説明

入浴剤

【課題】 トレハロースに高齢臭の原因物質(高齢臭アルデヒド)の生成を抑える性質があることに注目し、そのトレハロースと緑茶抽出エキスを混合することで体臭消失効果が相乗的に向上する入浴剤を開発するに至ったものである。
【解決手段】 浴用主成分1と、浴用補助成分2と、トレハロース3と緑茶から抽出した緑茶抽出エキス4とを配合したものであり、緑茶抽出エキスの配合率を1.0〜5.0%、トレハロースの配合率を0・01〜15%とし、緑茶抽出エキスとして、緑茶乾留抽出エキス41と、緑茶有機溶剤抽出エキス42と、緑茶水抽出エキス43と、緑茶熱水抽出エキス44の少なくとも一つを配合することで体臭消失効果を有していることを特徴とする入浴剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、従来の入浴剤よりも体臭消失効果に優れた入浴剤に関するもので、特に緑茶抽出エキスにトレハロースを添加することで、従来より体臭消失効果に優れ、しかも保湿効果をも期待できる入浴剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
入浴剤において、緑茶から抽出した緑茶乾燥エキスを混入すると体臭消失効果があることは、出願人等が先に発明した特許第2535630号(以下、特許文献1とする)により明らかになっている。
特許文献1には、人体から発する悪臭の防止対策として下記の手段を記載している。
(A)腐敗対象となる有機物の生成を抑制することにより悪臭の発生を防止する。
(B)微生物を殺菌または増殖を抑制することにより悪臭の発生自体を抑える。
(C)発生した悪臭を活性炭、シリカゲル等で吸着する。
(D)発生した悪臭を酸化、中和等の化学反応で分解する。
(E)発生した悪臭を第三物質で包接して消臭する。
(F)発生する悪臭よりも強力な芳香を発する物質の芳香で悪臭をマスキングする。
また、同文献には、皮膚からの汗の発生を抑制する収れん剤と、ツバキ科植物乾留分を併用する粉末を、足や腋等の臭気を発生する人体の各部にスプレー等で直接付着させることで体臭消臭効果が相乗的に発揮するものとして特開昭60−233009号公報を記載している。
【0003】
一方、トレハロースに保湿効果があり、これを入浴剤に混入することは、特許第3431939号(以下、特許文献2とする)によって明らかになっている。
しかし、トレハロースを配合した入浴剤は、肌のしっとり感には優れているものの、配合量を多くすると、お湯に粘調性が生じたり、また特有の甘み感が発生したり等、入浴時の使用感としては問題があった。また、逆に配合量を減らすと、入浴時及び入浴後の温浴感やしっとり感等において充分満足できるものではなかった。
トレハロースは、なめこに23%、椎茸や酵母に12%含量している天然糖質(非還元性の糖質)であり、性状は白色の結晶粉末、pHは5.5〜6.5(30%水溶液)であること、また、機能特性として、1=澱粉老化防止、2=蛋白質変性防止、3=脂質の変敗抑制、4=矯味・矯臭作用、5=魚臭生成抑制、6=白米の米糠臭発生抑制、7=組織の安定化・鮮度保持効果、8=SOD様活性の安定化、9=低う蝕性10=エネルギー補給の特性を有することが知られている
【0004】
【特許文献1】特許第2535630号公報
【特許文献2】特許第3431939号公報
【特許文献3】特開昭60−233009号公報
【特許文献4】特公平3―62690号公報
【特許文献5】特公平3―62691号公報
【特許文献6】特公平3―62692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
緑茶乾燥エキスにはフラボノイドが含有していることが知られている。
入浴剤にトレハロースを混入することは公知であるが、その目的は、保湿効果(温浴感やしっとり感)を向上することに過ぎなかった。
