説明

内装工事のための構造用接着テープ

【課題】 内装工事、特に屋根領域の内装工事のための、老化安定でかつ良好にくっつく構造用テープを提供すること。
【解決手段】
支持体と、少なくともその片面に溶融物から被覆された接着剤とからなる、内装工事のための構造用接着テープであって、該接着剤が、0.86〜0.89g/cmの密度を有するエチレン−プロピレンゴム及び粘着樹脂を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、建物の屋根の内装工事、特に、防風材(Winddichtung)、防湿材(Dampfbremse)、及びベーパーバリアー(Dampfsperre)を接着するための構造用接着テープ(Montageklebeband)に関する。
【技術分野】
【0002】
壁や屋根面などに断熱材料を固定した後、透き間風及び湿気の凝縮によってその断熱材料及び木組みにおいて建物からエネルギーが損失することを回避するために、たいていは、フィルム又はフィルム複合材料が組み入れられる。様々な基体に対して固定するために、並びに結果として生じるオーバーラップ部及び外縁部を密に接着するために、片面又は両面接着性の構造用テープが使用されている。
【0003】
屋根領域で使用される構造用テープのすべてに対して、それらの耐水性、接着性、特に0℃までの温度でさえでの接着性、老化安定性及び密閉性能に関する高い要求がある。例えば、コンクリート表面や木材垂木のような汚れた及び/又は粗い基体に対する接着はしっかりと保たれなければならない。防風材、防湿材及びベーパーバリアーは、たいていポリオレフィンフィルムからなるものであるため、そのような非極性の基体に対する強い粘着性も必要とされる。
【0004】
防風材、防湿材及びベーパーバリアーのための片面接着性の構造用テープが、ドイツ国実用新案第29723454U1号(特許文献1)に記載されている。この構造用テープは、市場で普通に入手可能な製品のように、フィルム及びアクリレート系接着剤からなるものである。
【0005】
実際上は、粗い基材上に良好に貼り付けられるよう、約200g/mの塗布量を有する構造用テープが提供されている。塗布量が80g/m超であると、接着剤の溶液又は分散液の乾燥のために非常に手間がかかり、結果としてそのような塗布量のものは高価である。アクリレート系接着剤は、極性の基体に対しては粘着作用が高いが、ポリオレフィンのような非極性の基体に対してはとりわけ粘着作用がより劣っているこという特徴を有する。したがって、屋根の工事において慣習的に使用されているようなポリエチレンフィルムは接着するのが困難である。ゴム系の接着剤はこれに関しては有利であると思われるが、老化安定性が低すぎる。市場に流通している構造用テープはアクリレート分散物をベースとしており、湿気があると再エマルジョン化によってその接着性が大幅に失われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】ドイツ国実用新案第29723454U1号
【特許文献2】欧州特許第1582575B1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、ここでの弊害を除去し、そして内装工事、特に屋根領域の内装工事のための、老化安定でかつ良好にくっつく構造用テープを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、独立請求項に記載の構造用テープによって解決される。本発明の対象の有利な発展形態ならびに使用は、従属請求項の記載に見られる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
エチレン−プロピレンゴム(EPM及びEPDMとして知られる)は、当業者にとっては、高価値の感圧接着剤には適していないものと見なされている。該ゴムは、明らかに1N/cm未満の接着力を有する再剥離可能な表面保護フィルムの接着層に使用できる。それは、屋根用フェルトのための接着剤中の加硫可能な成分としても考慮される。
【0010】
それにも拘わらず、密度0.86〜0.89g/cmのエチレン−プロピレンゴムと、粘着樹脂とから、驚くことに、屋根領域における内装工事のための十分に適した構造用テープが製造でき、そして、ポリエチレンフィルム、及びラフソーン(saegerau)屋根角材、レンガ、又はしっくい(Putz)に対して高い粘着性を呈する。
