図3】キーが長押しされている間に、キーに割り当てられた複数の文字が更新されるタイミングを説明する図である。
【図4】第1の実施形態に係る携帯端末の動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る携帯端末の一例を示すブロック図である。
【図6】第3の実施形態に係る携帯端末の動作を説明するフローチャートである。
【図7】入力文字列以外の変換候補文字列が存在しない場合の表示画面の一例を示す図である。
【図8】変換候補文字列が存在する場合の表示画面の一例を示す図である。
【図9】「9/ら行」のキーが長押しされている間に、「ら行」の文字が更新されるタイミングを説明する図である。
【図10】キーが長押しされている間に、キーに割り当てられた複数の文字(アルファベット)が更新されるタイミングを説明する図である。
【図11】入力文字列以外の変換候補文字列が存在しない場合の表示画面(英語)の一例を示す図である。
【図12】変換候補文字列が存在する場合の表示画面(英語)の一例を示す図である。
【図13】「5/JKL」を長押しされている間に、「JKL」の文字が更新されるタイミングを説明する図である。
【図14】第5の実施形態に係る携帯端末の動作を説明するフローチャートである。
【図15】第7の実施形態に係る携帯端末の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の携帯端末の実施の形態について図面を参照して説明する。本発明の携帯端末は、例えば、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等の小型携帯機器に適用可能である。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯端末の一例を示すブロック図である。図1において、携帯端末100は、タッチパネル1、キー表示部2、表示部3、制御部4、タイマ5、振動部6を有して構成される。
【0017】
タッチパネル1は、キー表示部2の前面に配設され、キー表示部2に表示されるテンキーへの入力を受け付ける。なお、図2に示すように、キー表示部2に表示されるテンキーには、「0」〜「9」までの数字だけでなぐ、「あ行」、「か行」、「さ行」、・・・等や「@」、「ABC」、「DEF」、・・・等の各文字も割り当てられている。即ち、タッチパネル1およびキー表示部2は入力部を構成する。なお、キー表示部2そのものが入力を受け付けるタッチパネルとしての機能を有する場合は、タッチパネルを別途設けることなく、キー表示部2のみで入力部を構成しても良い。
【0018】
表示部3は、制御部4の制御のもと、種々の情報を表示する液晶画面などによって構成される。一例として、表示部3は、電子メール作成時には、電子メールの文書作成・編集画面を表示し、キー表示部2に表示されたテンキーへの入力(実際にはタッチパネル1の対応箇所への入力)に応じた文字を表示する。
なお、キー表示部2および表示部3は、それぞれ別個の表示デバイスとして構成しても良いし、同一の表示デバイス上に表示領域を分けることによって構成しても良い。
【0019】
制御部4は、キー表示部2に表示されるキーが押下され続けている時間(長押し時間)をタイマ5により計測し、長押し時間が所定時間経過する毎に、当該キーが1回押下されたとみなして、当該キーに割り当てられている文字を1つずつ更新して表示部3に表示する。さらに、制御部4は、長押し時間が所定時間経過する毎に、文字が更新されるタイミングを振動部6に通知する。即ち、制御部4およびタイマ5は、長押し判定部を構成する。
【0020】
振動部6は、制御部4から通知される文字が更新されるタイミングに基づき、タッチパネル1を振動させる。なお、振動部6は、圧電アクチュエータ等の振動子や、小型モーター等のバイブレータにより構成される。即ち、振動部6は報知部を構成する。
【0021】
図3は、キー表示部2に表示される所定のキーが長押しされている間(実際にはタッチパネル1の対応箇所が長押しされている間)に、当該キーに割り当てられた複数の文字が更新される(文字の表示が1つずつ切り替わる)タイミングを説明する図である。図3において、Tは長押し時間を示し、T(x=0,1,2・・・)は、文字が切り替わる時間を示している。
【0022】
例えば、ユーザが「1/あ行」のキーを押下したとすると、表示部3には「あ」が表示され、そのままユーザが「1/あ行」のキーを長押しし続けて時間Tが経過すると、表示部3に表示されている「あ」が「い」に更新され、さらに「1/あ行」のキーが長押しされたまま時間Tが経過すると、表示部3に表示されている「い」が「う」に更新される。以降同様に、「1/あ行」のキーが長押しされたまま時間Tが経過すると「う」から「え」に、時間Tが経過すると「え」から「お」に更新される。
【0023】
なお、文字の更新タイミングとなる時間T(x=0,1,2‥・)は、図示しないメモリ等の記憶部に記憶されており、端末に固有に設定しても良いし、ユーザが好みに設定できるようにしても良い。さらに、T=Tx−1+ΔT(x=0,1,2‥・)とすれば、T(最初の更新タイミング)とΔT(更新タイミング間の時間)のみを設定すれば良く、便利である。
【0024】
図4は、第1の実施形態に係る携帯端末の動作を説明するフローチャートである。
まず、キー表示部2に表示されている所定のキー、例えば「1/あ行」のキーが押下されると(ステップS101)、制御部4は、表示部3に「あ」を表示するとともに振動部6を振動させて当該「1/あ行」のキーの押下を受け付けた旨を報知し(ステップS102)、タイマ5をスタートさせて「1/あ行」のキーが押下されている時間Tを計測する(ステップS103)。なお、ステップ103において、制御部4は、カウンタ値xを初期化する。
