内視鏡の外付けチャンネル
【課題】内視鏡に付加的に取り付けられる補助チューブの先端位置を手元側からの操作で自由に調整することができるようにして、内視鏡の処置具挿通チャンネルから突出される処置具との位置関係を任意に調整したり、所望の位置の粘膜にカウンタートラクションをかけたりするのに容易に利用できる内視鏡の外付けチャンネルを提供すること
【解決手段】内視鏡50の可撓性挿入部51の先端部分に着脱自在な環状先端アダプタ2が設けられて、可撓性の補助チューブ3の先端部分が、環状先端アダプタ2に形成された補助チューブガイド孔7内に進退可能に挿通配置され、先端が補助チューブ3の先端に連結された操作ワイヤ4が、補助チューブ3の軸線と平行方向に進退操作自在に補助チューブ3の外面側に沿って一本だけ配置されていて、操作ワイヤ4を基端側から牽引操作することにより補助チューブ3の先端部分が屈曲する
【解決手段】内視鏡50の可撓性挿入部51の先端部分に着脱自在な環状先端アダプタ2が設けられて、可撓性の補助チューブ3の先端部分が、環状先端アダプタ2に形成された補助チューブガイド孔7内に進退可能に挿通配置され、先端が補助チューブ3の先端に連結された操作ワイヤ4が、補助チューブ3の軸線と平行方向に進退操作自在に補助チューブ3の外面側に沿って一本だけ配置されていて、操作ワイヤ4を基端側から牽引操作することにより補助チューブ3の先端部分が屈曲する
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、可撓性内視鏡の挿入部に着脱自在に取り付けられて、可撓性内視鏡を用いた処置等を行う際に補助的に用いられる内視鏡の外付けチャンネルに関する。
【背景技術】
【0002】
可撓性内視鏡を用いた粘膜剥離術(ESD)等のような各種の内視鏡的処置を行う際には、内視鏡に内蔵された処置具挿通チャンネルだけでは、処置具を通すためのチャンネルチューブが足りない状態になる場合が少なくない。
【0003】
そこで、内視鏡の可撓性挿入部の先端に着脱自在に設けられた先端フードに、可撓性の補助チューブの先端部分を取り付けて、第2又は第3の処置具挿通チャンネルとして使用できるようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−93247
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された発明では、補助チューブの先端が、先端フードの外側後方からフード内に差し込まれた状態になっていて、補助チューブを軸線方向に進退させてその先端位置を調整することができる。
【0006】
しかし、そのような構成では、補助チューブの先端を内視鏡の観察視野中の極めて限られた位置にしか向けることができない。そのため、内視鏡内の処置具挿通チャンネルから突出される処置具との位置関係を任意に設定したり、患部の周囲の所望の位置の粘膜を動かないように押さえるいわゆるカウンタートラクションをかけたりするのに利用するのは困難であった。
【0007】
本発明は、補助チューブの先端位置を手元側からの操作で自由に調整して、内視鏡内に設けられている処置具挿通チャンネルから突出される処置具との位置関係を任意に設定したり、所望の位置の粘膜にカウンタートラクションをかけたりするのに容易に利用することができる機能性の高い内視鏡の外付けチャンネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡の外付けチャンネルは、内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の外周を囲む状態に着脱自在な環状先端アダプタが設けられて、環状先端アダプタには、軸線と略平行方向に補助チューブガイド孔が貫通形成され、可撓性挿入部と並んで可撓性挿入部外に配置される可撓性の補助チューブの先端部分が、補助チューブガイド孔内に軸線方向に進退可能に挿通配置されると共に、補助チューブの先端付近に先端が係止されて補助チューブガイド孔内を通過する可撓性の操作ワイヤが、補助チューブの軸線と平行方向に進退操作自在に補助チューブの外面側に沿って一本だけ配置され、操作ワイヤを基端側から補助チューブに対して軸線方向に牽引操作することにより補助チューブの先端部分が環状先端アダプタより先側の領域において操作ワイヤが配置されている方向に屈曲するようにしたものである。
【0009】
なお、環状先端アダプタが内視鏡の可撓性挿入部の先端部分に取り付けられた状態において、操作ワイヤを後方から牽引することにより、補助チューブのうち環状先端アダプタより前方に突出している領域を、内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の前方から外方に広がる方向に屈曲させることができるようにしてもよい。
【0010】
そして、補助チューブガイド孔から前方に突出可能な補助チューブの先端側の領域においては、操作ワイヤが補助チューブの外面に沿って露出した状態に配置され、それより後方領域においては、操作ワイヤが緩く挿通されたワイヤガイドチューブが補助チューブと共に熱収縮チューブで締め付け固定されていてもよい。
【0011】
その場合、操作ワイヤが後方から牽引操作されると、操作ワイヤが露出した領域において補助チューブが屈曲し、操作ワイヤはその領域において弓に張られた弦のごとく真っ直ぐな状態で補助チューブから離れた状態になるようにしてもよい。
【0012】
また、補助チューブの先端部分が補助チューブガイド孔から前方に一定の長さ以上に突出しないように補助チューブの突出長を規制するための突出ストッパが設けられていてもよく、その場合、熱収縮チューブの先端面が突出ストッパを構成していてもよい。
【0013】
そして、補助チューブが操作ワイヤと共に補助チューブガイド孔内において軸線周り方向に回転自在であってもよく、或いは、補助チューブガイド孔内において、補助チューブの軸線周り方向への回転が規制されていてもよい。
【0014】
その場合、環状先端アダプタが内視鏡の可撓性挿入部の先端部分に取り付けられた状態において、操作ワイヤが後方から牽引されることにより、補助チューブのうち環状先端アダプタより前方に突出している領域が内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の前方から外方に広がる方向のみに屈曲するようにしてもよい。
【0015】
そして、補助チューブが、補助チューブガイド孔に対して軸線周りの複数の向きにおいてのみ挿脱可能であってもよく、補助チューブがダブルルーメンチューブで形成されていて、その一方のルーメンに操作ワイヤが緩く挿通されていてもよい。
【0016】
また、環状先端アダプタが弾力性のある材料で形成されていて、可撓性挿入部の先端部分の外周を弾力的に締め付ける状態に取り付けられるようにしてもよい。