【0011】
それ故に、本発明は、支持体と、0.86〜0.89g/cm、とりわけ、0.86〜0.88g/cmの密度を有するエチレン−プロピレンゴムと粘着樹脂とからなる、前記支持体の少なくとも片面上に被覆された接着剤とからなる、内装工事のための構造用テープに関する。
【0012】
エチレン−プロピレンゴムは、エチレン及びプロピレンの他に、別のモノマー、例えば、ブテン、オクテン、又はジエンを含むこともできる。125℃におけるムーニー粘度ML1+4は、好ましくは少なくとも20、特に好ましくは40、とりわけ少なくとも60である。ムーニー粘度が高いほど、湿気−熱貯蔵試験における構造用テープは、より良好な挙動を呈す。
【0013】
適したジエン不含のエチレン−プロピレンゴム(EPM)の選択が制限されているため、EPDMゴム(つまり、ジエンを有するエチレン−プロピレンゴム)が好ましい。それ以外に、高エネルギー放射線、又は過酸化物、フェノール樹脂又は硫黄化合物のような化学物質によるその架橋可能性が利点である。EPDMゴムは、エチレンとプロピレン以外に、ジエン、たいていはエチリデン−ノルボルネン(ENB)や、ジシクロペンタジエン又は5−ビニル−2−ノルボルネンも含む。
【0014】
接着剤が十分に粘着性であり、そして可塑剤を全く必要としないか、あるいは極わずかしか必要としないためには、その結晶化度はできる限り低いものであるべきであり、これは、75重量%より少ない、特に、60重量%より少ないエチレンの含有量でもって最良に達成される。結晶性の尺度としては、微結晶融点(Kristallitschmelpunkt)及び溶融熱が役立つ。微結晶融点は、とりわけ105℃未満、特に好ましくは80℃未満であり、そして特に50℃未満である。溶融熱は、とりわけ40J/g未満、特に好ましくは20J/gであり、そして特に、DSCで検出不能なほど低い値である。
【0015】
部分結晶性のエチレン−、プロピレン−又はブテンポリマーのような、別のかなりの結晶性を有するポリオレフィンを加えることは、粘着性に関しては同様に不都合であるため、105℃又はより高い微結晶融点を有するポリオレフィン、あるいは90℃又はより高い微結晶融点を有するようなポリオレフィンでさえ、好ましくは接着剤中に含有させるべきではない。エチレン−プロピレンゴムは、好ましくは、0.5g/10分より小さい、特に好ましくは0.2g/分より小さいメルトインデックスを示す。
【0016】
エチレン−プロピレンゴムは、特に、架橋可能なコモノマー、例えば、ビニルシラン(例えば、ビニルトリエトキシシラン)、グリシジルメタクリレート、アクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、及び、特に好ましくは無水マレイン酸でグラフト化される。本発明の接着剤を、例えば、イソシアネート、エポキシド、チタン化合物、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、オキサゾリン類、アジリジン類又はアミン類で架橋することが特に有利である。
【0017】
粘着樹脂としては、ロジンや、炭化水素、例えばピペリレン(Piperylien)又はβ−ピネンなどのテルペンをベースとする、好ましくは部分的に又は完全に水素化された、樹脂が良好に適している。その量は、特に130〜350phrである(phrとは、ゴム100重量部に基づく重量部を意味する。)。
【0018】
接着剤は、特に、例えば、鉱物油のような液状可塑剤、イソブテンホモポリマー及び/又はイソブテン−ブテンコポリマーからなる液状重合体、40℃を下回る融点を有し、粘着樹脂の原料に基づく液状樹脂及び軟質樹脂を含有する。
【0019】
本発明の接着剤は、酸化防止剤なしで済ますことができる。高い長期安定性のためには、好ましくは、一次酸化防止剤、例えば、フェノールベースの一次酸化防止剤が、特に好ましくは、少なくとも2phrで、及び任意に二次酸化防止剤が使用される。接着テープが、より長い時間光(例えば、太陽放射)にさらされる場合の使用の際には、好ましくは、光安定剤、特に好ましくは、Tinuvin 111又はTinuvin 922のようなHALS、Tinuvin PのようなUV吸収剤、又は隠蔽性顔料を使用する。
【0020】