【0025】
「1/あ行」のキーが押下されている時間(長押し時間)TがTとなった時(ステップS104〜S105)、制御部4は、表示部3に表示されている「あ」を「い」に更新するとともに、振動部6を介してタッチパネル1を振動させ(ステップS106)、カウンタ値xをインクリメントする(ステップS107)。
【0026】
「1/あ行」のキーが押下され続けている間、ステップS104〜Sl07を繰り返し、「1/あ行」のキーが放されると(ステップS104でNo)、制御部4は、キーが放された時点で表示部3に表示されていた文字を仮確定する(ステップS108)。なお、仮確定とは、キーに割り当てられている文字が表示されている状態で、いずれのキーが押下されても当該表示されている文字は別の文字に更新されず、当該表示されている文字の隣に新たに文字が表示される状態のことを意味する。
【0027】
例えば、長押し時間TがT未満であった時、即ち、図3のP1で示すタイミングで「1/あ行」のキーが放された場合、「あ」が仮確定される。同様に、長押し時間Tが、T≦T<Tであった時、即ち、図3のP2で示すタイミングで「1/あ行」のキーが放された場合、「い」が仮確定される。
【0028】
上述したように、第1の実施形態では、キーの長押し時間に応じて、当該キーに割り当てられた文字を順番に表示するとともに、文字の表示を更新するタイミングをユーザに振動で報知することにより、ユーザは、文字の更新の回数をカウントすることができ、カウントした更新の回数に基づき当該キーに割り当てられた目的の文字を判断できるため、携帯端末を注視することなく目的の文字を入力することが可能となる。
【0029】
(第2の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態を、英文入力に適用した場合の実施形態を示すものである。第2の実施形態に係る携帯端末の一例は、第1の実施形態と同様に、図1によって示される。図1に示す構成の説明については、第1の実施形態における説明を援用する。
【0030】
図10は、キー表示部2に表示される所定のキーが長押しされている間(実際にはタッチパネル1の対応箇所が長押しされている間)に、当該キーに割り当てられた複数の文字が更新される(文字の表示が1つずつ切り替わる)タイミングを説明する図である。図10において、Tは長押し時間を示し、T(x=0,1,2・・・)は、文字が切り替わる時間を示している。
【0031】
例えば、ユーザが「2/ABC」のキーを押下したとすると、表示部3には「a」が表示され、そのままユーザが「2/ABC」のキーを長押しし続けて時間Tが経過すると、表示部3に表示されている「a」が「b」に更新され、さらに「2/ABC」のキーが長押しされたまま時間Tが経過すると、表示部3に表示されている「b」が「c」に更新される。以降同様に、「2/ABC」のキーが長押しされたまま時間Tが経過すると「c」から「A」に、時間Tが経過すると「A」から「B」に更新される。
【0032】
なお、文字の更新タイミングとなる時間T(x=0,1,2‥・)は、図示しないメモリ等の記憶部に記憶されており、端末に固有に設定しても良いし、ユーザが好みに設定できるようにしても良い。さらに、T=Tx−1+ΔT(x=0,1,2‥・)とすれば、T(最初の更新タイミング)とΔT(更新タイミング間の時間)のみを設定すれば良く、便利である。
【0033】
第2の実施形態に係る携帯端末の動作を、図4のフローチャートでを用いて説明する。まず、キー表示部2に表示されている所定のキー、例えば「2/ABC」のキーが押下されると(ステップS101)、制御部4は、表示部3に「a」を表示するとともに振動部6を振動させて当該「2/ABC」のキーの押下を受け付けた旨を報知し(ステップS102)、タイマ5をスタートさせて「2/ABC」のキーが押下されている時間Tを計測する(ステップS103)。なお、ステップ103において、制御部4は、カウンタ値xを初期化する。
【0034】
「2/ABC」のキーが押下されている時間(長押し時間)TがTとなった時(ステップS104〜S105)、制御部4は、表示部3に表示されている「a」を「b」に更新するとともに、振動部6を介してタッチパネル1を振動させ(ステップS106)、カウンタ値xをインクリメントする(ステップS107)。
【0035】
「2/ABC」のキーが押下され続けている間、ステップS104〜Sl07を繰り返し、「2/ABC」のキーが放されると(ステップS104でNo)、制御部4は、キーが放された時点で表示部3に表示されていた文字を仮確定する(ステップS108)。なお、仮確定とは、キーに割り当てられている文字が表示されている状態で、いずれのキーが押下されても当該表示されている文字は別の文字に更新されず、当該表示されている文字の隣に新たに文字が表示される状態のことを意味する。
【0036】
例えば、長押し時間TがT未満であった時、即ち、図10のP1で示すタイミングで「2/ABC」のキーが放された場合、「a」が仮確定される。同様に、長押し時間Tが、T≦T<Tであった時、即ち、図10のP2で示すタイミングで「2/ABC」のキーが放された場合、「b」が仮確定される。
【0037】
上述したように、第2の実施形態では、キーの長押し時間に応じて、当該キーに割り当てられた文字を順番に表示するとともに、文字の表示を更新するタイミングをユーザに振動で報知することにより、ユーザは、文字の更新の回数をカウントすることができ、カウントした更新の回数に基づき当該キーに割り当てられた目的の文字を判断できるため、携帯端末を注視することなく目的の文字を入力することが可能となる。
