説明

内燃機関の範囲内の測定変数を検出する、少なくとも3つのセンサの検査方法

【課題】 簡単な検査手順で確実な結果を供給する、内燃機関の範囲内の測定変数を測定する少なくとも3つのセンサの検査方法を提供する。
【解決手段】 内燃機関(100)の範囲内の測定変数を検出する、少なくとも3つのセンサ(191、192、193、194、195)の検査方法において、検査されるべきそれぞれのセンサ(191、192、193、194、195)のセンサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)に対する量が、基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)と比較され、基準信号が、検査されるべきセンサのセンサ信号の少なくとも一部から得られ、センサ信号に対する量と基準信号との比較により、1つのセンサがエラーを有するものとして検出される。センサは、例えば、温度センサまたは圧力センサである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項に記載の、内燃機関の範囲内の測定変数を検出する、少なくとも3つのセンサの検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
排ガス規制値を守るために、内燃機関において排気ガス後処理装置が使用され、排気ガス後処理装置は、例えば触媒、粒子フィルタまたは排気ガス後処理のために適した他の構成要素を含む。使用される構成要素は、しばしば所定の温度範囲内においてのみ最適に作動する。構成要素が少なくとも1つの排ガス成分に関して吸蔵特性を有するかぎり、一般に、排ガス成分による蓄積状態のモニタリングが必要である。
【0003】
測定変数「温度」を測定するために温度センサが使用され、温度センサは、吸気領域内、内燃機関それ自体、および排気領域内に配置されていてもよい。測定変数「圧力」を測定するために圧力センサが使用され、圧力センサは、例えば粒子フィルタの蓄積状態を決定するために使用可能である。圧力センサは、粒子フィルタにおいて発生する圧力差を測定し、この圧力差は蓄積状態に対する尺度である。内燃機関の吸気領域内に他の圧力センサが配置されていてもよい。
【0004】
1つのセンサがエラーを有するセンサ信号を供給する場合、内燃機関および排気ガス後処理装置の制御がエラーとなることがある。この結果、内燃機関の燃料消費量は上昇し、且つ排気ガス・エミッションが増大する。
【0005】
使用されるセンサが確実なセンサ信号を供給するときにのみ、全ての装置の正常な作動が保証されている。ドイツ特許公開第10112139号から、内燃機関の測定変数を測定するセンサのモニタ方法が既知となっている。この場合、センサは、温度センサ、圧力センサ、または他のセンサであってもよい。個々のセンサ信号は、それ自身診断に関係しない他のセンサが供給する基準信号と比較される。診断に関係しないセンサは、温度センサが排気領域内に使用されているときよりも小さい温度変動にさらされている、例えば吸気領域内のような比較的小さいセンサ負荷が発生する装着位置に配置されている。モニタリングされるべきセンサの個々のセンサ信号と、モニタリングされないセンサの基準信号との差を形成し、且つそれぞれ所定のしきい値と比較することにより、エラーを有するセンサが検出される。上記の方法ステップにおいてエラーが検出されないかぎり、最後に、さらに、モニタリングされるべきセンサ間の差を形成し且つしきい値と比較することにより妥当性検査が実行される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
簡単な検査手順で確実な結果を供給する、内燃機関の範囲内の測定変数を測定する少なくとも3つのセンサの検査方法を提供することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は独立請求項に記載の特徴により解決される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の方法により、検査されるべきそれぞれのセンサのセンサ信号に対する量が基準信号と比較され、基準信号が検査されるべきセンサのセンサ信号の少なくとも一部から得られ、センサ信号に対する量と基準信号との比較により、1つのセンサがエラーを有するものとして検出されるように設計されている。
【0009】
本発明による方法は、第1に、診断に全てのセンサが使用されるという利点を有している。本質的な他の利点は、簡単な比較演算による、少なくとも3つのセンサの、基礎となる検査において、エラーを有するセンサが直ちに検出可能であることにある。
【0010】
本発明による方法の有利な変更態様および形態が従属請求項から明らかである。
一形態は、基準信号が、検査されるべきセンサの少なくとも一部のセンサ信号に対する量の平均値から形成されるように設計されている。この手段は基準信号のきわめて簡単な供給を可能にする。この形態の有利な変更態様は、平均値の形成において、センサ信号がそれぞれ所定の係数で重みづけされるように設計されている。重み係数を取り入れることは、個々のセンサの重要性および装着位置の考慮を可能にする。
【0011】
センサ信号に対する量と基準信号との間の差が所定のしきい値を超えているとき、センサがエラーを有するものとして検出されることにより、簡単な検査が可能である。
しかしながら、基準信号が少なくとも1つのエラーを有するセンサにより不正確にされる場合、センサ信号に対するその量が基準信号から最も離れて存在するセンサがエラーを有するものとして検出される形態により、エラーを有するセンサの確実な検出が保証される。
【0012】