或いは、環状先端アダプタが、可撓性挿入部の先端部分の外周に軸線周り方向に回転自在に取り付けられるようにしてもよく、その場合、可撓性挿入部の先端部分の外周に弾力的に締め付ける状態に着脱自在に取り付けられる取り付け環が、環状先端アダプタに軸線周り方向に回転自在に取り付けられていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、必要な時だけ内視鏡に取り付けて使用することができる補助チューブの先端位置を、手元側からの操作で自由に調整することができるので、内視鏡内に設けられている処置具挿通チャンネルから突出される処置具との位置関係を任意に調整したり、高周波粘膜剥離術等を行う際に、補助チューブの先端部分を任意の方向に任意の程度に屈曲させて所望の位置の粘膜にカウンタートラクションをかけたりするのに利用することができる高い機能性を得ることができ、しかも、操作ワイヤが一本しか設けられていないので、装置の径が大きくならず、患者に余分な苦痛を与えない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの図1におけるII−II断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの先端部分の部分拡大図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルが内視鏡に取り付けられた状態の側面断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルが内視鏡に取り付けられた状態の全体的な装置構成を示す側面図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの全体構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルが内視鏡に取り付けられた状態の側面断面図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルが内視鏡に取り付けられた状態の側面断面図である。
【図9】本発明の第3の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの全体構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の第3の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの先端部分の部分拡大図である。
【図11】本発明の第3の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの全体構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の第4の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの全体構成を示す側面図である。
【図13】本発明の第4の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの全体構成を示す斜視図である。
【図14】本発明の第4の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの補助チューブが前方に押し出された状態の側面断面図である。
【図15】本発明の第5の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの全体構成を示す斜視図である。
【図16】本発明の第5の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの全体構成を示す側面断面図である。
【図17】本発明の第5の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの取り付け環単体の斜視図である。
【図18】本発明の第5の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの環状先端アダプタ単体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係る外付けチャンネル1の全体構成を示す斜視図である。
【0020】
外付けチャンネル1の主要な構成部品は、図示されていない内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の外周を囲む状態に着脱自在な環状先端アダプタ2と、内視鏡の可撓性挿入部と並んで可撓性挿入部外に配置される可撓性の補助チューブ3と、補助チューブ3の先端付近に先端が係止された可撓性の操作ワイヤ4であり、それらに付帯して、以下に順次説明する各種部材が設けられている。
【0021】
環状先端アダプタ2は、例えば弾力性のあるゴム系等の材料で最大外径が例えば10〜15mm程度に形成されていて、内視鏡の可撓性挿入部の最先端部を構成する公知の先端部本体(図示せず)に、その外周部から弾力的に締め付ける状態に取り付け固定され、弾力的に変形させることで先端部本体から取り外すことができる。
【0022】
補助チューブ3は、処置具挿通チャンネルとして機能する内径が例えば2〜3mm程度の一本の単純なフッ素樹脂製チューブ等で形成されている。補助チューブ3は、環状先端アダプタ2の軸線と平行の向きに配置されていて、補助チューブ3の内側部分に処置具類を挿脱させることができる。
【0023】
操作ワイヤ4は、補助チューブ3の軸線と平行方向に後端側から進退操作自在に補助チューブ3の外面に沿って一本だけ配置されている。したがって、補助チューブ3の周りの径がほとんど大きくならない。
【0024】
そのような操作ワイヤ4は、先端近傍の領域(例えば先端から1〜5cmの範囲)だけが露出配置されていて、それより後方部分では、腰がしっかりした熱収縮チューブ5で補助チューブ3と共に被覆されている。なお、操作ワイヤ4の後端部分は、押し引き操作することができるように露出している。
【0025】
図2は、補助チューブ3と操作ワイヤ4とに熱収縮チューブ5が被覆されている部分の断面図(図1におけるII−II断面図)であり、操作ワイヤ4が緩く通過するワイヤガイドチューブ9が補助チューブ3の外面に沿って補助チューブ3と平行に配置されている。ワイヤガイドチューブ9は、滑りのよいフッ素樹脂チューブ等で形成されていて、全長にわたって熱収縮チューブ5により補助チューブ3と共に一体的に締め付けられている。
【0026】
図1に戻って、環状先端アダプタ2には、内視鏡の先端部本体の外周部に全体的に弾力的に密着する取付孔6が形成され、補助チューブ3及び操作ワイヤ4が通過する補助チューブガイド孔7が取付孔6と平行に(共に、環状先端アダプタ2の軸線と平行に)前後方向に貫通形成されている。8は、操作ワイヤ4の最先端部を補助チューブ3の最先端部に固定するための固定ピンであり、操作ワイヤ4の最先端部に固着されている。
【0027】
図3は、環状先端アダプタ2の先端面に開口する補助チューブガイド孔7の先端開口部を拡大して示しており、3aは補助チューブ3の先端面である。18は、固定ピン8を補助チューブ3の最先端部の外周部に固定するように締め付ける熱収縮チューブ製の狭幅のワイヤ固定チューブである。
【0028】
補助チューブガイド孔7は全長にわたって円形の断面形状に形成されており、補助チューブ3とそれに取り付けられている操作ワイヤ4及びその先端の固定ピン8等が一体となって補助チューブガイド孔7内で軸線周り方向に自由に回転することができ、また、軸線方向に進退することができる。
【0029】
図4は、外付けチャンネル1が内視鏡50に取り付けられた状態を示している。前述の固定ピン8は、最先端部分だけが釘頭のように太く形成されていて、それより細い後端部分に操作ワイヤ4の先端が固着され、細い部分が補助チューブ3と共にワイヤ固定チューブ18できつく締め付けられている。
【0030】
