説明

内寄生生物を制御するための18員ニトロベンジル−およびアミノベンジル−置換シクロヘキサデプシペプチドおよびそれらの製造方法

本発明は、環状デプシペプチド、特に、一般式(I)の18員のシクロヘキサデプシペプチド類およびそれらの塩に関し、式中、Rは、ニトロベンジルまたはR'R”N−ベンジルを表し{ここで、R'およびR”は、独立して、水素、置換されていることもあるC−C−アルキル、ホルミル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル、またはヒドロキシ−C−C−アルキル−スルホニル−C−C−アルキルを表すか、または、それらが結合している窒素原子と一体となって、R'およびR”は、置換されていることもある、単環式または多環式の、架橋および/またはスピロ環式であることもある、飽和または不飽和の複素環を形成し、これは、窒素、酸素および硫黄からなる群から1個ないし3個の他のヘテロ原子を含有するか、または、R'およびR”は、一体となってC−C−アルキレンモノカルボニルまたは置換されていることもあるC−C−ジカルボン酸のジアシル基を形成する}、そして、R、RおよびRは、独立してC−C−アルキルを表す。本発明はまた、該環状デプシペプチド類の光学異性体およびラセミ体、それらの製造方法、および内寄生生物を制御するためのそれらの使用に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、環状デプシペプチド類、特に18員シクロヘキサデプシペプチド類、それらの製造方法、および内寄生生物(endoparasite)を制御するためのそれらの使用に関する。
【0002】
18個の環原子を有する様々なシクロデプシペプチド類が、内寄生生物を制御するための物質として既に知られている(例えば、DE4317458A1、EP669343A1、EP658551A1参照)。
しかしながら、低い適用率および濃度では、これらの先行技術の化合物の活性は、完全に満足のいくものではない。
【0003】
本発明は、新規環状デプシペプチド、および、アミノ酸およびヒドロキシカルボン酸を環形成ブロック(ring building block)として有し、18個の環原子を有する環状デプシペプチドの製造方法を提供する。
【0004】
本発明はまた、アミノ酸およびヒドロキシカルボン酸を環形成ブロックとして含み、18個の環原子を含む環状デプシペプチド類の、内寄生生物を制御するための物質としての使用を提供する。
【0005】
本発明は、特に、以下に関する:
1.一般式(I)
【化1】

式中、
は、ニトロベンジルまたはR'R”N−ベンジルを表し
{ここで、R'およびR”は、相互に独立して、各々、水素、置換されていることもあるC−C−アルキル、ホルミル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−C−C−アルキルスルホニル−C−C−アルキルを表すか、または、
R'およびR”は、それらが結合している窒素原子と一体となって、置換されていることもある、単環式または多環式、飽和または不飽和の複素環を形成し、これは、場合により架橋および/またはスピロ環式であることもあり、窒素、酸素および硫黄からなる群から1個ないし3個のさらなるヘテロ原子を含有するか、または、R'およびR”は、一体となってC−C−アルキレンモノカルボニルまたは置換されていることもあるC−C−ジカルボン酸のジアシル基を形成する}、そして、
、RおよびRは、相互に独立してC−C−アルキルを表す、
の環状デプシペプチドおよびそれらの塩、並びにそれらの光学異性体およびラセミ体。
【0006】
2.一般式(I)
【化2】

(式中、R、R、RおよびRは、第1項の定義の通りである)
の新規環状デプシペプチド類およびそれらの塩は、以下により製造される。
a)第1段階で、一般式(II)
【化3】

(式中、R、RおよびRは、第1項の定義の通りである)
の環状デプシペプチド類およびそれらの塩を、ニトロ化剤、および、必要に応じて希釈剤の存在下でニトロ化し、そして、
b)必要に応じて、第2段階で、かくして得られる一般式(III)
【化4】

(式中、R、RおよびRは、第1項の定義の通りである)
の環状デプシペプチド類またはそれらの塩の中のニトロ基を、還元剤、および、必要に応じて希釈剤の存在下で還元し、そして、
c)必要に応じて、第3段階で、一般式(IV)
【化5】

(式中、R、RおよびRは、第1項の定義の通りである)
の環状デプシペプチドおよびそれらの塩を、適するアルデヒドおよび還元剤の存在下、そして、必要に応じて希釈剤の存在下、アミノアルキル化し、基R'およびR”を導入するか、または、
これらのデプシペプチドを、適するアルキル化剤および塩基性反応補助剤の存在下、必要に応じて希釈剤の存在下で、N−アルキル化するか、または、
これらのデプシペプチドを、適するアシル化剤および塩基性反応補助剤の存在下、必要に応じて希釈剤の存在下で、N−アシル化する。
【0007】
置換基の性質に応じて、一般式(I)の化合物は、様々な組成の幾何および/または光学異性体混合物として存在できる。本発明は、純粋な異性体および異性体混合物の両方に関する。
【0008】
好ましいのは、一般式(I)
【化6】

式中、
は、ニトロベンジルまたはR'R”N−ベンジルを表し
{ここで、R'およびR”は、相互に独立して、各々、水素、C−Cアルキル、特にメチル、エチル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、特にメトキシエチル、2−ヒドロキシエチルスルホニル−C−C−アルキル、特に2−ヒドロキシエチルスルホニルエチルを表すか、または、
R'およびR”は、それらが結合している窒素原子と一体となって、N−ピロリジノ、N−ピペリジノ、N−ピペラジノ、N−モルホリノ、N−2,6−ジメチルモルホリノ、N−チオモルホリノ、N−ピラゾロ、N−イミダゾロ、2−オキソピロリジン−1−イル、2−オキソピペリジン−1−イル、2−オキソアゼパン−1−イルメチル、スクシンイミノ、マレインイミノまたはグルタルイミノを表す}、
、RおよびRは、相互に独立してC−C−アルキルを表す、
のアミノ酸およびヒドロキシカルボン酸を環形成ブロックとして含み、18個の環原子を含む環状デプシペプチド類およびそれらの塩、並びにそれらの光学異性体およびラセミ体である。
【0009】
特に好ましいのは、一般式(I)
【化7】

式中、
は、4−ニトロベンジル、4−アミノベンジル、4−モルホリノベンジル、4−ヒドロキシエチルスルホニルエチルアミノベンジルを表し、
およびRは、相互に独立して、C−C−アルキル、特にメチル、イソプロピル、イソブチルまたはsec−ブチルを表し、
は、メチルまたはエチルを表す、
のアミノ酸およびヒドロキシカルボン酸を環形成ブロックとして含み、18個の環原子を含む環状デプシペプチド類およびそれらの塩、並びにそれらの光学異性体およびラセミ体である。
【0010】
ことさら特に好ましいのは、一般式(I)
【化8】

式中、
は、4−ニトロベンジル、4−アミノベンジル、4−モルホリノベンジル、4−ヒドロキシエチルスルホニルエチルアミノベンジルを表し、
およびRは、sec−ブチルを表し、
は、メチルを表す、
のアミノ酸およびヒドロキシカルボン酸を環形成ブロックとして含み、18個の環原子を含む環状デプシペプチド類およびそれらの塩、並びにそれらの光学異性体およびラセミ体である。
【0011】
本発明による環状デプシペプチド類およびそれらの酸付加塩および金属塩錯体は、良好な殺内寄生生物(endoparasiticidal)作用、特に駆虫作用を有し、好ましくは、獣医学の分野で使用できる。
【0012】
本発明による一般式(I)の環状デプシペプチド類およびそれらの塩は、1個またはそれ以上のキラル中心を含有し、従って、純粋な立体異性体として、または、様々なエナンチオマーおよびジアステレオマーの混合物の形態で存在し得、それは、必要であれば、それ自体知られているやり方で分離し得るか、または、立体異性体的に純粋な出発物質の使用と組み合わせて、立体選択的反応により製造し得る。
【0013】
しかしながら、本発明による一般式(I)の化合物およびそれらの塩の光学活性立体異性体を用いるのが好ましい。特に好ましいのは、(S)−配置アミノ酸(L型)および(R)−配置ヒドロキシカルボン酸(D型)を環形成ブロックとして構築される環状デプシペプチド類である。
【0014】
従って、本発明は、特に医学および獣医学の分野において、内寄生生物を制御するための、純粋なエナンチオマーおよびジアステレオマーおよびそれらの混合物を提供する。
【0015】
適する一般式(I)のデプシペプチド類の塩には、常套の非毒性の塩、即ち、適切な塩基との塩および酸が付加された塩が含まれる。好ましいのは、無機塩基との塩、例えばアルカリ金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩またはセシウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩またはマグネシウム塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、および無機アミンとの塩、例えばトリエチルアンモニウム塩、ジシクロヘキシルアンモニウム塩、N,N'−ジベンジルエチレンジアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ピコリニウム塩またはエタノールアンモニウム塩、無機酸との塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ジヒドロサルフェート(dihydrosulphate)、トリヒドロサルフェート(trihydrosulphate)、またはリン酸塩、有機カルボン酸または有機スルホン酸との塩、例えば、蟻酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩またはパラ−トルエンスルホン酸塩、塩基性アミノ酸との塩、例えばアルギン酸塩、アスパラギン酸塩、またはグルタミン酸塩などである。
【0016】
デプシペプチド類の塩には、さらに、金属塩錯体、例えばナトリウム塩、カリウム塩またはセシウム塩などのアルカリ金属塩、または例えばカルシウム塩もしくはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩も含まれる。
【0017】
固体として、デプシペプチド類またはそれらの塩は、溶媒和物、特に水和物の形態でも存在し得る。これらも本発明に包含される。
【0018】
特に、18個の環原子を有する以下のシクロデプシペプチド類に言及し得る:
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
【0019】
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−2−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−3−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−4−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−2−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−3−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−4−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−3−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−4−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−3−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−4−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
【0020】
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
【0021】
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−2−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−3−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−4−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−2−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−3−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−4−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−3−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−4−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−3−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−4−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、
【0022】
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
【0023】
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−2−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−3−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−4−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−2−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−3−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−4−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−3−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−4−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−3−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−4−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−バリニル−D−ラクチル−)、
【0024】
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−)、
【0025】
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−2−アミノ−ブチル−D−ラクチル−)、
【0026】
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−ロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−ロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−ロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−ロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−ロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−ロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−ロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−ロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−ロイシル−D−ラクチル−)、
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−ロイシル−D−ラクチル−)。
【0027】
一般式の置換されていることもある基は、1個またはそれ以上、好ましくは1個ないし3個、特に1個ないし2個の、同一かまたは異なる置換基を保有し得る。以下の置換基は、例として、そして好ましいものとして言及し得る:
好ましくは1個ないし4個、特に1個ないし2個の炭素原子を有するアルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル;好ましくは1個ないし4個、特に1個ないし2個の炭素原子を有するアルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシ;アルキルチオ、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ;好ましくは1個ないし5個、特に1個ないし3個のハロゲン原子を有するハロアルキル(ここで、ハロゲン原子は、同一かまたは異なり、好ましくはフッ素、塩素または臭素、特にフッ素または塩素を表す)、例えばジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル;ヒドロキシル;ハロゲン、好ましくはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素、特にフッ素および塩素;シアノ;ニトロ;アミノ;好ましくは1個ないし4個、特に1個または2個の炭素原子をアルキル基毎に有するモノアルキルアミノおよびジアルキルアミノ、例えばメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジメチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、メチル−n−ブチルアミノ;アルキルカルボニル基、例えばメチルカルボニル;好ましくは2個ないし4個、特に2個ないし3個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル、例えば、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル;1個ないし4個、特に1個ないし2個の炭素原子を有するアルキルスルフィニル;1個ないし4個、特に1個ないし2個の炭素原子および1個ないし5個のハロゲン原子を有するハロアルキルスルフィニル、トリフルオロメチルスルフィニル;1個ないし4個、特に1個ないし2個の炭素原子および1個ないし5個のハロゲン原子を有するハロアルキルスルホニル、例えばトリフルオロメチルスルホニル、ペルフルオロ−n−ブチルスルホニル、ペルフルオロイソブチルスルホニル;好ましくは6個または10個のアリールの炭素原子を有するアリールスルホニル、例えばフェニルスルホニル;上述の置換基の1つおよびホルムイミノ基(−HC=N−O−アルキル)を保有し得る、アシル、アリール、アリールオキシ。
【0028】
一般式(I)の化合物は新規である;それらは、例えば、上記の方法により製造できる。
以下に、選択された例を使用して本発明による方法を例示説明する(製造実施例も参照)。
【0029】
例えば、方法2aにおいて環状デプシペプチドのシクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)および発煙硝酸を、ニトロ化のために一般式(II)の化合物およびニトロ化剤として各々使用する場合、シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)およびシクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)の混合物が形成される(スキーム1参照)。
【0030】
式(II)は、方法2aを実施するために出発物質として必要とされる化合物の一般的定義を提供する。式(II)では、RないしRは、好ましくは、本発明による式(I)の化合物の説明に関して、これらの置換基に好ましいと既に言及した基を表す。
【0031】
スキーム1
【化9】