本発明による方法の一変更態様は、検査が、内燃機関の定常運転状態で、または停止中、または低温始動後に、実行されるように設計されている。この変更態様は、検査が確実な判定を導くように、検査されるべき少なくとも3つのセンサのセンサ信号が、少なくとも近似的に定常値を有することを保証する。内燃機関の停止中または低温始動後においては、センサ信号は、周囲条件により決定されている値を有している。温度センサにおいては、センサ信号は概して周囲温度を反映するであろう。
【0013】
内燃機関の停止が検出され、この場合、停止が検出されたときにスタートされる時限素子が設けられ、検査が所定時間の経過後に実行されるという手段は、内燃機関の停止中においてセンサ信号の定常状態もまた実際に存在することを保証する。
【0014】
内燃機関の定常運転状態、停止、または低温始動が存在することを保証する他の手段は、緩慢な変化速度を有する少なくとも1つの選択されたセンサのセンサ信号と、検査されるべきセンサのセンサ信号との間の比較を行う。選択されたセンサは、センサ信号に関してできるだけ大きな慣性を有する構成要素に配置されている。温度センサは高い熱容量を有する構成要素である。
【0015】
本発明による方法の一変更態様は、エラーを有するものとして検出されたセンサのセンサ信号が、基準信号の決定において考慮されないように設計されている。エラーを有するセンサを除外することは、その後の検査において、基準信号が不正確にされないことを保証する。他の手段は、エラーを有するものとして検出されたセンサの数が所定の数を超えているとき、要するに検査はもはや実行されないように設計されている。
【0016】
本発明による方法の他の有利な形態および変更態様がその他の従属請求項および以下の説明から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
吸気領域105を介して内燃機関100にフレッシュ・エアが供給される。内燃機関100の排気ガスは排気領域110内を通過する。排気領域110内に排気ガス後処理装置115が配置されている。ここで、排気ガス後処理装置115は、触媒であっても、および/または粒子フィルタであってもよい。排気ガス後処理装置115は、異なる有害物質に対する複数の触媒を含んでいても、または少なくとも1つの触媒と1つの粒子フィルタとの組み合わせを含んでいてもよい。
【0018】
さらに、少なくとも1つのエンジン制御ユニット175および排気ガス後処理制御ユニット172を含む制御ユニット170が設けられている。代替態様として、エンジン制御ユニット175および排気ガス後処理制御ユニット172は分けて配置されていてもよい。エンジン制御ユニット175は燃料配量装置180を操作信号で操作する。さらに、エンジン制御ユニット175および/または排気ガス後処理ユニット172は、他のユニットおよび/または他の制御ユニットのそれぞれに対して信号を供給する。
【0019】
さらに、排気ガス後処理制御ユニット172およびエンジン制御ユニット175に信号を供給するセンサが設けられている。第1のセンサ191は、フレッシュ・エアの状態を表わすセンサ信号S1を供給する。第2のセンサ192は、燃料配量装置180の状態を表わすセンサ信号S2を供給する。第3のセンサ193は、排気ガス後処理装置115の手前における排気ガスの状態を表わすセンサ信号S3を供給する。第4のセンサ194は、排気ガス後処理装置115の状態を表わすセンサ信号S4を供給する。第5のセンサ195は、排気ガス後処理装置115の後方における排気ガスの状態を表わすセンサ信号S5を供給する。5つの全てのセンサ191、192、193、194、195は、内燃機関100の範囲内のただ1つの測定変数を測定する。この測定変数は、例えば温度である。代替態様として、この測定変数は圧力であってもよい。例えば加速度または回転速度のような他の変数もまた考えられる。
【0020】
実施形態の関数として、図示の全てのセンサ191、192、193、194、195が設けられていてもよい。代替形態においては、最小数の3つのセンサが設けられていても、または図示の5つのセンサ191、192、193、194、195より多いセンサが設けられていてもよい。
【0021】
内燃機関100の範囲内の測定変数を測定する、本発明による少なくとも3つのセンサ191、192、193、194、195の検査方法は次のように作動する。
エンジン制御ユニット175は、センサ信号S1、S2、S3、S4、S5から、燃料配量装置180を操作するための操作信号を計算する。燃料配量装置180はこの操作信号に基づいて内燃機関100の対応の燃料量を配量する。燃焼において発生する有害排ガス成分は、排気ガス後処理装置115内に含まれている1つまたは複数の触媒内において無害成分に転化される。排気ガス内に含まれている粒子を除去するために、排気ガス後処理装置115内に粒子フィルタが含まれていてもよい。触媒は、特定の温度範囲内において最適に作動する。粒子フィルタの再生は、同様に所定の温度範囲内において最適に行われる。温度センサとして形成されているセンサ191、192、193、194、195は、異なる位置において温度を測定する。このセンサ191、192、193、194、195により、内燃機関100の排気温度を所定の温度レベルにまたは所定の温度範囲内に保持可能である。圧力センサとして形成されるセンサ191、192、193、194、195は、吸気領域105内、内燃機関100内、および/または排気領域110内において発生する圧力を決定する。例えば、粒子フィルタの蓄積状態は、発生する圧力差により決定可能である。吸気領域105内に配置されている第1のセンサ191は、例えば空気/燃料混合物の決定において考慮可能な空気圧を測定する。
【0022】
