説明

共用プリンタシステム、共用プリンタおよび印字要求元判別方法

【課題】複数のPOS端末に共用される共用プリンタ構成において、共用プリンタにて印字した情報の発行元のPOS端末を容易に判別することが可能な共用プリンタシステムを提供する。
【解決手段】共用プリンタ10、各POS端末1、2、…それぞれに、LED点灯ユニット10a、1a、2a、…を搭載し、POS端末1、2、…は、稼働中の状態にある場合、LED点灯ユニット1a、2a、…を、それぞれにあらかじめ割り当てた固有の点灯色で点灯し、共用プリンタ10に印字要求を行う際には、印字情報とともに、印字要求元を特定する情報として、当該POS端末に固有の点灯色を示す点灯色情報を、印字要求に含めて、共用プリンタ10に送信し、該印字要求を受け取った共用プリンタ10は、当該印字要求に含まれている印字情報の印字を開始し、前記点灯色情報が示す点灯色で、要求された印字情報の印字が終了するまで、LED点灯ユニット10aを点灯する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共用プリンタシステム、共用プリンタおよび印字要求元判別方法に関し、特に、1台のレシートプリンタに複数台のPOS端末を接続して運用する店舗において有用に活用することが可能な共用プリンタシステム、共用プリンタおよび印字要求元判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
POS(Point of Sales:販売時点情報管理)システムは、1台のPOS端末に対して1台のレシートプリンタという構成が一般的であるが、コスト削減・省スペース化を図るために、複数台のPOS端末が隣接している場合には、特許文献1の特開2002−002065号公報「商品売上登録処理装置および記憶媒体」に記載のように、複数台のPOS端末に対して共用の1台のレシートプリンタを配置するという構成の設置形態も存在している。ただし、現状では、かくのごとき共用レシートプリンタの設置形態の場合であっても、POS端末2台に対して、レシートプリンタ1台とする構成の場合が多い状況にある。しかし、コスト削減・省スペース化をさらに推し進めようとする動きは活発であり、近い将来には、任意の台数のPOS端末に対して1台の共用レシートプリンタを配置する形態が多くなることは間違いない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−002065号公報(第4−5頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、1台のレシートプリンタに対してPOS端末が複数台接続された共用プリンタシステムの場合、該レシートプリンタに対していずれかのPOS端末から印字要求が送られてきたとしても、従来のレシートプリンタの場合においては、通常、レシートを印字する機能のみしか有していない。
【0005】
したがって、従来のレシートプリンタを共用プリンタシステムの共用レシートプリンタとして利用した場合、カスタマに渡すレシート上に、カスタマにとって余計な情報(例えば、印字要求元を示すPOS端末に関する情報等)を印字することなく、共用レシートプリンタにて印字したレシートがどのPOS端末からの印字要求に基づいて発券したレシートであるかを、印字中や印字直後に判別することは難しい。
【0006】
したがって、どのPOS端末から印字要求されたレシートかを印字中や印字直後に判別することができなかった場合には、印字終了後にレシートの印字内容を人手によって確認することによって判断する以外に判別する方法はなく、オペレータに対する負担が大きくなってしまう。
【0007】
また、複数のPOS端末から似たような購入商品に関するレシートの印字要求が発生する可能性がある場合には、オペレータは、誤ったレシートをカスタマへ提供してしまうという可能性も高くなる。また、複数台のPOS端末が同時にレシートを発行した場合は、どのPOS端末の印字情報を印字しているのかを識別することも困難である。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、複数のPOS端末に共用される共用プリンタ構成において、共用プリンタにて印字した情報の発行元のPOS端末を容易に判別することが可能な共用プリンタシステム、共用プリンタおよび印字要求元判別方法を提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するため、本発明による共用プリンタシステム、共用プリンタおよび印字要求元判別方法は、次のような特徴的な構成を採用している。下記(1)及び(7)なる番号は請求項の項番号にそれぞれ対応している。
次のような特徴的な構成を採用している。
【0010】