【0032】
出発物質として使用される環状デプシペプチド類のいくつかは知られており、文献(DE4317458A1、EP658551A1)からわかる方法を使用して全合成により製造できる。
【0033】
出発物質として使用される一般式(II)の環状デプシペプチド類は、例えば、対応する鎖式ヘキサデプシペプチド類(例えば、DE4317458、EP658551A1;Jeschke et al. Bioorg. Chem. 1999, pp. 207-214)の環化により得ることができ、それらは、例えば、文献からわかる方法により製造できる(例えば、JP07196486A2;鎖式テトラデプシペプチド類:JP07196487A2)(スキーム2参照)。
【0034】
スキーム2
【化10】

A):BOP−Cl、iPrN−Et、DCM、0−25℃、[48h];R'=H
【0035】
対応する鎖式ヘキサデプシペプチド類の環化は、例えば、活性化エステル(R'=ペンタフルオロフェニル)を使用して(大環状ペプチドアルカロイド類の製造方法:U. Schmidt et al. In Synthesis 1991, pp. 294-300 [ダイデムニン(didemnin)A、BおよびC]; Angew. Chem. 96, 1984, pp. 723-724 [ドラスチン(dolastin)3]; Angew. Chem. 102, 1990, pp. 562-563 [フェネスチン(fenestin)A]も参照)、または、N、O末端脱ブロック(terminally deblocked)ヘキサデプシペプチド類(R'=H)の場合、好ましくはカップリング剤の存在下で(例えば、Jeschke et al. Bioorg. Chem. 1999, pp. 207 214参照)、達成される。
【0036】
鎖式ヘキサデプシペプチド類の環化に適するカップリング剤は、アミド結合の生成に適する全てのものである(例えば、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie, Volume 15/2; Bodansky et al., Peptide Synthesis 2nd ed. (Wiley & Sons, New York 1976) or Gross, Meienhofer, The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology (Academic Press, New York 1979)参照)。好ましいのは、以下の方法を使用することである:ペンタクロロ−(Pcp)およびペンタフルオロフェノール(Pfp)、N−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキサミド(HONB)、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(HOBt)または3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジンをアルコール成分として使用する活性化エステル法、DCC−添加法によるジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCI)などのカルボジイミドを用いるカップリング、または、塩化ピバロイル、エチルクロロホルメート(EEDQ)およびイソブチルクロロホルメート(IIDQ)を使用するn−プロパンホスホン酸無水物(PPA)および混合無水物法の使用、または、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノホスホニウム)ヘキサフルオロホスフェート(BOP)、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−ホスフィン酸クロリド(BOP−Cl)、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP(登録商標))、ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBroP(登録商標))などのホスホニウム試薬とのカップリング、または、ジエチルシアノホスホネート(DEPC)およびジフェニルホスホリルアジド(DPPA)などのホスホン酸エステル試薬、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、2−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキサミド)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TNTU)、2−(2−オキソ−1(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−ビスペンタメチレン−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TSTU)もしくは2−(1H−ベンゾ−トリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)などのウロニウム試薬の使用。
【0037】
好ましいのは、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−ホスフィン酸クロリド(BOP−Cl)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノホスホニウム)ヘキサフルオロホスフェート(BOP)、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP(登録商標))、ブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBroP(登録商標))などのホスホニウム試薬、およびジエチルシアノホスホネート(DEPC)またはジフェニルホスホリルアジド(DPPA)などのホスホン酸試薬を用いるカップリングである。
【0038】
鎖式ヘキサデプシペプチド類の環化の実施に適する塩基性反応補助剤は、全ての適する塩基性反応補助剤、例えば、アミン類、特に第3級アミン類、並びにアルカリ金属およびアルカリ土類金属化合物である。
【0039】
言及し得る例は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよびバリウムの水酸化物、酸化物および炭酸塩、さらに、さらなる塩基性化合物、例えばアミジン塩基またはグアニジン塩基、例えば7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(MTBD)、ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン(DBN)、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン(DBU)、シクロヘキシルテトラブチルグアニジン(CyTBG)、シクロヘキシルテトラメチルグアニジン(CyTMG)、N,N,N,N−テトラメチル−1,8−ナフタレンジアミン、ペンタメチルピペリジン、第3級アミン類、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリベンジルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジメチル−p−アミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルイミダゾール、N−メチルピロール、N−メチルモルホリン、N−メチルヘキサメチレンイミン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、キノリン、α−ピコリン、β−ピコリン、イソキノリン、ピリミジン、アクリジン、N,N,N',N'−テトラメチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラエチレンジアミン、キノキサリン、N−プロピルジイソプロピルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、N,N'−ジメチルシクロヘキシルアミン、2,6−ルチジン、2,4−ルチジンまたはトリエチレンジアミンである。
【0040】
好ましいのは、第3級アミン、特にトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−プロピルジイソプロピルアミン、N,N'−ジメチルシクロヘキシルアミンまたはN−メチルモルホリンの使用である。
【0041】
ニトロ化は、例えば Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie, Volume XI/2 (Georg Thieme Verlag Stuttgart 1958), pp. 99-116 に記載された通り、常套の方法により実施できる。言及し得るニトロ化剤は、発煙または100%純度の硝酸(無水硝酸の製造には、F. D. Chattaway, Soc. 1910, 97, p. 2100 参照)、必要に応じて硫酸の存在下 (M. J. Middleton et al., J. Heterocyclic Chem. 1970, 7, pp. 1045-1049; L. W. Deady et al. Aust. J. Chem. 1982, 35 (10), pp. 2025-2034; EP 0 192 060)、または硝酸エステル類、硝酸アシルまたはニトロニウムテトラフルオロボレートの使用である。
【0042】
本発明による方法2aを実施するのに好ましく使用されるニトロ化剤は、発煙または98−100%純度の硝酸である。
方法2aによるニトロ化は、適するニトロ化剤、例えば発煙硝酸の存在下で一般式(II)のデプシペプチド類を反応させることにより実施する。
【0043】
反応時間は、5分間ないし72時間である。反応は、−50℃ないし50℃、好ましくは−30℃ないし30℃の温度、特に好ましくは−15℃ないし15℃の温度で実施する。原則として、反応は大気圧で実施できる。操作は、好ましくは大気圧または15バールまでの圧力で、必要に応じて、保護ガス(窒素またはヘリウム)雰囲気下で実施する。
本発明による方法2aを実施するために、ニトロ化しようとするデプシペプチド1mmolにつき、ニトロ化剤5ないし10ml、好ましくは6ないしmlを使用する。
【0044】
ニトロ化終了後、反応バッチ全体を中和し、希釈し、適する有機溶媒、例えば酢酸エチルで抽出する。有機溶媒の分離および減圧下での濃縮の後、得られる生成物を、再結晶、減圧蒸留またはカラムクロマトグラフィーにより、常套のやり方で精製できる(製造実施例参照)。
【0045】
例えば方法2bにおいて、シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−ニトロ−フェニル−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−ニトロ−フェニル−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)およびシクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)の混合物を、続いて還元用の一般式(III)の化合物として使用し、水素を、適する触媒、例えば水酸化パラジウム/炭素の存在下で還元剤として使用する場合、シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)、シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)およびシクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)の混合物が形成される(スキーム3参照)。
【0046】
スキーム3
【化11】

【0047】
式(III)は、方法2bを実施するための出発物質として必要とされる化合物の一般的定義を提供する。式(III)では、RないしRは、好ましくは、本発明による式(I)の化合物の説明に関して、これらの置換基に好ましいと既に言及した基を表す。
【0048】
本発明によると、特に好ましいのは、水素化触媒の存在下での一般式(II)の環状デプシペプチド類の水素化分解である。
【0049】
触媒的水素化を実施するのに適する触媒は、全ての常套の水素化触媒、例えば、白金触媒(白金板、白金スポンジ、白金黒、コロイド状白金、酸化白金、白金線など)、パラジウム触媒(例えば、パラジウムスポンジ、パラジウム黒、酸化パラジウム、パラジウム/炭素、コロイド状パラジウム、パラジウム/硫酸バリウム、パラジウム/炭酸バリウム、水酸化パラジウムなど)、ルテニウム触媒、コバルト触媒(例えば還元コバルト、ラネーコバルトなど)、銅触媒(例えば還元銅、ラネー銅、ウルマン銅など)である。しかしながら、好ましいのは、貴金属触媒、例えば白金およびパラジウムまたはルテニウム触媒を、必要に応じて、適する支持体、例えば炭素または珪素上で使用することである。
【0050】
好ましい水素化触媒は、パラジウム触媒、特にパラジウム/炭素または水酸化パラジウム/炭素である。
【0051】
一般的に、希釈剤の存在下で本発明による方法2aを実施するのが有利である。希釈剤は、方法全体において反応混合物が容易に撹拌可能である量で、有利に使用される。本発明による方法を実施するのに適する希釈剤は、全ての不活性溶媒である。
【0052】
例には、以下が含まれる:ハロゲン化炭化水素類、特に塩化炭化水素類、例えばテトラクロロエチレン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン、塩化メチレン、ジクロロブタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ペンタクロロエタン、ジフルオロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン、トリクロロベンゼン;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール;エーテル類、例えばエチルプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、n−ブチルエーテル、アニソール、フェネトール、シクロヘキシルメチルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロジエチルエーテルおよび酸化エチレンおよび/または酸化プロピレンのポリエーテル類;アミン類、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチル−モルホリン、ピリジンおよびテトラメチレンジアミン、ニトロ炭化水素類、例えばニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン、クロロニトロベンゼン、o−ニトロトルエン;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル、m−クロロベンゾニトリル、およびテトラヒドロチオフェンジオキシドおよびジメチルスルホキシドなどの化合物、テトラメチレンスルホキシド、ジプロピルスルホキシド、ベンジルメチルスルホキシド、ジイソブチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジイソアミルスルホキシド;スルホン類、例えば、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジブチルスルホン、ジフェニルスルホン、ジヘキシルスルホン、メチルヘキシルスルホン、エチルプロピルスルホン、エチルイソブチルスルホンおよびペンタメチレンスルホン;脂肪族、シクロ脂肪族または芳香族性炭化水素類、例えば、例えば40℃ないし250℃の範囲に沸点を有する成分のホワイトスピリット(white spirit)、シメン(cymene)、沸点範囲70℃ないし190℃のベンジン留分、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、石油エーテル、リグロイン(ligroin)、オクタン、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ニトロトルエン、キシレン;エステル類、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、および炭酸ジメチル、炭酸ジブチル、炭酸エチレン;アミド類、例えばヘキサメチレンホスホン酸トリアミド、ホルムアミド、N−メチル−ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジプロピルホルムアミド、N,N−ジブチルホルムアミド、N−メチル−ピロリジン、N−メチル−カプロラクタム、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジン、オクチルピロリドン、オクチルカプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリンジオン、N−ホルミル−ピペリジン、N,N'−1,4−ジホルミルピペラジン;ケトン類、例えばアセトン、アセトフェノン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン。
【0053】
本発明による方法は、当然、言及した溶媒および希釈剤の混合物中で実施することもできる。
使用すべき希釈剤は、各場合で用いられる還元剤に依存する。
しかしながら、アルコール類、例えば、メタノールまたはエタノールは、還元に好ましい希釈剤である。
【0054】
出発物質として使用する環状デプシペプチド類のいくつかは、知られており、方法2aに従いニトロ化により得ることができる。
方法2bによる還元は、適する還元剤、例えば触媒水酸化パラジウム/炭素の存在下の水素の存在下で、一般式(III)のデプシペプチド類を反応させることにより実施する。
【0055】
反応時間は、10分間ないし72時間である。反応は、−20℃ないし50℃、好ましくは−10℃ないし30℃の温度、特に好ましくは−5℃ないし10℃の温度で実施する。原則として、反応は、大気圧下で実施できる。好ましくは、操作は大気圧または15バールまでの圧力で、必要に応じて、保護ガス(窒素またはヘリウム)雰囲気下で実施する。
本発明による方法2bを実施するために、還元しようとするデプシペプチド1mmolにつき、好ましくは還元剤0.05ないし1.5gを用いる。
【0056】
還元終了後、還元剤を除去し、反応バッチ全体を減圧下で濃縮する。得られる生成物を、再結晶、減圧蒸留またはカラムクロマトグラフィーにより、常套のやり方で精製できる(製造実施例参照)。
【0057】
続けて、例えば方法2cにおいて、純粋なシクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−アミノ−フェニル−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル)を一般式(III)の化合物として使用し、そして、その場で(in situ)生成される適するジアルデヒド、例えばHOC−CH−O−CH−CHOを、アミノアルキル化のためのアルデヒドとして使用する場合、シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−モルホリノ−フェニル−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)が形成される(スキーム4参照)。
【0058】
スキーム4
【化12】

