説明

入場管理システム、入場管理方法及び入場管理制御プログラム

【課題】簡単な構成で利用者の電子チケットの認証が行われる入場管理システムを提供する。
【解決手段】多重認証ゲート開閉制御手段(管理サーバ10及びコード読取部31,32)により、利用者Mから入場の予約を受けたとき、第1の予約情報及び同第1の予約情報に対応付けた第2の予約情報が生成されて登録されると共に、同第1の予約情報が携帯端末40へ電子メールで送信される。そして、利用者Mが入口E1で携帯端末40の第1の予約情報に対応した表示画面を提示したとき、表示されている情報が読み取られ、登録されている第1の予約情報と照合され、一致する場合にゲート装置21が開放される。さらに、第2の予約情報が携帯端末40へ電子メールで送信され、利用者Mが携帯端末40の第2の予約情報に対応した表示画面を提示したとき、表示されている情報が読み取られ、登録されている第2の予約情報と照合され、一致する場合にゲート装置22が開放される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、入場管理システム、入場管理方法及び入場管理制御プログラムに係り、特に、利用者が入場券(チケット)を予約しておき、電子メールの受信が可能な携帯電話機などの携帯端末を携行して入場するイベント会場などに設けて好適な入場管理システム、入場管理方法及び入場管理制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの携帯端末を用いる電子チケットの実現方法としては、チケット販売業者などから電子メールでチケット相当の情報を送信する方法や、携帯端末に付属のICメモリに対して、専用書込装置などでチケット相当の情報を記録する方法がある。利用者がイベント会場などに入場する際、前者の方法では、目視又は専用読取装置などで電子メールからチケット相当の情報が読み取られ、また、後者の方法では、専用読取装置などでICメモリ内のチケット相当の情報を読み取ることにより確認される。この場合、前者の方法は、インターネットを介して電子メールの仕組みで実現できるため、多くの携帯端末で対応可能であるが、電子メールのコピー又は移動が可能なため、不正使用や不正取引が行われるという問題点があるので、その正当性を確認するためには、端末固有の情報や本人情報を用いる必要があり、構成や処理が煩雑になる。また、後者の方法は、携帯端末に電子チケットに対応するソフトウェアを設け、専用書込手段を用いてICメモリへ記録する必要があり、一般に広く普及させることは困難である。
【0003】
この種の関連技術としては、たとえば、特許文献1に記載された認証システムがある。
この認証システムでは、表示機能付きの携帯電話機のような携帯端末により、予約センタに対して設備や施設の利用予約が行われ、予約センタは、その予約の結果を2次元コードの画像情報に変換して予約者の携帯端末に配信する。予約者は、チケットなどの受取所に着いたとき、予約の結果である2次元コードの画像情報を携帯端末の画面に表示し、その画面を入場ゲートに設置されたチェックイン端末や、発券所に設置された発券端末で読み取らせる。そして、その正当性が確認されたとき、ゲートが開き、あるいは発券が行われる。これにより、チケットなどの予約あるいは施設利用や入室時などにおける個人認証が、簡単かつ正確に行われる。
【0004】
また、特許文献2に記載された入場管理システムでは、ファイル変換サーバにより、各携帯電話機からのチケットの発券要求に応じて端末装置にて作成された2次元コードデータが、同各携帯電話機にて表示可能なファイル形式に変換されて保管され、それらのアドレスが同各携帯電話機へ通知される。各携帯電話機の利用者である顧客は、各アドレスから2次元コードデータを取得し、入場ゲートにて携帯電話機に表示して提示する。入場ゲートに設置されたPOSシステムにより、各携帯電話機に表示された2次元コードデータを読み取ることにより、顧客が正規にチケットの発券を受けた者であるか否かが確認される。これにより、通信網を介して携帯電話機にチケットを発券し、従来の紙ベースの切符なしで入場でき、かつセキュリティに配慮した入場管理システムが提供される。
【0005】