(1)複数のPOS端末によって1台の共用プリンタを共用する共用プリンタシステムにおいて、前記共用プリンタ、各前記POS端末それぞれに、LED(Light Emission Diode)点灯ユニットを搭載し、各前記POS端末それぞれは、稼働中の状態にある場合、各前記POS端末ごとにあらかじめ割り当てた固有の点灯色で点灯し、前記共用プリンタに対して印字要求を行う際には、印字したい印字内容を示す印字情報とともに、印字要求元のPOS端末を特定するための情報として、当該POS端末に固有に割り当てられている点灯色を示す点灯色情報を、印字要求に含めて、前記共用プリンタに送信する共用プリンタシステム。
(7)複数のPOS端末によって共用される共用プリンタにおいて、LED(Light Emission Diode)点灯ユニットを備え、前記POS端末のいずれかから印字要求を受け取った際に、当該印字要求に含まれている印字情報の印字を開始するとともに、当該印字要求に含まれている点灯色情報が示す点灯色で前記LED点灯ユニットを点灯する共用プリンタ。
【発明の効果】
【0011】
本発明の共用プリンタシステム、共用プリンタおよび印字要求元判別方法によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0012】
複数台のPOS端末に接続した1台の共用プリンタが印字動作を行っている間は、当該共用プリンタに備えられたLED(Light Emission Diode)点灯ユニットが、要求元のPOS端末に固有に割り当てられている点灯色で点灯しているので、印字している印字資料例えばレシート(領収書やサービスチケット等)が、どのPOS端末からの印字要求に基づくものかを容易に判別することができる。而して、POS端末の操作者が、誤って、異なる印字資料例えばレシートをカスタマに渡してしまう事態を大幅に低減することができ、人為的なミスを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る共用プリンタシステムの実施形態の構成例を示すシステム構成図である。
【図2】本発明に係る共用プリンタシステムの第1の接続構成例を示すシステム構成図である。
【図3】本発明に係る共用プリンタシステムの第2の接続構成例を示すシステム構成図である。
【図4】本発明に係る共用プリンタシステムの第3の接続構成例を示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による共用プリンタシステム、共用プリンタおよび印字要求元判別方法の好適な実施例について添付図を参照して説明する。なお、以下の共用プリンタシステムに関する説明においては、複数のPOS端末が共用する共用プリンタとして、レシート(領収書やサービスチケット等)を印字するレシートプリンタの場合を例にとって説明するが、注文伝票や売上データを印字するプリンタであっても良いし、各種イベント用のチケットを印字するプリンタであっても良いし、複数のPOS端末によって共用するプリンタであれば如何なる情報を印字するものであっても構わない。
【0015】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、複数台のPOS端末(Point of Sales:販売時点情報管理端末)に対して1台のプリンタ例えばレシートプリンタを共用レシートプリンタとして共用する形態で接続して構成される共用プリンタシステムにおいて、該共用レシートプリンタは、各POS端末から受け取った情報をレシート(領収書あるいはサービスチケット等)の形式に印字する機能を備え、かつ、共用レシートプリンタおよび各POS端末には、それぞれ、LED(Light Emission Diode)点灯ユニットが搭載されており、共用レシートプリンタのLED点灯ユニットは、当該共用レシートプリンタの印字状態を点灯色によって(さらに場合によっては点滅間隔も併用することによって)表示し、各POS端末のLED点灯ユニットは、各POS端末の稼動や停止や印字中等の動作状態をそれぞれに固有にあらかじめ割り当てられている点灯色によって(さらに場合によっては点滅間隔や点灯明度も併用することによって)表示することを主要な特徴としている。
【0016】
ここで、各POS端末のLED点灯ユニットは、それぞれ、固有の点灯色があらかじめ決められており,各POS端末は、稼働中であれば、それぞれに固有の点灯色で点灯しており、共用レシートプリンタに対して印字要求を送信する際に、印字すべき内容を示す印字情報とともに、印字要求元のPOS端末を特定するための情報として、各POS端末それぞれに固有に割り当てられているLED点灯ユニットの点灯色を示す点灯色情報を共用レシートプリンタヘ送信する。共用レシートプリンタは、送信されてきた印字情報をレシート(領収書やサービスチケット等)の形式で印字するとともに、印字中の要求元POS端末を表示するために、送信されてきた点灯色情報に基づいて、該点灯色情報と同じ点灯色で共用レシートプリンタのLED点灯ユニットを点灯させる。