その結果、操作ワイヤ4が後方から牽引されて操作ワイヤ4に強い張力が作用しても、固定ピン8がワイヤ固定チューブ18からすっぽ抜けて外れるようなことがなく、操作ワイヤ4の牽引力が補助チューブ3の先端に確実に作用する。
【0031】
内視鏡50の可撓性挿入部51の先端面には前方を観察するための観察窓52が配置され、可撓性挿入部51内には、処置具類を通過させるための処置具挿通チャンネル53が挿通配置されている。
【0032】
内視鏡50の可撓性挿入部51の先端部分(いわゆる先端部本体)が環状先端アダプタ2の取付孔6内に通されることにより、環状先端アダプタ2が可撓性挿入部51の先端部分を弾力的に締め付ける状態に取り付けられ、補助チューブ3が可撓性挿入部51の外面に沿って平行に配置された状態になる。もっとも、可撓性挿入部51及び補助チューブ3は共に可撓性があるので、実際の使用中には、各々が周囲から受ける力で変形して平行ではない状態になる。
【0033】
前述のように、補助チューブ3と操作ワイヤ4は、矢印Aで示されるように一緒に軸線方向に進退させることにより、環状先端アダプタ2に形成された補助チューブガイド孔7内を軸線方向に進退自在である。しかし、熱収縮チューブ5は補助チューブガイド孔7内に入ることができない外径寸法に形成されているので、補助チューブ3を前方に押し進めると、それと一体の熱収縮チューブ5の先端面5aが、環状先端アダプタ2の後端面に位置する補助チューブガイド孔7の後端開口部7aにぶつかって、それ以上補助チューブ3を環状先端アダプタ2から前方に押し出すことができなくなる。
【0034】
このようにして、補助チューブ3の先端部分が環状先端アダプタ2の補助チューブガイド孔7から前方に一定の長さ以上に突出しないように補助チューブ3の突出長を規制するための突出ストッパが、熱収縮チューブ5の先端面5aと補助チューブガイド孔7の後端開口部7a(即ち、環状先端アダプタ2の後端面)とで形成されている。なお、前述のように、補助チューブガイド孔7から前方に突出可能な補助チューブ3の先端側の領域においては、操作ワイヤ4が補助チューブ3の外面に沿って露出している。
【0035】
操作ワイヤ4の後端部には、図1には図示が省略されている操作指掛け10が取り付けられており、操作指掛け10に指を掛けて、矢印Bで示されるように操作ワイヤ4を補助チューブ3に対して軸線方向に進退操作することができる。
【0036】
図5は、補助チューブ3の先端部分が環状先端アダプタより前方に押し出されて、熱収縮チューブ5の先端面5aが補助チューブガイド孔7の後端開口部7aにぶつかった状態で、操作ワイヤ4が操作指掛け10側から牽引操作された状態を示している。
【0037】
11は、操作者が指先で保持することができるように補助チューブ3の後端部に固定的に取り付けられた口元口金であり、前述の各図には図示が省略されている。なお、操作ワイヤ4の後端部を押し引き操作するための機構はその他のどの様なものであっても差し支えない。
【0038】
内視鏡50の可撓性挿入部51の後端には操作部55が設けられていて、操作部55に配置された湾曲操作ノブ56を回転操作することにより、可撓性挿入部51の先端部分に形成された公知の湾曲部57を任意の方向に任意の角度だけ屈曲させることができる。58は、前述の処置具挿通チャンネル53に処置具類を挿入するために操作部55に設けられた処置具挿入口部である。
【0039】
この図5に示されるように、操作ワイヤ4が後端側から牽引操作されると、環状先端アダプタ2より前方に突出している部分で補助チューブ3が屈曲する。その屈曲の程度は操作指掛け10の牽引量によって任意に調整することができる。
【0040】
補助チューブ3は操作ワイヤ4が露出した領域のみにおいて屈曲し、操作ワイヤ4は補助チューブ3が弓のごとく屈曲した範囲において弦のごとく真っ直ぐな状態で補助チューブ3から離れた状態になる。
【0041】
また、口元口金11を摘んで補助チューブ3を手元側から軸線周り方向に回転させれば、それと共に操作ワイヤ4も回動するので、先端側において補助チューブ3に対する操作ワイヤ4の向きが変わり、補助チューブ3の屈曲方向を任意に調整することもできる。
【0042】
前述のように、本発明においては操作ワイヤ4を一本しか設けないことにより、補助チューブ3の周囲の径が大きくならない(したがって、患者に余分な苦痛を与えない)ようにしているが、このように手元側から回転させることで、先端部分を任意の向きに屈曲させることができる。
【0043】
なお、操作ワイヤ4を多数(例えば4本)設ければ、任意の向きに容易に屈曲させることができる機構が得られるが、そのようにすると、装置の径が大きくなって、患者に与える苦痛が大きくなってしまう。
【0044】
このようにして、補助チューブ3の先端の位置と向きを任意に調整することができるので、補助チューブ3に処置具処置具30を挿通することで、内視鏡50内に設けられている処置具挿通チャンネル53から突出される処置具との位置関係を任意に設定することができ、また、補助チューブ3の先端で所望の位置の粘膜にカウンタートラクションをかけることができる。
【0045】
図6と図7は、本発明の第2の実施例に係る外付けチャンネル1と、その外付けチャンネル1が内視鏡50の可撓性挿入部51に取り付けられた状態とを示しており、補助チューブ3として、処置具挿通用のルーメン3′と操作ワイヤ4が通されるルーメンとが一体成形されたマルチルーメンチューブ(この場合はダブルルーメンチューブ)が用いられ、操作ワイヤ4が補助チューブ3の先端側領域においてに露出していない。
【0046】
また、補助チューブ3に熱収縮チューブ等を被覆せずに、補助チューブ3の硬さを途中で変化させており、図6に示されるように、環状先端アダプタ2より前方に押し出して屈曲させたい補助チューブ3の先端側の領域は軟質部3s、それより後方の領域は腰の強い硬質部3hになっている。その他の構成は前述の第1の実施例と同様である。
【0047】
その結果、図8に示されるように、補助チューブ3の軟質部3sが環状先端アダプタ2から前方に突出した状態で、操作ワイヤ4を後方から牽引操作すると、操作ワイヤ4が補助チューブ3から分離することなく、補助チューブ3の軟質部3sが屈曲する。
【0048】
図9は、本発明の第3の実施例に係る外付けチャンネル1の全体構成を示しており、環状先端アダプタ2に形成されている補助チューブガイド孔7の形状だけが第1の実施例と相違する。
【0049】
補助チューブガイド孔7は、図10に拡大図示されるように、補助チューブ3の先端部分と固定ピン8とを一体に固定するためにダルマ形になっているワイヤ固定チューブ18がぎりぎりで通過することができる断面形状に形成されている。他の構成は第1の実施例と同様である。
【0050】
したがって、図11に示されるように、補助チューブ3の先端側の領域(即ち、操作ワイヤ4が牽引された時に屈曲する領域)を環状先端アダプタ2から前方に突出させた状態においても、補助チューブ3を手元側から軸線周り方向に回転させると、操作ワイヤ4が補助チューブガイド孔7内に引っ掛かって、補助チューブガイド孔7内における、補助チューブ3の軸線周り方向への回転が規制される。
【0051】
その結果、環状先端アダプタ2及び補助チューブ3に対する操作ワイヤ4の位置関係が一つに限定されるので、環状先端アダプタ2が内視鏡50の可撓性挿入部51の先端部分に取り付けられた状態において、操作ワイヤ4が後方から牽引されると、この実施例では、補助チューブ3のうち環状先端アダプタ2より前方に突出している領域が取付孔6の前方(即ち、内視鏡50の可撓性挿入部51の先端部分の前方)から外方に広がる方向のみに屈曲する。これはカウンタートラクションをかける際等に有効である。
