説明

内箱

【課題】側壁部の上端縁に上壁部が連設され、該側壁部と上壁部に収容部が形成されている内箱であって、収容部に収容された物品が該収容部から落下し難い内箱を提供する。
【解決手段】本発明に係る内箱においては、側壁部21と上壁部22に開口26が形成され、側壁部21には、開口26の第1端縁26aに、該側壁部21から後方へ延びる第1壁部27が連設される一方、上壁部22には、開口26の第2端縁26bに、該上壁部22から下方へ延びる第2壁部28が連設され、第1壁部27と第2壁部28の先端縁どうしが互いに連結されている。そして、第1及び第2壁部27,28と開口26とによって、第1壁部27の上面を底面とする収容部29が形成されている。又、側壁部21及び/又は上壁部22には、開口26の2つの第3端縁26c,26cの内、少なくとも何れか一方の第3端縁26cに、1又は複数の舌片が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包箱等の外箱内に設置される内箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラや携帯電話機等の製品を出荷する際、該製品を梱包箱に収容することが行われている。又、該梱包箱には、製品と共に、乾電池やリモートコントローラ等の付属物品が収容される。又、梱包箱内での製品と付属物品との衝突を防止するべく、梱包箱を外箱として該梱包箱内に内箱を設置し、これにより製品と付属物品との間を仕切ることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
内箱の作製は、段ボール等の紙製の基材に対して打ち抜き加工を施すことにより板材を作製し、その後、該板材に対して折り曲げ加工を施すことにより行われている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−166852号公報
【特許文献2】特開2009−241948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図15に示す様に、内箱が、板材(100)から形成された側壁部(101)と、板材(100)を所定の折り曲げ線(102)で折り曲げることにより側壁部(101)の上端縁(103)に連設された上壁部(104)とを具えた構成を有する場合、同じ板材(100)に対して切断加工と折り曲げ加工を施すことにより、側壁部(101)と上壁部(104)に、付属物品を収容する収容部(105)を開設することが考えられている。
【0006】
図15に示す内箱においては、側壁部(101)と上壁部(104)に開口(106)が形成され、該開口(106)の縁は、側壁部(101)に形成されて所定の折り曲げ線(102)に対して略平行に延びる第1端縁(107)と、上壁部(104)に形成されて所定の折り曲げ線(102)に対して略平行に延びる第2端縁(108)と、第1端縁(107)及び第2端縁(108)の両端どうしを直線的に繋ぐ2つの第3端縁(109)(109)とを含んでいる。又、側壁部(101)には、開口(106)の第1端縁(107)に、側壁部(101)から後方へ延びる第1壁部(110)が連設される一方、上壁部(104)には、開口(106)の第2端縁(108)に、上壁部(104)から下方へ延びる第2壁部(111)が連設されており、第1壁部(110)と第2壁部(111)の先端縁どうしが互いに連結されている。そして、第1及び第2壁部(110)(111)と開口(106)とによって、第1壁部(110)の上面を底面とする収容部(105)が形成されている。
【0007】
しかしながら、図15に示す内箱においては、第2壁部の両側端縁(112)(112)と、開口(106)の2つの第3端縁(109)(109)との間に隙間S0が形成されることになる。従って、収容部(105)に収容された付属物品が隙間S0に落下する虞があった。又、図16に示す様に、梱包箱(120)内において、内箱が、その側壁部(101)を梱包箱(120)の側壁部(121)に接触させて配置された場合、開口(106)の内、側壁部(101)上の領域が梱包箱(120)の側壁部(121)によって塞がれ、その結果、収容部(105)に収容された付属物品は開口(106)から側壁部(101)の前方へ落下することがないのに対し、梱包箱(120)内において、内箱が、その側壁部(101)を梱包箱(120)の側壁部(121)から離間させて配置された場合、収容部(105)に収容された付属物品が開口(106)から側壁部(101)の前方へ落下する虞があった。