【0038】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る携帯端末の一例を示すブロック図である。この携帯端末は、図1に示した携帯端末に入力文字バッファ7、予測変換候補提示部(変換候補提示部)8、記憶部9を追加したものである。したがって、図5において、図1と同一符号の付された構成についての説明は省略する。
【0039】
入力文字バッファ7は、仮確定された文字を記憶する。予測変換候補提示部8は、入力文字バッファ7に記憶された入力文字列に対応する変換候補文字列が記憶部9に記憶されているか否か(存在するか否か)を判定し、変換候補文字列が存在する場合に、当該変換候補文字列を表示部3に選択可能に表示する。なお、変換候補文字列とは、入力文字バッファ7に格納された文字列を漢字混じりにした文字列や、数文字先まで予測した文字列に変換したものである(例えば、「かえり」を漢字混じりにすると「帰り」等、数文字先まで予測すると「帰り道」、「省み」、「返り咲き」等)。したがって、本実施例では、入力文字バッファ7に格納された文字列そのもの(「かえり」)や、単にカナ変換したもの(「カエリ」)は、変換候補文字列ではないものとする。
【0040】
図6は、第3の実施形態に係る携帯端末の動作を説明するフローチャートである。
まず、キー表示部2に表示されている所定のキーが押下されると(ステップS201)、制御部4は、当該押下に応じた文字を入力文字バッファ7のn番目に格納する。予測変換候補提示部8は、入力文字バッファ7を参照し、当該入力文字バッファ7に格納されたn個の文字からなる文字列に対する変換候補文字列が記憶部9に記憶されているか否かを判定する(ステップ202)。入力文字バッファ7に格納された文字列に対応する変換候補文字列が記憶部9に記憶されていれば、予測変換候補提示部8は、その旨を制御部4に通知するとともに、当該変換候補文字列を表示部3に選択可能に表示する。制御部4は、押下されたキーに割り当てられた最初の文字を表示部3に表示するとともに、予測変換候補提示部8より、入力文字バッファ7に格納された文字列に対応する変換候補文字列が存在する旨の通知をうけると、振動部6を介してタッチパネル1に強い振動(振動A)を与えて当該キーへの押下(入力)を受け付けた旨を報知する(ステップS203)。一方、予測変換候補提示部8より、入力文字バッファ7に格納された文字列に対応する変換候補文字列が存在しない旨の通知をうけると、制御部4は、振動部6を介してタッチパネル1に弱い振動(振動B)を与えて当該キーへの押下(入力)を受け付けた旨を報知する(ステップS204)。さらに、制御部4は、カウンタ値xを初期化し、タイマ5をスタートさせて、キーが押下されている時間Tの計測を開始する(ステップS205)。
【0041】
キーが押下されている時間(長押し時間)TがTとなった時(ステップS206〜S207)、制御部4は、入力文字バッファ7のn番目に格納されている文字を、当該文字の次に当該キーに割り当てられている文字に更新するとともに、当該入力文字バッファ7の更新に対応して表示部3に表示されている文字を更新する(ステップS208)。
【0042】
予測変換候補提示部8は、入力文字バッファ7を参照し、当該入力文字バッファ7に格納された文字列に対する変換候補文字列が記憶部9に記憶されているか否かを判定する(ステップ209)。入力文字バッファ7に格納された文字列に対応する変換候補文字列が記憶部9に記憶されていれば、予測変換候補提示部8は、その旨を制御部4に通知するとともに、当該変換候補文字列を表示部3に選択可能に表示する。制御部4は、入力文字バッファ7で更新された文字に対応して表示部3に表示されている文字を更新するとともに(ステップS208)、予測変換候補提示部8より、入力文字バッファ7に格納された文字列に対応する変換候補文字列が存在する旨の通知をうけると、振動部6を介してタッチパネル1に強い振動(振動A)を与えて、文字が更新され、かつ、当該更新された文字を含む文字列に対応する変換候補文字列が存在する旨を報知する(ステップS210)。一方、予測変換候補提示部8より、入力文字バッファ7に格納された文字列に対応する変換候補文字列が存在しない旨の通知をうけると、制御部4は、振動部6を介してタッチパネル1に弱い振動(振動B)を与えて、文字が更新されたが、当該更新された文字を含む文字列に対応する変換候補文字列は存在しない旨を報知する(ステップS211)。そして、制御部4は、カウンタ値xをインクリメントする(ステップS212)。
【0043】
キー表示部2の所定のキーが押下され続けている間、ステップS206〜S212を繰り返し、キーが放されると(ステップS206でNo)、制御部4は、キーが放された時点で入力文字バッファ7に格納されている文字、即ち、キーが放された時点で表示部3に表示されていた文字を、入力文字として仮確定する(ステップS213)。
【0044】
ここで、図7に、入力文字バッファ7に格納された入力文字列に対して入力文字列以外の変換候補となる文字列(変換候補文字列)が存在しない場合の表示画面の一例を示し、図8に、変換候補文字列が存在する場合の表示画面の一例を示す。図7、図8を参照し、第3の実施形態に係る携帯端末の動作をより具体的に説明するために、ユーザが「お疲れ様でした」と入力したい場合に、「おつか」まで入力済みで、現在4文字目の「れ」を入力しようとしている場面を一例として、上記フローチャートに基づき本実施例について説明する。
【0045】
