説明

共役ジエン系重合体の保管方法

【課題】アミノアルコキシシラン化合物等で変性された共役ジエン系重合体の保管方法であって、該重合体の粘度保持性に優れる保管方法を提供すること。
【解決手段】共役ジエンに基づく単量体単位と下式(I)で表される基とを有する共役ジエン系重合体を、厚みが30μm〜150μmであり、透湿度が0.7g/m2・day以下であるフィルムで包装して保管する共役ジエン系重合体の保管方法。


[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭化水素基、炭化水素オキシ基又は水酸基を表し、mは0〜10の整数を表し、A1は活性水素を持たない極性官能基を表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共役ジエン系重合体の保管方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用タイヤに用いる重合体組成物として、ポリブタジエンやブタジエン−スチレン共重合体等の共役ジエン系重合体と、カーボンブラックやシリカ等の充填材とを含有する重合体組成物が用いられる。昨今では、環境問題への関心の高まりから、自動車に対して省燃費化の要求が強くなっており、省燃費性に優れる自動車用タイヤ用重合体組成物が得られる共役ジエン系重合体として、アルキルリチウムを重合開始剤としてブタジエンを重合ないしブタジエンとスチレンとを共重合してなる重合体を、アミノアルコキシシラン化合物等で変性した重合体が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開昭63−186748号公報
【特許文献2】特開2001−131230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アミノアルコキシシラン化合物等で変性された共役ジエン系重合体の粘度は、保管中に大きくなることがあり、従来の保管方法では、該重合体の粘度保持性において十分満足のいくものではなかった。
かかる状況のものと、本発明が解決しようとする課題は、アミノアルコキシシラン化合物等で変性された共役ジエン系重合体の保管方法であって、該重合体の粘度保持性に優れる保管方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、共役ジエンに基づく単量体単位と下式(I)で表される基とを有する共役ジエン系重合体を、厚みが30μm〜150μmであり、透湿度が0.7g/m2・day以下であるフィルムで包装して保管する共役ジエン系重合体の保管方法にかかるものである。

[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭化水素基、炭化水素オキシ基又は水酸基を表し、mは0〜10の整数を表し、A1は活性水素を持たない極性官能基を表す。]
【発明の効果】
【0006】
本発明により、アミノアルコキシシラン化合物等で変性された共役ジエン系重合体の保管方法であって、該重合体の粘度保持性に優れる保管方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に用いられる共役ジエン系重合体は、共役ジエンに基づく単量体単位と下式(I)で表される基とを有する重合体である。

[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭化水素基、炭化水素オキシ基又は水酸基を表し、mは0〜10の整数を表し、A1は活性水素を持たない極性官能基を表す。]
【0008】
共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどをあげることができ、これらは1種でもよく、2種以上でもよい。製造での入手容易性の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
【0009】
1及びR2はそれぞれ独立に、炭化水素基、炭化水素オキシ基又は水酸基を表す。該炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などをあげることができる。また、炭化水素基としては、共役ジエンに基づく単量体単位を有する重合体鎖などの重合体鎖からなる基であってもよい。これらの炭化水素基としては、メチル基、エチル基が好ましい。該炭化水素オキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、ter−ブトキシ基などをあげることができる。これらの炭化水素オキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
【0010】
1及びR2としては、省燃費性を高める観点から、好ましくは炭化水素オキシ基であり、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。
【0011】
mは0〜10の整数を表す。省燃費性を高める観点から、好ましくは3以上であり、製造時の経済性を高める観点から、好ましくは4以下である。
【0012】
1は活性水素を持たない極性官能基を表し、下式(II)で表される基、下式(III)で表される基などをあげることができる。

[式中、R3及びR4はそれぞれ独立に、窒素原子、酸素原子又はケイ素原子を有していてもよい炭素原子数が1〜6の炭化水素基を表し、R3及びR4は結合して環構造を形成していてもよい。]