【0017】
したがって、共用レシートプリンタに点灯されているLED点灯ユニットの点灯色を視認することにより、現在、どのPOS端末が印字要求を送信しているのか、すなわち、共用レシートプリンタが、現在、どのPOS端末からの印字要求に基づくレシート(領収書やサービスチケット)を印字中であるのかを、容易に判別することができる。
【0018】
ここで、共用レシートプリンタは、印字情報の印字進捗状況に応じて、あらかじめ定めた点滅間隔で共用レシートプリンタのLED点灯ユニットを点滅させるようにしても良く、例えば、共用レシートプリンタにおける印字の残りがあらかじめ定めた印字文字数(あるいは行数)以下になった場合、あるいは、印字が終了した際には、共用レシートプリンタのLED点灯ユニットを、あらかじめ定めた点滅間隔で点滅させるようにしても良い。かくのごとく、点滅表示をすることにより、要求元のPOS端末のオペレータ(POS端末操作者)は、共用レシートプリンタまで出向いて、印字したレシート(領収書やサービスチケット)を取り出そうとする行動を起こすための契機が得られる。
【0019】
また、各POS端末のLED点灯ユニットについても、前述のように、稼働中は、それぞれに固有にあらかじめ割り当てられている点灯色で点灯しているが、例えば、共用レシートプリンタに対する印字要求を行った場合には、印字中の状態にあることを示すために、あらかじめ定めた一定時間、あるいは、共用レシートプリンタから印字が終了したという報告を受け取るまでの間、あらかじめ定めた点滅間隔で点滅したり、点灯明度を低下させた暗点表示にしたりするようにしても良い。
【0020】
また、本発明に係る共用プリンタシステムにおいては、POS端末と共用レシートプリンタとを分離して別々の場所に配置している設置形態を採用している。しかし、共用レシートプリンタに搭載されているLED点灯ユニットの点灯状態を、各POS端末のオペレータ(POS端末操作者)がそれぞれの持ち場において視認することができる範囲内に、共用レシートプリンタが設置されていることが望ましい。
【0021】
また、POS端末に入力された商品販売情報を共用レシートプリンタへ自動的に転送し、レシート(領収書やサービスチケット等)の形式で印字することも本発明の特徴の一つである。
【0022】
以上のような印字動作を行うことにより、POS端末操作者が、誤って、異なるレシートをカスタマ(顧客)に渡してしまうことを防止することができ、人為的ミスを減少させることができる。
【0023】
(本発明の実施形態)
次に、本発明に係る共用プリンタシステムの実施形態について説明する。図1は、本発明に係る共用プリンタシステムの実施形態の構成例を示すシステム構成図である。
【0024】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る共用プリンタシステムにおいては、複数のPOS端末1、POS端末2、…が1台の共用レシートプリンタ10に接続されており、該共用レシートプリンタ10には、接続されている各POS端末1,2,…それぞれに対応する点灯色で点灯することができるLED点灯ユニット10aが備えられ、POS端末1、POS端末2、…には、それぞれのPOS端末に固有の点灯色で点灯することができるLED点灯ユニット1a、LED点灯ユニット2a、…が備えられている。
【0025】
なお、図1には、共用レシートプリンタ10、POS端末1、POS端末2、…が信号ケーブル20,21,22,…によってカスケード接続されている例を示しているが、スター型接続とする形態や、LAN(Local Area Network)ケーブルによって並列接続するような形態であっても良い。
【0026】
次に、図1に示した共用プリンタシステム構成例のいくつかの具体的な接続構成の形態について、図2ないし図4を用いて説明する。
【0027】
(第1の接続構成例)
図2は、本発明に係る共用プリンタシステムの第1の接続構成例を示すシステム構成図である。図2は、1台の共用レシートプリンタ10が、2台のPOS端末1,2のそれぞれと信号ケーブル25,26によって接続されている。さらに、共用レシートプリンタ10には、POS端末1,2,…それぞれに対応する点灯色で点灯することができるLED点灯ユニット10aが備えられている。また、POS端末1、POS端末2、…には、それぞれのPOS端末に固有の点灯色で点灯することができるLED点灯ユニット1a、LED点灯ユニット2a、…が備えられている例を示している。
【0028】
つまり、図2に示すシステム構成例においては、共用レシートプリンタ10とPOS端末1とは信号ケーブル25によって接続され、共用レシートプリンタ10とPOS端末2とは信号ケーブル26によって接続される。また、POS端末1,2それぞれにはLED点灯ユニット1a,2aが、また、共用レシートプリンタ10にはLED点灯ユニット10aが搭載されている。