【0008】
そこで本発明の目的は、側壁部の上端縁に上壁部が連設され、該側壁部と上壁部に、物品を収容する収容部が形成されている内箱であって、収容部に収容された物品が該収容部から落下し難い内箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る内箱は、外箱内に設置される内箱であって、板材から形成された側壁部と、前記板材を所定の折り曲げ線で折り曲げることにより側壁部の上端縁に連設された上壁部とを具え、側壁部と上壁部には開口が形成され、該開口の縁は、側壁部に形成されて前記所定の折り曲げ線に対して略平行に延びる第1端縁と、上壁部に形成されて前記所定の折り曲げ線に対して略平行に延びる第2端縁と、第1端縁及び第2端縁の両端どうしを繋ぐ2つの第3端縁とを含み、側壁部には、開口の第1端縁に、該側壁部から後方へ延びる第1壁部が連設される一方、上壁部には、開口の第2端縁に、該上壁部から下方へ延びる第2壁部が連設され、第1壁部と第2壁部の先端縁どうしが互いに連結されている。ここで、前記側壁部及び/又は上壁部には、前記開口の2つの第3端縁の内、少なくとも何れか一方の第3端縁に、1又は複数の舌片が形成されている。
【0010】
上記内箱においては、第1及び第2壁部と開口とによって、第1壁部の上面を底面とする収容部が形成されることになり、該収容部には、乾電池やリモートコントローラ等の物品を収容することが出来る。一方で、上記内箱においては、第2壁部の両側端縁と、開口の2つの第3端縁との間に隙間が形成されることになる。
【0011】
ここで、上記内箱においては、開口の2つの第3端縁の内、少なくとも何れか一方の第3端縁に、1又は複数の舌片が形成されている。従って、舌片を側壁部に形成して該舌片を側壁部から後方(即ち前記収容部の内側)へ折り曲げることにより、前記隙間の一部が舌片によって塞がれ、その結果、前記収容部に収容された物品は隙間に落下し難くなる。又、舌片を上壁部に形成して該舌片を上壁部から下方(即ち前記収容部の内側)へ折り曲げることにより、前記隙間の上部が舌片によって塞がれ、その結果、前記収容部に収容された物品は隙間に落下し難くなる。更に、舌片を側壁部に形成して開口の一部を舌片によって塞ぐことにより、外箱内において、内箱が、その側壁部を外箱の内面から離間させて配置された場合であっても、前記収容部に収容された物品は、開口から側壁部の前方へ落下し難くなる。
【0012】
上記内箱の具体的構成において、前記舌片は、前記側壁部に形成されると共に、該側壁部から後方へ折り曲げられている。
【0013】
ここで、前記舌片は、その先端部が第2壁部の前面に当接していてもよい。これにより、収容部に収容された物品から舌片に付与される力に対して、舌片の強度が向上することになる。
【0014】
又、前記舌片には、その上端縁及び/又は下端縁にスリットが形成される一方、前記第2壁部には、前記スリットに差し込まれる差し込み部が形成されていてもよい。この構成によれば、差し込み部を舌片のスリットに差し込むことにより、収容部に収容された物品から舌片に付与される力に対して、舌片の強度が向上することになる。
【0015】
上記内箱の他の具体的構成において、前記舌片は、前記上壁部に形成されると共に、該上壁部から下方へ折り曲げられている。
【0016】
ここで、前記舌片には、その先端縁にスリットが形成される一方、前記第2壁部には、前記スリットに差し込まれる差し込み部が形成されていてもよい。この構成によれば、差し込み部を舌片のスリットに差し込むことにより、収容部に収容された物品から舌片に付与される力に対して、舌片の強度が向上することになる。
【0017】