また、特許文献3に記載された認証システムでは、利用者の認証情報としてのアプリナンバーが、中央処理装置から利用者の携帯電話機へ送信される。携帯電話機では、送信されたアプリナンバーをゲート端末装置で読み取り不可能な第1記憶部に記憶しておき、イベント会場に入場する際に、同第1記憶部に記憶されたアプリナンバーをゲート端末装置で読み取り可能な第2記憶部へ書き込み、書き込んだアプリナンバーをゲート端末装置で取得し、取得したアプリナンバーに基づいて利用者に認証を行う。これにより、被認証者を認証するための認証情報が認証前に不正に取得されることが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−149887号公報
【特許文献2】特開2003−006682号公報
【特許文献3】特開2006−215988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記関連技術では、次のような課題があった。
すなわち、特許文献1に記載された認証システムでは、予約の結果が2次元コードの画像情報に変換されて予約者の携帯端末に配信されるが、この予約の結果はコピー又は移動が可能なため、不正使用や不正取引が行われるという問題点は、改善されない。
【0008】
特許文献2に記載された入場管理システムでは、紙ベースの切符なしで入場でき、セキュリティに配慮されているが、2次元コードデータが入場ゲートにて携帯電話機に表示される構成になっているので、コピー又は移動が可能なため、特許文献1と同様に、不正使用や不正取引が行われるという問題点は、改善されない。
【0009】
特許文献3に記載された認証システムでは、認証情報が認証前に不正に取得されることが防止されるが、この発明とは構成が異なる。
【0010】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、比較的簡単な構成で利用者の電子チケットの認証が行われる入場管理システム、入場管理方法及び入場管理制御プログラム
を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、この発明の第1の構成は、入場管理システムに係り、入場の予約が可能な施設の入口に設置されている第1のゲート開閉手段と、前記施設内で、かつ前記第1のゲート開閉手段から利用者の移動経路上の所定の距離内に設置されている第2のゲート開閉手段と、電子メールの受信が可能な携帯端末を保有する前記利用者から入場の予約を受けたとき、第1の予約情報及び該第1の予約情報に対応付けた第2の予約情報を生成して登録すると共に、該第1の予約情報を前記携帯端末へ電子メールで送信する一方、前記利用者が前記施設の入口で前記携帯端末の前記第1の予約情報に対応した表示画面を提示したとき、該表示画面に表示されている情報を読み取って前記登録されている第1の予約情報と照合し、一致する場合に前記第1のゲート開閉手段を開放すると共に、前記第2の予約情報を前記携帯端末へ電子メールで送信し、かつ、前記利用者が前記携帯端末の前記第2の予約情報に対応した表示画面を提示したとき、該表示画面に表示されている情報を読み取って前記登録されている第2の予約情報と照合し、一致する場合に前記第2のゲート開閉手段を開放する多重認証ゲート開閉制御手段とから構成されていることを特徴としている。
【0012】
この発明の第2の構成は、入場管理方法に係り、入場の予約が可能な施設の入口に設置されている第1のゲート開閉手段と、前記施設内で、かつ前記第1のゲート開閉手段から利用者の移動経路上の所定の距離内に設置されている第2のゲート開閉手段と、多重認証ゲート開閉制御手段とで入場管理システムを構成し、該多重認証ゲート開閉制御手段が、電子メールの受信が可能な携帯端末を保有する前記利用者から入場の予約を受けたとき、第1の予約情報及び該第1の予約情報に対応付けた第2の予約情報を生成して登録すると共に、該第1の予約情報を前記利用者の前記携帯端末へ電子メールで送信する一方、前記利用者が前記施設の入口で前記携帯端末の前記第1の予約情報に対応した表示画面を提示したとき、該表示画面に表示されている情報を読み取って前記登録されている第1の予約情報と照合し、一致する場合に前記第1のゲート開閉手段を開放すると共に、前記第2の予約情報を前記携帯端末へ電子メールで送信し、かつ、前記利用者が前記携帯端末の前記第2の予約情報に対応した表示画面を提示したとき、該表示画面に表示されている情報を読み取って前記登録されている第2の予約情報と照合し、一致する場合に前記第2のゲート開閉手段を開放することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