【0029】
ここで、POS端末1,2それぞれに搭載されるLED点灯ユニット1a,2aは、稼働中の状態にある場合は、それぞれのPOS端末にあらかじめ割り当てられた固有の点灯色で点灯するように設定されており、例えば、POS端末1のLED点灯ユニット1aには緑色の色情報、POS端末2のLED点灯ユニット2aには青色の色情報が、それぞれ、あらかじめ割り当てられて設定されている。
【0030】
また、共用レシートプリンタ10のLED点灯ユニット10aは、POS端末1,2のいずれかからの印字要求を受信した際に、該印字要求の中に、印字したい印字内容を示す印字情報とともに、印字要求元のPOS端末を特定するための情報として含まれている、印字要求元のPOS端末に固有の点灯色情報によって指定された色と同じ点灯色で、印字動作を開始してから印字動作が終了するまでの間、点灯するように構成されている。
【0031】
すなわち、共用レシートプリンタ10のLED点灯ユニット10aは、複数の点灯色のうち指定された点灯色に切り替えて点灯させる構造を有する1つのユニットから構成されており、共用レシートプリンタ10は、POS端末1からの印字要求の場合は、該印字情報に印字情報とともに含まれているPOS端末1に固有のLED点灯ユニット1aの点灯色情報として指定されている緑色でLED点灯ユニット10aを点灯して、印字動作を開始する。また、POS端末2からの印字要求の場合は、該印字情報に印字情報とともに含まれているPOS端末2に固有のLED点灯ユニット2aの点灯色情報として指定されている青色でLED点灯ユニット10aを点灯して、印字動作を開始する。
【0032】
なお、共用レシートプリンタ10のLED点灯ユニット10aは、印字動作を開始してから印字動作が終了するまでの間、印字要求元のPOS端末を特定する点灯色情報によって指定されている色で点灯する例を示したが、さらに、印字の進捗状況を示すような点灯パターンを併用するようにしても良い。例えば、印字の進捗状況に応じて、あらかじめ定めた点滅間隔で点滅させるようにしても良く、所定の周期で点滅させることによって、印字終了直前であることを表示したり、あるいは、印字終了を表示したりするようにしても良い。同様に、印字要求元のPOS端末のLED点灯ユニットについても、動作状態に応じて、点滅間隔や点灯明度を制御するようにしても良く、例えば、共用レシートプリンタ10へ印字要求をしている印字中の状態にある場合には、あらかじめ定めた点滅間隔で点滅したり、点灯明度を下げたりするようにしても良い。
【0033】
かくのごとく、POS端末1,2それぞれに搭載されているLED点灯ユニット1a,2aおよび共用レシートプリンタ10に搭載されているLED点灯ユニット10aが点灯している色を視認することによって、共用プリンタ10が、POS端末1、POS端末2のうちいずれのPOS端末のレシート(領収書やサービスチケット等)を印字しているのかを容易に判別することができる。
【0034】
(第2の接続構成例)
図3は、本発明に係る共用プリンタシステムの第2の接続構成例を示すシステム構成図である。図3は、図2の場合と同様、1台の共用レシートプリンタ10Aが、2台のPOS端末1,2のそれぞれと信号ケーブル25,26によって接続されている。さらに、共用レシートプリンタ10Aには、図2の場合とは異なり、POS端末1に対応する点灯色で点灯することができるLED点灯ユニット10Aa1が、共用レシートプリンタ10AのPOS端末1側に面した側面に備えられ、POS端末2に対応する点灯色で点灯することができるLED点灯ユニット10Aa2が、共用レシートプリンタ10AのPOS端末2側に面した側面に備えられている。また、POS端末1、POS端末2、…には、図2の場合と同様、それぞれのPOS端末に固有の点灯色で点灯することができるLED点灯ユニット1a、LED点灯ユニット2a、…が備えられている例を示している。
【0035】
ここで、POS端末1,2それぞれに搭載されるLED点灯ユニット1a,2aは、図2の場合と同様、稼働中の状態にある場合は、それぞれのPOS端末にあらかじめ割り当てられた固有の点灯色で点灯するように設定されており、例えば、POS端末1のLED点灯ユニット1aには緑色の色情報、POS端末2のLED点灯ユニット2aには青色の色情報が、それぞれ、あらかじめ割り当てられて設定されている。
【0036】
