説明

内容器ブランク

【課題】容易かつ簡単に内容器を得ることができる内容器ブランクを提供する。
【解決手段】内容器用ブランク10は底板11と、一対の側板12a、12bと、一対の上板13a、13bとを備えている。一方の上板13aおよび他方の上板13bに、一方の係止機構20aと他方の係止機構20bとが各々設けられている。一方の係止機構20aと他方の係止機構20bは略同一形状を有している。このうち一方の係止機構20aは容器ブランク10の一方の側縁15aから幅方向に延びるとともに第1突起22aを有する第1直交部21aと、容器ブランク10の他方の側縁15bから湾曲して延びる第1湾曲部23aと、第1突起22aの基端27aから第1湾曲部23aの内方端28aに向って容器ブランク10の側縁15a、15bに平行に延びる第1平行部24aとを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多数の箱状容器用カートンブランクを折り畳んだ状態で保持し、段ボール箱内に収納するための内容器ブランクに係り、とりわけ容易かつ簡単に組み立てることができる内容器ブランクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より箱状容器を作製するため箱状容器用カートンブランクが使用されている。このような箱状容器用カートンブランクは多数集められて段ボール箱内に収納されるが、このとき多数の箱状容器用カートンブランクは折り畳んだ状態で一旦、コ字状のパッド(内容器)内に収納されて保持され、その後カートンブランクはパッドとともに段ボール箱内に収納される。
【0003】
コ字状パッドは一段に段ボール製となっており、多数のカートンブランクを収納した後はコ字状パッドの両端がガムテープ等で固定される。
【0004】
しかしながらコ字状パッドの両端をガムテープ等で固定した場合、パッド内からカートンブランクを取出す際、パッドの両端からガムテープを剥離する必要がある。このようにパッドの両端からガムテープを剥離すると、パッド表面から剥離粉が散乱することがある。またガムテープを剥離した後、このパッドを再利用することもむずかしい。
【0005】
他方、箱体を輸送したり保管するため、スリーブ包装体が用いられている(特許文献1参照)。このようなスリーブ包装体において、差し込み片6を差し込み口7内に挿入することにより、スリーブ包装体の両端部が係止されるが、この場合、差し込み片6を差し込み口7内に挿入する作業は容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−337843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、ガムテープを用いることなく容易かつ簡単に組み立てて内容器を得ることができる内容器ブランクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、多数の箱状容器用カートンブランクを折り畳んだ状態で保持し、段ボール箱内に収納するための一対の側縁を有する細長状内容器ブランクにおいて、底板と、底板の両側に連結された一対の側板と、一対の側板に連結された一対の上板とを備え、一対の上板および他方の上板に、一方の係止機構および他方の係止機構が各々設けられ、一方の係止機構はブランクの一方の側縁からブランクの幅方向中央まで直交して延び、先端に第1突起を有する第1直交部と、ブランクの他方の側縁から湾曲しながらブランク内方へ延びる第1湾曲部と、第1直交部の第1突起基端から第1湾曲部の内方端に向ってブランクの両側縁に平行に延びる第1平行部とを有し、他方の係止機構はブランクの他方の側縁からブランクの幅方向中央まで直交して延び、先端に第2突起を有する第2直交部と、ブランクの一方の側縁から湾曲しながらブランク内方へ延びる第2湾曲部と、第2直交部の第2突起基端から第2湾曲部の内方端に向ってブランクの両側縁に平行に延びる第2平行部とを有することを特徴とする内容器ブランクである。
【0009】
本発明は、底板の長さ≧一方の側板の長さ+一方の上板の長さとなっており、かつ底板の長さ≧他方の側板の長さ+他方の上板の長さとなっていることを特徴とする内容器ブランクである。
【0010】
本発明は、一対の側板に各々把持用穴が形成されていることを特徴とする内容器ブランクである。
【0011】
本発明は、内容器ブランクの材質は段ボールとなっていることを特徴とする内容器ブランクである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明によれば、内容器ブランクを容易に組み立てて、簡単に内容器を得ることができる。この場合、係止手段としてガムテープ等を用いる必要はなく、内容器を分解した後も、内容器ブランクを再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1(a)は本発明による内容器ブランクを示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のB部分拡大図。
【図2】図2(a)は箱状容器用カートンブランクの平面図、図2(b)は折り畳まれたカートンブランクを示す図。