この発明の構成によれば、利用者が施設へ入場する際にチケットとして携帯端末内の電子チケットを用いたとき、チケットの認証を確実に行うことができ、不正行為を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の一実施形態である入場管理システムの要部の構成例及び同入場管理システムが用いられる環境を示す図である。
【図2】図1中のデータベース部12に登録される情報の例を示す図である。
【図3】図1中のデータ変換部14及びコード読取部31の機能を説明する図である。
【図4】図1中の入場管理システムの動作を説明する図である。
【図5】図1中の入場管理システムの各部及び携帯端末の動作を説明するシーケンス図である。
【図6】図1中の入場管理システムの各部及び携帯端末の動作を説明するシーケンス図である。
【図7】図1中の入場管理システムの各部及び携帯端末の動作を説明するシーケンス図である。
【図8】図1中の入場管理システムの各部及び携帯端末の動作を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上記多重認証ゲート開閉制御手段は、上記利用者から上記予約を受けたとき、上記第1の予約情報及び第2の予約情報を生成して登録する予約情報登録手段(データベース部)と、上記第1の予約情報及び第2の予約情報を、電子メールで送信可能かつ上記携帯端末で表示可能な第1のコード及び第2のコードにそれぞれ変換する情報変換手段(データ変換部)と、上記第1のコードを上記利用者の上記携帯端末へ電子メールで送信する第1の電子メール送信手段(メール送信部)と、上記施設の入口に設置され、上記利用者が携行する上記携帯端末の表示画面に表示されている上記第1のコードを光学的に読み取る第1の予約情報読取手段(コード読取部)と、同第1の予約情報読取手段で読み取られた上記第1のコードと上記予約情報登録手段に登録されている上記第1の予約情報とを照合する第1の照合手段(入場管理部)と、同第1の照合手段で上記第1のコードと上記第1の予約情報との照合結果が一致を示すとき、上記第1のゲート開閉手段を開放し、上記利用者が通過後に閉鎖する第1のゲート制御手段(ゲート制御部)と、同第1のゲート制御手段により上記第1のゲート開閉手段が閉鎖された後、上記第2のコードを上記利用者の上記携帯端末へ電子メールで送信する第2の電子メール送信手段(メール送信部)と、上記利用者の移動経路上かつ上記第2のゲート開閉手段の手前に設置され、上記利用者の上記携帯端末の表示画面に表示されている上記第2のコードを光学的に読み取る第2の予約情報読取手段(コード読取部)と、同第2の予約情報読取手段で読み取られた上記第2のコードと上記予約情報登録手段に登録されている上記第2の予約情報とを照合する第2の照合手段(入場管理部)と、上記第2の照合手段で上記第2のコードと上記第2の予約情報との照合結果が一致を示すとき、第2のゲート開閉手段を開放し、上記利用者が通過後に閉鎖する第2のゲート制御手段(ゲート制御部)とから構成されている。
【0016】
また、上記情報変換手段により変換される第1のコード及び第2のコードは、一次元バーコード又は二次元バーコードである。また、上記携帯端末の表示画面に表示されている上記第1及び第2のコードは、一次元バーコード又は二次元バーコードで表される電子チケットである。また、上記多重認証ゲート開閉制御手段は、上記利用者から入場の予約を受けたとき、上記第1の予約情報及び第2の予約情報に対応付けて同利用者の携帯端末の電子メールアドレスを登録する構成とされている。
【実施形態】
【0017】
図1は、この発明の一実施形態である入場管理システムの要部の構成例及び同入場管理システムが用いられる環境を示す図である。
この形態の入場管理システムは、たとえばイベント会場など、入場の予約が可能な施設に設けられるものであり、同図に示すように、管理サーバ10と、ゲート装置21,22と、コード読取部31,32とから構成され、これらが、たとえばインターネットなどの通信ネットワークNWに接続されている。また、通信ネットワークNWには、携帯端末40が無線接続されるようになっている。ゲート装置21は、施設(イベント会場)の入口に設置され、開閉することにより、利用者の入場を制御する。ゲート装置22は、上記施設内で、かつゲート装置21から利用者の移動経路上の所定の距離内に設置され、開閉することにより、利用者の入場を制御する。
【0018】