また、共用レシートプリンタ10AのPOS端末1側の側面に備えられたLED点灯ユニット10Aa1は、POS端末1からの印字要求を受信した際に、該印字要求の中に、印字したい印字内容を示す印字情報とともに、印字要求元のPOS端末1を特定するための情報として含まれている、印字要求元のPOS端末1に固有の点灯色情報によって指定された色と同じ点灯色で、印字動作を開始してから印字動作が終了するまでの間、点灯し、また、共用レシートプリンタ10AのPOS端末2側の側面に備えられたLED点灯ユニット10Aa2は、POS端末2からの印字要求を受信した際に、該印字要求の中に、印字したい印字内容を示す印字情報とともに、印字要求元のPOS端末2を特定するための情報として含まれている、印字要求元のPOS端末2に固有の点灯色情報によって指定された色と同じ点灯色で、印字動作を開始してから印字動作が終了するまでの間、点灯するように構成されている。
【0037】
すなわち、共有レシートプリンタ10Aは、POS端末1からの印字要求の場合は、POS端末1側に面して配置されている共用レシートプリンタ10AのLED点灯ユニット10Aa1を、該印字情報に印字情報とともに含まれているPOS端末1に固有のLED点灯ユニット1aの点灯色情報として指定されている緑色で点灯して、印字動作を開始する。また、POS端末2からの印字要求の場合は、POS端末2側に面して配置されている共用レシートプリンタ10AのLED点灯ユニット10Aa2を、該印字情報に印字情報とともに含まれているPOS端末2に固有のLED点灯ユニット2aの点灯色情報として指定されている青色で点灯して、印字動作を開始する。
【0038】
なお、共用レシートプリンタ10AのLED点灯ユニット10Aa1,10Aa2は、印字動作を開始してから印字動作が終了するまでの間、印字要求元のPOS端末を特定する点灯色情報によって指定されている色で点灯する例を示したが、さらに、印字の進捗状況を示すような点灯パターンを併用するようにしても良い。例えば、印字の進捗状況に応じて、あらかじめ定めた点滅間隔で点滅させるようにしても良く、所定の周期で点滅させることによって、印字終了直前であることを表示したり、あるいは、印字終了を表示したりするようにしても良い。同様に、印字要求元のPOS端末のLED点灯ユニットについても、動作状態に応じて、点滅間隔や点灯明度を制御するようにしても良く、例えば、共用レシートプリンタ10へ印字要求をしている印字中の状態にある場合には、あらかじめ定めた点滅間隔で点滅したり、点灯明度を下げたりするようにしても良い。
【0039】
かくのごとく、POS端末1,2それぞれに搭載されているLED点灯ユニット1a,2aおよび共用レシートプリンタ10Aに搭載されているLED点灯ユニット10Aa1,10Aa2が点灯している色を視認することによって、共用プリンタ10Aが、POS端末1、POS端末2のうちいずれのPOS端末のレシート(領収書やサービスチケット等)を印字しているのかを容易に判別することができる。さらには、図3に示すように、共用レシートプリンタ10AのLED点灯ユニット10Aa1,10Aa2が、印字要求元のPOS端末側に面した側面に備えるように配置されているので、図2の場合よりも、印字要求元のPOS端末のオペレータは、印字要求の印字動作の開始・終了をより容易に視認することができる。
【0040】
(第3の接続構成例)
図4は、本発明に係る共用プリンタシステムの第3の接続構成例を示すシステム構成図である。図4は、1台の共用レシートプリンタ10Bが、図2、図3の場合とは異なり、2台ではなく、3台以上のPOS端末1,2,3,…のそれぞれと信号ケーブル20,21,22,23,…によって接続されている。なお、共用レシートプリンタ10B、POS端末1,2,3,…が信号ケーブル20,21,22,23,…によってカスケード接続されている例を示しているが、スター型接続とする形態や、LAN(Local Area Network)ケーブルによって並列接続するような形態であっても良い。
【0041】
さらに、共用レシートプリンタ10Bには、POS端末1,2,3,…それぞれに対応する点灯色で点灯することができるLED点灯ユニット11,12,13,…が、接続しているPOS端末数と同数備えられている。また、POS端末1、POS端末2、POS端末3、…には、それぞれのPOS端末に固有の点灯色で点灯することができるLED点灯ユニット1a、LED点灯ユニット2a、LED点灯ユニット3a、…が備えられている例を示している。
【0042】
つまり、図4に示すシステム構成例においては、共用レシートプリンタ10とPOS端末1とは信号ケーブル20によって接続され、POS端末1とPOS端末2とは信号ケーブル21によって接続され、POS端末2とPOS端末3とは信号ケーブル22によって接続され、POS端末3と後続のPOS端末とは信号ケーブル23によって接続される。また、POS端末1,2,3,…それぞれにはLED点灯ユニット1a,2a,3a,…が、また、共用レシートプリンタ10Bには、接続されているPOS端末の個数と同数のLED点灯ユニットとしてLED点灯ユニット11,12,13,…が搭載されている。