少なくとも3つのセンサ191、192、193、194、195の正常な作動を検査することは、内燃機関100および特に排気ガス後処理装置115の正常な作動を保証する。
【0023】
図2に、本発明による第1の実施形態が流れ図により示されている。第1の問い合わせ200は、検査が可能な運転状態が存在するかどうかを検査する。このような運転状態は、特に、内燃機関100が定常運転状態を有するとき、内燃機関100が遮断され且つ停止状態にあるとき、または内燃機関100が始動された直後で且つなお低温始動過程内にあるときに存在する。
【0024】
有利な形態は、内燃機関100の停止が検出されるように設計されている。このために、設けられている時限素子が所定時間の経過後に信号を出力し、この信号が発生したとき、内燃機関100の十分に長い停止が推測可能である。内燃機関100の始動過程が十分に長い停止後に発生したとき、低温始動が想定可能である。
【0025】
内燃機関の定常運転状態、停止、および/または低温始動を検出する有利な形態は、緩慢な変化速度を有する選択されたセンサ191、192、193、194、195のセンサ信号S1、S2、S3、S4、S5が、少なくとも1つの他のセンサ191、192、193、194、195のセンサ信号S1、S2、S3、S4、S5と比較されるように設計されている。センサ191、192、193、194、195が温度センサであるかぎりにおいて、最大熱容量を有する媒体の温度を測定するセンサ191、192、193、194、195のセンサ信号が使用される。図示の実施例においては、それは、燃料配量装置180の温度を測定する第2のセンサ192であることが好ましい。この形態により、全ての装置が、内燃機関100の定常運転状態、停止、または低温始動において存在する安定制御状態内にあるかどうかが特定される。この場合、センサ191、192、193、194、195それ自体またはその温度が測定される媒体が、高い熱容量を有しているかどうかは問題ではない。内燃機関100の定常運転状態、停止、または低温始動は、選択されたセンサ191、192、193、194、195のセンサ信号と少なくとも1つの他のセンサ191、192、193、194、195のセンサ信号との間の差が所定のしきい値を下回っているときに存在する。
【0026】
この形態の一変更態様は、緩慢な変化速度を有する2つの選択されたセンサ191、192、193、194、195のセンサ信号が比較に使用されるように設計されている。ここで、少なくとも1つの差が基準を満たしているとき、それは十分である。
【0027】
第1の問い合わせ200において、このような運転状態が存在するかどうかが特定された後に、第1の機能ブロック210において、検査されるべきセンサ191、192、193、194、195のセンサ信号S1、S2、S3、S4、S5の量の平均値が形成される。この実施例においては、平均値Mが基準信号である。平均値の形成において、個々のセンサ信号S1、S2、S3、S4、S5の重みづけが行われていることが好ましい。重みづけは、補正係数K1、K2、K3、K4、K5により考慮される。重みづけにより、個々のセンサ191、192、193、194、195の重要性および/または装着位置を考慮することが可能である。重みづけにおいて、内燃機関100の定常運転状態内、停止中、または始動過程の間において、周囲条件の関数として異なるセンサ信号を供給するセンサ191、192、193、194、195の重みづけが低減可能であることにより、本質的な利点が得られる。内燃機関100が自動車内に配置されているかぎりにおいて、例えば、周囲条件が同じ場合、第1のセンサ191が晴れの天候においては曇りの天候においてとは異なる温度を測定する場合が発生することがある。それにもかかわらず、この場合においても、本発明によるセンサ191、192、193、194、195の検査が開始される、内燃機関100の定常運転状態、停止、または低温始動が存在する。
【0028】
次の第2の機能ブロック220において、個々のセンサ信号Snの、第1の機能ブロック210内において決定された平均値Mに関する差Dnが決定される。第2の問い合わせ230において、個々の差Dnがしきい値SWと比較される。しきい値SWを超えている差Dnは、センサ191、192、193、194、195がエラーを有することを予測させる。
【0029】
図3に代替形態が示されている。はじめに、第2の機能ブロック220において同様に、個々のセンサ信号Snと平均値Mとの間の差の決定が行われる。次の第3の機能ブロック240において、最大差Max Dnが決定される。それに続く第3の問い合わせ250において、決定された最大差Max Dnが所定のしきい値SWを超えているかどうかが検査される。これが肯定の場合、最大差を有するこのセンサ191、192、193、194、195がエラーを有することが予測される。この代替形態の利点は、そのセンサ信号S1、S2、S3、S4、S5が、第1の機能ブロック210において決定された平均値Mを不正確にすることがある、エラーを有するセンサ191、192、193、194、195が、第2の問い合わせ230内の検査においてきわめて多くのセンサ191、192、193、194、195が誤ってエラーを有するものとして分類されることがないようにすることにある。
【0030】
図4に他の代替形態が示されている。この形態においては、基準信号が、検査されるべきただ1つのセンサ191、192、193、194、195のセンサ信号S1、S2、S3、S4、S5の量から得られる。最も簡単な場合、基準信号はセンサ信号S1、S2、S3、S4、S5と同じである。この場合が図4に示されている。さらに、図4に示す実施例は、図を見やすくするために、3つのセンサ191、192、193の検査に制限されて示されている。
【0031】