管理サーバ10は、入場管理制御プログラムに基づいて動作するホストコンピュータやワークステーションなどの情報処理装置であり、入場管理部11と、データベース部12と、メール送信部13と、データ変換部14と、ゲート制御部15とから構成されている。データベース部12は、電子メールの受信が可能な携帯端末40を保有する上記利用者から施設へ入場するための予約を受けたとき、第1の予約情報及び同第1の予約情報に対応付けた第2の予約情報を生成して登録する。また、データベース部12は、利用者から入場の予約を受けたとき、第1の予約情報及び第2の予約情報に対応付けて同利用者の携帯端末40の電子メールアドレスを登録する。
データ変換部14は、上記第1の予約情報及び第2の予約情報を、電子メールで送信可能かつ携帯端末40で表示可能な第1のコード及び第2のコードにそれぞれ変換する。これらのコードは、たとえば二次元バーコードである。メール送信部13は、上記第1のコードを利用者の携帯端末40へ電子メールで送信する。
【0019】
コード読取部31は、施設の入口に設置され、利用者が携行する携帯端末40の表示画面に表示されている上記第1のコードを光学的に読み取る。入場管理部11は、コード読取部31で読み取られた第1のコードとデータベース12に登録されている上記第1の予約情報とを照合する。ゲート制御部15は、入場管理部11で上記第1のコードと上記第1の予約情報との照合結果が一致を示すとき、ゲート装置21を開放し、利用者が通過後に同ゲート装置21を閉鎖する。また、上記メール送信部13は、ゲート制御部15によりゲート装置21が閉鎖された後、上記第2のコードを利用者の携帯端末40へ電子メールで送信する。
【0020】
コード読取部32は、利用者の移動経路上かつゲート装置22の手前に設置され、同利用者の携帯端末40の表示画面に表示されている第2のコードを光学的に読み取る。また、上記入場管理部11は、コード読取部32で読み取られた上記第2のコードとデータベース12に登録されている上記第2の予約情報とを照合する。また、上記ゲート制御部15は、入場管理部11で上記第2のコードと上記第2の予約情報との照合結果が一致を示すとき、ゲート装置22を開放し、利用者が通過後に同ゲート装置22を閉鎖する。また、上記管理サーバ10及びコード読取部31,32により、多重認証ゲート開閉制御手段が構成されている。
【0021】
携帯端末40は、たとえば携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants )などであり、メール受信部41と、メール表示部42とを有している。メール受信部41は、管理サーバ10のメール送信部13から送信された電子メールを、通信ネットワークNWを経て受信する。メール表示部42は、メール受信部41で受信した電子メールを表示する。携帯端末40の表示画面に表示されているコードは、二次元バーコードで表される電子チケットである。
【0022】
図2は、図1中のデータベース部12に登録される情報の例を示す図である。
このデータベース部12では、管理サーバ10が利用者から入場の予約を受けたとき、同図2に示すように、各予約毎に、第1の予約情報として、予約ID(たとえば、“100003423 ”,…)、イベント名(“○○イベント”,…)、日時(“201004021900”,…)、席番(“1F12L38 ”,…)及び予約番号R1(“KEID84F7G2”,…)が登録されている。また、第2の予約情報として、予約番号R2(“D0EK589FYE4 ”,…)が登録されている。また、第1の予約情報及び第2の予約情報に対応付けて同利用者の携帯端末40の利用者メールアドレス(電子メールアドレス)(“abc@ddd.com ”,…)が登録されている。
【0023】
図3は、図1中のデータ変換部14及びコード読取部31の機能を説明する図である。
このデータ変換部14は、同図3に示すように、予約番号R1(“KEID84F7G2”)を、たとえば、一次元バーコードやQRコード(二次元バーコード)などで表される電子チケットに変換する。また、データ変換部14は、予約番号R2も、予約番号R1と同様に、電子チケットに変換する。予約番号R1,R2は、予約データをデータベース部12上で一意に引くことができ、予約内容を類推することができない文字列に設定されている。予約番号R1,R2の生成方法としては、たとえば、予約IDと予約番号通番(1or2)を組み合わせた文字列を、AES(Advanced Encryption Standard)や、Blowfishなどのアルゴリズムで可逆変換する方法がある。電子チケットは、予約番号R1,R2を光学的に読み取り可能としたコードを含む電子メールで構成されている。コード読取部31は、携帯端末40にメール送信されてメール表示部42にイメージで表示されている上記電子チケットを光学的に読み取って予約番号R1に戻す。また、図示しないコード読取部32は、携帯端末40にメール送信されてメール表示部42に表示されている上記電子チケットを光学的に読み取って予約番号R2に戻す。