まず、表示部3に「おつか」の3文字が仮確定の文字列として表示されている状態で、ユーザが、「れ」の文字を入力するために、キー表示部2に表示されている「9/ら行」のキーを押下すると(ステップS201)、制御部4は、当該押下に応じて「ら」の文字を入力文字バッファ7に格納する。なお、入力文字バッファ7には、既に「お」「つ」「か」の3文字が格納されているため、「ら」は入力文字バッファ7の4番目に格納される。
【0046】
予測変換候補提示部8は、入力文字バッファ7を参照し、現在格納されている「おつから」に対応する変換候補文字列が記憶部9に記憶されているかを判定し(ステップS202)、記憶部9に「おつから」に対応する変換候補文字列は記憶されていないため(存在しないため)、その旨を制御部4に通知する。制御部4は、「9/ら行」のキーの押下に応じて入力文字バッファ7に格納された「ら」を、表示部3に既に表示されている「おつか」の隣に表示するとともに、予測変換候補提示部8からの「おつから」に対応する変換候補文字列が存在しない旨の通知に応じて、振動部6を介してタッチパネル1に弱い振動を与えることで「9/ら行」のキーへの押下(入力)を受け付けた旨を報知する(ステップS204)。さらに、制御部4は、タイマ5をスタートさせて、「9/ら行」のキーが押下されている時間Tの計測を開始する(ステップS205)。このとき、制御部4は、カウンタ値xを初期化する。
ここで、図9に、「9/ら行」のキーが長押しされている間に、「ら行」の文字が更新されるタイミングを示す。
「9/ら行」のキーが押下されている時間(長押し時間)TがTとなった時(ステップS206〜S207)、制御部4は、入力文字バッファ7の4番目に格納されている文字「ら」を「り」に更新するとともに、表示部3に表示されている「おつから」を「おつかり」に更新する(ステップS208)。
【0047】
予測変換候補提示部8は、入力文字バッファ7を参照し、「おつかり」に対する変換候補文字列が記憶部9に記憶されているか否かを判定し(ステップ209)、入力文字バッファ7に格納された文字列「おつかり」に対応する変換候補文字列が記憶部9に記憶されていない旨を制御部4に通知する。制御部4は、表示部3に表示されている「ら」を「り」に更新するとともに(ステップS208)、予測変換候補提示部8からの文字列「おつかり」に対応する変換候補文字列が存在しない旨の通知に応じて、振動部6を介してタッチパネル1に弱い振動を与える(ステップS211)。そして、制御部4は、カウンタ値xをインクリメントする(ステップS212)。この時点の表示部3の表示内容を、図7に示す。
【0048】
「9/ら行」のキーが押下され続ける間、ステップS206〜S212を繰り返し、長押し時間TがTとなった時(ステップS206〜S207)、制御部4は、入力バッファ7の4番目に格納されている文字「る」を「れ」に更新するとともに、表示部3に表示されている「おつかる」を「おつかれ」に更新する(ステップS208)。
【0049】
予測変換候補提示部8は、入力文字バッファ7を参照し、「おつかれ」に対する変換候補文字列が記憶部9に記憶されているか否かを判定し(ステップ209)、入力文字バッファ7に格納された文字列「おつかれ」に対応する変換候補文字列が記憶部9に記憶されている旨を制御部4に通知する。制御部4は、表示部3に表示されている「る」を「れ」に更新するとともに(ステップS208)、予測変換候補提示部8より、文字列「おつかれ」に対応する変換候補文字列が存在する旨の通知をうけると、振動部6を介してタッチパネル1に強い振動を与える(ステップS210)。そして、制御部4は、カウンタ値xをインクリメントする(ステップS212)。この時点の表示部3の表示内容を、図8に示す。
【0050】
図8に示すように、表示部3に「おつかれ」と表示されているタイミング、即ち、キーが押下されている時間Tが、T≦T<Tのタイミングで「9/ら行」のキーが放されると(ステップS206でNo)、制御部4は、この時点で入力文字バッファ7の4番目に格納されている文字「れ」を、入力文字として仮確定する(ステップS213)。さらに、仮確定された「おつかれ」に対する変換候補文字列より1つの候補が選択されると、選択された候補で入力文字が確定する。
【0051】
以上のように、第3の実施形態では、キーの長押し時間に応じて、当該キーに割り当てられた文字の表示を更新するタイミングをユーザに振動で報知する際に、表示される文字列に対応する変換候補文字列の有無に応じて振動強度を変えることにより、ユーザは、振動の回数に基づき現在表示されている文字を判断するとともに、振動の強度によって変換候補文字列が存在する、すなわち、意味のある文字列が表示されていることを判断できるため、より的確に目的の文字が表示(入力)されているかを判断でき、携帯端末を注視することなく文字を入力することが容易となる。
【0052】
(第4の実施形態)
本実施形態は、第3の実施形態を、英文入力に適用した場合の実施形態を示すものである。第4の実施形態に係る携帯端末の一例は、第3の実施形態と同様に、図5によって示される。図5に示す構成の説明については、第3の実施形態における説明を援用する。
【0053】
図11に、入力文字バッファ7に格納された入力文字列に対して入力文字列以外の変換候補となる文字列(変換候補文字列)が存在しない場合の表示画面の一例を示し、図12に、変換候補文字列が存在する場合の表示画面の一例を示す。図11、図12を参照し、第4の実施形態に係る携帯端末の動作をより具体的に説明するために、ユーザが「Hello」と入力したい場合に、「He」まで入力済みで、現在3文字目の「l」を入力しようとしている場面を一例として、図6に示すフローチャートに基づき本実施例について説明する。
【0054】