【0052】
図12、図13は、本発明の第4の実施例に係る外付けチャンネル1を示しており、断面形状が正方形の回転方向位置決め用ブロック21が熱収縮チューブ5の先端近傍に固着され、その回転方向位置決め用ブロック21が係合する正方形の断面形状の回転方向位置決め用孔22が補助チューブガイド孔7の後端部分に形成されている。その他の構成は第1の実施例と同様である。
【0053】
その結果、図14に示されるように、補助チューブ3の先端側の領域が環状先端アダプタ2から前方に突出して、回転方向位置決め用ブロック21が回転方向位置決め用孔22に係合した状態では、補助チューブガイド孔7内において、補助チューブ3の軸線周り方向への回転が規制される。
【0054】
しかし、回転方向位置決め用ブロック21と回転方向位置決め用孔22との係合方向は90°間隔で回転調整することができるので、回転方向位置決め用ブロック21と回転方向位置決め用孔22との係合状態を変えることにより、使用状況に応じて補助チューブ3の屈曲方向を90°間隔の4方向から選択することができる。
【0055】
このようにして、補助チューブ3が補助チューブガイド孔7に対して軸線周りの四つの向きにおいて選択的に挿脱可能である。ただし、回転方向位置決め用ブロック21と回転方向位置決め用孔22の断面形状を例えば正6角形又は正8角形等のように正方形以外の正多角形に形成することにより、選択数を増やすことができる。
【0056】
図15及び図16は、本発明の第5の実施例に係る外付けチャンネル1の全体構成を示しており、内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の外周を弾力的に締め付ける状態に取り付けられる弾力性のある材料からなる取り付け環25が、環状先端アダプタ2の取付孔6の内周部に軸線周り方向に回転自在に(但し、軸線方向には移動しないように)配置されている。図17は取り付け環25を示し、図18は補助チューブガイド孔7を示している。その他の構成は、前述の第4の実施例と同様である。
【0057】
その結果、内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の外周に環状先端アダプタ2が軸線周り方向に回転自在に取り付けられ、補助チューブ3を手元側で回動させることにより、内視鏡の可撓性挿入部の先端部分において環状先端アダプタ2を回動させ、それによって補助チューブ3の屈曲方向を調整することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 外付けチャンネル
2 環状先端アダプタ
3 補助チューブ
4 操作ワイヤ
5 熱収縮チューブ
5a 先端面(ストッパ)
6 取付孔
7 補助チューブガイド孔
7a 後端開口部(ストッパ)
8 固定ピン
9 ワイヤガイドチューブ
21 回転方向位置決め用ブロック
22 回転方向位置決め用孔
25 取り付け環
30 処置具
50 内視鏡
51 可撓性挿入部
【技術分野】
【0001】
この発明は、可撓性内視鏡の挿入部に着脱自在に取り付けられて、可撓性内視鏡を用いた処置等を行う際に補助的に用いられる内視鏡の外付けチャンネルに関する。
【背景技術】
【0002】
可撓性内視鏡を用いた粘膜剥離術(ESD)等のような各種の内視鏡的処置を行う際には、内視鏡に内蔵された処置具挿通チャンネルだけでは、処置具を通すためのチャンネルチューブが足りない状態になる場合が少なくない。
【0003】
そこで、内視鏡の可撓性挿入部の先端に着脱自在に設けられた先端フードに、可撓性の補助チューブの先端部分を取り付けて、第2又は第3の処置具挿通チャンネルとして使用できるようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−93247
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された発明では、補助チューブの先端が、先端フードの外側後方からフード内に差し込まれた状態になっていて、補助チューブを軸線方向に進退させてその先端位置を調整することができる。
【0006】
しかし、そのような構成では、補助チューブの先端を内視鏡の観察視野中の極めて限られた位置にしか向けることができない。そのため、内視鏡内の処置具挿通チャンネルから突出される処置具との位置関係を任意に設定したり、患部の周囲の所望の位置の粘膜を動かないように押さえるいわゆるカウンタートラクションをかけたりするのに利用するのは困難であった。
【0007】
本発明は、補助チューブの先端位置を手元側からの操作で自由に調整して、内視鏡内に設けられている処置具挿通チャンネルから突出される処置具との位置関係を任意に設定したり、所望の位置の粘膜にカウンタートラクションをかけたりするのに容易に利用することができる機能性の高い内視鏡の外付けチャンネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡の外付けチャンネルは、内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の外周を囲む状態に着脱自在な環状先端アダプタが設けられて、環状先端アダプタには、軸線と略平行方向に補助チューブガイド孔が貫通形成され、可撓性挿入部と並んで可撓性挿入部外に配置される可撓性の補助チューブの先端部分が、補助チューブガイド孔内に軸線方向に進退可能に挿通配置されると共に、補助チューブの先端付近に先端が係止されて補助チューブガイド孔内を通過する可撓性の操作ワイヤが、補助チューブの軸線と平行方向に進退操作自在に補助チューブの外面側に沿って一本だけ配置され、操作ワイヤを基端側から補助チューブに対して軸線方向に牽引操作することにより補助チューブの先端部分が環状先端アダプタより先側の領域において操作ワイヤが配置されている方向に屈曲するようにしたものである。
【0009】
なお、環状先端アダプタが内視鏡の可撓性挿入部の先端部分に取り付けられた状態において、操作ワイヤを後方から牽引することにより、補助チューブのうち環状先端アダプタより前方に突出している領域を、内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の前方から外方に広がる方向に屈曲させることができるようにしてもよい。
【0010】
そして、補助チューブガイド孔から前方に突出可能な補助チューブの先端側の領域においては、操作ワイヤが補助チューブの外面に沿って露出した状態に配置され、それより後方領域においては、操作ワイヤが緩く挿通されたワイヤガイドチューブが補助チューブと共に熱収縮チューブで締め付け固定されていてもよい。
【0011】
その場合、操作ワイヤが後方から牽引操作されると、操作ワイヤが露出した領域において補助チューブが屈曲し、操作ワイヤはその領域において弓に張られた弦のごとく真っ直ぐな状態で補助チューブから離れた状態になるようにしてもよい。
【0012】
また、補助チューブの先端部分が補助チューブガイド孔から前方に一定の長さ以上に突出しないように補助チューブの突出長を規制するための突出ストッパが設けられていてもよく、その場合、熱収縮チューブの先端面が突出ストッパを構成していてもよい。
【0013】
そして、補助チューブが操作ワイヤと共に補助チューブガイド孔内において軸線周り方向に回転自在であってもよく、或いは、補助チューブガイド孔内において、補助チューブの軸線周り方向への回転が規制されていてもよい。