出願人は、先に発明した特許文献1の効果(体臭消失効果)を更に高められないものかと独自に研究を進めていた所、株式会社林原生物化学研究所(岡山市北区下石井1丁目2−3)において、トレハロースに中高年特有の体臭の発生を抑える効果、即ち、高齢臭の原因物質(高齢臭アルデヒド)の生成を抑える性質があることが発表されていることに注目し、そのトレハロースを混合することによって体臭消失効果が相乗的に向上することを突き止め、本発明の入浴剤を開発するに至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者らは、緑茶の乾留抽出物(緑茶乾留抽出エキス)に特段の体臭消失効果があることを見出し、その緑茶乾留抽出エキスを用いた入浴剤を発明(特許文献1)するに至ったものである。その後、更に体臭消失効果の向上を目指して開発を進めた結果、本願の入浴剤を発明するに至ったものであり、その特徴は、請求項1の通り、浴用主成分と浴用補助成分とトレハロースと緑茶から抽出した緑茶抽出エキスとを配合し、体臭消失効果を有していること。
請求項2の通り、請求項1の入浴剤において、緑茶抽出エキスの配合範囲は1.0〜5.0%であること。
請求項3の通り、請求項1,2の入浴剤において、トレハロースの配合範囲は0.01〜15%、望ましい範囲は0.1〜14.0%であること。
【0007】
ここで入浴剤とは、無機塩類系、炭酸ガス系、薬用植物(生薬)系、酵素系の入浴剤を言い、入浴剤の形態として、粉状、顆粒状、錠剤(固形)状、或は液状が知られているが、取扱いやすさから粉状の入浴剤が好ましい。
ここで入浴剤の浴用主成分とは、無機塩タイプ、無機塩+有機酸タイプ、無機塩+酵素タイプ、無機塩+白濁剤タイプ、無機塩+有機酸+生薬エキスタイプ、無機塩+有機酸+白濁剤タイプを言い、浴用補助成分とは、湿潤剤、溶剤、分散剤、助剤、着色剤、香料等を言う。
ここで「緑茶」とは、茶葉の若芽を蒸気で蒸し、酸化酵素の働きを失わせ、緑色を保たせた茶で、醗酵させない茶を言い、緑茶抽出エキスとは、緑茶を各種の手段で抽出したエキスを言う。
緑茶抽出エキスの混入率を1.0〜5.0重量%とした理由は、1.0重量%未満で使用することも可能であるが、1.0重量%未満にすると体臭消失効果が少なくなること、また、5.0%を超えて使用することも可能であるが、5.0%を超えると緑茶の乾留留出物は高価であること、及び5.0%を超えて使用しても消失効果が飽和に達することにある。
【0008】
ここで「トレハロース」とは、3種類の異性体(α、α体、α、β体、β、β体)があり、通常α、α体が使用されるが、これに限定されるものではない。また、トレハロースの粉末は、通常トレハロース1モルに対し結晶水を2モル持つが、本発明で用いるトレハロースは前記水和物でも無水でもよい。即ち、水に対して溶解性が高いので、特に粉末でも問題にはならないが、さらに溶解性をあげるために、好ましくは、粉砕によって10μ―100μの微粉にするとよい。本発明では、株式会社林原が開発したものを用いる。
更に、トレハロースの混入率を0.01〜15重量%とした理由は、本発明の目的が体臭消失効果を更に高めることにあり、緑茶抽出エキスの混入率等との関係から導き出されたものである。更には、トレハロースの保湿効果を活用しながら、体臭消失効果を更に高め得る範囲であり、0・01重量%未満では、トレハロースによる肌のしっとり感やなめらか感の効果が顕著に得られないし、15重量%以上では、肌のべとつき感が現われる為である。
【0009】
請求項4の通り、請求項1,2,3の入浴剤において、緑茶抽出エキスが、緑茶乾留抽出エキスと、緑茶有機溶剤抽出エキスと、緑茶水抽出エキスと緑茶熱水抽出エキスの少なくとも一つであることを特徴とする。
請求項5の通り、請求項1,2,3,4の入浴剤において、浴用主成分に有機酸と炭酸塩とを用い、炭酸ガス系としたことを特徴とする。
請求項6の通り、請求項1,2,3,4,5の入浴剤において、浴用補助成分として、湿潤剤、溶剤、分散剤、助剤、着色剤、香料の内、少なくとも一つ以上を配合していることを特徴とする。