まず、表示部3に「He」の3文字が仮確定の文字列として表示されている状態で、ユーザが、「l」の文字を入力するために、キー表示部2に表示されている「5/JKL」のキーを押下すると(ステップS201)、制御部4は、当該押下に応じて「j」の文字を入力文字バッファ7に格納する。なお、入力文字バッファ7には、既に「H」「e」の3文字が格納されているため、「j」は入力文字バッファ7の3番目に格納される。
【0055】
予測変換候補提示部8は、入力文字バッファ7を参照し、現在格納されている「Hej」に対応する変換候補文字列が記憶部9に記憶されているかを判定し(ステップS202)、記憶部9に「Hej」に対応する変換候補文字列は記憶されていないため(存在しないため)、その旨を制御部4に通知する。制御部4は、「5/JKL」のキーの押下に応じて入力文字バッファ7に格納された「j」を、表示部3に既に表示されている「He」の隣に表示するとともに、予測変換候補提示部8からの「Hej」に対応する変換候補文字列が存在しない旨の通知に応じて、振動部6を介してタッチパネル1に弱い振動を与えることで「5/JKL」のキーへの押下(入力)を受け付けた旨を報知する(ステップS204)。さらに、制御部4は、タイマ5をスタートさせて、「5/JKL」のキーが押下されている時間Tの計測を開始する(ステップS205)。このとき、制御部4は、カウンタ値xを初期化する。
ここで、図13に、「5/JKL」のキーが長押しされている間に、「jklJKL」の文字が更新されるタイミングを示す。
「5/JKL」のキーが押下されている時間(長押し時間)TがTとなった時(ステップS206〜S207)、制御部4は、入力文字バッファ7の3番目に格納されている文字「j」を「k」に更新するとともに、表示部3に表示されている「Hej」を「Hek」に更新する(ステップS208)。
【0056】
予測変換候補提示部8は、入力文字バッファ7を参照し、「Hek」に対する変換候補文字列が記憶部9に記憶されているか否かを判定し(ステップ209)、入力文字バッファ7に格納された文字列「Hek」に対応する変換候補文字列が記憶部9に記憶されていない旨を制御部4に通知する。制御部4は、表示部3に表示されている「j」を「k」に更新するとともに(ステップS208)、予測変換候補提示部8からの文字列「Hek」に対応する変換候補文字列が存在しない旨の通知に応じて、振動部6を介してタッチパネル1に弱い振動を与える(ステップS211)。そして、制御部4は、カウンタ値xをインクリメントする(ステップS212)。この時点の表示部3の表示内容を、図11に示す。
【0057】
「5/JKL」のキーが押下され続ける間、ステップS206〜S212を繰り返し、長押し時間TがTとなった時(ステップS206〜S207)、制御部4は、入力バッファ7の3番目に格納されている文字「k」を「l」に更新するとともに、表示部3に表示されている「Hek」を「Hel」に更新する(ステップS208)。
【0058】
予測変換候補提示部8は、入力文字バッファ7を参照し、「Hel」に対する変換候補文字列が記憶部9に記憶されているか否かを判定し(ステップ209)、入力文字バッファ7に格納された文字列「Hel」に対応する変換候補文字列が記憶部9に記憶されている旨を制御部4に通知する。制御部4は、表示部3に表示されている「k」を「l」に更新するとともに(ステップS208)、予測変換候補提示部8より、文字列「Hel」に対応する変換候補文字列が存在する旨の通知をうけると、振動部6を介してタッチパネル1に強い振動を与える(ステップS210)。そして、制御部4は、カウンタ値xをインクリメントする(ステップS212)。この時点の表示部3の表示内容を、図12に示す。
【0059】
図12に示すように、表示部3に「Hel」と表示されているタイミング、即ち、キーが押下されている時間Tが、T≦T<Tのタイミングで「5/JKL」のキーが放されると(ステップS206でNo)、この時点で入力文字バッファ7の3番目に格納されている文字「l」を、入力文字として仮確定する(ステップS213)。さらに、仮確定された「Hel」に対する変換候補文字列より1つの候補が選択されると、選択された候補で入力文字が確定する。
【0060】
以上のように、第4の実施形態では、キーの長押し時間に応じて、当該キーに割り当てられた文字の表示を更新するタイミングをユーザに振動で報知する際に、表示される文字列に対応する変換候補文字列の有無に応じて振動強度を変えることにより、ユーザは、振動の回数に基づき現在表示されている文字を判断するとともに、振動の強度によって変換候補文字列が存在する、すなわち、意味のある文字列が表示されていることを判断できるため、より的確に目的の文字が表示(入力)されているかを判断でき、携帯端末を注視することなく文字を入力することが容易となる。
【0061】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図14は、本発明の第5の実施形態に係る携帯端末の動作を説明するフローチャートである。
【0062】
まず、キー表示部2に表示されている所定のキー、例えば「1/あ行」のキーが押下されると(ステップS301)、制御部4は、表示部3に「あ」を表示するとともに振動部6を振動させて当該「1/あ行」のキーの押下を受け付けた旨を報知し(ステップS302)、タイマ5をスタートさせて「1/あ行」のキーが押下されている時間Tを計測する(ステップS303)。なお、ステップS303において、制御部4は、カウンタ値xを初期化する。
【0063】
「1/あ行」のキーが押下されている時間(長押し時間)TがTとなった時(ステップS304〜S305)、制御部4は、表示部3に表示されている「あ」を「い」に更新するとともに、振動部6を介してタッチパネル1を振動させ(ステップS306)、カウンタ値xをインクリメントする(ステップS307)。