【0014】
その場合、環状先端アダプタが内視鏡の可撓性挿入部の先端部分に取り付けられた状態において、操作ワイヤが後方から牽引されることにより、補助チューブのうち環状先端アダプタより前方に突出している領域が内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の前方から外方に広がる方向のみに屈曲するようにしてもよい。
【0015】
そして、補助チューブが、補助チューブガイド孔に対して軸線周りの複数の向きにおいてのみ挿脱可能であってもよく、補助チューブがダブルルーメンチューブで形成されていて、その一方のルーメンに操作ワイヤが緩く挿通されていてもよい。
【0016】
また、環状先端アダプタが弾力性のある材料で形成されていて、可撓性挿入部の先端部分の外周を弾力的に締め付ける状態に取り付けられるようにしてもよい。
或いは、環状先端アダプタが、可撓性挿入部の先端部分の外周に軸線周り方向に回転自在に取り付けられるようにしてもよく、その場合、可撓性挿入部の先端部分の外周に弾力的に締め付ける状態に着脱自在に取り付けられる取り付け環が、環状先端アダプタに軸線周り方向に回転自在に取り付けられていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、必要な時だけ内視鏡に取り付けて使用することができる補助チューブの先端位置を、手元側からの操作で自由に調整することができるので、内視鏡内に設けられている処置具挿通チャンネルから突出される処置具との位置関係を任意に調整したり、高周波粘膜剥離術等を行う際に、補助チューブの先端部分を任意の方向に任意の程度に屈曲させて所望の位置の粘膜にカウンタートラクションをかけたりするのに利用することができる高い機能性を得ることができ、しかも、操作ワイヤが一本しか設けられていないので、装置の径が大きくならず、患者に余分な苦痛を与えない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの図1におけるII−II断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの先端部分の部分拡大図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルが内視鏡に取り付けられた状態の側面断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルが内視鏡に取り付けられた状態の全体的な装置構成を示す側面図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの全体構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルが内視鏡に取り付けられた状態の側面断面図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルが内視鏡に取り付けられた状態の側面断面図である。
【図9】本発明の第3の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの全体構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の第3の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの先端部分の部分拡大図である。
【図11】本発明の第3の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの全体構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の第4の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの全体構成を示す側面図である。
【図13】本発明の第4の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの全体構成を示す斜視図である。
【図14】本発明の第4の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの補助チューブが前方に押し出された状態の側面断面図である。
【図15】本発明の第5の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの全体構成を示す斜視図である。
【図16】本発明の第5の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの全体構成を示す側面断面図である。
【図17】本発明の第5の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの取り付け環単体の斜視図である。
【図18】本発明の第5の実施例に係る内視鏡の外付けチャンネルの環状先端アダプタ単体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係る外付けチャンネル1の全体構成を示す斜視図である。
【0020】
外付けチャンネル1の主要な構成部品は、図示されていない内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の外周を囲む状態に着脱自在な環状先端アダプタ2と、内視鏡の可撓性挿入部と並んで可撓性挿入部外に配置される可撓性の補助チューブ3と、補助チューブ3の先端付近に先端が係止された可撓性の操作ワイヤ4であり、それらに付帯して、以下に順次説明する各種部材が設けられている。
【0021】
環状先端アダプタ2は、例えば弾力性のあるゴム系等の材料で最大外径が例えば10〜15mm程度に形成されていて、内視鏡の可撓性挿入部の最先端部を構成する公知の先端部本体(図示せず)に、その外周部から弾力的に締め付ける状態に取り付け固定され、弾力的に変形させることで先端部本体から取り外すことができる。
【0022】
補助チューブ3は、処置具挿通チャンネルとして機能する内径が例えば2〜3mm程度の一本の単純なフッ素樹脂製チューブ等で形成されている。補助チューブ3は、環状先端アダプタ2の軸線と平行の向きに配置されていて、補助チューブ3の内側部分に処置具類を挿脱させることができる。
【0023】
操作ワイヤ4は、補助チューブ3の軸線と平行方向に後端側から進退操作自在に補助チューブ3の外面に沿って一本だけ配置されている。したがって、補助チューブ3の周りの径がほとんど大きくならない。
【0024】
そのような操作ワイヤ4は、先端近傍の領域(例えば先端から1〜5cmの範囲)だけが露出配置されていて、それより後方部分では、腰がしっかりした熱収縮チューブ5で補助チューブ3と共に被覆されている。なお、操作ワイヤ4の後端部分は、押し引き操作することができるように露出している。
【0025】
図2は、補助チューブ3と操作ワイヤ4とに熱収縮チューブ5が被覆されている部分の断面図(図1におけるII−II断面図)であり、操作ワイヤ4が緩く通過するワイヤガイドチューブ9が補助チューブ3の外面に沿って補助チューブ3と平行に配置されている。ワイヤガイドチューブ9は、滑りのよいフッ素樹脂チューブ等で形成されていて、全長にわたって熱収縮チューブ5により補助チューブ3と共に一体的に締め付けられている。
【0026】