【0024】
図4は、図1中の入場管理システムの動作を説明する図、図5、図6、図7及び図8が、図1中の入場管理システムの各部及び携帯端末の動作を説明するシーケンス図である。
これらの図を参照して、この形態の入場管理システムに用いられる入場管理方法の処理内容について説明する。
この入場管理システムでは、図4に示すように、ゲート装置21が、施設の入口E1に設置され、また、ゲート装置22が、同施設内で、かつ同ゲート装置21から利用者Mの移動経路上の所定の距離内の入口E2に設置されている。多重認証ゲート開閉制御手段(管理サーバ10及びコード読取部31,32)により、電子メールの受信が可能な携帯端末40を保有する利用者Mから入場の予約を受けたとき、第1の予約情報及び同第1の予約情報に対応付けた第2の予約情報が生成されて登録されると共に、同第1の予約情報が携帯端末40へ電子メールで送信される。そして、利用者Mが施設(イベント会場)の入口E1で携帯端末40の第1の予約情報に対応した表示画面を提示したとき、同表示画面に表示されている情報が読み取られ、上記登録されている第1の予約情報と照合され、一致する場合に第1のゲート開閉手段(ゲート装置21)が開放される。さらに、第2の予約情報が携帯端末40へ電子メールで送信され、かつ、利用者Mが携帯端末40の第2の予約情報に対応した表示画面を提示したとき、同表示画面に表示されている情報が読み取られ、上記登録されている第2の予約情報と照合され、一致する場合に第2のゲート開閉手段(ゲート装置22)が開放される。
【0025】
この場合、多重認証ゲート開閉制御手段では、データベース12により、利用者Mから予約を受けたとき、第1の予約情報及び第2の予約情報が生成されて登録される(予約情報登録処理)。このとき、利用者Mの携帯端末40の電子メールアドレスも登録される。データ変換部14により、第1の予約情報及び第2の予約情報が、電子メールで送信可能かつ携帯端末40で表示可能な第1のコード及び第2のコードにそれぞれ変換される(情報変換処理)。メール送信部13により、第1のコードが利用者Mの携帯端末40へ電子メールで送信される(第1の電子メール送信処理)。コード読取部31により、利用者Mが携行する携帯端末40の表示画面に表示されている第1のコード(電子チケット)が読み取られる(第1の予約情報読取処理)。入場管理部11により、コード読取部31で読み取られた第1のコードとデータベース12に登録されている第1の予約情報とが照合される(第1の照合処理)。
【0026】
入場管理部11で第1のコードと第1の予約情報との照合結果が一致を示すとき、ゲート制御部15により、ゲート装置21が開放され、利用者Mが通過後に同ゲート装置21が閉鎖される(第1のゲート制御処理)。ゲート制御部15によりゲート装置21が閉鎖された後、メール送信部13により、第2のコードが携帯端末40へ電子メールで送信される(第2の電子メール送信処理)。コード読取部32により、携帯端末40の表示画面に表示されている第2のコード(電子チケット)が読み取られる(第2の予約情報読取処理)。入場管理部11により、コード読取部32で読み取られた第2のコードとデータベース12に登録されている第2の予約情報とが照合される(第2の照合処理)。入場管理部11で第2のコードと第2の予約情報との照合結果が一致を示すとき、ゲート制御部15により、ゲート装置22が開放され、利用者Mが通過後に同ゲート装置22が閉鎖される(第2のゲート制御処理)。
【0027】
すなわち、図5に示すように、利用者Mは、管理サーバ10に対して、携帯端末40を用いてチケット予約代理店やインターネット上のチケット予約システムなどを介してチケットの予約を行う他、後で電子チケットを受信して保管するための携帯端末40の電子メールアドレスを登録しておく。この予約後、管理サーバ10では、入場管理部11により、予約番号R1及び予約番号R2が生成されて予約情報のレコードに付加される(ステップA1)。次に、データ変換部14により、予約番号R1から電子チケットT1が生成される(ステップA2)。電子チケットT1は、予約番号R1を、一次元バーコードやQRコードなどの光学的に読み取り可能としたコードを含む電子メール形式のデータである。次に、メール送信部13により、電子チケットT1が利用者Mの携帯端末40にメール送信される(ステップA3)。携帯端末40では、メール受信部41で電子チケットT1が受信される(ステップA4)。以上で、予約時処理が終了する。