【0064】
「1/あ行」のキーが押下され続けている間、ステップS304〜S307を繰り返し、「1/あ行」のキーが放されると(ステップS304でNo)、制御部4は、キーが放された時点で表示部3に表示されていた文字を仮確定する(ステップS308)。
【0065】
文字が仮確定されると、制御部4は、次のキー入力があるか、つまり次の文字入力キーが押下されるかどうかを監視し(ステップS309)、次のキー入力がある場合には、当該キー入力に対応する行が、直前のキー入力に対応する行から切り替わっているかどうかを判断する(ステップS310)。
【0066】
例えば、直前に「1/あ行」のキーが押下されており、文字の仮確定後、再度「1/あ行」のキーが押下された場合には、キー入力に対応する行の切り替えは発生していない。この場合、携帯端末の動作フローはステップS302に戻り、制御部4は、表示部3に「あ」を表示するとともに、振動部6を振動させて当該「1/あ行」のキーの押下を受け付けた旨を報知する。
【0067】
一方、例えば、直前に「1/あ行」のキーが押下されており、文字の仮確定後、「2/か行」のキーが押下された場合には、キー入力に対応する行の切り替えが発生することになる。この場合、制御部4は、表示部3に「か」を表示するとともに、振動部6を、ステップS302においてキーの押下を受け付けた旨を示す報知とは異なる報知態様によって振動させて、当該「2/か行」への行の切り替えが発生した旨を報知する(ステップS311)。このため、ユーザは画面を注視することなく行の切り替えを認識することができる。なお、ステップS312〜S318については、ステップS303〜S309と同等の処理になるため、説明を省略する。
【0068】
上述したように、第5の実施形態では、文字を入力するキーがある行のキーから他の行のキーに切り替わった場合に、かかる行の切り替えが発生した旨をユーザに報知するため、ユーザは携帯端末を注視することなく、行の切り替えを認識することができ、意図する文字をより確実に入力することができる。
【0069】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態は、第5の実施形態を、英文入力に適用した場合の実施形態を示すものである。本発明の第6の実施形態に係る携帯端末の動作を、図14に示すフローチャートによって説明する。なお、図14には、ステップS310及びステップS311に「行の切り替え」といった記載があるが、当該記載は、本実施例においては、「入力キーの切り替え」と読み替えるものとする。
【0070】
まず、キー表示部2に表示されている所定のキー、例えば「2/ABC」のキーが押下されると(ステップS301)、制御部4は、表示部3に「a」を表示するとともに振動部6を振動させて当該「2/ABC」のキーの押下を受け付けた旨を報知し(ステップS302)、タイマ5をスタートさせて「2/ABC」のキーが押下されている時間Tを計測する(ステップS303)。なお、ステップS303において、制御部4は、カウンタ値xを初期化する。
【0071】
「2/ABC」のキーが押下されている時間(長押し時間)TがTとなった時(ステップS304〜S305)、制御部4は、表示部3に表示されている「a」を「b」に更新するとともに、振動部6を介してタッチパネル1を振動させ(ステップS306)、カウンタ値xをインクリメントする(ステップS307)。
【0072】
「2/ABC」のキーが押下され続けている間、ステップS304〜S307を繰り返し、「2/ABC」のキーが放されると(ステップS304でNo)、制御部4は、キーが放された時点で表示部3に表示されていた文字を仮確定する(ステップS308)。
【0073】
文字が仮確定されると、制御部4は、次のキー入力があるか、つまり次の文字入力キーが押下されるかどうかを監視し(ステップS309)、次のキー入力がある場合には、当該入力に対応する入力キーが、直前の入力に対応する入力キーから切り替わっているかどうかを判断する(ステップS310)。
【0074】
例えば、直前に「2/ABC」のキーが押下されており、文字の仮確定後、再度「2/ABC」のキーが押下された場合には、入力キーの切り替えは発生していない。この場合、携帯端末の動作フローはステップS302に戻り、制御部4は、表示部3に「a」を表示するとともに、振動部6を振動させて当該「2/ABC」のキーの押下を受け付けた旨を報知する。
【0075】
一方、例えば、直前に「2/ABC」のキーが押下されており、文字の仮確定後、「5/JKL」のキーが押下された場合には、入力キーの切り替えが発生することになる。この場合、制御部4は、表示部3に「j」を表示するとともに、振動部6を、ステップS302においてキーの押下を受け付けた旨を示す報知とは異なる報知態様によって振動させて、当該「5/JKL」への切り替えが発生した旨を報知する(ステップS311)。このため、ユーザは画面を注視することなく入力キーの切り替えを認識することができる。なお、ステップS312〜S318については、ステップS303〜S309と同等の処理になるため、説明を省略する。
【0076】
上述したように、第6の実施形態では、文字を入力するキーがあるキーから他のキーに切り替わった場合に、かかる入力キーの切り替えが発生した旨をユーザに報知するため、ユーザは携帯端末を注視することなく、入力キーの切り替えを認識することができ、意図する文字をより確実に入力することができる。
【0077】
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