図1に戻って、環状先端アダプタ2には、内視鏡の先端部本体の外周部に全体的に弾力的に密着する取付孔6が形成され、補助チューブ3及び操作ワイヤ4が通過する補助チューブガイド孔7が取付孔6と平行に(共に、環状先端アダプタ2の軸線と平行に)前後方向に貫通形成されている。8は、操作ワイヤ4の最先端部を補助チューブ3の最先端部に固定するための固定ピンであり、操作ワイヤ4の最先端部に固着されている。
【0027】
図3は、環状先端アダプタ2の先端面に開口する補助チューブガイド孔7の先端開口部を拡大して示しており、3aは補助チューブ3の先端面である。18は、固定ピン8を補助チューブ3の最先端部の外周部に固定するように締め付ける熱収縮チューブ製の狭幅のワイヤ固定チューブである。
【0028】
補助チューブガイド孔7は全長にわたって円形の断面形状に形成されており、補助チューブ3とそれに取り付けられている操作ワイヤ4及びその先端の固定ピン8等が一体となって補助チューブガイド孔7内で軸線周り方向に自由に回転することができ、また、軸線方向に進退することができる。
【0029】
図4は、外付けチャンネル1が内視鏡50に取り付けられた状態を示している。前述の固定ピン8は、最先端部分だけが釘頭のように太く形成されていて、それより細い後端部分に操作ワイヤ4の先端が固着され、細い部分が補助チューブ3と共にワイヤ固定チューブ18できつく締め付けられている。
【0030】
その結果、操作ワイヤ4が後方から牽引されて操作ワイヤ4に強い張力が作用しても、固定ピン8がワイヤ固定チューブ18からすっぽ抜けて外れるようなことがなく、操作ワイヤ4の牽引力が補助チューブ3の先端に確実に作用する。
【0031】
内視鏡50の可撓性挿入部51の先端面には前方を観察するための観察窓52が配置され、可撓性挿入部51内には、処置具類を通過させるための処置具挿通チャンネル53が挿通配置されている。
【0032】
内視鏡50の可撓性挿入部51の先端部分(いわゆる先端部本体)が環状先端アダプタ2の取付孔6内に通されることにより、環状先端アダプタ2が可撓性挿入部51の先端部分を弾力的に締め付ける状態に取り付けられ、補助チューブ3が可撓性挿入部51の外面に沿って平行に配置された状態になる。もっとも、可撓性挿入部51及び補助チューブ3は共に可撓性があるので、実際の使用中には、各々が周囲から受ける力で変形して平行ではない状態になる。
【0033】
前述のように、補助チューブ3と操作ワイヤ4は、矢印Aで示されるように一緒に軸線方向に進退させることにより、環状先端アダプタ2に形成された補助チューブガイド孔7内を軸線方向に進退自在である。しかし、熱収縮チューブ5は補助チューブガイド孔7内に入ることができない外径寸法に形成されているので、補助チューブ3を前方に押し進めると、それと一体の熱収縮チューブ5の先端面5aが、環状先端アダプタ2の後端面に位置する補助チューブガイド孔7の後端開口部7aにぶつかって、それ以上補助チューブ3を環状先端アダプタ2から前方に押し出すことができなくなる。
【0034】
このようにして、補助チューブ3の先端部分が環状先端アダプタ2の補助チューブガイド孔7から前方に一定の長さ以上に突出しないように補助チューブ3の突出長を規制するための突出ストッパが、熱収縮チューブ5の先端面5aと補助チューブガイド孔7の後端開口部7a(即ち、環状先端アダプタ2の後端面)とで形成されている。なお、前述のように、補助チューブガイド孔7から前方に突出可能な補助チューブ3の先端側の領域においては、操作ワイヤ4が補助チューブ3の外面に沿って露出している。
【0035】
操作ワイヤ4の後端部には、図1には図示が省略されている操作指掛け10が取り付けられており、操作指掛け10に指を掛けて、矢印Bで示されるように操作ワイヤ4を補助チューブ3に対して軸線方向に進退操作することができる。
【0036】
図5は、補助チューブ3の先端部分が環状先端アダプタより前方に押し出されて、熱収縮チューブ5の先端面5aが補助チューブガイド孔7の後端開口部7aにぶつかった状態で、操作ワイヤ4が操作指掛け10側から牽引操作された状態を示している。
【0037】
11は、操作者が指先で保持することができるように補助チューブ3の後端部に固定的に取り付けられた口元口金であり、前述の各図には図示が省略されている。なお、操作ワイヤ4の後端部を押し引き操作するための機構はその他のどの様なものであっても差し支えない。
【0038】
内視鏡50の可撓性挿入部51の後端には操作部55が設けられていて、操作部55に配置された湾曲操作ノブ56を回転操作することにより、可撓性挿入部51の先端部分に形成された公知の湾曲部57を任意の方向に任意の角度だけ屈曲させることができる。58は、前述の処置具挿通チャンネル53に処置具類を挿入するために操作部55に設けられた処置具挿入口部である。
【0039】
この図5に示されるように、操作ワイヤ4が後端側から牽引操作されると、環状先端アダプタ2より前方に突出している部分で補助チューブ3が屈曲する。その屈曲の程度は操作指掛け10の牽引量によって任意に調整することができる。
【0040】
補助チューブ3は操作ワイヤ4が露出した領域のみにおいて屈曲し、操作ワイヤ4は補助チューブ3が弓のごとく屈曲した範囲において弦のごとく真っ直ぐな状態で補助チューブ3から離れた状態になる。
【0041】
また、口元口金11を摘んで補助チューブ3を手元側から軸線周り方向に回転させれば、それと共に操作ワイヤ4も回動するので、先端側において補助チューブ3に対する操作ワイヤ4の向きが変わり、補助チューブ3の屈曲方向を任意に調整することもできる。
【0042】
前述のように、本発明においては操作ワイヤ4を一本しか設けないことにより、補助チューブ3の周囲の径が大きくならない(したがって、患者に余分な苦痛を与えない)ようにしているが、このように手元側から回転させることで、先端部分を任意の向きに屈曲させることができる。
【0043】
なお、操作ワイヤ4を多数(例えば4本)設ければ、任意の向きに容易に屈曲させることができる機構が得られるが、そのようにすると、装置の径が大きくなって、患者に与える苦痛が大きくなってしまう。
【0044】
このようにして、補助チューブ3の先端の位置と向きを任意に調整することができるので、補助チューブ3に処置具処置具30を挿通することで、内視鏡50内に設けられている処置具挿通チャンネル53から突出される処置具との位置関係を任意に設定することができ、また、補助チューブ3の先端で所望の位置の粘膜にカウンタートラクションをかけることができる。
【0045】
図6と図7は、本発明の第2の実施例に係る外付けチャンネル1と、その外付けチャンネル1が内視鏡50の可撓性挿入部51に取り付けられた状態とを示しており、補助チューブ3として、処置具挿通用のルーメン3′と操作ワイヤ4が通されるルーメンとが一体成形されたマルチルーメンチューブ(この場合はダブルルーメンチューブ)が用いられ、操作ワイヤ4が補助チューブ3の先端側領域においてに露出していない。
【0046】
また、補助チューブ3に熱収縮チューブ等を被覆せずに、補助チューブ3の硬さを途中で変化させており、図6に示されるように、環状先端アダプタ2より前方に押し出して屈曲させたい補助チューブ3の先端側の領域は軟質部3s、それより後方の領域は腰の強い硬質部3hになっている。その他の構成は前述の第1の実施例と同様である。
【0047】