【0028】
次に、入口E1にて、利用者Mは、携帯端末40のメール表示部42により電子チケットT1を表示させておき、図6に示すように、入口E1のコード読取部31にかざす(ステップB1)。コード読取部31では、電子チケットT1から予約番号R1が光学的に読み取られ(ステップB2)、入場管理部11でデータベース部12の予約番号R1を含む予約情報のレコードの内容と照会して認証が行われ(ステップB3)、認証されなければ、利用者Mを入場NGとし、認証されれば、ゲート制御部15によりゲート装置21に開放指示される(ステップB4)。ゲート装置21では、開放指示を受けたとき、ゲートを開放し(ステップB5)、利用者Mが入口E1を通過後に(ステップB6)ゲートを閉鎖する(ステップB7)。この後、利用者Mは、入口E1から入口E2へ移動中の状態となる。
【0029】
利用者Mが移動している間、図7に示すように、管理サーバ10では、データ変換部14で予約番号R2から電子チケットT2を生成する(ステップC1)。電子チケットT2は、電子チケットT1と同様に、予約番号R2を、一次元バーコードやQRコードなどの光学的に読み取り可能としたコードを含む電子メール形式のデータである。次に、メール送信部13により、電子チケットT2が利用者Mの携帯端末40にメール送信される(ステップC2)。携帯端末40では、メール受信部41で電子チケットT2が受信される(ステップC3)。この後、利用者Mは、入口E2へ入場時の状態となる。
【0030】
入口E2にて、利用者Mは、携帯端末40のメール表示部42により電子チケットT2を表示させておき、図8に示すように、入口E2のコード読取部32にかざす(ステップD1)。コード読取部32では、電子チケットT2から予約番号R2が光学的に読み取られ(ステップD2)、入場管理部11でデータベース部12の予約番号R2を含む予約情報のレコードの内容と照会して認証が行われ(ステップD3)、認証されなければ、利用者Mを入場NGとし、認証されれば、ゲート制御部15によりゲート装置22に開放指示される(ステップD4)。ゲート装置22では、開放指示を受けたとき、ゲートを開放し(ステップD5)、利用者Mが入口E2を通過後に(ステップD6)ゲートを閉鎖する(ステップD7)。これで、入場時の処理が終了する。
【0031】
以上のように、この実施形態では、2つの入口E1,E2が縦続的に設置され、1つ目の入口E1で1つ目の電子チケットT1が確認されて利用者Mが入場した後、2つ目の電子チケットT2が電子メールで送信され、直ちに2つ目の入口E2の手前で同電子チケットT2の確認が行われるので、電子メールのコピーや移動を行うための時間的余裕はなく、また、2つの入口E1,E2間という閉ざされた空間内で電子メールのコピーや移動を行う場所はないので、不正行為が防止される。また、利用者Mの正当性認証についても、携帯端末40の電子メールアドレスを使用するのみで、同携帯端末40の他の固有情報や本人情報が使用されないので、プライバシー面や情報保護面においても優れている。
【0032】
以上、この発明の実施形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
たとえば、利用者Mがチケット予約代理店にチケットの予約を行う場合、携帯端末40を用いずに、固定電話を用いても良く、この場合、携帯端末40の電子メールアドレスを知らせる。また、データ変換部14で変換されるコードは、一次元バーコードやQRコード(二次元バーコードに限定されず、たとえばOCRコードなど、コード読取部31,32で読み取り可能なものであれば良い。
【0033】
また、図1では、ゲート装置21,22及びコード読取部31,32は、通信ネットワークNWを介して管理サーバ10に接続されているが、管理サーバ10が施設の内部に設置されている場合には、たとえば、有線LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)や無線LANなどを介して接続しても良い。また、ゲート装置21,22及びコード読取部31,32が通信ネットワークNWを介して管理サーバ10に接続されている場合、同管理サーバ10は、施設の外部に設置されていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0034】
この発明は、利用者が入場券を予約しておき、後で入場するイベント会場などに設けられる入場管理システム全般に適用できる。