B)その場の[OHC−CH−O−CH−CHO]、NaCNBH、メタノール、−50℃
【0059】
式(IV)は、方法2cを実施するための出発物質として必要とされる化合物の一般的定義を提供する。式(IV)では、RないしRは、好ましくは、本発明による式(I)の化合物の説明に関して、これらの置換基に好ましいと既に言及した基を表す。
【0060】
出発物質として使用される環状デプシペプチド類は、方法2bにより得ることができる。
出発物質として使用されるジアルデヒドは、文献からわかる方法により、例えば(i)過ヨウ素酸ナトリウムの酸化により、1,4−アンヒドロ−メソ−エリトリトールから (E. M. Acton et al. J. Med. Chem. 1984, 27, pp. 638-645)、(ii)50%強度酢酸の存在下で、ジケタール(RO)−CH−O−CH−(O−R)の加水分解により (F. J. Lopez Aparicio et al. Carbohydrat Res. 1982, 111 (1), pp. 157-162; WO 93/10053)、または、(iii)2,5−ジヒドロフラン(X=O)からのオゾン分解により(M. Kanemoto Chemistry Express 1987, 2 (1), pp. 17-20)、得ることができる(スキーム5参照)。
【0061】
スキーム5
【化13】

【0062】
文献は、還元的アミノ化のために、多数の様々な還元剤を記載している (Houben-Weyl XI/I, p. 602; W. S. Emerson, Org. Reactions 4, 1949, p. 174; E. M. Hancock, A. C. Cope Org. Synth., Coll. Vol. III, 1955, p. 717 参照)。その場で形成されるアゾメチン(azomethyne)類の水素化に適するのは、例えば、様々な水素化剤、例えば、アルカリ金属水素化物、特に水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaCNBH)、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH)、水素化トリエチルホウ素リチウム(Li[EtBH])、水素化トリ−sec−ホウ素リチウム(Li[sec−BuBH])、水素化ナトリウム−ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム、水素化アルキルアルミニウム、特に水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)またはトリアセトキシ水素化ホウ素テトラメチルアンモニウムである(H. de Koning, W. N. Speckamp, Houben Weyl E 21, p. 1953 およびそこで引用される文献を参照)。
【0063】
当然、水素化に、「水素化ホウ素樹脂」、例えば「Amberlite(登録商標) IRA-406 上の水素化ホウ素」を使用することも可能である(Sande A. R. et al., Tetrahedron Lett. 1984, 25, p. 3501 参照)。
【0064】
本発明による方法2cを実施するために、好ましいのは、アルカリ金属水素化物、特に水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaCNBH)、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH)を使用することである。
【0065】
方法2bによる還元的アルキル化は、一般式(III)のデプシペプチド類を、希釈剤の存在下、アルデヒドおよび適する還元剤、例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下で反応させることにより実施する。
【0066】
反応時間は、10分間ないし72時間である。反応は、−20℃ないし50℃、好ましくは−10℃ないし30℃の温度、特に好ましくは−5℃ないし10℃の温度で実施する。原則として、反応は、大気圧下で実施できる。好ましくは、操作は大気圧または15バールまでの圧力で、必要に応じて、保護ガス(窒素またはヘリウム)雰囲気下で実施する。
本発明による方法2cを実施するために、デプシペプチド1mmolにつき、好ましくは還元剤1.0mmolないし3.0mmolを用いる。
【0067】
アミノアルキル化が完了した後、反応バッチ全体を中和し、希釈し、有機溶媒、例えば塩化炭化水素で抽出する。有機相の洗浄、乾燥および減圧下での濃縮の後、得られる生成物を、再結晶、減圧蒸留またはカラムクロマトグラフィーにより、常套のやり方で精製できる(製造実施例参照)。
【0068】
方法2cのさらなる実施態様において、純粋なシクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−アミノ−フェニル−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル)を一般式(III)の化合物として使用し、ジアルデヒド、例えばHOC−CH−SO−CH−CHOをアミノアルキル化のためのアルデヒドとして使用する場合、驚くべきことに、本発明によると、シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル)が形成される(スキーム6参照)。
【0069】
スキーム6
【化14】

C)その場で[OHC−CH−SO−CH−CHO]、NaCNBH、メタノール、−50℃
【0070】
式(IV)は、方法2cを実施するための出発物質として必要とされる化合物の一般的定義を提供する。式(IV)では、RないしRは、好ましくは、本発明による式(I)の化合物の説明に関して、これらの置換基に好ましいと既に言及した基を表す。
【0071】
出発物質として使用される環状デプシペプチドは、方法2bにより得ることができる。
出発物質として使用されるジアルデヒドは、文献からわかる、スキーム5の方法(iii)に従い、3−スルホール(sulphole)類(X=SO)からのオゾン分解により得ることができる。
【0072】
方法2cによる還元的アルキル化は、一般式(III)のデプシペプチド類を、溶媒の存在下、アルデヒドおよび適する還元剤、例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下で反応させることにより実施する。
【0073】
反応時間は、10分間ないし72時間である。反応は、−20℃ないし50℃、好ましくは−10℃ないし30℃の温度、特に好ましくは−5℃ないし10℃の温度で実施する。原則として、反応は、大気圧下で実施できる。好ましくは、操作は大気圧または15バールまでの圧力で、必要に応じて、保護ガス(窒素またはヘリウム)雰囲気下で実施する。
本発明による方法2cを実施するために、デプシペプチド1mmolにつき、好ましくは還元剤1.0mmolないし3.0mmolを用いる。
【0074】
アミノアルキル化が完了した後、反応バッチ全体を中和し、希釈し、有機溶媒、例えば塩化炭化水素で抽出する。有機相の洗浄、乾燥および減圧下での濃縮の後、得られる生成物を、再結晶、減圧蒸留またはカラムクロマトグラフィーにより、常套のやり方で精製できる(製造実施例参照)。
【0075】
あるいは、さらなる実施態様では、環化はまた、一般式(IV)の化合物を一般式(V)の化合物と、必要に応じて上述の塩基性反応補助剤の1種の存在下で、反応させることにより実施できる:
E−CHR'−CHR'−X−CHR'−CHR'−E (V)
【0076】
一般式(V)の化合物中、Xは、好ましくは酸素、硫黄、スルホニルまたは置換されていることもあるアミノを表し、基R'1−R'4は、好ましくはC−C−アルキル、例えばメチルまたはエチルを表し、Eは、好ましくは適する脱離基、例えばハロゲン、特にフッ素、塩素、臭素またはヨウ素、メチルスルホニルオキシ(Ms−O)またはパラ−トルエンスルホニルオキシ(p−Tos−O)を表す。
【0077】
一般式(V)の化合物は、文献から知られており、例えば環化のためのそれらの使用は、記載されてきた(WO93/10053参照)。アルキル化は、例えば、一般式(III)のデプシペプチド類を、溶媒の存在下、塩基性反応補助剤の存在下で、スキーム7に従い反応させることにより実施する。
【0078】
スキーム7
【化15】