【0010】
ここで緑茶乾留抽出エキスとは、緑茶を乾留、好ましくは減圧下で乾留して得られる乾留ガスを冷却して得られる乾留出物液であり、減圧乾留する場合の乾留圧力、乾留温度等は、特許文献1と同様であるから説明を省略する。
ここで緑茶有機溶剤抽出エキスとは、例えばメチルアルコール(メタノール)、エチルアルコール(エタノール)、ブタノール、イソプロピルアルコール、低級アルコール類のベンゼン、アセトン、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、n−ヘキサン、四塩化炭素などで抽出したものを言う。
ここで緑茶熱水抽出エキスとは、緑茶を熱水で加熱抽出したエキスを言い、緑茶水抽出エキスとは、水を溶媒として抽出されうる緑茶のエキスを言い、水よりなる溶媒としては、水単独溶媒、水とアルコール(エタノール)との混合溶媒が好適なものとして例示され、通常pH5以上、好ましくはpH5.5〜13程度である。
これらの緑茶抽出エキスは、単独で用いることも可能であるし、任意の割合で組み合せて(混合)し、混合緑茶抽出エキスとしても用いることが可能である。また、緑茶抽出エキスを、例えば遠心分離、濾過、圧搾その他の固液分離手段によって、残留物を除去し、これを必要に応じてそのまま、或いは減圧下に濃縮後、減圧乾燥、凍結乾燥等することも可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明による入浴剤は上記のとおりであるから、次に記載する効果を奏する。
請求項1乃至3の入浴剤は、浴湯中の緑茶抽出エキスとトレハロースの濃度は希薄であるにもかかわらず体臭消失効果が得られるのは、入浴により汗及び悪臭物質が皮膚の表面及び毛穴から洗い落されるため、少なくとも緑茶抽出エキス成分とトレハロースが汗及び悪臭物質がたまりやすい毛穴に入り込み、風呂から出たとき皮膚の表面及び拡がった毛穴にエキス成分とトレハロースが残り体臭消臭効果が持続するものと考えられる。
本発明が使用する緑茶抽出エキスは飲用すらできる自然物であるから、肌を痛めるおそれはまったくないだけでなく、入浴しながらお茶のほのかな香りを楽しめる。また、トレハロースは保湿成分として用いられていることから、肌を痛めるおそれはまったく、保湿効果(肌のしっとり感、滑らか感)の向上に貢献する。
特に、緑茶抽出エキス(1.0〜5.0%)にトレハロース(0.01〜15%)を配合することにより、体臭消失効果が相乗的
に向上する。即ち、緑茶抽出エキスとトレハロースの作用で大きな消臭失効果が得られる。また、入浴時及び入浴後のより優れたしっとり感と温浴感を得ることができるばかりか、お湯に粘調性が生じたりする等、優れた使用感を得ることができる。
【0012】
請求項4の入浴剤は、請求項1,2,3記載の特徴に加えて、緑茶乾留抽出エキスと、緑茶有機溶剤抽出エキスと、緑茶水抽出エキスと、緑茶熱水抽出エキスとを選択的にトレハロースと共用することで、僅かに効果(成分)の異なる入浴剤を提供し得る。また、緑茶乾留抽出エキスと、緑茶有機溶剤抽出エキスと、緑茶水抽出エキスと、緑茶熱水抽出エキスとを組み合せて用いることで、微細に効果(成分)の異なる入浴剤も提供し得る。
請求項5の入浴剤は、請求項1,2,3,4記載の特徴に加えて、体臭消失効果を有しながら、発泡による身体の刺激効果も得られる。
請求項6の入浴剤は、請求項1,2,3,4,5記載の特徴に加えて、従来入浴剤と略同等の疲労回復や皮膚の新陳代謝等の温浴効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係わる入浴剤の成分形態を示すブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明による入浴剤の第一実施形態を説明すれば、浴用主成分1と浴用補助成分2とトレハロース3と緑茶から抽出した緑茶抽出エキス4とを配合したものである。