特性を最適化するために、使用される自己接着剤を、充填剤、難燃剤、顔料、オゾン劣化防止剤、光開始剤又は架橋剤もしくは架橋促進剤のようなこれ以外の添加剤とともに混合することができる。適した充填剤及び顔料とは、例えば、カーボンブラック、二酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、シリケート又はシリカである。
【0021】
有利な実施形態によれば、添加剤又はそれ以外の追加物質の割合の総計は、5重量%を超えない。
【0022】
感圧接着剤の製造及び加工は、溶液並びに溶融物から行うことができる。溶融物からの感圧接着剤の加工の利点は、被覆後に溶剤を除去しなくて良いため、非常に短時間で非常に厚い層厚(塗布量)が達成できるという可能性にある。従って、好ましい製造及び加工は、溶融物から行われる。後者の場合について、適した製造工程は、バッチ法だけでなく、連続法も含む。特に好ましくは、押出機を使った感圧接着剤の連続的な製造、及び引き続く、被覆する基体、又は剥離紙あるいは剥離フィルム上への、適した高温での接着剤の直接的な被覆である。被覆法としては、スロットノズルを用いた押出し被覆、及びカレンダーコーティングが好ましい。
【0023】
塗布量(被膜厚)は、用途に応じて、好ましくは50〜300g/m、特に好ましくは、100〜150g/mであり、高い接着能故に、アクリレートをベースとする商慣習の構造用テープの場合に比してより少ない量に抑えることができる。
【0024】
接着剤は溶媒なしで製造可能であるため、溶融被覆により高い接着剤塗布量さえも容易に達成することができる。
【0025】
好ましくは、接着剤は架橋されている。
【0026】
鋼に対する接着力は、好ましくは、少なくとも10N/cmである。
【0027】
支持体材料としては、プラスチックフィルム、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、それらのコポリマー、これらポリマーと、例えばポリエチレンビニルアセテート又はアイオノマーとのブレンドからなるフィルム、並びにポリ塩化ビニルからなるフィルムを採用することができる。伸縮性のあるフィルムは、強化材、特にレイドスクリム(Fadengelege)で強化することができる。更に、例えば、押し出しコーティング又はラミネーションによって得られた紙−プラスチック複合体を使用することが可能である。テキスタイル材料は、用途に応じて、開放孔を有する状態で、又は支持体材料としてのテキスタイル−プラスチック複合体として使用することができる。
【0028】
好ましくは、支持体は少なくとも一つの層、好ましくは、フィルム、例えばポリオレフィン、ポリエステル、PVCからなるフィルム、又は紙、又はレイドスクリム、又はテキスタイル、又はそれらの材料からなる複合体からなる少なくとも一つの層を有する。
【0029】
支持体材料は、例えば、厚さ30〜150μm、好ましくは、50〜120μmを有することができる。
【0030】
接着剤の固定を向上させるために、塗布面(被覆面)に対して、支持体の表面を化学的又は物理的に(例えば、コロナ)処理することができ、並びに、それ自体の裏面を、抗接着的物理処理或いはコート処理、例えばシリコーン又はポリビニルステアリルカルバメートでのコート処理に付することができる。
【0031】
構造用テープは、支持体の一部の面又は全面上に、好ましくは片面又は、場合によっては両面に、接着剤を塗布することによって形成される。それ以外に、支持体材料の両面上にも被覆を実施することができ、その結果、両面接着テープが生じる。構造用テープは、一つ又は二つのライナー(剥離フィルム又は剥離紙)で覆うことができる。好ましい形態において、シリコーン又はポリビニルステアリルカルバメートで処理されたフィルム又は紙、例えばグラシン、HDPE又はLDPEコート紙がライナー(Abdeckung)として採用される。
【0032】
本発明の構造用テープは、内装工事、とりわけ、建物の屋根領域での内装工事における使用に適している。防風材、防湿材、又はベーパーバリアー、とりわけ、フィルム又は、フィルムを含む複合材料、特に好ましくはポリエチレンのようなポリオレフィンからなるこれらのものを接着するための使用が好ましい。
【実施例】
【0033】
試験方法
別途指示しない限り、23±1℃及び50±5%の相対空気湿度の試験環境で測定を行う。
【0034】