【0079】
方法2を用い、(S)および(R)配置(またはLおよびD配置)を有する個々の形成ブロックから、出発物質の本来の配置を維持しながら、環状デプシペプチド類を得ることができる。
【0080】
上述の変法における「不活性溶媒」は、各場合で各々の反応条件下で不活性な溶媒であるが、全ての考えられる反応条件下で不活性である必要はない。
【0081】
活性化合物は、ヒトにおいて、および動物の管理および家畜の飼育において、繁殖用家畜、飼育している家畜、動物園の動物、研究室の動物、実験に使用する動物、および愛玩動物において遭遇する病原性内寄生生物を制御するのに適し、温血動物に対して毒性が低い。好ましいのは、温血動物、特に哺乳動物の内寄生生物に対する適用である。それらは、耐性の種および通常に感受性のある種に対して、そして、害虫の全てまたはいくつかの発生段階に対して活性である。病原性内寄生生物の制御により、より経済的でより簡潔な動物の維持が活性化合物の使用により可能になるように、疾患、死亡および性能の低下(例えば、食肉、乳、羊毛、皮、卵、蜂蜜などの生産において)を低減させることを意図している。病原性内寄生生物には、条虫類(Cestodes)、吸虫類(Trematodes)、線虫類(Nematodes)が含まれ、特に以下のものである:
【0082】
擬葉目から、例えばジフィロボツリウム属(Diphyllobothrium spp.)、スピロメトラ属(spirometra spp.)、シストセファルス属(Schistocephalus spp.)、リグラ属(Ligula spp.)、ボツリジウム属(Bothridium spp.)、ジフロゴノポラス属(Diphlogonoporus spp.)。
【0083】
円葉目から、例えばメソセストイデス属(Mesocestoides spp.)、アノプロセファラ属(Anoplocephala spp.)、パラノプロセファラ属(Paranoplocephala spp.)、モニエジア属(Moniezia spp.)、チサノソムサ属(Thysanosomsa spp.)、チサニエジア属(Thysaniezia spp.)、アビテリナ属(Avitellina spp.)、スチレシア属(Stilesia spp.)、シットタエニア属(Cittotaenia spp.)、アンジラ属(Andyra spp.)、ベルチエラ属(Bertiella spp.)、タエニア属(Taenia spp.)、エチノコッカス属(Echinococcus spp.)、ハイダチゲラ属(Hydatigera spp.)、ダベイネア属(Davainea spp.)、ライリエチナ属(Raillietina spp.)、ハイメノレピス属(Hymenolepis spp.)、エチノレピス属(Echinolepis spp.)、エチノコチレ属(Echinocotyle spp.)、ジオルチス属(Diorchis spp.)、ジフリジウム属(Dipylidium spp.)、ジョエキシエラ属(Joyeuxiella spp.)、ジプロピリジウム属(Diplopylidium spp.)。
【0084】
単生綱から、例えばジャイロダクチラス属(Gyrodactylus spp.)、ダクチロジラス属(Dactylogyrus spp.)、ポリストマ属(Polystoma spp.)。
【0085】
二生亜綱から、例えばジプロストマム属(Diplostomum spp.)、ポストジプロストマム属(Posthodiplostomum spp.)、シストソーマ属(Schistosoma spp.)、トリコビルハルジア属(Trichobilharzia spp.)、オルニトビルハルジア属(Ornithobilharzia spp.)、オストロビルハルジア属(Austrobilharzia spp.)、ギガンドビルハルジア属(Gigantobilharzia spp.)、ロイコクロリジウム属(Leucochloridium spp.)、ブラチライマ属(Brachylaima spp.)、エチノストーマ属(Echinostoma spp.)、エチノパリフィウム属(Echinoparyphium spp.)、エチノチャスマス属(Echinochasmus spp.)、ヒポデラエウム属(Hypoderaeum spp.)、ファシオラ属(Fasciola spp.)、ファシオリデス属(Fasciolides spp.)、ファシオロプシス属(Fasciolopsis spp.)、シクロケラム属(cyclocoelum spp.)、チフロケラム属(Typhlocoelum spp.)、パラムフィストマム属(Paramphistomum spp.)、カリコホロン属(Calicophoron spp)、コチロホロン属(Cotylophoron spp.)、ギガントコチレ属(Gigantocotyle spp.)、フィソエデリウス属(Fischoederius spp.)、ガストロチラクス属(Gastrothylacus spp.)、ノトコチラス属(Notocotylus spp.)、カタトロピス属(Catatropis spp.)、プラジオルチス属(Plagiorchis spp.)、プロストゴニマス属(Prosthogonimus spp.)、ジクロコエリウム属(Dicrocoelium spp.)、コリリクラム属(Collyriclum spp.)、ナノフィエタス属(Nanophyetus spp.)、オピストルチス属(Opisthorchis spp.)、クロノルチス属(Clonorchis spp.)、メトルチス属(Metorchis spp.)、ヘテロフィエス属(Heterophyes spp.)、メタゴニマス属(Metagonimus spp.)。
【0086】
エノプルス目から、例えばトリクリス属(Trichuris spp.)、カピラリア属(Capillaria spp.)、トリコモソイデス属(Trichomosoides spp.)、トリチネラ属(Trichinella spp.)。
桿線虫目から、例えばミクロネマ属(Micronema spp.)、ストロンギロイデス属(Strongyloides spp.)。
【0087】
円虫目から、例えばストロニラス属(Stronylus spp.)、トリオドントホラス属(Triodontophorus spp.)、オエソファゴドンタス属(Oesophagodontus spp.)、トリコネマ属(Trichonema spp.)、ギアロセファルス属(Gyalocephalus spp.)、シリンドロファリンクス属(Cylindropharynx spp.)、ポテリオストマム属(Poteriostomum spp.)、シクロコセルカス属(cyclococercus spp.)、シリコステファナス属(Cylicostephanus spp.)、オエソファゴストマム属(Oesophagostomum spp.)、チャベルチア属(Chabertia spp.)、ステファヌラス属(Stephanurus spp.)、アンチロストマ属(Ancylostoma spp.)、アンシナリア属(Uncinaria spp.)、ブノストマム属(Bunostomum spp.)、グロボセファラス属(Globocephalus spp.)、シンガマス属(Syngamus spp.)、シアトストマ属(Cyathostoma spp.)、メタストロンギラス属(Metastrongylus spp.)、ジクチオカウラス属(Dictyocaulus spp.)、ムエレリウス属(Muellerius spp.)、プロトストロンギラス属(protostrongylus spp.)、ネオストロンギラス属(Neostrongylus spp.)、シストカウラス属(Cystocaulus spp.)、ニューモストロンギラス属(Pneumostrongylus spp.)、スピコカウラス属(Spicocaulus spp.)、エラホストロンギラス属(Elaphostrongylus spp.)、パレラホストンギラス属(Parelaphostrongylus spp.)、クレノソーマ属(Crenosoma spp.)、パラクレノソーマ属(Paracrenosoma spp.)、アンギオストロンギラス属(Angiostrongylus spp.)、アエルロストロンギラス属(Aelurostrongylus spp.)、フィラロイデス属(Filaroides spp.)、パラフィラロイデス属(Parafilaroides spp.)、トリコストロンギラス属(Trichostrongylus spp.)、ヘモンカス属(Haemonchus spp.)、オステルタジア属(Ostertagia spp.)、マルシャラジア属(Marshallagia spp.)、クーペリア属(Cooperia spp.)、ネマトジラス属(Nematodirus spp.)、ホストロンギラス属(Hyostrongylus spp.)、オベリスコイデス属(Obeliscoides spp.)、アミドストマム属(Amidostomum spp.)、オルラナス属(Ollulanus spp.)、シリコシクラス属(Cylicocyclus spp.)、シリコドントホラス属(Cylicodontophorus spp.)。
【0088】
蟯虫(oxyurida)目から、例えばオキシウリス属(oxyuris spp.)、エンテロビウス属(Enterobius spp.)、パッサルラス属(Passalurus spp.)、シファシア属(Syphacia spp.)、アスピクルリス属(Aspiculuris spp.)、ヘテラキス属(Heterakis spp.)。
【0089】
鶏回虫(Ascaridia)目から、例えばアスカリス属(Ascaris spp.)、トキサスカリス属(Toxascaris spp.)、トキソカラ属(Toxocara spp.)、パラスカリス属(Parascaris spp.)、アニサキス属(Anisakis spp.)、アスカリジア属(Ascaridia spp.)。
【0090】
旋尾線虫目から、例えばグナトストーマ属(Gnathostoma spp.)、フィサロプテラ属(Physaloptera spp.)、テラジア属(Thelazia spp.)、ゴンジロネマ属(Gongylonema spp.)、ハブロネマ属(Habronema spp.)、パラブロネマ属(Parabronema spp.)、ドラシア属(Draschia spp.)、ドラクンクラス属(Dracunculus spp.)。
【0091】
フィラリア(Filariida)目から、例えばステファノフィラリア属(Stephanofilaria spp.)、パラフィラリア属(Parafilaria spp.)、セタリア属(Setaria spp.)、ロア属(Loa spp.)、ジロフィラリア属(Dirofilaria spp.)、リトモソイデス属(Litomosoides spp.)、ブルジア属(Brugia spp.)、ウケレリア属(Wuchereria spp.)、オンコセルカ属(Onchocerca spp.)。
【0092】
ギガントリンクス(Gigantorhynchida)目から、例えばフィリコリス属(Filicollis spp.)、モニリホルミス属(Moniliformis spp.)、マクラカントルヒンクス属(Macracanthorhynchus spp.)、プロステノルキス属(Prosthenorchis spp.)。
【0093】
家畜および繁殖用家畜には、哺乳類、例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラクダ、スイギュウ、ロバ、ウサギ、ダマジカ、トナカイ、毛皮を有する動物、例えば、ミンク、チンチラまたはアライグマ、鳥類、例えば、ニワトリ、ガチョウ、シチメンチョウまたはアヒル、淡水魚および海水魚、例えば、マス、コイおよびウナギ、爬虫類および昆虫類、例えば、ミツバチおよびカイコが含まれる。
【0094】
実験室および試験の動物には、マウス、ラット、モルモット、ゴールデンハムスター、イヌおよびネコが含まれる。
愛玩動物には、イヌおよびネコが含まれる。
【0095】
投与は、予防的および治療的に行うことができる。
活性物質は、直接または適する製剤の形態で、経腸で、非経腸で、皮膚に、鼻腔に、生息環境を処理することにより、または、活性化合物を含有する成形品(shaped article)、例えば、ストリップ、プレート、テープ、首輪、耳タグ、肢バンドもしくはマーキング装置を利用して、投与する。
【0096】
活性化合物の経腸投与は、例えば経口で、粉末剤、錠剤、カプセル剤、ペースト、飲料、顆粒剤、液剤、巨丸剤、薬物を加えた飼料または飲料水の形態で行う。皮膚投与は、例えば、浸す、スプレーする、入浴させる、洗う、注ぎかける、点状に塗る、振りかけるといった形態で行う。非経腸投与は、例えば、注射(筋肉内、皮下、静脈内または腹腔内)の形態またはインプラントにより行う。
【0097】
適する製剤には、以下のものが含まれる:
液剤、例えば注射用液剤、経口液剤、希釈後に経口投与するための濃縮剤、皮膚または体腔内で使用するための液剤、ポアオン(pour-on)製剤、ゲル;
経口または皮膚投与用、および注射用の、乳剤および懸濁剤;半固体製剤;
活性化合物がクリーム基剤または水中油もしくは油中水の乳剤基剤に組み込まれている製剤;
固体製剤、例えば粉末剤、プレミックス(premix)または濃縮剤、顆粒剤、ペレット剤、錠剤、巨丸剤、カプセル剤;エアゾル剤および吸乳剤、活性化合物を含有する成型品。
【0098】
注射用液剤は、静脈内、筋肉内および皮下に投与する。
注射用液剤は、活性化合物を適する溶媒に溶解し、所望により、可溶化剤、酸、塩基、緩衝塩、抗酸化剤または保存料などの添加物を添加することにより製造する。液剤は、濾過滅菌し、容器にデカンタする。
【0099】
適する溶媒には以下のものが含まれる:生理的に許容し得る溶媒、例えば水、アルコール類、例えばエタノール、ブタノール、ベンジルアルコール、グリセロール、炭化水素類、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール類およびN−メチル−ピロリドン、並びにこれらの混合物。
必要に応じて、活性化合物を、注射に適する生理的に許容し得る植物または合成油に溶解することもできる。
【0100】
適する可溶化剤には、以下のものが含まれる:主溶媒における活性化合物の溶解を促進するか、または、活性化合物の沈殿を防止する溶媒。可溶化剤の例は、ポリビニルピロリドン、ポリエトキシル化ひまし油、およびポリエトキシル化ソルビタンエステル類である。
以下のものは、保存料である:ベンジルアルコール、トリクロロブタノール、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類またはn−ブタノール。
【0101】
経口液剤は、直接投与する。濃縮剤は、最初に投与濃度に希釈し、次いで経口投与する。経口液剤および濃縮剤は、注射用液剤の場合で上記した通りに製造し、滅菌操作は必須ではない。
【0102】
皮膚使用のための液剤は、滴下により、なでつけて、擦り込んで、塗り付けて、またはスプレーして適用するか、または、浸す(入浴させるか、または洗う)ことにより適用する。これらの液剤は、注射用液剤の場合で上記した通りに製造する。
【0103】
製造過程で増粘剤を添加するのが有利なことがある。
以下のものは、増粘剤である:無機増粘剤、例えばベントナイト類、コロイド状シリカ、モノステアリン酸アルミニウム、または、有機増粘剤、例えば、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール類およびそれらのコポリマー類、アクリル酸塩およびメタクリル酸塩。
【0104】
ゲルは、皮膚に適用するか、または、体腔になでつけるかもしくは導入する。ゲルは、注射用液剤について上記した通りに製造された液剤に、軟膏様の粘稠度を有する澄明な組成物が形成される量で増粘剤を添加することにより製造する。使用する増粘剤は、上記した増粘剤である。
【0105】
ポアオンおよびスポットオン(spot-on)製剤は、皮膚の限定された領域に注ぎかけるか、または、塗りつける。活性化合物は、皮膚に浸透し、全身的に作用するか、または体表に分配される。
【0106】
ポアオンおよびスポットオン製剤は、活性化合物を、皮膚に耐容される適する溶媒または溶媒混合物に溶解、懸濁または乳化することにより製造する。必要に応じて、他の補助剤、例えば着色剤、吸収促進剤、抗酸化剤、光安定化剤または粘着性付与剤を添加する。
【0107】
適する溶媒には、以下が含まれる:水、アルカノール類、グリコール類、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、グリセロール、芳香族性アルコール類、例えばベンジルアルコール、フェニルエタノールもしくはフェノキシエタノール、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸ブチルもしくは安息香酸ベンジル、エーテル類、例えばアルキレングリコールアルキルエーテル類、例えばジプロピレングリコールモノメチルエーテルもしくはジエチレングリコールモノ−ブチルエーテル、ケトン類、例えばアセトンもしくはメチルエチルケトン、芳香族性および/または脂肪族炭化水素類、植物もしくは合成油、DMF、ジメチル−アセトアミド、N−メチルピロリドンまたは2,2−ジメチル−4−オキシ−メチレン−1,3−ジオキソラン。
【0108】
着色剤は、溶解または懸濁でき、動物への使用を承認されている全ての着色剤である。
吸収促進剤の例は、DMSO、塗布油(spreading oil)、例えばイソプロピルミリステート、ジプロピレングリコールペラルゴネート、シリコン油、脂肪酸エステル類、トリグリセリド類または脂肪アルコール類である。
【0109】
以下のものは、抗酸化剤である:亜硫酸塩またはメタ重亜硫酸塩、例えばメタ重亜硫酸カリウム、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールまたはトコフェロール。
光安定化剤の例は、ベンゾフェノン類のクラスの化合物およびノブアンチゾリン酸(novantisolic acid)である。
粘着性付与剤は、例えば、セルロース誘導体、デンプン誘導体、ポリアクリル酸塩または天然ポリマー類、例えばアルギン酸塩またはゼラチンである。
【0110】
乳剤は、経口で、皮膚に、または注射として投与できる。
乳剤は、油中水タイプまたは水中油タイプのいずれかである。
それらは、活性化合物を疎水相または親水相に溶解し、この相を適する乳化剤を利用して他方の相の溶媒と均一化し、必要に応じて、他の補助剤、例えば着色剤、吸収促進剤、保存料、抗酸化剤、光安定化剤および粘性増加物質を添加することにより製造する。
【0111】
適する疎水相(油)には以下が含まれる:パラフィン油、シリコン油、天然植物油、例えばゴマ油、アーモンド油またはひまし油、合成トリグリセリド類、例えばカプリル酸/カプリン酸ビグリセリド、鎖長C8−12の植物脂肪酸または他の特別に選択された天然脂肪酸を有するトリグリセリド混合物、ヒドロキシル基も含有し得る飽和または不飽和脂肪酸からなる部分グリセリドの混合物、並びにC/C10−脂肪酸のモノ−およびジグリセリド。
【0112】
脂肪酸エステル類、例えばエチルステアレート、ジ−n−ブチリルアジペート、ヘキシルラウレート、ジプロピレングリコールペラルゴネート、中程度の鎖長を有する分枝脂肪酸と鎖長C16−C18の飽和脂肪アルコールのエステル類、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、鎖長C12−C18の飽和脂肪アルコールのカプリル酸/カプリン酸エステル、イソプロピルステアレート、オレイルオレエート、デシルオレエート、エチルオレエート、エチルラクテート、蝋状脂肪酸エステル類、例えば人工アヒル尾脂(artificial duck uropygial fat)、ジブチルフタレート、ジイソプロピルアジペート、後者に関するエステル混合物など。
【0113】
脂肪アルコール類、例えばイソトリデシルアルコール、2−オクチルドデカノール、セチルステアリルアルコールまたはオレイルアルコール。
脂肪酸、例えば、オレイン酸およびその混合物。
【0114】
適する親水相には、以下のものが含まれる:
水、アルコール類、例えばプロピレングリコール、グリセロール、ソルビトールおよびそれらの混合物。
【0115】
適する乳化剤には、以下のものが含まれる:非イオン性界面活性剤、例えばポリエトキシル化ひまし油、ポリエトキシル化ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、グリセロールモノステアレート、ポリオキシエチルステアレートまたはアルキルフェノールポリグリコールエーテル類;
両性界面活性剤、例えばジナトリウムN−ラウリル−β−イミノジピロピオネートまたはレシチン;
陰イオン性界面活性剤、例えばラウリル硫酸Na、脂肪アルコールエーテルサルフェート、およびモノ/ジアルキルポリグリコールエーテルオルトリン酸エステルのモノエタノールアミン塩;
陽イオン性界面活性剤、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド。
【0116】
適する他の補助剤には、以下のものが含まれる:粘性を増加し、乳剤を安定化する物質、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースおよび他のセルロースおよびデンプン誘導体、ポリアクリル酸塩、アルギン酸塩、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルビニルエーテル/マレイン酸無水物コポリマー類、ポリエチレングリコール類、蝋、コロイド状シリカ、または列挙した物質の混合物。
【0117】
懸濁剤は、経口で、皮膚に、または注射として投与できる。それらは、活性化合物を液体賦形剤中で、必要に応じて他の補助剤、例えば湿潤剤、着色剤、吸収促進剤、保存料、抗酸化剤および光安定化剤などを添加して、懸濁することにより製造する。
【0118】
適する液体添加剤には、全ての均質な溶媒および溶媒混合物が含まれる。
適する湿潤剤(分散剤)には、上記した界面活性剤が含まれる。
適する他の補助剤には、上記したものが含まれる。
【0119】
半固体製剤は、経口で、または皮膚に投与できる。それらは、上述の懸濁剤および乳剤から、それらの高い粘性のみで区別される。
【0120】
固体製剤を製造するために、活性化合物を適する賦形剤と、必要に応じて補助剤を添加して混合し、混合物を所望の通りに製剤化する。
【0121】
適する賦形剤には、全ての生理的に許容し得る固体の不活性な物質が含まれる。この目的に適するのは、無機および有機物質である。無機物質は、例えば、食塩(common salt)、炭酸塩、例えば炭酸カルシウム、炭素水素塩、酸化アルミニウム、シリカ類、粘土類、沈降またはコロイド状シリカ、およびリン酸塩である。
【0122】
有機物質は、例えば、糖、セルロース、食糧および動物飼料、例えば粉乳、動物粉餌、穀物粉餌、雑穀粉餌およびデンプン類である。
補助剤は、上記で既述した保存料、抗酸化剤および着色剤である。
【0123】
他の適する補助剤は、滑沢剤および潤滑剤(glidant)、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ベントナイト類、崩壊剤、例えば、デンプンまたは架橋ポリビニルピロリドン、結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたは直鎖状ポリビニルピロリドン、および乾燥結合剤、例えば微結晶セルロースである。
【0124】
製剤中、およびこれらの製剤から調製される使用形態中の本発明による活性化合物は、殺虫剤、滅菌剤、殺菌剤、ダニ駆除剤、殺線虫剤または殺真菌剤などの他の活性化合物との混合物として存在し得る。殺虫剤には、例えば、リン酸エステル類、カルバメート類、カルボン酸エステル類、塩化炭化水素類、フェニル尿素類、ニコチニル類、ネオニコチニル類、微生物により産生される物質などが含まれる。
【0125】
混合物において特に有利な成分の例は、以下のものである:
殺真菌剤:
アルジモルフ(aldimorph)、アムプロピルホス(ampropylfos)、アムプロピルホス−カリウム、アンドプリム(andoprim)、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、
ベナラキシル、ベノダニル(benodanil)、ベノミル、ベンザマクリル(benzamacril)、ベンザマクリル−イソブチル、ビアラホス、ビナパクリル(binapacryl)、ビフェニル、ビテルタノール、ブラストサイジン(blasticidin)−s、ブロムコナゾール(bromuconazole)、ブピリメート、ブチオベート(buthiobate)、
ポリスルフィドカルシウム、カプシマイシン(capsimycin)、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルボン(carvon)、キノメチオネート、クロベンチアゾン(chlobenthiazone)、クロルフェナゾール(chlorfenazole)、クロロネブ、クロロピクリン、クロロタロニル、クロゾリネート、クロジラコン(clozylacon)、クフラネブ(cufraneb)、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、シプロフラム(cyprofuram)、
【0126】
デバカルブ(debacarb)、ジクロロフェン、ジクロブトラゾール(diclobutrazole)、ジクロフルアニド、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジニコナゾール(diniconazole)、ジニコナゾール−M、ジノカップ、ジフェニルアミン、ジピリチオン(dipyrithione)、ジタリムホス(ditalimfos)、ジチアノン、ドデモルフ(dodemorph)、ドジン、ドラゾキソロン(drazoxolon)、
エジフェンホス(ediphenphos)、エポキシコナゾール、エタコナゾール(etaconazole)、エチリモール(ethirimol)、エトリジアゾール、