具体的には、浴用主成分1として炭酸水素ナトリウム、無水硫酸ナトリウム、トウキエキス酸を、浴用補助成分2として湿潤剤、溶剤、分散剤、助剤、香料、着色剤を用いた。
トレハロース3として、製造者=株式会社林原(岡山市北区下石井1丁目2−3)、販売者=株式会社林原商事(岡山市北区下石井1丁目2−3)の高純度含水結晶トレハロース=商品名「トレハ」を用い、緑茶抽出エキス4として特許文献1で効果のあった緑茶乾留抽出エキス41を用いた。
【0015】
実験例1(第一実施形態の入浴剤の評価)
対照品=緑茶乾留抽出エキス41を1・0重量%混入した入浴剤(特許文献1)。
試料品=対照品にトレハロース3を混入した場合の混入率について評価する。
【表1】

【0016】
実験条件
通常、浴槽容積は200〜300リットル、1回あたりの入浴剤使用重量は20〜30gであることから、以下の実験例では、浴槽容積を250リットル、一回分の使用重量を25gとした。
試料品1〜5と対照品の官能試験をパネラーによって行った。
パネラー=出願人の企業に勤務する社員25名
(官能試験日の前2ケ月間に健康を害したことのない者を選んで実施した)
パネラー25名の性別と年代
【表2】


浴槽に41゜C、250リットルのサラ湯を入れ、そのサラ湯に対照品と試料品1を一日おきに投入してかき混ぜ、3分間入浴する。
即ち、試料品1と対照品の湯に交互に連続して10日間入浴し、その都度、官能評価(入浴後の体臭消失効果、肌のしっとり感、なめらか感)を行った。試料品2〜6についても試料品1と同様に行った。
【0017】
官能評価は、体臭消失効果としっとり感、及びなめらか感について各々下記の5段階で実施した。
2=良好、1=やや良い、0=普通、−1=やや悪い、−2=悪い
各パネラーに官能評価表を試料品1〜6毎に与え、入浴の都度、官能評価表に記入して貰った。1試料品の試験に10日間を要するので、全試料品の試験に60日間を要した。
その結果を試料品1〜6毎に、且つ男女別に集計し、表1〜表6に表した。また、試料品1〜6の集計を表7にまとめて示した。
【0018】
【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【0019】
試験の結果
入浴剤中に緑茶乾留抽出エキス41とトレハロース3を混ぜることで、緑茶乾留抽出エキス41を単独で含有した特許文献1の入浴剤より体臭消失効果が相乗的に向上することが認められた。また、しっとり感やなめらか感も向上することが認められた。即ち、本発明の入浴剤は対照品と比べて、体臭消失効果が相乗的に向上すると共に、しっとり感を持ち、入浴時及び入浴後の温浴感、使用感に優れていることが判明した。
また、トレハロース3の配合量が15.0重量%を越えると、お湯に粘調性が生じたり、特有の甘み感が発生し、使用感としては好ましくなくなる。逆に配合量を0.01重量%以下にすると効果が現われにくくなることが判明した。
【0020】
本発明による入浴剤の第二実施形態を、第一実施形態と相違する点について説明すれば、第二実施形態の入浴剤は、トレハロース3と共に用いる緑茶抽出エキス4として緑茶有機溶剤抽出エキス42を用いた点にあり、この緑茶有機溶剤抽出エキス42として具体的にはアルコール(エタノール)抽出エキス42Aを用いた。
アルコール抽出エキス42Aは、30%以上のエタノールを含有した水溶液で抽出するエキス42Aであるが、好ましくは30%〜50%のエタノールを含有した水溶液で抽出するエキス42Aである。例えば緑茶50gに対して40%アルコール1リットルを加え、環流冷却管を附した抽出器に入れ、約75℃に加熱して10時間抽出し、その抽出液をろ過し、ろ過後の抽出液を500ミリリットルまで減圧濃縮して得る。
【0021】
本発明による入浴剤の第三実施形態を、第一第二実施形態と相違する点について説明すれば、第三実施形態の入浴剤は、トレハロース3と共に用いる緑茶抽出エキス4として緑茶水抽出エキス43を用いた点にある。