図15は、本発明の第7の実施形態に係る携帯端末の動作を説明するフローチャートである。このフローチャーは、図14に示したフローチャートに新たなステップS319を加え、図14のステップS302、S306、S311及びS315を、それぞれ新たなステップS320、S321、S322及びS323で置き換えたものである。なお、図15において、図14のステップと同一符号の付されたステップは、それぞれ同等の処理内容を表すものである。したがって、図15において、図14と同一符号の付されたステップについての説明は省略する。
【0078】
まず、キー表示部2に表示されている所定のキー、例えば「1/あ行」のキーが押下されると(ステップS301)、制御部4は、表示部3に「あ」を表示するとともに、振動部6を第1の振動態様によって振動させて、当該「1/あ行」のキーの押下を受け付けた旨を報知する(ステップS320)。当該キーが長押しされると、制御部4は、表示部3に表示されている文字表示を更新するとともに、振動部6を第1の振動態様によって振動させて、ユーザに文字表示の更新を報知する(ステップS321)。
【0079】
文字が仮確定(ステップS308)してから、次の文字入力では行の切り替えが発生しない場合には(ステップS309〜S310)、制御部4は、振動部6を第1の振動態様によって振動させて、キーの押下を受け付けた旨を報知する(ステップS320)。
【0080】
文字が仮確定(ステップS308)してから、次の文字入力によって行の切り替えが発生する場合には(ステップS309〜S310)、制御部4は、振動部6を、第1の振動態様とは異なる第2の振動態様によって振動させて、キーの押下を受け付けた旨を報知する(ステップS322)。このため、ユーザは行の切り替えを認識することができる。当該キーが長押しされると、制御部4は、表示部3に表示されている文字表示を更新するとともに、振動部6を第2の振動態様によって振動させて、ユーザに文字表示の更新を報知する(ステップS323)。つまり、行の切り替えが発生する場合には、文字入力受付及び文字表示更新に対する振動態様を、第1の振動態様から第2の振動態様に切り替えることにより、ユーザにより明確に行の切り替えが発生した旨を伝えることができる。
【0081】
さらに次の文字入力があった場合に、行の切り替えが発生しない場合には(ステップS318〜S319)、制御部4は、振動部6を第2の振動態様によって振動させて、キーの押下を受け付けた旨を報知する(ステップS322)。
【0082】
さらに次の文字入力があった場合に、行の切り替えが発生する場合には(ステップS318〜S319)、制御部4は、振動部6を第1の振動態様によって振動させて、キーの押下を受け付けた旨を報知する(ステップS320)。つまり、この場合は、文字入力受付及び文字表示更新に対する振動態様を、第2の振動態様から第1の振動態様に切り替えることにより、ユーザに再び行の切り替えが発生した旨を伝えることができる。
【0083】
上述したように、第7の実施形態では、文字を入力するキーがある行のキーから他の行のキーに切り替わった場合に、切り替わり前後の行の文字入力受付及び文字表示更新に対する報知態様を変化させるため、ユーザは携帯端末を注視することなく、行の切り替えを認識することができ、意図する文字をより確実に入力することができる。
【0084】
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。本実施形態は、第7の実施形態を、英文入力に適用した場合の実施形態を示すものである。本発明の第8の実施形態に係る携帯端末の動作を、図15に示すフローチャートによって説明する。なお、図15には、ステップS310及びステップS319に「行の切り替え」といった記載があるが、当該記載は、本実施例においては、「入力キーの切り替え」と読み替えるものとする。
【0085】
まず、キー表示部2に表示されている所定のキー、例えば「2/ABC」のキーが押下されると(ステップS301)、制御部4は、表示部3に「a」を表示するとともに、振動部6を第1の振動態様によって振動させて、当該「2/ABC」のキーの押下を受け付けた旨を報知する(ステップS320)。当該キーが長押しされると、制御部4は、表示部3に表示されている文字表示を更新するとともに、振動部6を第1の振動態様によって振動させて、ユーザに文字表示の更新を報知する(ステップS321)。
【0086】
文字が仮確定(ステップS308)してから、次の文字入力では入力キーの切り替えが発生しない場合には(ステップS309〜S310)、制御部4は、振動部6を第1の振動態様によって振動させて、キーの押下を受け付けた旨を報知する(ステップS320)。
【0087】
文字が仮確定(ステップS308)してから、次の文字入力によって入力キーの切り替えが発生する場合には(ステップS309〜S310)、制御部4は、振動部6を、第1の振動態様とは異なる第2の振動態様によって振動させて、キーの押下を受け付けた旨を報知する(ステップS322)。このため、ユーザは入力キーの切り替えを認識することができる。当該キーが長押しされると、制御部4は、表示部3に表示されている文字表示を更新するとともに、振動部6を第2の振動態様によって振動させて、ユーザに文字表示の更新を報知する(ステップS323)。つまり、入力キーの切り替えが発生する場合には、文字入力受付及び文字表示更新に対する振動態様を、第1の振動態様から第2の振動態様に切り替えることにより、ユーザにより明確に入力キーの切り替えが発生した旨を伝えることができる。
【0088】