ファモキサドン、フェンアパニル(fenapanil)、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム(fenfuram)、フェニトロパン(fenitropan)、フェンピクロニル(fenpiclonil)、フェンプロピジン(fenpropidin)、フェンプロピモルフ、フェンチンアセテート、フェンチンヒドロキシド、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルメトベル(flumetover)、フルオロミド(fluoromid)、フルキンコナゾール、フルルプリミドール(flurprimidol)、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアホール、ホルペット、ホセチル−アルミニウム、ホセチル−ナトリウム、フサライド、フベリダゾール(fuberidazole)、フララキシル(furalaxyl)、フラメトピル、フルカルボニル(furcarbonil)、フルコナゾール(furconazole)、フルコナゾール−cis、フルメシクロックス(furmecyclox)、
【0127】
グアザチン(guazatine)、
ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、
イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジントリアセテート、ヨードカルボ(iodocarb)、イプコナゾール、イプロベンホス(IBP)、イプロジオン、イルママイシン(irumamycin)、イソプロチオラン、イソバレジオン(isovaledione)、
カスガマイシン、クレソキシム−メチル、銅製剤、例えば:水酸化銅、ナフテン酸銅、オキシ塩化銅(copper oxychloride)、硫酸銅、酸化銅、オキシン−銅およびボルドー液、
マンコッパー(mancopper)、マンコゼブ、マンネブ、メフェリムゾン(meferimzone)、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メトフロキサム(methfuroxam)、メチラム、メトメクラム(metomeclam)、メトスルホバックス(metsulfovax)、ミルディオマイシン、ミクロブタニル、ミクロゾリン(myclozolin)、
ニッケルジメチルジチオカルバメート、ニトロタール−イソプロピル、ヌアリモル(nuarimol)、
オフレース(ofurace)、オキサジキシル、オキザモカルブ(oxamocarb)、オキソリニック酸、オキシカルボキシム(oxycarboxim)、オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、
【0128】
パクロブトラゾール、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ホスダイフェン、ピマリシン(pimaricin)、ピペラリン(piperalin)、ポリオキシン、ポリオキソリム(polyoxorim)、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパノシン(propanosine)−ナトリウム、プロピコナゾール、プロピネブ、ピラゾホス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、ピロキシフル(pyroxyfur)、
キンコナゾール(quinconazole)、キントゼン(PCNB)、
硫黄および硫黄製剤、
テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトシクラシス(tetcyclacis)、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チシオフェン(thicyofen)、チフルザミド、チオファネート−メチル、チラム、チオキシミド(tioxymid)、トルクロホス−メチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアズブチル(triazbutil)、トリアゾキシド(triazoxide)、トリクラミド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、
ウニコナゾール、
バリダマイシンA、ビンクロゾリン、ビニコナゾール(viniconazole)、
ザリラミド(zarilamid)、ジネブ、ジラム、および
ダガー(dagger)G、
OK−8705、
OK−8801、
【0129】
α−(1,1−ジメチルエチル)−β−(2−フェノキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、
α−(2,4−ジクロロフェニル)−β−フルオロ−β−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、
α−(2,4−ジクロロフェニル)−β−メトキシ−α−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、
α−(5−メチル−1,3−ジオキサン−5−イル)−β−[[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−メチレン]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、
(5RS,6RS)−6−ヒドロキシ−2,2,7,7−テトラメチル−5−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−3−オクタノン、
(E)−α−(メトキシイミノ)−N−メチル−2−フェノキシ−フェニルアセトアミド、
1−イソプロピル{2−メチル−1−[[[1−(4−メチルフェニル)−エチル]−アミノ]−カルボニル]−プロピル}−カルバメート、
1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−エタノンO−(フェニルメチル)−オキシム、
1−(2−メチル−1−ナフタレニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン、
1−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(2−プロペニル)−2,5−ピロリジンジオン、
【0130】
1−[(ジヨードメチル)−スルホニル]−4−メチル−ベンゼン、
1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]−メチル]−1H−イミダゾール、
1−[[2−(4−クロロフェニル)−3−フェニルオキシラニル]−メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、
1−[1−[2−[(2,4−ジクロロフェニル)−メトキシ]−フェニル]−エテニル]−1H−イミダゾール、
1−メチル−5−ノニル−2−(フェニルメチル)−3−ピロリジノル、
2',6'−ジブロモ−2−メチル−4'−トリフルオロメトキシ−4'−トリフルオロ−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキサニリド、
2,2−ジクロロ−N−[1−(4−クロロフェニル)−エチル]−1−エチル−3−メチル−シクロプロパンカルボキサミド、
2,6−ジクロロ−5−(メチルチオ)−4−ピリミジニルチオシアネート、
2,6−ジクロロ−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)−ベンズアミド、
2,6−ジクロロ−N−[[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−メチル]−ベンズアミド、
2−(2,3,3−トリヨード−2−プロペニル)−2H−テトラゾル、
2−[(1−メチルエチル)−スルホニル]−5−(トリクロロメチル)−1,3,4−チアジアゾール、
【0131】
2−[[6−デオキシ−4−O−(4−O−メチル−β−D−グリコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル]−アミノ]−4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリル、
2−アミノブタン、
2−ブロモ−2−(ブロモメチル)−ペンタンジニトリル、
2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド、
2−クロロ−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(イソチオシアナトメチル)−アセトアミド、
2−フェニルフェノール(OPP)、
3,4−ジクロロ−1−[4−(ジフルオロメトキシ)−フェニル]−1H−ピロール−2,5−ジオン、
3,5−ジクロロ−N−[シアノ[(1−メチル−2−プロピニル)−オキシ]−メチル]−ベンズアミド、
3−(1,1−ジメチルプロピル−1−オキソ−1H−インデン−2−カルボニトリル、
3−[2−(4−クロロフェニル)−5−エトキシ−3−イソキサゾリジニル]−ピリジン、
【0132】
4−クロロ−2−シアノ−N,N−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−イミダゾール−1−スルホンアミド、
4−メチル−テトラゾロ[1,5−a]キナゾリン−5(4H)−オン、
8−(1,1−ジメチルエチル)−N−エチル−N−プロピル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−メタンアミン、
8−ヒドロキシキノリンサルフェート、
9H−キサンテン−9−カルボ−2−[(フェニルアミノ)−カルボニル]−ヒドラジド、
ビス−(1−メチルエチル)−3−メチル−4−[(3−メチルベンゾイル)−オキシ]−2,5−チオフェンジカルボキシレート、
cis−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−シクロヘプタノール、
cis−4−[3−[4−(1,1−ジメチルプロピル)−フェニル−2−メチルプロピル]−2,6−ジメチル−モルホリン塩酸塩、
エチル−[(4−クロロフェニル)−アゾ]−シアノアセテート、
【0133】
炭素水素カリウム、
メタンテトラチオールのナトリウム塩、
メチル1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボキシレート、
メチルN−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(5−イソオキサゾリルカルボニル)−DL−アラニネート、
メチルN−(クロロアセチル)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−DL−アラニネート、
N−(2,3−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−シクロヘキサンカルボキサミド、
N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−メトキシ−N−(テトラヒドロ−2−オキソ−3−フラニル)−アセトアミド、
N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−メトキシ−N−(テトラヒドロ−2−オキソ−3−チエニル)−アセトアミド、
N−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−4−メチル−3−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド、
N−(4−シクロヘキシルフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジンアミン、
【0134】
N−(4−ヘキシルフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジンアミン、
N−(5−クロロ−2−メチルフェニル)−2−メトキシ−N−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−アセトアミド、
N−(6−メトキシ)−3−ピリジニル)−シクロプロパンカルボキサミド、
N−[2,2,2−トリクロロ−1−[(クロロアセチル)−アミノ]−エチル]−ベンズアミド、
N−[3−クロロ−4,5−ビス−(2−プロピニルオキシ)−フェニル]−N'−メトキシ−メタンイミドアミド、
N−ホルミル−N−ヒドロキシ−DL−アラニンのナトリウム塩、
O,O−ジエチル[2−(ジプロピルアミノ)−2−オキソエチル]−エチルホスホルアミドチオエート、
O−メチルS−フェニルフェニルプロピルホスホルアミドチオエート、
S−メチル1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボチオエート、
スピロ[2H]−1−ベンゾピラン−2,1'(3'H)−イソベンゾフラン]−3'−オン。
【0135】
殺菌剤:
ブロノポール、ジクロロフェン(dichlorophen)、ニトラピリン、ニッケルジメチルジチオカルバメート、カスガマイシン、オクチリノン(octhilinone)、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅および他の銅製剤、キノロン類、例えばシプロフロキサシン、ダノフロキサシン、ジフロキサシン、エンロフロキサシン、フルメキン、イバフロキサシン(ibafloxacin)、マルボフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オルビフロキサシン、プレマフロキサシン(premafloxacin)、サラフロキサシン。
【0136】
殺虫剤/ダニ駆除剤/殺線虫剤:
アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アクリナトリン、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アルファシペルメトリン、アルファメトリン(alphamethrin)、アミトラズ、エバーメクチン(avermectin)、AZ 60541、アザジラクチン(azadirachtin)、アザメチホス、アジンホスA、アジンホスM、アゾシクロチン、
バチルス・ポピリエ(Bacillus popilliae)、バチルス・スファエリクス(Bacillus sphaericus)、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、バキュロウイルス、ボーベリア・バッシアーナ(Beauveria bassiana)、ボーベリア・テネラ(Beauveria tenella)、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベンゾキシメート(benzoximate)、ベタシフルトリン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ビオエタノメトリン(bioethanomethrin)、ビオペルメトリン(biopermethrin)、BPMC、ブロモホスA、ブフェンカルブ(bufencarb)、ブプロフェジン、ブタチオホス(butathiofos)、ブトカルボキシム(butocarboxim)、ブチルピリダベン(butylpyridaben)、
【0137】
カズサホス、カルボアリール、カルボフラン、カルボフェノチオン(carbophenothion)、カルボスルファン、カルタップ、クロエトカルブ(chloethocarb)、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス(chlormephos)、クロルピリホス、クロルピリホスM、クロバポルトリン(chlovaporthrin)、cis−レスメトリン、シスペルメトリン(cispermethrin)、クロシトリン(clocythrin)、クロエトカルブ(cloethocarb)、クロフェンテジン、クマホス、シアノホス、シクロプレン(cycloprene)、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シロマジン、サイチオエート(cythioate)、クロチアニジン、
デルタメトリン、デメトンM、デメトンS、デメトン−S−メチル、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジクロルボス、ジシクラニル、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオフェノラン(diofenolan)、ジスルホトン、ドクセートナトリウム、ドフェナピン、ジノテフラン、
【0138】
エフシラネート(efusilanate)、エマメクチン、エンペントリン、エンドスルファン、エピノメチン(eprinometin)、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エトプロホス、エトフェンプロックス、エトキサゾール、エトリムホス、
フェナミホス、フェナザキン(fenazaquin)、酸化フェンブタスズ、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキサクリム(fenoxacrim)、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピラド(fenpyrad)、フェンピリトリン(fenpyrithrin)、フェンピロキシメート、フェンチオン、フェンバレレート、フィプロニル、フルアジナム、フルアズロン、フルブロシトリネート(flubrocythrinate)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルシトリネート、フルフェノクスロン、フルメトリン、フルテンジン(flutenzine)、フルバリネート、ホノホス(fonophos)、ホスメチラン(fosmethilan)、ホスチアゼート、フブフェンプロクス(fubfenprox)、フラチオカルブ、フルピラゾホス(flupyrazofos)、
【0139】
顆粒病ウイルス(granulosis viruses)
ハロフェノジド(halofenozide)、HCH、ヘプテノホス(heptenophos)、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス(hexythiazox)、ハイドロプレン(hydroprene)、
イミダクロプリド、インドキサカルブ、イサゾホス(isazofos)、イソフェンホス、イソキサチオン、イベルメクチン、
核多角病ウイルス(nuclear polyhedrosis viruses)
ラムダ−シハロトリン、ルフェヌロン、
マラチオン、メカルバム、メタアルデヒド、メタミドホス、メタリジウム・アニソプリアエ(Metharhizium anisopliae)、メタリジウム・フラボビリド(Metharhizium flavoviride)、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、メトルカルブ(metolcarb)、メトキサジアゾン、メトリフォネート(metrifonat)、メビンホス、ミルベメクチン、モノクロトホス、モキシデクチン、
【0140】
ナレド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、NEEM、
オメトエート、オキサミル、オキシデメトンM、
ペキロマイセス・フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroseus)、パラチオンA、パラチオンM、ペルメトリン、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミカーブ、ピリミホスM、ピリミホスA、プロフェノホス、プロメカルブ(promecarb)、プロポクスル、プロチオホス、プロトエート(prothoat)、ピメトロジン、ピラクロホス、ピレスメトリン(pyresmethrin)、ピレトラム、ピリダベン、ピリダチオン(pyridathion)、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、プロトリフェンブト(protrifenbute)、
キナルホス、
リバビリン(ribavirin)、
サリチオン、セブホス(sebufos)、シラフルオフェン、スピノサド、スルホテップ(sulfotep)、スルプロホス、
【0141】
タウ−フルバリネート、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリミホス(tebupirimiphos)、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、テミビンホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、シータ−シペルメトリン、チアメトキサム、チアプロニル(thiapronil)、チアトリホス(thiatriphos)、チオシクラムシュウ酸塩、チオジカルブ、チオファノックス(thiofanox)、チューリンゲンシン(thuringiensin)、トラロシトリン(tralocythrin)、トラロメトリン、トリアラセン(triarathene)、トリアザメート(triazamate)、トリアゾホス、トリアズロン(triazuron)、トリクロフェニジン(trichlophenidine)、トリクロルホン、トリフルムロン、トリメタカルブ(trimethacarb)、チアクロプリド、
バミドチオン、バニリプロール(vaniliprole)、バーティシリウム・レカニ(Verticillium lecanii)、
YI 5302、
ゼータ−シペルメトリン、ゾラプロホス(zolaprofos)、
【0142】
(1R−cis)−[5−(フェニルメチル)−3−フラニル]−メチル−3−[(ジヒドロ−2−オキソ−3(2H)−フラニリデン)−メチル]−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート
(3−フェノキシフェニル)−メチル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート
1−[(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル]テトラヒドロ−3,5−ジメチル−N−ニトロ−1,3,5−トリアジン−2(1H)−イミン
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−4,5−ジヒドロ−オキサゾール
2−(アセチルオキシ)−3−ドデシル−1,4−ナフタレンジオン
2−クロロ−N−[[[4−(1−フェニルエトキシ)−フェニル]−アミノ]−カルボニル]−ベンズアミド
2−クロロ−N−[[[4−(2,2−ジクロロ−1,1−ジフルオロエトキシ)−フェニル]−アミノ]−カルボニル]−ベンズアミド
3−メチルフェニル−プロピルカルバメート
4−[4−(4−エトキシフェニル)−4−メチルペンチル]−1−フルオロ−2−フェノキシ−ベンゼン
4−クロロ−2−(1,1−ジメチルエチル)−5−[[2−(2,6−ジメチル−4−フェノキシフェノキシ)エチル]チオ]−3(2H)−ピリダジノン
4−クロロ−2−(2−クロロ−2−メチルプロピル)−5−[(6−ヨード−3−ピリジニル)メトキシ]−3(2H)−ピリダジノン
4−クロロ−5−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メトキシ]−2−(3,4−ジクロロフェニル)−3(2H)−ピリダジノン
【0143】
バチルス・チューリンゲンシス系統EG−2348
[2−ベンゾイル−1−(1,1−ジメチルエチル)]−ベンゾヒドラジド
2,2−ジメチル−3−(2,4−ジクロロフェニル)−2−オキソ−1−オキサスピロ[4,5]デカ−3−エン−4−イルブタノエート
[3−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−2−チアゾリジニリデン]−シアナミド
ジヒドロ−2−(ニトロメチレン)−2H−1,3−チアジン−3(4H)−カルボキシアルデヒド
エチル[2−[[1,6−ジヒドロ−6−オキソ−1−(フェニルメチル)−4−ピリダジニル]オキシ]エチル]−カルバメート
N−(3,4,4−トリフルオロ−1−オキソ−3−ブテニル)−グリシン
N−(4−クロロフェニル)−3−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−4,5−ジヒドロ−4−フェニル−1H−ピラゾール−1−カルボキサミド
N−[(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル]−N'−メチル−N”−ニトロ−グアニジン
N−メチル−N'−(1−メチル−2−プロペニル)−1,2−ヒドラジンジカルボチオアミド
N−メチル−N'−2−プロペニル−1,2−ヒドラジンジカルボチオアミド
O,O−ジエチル[2−(ジプロピルアミノ)−2−オキソエチル]−エチルホスホラミドチオエート
【0144】
さらに、本発明による活性化合物は、それらの購入できる製剤中、およびこれらの製剤から調製される使用形態中、共同薬との混合物として存在し得る。共同薬は、それにより活性化合物の作用が増強される化合物であり、添加される共同薬それ自体は必ずしも活性でなくてもよい。
【0145】
すぐに使用できる(ready-to-use)製剤は、10ppmないし20重量%、好ましくは0.1ないし10重量%の濃度で活性化合物を含む。
使用に先立ち希釈される製剤は、0.5ないし90重量%、好ましくは5ないし50重量%の濃度で活性化合物を含む。
一般に、体重1kgにつき、1日当たり、約1ないし100mgの量で活性化合物を投与するのが、有効な結果を得るために有利であると判明した。
【0146】
実施例
製造実施例
実施例I−1
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−モルホリノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)
【化16】