上記の第1の問い合わせ200は、同様に、モニタリングが許容される内燃機関100の運転状態が存在するかどうかを検出する。これが肯定の場合、機能ブロック510において、第1のセンサ191のセンサ信号S1と第2のセンサ信号192のセンサ信号S2との間の第1の差D1が決定される。次の機能ブロック520において、第1のセンサ191のセンサ信号S1と第3のセンサ193のセンサ信号S3との間の第2の差D2が決定される。
【0032】
それに続く問い合わせ530は、第1の差D1が第1のしきい値SW1より大きいかどうかを検査する。これが肯定の場合、他の問い合わせ540が、第2の差D2が第2のしきい値SW2より大きいかどうかを検査する。これが否定の場合、機能ブロック260において、第1のセンサS1がエラーを有するものとして検出される。問い合わせ540において、第2の差D2が第2のしきい値SW2より大きいことが特定された場合、機能ブロック262において、第2のセンサS2がエラーを有するものとして検出される。
【0033】
問い合わせ530において、第1の差D1が第1のしきい値SW1より大きくないことが特定された場合、問い合わせ550は、第2の差D2が第2のしきい値SW2より大きいかどうかを検査する。これが肯定の場合、機能ブロック264において、第3のセンサS3がエラーを有するものとして検出される。差D1、D2がしきい値SW1およびSW2より小さいとき、機能ブロック266において、エラーが存在しないことが検出される。
【0034】
しきい値SW1およびSW2が同じ値をとるように設計されていることが好ましい。しかしながら、しきい値SW1、SW2が異なる値をとるように設計されていてもよい。
図5に他の実施例が示されている。この形態においても同様に、基準信号が、検査されるべきただ1つのセンサ191、192、193、194、195のセンサ信号S1、S2、S3、S4、S5の量から得られる。最も簡単な場合、基準信号はセンサ信号S1、S2、S3、S4、S5と同じである。この場合が図5に示されている。さらに、図5に示すこの実施例もまた、図を見やすくするために、3つのセンサ191、192、193の検査に制限されて示されている。
【0035】
図4および図5に示す実施例の間の相違は、図5に示す実施例においては、全てのセンサ信号S1、S2、S3の間の差D1、D2、D3が形成されることにある。この場合、個々のセンサ信号S1、S2、S3の間の偏差の絶対値がそれぞれ決定される。全ての差D1、D2、D3がしきい値SW1以下にある場合、全てのセンサS1、S2、S3はエラーを有さないものとして検出される。差D1、D2、D3の1つがしきい値SW1より大きい場合、それがエラーとして検出される。しかしながら、このエラーはセンサS1、S2、S3のいずれかに割当可能ではない。2つの差がしきい値SW1より大きい場合、2つの差の計算において使用されたセンサS1、S2、S3がエラーを有するものとして検出される。この実施形態においては、1つのエラーが検出可能であるのみならず、エラーを特定のセンサS1、S2、S3に割当可能である。
【0036】
第1の問い合わせ200において、上記の実施例においてと同様に、内燃機関の定常運転状態、停止、または低温始動が存在するかどうかが検査される。次の機能ブロック410において、第1および第2のセンサ信号S1、S2の間の第1の差D1が形成される。上記の全ての差の形成と同様に、この場合もまた、差の絶対値が形成されることが好ましい。機能ブロック420において、第1および第3のセンサ信号S1、S3の間の差の絶対値に対応する第2の差D2が形成される。他の機能ブロック430において、第2および第3のセンサ信号S2、S3の間の偏差の絶対値に対応する第3の差D3が形成される。
【0037】
それに続く問い合わせ440において、差D1がしきい値SW1より大きいかどうかが検査される。これが肯定の場合、問い合わせ445において、第2の差D2がしきい値SW2より大きいかどうかが検査される。これが肯定の場合、機能ブロック260において、第1のセンサ191がエラーを有するものとして検出される。これが否定の場合、問い合わせ448において、第3の差D3がしきい値SW3より大きいかどうかが検査される。これが肯定の場合、機能ブロック262において、第2のセンサ192がエラーを有するものとして検出される。これが否定の場合、機能ブロック268において、割当可能ではない1つのエラーが検出される。
【0038】
問い合わせ440において、差D1がしきい値SW1より大きくないことが検出された場合、問い合わせ450において、第2の差D2がしきい値SW2より大きいかどうかが検査される。これが否定の場合、センサ191、192、193はエラーを有さないものとして検出される。これが肯定の場合、問い合わせ455において、第3の差D3がしきい値SW3より大きいかどうかが検査される。これが肯定の場合、機能ブロック264において、第3のセンサ193がエラーを有するものとして検出される。これが否定の場合、機能ブロック268において、割当可能ではない1つのエラーが検出される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は内燃機関並びに制御のブロック系統図を示す。
【図2】図2は本発明による方法の一形態の流れ図を示す。
【図3】図3は本発明による方法の代替形態の流れ図を示す。
【図4】図4は本発明による方法の他の代替形態の流れ図を示す。
【図5】図5は本発明による方法のさらに他の代替形態の流れ図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関(100)の範囲内の測定変数を検出する、少なくとも3つのセンサ(191、192、193、194、195)の検査方法において、