その結果、図8に示されるように、補助チューブ3の軟質部3sが環状先端アダプタ2から前方に突出した状態で、操作ワイヤ4を後方から牽引操作すると、操作ワイヤ4が補助チューブ3から分離することなく、補助チューブ3の軟質部3sが屈曲する。
【0048】
図9は、本発明の第3の実施例に係る外付けチャンネル1の全体構成を示しており、環状先端アダプタ2に形成されている補助チューブガイド孔7の形状だけが第1の実施例と相違する。
【0049】
補助チューブガイド孔7は、図10に拡大図示されるように、補助チューブ3の先端部分と固定ピン8とを一体に固定するためにダルマ形になっているワイヤ固定チューブ18がぎりぎりで通過することができる断面形状に形成されている。他の構成は第1の実施例と同様である。
【0050】
したがって、図11に示されるように、補助チューブ3の先端側の領域(即ち、操作ワイヤ4が牽引された時に屈曲する領域)を環状先端アダプタ2から前方に突出させた状態においても、補助チューブ3を手元側から軸線周り方向に回転させると、操作ワイヤ4が補助チューブガイド孔7内に引っ掛かって、補助チューブガイド孔7内における、補助チューブ3の軸線周り方向への回転が規制される。
【0051】
その結果、環状先端アダプタ2及び補助チューブ3に対する操作ワイヤ4の位置関係が一つに限定されるので、環状先端アダプタ2が内視鏡50の可撓性挿入部51の先端部分に取り付けられた状態において、操作ワイヤ4が後方から牽引されると、この実施例では、補助チューブ3のうち環状先端アダプタ2より前方に突出している領域が取付孔6の前方(即ち、内視鏡50の可撓性挿入部51の先端部分の前方)から外方に広がる方向のみに屈曲する。これはカウンタートラクションをかける際等に有効である。
【0052】
図12、図13は、本発明の第4の実施例に係る外付けチャンネル1を示しており、断面形状が正方形の回転方向位置決め用ブロック21が熱収縮チューブ5の先端近傍に固着され、その回転方向位置決め用ブロック21が係合する正方形の断面形状の回転方向位置決め用孔22が補助チューブガイド孔7の後端部分に形成されている。その他の構成は第1の実施例と同様である。
【0053】
その結果、図14に示されるように、補助チューブ3の先端側の領域が環状先端アダプタ2から前方に突出して、回転方向位置決め用ブロック21が回転方向位置決め用孔22に係合した状態では、補助チューブガイド孔7内において、補助チューブ3の軸線周り方向への回転が規制される。
【0054】
しかし、回転方向位置決め用ブロック21と回転方向位置決め用孔22との係合方向は90°間隔で回転調整することができるので、回転方向位置決め用ブロック21と回転方向位置決め用孔22との係合状態を変えることにより、使用状況に応じて補助チューブ3の屈曲方向を90°間隔の4方向から選択することができる。
【0055】
このようにして、補助チューブ3が補助チューブガイド孔7に対して軸線周りの四つの向きにおいて選択的に挿脱可能である。ただし、回転方向位置決め用ブロック21と回転方向位置決め用孔22の断面形状を例えば正6角形又は正8角形等のように正方形以外の正多角形に形成することにより、選択数を増やすことができる。
【0056】
図15及び図16は、本発明の第5の実施例に係る外付けチャンネル1の全体構成を示しており、内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の外周を弾力的に締め付ける状態に取り付けられる弾力性のある材料からなる取り付け環25が、環状先端アダプタ2の取付孔6の内周部に軸線周り方向に回転自在に(但し、軸線方向には移動しないように)配置されている。図17は取り付け環25を示し、図18は補助チューブガイド孔7を示している。その他の構成は、前述の第4の実施例と同様である。
【0057】
その結果、内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の外周に環状先端アダプタ2が軸線周り方向に回転自在に取り付けられ、補助チューブ3を手元側で回動させることにより、内視鏡の可撓性挿入部の先端部分において環状先端アダプタ2を回動させ、それによって補助チューブ3の屈曲方向を調整することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 外付けチャンネル
2 環状先端アダプタ
3 補助チューブ
4 操作ワイヤ
5 熱収縮チューブ
5a 先端面(ストッパ)
6 取付孔
7 補助チューブガイド孔
7a 後端開口部(ストッパ)
8 固定ピン
9 ワイヤガイドチューブ
21 回転方向位置決め用ブロック
22 回転方向位置決め用孔
25 取り付け環
30 処置具
50 内視鏡
51 可撓性挿入部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の外周を囲む状態に着脱自在な環状先端アダプタが設けられて、上記環状先端アダプタには、軸線と略平行方向に補助チューブガイド孔が貫通形成され、上記可撓性挿入部と並んで上記可撓性挿入部外に配置される可撓性の補助チューブの先端部分が、上記補助チューブガイド孔内に軸線方向に進退可能に挿通配置されると共に、上記補助チューブの先端付近に先端が係止されて上記補助チューブガイド孔内を通過する可撓性の操作ワイヤが、上記補助チューブの軸線と平行方向に進退操作自在に上記補助チューブの外面側に沿って一本だけ配置され、上記操作ワイヤを基端側から上記補助チューブに対して軸線方向に牽引操作することにより上記補助チューブの先端部分が上記環状先端アダプタより先側の領域において上記操作ワイヤが配置されている方向に屈曲することを特徴とする内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項2】
上記環状先端アダプタが上記内視鏡の可撓性挿入部の先端部分に取り付けられた状態において、上記操作ワイヤが後方から牽引されると、上記補助チューブのうち上記環状先端アダプタより前方に突出している領域が上記内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の前方から外方に広がる方向に屈曲する請求項1記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項3】
上記補助チューブガイド孔から前方に突出可能な上記補助チューブの先端側の領域においては、上記操作ワイヤが上記補助チューブの外面に沿って露出した状態に配置され、それより後方領域においては、上記操作ワイヤが緩く挿通されたワイヤガイドチューブが上記補助チューブと共に熱収縮チューブで締め付け固定されている請求項1又は2記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項4】
上記操作ワイヤが後方から牽引操作されると、上記操作ワイヤが露出した領域において上記補助チューブが屈曲し、上記操作ワイヤはその領域において弓に張られた弦のごとく真っ直ぐな状態で上記補助チューブから離れた状態になる請求項3記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項5】
上記補助チューブの先端部分が上記補助チューブガイド孔から前方に一定の長さ以上に突出しないように上記補助チューブの突出長を規制するための突出ストッパが設けられている請求項1ないし4のいずれかの項に記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項6】