【0147】
−60℃で、オゾンガスを、2,5−ジヒドロフラン103mg(1.47mmol)、メタノール0.8mlおよびジクロロメタン3.1mlの混合物に、反応混合物が青みがかった色になるまで導入する(オレフィンの消費)。次いで、過剰のオゾンをアルゴン流で流し出す(それをヨウ化カリウムに通す)。シアノ水素化ホウ素ナトリウム185mg(2.94mmol)を溶液に添加し、反応混合物を−50℃で10分間撹拌する。次いで、メタノール3.9ml中のシクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−アミノ−フェニル−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル)650mg(1.00mmol)の溶液を滴下して添加し、撹拌を0℃で20時間継続する。反応を酢酸59mg(0.98mmol)でクエンチする。減圧下で溶媒を除去した後、飽和重炭酸ナトリウム溶液7.5mlを添加する。反応混合物を3回ジクロロメタン7.5mlで抽出する。次いで飽和塩化ナトリウム溶液を使用して有機相を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。減圧下での濃縮に続き、移動相混合物シクロヘキサン:アセトン(2:1)を使用して、残っている残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする(シリカゲル60-Merck、0.04−0.063mm)。これにより、シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−モルホリノ−フェニル−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル)200mg(理論値の27.7%)を得る。
【0148】
HPLC(0.1%リン酸/アセトニトリル;勾配:90/10(1)5%/分、5/95(6);流速:1.5ml/分;UV:210nm):R=12.57分;logP値3.58。
1H-NMR (CDCl3, δ): 3.10 (m, 4H, CH2-N-CH2-); 3.85 (m, 4H, CH2-O-CH2-) ppm.
13C-NMR (CDCl3, δ): 10.5, 10.7, 13.4, 15.5, 15.6, 16.0, 16.9 (7 x CH3); 29.9, 32.2 (CH2); 32.6, 34.2 (2 x CH); 30.8, 32.6, 34.2 (3 x NCH3); 36.4 (CH2Ph); 49.4 (2 x NCH2); 55.9, 59.5, 61.1 (3 x NCH); 66.8 (2 x OCH2); 66.0, 67.5, 70.0 (3 x OCH); 115.7, 130.4 (4 x Ph-C); 126.2 (Ph-C); 150.2 (Ph-C-Mor); 170.2, 170.3, 170.5 (3 x O-C=O); 168.2, 168.6, 169.6 (3 x N-C=O) ppm.
EI-MS m/z (%): 716 (M+, 100), 176 (42).
【0149】
実施例I−2
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−(2−ヒドロキシエチルスルホニル−エチルアミノ−フェニル)ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)
【化17】