この緑茶水抽出エキス43は、例えば緑茶50gに対して水1リットルを加え、暗所に10〜36時間ばかり放置し、その間に緑茶から抽出したエキス43、即ち、水に可溶な緑茶エキス43(水抽出)である。
尚、緑茶水抽出エキス43を凍結乾燥し、水を除くことで、濃厚な緑茶水抽出エキス43Aを得ることができる。
【0022】
本発明による入浴剤の第四実施形態を、第一乃至第三実施形態と相違する点について説明すれば、第四実施形態の入浴剤は、トレハロース3と共に用いる緑茶抽出エキス4として緑茶熱水抽出エキス44を用いた点にある。
この緑茶熱水抽出エキス44は、緑茶に対し、重量で5〜30倍量の水を加え、80〜100℃、5〜120分間、好ましくは20〜40分間加熱抽出し、熱時濾過して得ることも可能であるし、緑茶50gに対して脱イオン水1リットルを加え、環流冷却管を附した抽出器に入れ、約90℃に加熱して10時間抽出する。
次いでその抽出液をろ過し、ろ過後の抽出液を500ミリリットルまで減圧濃縮し、熱水抽出エキス43を得ることも可能である。
また、熱時濾過した濾液を減圧濃縮後、スプレードライすることも可能である。
【0023】
本発明による入浴剤の第五実施形態を、第一乃至第四実施形態と相違する点について説明すれば、第五実施形態の入浴剤は、トレハロース3と共に用いる緑茶抽出エキス4として、第一実施形態で用いた緑茶乾留抽出エキス41と、第二実施形態で用いた緑茶有機溶剤抽出エキス42(アルコール抽出エキス42A)を用いた点にある。
緑茶乾留抽出エキス41と緑茶有機溶剤抽出エキス42の混合割合は自由である。
【0024】
本発明による入浴剤の第六実施形態を、第一乃至第五実施形態と相違する点について説明すれば、第六実施形態の入浴剤は、トレハロース3と共に用いる緑茶抽出エキス4として、第一実施形態で用いた緑茶乾留抽出エキス41と、第三実施形態で用いた緑茶水抽出エキス43を用いた点にある。
緑茶乾留抽出エキス41と緑茶水抽出エキス43の混合割合は自由である。
【0025】
本発明による入浴剤の第七実施形態を、第一乃至第六実施形態と相違する点について説明すれば、第七実施形態の入浴剤は、トレハロース3と共に用いる緑茶抽出エキス4として、第一実施形態で用いた緑茶乾留抽出エキス41と、第四実施形態で用いた緑茶熱水抽出エキス44を用いた点にある。
緑茶乾留抽出エキス41と緑茶熱水抽出エキス44の混合割合は自由である。
【0026】
本発明による入浴剤の第八実施形態を、第一乃至第七実施形態と相違する点について説明すれば、第八実施形態の入浴剤は、トレハロース3と共に用いる緑茶抽出エキス4として、第二実施形態で用いた緑茶有機溶剤抽出エキス42(アルコール抽出エキス42A)と、第三実施形態で用いた緑茶水抽出エキス43を用いた点にある。
緑茶有機溶剤抽出エキス42(アルコール抽出エキス42A)と緑茶水抽出エキス43の混合割合は自由である。
【0027】
本発明による入浴剤の第九実施形態を、第一乃至第八実施形態と相違する点について説明すれば、第九実施形態の入浴剤は、トレハロース3と共に用いる緑茶抽出エキス4として、第二実施形態で用いた緑茶有機溶剤抽出エキス42(アルコール抽出エキス42A)と、第四実施形態で用いた緑茶熱水抽出エキス44を用いた点にある。
緑茶有機溶剤抽出エキス42(アルコール抽出エキス42A)と緑茶熱水抽出エキス44の混合割合は自由である。
【0028】
本発明による入浴剤の第十実施形態を、第一乃至第九実施形態と相違する点について説明すれば、第十実施形態の入浴剤は、トレハロース3と共に用いる緑茶抽出エキス4として、第三実施形態で用いた緑茶水抽出エキス43と、第四実施形態で用いた緑茶熱水抽出エキス44を用いた点にある。
緑茶水抽出エキス43と緑茶熱水抽出エキス44の混合割合は自由である。
【0029】
本発明による入浴剤の第十一実施形態を、第一乃至第十実施形態と相違する点について説明すれば、第十一実施形態の入浴剤は、浴用主成分1に有機酸と炭酸塩とを用い、発泡タイプとしたことにある。