検査されるべきそれぞれのセンサ(191、192、193、194、195)のセンサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)に対する量が、基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)と比較されること、
基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)が、検査されるべきセンサ(191、192、193、194、195)のセンサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)の少なくとも一部から得られること、および
センサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)に対する量と基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)との比較により、1つのセンサ(191、192、193、194、195)がエラーを有するものとして検出されること、
を特徴とする、内燃機関の範囲内の測定変数を検出する、少なくとも3つのセンサの検査方法。
【請求項2】
基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)が、検査されるべきセンサ(191、192、193、194、195)の少なくとも一部のセンサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)の量の平均値(M)から形成されることを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
前記平均値の形成において、センサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)が、それぞれ所定の係数(K1、K2、K3、K4、K5)で重みづけされることを特徴とする請求項2に記載の検査方法。
【請求項4】
センサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)に対する量と基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)との間の差(Dn、D1、D2、D3)が所定のしきい値(SW、SW1、SW2、SW3)を超えているとき、センサ(191、192、193、194、195)がエラーを有するものとして検出されることを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
【請求項5】
センサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)に対する量が、基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)から最も離れて存在するセンサ(191、192、193、194、195)がエラーを有するものとして検出されることを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
【請求項6】
基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)が、検査されるべきただ1つのセンサ(191、192、193、194、195)のセンサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)の量から得られることを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
【請求項7】
検査が、内燃機関(100)の定常運転状態で、または停止中、または低温始動後に、実行されることを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
【請求項8】
内燃機関(100)の停止が検出されること、
停止が検出されたときにスタートされる時限素子が設けられていること、および
検査が所定時間の経過後に実行されること、
を特徴とする請求項7に記載の検査方法。
【請求項9】
内燃機関(100)の定常運転状態、停止、または低温始動が、緩慢な変化速度を有する少なくとも1つの選択されたセンサ(191、192、193、194、195)のセンサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)と、検査されるべきセンサ(191、192、193、194、195)のセンサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)との間の比較により検出されることを特徴とする請求項7に記載の検査方法。
【請求項10】
エラーを有するものとして検出されたセンサ(191、192、193、194、195)のセンサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)が、基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)の決定において考慮されないことを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
【請求項11】
エラーを有するものとして検出されたセンサ(191、192、193、194、195)の数が所定の数を超えているとき、検査はもはや実行されないことを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
【請求項12】