【0043】
ここで、POS端末1,2,3,…それぞれに搭載されるLED点灯ユニット1a,2a,3a,…は、図2の場合と同様、稼働中の状態にある場合は、それぞれのPOS端末にあらかじめ割り当てられた固有の点灯色で点灯するように設定されており、例えば、POS端末1のLED点灯ユニット1aには緑色の色情報、POS端末2のLED点灯ユニット2aには青色の色情報、POS端末3のLED点灯ユニット3aには橙色の色情報、…が、それぞれ、あらかじめ割り当てられて設定されている。なお、POS端末の個数が多くなり、それぞれに固有に割り当てられる点灯色が類似してしまい、点灯色のみではそれぞれのPOS端末を判別し難くなる場合は、点滅間隔を含めることとし、それぞれのPOS端末に固有の点灯色と点滅間隔との組合せとして割り当てるようにしても良い。
【0044】
また、共用レシートプリンタ10BのLED点灯ユニット11,12,13,…は、POS端末1,2,3,…のいずれかからの印字要求を受信した際に、LED点灯ユニット11,12,13,…のうち印字要求元のPOS端末に対応するLED点灯ユニットを、該印字要求の中に、印字したい印字内容を示す印字情報とともに、印字要求元のPOS端末を特定するための情報として含まれている、印字要求元のPOS端末に固有の点灯色情報によって指定された色と同じ点灯色で、印字動作を開始してから印字動作が終了するまでの間、点灯するように構成されている。
【0045】
すなわち、共用レシートプリンタ10Bは、POS端末1からの印字要求の場合は、共用レシートプリンタ10BのLED点灯ユニット11を、該印字情報に印字情報とともに含まれているPOS端末1に固有のLED点灯ユニット1aの点灯色情報として指定されている緑色で点灯して、印字動作を開始する。また、共用レシートプリンタ10Bは、POS端末1を経由して受信されたPOS端末2からの印字要求の場合は、共用レシートプリンタ10BのLED点灯ユニット12を、該印字情報に印字情報とともに含まれているPOS端末2に固有のLED点灯ユニット2aの点灯色情報として指定されている青色で点灯して、印字動作を開始する。また、共用レシートプリンタ10Bは、POS端末2,1を経由して受信されたPOS端末3からの印字要求の場合は、共用レシートプリンタ10BのLED点灯ユニット13を、該印字情報に印字情報とともに含まれているPOS端末3に固有のLED点灯ユニット3aの点灯色情報として指定されている橙色で点灯して、印字動作を開始する。
【0046】
なお、共用レシートプリンタ10BのLED点灯ユニット11,12,13,…は、印字動作を開始してから印字動作が終了するまでの間、印字要求元のPOS端末を特定する点灯色情報によって指定されている色で点灯する例を示したが、さらに、印字の進捗状況を示すような点灯パターンを併用するようにしても良い。例えば、印字の進捗状況に応じて、あらかじめ定めた点滅間隔(POS端末の特定のために点滅間隔も併用している場合は、該点滅間隔とは異なる間隔)で点滅させるようにしても良く、所定の周期で点滅させることによって、印字終了直前であることを表示したり、あるいは、印字終了を表示したりするようにしても良い。同様に、印字要求元のPOS端末のLED点灯ユニットについても、動作状態に応じて、点滅間隔や点灯明度を制御するようにしても良く、例えば、共用レシートプリンタ10へ印字要求をしている印字中の状態にある場合には、あらかじめ定めた点滅間隔で点滅したり、点灯明度を下げたりするようにしても良い。
【0047】
また、共用レシートプリンタ10BのLED点灯ユニット11,12,13,…は、1箇所にまとめて配置するのではなく、図3の第2の接続構成例に示したように、共用レシートプリンタ10Bの側面に分散して配置するようにし、対応するPOS端末が設置されている側に面した側面にそれぞれのLED点灯ユニットを配置するようにしても良い。
【0048】
かくのごとく、3台以上の台数のPOS端末1,2,3,…が1台の共用レシートプリンタに接続される場合であっても、POS端末1,2,3,…それぞれに搭載されているLED点灯ユニット1a,2a,3a,…および共用レシートプリンタ10Bに搭載されているLED点灯ユニット11,12,13,…が点灯している色を視認することによって、共用レシートプリンタ10Bが、POS端末1、POS端末2、POS端末3、…のうちいずれのPOS端末のレシート(領収書やサービスチケット等)を印字しているのかを容易に判別することができる。
【0049】
(実施形態の効果の説明)