【符号の説明】
【0035】
10 管理サーバ(多重認証ゲート開閉制御手段の一部)
11 入場管理部(第1の照合手段、第2の照合手段)
12 データベース部(予約情報登録手段)
13 メール送信部(第1の電子メール送信手段、第2の電子メール送信手段)
14 データ変換部(情報変換手段)
15 ゲート制御部(第1のゲート制御手段、第2のゲート制御手段)
21,22 ゲート装置(ゲート開閉手段)
31,32 コード読取部(多重認証ゲート開閉制御手段の一部、予約情報読取手段)
40 携帯端末
41 メール受信部(携帯端末の一部)
42 メール表示部(携帯端末の一部)
NW 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入場の予約が可能な施設の入口に設置されている第1のゲート開閉手段と、
前記施設内で、かつ前記第1のゲート開閉手段から利用者の移動経路上の所定の距離内に設置されている第2のゲート開閉手段と、
電子メールの受信が可能な携帯端末を保有する前記利用者から入場の予約を受けたとき、第1の予約情報及び該第1の予約情報に対応付けた第2の予約情報を生成して登録すると共に、該第1の予約情報を前記携帯端末へ電子メールで送信する一方、前記利用者が前記施設の入口で前記携帯端末の前記第1の予約情報に対応した表示画面を提示したとき、該表示画面に表示されている情報を読み取って前記登録されている第1の予約情報と照合し、一致する場合に前記第1のゲート開閉手段を開放すると共に、前記第2の予約情報を前記携帯端末へ電子メールで送信し、かつ、前記利用者が前記携帯端末の前記第2の予約情報に対応した表示画面を提示したとき、該表示画面に表示されている情報を読み取って前記登録されている第2の予約情報と照合し、一致する場合に前記第2のゲート開閉手段を開放する多重認証ゲート開閉制御手段とから構成されていることを特徴とする入場管理システム。
【請求項2】
前記多重認証ゲート開閉制御手段は、
前記利用者から前記予約を受けたとき、前記第1の予約情報及び第2の予約情報を生成して登録する予約情報登録手段と、
前記第1の予約情報及び第2の予約情報を、電子メールで送信可能かつ前記携帯端末で表示可能な第1のコード及び第2のコードにそれぞれ変換する情報変換手段と、
前記第1のコードを前記利用者の前記携帯端末へ電子メールで送信する第1の電子メール送信手段と、
前記施設の入口に設置され、前記利用者が携行する前記携帯端末の表示画面に表示されている前記第1のコードを光学的に読み取る第1の予約情報読取手段と、
該第1の予約情報読取手段で読み取られた前記第1のコードと前記予約情報登録手段に登録されている前記第1の予約情報とを照合する第1の照合手段と、
該第1の照合手段で前記第1のコードと前記第1の予約情報との照合結果が一致を示すとき、前記第1のゲート開閉手段を開放し、前記利用者が通過後に閉鎖する第1のゲート制御手段と、
該第1のゲート制御手段により前記第1のゲート開閉手段が閉鎖された後、前記第2のコードを前記利用者の前記携帯端末へ電子メールで送信する第2の電子メール送信手段と、
前記利用者の移動経路上かつ前記第2のゲート開閉手段の手前に設置され、前記利用者の前記携帯端末の表示画面に表示されている前記第2のコードを光学的に読み取る第2の予約情報読取手段と、
該第2の予約情報読取手段で読み取られた前記第2のコードと前記予約情報登録手段に登録されている前記第2の予約情報とを照合する第2の照合手段と、
前記第2の照合手段で前記第2のコードと前記第2の予約情報との照合結果が一致を示すとき、第2のゲート開閉手段を開放し、前記利用者が通過後に閉鎖する第2のゲート制御手段とから構成されていることを特徴とする請求項1記載の入場管理システム。
【請求項3】
前記情報変換手段により変換される前記第1のコード及び第2のコードは、
一次元バーコード又は二次元バーコードであることを特徴とする請求項2記載の入場管理システム。
【請求項4】
前記携帯端末の表示画面に表示されている前記第1及び第2のコードは、
一次元バーコード又は二次元バーコードで表される電子チケットであることを特徴とする請求項3記載の入場管理システム。
【請求項5】
前記多重認証ゲート開閉制御手段は、
前記利用者から入場の予約を受けたとき、前記第1の予約情報及び第2の予約情報に対応付けて該利用者の携帯端末の電子メールアドレスを登録する構成とされていることを特徴とする請求項1、2、3及び4記載の入場管理システム。
【請求項6】
入場の予約が可能な施設の入口に設置されている第1のゲート開閉手段と、