上記内箱の更なる他の具体的構成において、前記舌片は、前記側壁部に形成されて前記開口の一部を塞いでいる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る内箱によれば、収容部に収容された物品が該収容部から落下し難い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る内箱を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す内箱を、その前後を逆にして示した斜視図である。
【図3】図3は、図1に示す内箱となる板材を、その裏面側から見た図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る内箱の第1変形例を示した斜視図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る内箱の第2変形例を示した斜視図である。
【図6】図6は、図5に示す内箱となる板材を、その裏面側から見た図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係る内箱の第3変形例を示した斜視図である。
【図8】図8は、図7に示す内箱となる板材を、その裏面側から見た図である。
【図9】図9は、本発明の第2実施形態に係る内箱を示す斜視図である。
【図10】図10は、図9に示す内箱となる板材を、その裏面側から見た図である。
【図11】図11は、第2実施形態に係る内箱の第1変形例を示した斜視図である。
【図12】図12は、図11に示す内箱となる板材を、その裏面側から見た図である。
【図13】図13は、第2実施形態に係る内箱の第2変形例を示した斜視図である。
【図14】図14は、第2実施形態に係る内箱の第3変形例を示した斜視図である。
【図15】図15は、従来の内箱を示した斜視図である。
【図16】図16は、図15に示す内箱が梱包箱内に設置された状態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
1.第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る内箱(2)を示す斜視図である。図2は、図1に示す内箱(2)を、その前後を逆にして示した斜視図である。又、図3は、図1に示す内箱(2)となる板材(20)を、その裏面側から見た図である。本実施形態の内箱(2)は、段ボール等の紙製の基材に対して打ち抜き加工を施すことにより図3に示す如く板材(20)を作製し、その後、該板材(20)に対して折り曲げ加工を施すことにより作製される。勿論、板材(20)は、段ボール等の紙製の基材から作製されたものに限らず、金属や樹脂等の材料から作製されたものであってもよい。尚、以下では、板材(20)の折り曲げに関して、板材(20)の裏面がV字状になる折り曲げを「谷折り」と称し、板材(20)の裏面が逆V字状になる折り曲げを「山折り」と称す。
【0021】
図1及び図2に示す様に、内箱(2)は、第1側壁部(21)と、該第1側壁部(21)の上端縁(21a)に連設されて第1側壁部(21)から後方へ延びた上壁部(22)と、該上壁部(22)の先端縁(22a)に連設されて上壁部(22)から下方へ延びた第2側壁部(23)と、第1側壁部(21)の下端縁(21b)に連結されて第1側壁部(21)から後方へ延びた底壁部(24)と、該底壁部(24)の両側端縁(24a)(24a)に連結されて底壁部(24)から上方へ延びた2つの第3側壁部(25)(25)とを具えている。又、各第3側壁部(25)は、第1側壁部(21)の高さ寸法H1と略同一の高さ寸法H2を有している。
【0022】
ここで、図3に示す様に、第1側壁部(21)と上壁部(22)との間には第1折り曲げ線Aが形成され、上壁部(22)と第2側壁部(23)との間には、第1折り曲げ線Aに対して略平行に延びた第2折り曲げ線Bが形成されている。第1側壁部(21)と底壁部(24)との間には、第1折り曲げ線Aに対して略平行に延びた第3折り曲げ線Cが形成されている。底壁部(24)と2つの第3側壁部(25)との間には、互いに略平行な2つの第4折り曲げ線D,Dが形成され、各第4折り曲げ線Dは、第3折り曲げ線Cに対して略垂直に延びている。