[式中、Xは酸素原子を有していてもよい炭素原子数が1〜6の2価の炭化水素基を表し、R5は水素又は炭素原子数が1〜6の炭化水素基を表す。]
【0013】
3及びR4はそれぞれ独立に、窒素原子、酸素原子又はケイ素原子を有していてもよい炭素原子数が1〜6の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基、エトキシペンチル基、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などをあげることができる。
【0014】
3及びR4は結合していてもよく、R3及びR4が結合した基としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などのアルキレン基;オキシジエチレン基、オキシジプロピレン基などのオキシアルキレン基;−CH2CH2−NH−CH2−で表される基、−CH2CH2−N=CH−で表される基などの含窒素基などをあげることができる。
【0015】
3及びR4として好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、トリメチルシリル基である。また、R3及びR4が結合した基として好ましくは、−CH2CH2−NH−CH2−で表される基、−CH2CH2−N=CH−で表される基である。
【0016】
Xは酸素原子を有していてもよい炭素原子数が1〜6の2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、1−オキシエチレン基、1−オキシトリメチレン基、1−オキシテトラメチレン基などをあげることができる。
【0017】
Xとして好ましくは、1−オキシトリメチレン基である。
【0018】
5は水素又は炭素原子数が1〜6の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基などをあげることができる。
【0019】
5として好ましくは、水素またはメチル基である。
【0020】
式(II)で表される基としては、非環状アミノ基、環状アミノ基をあげることができる。該非環状アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシエチル)アミノ基、ジ(エトキシメチル)アミノ基、ジ(エトキシエチル)アミノ基、ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ]基、[ジ(トリメチルシリル)アミノ基などを例示することができる。該環状アミノ基としては、1−ピロリジニル基、ピペリジノ基、1−ヘキサメチレンイミノ基、1−ヘプタメチレンイミノ基、1−オクタメチレンイミノ基、1−デカメチレンイミノ基、1−ドデカメチレンイミノ基、1−テトラデカメチレンイミノ基、1−オクタデカメチレンイミノ基などの1−ポリメチレンイミノ基をあげることができる。また、環状アミノ基としては、1−イミダゾリル基、4,5−ジヒドロ−1−イミダゾリル基、1−イミダゾリジニル基、1−ピペラジニル基、モルホリノ基などもあげることができる。
【0021】
式(III)で表される基としては、3−グリシドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基などをあげることができる。
【0022】
1として好ましくは、経済性および入手容易性から式(II)で表される基であり、より好ましくは非環状アミノ基である。
【0023】
共役ジエン系重合体は、共役ジエンに基づく単量体単位(共役ジエン単位)および式(I)で表される基に加え、他の単量体に基づく単量体単位を有していもよい。該他の単量体としては、芳香族ビニル、ビニルニトリル、不飽和カルボン酸エステルなどがあげられる。芳香族ビニルとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンを例示することができる。また、ビニルニトリルとしては、アクリロニトリルなどを、不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチルなどを例示することができる。これらの中では、入手容易性の観点から、スチレンが好ましい。
【0024】
共役ジエン系重合体は、強度を高める観点から、芳香族ビニルに基づく単量体単位(芳香族ビニル単位)を有していることが好ましく、芳香族ビニル単位の含有量としては、共役ジエン単位と芳香族ビニル単位との総量を100重量%として、好ましくは10重量%以上(共役ジエン単位の含有量は90重量%以下)であり、より好ましくは15重量%以上(共役ジエン単位の含有量は85重量%以下)である。また、省燃費性を高める観点から、芳香族ビニル単位の含有量は、好ましくは50重量%以下(共役ジエン単位の含有量は50重量%以上)であり、より好ましくは45重量%以下(共役ジエン単位の含有量は55重量%以下)である。
【0025】
共役ジエン系重合体のムーニー粘度(ML1+4)は、機械的強度を高める観点から、好ましくは10以上であり、より好ましくは20以上である。また、加工性の観点から、好ましくは200以下であり、より好ましくは150以下である。該ムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K6300(1994)に従って、100℃にて測定する。