【0150】
−60℃で、オゾンガスを、3−スルホレン80.16mg(0.67mmol)、メタノール0.36mlおよびジクロロメタン1.44mlの混合物に、反応混合物が青みがかった色になるまで導入する(オレフィンの消費)。次いで、過剰のオゾンをアルゴン流で流し出す(それをヨウ化カリウムに通す)。シアノ水素化ホウ素ナトリウム82.26mg(1.36mmol)を溶液に添加し、反応混合物を−50℃で10分間撹拌する。次いで、無水メタノール1.8ml中のシクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)650mg(1.00mmol)の溶液を滴下して添加し、撹拌を0℃で20時間継続する。反応を酢酸27.13mgでクエンチする。減圧下で溶媒を除去した後、飽和重炭酸ナトリウム溶液7.5mlを添加する。反応混合物を3回ジクロロメタン7.5mlで抽出する。次いで飽和塩化ナトリウム溶液で有機相を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。減圧下での濃縮に続き、移動相混合物シクロヘキサン:アセトン(1:2)(シリカゲル60-Merck、0.04−0.063mm)を使用して、残っている残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。これにより、シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−(2−ヒドロキシエチル−スルホニルエチルアミノ−フェニル)−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)90mg(理論値の24.8%)を得る。
【0151】
1H-NMR (CDCl3, δ): 3.30 (m, 2H, CH2-OH); 3.46 (m, 2H, NH-CH2-); 3.69 (m, 2H, SO2-CH2-); 4.11 (m, 2H, CH2-SO2-) ppm.
13C-NMR (CDCl3, δ): 10.5, 10.5, 13.7, 15.4, 15.5, 16.3, 16.6 (7 x CH3); 24.7, 25.0 (CH2); 30.8, 31.7 (2 x CH); 32.7, 32.9, 33.9 (3 x NCH3); 37.5 (CH2Ph); 37.5 (HNCH2); 53.7, 56.3 (2 x SO2CH2); 56.3 (CH2OH); 54.6, 59.8, 60.7 (3 x NCH); 66.5, 67.2, 70.4 (3 x OCH); 113.1, 130.5 (4 x Ph-C); 124.1 (Ph-C); 146.0 (Ph-C-NH); 169.2, 170.3, 170.4, (3 x O-C=O); 169.5, 170.4, 170.5 (3 x N-C=O) ppm.
ネガティブ ESI-MS m/z (%): 781 (M+-H, 36).
ポジティブ ESI-MS m/z (%): 781 (M++H, 42).
【0152】
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)
【化18】