【0023】
又、第2側壁部(23)の先端縁(23a)には2つのスリット(230)(230)が形成されており、各スリット(230)は、該スリット(230)に対応する第4折り曲げ線Dと略同一直線上に揃えられている。一方、各第3側壁部(25)の先端縁(25a)には、上壁部(22)の幅寸法L1と同じ距離L2だけ第1側壁部(21)側の端からずれた位置に、スリット(250)が形成されている。
【0024】
そして、板材(20)に対して折り曲げ加工を施すに際し、第1折り曲げ線A、第2折り曲げ線B、第3折り曲げ線C、及び2つの第4折り曲げ線D,Dは何れも山折りとされ、これにより、図1及び図2に示す如く上記内箱(2)の第1側壁部(21)、上壁部(22)、第2側壁部(23)、底壁部(24)、及び2つの第3側壁部(25)(25)が形成される。又、第2側壁部(23)に形成されている2つのスリット(230)(230)はそれぞれ、2つの第3側壁部(25)(25)に形成されているスリット(250)(250)に嵌め込まれ、これにより内箱(2)の型崩れが防止されることになる。
【0025】
上記内箱(2)において、図1に示す様に、第1側壁部(21)と上壁部(22)には開口(26)が形成されている。ここで、開口(26)の縁は、第1側壁部(21)に形成されて第1折り曲げ線Aに対して略平行に延びる第1端縁(26a)と、上壁部(22)に形成されて第1折り曲げ線Aに対して略平行に延びる第2端縁(26b)と、第1端縁(26a)及び第2端縁(26b)の両端どうしを繋ぐ2つの第3端縁(26c)(26c)とを含んでいる。
【0026】
又、第1側壁部(21)には、開口(26)の第1端縁(26a)に、第1側壁部(21)から後方へ延びる第1壁部(27)が連設される一方、上壁部(22)には、開口(26)の第2端縁(26b)に、上壁部(22)から下方へ延びる第2壁部(28)が連設されており、第1壁部(27)と第2壁部(28)の先端縁どうしが互いに連結されている。そして、第1及び第2壁部(27)(28)と開口(26)とによって、第1壁部(27)の上面(270)を底面とする収容部(29)が形成されている。
【0027】
更に、第1側壁部(21)には、開口(26)の各第3端縁(26c)に第1舌片(31)と第2舌片(32)とが形成されている。第1舌片(31)は、第3端縁(26c)の内、第1舌片(31)の上端縁(31a)が上壁部(22)と略同一平面上で揃うこととなる位置に形成される一方、第2舌片(32)は、第1舌片(31)の下方位置(図1では、第1舌片(31)の直下の位置)に形成されている。又、第1舌片(31)は、第1側壁部(21)から後方へ折り曲げられる一方、第2舌片(32)は、折り曲げられずに開口(26)の一部を塞いでいる。
【0028】
ここで、図3に示す様に、第1側壁部(21)と第1壁部(27)との間には、第1折り曲げ線Aに対し略平行に延びた第5折り曲げ線Eが形成され、上壁部(22)と第2壁部(28)との間には、第1折り曲げ線Aに対し略平行に延びた第6折り曲げ線Fが形成されている。第1壁部(27)と第2壁部(28)とに間には、第1折り曲げ線Aに対して略平行に延びた第7折り曲げ線Gが形成されている。各第1舌片(31)と第1側壁部(21)との間には第8折り曲げ線Iが形成されている。
【0029】
一方、第1側壁部(21)と上壁部(22)には、第5折り曲げ線Eと第6折り曲げ線Fの両端どうしを繋ぐ2つの第1切断線X1,X1が形成されており、各第1切断線X1は、第2壁部(28)と第1及び第2舌片(31)(32)との間を通過して延びている。又、開口(26)の各第3端縁(26c)に形成されている第1舌片(31)と第2舌片(32)との間には、第2切断線X2が形成されている。
【0030】
そして、板材(20)に対して折り曲げ加工を施すに際し、第5折り曲げ線Eと第6折り曲げ線Fはそれぞれ山折りとされ、第7折り曲げ線Gは谷折りとされ、これにより、図1に示す如く上記内箱(2)の収容部(29)が形成される。一方で、収容部(29)の両側、即ち第2壁部(28)の両側端縁(28a)(28a)と開口(26)の2つの第3端縁(26c)(26c)との間には、隙間S1,S1が形成されることになる。