前記測定変数が温度であることを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関(100)の範囲内の測定変数を検出する、少なくとも3つのセンサ(191、192、193、194、195)の検査方法において、
検査されるべきそれぞれのセンサ(191、192、193、194、195)のセンサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)に対する量が、基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)と比較されること、
基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)が、検査されるべきセンサ(191、192、193、194、195)のセンサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)の少なくとも一部から得られること、
センサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)に対する量と基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)との比較により、1つのセンサ(191、192、193、194、195)がエラーを有するものとして検出されること、
さらに、検査が、内燃機関(100)の定常運転状態で、または停止中、または低温始動後に、実行されること、および
内燃機関(100)の定常運転状態、停止、または低温始動が、緩慢な変化速度を有する少なくとも1つの選択されたセンサ(191、192、193、194、195)のセンサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)と、検査されるべきセンサ(191、192、193、194、195)のセンサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)との間の比較により検出されること、
からなる、内燃機関の範囲内の測定変数を検出する、少なくとも3つのセンサの検査方法。
【請求項2】
基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)が、検査されるべきセンサ(191、192、193、194、195)の少なくとも一部のセンサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)の量の平均値(M)から形成される請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
前記平均値の形成において、センサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)が、それぞれ所定の係数(K1、K2、K3、K4、K5)で重みづけされる請求項2に記載の検査方法。
【請求項4】
センサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)に対する量と基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)との間の差(Dn、D1、D2、D3)が所定のしきい値(SW、SW1、SW2、SW3)を超えているとき、センサ(191、192、193、194、195)がエラーを有するものとして検出される請求項1に記載の検査方法。
【請求項5】
センサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)に対する量が、基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)から最も離れて存在するセンサ(191、192、193、194、195)がエラーを有するものとして検出される請求項1に記載の検査方法。
【請求項6】
基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)が、検査されるべきただ1つのセンサ(191、192、193、194、195)のセンサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)の量から得られる請求項1に記載の検査方法。
【請求項7】
内燃機関(100)の停止が検出されること、
停止が検出されたときにスタートされる時限素子が設けられること、および
検査が所定時間の経過後に実行されること、
を含む請求項1に記載の検査方法。
【請求項8】
エラーを有するものとして検出されたセンサ(191、192、193、194、195)のセンサ信号(S1、S2、S3、S4、S5)が、基準信号(M、S1、S2、S3、S4、S5)の決定において考慮されない請求項1に記載の検査方法。
【請求項9】
エラーを有するものとして検出されたセンサ(191、192、193、194、195)の数が所定の数を超えているとき、検査はもはや実行されない請求項1に記載の検査方法。
【請求項10】
前記測定変数が温度である請求項1に記載の検査方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2006−504113(P2006−504113A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501795(P2005−501795)
【出願日】平成15年10月20日(2003.10.20)
【国際出願番号】PCT/DE2003/003517
【国際公開番号】WO2004/040104
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】