以上に説明したように、本発明の一実施形態に係る共用レシートプリンタシステム、共用レシートプリンタおよび印字要求元判別方法によれば、次のような効果が得られる。つまり、複数台のPOS端末に接続した1台の共用レシートプリンタが印字動作を行っている間は、共用レシートプリンタに備えられたLED点灯ユニットが、要求元のPOS端末に固有に割り当てられている点灯色で(場合によっては点滅間隔も併用して)点灯したり、点滅したりするので、印字しているレシート(領収書やサービスチケット等)が、どのPOS端末からの印字要求に基づくものかを容易に判別することができる。而して、POS端末の操作者が、誤って、異なるレシートをカスタマに渡してしまう事態を大幅に低減することができ、人為的なミスを防止することができる。
【0050】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。例えば、本発明の実施態様は、課題を解決するための手段における構成(1)及び(7)に加え、次のような構成として表現できる。下記(2)−(6)及び(8)−(12)なる番号は、請求項の項番号にそれぞれ対応している。
(2)前記共用プリンタは、前記POS端末から前記印字要求を受け取った際に、当該印字要求に含まれている前記印字情報の印字を開始するとともに、当該印字要求に含まれている前記点灯色情報が示す点灯色で、当該共用プリンタのLED点灯ユニットを点灯する上記(1)の共用プリンタシステム。
(3)前記共用プリンタは、前記POS端末からの前記印字要求に含まれている前記印字情報の印字を終了した際に、当該共用プリンタのLED点灯ユニットを滅灯する上記(2)の共用プリンタシステム。
(4)前記共用プリンタは、前記POS端末からの前記印字要求に含まれている前記印字情報の印字進捗状況に応じて、あらかじめ定めた点滅間隔で、当該共用プリンタのLED点灯ユニットを点滅させる上記(1)ないし(3)のいずれかの共用プリンタシステム。
(5)前記共用プリンタのLED点灯ユニットは、指定された点灯色に切り替えて点灯する構造を有する1つのユニット、あるいは、前記POS端末の個数と同数のユニットのいずれかから構成されている上記(1)ないし(4)のいずれかの共用プリンタシステム。
(6)前記共用プリンタのLED点灯ユニットは、当該共用プリンタの側面に分割して配置されており、前記共用プリンタは、前記POS端末から印字要求を受け取った際に、当該印字要求に含まれている前記点灯色情報が示す点灯色で、印字要求元の前記POS端末側に面した側面に配置されたLED点灯ユニットを点灯する上記(1)ないし(5)のいずれかの共用プリンタシステム。
(8)前記POS端末からの前記印字要求に含まれている前記印字情報の印字を終了した際に、前記LED点灯ユニットを滅灯する上記(7)の共用プリンタ。
(9)前記POS端末からの前記印字要求に含まれている前記印字情報の印字進捗状況に応じて、あらかじめ定めた点滅間隔で、前記LED点灯ユニットを点滅させる上記(7)または(8)の共用プリンタ。
(10)前記LED点灯ユニットは、指定された点灯色に切り替えて点灯する構造を有する1つのユニット、あるいは、前記POS端末の個数と同数のユニットのいずれかから構成されている上記(7)ないし(9)のいずれかの共用プリンタ。
(11)前記LED点灯ユニットは、当該共用プリンタの側面に分割して配置されており、前記POS端末から印字要求を受け取った際に、当該印字要求に含まれている前記点灯色情報が示す点灯色で、印字要求元の前記POS端末側に面した側面に配置されたLED点灯ユニットを点灯する上記(7)ないし(10)のいずれかの共用プリンタ。
(12)複数のPOS端末によって共用される共用プリンタにおける印字要求元判別方法であって、前記共用プリンタが、前記POS端末のいずれかからの印字要求を受け取った際に、該印字要求に含まれていて、印字要求元のPOS端末を特定するための情報として当該POS端末にあらかじめ割り当てられている点灯色を示す点灯色情報に基づいて、当該共用プリンタのLED(Light Emission Diode)点灯ユニットを点灯することにより、印字要求元の前記POS端末を判別する印字要求元判別方法。
【符号の説明】
【0051】
1 POS端末
1a LED点灯ユニット
2 POS端末
2a LED点灯ユニット
3 POS端末
3a LED点灯ユニット
10 共用レシートプリンタ
10a LED点灯ユニット
10A 共用レシートプリンタ
10Aa1 LED点灯ユニット
10Aa2 LED点灯ユニット
10B 共用レシートプリンタ
11 LED点灯ユニット
12 LED点灯ユニット
13 LED点灯ユニット
20 信号ケーブル
21 信号ケーブル
22 信号ケーブル
25 信号ケーブル
26 信号ケーブル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のPOS端末によって1台の共用プリンタを共用する共用プリンタシステムにおいて、前記共用プリンタ、各前記POS端末それぞれに、LED(Light Emission Diode)点灯ユニットを搭載し、各前記POS端末それぞれは、稼働中の状態にある場合、各前記POS端末ごとにあらかじめ割り当てた固有の点灯色で点灯し、前記共用プリンタに対して印字要求を行う際には、印字したい印字内容を示す印字情報とともに、印字要求元のPOS端末を特定するための情報として、当該POS端末に固有に割り当てられている点灯色を示す点灯色情報を、印字要求に含めて、前記共用プリンタに送信することを特徴とする共用プリンタシステム。