【0031】
又、各第8折り曲げ線Iは山折りとされ、これにより各第1舌片(31)は、第1側壁部(21)から後方へ折り曲げられる。
【0032】
上記内箱(2)において、収容部(29)には、乾電池やリモートコントローラ等の物品を収容することが出来る。ここで、上記内箱(2)においては、2つの第1舌片(31)(31)が第1側壁部(21)から後方へ折り曲げられている。従って、収容部(29)の両側に形成されている各隙間S1の一部が第1舌片(31)によって塞がれ、その結果、収容部(29)に収容された物品は隙間S1に落下し難くなる。
【0033】
又、上記内箱(2)においては、2つの第2舌片(32)(32)によって開口(26)の一部が塞がれている。従って、外箱内において、内箱(2)が、その第1側壁部(21)を外箱の内面から離間させて配置された場合であっても、収容部(29)に収容された物品は、開口(26)から第1側壁部(21)の前方へ落下し難い。
【0034】
図4は、第1実施形態に係る内箱(2)の第1変形例を示した斜視図である。図4に示す様に、第2舌片(32)が、第3端縁(26c)の内、第2舌片(32)の上端縁(32a)が上壁部(22)と略同一平面上で揃うこととなる位置に形成され、第1舌片(31)が、第2舌片(32)の下方位置(図4では、第2舌片(32)の直下の位置)に形成されていてもよい。又、第1側壁部(21)には、開口(26)の各第3端縁(26c)の2箇所に第2舌片(32)が形成されていてもよい。
【0035】
尚、図1及び図4に示した内箱(2)の構成は一例に過ぎず、第1舌片(31)及び第2舌片(32)は、開口(26)の各第3端縁(26c)の様々な位置に形成することが出来る。例えば、第1舌片(31)及び第2舌片(32)の形成位置を、収容部(29)に収容する物品の形状、重量、又は重心の高さ位置に応じて変更することが可能である。又、第1舌片(31)及び第2舌片(32)は、開口(26)の各第3端縁(26c)の1又は複数の箇所に形成することが出来る。
【0036】
図5は、第1実施形態に係る内箱(2)の第2変形例を示した斜視図である。又、図6は、図5に示す内箱(2)となる板材(20)を、その裏面側から見た図である。図5に示す様に、第1舌片(31)は、その先端部(310)が第2壁部(28)の前面に当接していてもよい。本変形例に係る内箱(2)においては、図6に示す様に、第1舌片(31)の長さ寸法L3が、収容部(29)の幅寸法、即ち第1折り曲げ線Aと第6折り曲げ線Fとの間の距離L4より大きく設定されている。
【0037】
更に、本変形例に係る内箱(2)においては、第1舌片(31)が第9折り曲げ線J(図6参照)で谷折りとされることにより、図5に示す如く第1舌片(31)の先端部(310)が収容部(29)の内側へ向けて折り曲げられている。ここで、第9折り曲げ線Jは、この線と第8折り曲げ線Iとの間の距離が第1折り曲げ線Aと第6折り曲げ線Fとの間の距離L4より大きくなる位置に形成されている。
【0038】
第2変形例に係る内箱(2)によれば、第1舌片(31)の先端部(310)が第2壁部(28)の前面に当接し、これにより、収容部(29)に収容された物品から第1舌片(31)に付与される力に対して、第1舌片(31)の強度が向上することになる。
【0039】
尚、図5に示した内箱(2)の構成は一例に過ぎず、第1舌片(31)の先端部(310)は、折り曲げられずにそのままの状態で第2壁部(28)の前面に当接していてもよい。又、第1舌片(31)は、第9折り曲げ線Jで山折りとされることにより、第1舌片(31)の先端部(310)が収容部(29)の外側へ向けて折り曲げられていてもよい。
【0040】
図7は、第1実施形態に係る内箱(2)の第3変形例を示した斜視図である。又、図8は、図7に示す内箱(2)となる板材(20)を、その裏面側から見た図である。図7に示す様に、第1舌片(31)の上端縁(31a)にはスリット(311)が形成される一方、第2壁部(28)には、第1舌片(31)のスリット(311)に差し込まれる差し込み部(281)が形成されていてもよい。