【0026】
共役ジエン系重合体のビニル結合量は、共役ジエン単位の含有量を100モル%として、省燃費性を高める観点から、好ましくは70モル%以下であり、より好ましくは60モル%以下である。また、タイヤのグリップ性能を高める観点から、好ましくは10モル%以上であり、より好ましくは15モル%以上である。該ビニル結合量は、赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm-1付近の吸収強度より求められる。
【0027】
共役ジエン系重合体は、公知の方法にて製造することができる。例えば、特開昭63−186748号公報、特開2001−131230号公報に記載の方法を用いることができる。
【0028】
共役ジエン系重合体の包装に用いるフィルムは、透湿度が0.7g/m2・day以下であるフィルムである。該透湿度が高すぎると、粘度保持性が低下することがある。好ましくは0.5g/m2・day以下であり、より好ましくは0.1g/m2・day以下である。透湿度は、40℃、90%RHの条件でJIS Z0208(カップ法)により測定される。
【0029】
共役ジエン系重合体の包装に用いるフィルムの厚みは、30μm〜150μmである。該厚みが薄すぎると強度が低下することがあり、厚すぎると包装作業性が低下することがある。好ましくは40μm〜110μmであり、より好ましくは50μm〜100μmである。
【0030】
共役ジエン系重合体の包装に用いるフィルムとしては、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、チタン、銅、酸化アルミニウム、酸化珪素、ポリ塩化ビニリデンなどからなるバリア層を有するフィルムがあげられる。
【0031】
共役ジエン系重合体の包装に用いるフィルムとして好ましくは、金属アルミニウム層、酸化アルミニウム層および酸化珪素層からなる層群から選ばれた少なくとも1種の層と基材層とを有する多層フィルムである。該金属アルミニウム層は、アルミニウム箔を積層したものでもよく、アルミニウムを蒸着したものでもよい。また、酸化アルミニウム層および酸化珪素層は、通常、酸化アルミニウム、酸化珪素を蒸着したものが用いられる。アルミニウム箔を用いた場合の金属アルミニウム層の厚みは、通常、5μm〜20μmである。蒸着を行った場合、金属アルミニウム層、酸化アルミニウム層および酸化珪素層の夫々の厚みは、通常、35nm〜100nmである。
【0032】
基材層としては、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などからなる層があげられる。基材層は、これら樹脂を延伸したフィルムを積層したものであってもよい。また、基材層の厚みは、通常、15μm〜70μmである。基材層は、一方の表面層とすることが好ましい。
【0033】
共役ジエン系重合体の包装に用いるフィルムは、ポリエチレン樹脂からなるシール層を有していることが好ましい。シール層の厚みは、通常、10μm〜80μmである。
【0034】
また、共役ジエン系重合体の包装に用いるフィルムは、吸湿性充填剤を含有する樹脂組成物、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール樹脂などからなる吸湿層を設けてもよい。
【0035】
共役ジエン系重合体の包装に用いるフィルムの製造方法としては、公知の方法、インフレーション成形法、Tダイ成形法などを用いることができる。また、多層フィルムとする場合は、共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法などの公知の積層方法を用いることができる。
【0036】
共役ジエン系重合体の包装方法としては、共役ジエン系重合体をフィルムで包んでもよく、フィルムを袋に成形し、該袋中に共役ジエン系重合体を包装してもよい。包装後のフィルムあるいは袋の口は、通常、ポリエチレン樹脂製の紐等で縛る方法、ヒートシールする方法、アルミニウム箔粘着テープで閉じる方法等により、被包装後の共役ジエン系重合体が外気と接触しないようにする。これらの中でも、ヒートシールする方法、アルミニウム箔粘着テープで閉じる方法を用いることが好ましい。
【0037】
包装する際の共役ジエン系重合体の形状は、20kgから35kgぐらいの直方体の塊であるベール状であってもよく、フレーク状であってもよい。ベール状の場合、1段に数ベール、数段積みしたものの全体を包装してもよく、ベールは、互着防止に用いられるゴム包装用フィルムで包装されていてもよい。
【0038】
本発明方法により保管された共役ジエン系重合体は、タイヤ、靴底、床材、防振材などに用いられ、特に、自動車用タイヤに好適に用いられる。
【実施例】
【0039】
以下、実施例によって本発明を説明する。
物性測定は次の方法で行った。
【0040】
1.ムーニー粘度(ML1+4
JIS K6300(1994)に従って、100℃にて測定した。
【0041】
2.ビニル含量(単位:モル%)
赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm-1付近の吸収強度より求めた。
【0042】
3.スチレン単位の含量(単位:重量%)