前記施設内で、かつ前記第1のゲート開閉手段から利用者の移動経路上の所定の距離内に設置されている第2のゲート開閉手段と、
多重認証ゲート開閉制御手段とで入場管理システムを構成し、
該多重認証ゲート開閉制御手段が、電子メールの受信が可能な携帯端末を保有する前記利用者から入場の予約を受けたとき、第1の予約情報及び該第1の予約情報に対応付けた第2の予約情報を生成して登録すると共に、該第1の予約情報を前記利用者の前記携帯端末へ電子メールで送信する一方、前記利用者が前記施設の入口で前記携帯端末の前記第1の予約情報に対応した表示画面を提示したとき、該表示画面に表示されている情報を読み取って前記登録されている第1の予約情報と照合し、一致する場合に前記第1のゲート開閉手段を開放すると共に、前記第2の予約情報を前記携帯端末へ電子メールで送信し、かつ、前記利用者が前記携帯端末の前記第2の予約情報に対応した表示画面を提示したとき、該表示画面に表示されている情報を読み取って前記登録されている第2の予約情報と照合し、一致する場合に前記第2のゲート開閉手段を開放することを特徴とする入場管理方法。
【請求項7】
前記多重認証ゲート開閉制御手段では、
予約情報登録手段が、前記利用者から前記予約を受けたとき、前記第1の予約情報及び第2の予約情報を生成して登録する予約情報登録処理と、
情報変換手段が、前記第1の予約情報及び第2の予約情報を、電子メールで送信可能かつ前記携帯端末で表示可能な第1のコード及び第2のコードにそれぞれ変換する情報変換処理と、
第1の電子メール送信手段が、前記第1のコードを前記利用者の前記携帯端末へ電子メールで送信する第1の電子メール送信処理と、
前記施設の入口に設置された第1の予約情報読取手段が、前記利用者が携行する前記携帯端末の表示画面に表示されている前記第1のコードを光学的に読み取る第1の予約情報読取処理と、
第1の照合手段が、前記第1の予約情報読取手段で読み取られた前記第1のコードと前記予約情報登録手段に登録されている前記第1の予約情報とを照合する第1の照合処理と、
第1のゲート制御手段が、前記第1の照合手段で前記第1のコードと前記第1の予約情報との照合結果が一致を示すとき、前記第1のゲート開閉手段を開放し、前記利用者が通過後に閉鎖する第1のゲート制御処理と、
第2の電子メール送信手段が、前記第1のゲート制御手段により前記第1のゲート開閉手段が閉鎖された後、前記第2のコードを前記利用者の前記携帯端末へ電子メールで送信する第2の電子メール送信処理と、
前記利用者の移動経路上かつ前記第2のゲート開閉手段の手前に設置された第2の予約情報読取手段が、前記利用者の前記携帯端末の表示画面に表示されている前記第2のコードを光学的に読み取る第2の予約情報読取処理と、
第2の照合手段が、前記第2の予約情報読取手段で読み取られた前記第2のコードと前記予約情報登録手段に登録されている前記第2の予約情報とを照合する第2の照合処理と、
第2のゲート制御手段が、前記第2の照合手段で前記第2のコードと前記第2の予約情報との照合結果が一致を示すとき、第2のゲート開閉手段を開放し、前記利用者が通過後に閉鎖する第2のゲート制御処理とを行うことを特徴とする請求項6記載の入場管理方法。
【請求項8】
前記情報変換手段により変換される前記第1のコード及び第2のコードは、
一次元バーコード又は二次元バーコードであることを特徴とする請求項7記載の入場管理方法。
【請求項9】
前記携帯端末の表示画面に表示する前記第1及び第2のコードは、
一次元バーコード又は二次元バーコードで表される電子チケットであることを特徴とする請求項8記載の入場管理方法。
【請求項10】
前記多重認証ゲート開閉制御手段が、前記利用者から入場の予約を受けたとき、前記第1の予約情報及び第2の予約情報に対応付けて該利用者の携帯端末の電子メールアドレスを登録する構成とされていることを特徴とする請求項6、7、8及び9記載の入場管理方法。
【請求項11】
コンピュータを請求項1乃至5のいずれか一に記載の多重認証ゲート開閉制御手段として機能させるためのコンピュータ読み取り可能な入場管理制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−76520(P2011−76520A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229475(P2009−229475)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】