【0041】
本変形例に係る内箱(2)においては、図7に示す様に、第2舌片(32)が、第3端縁(26c)の内、第2舌片(32)の上端縁(32a)が上壁部(22)と略同一平面上で揃うこととなる位置に形成され、第1舌片(31)が、第2舌片(32)の直下の位置に形成されている。ここで、図8に示す様に、第2舌片(32)の幅寸法L5が、第1折り曲げ線Aと第6折り曲げ線Fとの間の距離L4より小さく設定される一方、第1舌片(31)の長さ寸法L3が、第1折り曲げ線Aと第6折り曲げ線Fとの間の距離L4より大きく設定されている。又、第1舌片(31)のスリット(311)は、第1舌片(31)の上端縁(31a)の内、第1折り曲げ線Aと第6折り曲げ線Fとの間の距離L4と略同一の距離L6だけ第8折り曲げ線Iから離れた位置に設けられている。これにより、図7に示す様に、第2壁部(28)に差し込み部(281)が形成され、該差し込み部(281)を第1舌片(31)のスリット(311)に差し込むことが可能となっている。
【0042】
第3変形例に係る内箱(2)によれば、差し込み部(281)を第1舌片(31)のスリット(311)に差し込むことにより、収容部(29)に収容された物品から第1舌片(31)に付与される力に対して、第1舌片(31)の強度が向上することになる。
【0043】
尚、図7に示した内箱(2)の構成は一例に過ぎず、第1舌片(31)のスリット(311)は、第1舌片(31)の下端縁(31b)に形成されていてもよい。この場合、第2壁部(28)には、差し込み部(281)が、これをスリット(311)へ差し込むことが可能となる位置に適宜形成されることになる。
【0044】
尚、本発明の各部構成は上記第1実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、開口(26)の2つの第3端縁(26c)(26c)にはそれぞれ、第1舌片(31)(31)が互いの高さ位置をずらせて形成されていてもよい。同様に、開口(26)の2つの第3端縁(26c)(26c)にはそれぞれ、第2舌片(32)(32)が互いの高さ位置をずらせて形成されていてもよい。又、開口(26)の2つの第3端縁(26c)(26c)の内、何れか一方の第3端縁(26c)にのみ、第1舌片(31)及び/又は第2舌片(32)が形成されていてもよい。即ち、第1舌片(31)と第2舌片(32)の形成位置について、それぞれ適宜変更することが可能ある。又、第1舌片(31)と第2舌片(32)の長さ寸法及び幅寸法についても、適宜変更することが可能ある。
【0045】
更に、上記内箱(2)は、開口(26)の第3端縁(26c)に第1舌片(31)のみが形成された構成を有していてもよい。この構成の場合、外箱内において、内箱(2)を、その第1側壁部(21)を外箱の内面に接触させて配置することにより(図16参照)、開口(26)の内、第1側壁部(21)上の領域が外箱によって塞がれ、その結果、収容部(29)に収容された物品が開口(26)から第1側壁部(21)の前方へ落下することが防止されることになる。
又、上記内箱(2)は、開口(26)の第3端縁(26c)に第2舌片(32)のみが形成された構成を有していてもよい。
【0046】
第2実施形態
図9は、本発明の第2実施形態に係る内箱(4)を示す斜視図である。又、図10は、図9に示す内箱(4)となる板材(40)を、その裏面側から見た図である。図9に示す様に、本実施形態の内箱(4)は、図1に示す第1実施形態の内箱(2)において、上壁部(22)にて開口(26)の各第3端縁(26c)に第3舌片(33)が形成され、該第3舌片(33)は、上壁部(22)から下方へ折り曲げられている。尚、図9に示す内箱(4)では、第1舌片(31)に代えて第3舌片(33)が設けられているが、勿論、第1舌片(31)に加えて第3舌片(33)が設けられてもよい。
【0047】