ゴムの密度は、ISO 1183に従って測定し、そしてg/cmで表す。微結晶融点は、DSCを用いてISO 3146に従い、10℃/分の加熱速度で測定する。メルトインデックスは、ISO 1133に従い、190℃及び2.16kgで試験し、そしてg/10分で表す。ムーニー粘度は、ASTM D 1646に従って、125℃における試験条件ML1+4の下で測定する。
【0035】
厚さは、DIN 53370に従って測定し、その際、ゲージ(Taster)は平坦である(湾曲していない)。しかしながら、構造化フィルムの場合、エンボス加工前の厚さを基準とする。これは、坪量(DIN 53352に従って測定)によって、及び密度での換算によって後からでも得られる。エンボスの深さは、エンボス加工を施した場合とそうでない場合の厚さの間の差である。
【0036】
鋼に対する接着力は、180°の引き剥がし角度で、AFERA 4001を手本にして、(できれば)20mm幅の試験細片について測定される。この場合、試験の土台としてAFERA−規格による鋼プレートを使用し、そのプレートの上に試験する構造用テープの細片を設ける。両面接着テープを試験する場合、試験されない面を、20mm幅及び30μm厚の、硬質PVCからなる細片で覆う。試験はAFERA 4001に従って遂行する。
【0037】
ポリエチレンに対する接着力は、190μm厚のポリエチレンフィルムと、事前の貯蔵なしの構造用テープを20mm幅で貼り付けて測定する。その際、フィルムは、下方に向かって垂直に固定し、接着テープは、300mm/分の速度で上に向かって垂直に引き剥がす。軟質の支持フィルムを有する接着テープ、又は両面接着テープについては、鋼に対する接着力の測定時と同じ手順が適用される。
【0038】
塗布量は、溶媒で接着剤を取り除き、そしてその後支持体を乾燥してから測定する。
【0039】
せん断強さの試験は、原則的に欧州特許第1582575B1号(特許文献2)の段落[0066]に記載されているようにして遂行する(ここで遂行される試験は、1kgの試験重量を有する鋼に対して23℃で行われる)。せん断強さは、ここでは耐せん断時間で表される。
【0040】
老化安定性を測定するために、“Haftklebebaender, Pruef− und Kennzeichnungsvorschrift “fuer Innenanwendungen” des Fachverbands Luftdichtigkeit im Bauwesen e. V. (FLiB) Stand 13.04.2005” 図7−1と同様に、市場で慣用の防風材、防湿材、又はベーパーバリアーに対する接着テープの粘着性を試験する。細片は20mm幅であり、100mmを、34mN/mの表面張力で190μmLDPEフィルムに貼り付け、そして垂直に垂れ下がる端部も同様に100mm長である。試験環境は、65℃及び相対湿度80%である(湿気−熱貯蔵試験)。11日後、試験細片の何mmが、自重だけで剥がれたかを測定する。
【0041】
以下に、本発明をいくつかの例によってより詳細に説明するが、本発明はそれらでもって制限されるものではない。
【0042】
【表1】

【0043】
例1
次の成分からなる接着剤
【表2】

【0044】
接着剤を押出機中で連続的に製造し、そして溶融物からノズルコーティングにより支持体上に150g/mで塗布する。支持体は、100g/mの坪量と、20g/mポリエチレンによる裏面の溶融被膜と、シリコーンの剥離被膜とを有するクラフト紙である。
【0045】
接着力は、鋼に対しては23.5N/cmであり、そしてポリエチレンに対しては22N/cmである。接着テープは、10℃においてさえ、石レンガ(Mauerwerk)及び木製角材に対して接着可能である。湿気−熱貯蔵試験における剥離:2mm
【0046】
例2
例1における場合同様の接着剤であるが、次の処方を有する。
【表3】

【0047】
接着剤を、押出機中で連続して製造し、そしてノズルコーティングを用いて溶融物から剥離紙上へ50g/mで塗布する。支持体フィルムは、70μmの厚さを有し、91.3%(w/w)のブロックコポリマーのNovolen 2309 L(BASF、230℃及び2.16kgでのメルトインデックス6g/10分、エチレン含有量約6.5%(w/w))、8.4%(w/w)の二酸化チタン、及び0.3%(w/w)のHALS安定剤Tinuvin 770からなる。これは、被覆前に片面がコロナ処理される。接着剤の塗布は、被覆された剥離紙からのラミネーションによって、支持体材料のそのコロナ処理された面に対して行う。接着テープを、その剥離紙を再度剥がすことなく、巻いてログロール(Stangen)にする。