【図3】内容器内に収納保持されたカートンブランクを段ボール箱内に収納した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1乃至図3は、本発明による内容器ブランクの一実施の形態を示す図である。
【0016】
まず、図2(a)(b)および図3により、箱状容器用カートンブランクと、この箱状容器用カートンブランクを収納する段ボール箱について説明する。
【0017】
図2(a)(b)に示すように、箱状容器用カートンブランク1は複数のパネル2,2・・・と、各パネル間の折罫3,3,・・・とを有している。このようなカートンブランク1は組立てられて、例えば牛乳用の箱状容器となる。
【0018】
カートンブランク1は折り畳んだ状態で、多数束ねられ、内容器10A内に収納されて保持される。そして多数のカートンブランク1は内容器10Aとともに、段ボール箱5内に収納される(図3)。
【0019】
内容器10Aは内容器ブランク10を組み立てることにより得られるが、この内容器ブランク10について、以下図1(a)(b)および図3により説明する。
【0020】
ここで図1(a)は内容器ブランク10の平面図であり、図1(b)は図1(a)のB部拡大図である。図1(a)(b)に示すように、内容器ブランク10は一対の側縁15a、15bを有する細長状の形状を有し、その材料はBフルートからなる段ボールからなっている。ここでBフルートはフルートの数/30cmが50±2となっており、Bフルートの厚みは約3.0mmとなっており、比較的平面圧縮強さが強く、堅い物を梱包するのに適している。
【0021】
このような内容器ブランク10は、図1(a)(b)および図3に示すように、底板11と、底板11の両側に連結された一対の側板12a、12bと、一対の側板12a、12bに連結された一対の上板13a、13bとを備えている。
【0022】
また一方の上板13aに一方の係止機構20aが設けられ、他方の上板13bに、一方の係止機構20aに係合する他方の係止機構20bが設けられている。
【0023】
このうち一方の上板13aに設けられた一方の係止機構20aは、内容器ブランク10の一方の側縁15aから内容器ブランク10幅方向中央まで直交して延び、先端に第1突起22aを有する第1直交部21aと、内容器ブランク10の他方の側縁15bから湾曲しながら内容器ブランク10内方へ延びる第1湾曲部23aと、第1直交部21aの第1突起22aの基端27aから第1湾曲部23aの内方端28aに向って内容器ブランク10の両側縁15a、15bと平行に延びる第1平行部24aとを有している。
【0024】
また他方の上板13bに設けられた他方の係止機構20bは、内容器ブランク10の他方の側縁15bから内容器ブランク10幅方向中央まで直交して延び、先端に第2突起22bを有する第2直交部21bと、内容器ブランク10の一方の側縁15aから湾曲しながら内容器ブランク10内方へ延びる第2湾曲部23bと、第2直交部21bの第2突起22bの基端27bから第2湾曲部23bの内方端28bに向って内容器ブランク10の両側縁15a、15bと平行に延びる第2平行部24bとを有している。
【0025】
また、内容器ブランク10の全長が1520mmであり、全幅が385mmのとき、第1突起22aおよび第2突起22bの突出長さ(第1平行部24aおよび第2平行部24bからの突出長さ)25は、約30mmとなっている。
【0026】
ところで、内容器ブランク10の一方の側板12aおよび他方の側板12bには、組立てられた内容器10Aを把持するための把持用穴17a、17bが各々形成されている。 また、内容器ブランク10の底板11、一方の側板12a、他方の側板12b、一方の上板13a、および他方の上板13bの長さは、以下のとおり定められている。
【0027】
底板11の長さ≧一方の側板12aの長さ+一方の上板13aの長さ
底板11の長さ≧他方の側板12bの長さ+他方の側板13bの長さ
底板11の長さ、一方の側板12aの長さ、他方の側板12bの長さ、一方の上板13aの長さおよび他方の上板の長さを上記のように定めることにより、内容器ブランク10を折り畳んだ際、内容器ブランク10を底板11の長さ内に収めることができる。
【0028】
すなわち、内容器ブランク10を折り畳む際、まず底板11に対して、一方の側板12aと一方の上板13aを折り畳む。次に一方の側板12aと一方の上板13a上に他方の側板12bと他方の上板13bを折り畳む。この場合、底板11、一方の側板12a、他方の側板12b、一方の上板13aおよび他方の側板13bの長さを上記のように定めることにより、折り畳まれた内容器ブランク10は底板11の長さ内に収まるため、内容器ブランク10をコンパクトに折り畳むことができる。
【0029】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0030】
まず、多数の箱状容器用カートンブランク1を折り畳んだ状態で集積して束ねる。この間、内容器ブランク10を組み立てて内容器10Aを作製する。次にこの内容器10A内に、折り畳まれた多数の箱状容器用カートンブランク1を束ねて収納し、一方の係止機構20aに他方の係止機構20bを係止することにより、内容器10Aを堅固に固定し、このことにより内容器10A内に多数のカートンブランク1を収納保持することができる。