さらに次の文字入力があった場合に、入力キーの切り替えが発生しない場合には(ステップS318〜S319)、制御部4は、振動部6を第2の振動態様によって振動させて、キーの押下を受け付けた旨を報知する(ステップS322)。
【0089】
さらに次の文字入力があった場合に、入力キーの切り替えが発生する場合には(ステップS318〜S319)、制御部4は、振動部6を第1の振動態様によって振動させて、キーの押下を受け付けた旨を報知する(ステップS320)。つまり、この場合は、文字入力受付及び文字表示更新に対する振動態様を、第2の振動態様から第1の振動態様に切り替えることにより、ユーザに再び入力キーの切り替えが発生した旨を伝えることができる。
【0090】
上述したように、第8の実施形態では、文字を入力するキーがあるキーから他キーに切り替わった場合に、切り替わり前後の入力キーの文字入力受付及び文字表示更新に対する報知態様を変化させるため、ユーザは携帯端末を注視することなく、入力キーの切り替えを認識することができ、意図する文字をより確実に入力することができる。
【0091】
なお、上述の各実施形態では、タッチパネルを入力装置として装備する携帯端末を例として説明したが、本発明は、ハードキーを入力装置として装備する携帯端末にももちろん適用可能である。
また、例えば、入力している文字が「英文字」ならば、大文字の時は強い振動、小文字の時は弱い振動としたり、「ひらがな」ならば、「あ」から「お」にかけて、振動を段階的に強くしていく等、文字の表示の切り替えタイミングに応じた振動の強弱の制御は、上述に限らず様々なパターンが考えられる。
また、振動の強弱に限らず、変換候補文字列がある時には早く2回振動し、変換候補文字列がない場合には1回振動する等、振動のパターンを異ならせることで変換候補の有無を報知するよう構成しても良い。
さらに、上述した実施形態では、文字の表示の切り替えタイミングを、振動でユーザに報知しているが、携帯端末が備えるスピーカやブザーにより音で報知するようにしても良いし、表示部等の明るさを変えて光で報知するようにしても良い。この場合、携帯端末の備えるスピーカやブザー、または表示部が報知部を構成する。
【0092】
また、キーの押下の状態に応じて切り替えタイミングを変えるようにしても良い。すなわち、ユーザがタッチパネルを指で操作した際、その指がタッチパネルに接触したときの面積を検出し、面積が大きい場合(強押し)は、文字表示の切り替えタイミングを速くし、面積が小さい場合(弱押し)は、文字表示の切り替えタイミングを遅くするようにしても良い。また、指がタッチパネルに接触したときの圧力を検出し、圧力が高い場合(強押し)は、文字表示の切り替えタイミングを速くし、圧力が低い場合(弱押し)は、文字表示の切り替えタイミングを遅くするようにしても良い。
【0093】
本発明は、キーの長押し時間に応じて、当該キーに割り当てられた文字を順番に表示するとともに、文字の表示を更新するタイミングをユーザに報知することにより、ユーザは、文字の更新回数をカウントすることができ、したがって、キーの長押しによる入力において、文字の更新回数に基づき当該キーに割り当てられた目的の文字を判断できるため、携帯端末を注視することなく文字を入力することが可能となる。
また、本発明によれば、文字が更新されるタイミングを報知する際に、入力された文字列に対する予測変換候補の有無に応じて報知方法を変えるので、ユーザは、携帯端末を注視することなく意図する文字をより確実に入力することができる。
また、本発明によれば、文字を入力するキーがある行のキーから他の行のキーに切り替わった場合に、かかる行の切り替えが発生した旨をユーザに報知するため、ユーザは携帯端末を注視することなく、行の切り替えを認識することができ、意図する文字をより確実に入力することができる。
また、本発明によれば、文字を入力するキーがある行のキーから他の行のキーに切り替わった場合に、切り替わり前後の行の文字入力受付及び文字表示更新に対する報知態様を変化させるため、ユーザは携帯端末を注視することなく、行の切り替えを認識することができ、意図する文字をより確実に入力することができる。
【符号の説明】
【0094】
1 タッチパネル
2 キー表示部
3 表示部
4 制御部
5 タイマ
6 振動部
7 入力文字バッファ
8 予測変換候補提示部
9 記憶部
100 携帯端末


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部と、
所定のキーが長押しされている間、当該キーに割り当てられた複数の文字を所定時間毎に更新して順番に表示する表示部と、
前記所定のキーが長押しされている間に当該キーに割り当てられた文字の表示の更新タイミングを報知する報知部と、
前記入力部への入力が前記所定のキーから他のキーへと移った際に、切り替えが発生した旨を報知するように前記報知部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする入力装置。





















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−178186(P2012−178186A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−130140(P2012−130140)
【出願日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【分割の表示】特願2009−528116(P2009−528116)の分割
【原出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】