【0048】
鋼に対する接着力は16.2N/cmである。ポリエチレンに対する接着力は13.7N/cmである。23℃でのせん断強さは、30分である。老化後、ポリエチレンに対する接着力は、元来の接着力の90%もある。接着テープは、0℃においてさえ、石レンガ、ラフソーン木材、ポリエチレンフィルム、又はポリアミドフィルムに対して接着できる。
【0049】
例3
例2における場合と同様の接着剤であるが、以下の処方を有する。
【表4】

【0050】
この接着剤も、例2における場合のように被覆する。接着剤は同じように製造するが、ただし、支持体の両面をコロナ処理し、そして接着剤で被覆する。二回目の転写被覆後、第二の剥離紙を剥がし、そして接着テープを巻いてログロールにする。
【0051】
鋼に対する接着力は15N/cmである。ポリエチレンに対する接着力は7N/cmである。老化後でさえ、ポリエチレンに対する接着力は、元来の接着力の92%である。23℃でのせん断強さは50分である。接着テープは、0℃においてさえ、石レンガ、ラフソーン木材、ポリエチレンフィルム、又はポリアミドフィルムに対して接着できる。
【0052】
例4
例1における場合と同様の接着剤であるが、以下の処方を有する:
【表5】

【0053】
接着剤は例2の場合と同様であるが、200g/mの塗布量で塗布し、剥離紙を剥がさずに巻いてログロールにする。これは、支持されていない両面接着剤転写テープとして、例えば、防風材、防湿材、ベーパーバリアーを、ラフソーン木材に固定して使用される。
【0054】
ポリエチレンに対する接着力は5N/cmである。老化後、ポリエチレンに対する接着力は、元来の接着力の96%もある。23℃でのせん断強さは850分である。湿気−熱貯蔵試験における剥離:<1mm。接着テープは、0℃においてさえ、石レンガ、ラフソーン木材、ポリエチレンフィルム、又はポリアミドフィルムに対して接着できる。
【0055】
例5
例1における場合と同様の接着剤であるが、以下の処方を有する:
【表6】

【0056】
接着剤は例2における場合と同様であるが、ただし、70g/mだけの塗布量で被覆する。接着テープを、剥離紙を再度剥離することなく巻いてログロールにする。
【0057】
鋼に対する接着力は9.4N/cmである。ポリエチレンに対する接着力は5.3N/cmである。老化後、ポリエチレンに対する接着力は、元来の接着力の95%もある。23℃におけるせん断強さは720分である。接着テープは、0℃においてさえ、石レンガ、ラフソーン木材、ポリエチレンフィルム、又はポリアミドフィルムに対して接着できる。
【0058】
例6
接着剤は例5における場合と同様であるが、以下の処方を有する:
【表7】

【0059】
接着剤を、押出機中で連続的に製造し、そして溶融物からノズルコーティングを用いて、剥離紙上に200g/mで塗布する。支持体材料は、100μmの厚さを有し、そしてポリエチレンで被覆されたクラフト紙(20g/mポリエチレン)からなる。接着剤の塗布は、被覆された剥離紙からのラミネーションによって、クラフト紙からなる支持体材料の片面に対して行う。接着テープを、剥離紙を再度剥離することなく、巻いてログロールにする。
【0060】
鋼に対する接着力は16N/cmである。ポリエチレンに対する接着力は8N/cmである。23℃におけるせん断強さは50分である。湿気−熱貯蔵試験における剥離:<1mm。接着テープは、0℃においてさえ、石レンガ、ラフソーン木材、ポリエチレンフィルム、又はポリアミドフィルムに対して接着できる。
【0061】
比較例1
製造は、例1と同様であるが、Vistamaxx 3000をVistalon 7500の代わりに用いる。鋼及びポリエチレンに対する接着力は、20N/cm超である(凝集破壊により剤が裂ける)。23℃におけるせん断強さは<1分である。湿気−熱貯蔵試験における剥離:全部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、少なくともその片面上に溶融物から被覆された接着剤とからなる内装工事のための構造用接着テープであって、