ここで、図10に示す様に、各第3舌片(33)と上壁部(22)との間には、第6折り曲げ線Fの端から第1折り曲げ線Aに対して略平行に延びた第3切断線X3が形成されると共に、該第3切断線X3の端から第1折り曲げ線Aに対して略垂直に延びた第10折り曲げ線Kが形成されている。一方、第1側壁部(21)と上壁部(22)には、第5折り曲げ線Eと第6折り曲げ線Fの両端どうしを繋ぐ2つの第4切断線X4,X4が形成されており、各第4切断線X4は、第2壁部(28)と第2及び第3舌片(32)(33)との間を通過して延びている。
【0048】
そして、板材(40)に対して折り曲げ加工を施すに際し、各第10折り曲げ線Kは山折りとされ、これにより各第3舌片(33)は、上壁部(22)から下方へ折り曲げられる。
【0049】
上記内箱(4)によれば、収容部(29)の両側に形成されている各隙間S1の上部が第3舌片(33)によって塞がれ、その結果、収容部(29)に収容された物品は隙間S1に落下し難くなる。又、上記内箱(4)においては、第1実施形態の内箱(2)と同様、2つの第2舌片(32)(32)によって開口(26)の一部が塞がれている。従って、外箱内において、内箱(4)が、その第1側壁部(21)を外箱の内面から離間させて配置された場合であっても、収容部(29)に収容された物品は、開口(26)から第1側壁部(21)の前方へ落下し難い。
【0050】
図11は、第2実施形態に係る内箱(4)の第1変形例を示した斜視図である。又、図12は、図11に示す内箱(4)となる板材(40)を、その裏面側から見た図である。図11に示す様に、第3舌片(33)の先端縁(33a)にはスリット(331)が形成される一方、第2壁部(28)には、第3舌片(33)のスリット(331)に差し込まれる差し込み部(282)が形成されていてもよい。
【0051】
本変形例に係る内箱(4)においては、図11に示す様に、第3舌片(33)が、第3端縁(26c)の内、第3舌片(33)の側端縁(33b)が第1側壁部(21)と略同一平面上で揃うこととなる位置に形成される一方、第2舌片(32)が、第3端縁(26c)の内、第1折り曲げ線Aから下方へ所定の距離L7だけずれた位置に形成されている。ここで、図12に示す様に、第3舌片(33)の長さ寸法L8が所定の距離L7より大きく設定され、第3舌片(33)の幅寸法L9が第1折り曲げ線Aと第6折り曲げ線Fとの間の距離L4より大きく設定されている。又、第3舌片(33)のスリット(331)は、第6折り曲げ線Fと同一の直接上に形成されている。これにより、図11に示す様に、第2壁部(28)に差し込み部(282)が形成され、該差し込み部(282)を第3舌片(33)のスリット(331)に差し込むことが可能となっている。
【0052】
第1変形例に係る内箱(4)によれば、差し込み部(282)を第3舌片(33)のスリット(331)に差し込むことにより、収容部(29)に収容された物品から第3舌片(33)に付与される力に対して、第3舌片(33)の強度が向上することになる。
【0053】
図13は、第2実施形態に係る内箱(4)の第2変形例を示した斜視図である。図13に
示す様に、第3舌片(33)の長さ寸法L10を、図9に示す内箱(4)の第3舌片(33)の長さ寸法より大きくしてもよい。これにより、隙間S1の内、第3舌片(33)によって塞がれる面積が大きくなる。
【0054】
図14は、第2実施形態に係る内箱(4)の第3変形例を示した斜視図である。図13に示す内箱(4)においては、2つの第3舌片(33)(33)は、上壁部(22)に対して略垂直に折り曲げられて塑性変形してしまっているが、図14に示す様に、各第3舌片(33)の折り曲げ角度θを小さくすることにより、該第3舌片(33)を、所定の角度範囲で弾性変形することが可能な弾性部材として機能させてもよい。これにより、収容部(29)に物品を収容したとき、2つの第3舌片(33)(33)はそれぞれ、該物品のサイズに応じて折り曲げられて弾性変形し、その結果、2つの第3舌片(33)によって物品が挟持されることになる。よって、収容部(29)内での物品のガタツキが防止されることになる。
【0055】