【0153】
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−(3−および4−)−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル)1.0g(1.48mmol)を、エタノール75ml中で撹拌し、水素化触媒(20%水酸化パラジウム/炭素)0.15gを添加し、反応混合物を室温、大気圧下で4時間水素化する。次いで、触媒を濾過し、溶媒を減圧下で留去する。残っている残渣は、異性体混合物を含有する。それは、クレイグ分配(Craig distribution)により分離できる:
【表1】

【0154】
後処理:最初の分配サイクル(n=250)が終わった後、10番目毎に要素の内容物を取り出し、ロータリーエバポレーターを使用して溶媒を除去し、残渣を秤量し、次いでアセトニトリル0.5−1.0mlに取り、分析的HPLCにより調べた。シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)は、流出物(discharge)A1に見出された。その内容物を取り出し、40℃で、ロータリーエバポレーターを使用して蒸発乾固させた。これに続いてn=300(循環)の分配サイクルを行う。分配が終わった後、要素E90−130の内容物を取り出し、40℃、減圧下で濃縮した。これは、シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)であった。同様のやり方で、対応するシクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)を要素E155−180から得た。
【0155】
【表2】

【0156】
実施例IV−1
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−2−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)
HPLC(0.1%リン酸/アセトニトリル;勾配:90/10(1)5%/分、5/95(6);流速:1.5ml/分;UV:210nm):R=11.63分;logP値3.18。
13C-NMR (CDCl3, δ): 10.2, 10.5, 13.3, 15.5, 15.5, 15.8, 17.1 (7 x CH3); 23.9, 24.4 (CH2); 26.8, 30.1 (2 x CH); 30.9, 31.5, 32.0 (3 x NCH3); 34.0 (CH2Ph); 56.8, 57.9, 60.4 (3 x NCH); 65.5, 67.5, 68.9 (3 x OCH); 116.1, 118.5, 119.1, 128.0, 131.3 (5 x Ph-C); 145.5 (Ph-C-NH2); 168.5, 169.7, 170.3 (3 x O-C=O); 168.6, 170.0, 170.8 (3 x N-C=O) ppm.
【0157】
実施例IV−2
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−3−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル)
HPLC(0.1%リン酸/アセトニトリル;勾配:90/10(1)5%/分、5/95(6);流速:1.5ml/分;UV:210nm):R=9.32分;logP値2.35。
13C-NMR (CDCl3, δ): 10.3, 10.5, 13.3, 15.3, 15.5, 15.9, 16.7 (7 x CH3); 24.0, 24.6 (CH2); 29.8, 30.7 (2 x CH); 32.0, 32.5, 34.0 (3 x NCH3); 37.3 (CH2Ph); 55.6, 59.5, 61.0 (3 x NCH); 66.0, 67.3, 69.9 (3 x OCH); 113.4, 116.1, 119.2, 129.1, 136.1 (5 x Ph-C); 146.6 (Ph-C-NH2); 168.2, 169.5, 170.2 (3 x O-C=O); 168.6, 170.0, 170.3 (3 x N-C=O) ppm.
【0158】
実施例IV−3
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−アミノ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル)
HPLC(0.1%リン酸/アセトニトリル;勾配:90/10(1)5%/分、5/95(6);流速:1.5ml/分;UV:210nm):R=8.39分;logP値2.08。
13C-NMR (CDCl3, δ): 10.3, 10.7, 15.4, 15.6, 15.6, 16.0, 16.8 (7 x CH3); 24.2, 24.7 (CH2); 30.7, 32.2 (2 x CH); 32.6, 33.7, 34.1 (3 x NCH3); 36.5 (CH2Ph); 55.7, 59.5, 61.2 (3 x NCH); 66.1, 67.4, 70.1 (3 x OCH); 115.1, 130.4 (4 x Ph-C); 124.9 (Ph-C); 145.2 (Ph C NH2); 168.4, 169.6, 170.3 (3 x O-C=O); 168.6, 170.2, 170.4 (3 x N-C=O) ppm.
【0159】
実施例III−1
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−4−ニトロ−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)
【化19】

【0160】
フラスコ中、シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−フェニル−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)0.5g(0.79mmol)を、−10℃に冷却し、発煙98%強度硝酸7mlを15分間かけて滴下して添加した。1時間−10℃で撹拌した後、反応混合物をゆっくりと氷100gに添加し、飽和重炭酸ナトリウム溶液を使用してpHをpH7に合わせた。次いで、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を分離し、次いで飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、再度分離した。硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で留去した。残った異性体混合物を、分取HPLCにより精製した。
m.p.:122−126℃
13C-NMR (CDCl3, δ): 10.2, 10.5, 15.4, 15.6, 15.6, 15.9, 17.1 (7 x CH3); 24.2, 24.5 (CH2); 31.0, 31.5 (2 x CH); 32.2, 34.0, 34.0 (3 x NCH3); 37.0 (CH2Ph); 56.4, 59.8, 60.3 (3 x NCH); 65.6, 67.6, 69.4 (3 x OCH); 123.3, 130.3 (4 x Ph-C): 143.3 (Ph-C); 146.9 (Ph-C-NO2); 167.2, 169.8, 170.2 (3 x O-C=O), 168.2, 169.8, 170.2 (3 x N-C=O) ppm.
EI-MS m/z (%): 676 (M+, 28).
【0161】
X線構造解析:
X線解析に適する単結晶は、クロロホルム/n−ヘキサン溶媒混合物からの再結晶により得ることができる。格子定数および反射強度を、−80℃で、Siemens P4 four-circle diffractometer で決定した。直接法(プログラムシステム SHELXTL)を使用して構造を解明した。プログラム SHELXL-93 をFに対して使用して、以下の構造が決定された。
【0162】
【表3】

【0163】
実施例II−1
シクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル)
【化20】

【0164】
0℃で、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホニウムクロリド(BOPCI)0.70g(2.78mmol)を、撹拌しながら、ジクロロメタン500ml中のN−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−乳酸(DE 4317458, EP 658551 A1; Jeschke et al. Bioorg. Chem. 1999, pp. 207-214 と同様に製造)1.50g(2.31mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)0.83g(6.43mmol)の混合物に添加する。室温で24時間撹拌した後、さらにDIEA0.83g(6.43mmol)およびBOP−CI0.70g(2.78mmol)を添加し、撹拌をさらに24時間継続する。次いで、反応混合物を水で2回洗浄し、有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。次いで有機相を減圧下で濃縮し、残っている粗生成物を、移動相混合物トルエン/酢酸エチル(2:1)を使用して、カラムクロマトグラフィーにより精製する(シリカゲル 60-Merck、粒子サイズ:0.04−0.063mm)。これによりシクロ(−N−メチル−L−アラニル−D−ラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−フェニルラクチル−N−メチル−L−イソロイシル−D−ラクチル−)2.2g(理論値の64.7%)を得る。
【0165】
HPLC(0.1%リン酸/アセトニトリル;勾配:90/10(1)5%/分、5/95(6);流速:1.5ml/分;UV:210nm):R=13.94分;logP値4.23。
13C-NMR (CDCl3, δ): 10.3, 10.7, 13.4, 15.5, 15.6, 16.0, 16.9 (7 x CH3); 24.1, 24.7 (CH2); 29.9, 30.7 (2 x CH); 32.5, 33.9, 34.2 (3 x NCH3); 37.3 (CH2Ph); 55.9, 59.5, 61.1 (3 x NCH); 66.0, 67.5, 70.0 (3 x OCH); 126.8 (Ph-C); 128.4, 129.6 (4 x Ph-C); 135.4 (Ph-C); 168.0, 169.6, 170.3 (3 x O-C=O), 168.6, 170.2, 170.5 (3 x N-C-O) ppm.
EI-MS m/z (%): 631 (M+, 52), 558 (22), 415 (26), 330 (10), 258 (89), 100 (90).
【0166】
生物学的実施例
実施例A
インビボ線形動物試験
ヘモンクス・コントルタス(Haemonchus contortus)/ヒツジ
実験的にヘモンクス・コントルタスに感染させたヒツジを、寄生虫の優勢な時間が経過した後で処理した。活性化合物を経口および/または静脈内で、純粋な化合物として適用した。
処置の前後に糞と共に排出された虫の卵を定量的に計数することにより、効力の程度を測定する。
処置後の卵排出の完全な停止は、虫が根絶された(aborted)か、または、もはや卵を産めない程度まで損害を受けたことを意味する(有効量(dosis effectiva))。
【0167】
試験した活性化合物および有効用量割合(有効量)は、以下の表で見ることができる。
【表4】

【0168】
実施例B
インビボ線形動物試験
トリコストロンギラス・コルブリホルミス(Trichostrongylus colubriformis)/ヒツジ
実験的にトリコストロンギラス・コルブリホルミスに感染させたヒツジを、寄生虫の優勢な時間が経過した後で処理した。活性化合物を経口および/または静脈内で、純粋な化合物として適用した。
処置の前後に糞と共に排出された虫の卵を定量的に計数することにより、効力の程度を測定する。
処置後の卵排出の完全な停止は、虫が根絶されたか、または、もはや卵を産めない程度まで損害を受けたことを意味する(有効量)。
【0169】
試験した活性化合物および有効用量割合(有効量)は、以下の表で見ることができる。
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

式中、
は、ニトロベンジルまたはR'R”N−ベンジルを表し
{ここで、R'およびR”は、相互に独立して、各々、水素、置換されていることもあるC−C−アルキル、ホルミル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル、ヒドロキシ−C−C−アルキルスルホニル−C−C−アルキルを表すか、または、
R'およびR”は、それらが結合している窒素原子と一体となって、置換されていることもある、単環式または多環式、飽和または不飽和の複素環を形成し、これは、場合により架橋および/またはスピロ環式であることもあり、窒素、酸素および硫黄からなる群から1個ないし3個のさらなるヘテロ原子を含有するか、または、R'およびR”は、一体となってC−C−アルキレンモノカルボニルまたは置換されていることもあるC−C−ジカルボン酸のジアシル基を形成する}、そして、
、RおよびRは、相互に独立してC−C−アルキルを表す、
の環状デプシペプチドおよびそれらの塩、並びにそれらの光学異性体およびラセミ体。
【請求項2】
式中、
が、ニトロベンジルまたはR'R”N−ベンジルを表し
{ここで、R'およびR”は、相互に独立して、各々、水素、C−Cアルキル、特にメチル、エチル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、特にメトキシエチル、2−ヒドロキシエチルスルホニル−C−C−アルキル、特に2−ヒドロキシエチルスルホニルエチルを表すか、または、
R'およびR”は、それらが結合している窒素原子と一体となって、N−ピロリジノ、N−ピペリジノ、N−ピペラジノ、N−モルホリノ、N−2,6−ジメチルモルホリノ、N−チオモルホリノ、N−ピラゾロ、N−イミダゾロ、2−オキソピロリジン−1−イル、2−オキソピペリジン−1−イル、2−オキソアゼパン−1−イルメチル、スクシンイミノ、マレインイミノまたはグルタルイミノを表す}、
、RおよびRが、相互に独立してC−C−アルキルを表す、
請求項1に記載の一般式(I)のデプシペプチドおよびそれらの塩、並びにそれらの光学異性体およびラセミ体。
【請求項3】
式中、
は、4−ニトロベンジル、4−アミノベンジル、4−モルホリノベンジル、4−ヒドロキシエチルスルホニルエチルアミノベンジルを表し、
およびRは、相互に独立して、C−C−アルキル、特にメチル、イソプロピル、イソブチルまたはsec−ブチルを表し、
は、メチルまたはエチルを表す、
請求項1に記載の一般式(I)のデプシペプチドおよびそれらの塩、並びにそれらの光学異性体およびラセミ体。
【請求項4】
一般式(I)
【化2】

(式中、R、R、RおよびRは、第1項の定義の通りである)
の環状デプシペプチドおよびそれらの塩の製造方法であって、
a)第1段階で、一般式(II)
【化3】

(式中、R、RおよびRは、第1項の定義の通りである)
の環状デプシペプチドおよびそれらの塩を、ニトロ化剤、および、必要に応じて希釈剤の存在下でニトロ化し、そして、
b)必要に応じて、第2段階で、かくして得られる一般式(III)
【化4】

(式中、R、RおよびRは、第1項の定義の通りである)
の環状デプシペプチドまたはそれらの塩の中のニトロ基を、還元剤、および、必要に応じて希釈剤の存在下で還元し、そして、
c)必要に応じて、第3段階で、一般式(IV)
【化5】

(式中、R、RおよびRは、第1項の定義の通りである)
の環状デプシペプチドおよびそれらの塩を、適するアルデヒドおよび還元剤の存在下、そして、必要に応じて希釈剤の存在下、アミノアルキル化し、基R'およびR”を導入するか、または、
これらのデプシペプチドを、適するアルキル化剤および塩基性反応補助剤の存在下、必要に応じて希釈剤の存在下で、N−アルキル化するか、または、
これらのデプシペプチドを、適するアシル化剤および塩基性反応補助剤の存在下、必要に応じて希釈剤の存在下で、N−アシル化する、
を含む方法。
【請求項5】
請求項1に記載の式(I)の環状デプシペプチドを含む組成物。
【請求項6】
内寄生生物を制御するための、請求項1に記載の式(I)の環状デプシペプチドの使用。
【請求項7】
医薬を製造するための、請求項1に記載の式(I)の環状デプシペプチドの使用。
【請求項8】
請求項1に記載の式(I)の環状デプシペプチドを内寄生生物および/またはそれらの生育環境に作用させることを含む、内寄生生物を制御する方法。

【公表番号】特表2007−514671(P2007−514671A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544278(P2006−544278)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013896
【国際公開番号】WO2005/063277
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】