【請求項2】
前記共用プリンタは、前記POS端末から前記印字要求を受け取った際に、当該印字要求に含まれている前記印字情報の印字を開始するとともに、当該印字要求に含まれている前記点灯色情報が示す点灯色で、当該共用プリンタのLED点灯ユニットを点灯することを特徴とする請求項1に記載の共用プリンタシステム。
【請求項3】
前記共用プリンタは、前記POS端末からの前記印字要求に含まれている前記印字情報の印字を終了した際に、当該共用プリンタのLED点灯ユニットを滅灯することを特徴とする請求項2に記載の共用プリンタシステム。
【請求項4】
前記共用プリンタは、前記POS端末からの前記印字要求に含まれている前記印字情報の印字進捗状況に応じて、あらかじめ定めた点滅間隔で、当該共用プリンタのLED点灯ユニットを点滅させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の共用プリンタシステム。
【請求項5】
前記共用プリンタのLED点灯ユニットは、指定された点灯色に切り替えて点灯する構造を有する1つのユニット、あるいは、前記POS端末の個数と同数のユニットのいずれかから構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の共用プリンタシステム。
【請求項6】
前記共用プリンタのLED点灯ユニットは、当該共用プリンタの側面に分割して配置されており、前記共用プリンタは、前記POS端末から印字要求を受け取った際に、当該印字要求に含まれている前記点灯色情報が示す点灯色で、印字要求元の前記POS端末側に面した側面に配置されたLED点灯ユニットを点灯することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の共用プリンタシステム。
【請求項7】
複数のPOS端末によって共用される共用プリンタにおいて、LED(Light Emission Diode)点灯ユニットを備え、前記POS端末のいずれかから印字要求を受け取った際に、当該印字要求に含まれている印字情報の印字を開始するとともに、当該印字要求に含まれている点灯色情報が示す点灯色で前記LED点灯ユニットを点灯することを特徴とする共用プリンタ。
【請求項8】
前記POS端末からの前記印字要求に含まれている前記印字情報の印字を終了した際に、前記LED点灯ユニットを滅灯することを特徴とする請求項7に記載の共用プリンタ。
【請求項9】
前記POS端末からの前記印字要求に含まれている前記印字情報の印字進捗状況に応じて、あらかじめ定めた点滅間隔で、前記LED点灯ユニットを点滅させることを特徴とする請求項7または8に記載の共用プリンタ。
【請求項10】
前記LED点灯ユニットは、指定された点灯色に切り替えて点灯する構造を有する1つのユニット、あるいは、前記POS端末の個数と同数のユニットのいずれかから構成されていることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の共用プリンタ。
【請求項11】
前記LED点灯ユニットは、当該共用プリンタの側面に分割して配置されており、前記POS端末から印字要求を受け取った際に、当該印字要求に含まれている前記点灯色情報が示す点灯色で、印字要求元の前記POS端末側に面した側面に配置されたLED点灯ユニットを点灯することを特徴とする請求項7ないし10のいずれかに記載の共用プリンタ。
【請求項12】
複数のPOS端末によって共用される共用プリンタにおける印字要求元判別方法であって、前記共用プリンタが、前記POS端末のいずれかからの印字要求を受け取った際に、該印字要求に含まれていて、印字要求元のPOS端末を特定するための情報として当該POS端末にあらかじめ割り当てられている点灯色を示す点灯色情報に基づいて、当該共用プリンタのLED(Light Emission Diode)点灯ユニットを点灯することにより、印字要求元の前記POS端末を判別することを特徴とする印字要求元判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−188601(P2010−188601A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35020(P2009−35020)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】