【0031】
次に内容器10A内に収納保持された多数のカートンブランク1を、把持用穴17a、17bを把持して内容器10Aとともに段ボール箱5内に収納することができる。
【0032】
次に内容器ブランク10の組み立て作用について詳述する。
【0033】
まず、内容器ブランク10の底板11に対して一対の側板12a、12bを立ち上げる。次に一対の側板12a、12bに対して、一対の上板13a、13bを折り畳む。このようにして内容器ブランク10を組立てることができる。
【0034】
一方の上板13aに設けられた一方の係止機構20aと他方の上板13bに設けられた他方の係止機構20bを係止する場合、まず一方の係止機構20aの第1直交部21aを、他方の係止機構20bの第2湾曲部23bに当接させる。次に一方の係止機構20aと他方の係止機構20bとを互いに接近させる。このとき一方の係止機構20aの第1直交部21aが他方の係止機構20bの第2湾曲部23bに対して摺動して、第1直交部21aが他方の係止機構20bの第2内方端28b側へ向う。
【0035】
このようにして、一方の係止機構20aの第1突起22aと他方の係止機構20bの第2突起22bとが係合することにより、一方の係止機構20aと他方の係止機構20bとが係止する。
【0036】
以上のように、本実施の形態によれば、一方の係止機構20aと他方の係止機構20bとを係止する場合、一方の係止機構20aの第1直交部21aを他方の係止機構20bの第2湾曲部23bに沿って摺動させるだけで係止することができる。このとき、第1直交部21aは第2湾曲部23bと点接触しながら摺動することになり、側縁同志を位置合わせして係合する場合に比べて容易かつ簡単に係止することができる。
【0037】
また、内容器10Aを分解する場合、一方の係止機構20aと他方の係止機構20bを取外すだけで良いので、ガムテープ等を用いて内容器ブランク10を固定する場合に比べて、ガムテープにより剥離粉が散乱したりすることもない。
【0038】
また、ブランクの両端に各々切れ込みを設けてブランクの両端を係止する場合、ブランクの一端とブランクの他端とが幅方向にずれてしまうことも考えられる。
【0039】
これに対して本願発明によれば、一方の係止機構20aの第1突起22aと、他方の係止機構20bの第2突起22bとが係合することにより、一方の係止機構20aと他方の係止機構20bとが係止するので、一方の係止機構20aと他方の係止機構20bとが係止した場合に、一方の上板13aが他方の上板13bに対して内容器ブランク10の幅方向にずれてしまうことはない。
【符号の説明】
【0040】
1 箱状容器用カートンブランク
2 パネル
3 折罫
5 ダンボール箱
10 内容器ブランク
10A 内容器
11 底板
12a、12b 側板
13a、13b 上板
15a、15b 側縁
17a、17b 把持用穴
20a、20b 係止機構
21a 第1直交部
21b 第2直交部
22a 第1突起
22b 第2突起
23a 第1湾曲部
23b 第2湾曲部
24a 第1平行部
24b 第2平行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の箱状容器用カートンブランクを折り畳んだ状態で保持し、段ボール箱内に収納するための一対の側縁を有する細長状内容器ブランクにおいて、
底板と、
底板の両側に連結された一対の側板と、
一対の側板に連結された一対の上板とを備え、
一対の上板および他方の上板に、一方の係止機構および他方の係止機構が各々設けられ、
一方の係止機構はブランクの一方の側縁からブランクの幅方向中央まで直交して延び、先端に第1突起を有する第1直交部と、ブランクの他方の側縁から湾曲しながらブランク内方へ延びる第1湾曲部と、第1直交部の第1突起基端から第1湾曲部の内方端に向ってブランクの両側縁に平行に延びる第1平行部とを有し、
他方の係止機構はブランクの他方の側縁からブランクの幅方向中央まで直交して延び、先端に第2突起を有する第2直交部と、ブランクの一方の側縁から湾曲しながらブランク内方へ延びる第2湾曲部と、第2直交部の第2突起基端から第2湾曲部の内方端に向ってブランクの両側縁に平行に延びる第2平行部とを有することを特徴とする内容器ブランク。
【請求項2】
底板の長さ≧一方の側板の長さ+一方の上板の長さとなっており、かつ
底板の長さ≧他方の側板の長さ+他方の上板の長さとなっていることを特徴とする請求項1記載の内容器ブランク。
【請求項3】
一対の側板に各々把持用穴が形成されていることを特徴とする請求項1記載の内容器ブランク。
【請求項4】
内容器ブランクの材質は段ボールとなっていることを特徴とする請求項1記載の内容器ブランク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−168088(P2010−168088A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13920(P2009−13920)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】