JIS K6383(1995)に従って、屈折率から求めた。
【0043】
4.透湿度(単位:g/m2・day)
JIS Z0208(カップ法)に従い、下記条件で行った。
温度:40℃
湿度:90%RH
【0044】
実施例1
[共役ジエン系重合体の製造]
ステンレス製重合反応器に溶媒としてn−ヘキサン、モノマーとして1,3−ブタジエン、スチレン、その他添加剤を投入した。次に、開始剤としてn−ヘキサンで希釈したn−ブチルリチウムを投入し、重合反応槽内の温度を65℃以下になるよう調整し、1,3−ブタジエン、スチレンを供給しながら、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合を行い、重合体溶液を得た。
【0045】
得られた重合体溶液に変性剤[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシランを開始剤のn−ブチルリチウムの投入量100重量部に対し55重量部添加し、1,3−ブタジエン−スチレン共重合体の変性を行った。
【0046】
この重合体溶液に2−ターシャリーブチル−6−(3−ターシャリーブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学(株)製、商品名:スミライザーGM)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルプロピオネート)(住友化学(株)製、商品名:スミライザーTP−D)を加え、混合した。
最後にこの重合体溶液を加熱、減圧下において溶媒を除去し、ビニル含量58.3モル%、スチレン単位の含量24重量%の共役ジエン系重合体を得た。
【0047】
[共役ジエン系重合体の保管]
共役ジエン系重合体を115℃に温調したロール成形機により、厚み2mmのシートに成形した。該シートを用いてムーニー粘度を測定したところ、71であった。
次に、透湿度0.1g/m2・dayであるフィルム(村角(株)製 OPP−ALラミネート、厚み:57μm、構成:延伸ポリプロピレン樹脂層(基材層)20μm/ポリエチレン樹脂層15μm(接着層)/アルミニウム箔層7μm/ポリエチレン樹脂層(シール層)15μmシール層)をヒートシールして袋を製造後、該袋に、共役ジエン系重合体のシート100gを入れ、袋の口をヒートシールして封緘した。次に、共役ジエン系重合体のシートが入った袋を、温度40℃、湿度90%RHに設定した恒温恒湿槽内で、3日間保管した。保管後、袋から共役ジエン系重合体のシートを取出し、ムーニー粘度を測定したところ、保管前後での共役ジエン系重合体のムーニー粘度の差(ΔML)は、4であった。
【0048】
比較例1
共役ジエン系重合体の保管に用いたフィルムとして、透湿度3.8g/m2・dayであるフィルム(東洋紡績(株)製 パイレンフィルム−OT P3162(SL)、厚み:50μm、構成:延伸ポリプロピレン樹脂単層)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。保管前後での共役ジエン系重合体のムーニー粘度の差(ΔML)は、16であった。
【0049】
比較例2
共役ジエン系重合体の保管に用いたフィルムとして、透湿度12.5g/m2・dayであるフィルム(住友化学(株)製低密度ポリエチレンF218−0(密度919kg/m3)をインフレーション成形して得られた単層フィルム、厚み50μm)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。保管前後での共役ジエン系重合体のムーニー粘度の差(ΔML)は、20であった。
【0050】
比較例3
共役ジエン系重合体の保管において、共役ジエン系重合体をフィルムで包装しなかった以外は、実施例1と同様に行った。保管前後での共役ジエン系重合体のムーニー粘度の差(ΔML)は、22であった。
【0051】
実施例1および比較例1〜3の結果を表1にまとめる。
【0052】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
共役ジエンに基づく単量体単位と下式(I)で表される基とを有する共役ジエン系重合体を、厚みが30μm〜150μmであり、透湿度が0.7g/m2・day以下であるフィルムで包装して保管することを特徴とする共役ジエン系重合体の保管方法。

[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、炭化水素基、炭化水素オキシ基又は水酸基を表し、mは0〜10の整数を表し、A1は活性水素を持たない極性官能基を表す。]
【請求項2】
共役ジエン系重合体を包装するフィルムが、金属アルミニウム層、酸化アルミニウム層および酸化珪素層からなる層群から選ばれた少なくとも1種の層と基材層とを有する多層フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の共役ジエン系重合体の保管方法。

【公開番号】特開2008−246689(P2008−246689A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−87285(P2007−87285)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】