この場合、例えば、有機酸10〜30重量%に対して炭酸塩を20〜40重量%の割合とする。
【産業上の利用可能性】
【0030】
実施形態では、レハロース3として、α,α−トレハロース(1−O−α−D−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノシド)を用いたが、実施形態に限定されるものではなく、他のトレハロースも使用できるものと考えられる。
トレハロース3を入浴剤に用いる場合、配合量が5重量%を越えると、しっとり感はある程度良いものの、お湯に粘調性が生じたり、特有の甘み感が発生したりと使用感としては好ましくないと言われているが、本発明において、トレハロース3を10重量%配合しても、上記の如く問題はなかった。その理由とした、緑茶抽出エキスにより上記問題点を発生する恐れがなくなったものと思われる。
【0031】
緑茶有機溶剤抽出エキス42(アルコール抽出エキス42A)と緑茶水抽出エキス43と緑茶熱水抽出エキス44の抽出手段は、実施形態に限定されるものではなく、公知の抽出手段を用いることも可能である。
また、緑茶抽出エキス4の緑茶乾留抽出エキス41と緑茶有機溶剤抽出エキス42と緑茶水抽出エキス43と緑茶熱水抽出エキス44は、第一乃至第四実施形態の如く単独で用いるもの、第五乃至第十実施形態の如く複合して用いるものに限定されず、更に、三種類の緑茶抽出エキス4を組み合わせて用いることも可能であるし、四種類の緑茶抽出エキス4を総て用いることも可能である。
【0032】
本発明の入浴剤は粉末として記載したが、粉末以外の顆粒、固体、ゲル、ゾル、液体、泡、エアゾール、スプレータイプとすることも可能である。
本発明の浴用剤は、200リットルの36〜45℃の浴湯に対し20〜80g、より好ましくは30〜70g、更に好ましくは40〜60gを溶かして用いるのが望ましい。また、一回の入浴時間を7〜45分とし、一日に1回程度入浴し、毎日続けて1週間以上適用するのが好ましい。
【符号の説明】
【0033】
1 浴用主成分
2 浴用補助成分
3 トレハロース
4 緑茶抽出エキス
41 乾留抽出エキス、42 有機溶媒抽出エキス
43 水抽出エキス、44 熱水抽出エキス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴用主成分(1)と浴用補助成分(2)とトレハロース(3)と緑茶から抽出した緑茶抽出エキス(4)とを配合し、体臭消失効果を有していることを特徴とする入浴剤。
【請求項2】
請求項1の入浴剤において、緑茶抽出エキス(4)の配合率が1.0〜5.0重量%の範囲であることを特徴とする入浴剤。
【請求項3】
請求項1,2の入浴剤において、トレハロース(3)の配合率が0・01〜15重量%の範囲であることを特徴とする入浴剤。
【請求項4】
請求項1,2,3の入浴剤において、緑茶抽出エキス(4)が、緑茶乾留抽出エキス(41)と、緑茶有機溶剤抽出エキス(42)と、緑茶水抽出エキス(43)と緑茶熱水抽出エキス(44)の少なくとも一つであることを特徴とする入浴剤。
【請求項5】
請求項1,2,3,4載の入浴剤において、浴用主成分(1)に有機酸と炭酸塩とを用い、炭酸ガス系としたことを特徴とする入浴剤。
【請求項6】
請求項1,2,3,4,5の入浴剤において、浴用補助成分(2)として、湿潤剤、溶剤、分散剤、助剤、着色剤、香料の内、少なくとも一つ以上を配合していることを特徴とする入浴剤。

【図1】
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【公開番号】特開2011−173797(P2011−173797A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36860(P2010−36860)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(592008756)五洲薬品株式会社 (19)
【Fターム(参考)】