前記接着剤が、密度0.86〜0.89g/cmを有するエチレン−プロピレンゴムと粘着樹脂とを含むことを特徴とする、上記の構造用接着テープ。
【請求項2】
前記接着剤が、105℃又はそれより高い微結晶融点を有する更なるポリオレフィンを全く含まないことを特徴とする、請求項1に記載の構造用接着テープ。
【請求項3】
前記エチレン−プロピレンゴムが、105℃又はそれより高い微結晶融点を有さないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の構造用接着テープ。
【請求項4】
前記エチレン−プロピレンゴムが、少なくとも20、好ましくは少なくとも40、特に好ましくは少なくとも60のムーニー粘度を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の構造用接着テープ。
【請求項5】
前記エチレン−プロピレンゴムが、0.5g/10分より小さいメルトインデックスを有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の構造用接着テープ。
【請求項6】
前記エチレン−プロピレンゴムが、架橋可能なコモノマーでグラフト化されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の構造用接着テープ。
【請求項7】
前記エチレン−プロピレンゴムがEPDMであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の構造用接着テープ。
【請求項8】
前記エチレン−プロピレンゴムが、75重量%より少ない、好ましくは60重量%より少ないエチレンを含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の構造用接着テープ。
【請求項9】
前記接着剤が、
−一次酸化防止剤、好ましくは、少なくとも2phrの量の一次酸化防止剤、及び/又は−二次酸化防止剤、及び/又は
−光安定剤、好ましくはHALS、及び/又は
−UV吸収剤、
を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の構造用接着テープ。
【請求項10】
前記接着剤が、50〜300g/m、好ましくは100〜150g/mで前記支持体上に塗布され、
及び/又は
接着力が少なくとも10N/cmである、
ことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の構造用接着テープ。
【請求項11】
前記接着剤が架橋されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載の構造用接着テープ。
【請求項12】
前記支持体が、少なくとも一つの層、好ましくはフィルム、例えばポリオレフィン、ポリエステル、PVCからなるフィルム、又は紙、又はレイドスクリム、又はテキスタイル、又はそれら材料の複合体からなる少なくとも一つの層を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一つに記載の構造用接着テープ。
【請求項13】
前記接着剤の固定を向上させるため、前記支持体の物理的表面処理を行う、及び/又は前記支持体をプライマーで前処理することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一つに記載の構造用接着テープ。
【請求項14】
内装工事のための、好ましくは、建物の屋根領域における内装工事のための、請求項1〜13のいずれか一つに記載の構造用接着テープの使用。
【請求項15】
防風材、防湿材、及びベーパーバリアー、好ましくはフィルム又はフィルム含有の複合体のこれらのもの、特に好ましくは、ポリエチレンのようなポリオレフィンからなるフィルムまたはフィルム含有複合体のこれらのものを貼り付けるための、請求項1〜13のいずれか一つに記載の構造用接着テープの使用。

【公開番号】特開2011−99098(P2011−99098A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242693(P2010−242693)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(509120403)テーザ・ソシエタス・ヨーロピア (118)
【Fターム(参考)】