尚、本発明の各部構成は上記第2実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、開口(26)の2つの第3端縁(26c)(26c)の内、何れか一方の第3端縁(26c)にのみ、第3舌片(33)が形成されていてもよい。又、第3舌片(33)の長さ寸法及び幅寸法について、適宜変更することが可能ある。
【0056】
更に、上記内箱(4)は、開口(26)の第3端縁(26c)に第3舌片(33)のみが形成された構成を有していてもよい。この構成の場合、外箱内において、内箱(4)を、その第1側壁部(21)を外箱の内面に接触させて配置することにより(図16参照)、開口(26)の内、第1側壁部(21)上の領域が外箱によって塞がれ、その結果、収容部(29)に収容された物品が開口(26)から第1側壁部(21)の前方へ落下することが防止されることになる。
【0057】
更に又、本発明に係る内箱は、開口(26)の第3端縁(26c)に、第1〜第3舌片(31)〜(33)から選択した少なくとも1つの舌片が、1又は複数の箇所に形成された構成を有していてもよい。
【符号の説明】
【0058】
(2) 内箱
(20) 板材
(21) 第1側壁部
(21a) 上端縁
(22) 上壁部
(23) 第2側壁部
(24) 底壁部
(25) 第3側壁部
(26) 開口
(26a) 第1端縁
(26b) 第2端縁
(26c) 第3端縁
(27) 第1壁部
(28) 第2壁部
(281) 差し込み部
(282) 差し込み部
(29) 収容部
(31) 第1舌片
(31a) 上端縁
(31b) 下端縁
(310) 先端部
(311) スリット
(32) 第2舌片
(32a) 上端縁
(33) 第3舌片
(33a) 先端縁
(33b) 側端縁
(331) スリット
(4) 内箱
(40) 板材
A 第1折り曲げ線(所定の折り曲げ線)
S1 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外箱内に設置される内箱であって、板材から形成された側壁部と、前記板材を所定の折り曲げ線で折り曲げることにより側壁部の上端縁に連設された上壁部とを具え、側壁部と上壁部には開口が形成され、該開口の縁は、側壁部に形成されて前記所定の折り曲げ線に対して略平行に延びる第1端縁と、上壁部に形成されて前記所定の折り曲げ線に対して略平行に延びる第2端縁と、第1端縁及び第2端縁の両端どうしを繋ぐ2つの第3端縁とを含み、側壁部には、開口の第1端縁に、該側壁部から後方へ延びる第1壁部が連設される一方、上壁部には、開口の第2端縁に、該上壁部から下方へ延びる第2壁部が連設され、第1壁部と第2壁部の先端縁どうしが互いに連結されている内箱において、
前記側壁部及び/又は上壁部には、前記開口の2つの第3端縁の内、少なくとも何れか一方の第3端縁に、1又は複数の舌片が形成されていることを特徴とする内箱。
【請求項2】
前記舌片は、前記側壁部に形成されると共に、該側壁部から後方へ折り曲げられている請求項1に記載の内箱。
【請求項3】
前記舌片は、その先端部が第2壁部の前面に当接している請求項2に記載の内箱。
【請求項4】
前記舌片には、その上端縁及び/又は下端縁にスリットが形成される一方、前記第2壁部には、前記スリットに差し込まれる差し込み部が形成されている請求項2に記載の内箱。
【請求項5】
前記舌片は、前記上壁部に形成されると共に、該上壁部から下方へ折り曲げられている請求項1乃至請求項4の何れかに記載の内箱。
【請求項6】
前記舌片には、その先端縁にスリットが形成される一方、前記第2壁部には、前記スリットに差し込まれる差し込み部が形成されている請求項5に記載の内箱。
【請求項7】
前記舌片は、前記側壁部に形成されて前記開口の一部を塞いでいる請求項1乃至請求項6の何れかに記載の内箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−255936(P2011−255936A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132765(P2010−132765)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】