上記熱収縮チューブの先端面が上記突出ストッパを構成している請求項5記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項7】
上記補助チューブが、上記操作ワイヤと共に上記補助チューブガイド孔内において軸線周り方向に回転自在である請求項1ないし6のいずれかの項に記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項8】
上記補助チューブガイド孔内において、上記補助チューブの軸線周り方向への回転が規制されている請求項1ないし6のいずれかの項に記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項9】
上記環状先端アダプタが上記内視鏡の可撓性挿入部の先端部分に取り付けられた状態において、上記操作ワイヤが後方から牽引されることにより、上記補助チューブのうち上記環状先端アダプタより前方に突出している領域が上記内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の前方から外方に広がる方向のみに屈曲する請求項8記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項10】
上記補助チューブが、上記補助チューブガイド孔に対して軸線周りの複数の向きにおいてのみ挿脱可能である請求項1ないし8のいずれかの項に記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項11】
上記補助チューブがダブルルーメンチューブで形成されていて、その一方のルーメンに上記操作ワイヤが緩く挿通されている請求項1記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項12】
上記環状先端アダプタが弾力性のある材料で形成されていて、上記可撓性挿入部の先端部分の外周を弾力的に締め付ける状態に取り付けられる請求項1ないし11のいずれかの項に記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項13】
上記環状先端アダプタが、上記可撓性挿入部の先端部分の外周に軸線周り方向に回転自在に取り付けられる請求項1ないし11のいずれかの項に記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項14】
上記可撓性挿入部の先端部分の外周に弾力的に締め付ける状態に着脱自在に取り付けられる取り付け環が、上記環状先端アダプタに軸線周り方向に回転自在に取り付けられている請求項13記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項1】
内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の外周を囲む状態に着脱自在な環状先端アダプタが設けられて、上記環状先端アダプタには、軸線と略平行方向に補助チューブガイド孔が貫通形成され、上記可撓性挿入部と並んで上記可撓性挿入部外に配置される可撓性の補助チューブの先端部分が、上記補助チューブガイド孔内に軸線方向に進退可能に挿通配置されると共に、上記補助チューブの先端付近に先端が係止されて上記補助チューブガイド孔内を通過する可撓性の操作ワイヤが、上記補助チューブの軸線と平行方向に進退操作自在に上記補助チューブの外面側に沿って一本だけ配置され、上記操作ワイヤを基端側から上記補助チューブに対して軸線方向に牽引操作することにより上記補助チューブの先端部分が上記環状先端アダプタより先側の領域において上記操作ワイヤが配置されている方向に屈曲することを特徴とする内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項2】
上記環状先端アダプタが上記内視鏡の可撓性挿入部の先端部分に取り付けられた状態において、上記操作ワイヤが後方から牽引されると、上記補助チューブのうち上記環状先端アダプタより前方に突出している領域が上記内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の前方から外方に広がる方向に屈曲する請求項1記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項3】
上記補助チューブガイド孔から前方に突出可能な上記補助チューブの先端側の領域においては、上記操作ワイヤが上記補助チューブの外面に沿って露出した状態に配置され、それより後方領域においては、上記操作ワイヤが緩く挿通されたワイヤガイドチューブが上記補助チューブと共に熱収縮チューブで締め付け固定されている請求項1又は2記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項4】
上記操作ワイヤが後方から牽引操作されると、上記操作ワイヤが露出した領域において上記補助チューブが屈曲し、上記操作ワイヤはその領域において弓に張られた弦のごとく真っ直ぐな状態で上記補助チューブから離れた状態になる請求項3記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項5】
上記補助チューブの先端部分が上記補助チューブガイド孔から前方に一定の長さ以上に突出しないように上記補助チューブの突出長を規制するための突出ストッパが設けられている請求項1ないし4のいずれかの項に記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項6】
上記熱収縮チューブの先端面が上記突出ストッパを構成している請求項5記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項7】
上記補助チューブが、上記操作ワイヤと共に上記補助チューブガイド孔内において軸線周り方向に回転自在である請求項1ないし6のいずれかの項に記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項8】
上記補助チューブガイド孔内において、上記補助チューブの軸線周り方向への回転が規制されている請求項1ないし6のいずれかの項に記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項9】
上記環状先端アダプタが上記内視鏡の可撓性挿入部の先端部分に取り付けられた状態において、上記操作ワイヤが後方から牽引されることにより、上記補助チューブのうち上記環状先端アダプタより前方に突出している領域が上記内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の前方から外方に広がる方向のみに屈曲する請求項8記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項10】
上記補助チューブが、上記補助チューブガイド孔に対して軸線周りの複数の向きにおいてのみ挿脱可能である請求項1ないし8のいずれかの項に記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項11】
上記補助チューブがダブルルーメンチューブで形成されていて、その一方のルーメンに上記操作ワイヤが緩く挿通されている請求項1記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項12】
上記環状先端アダプタが弾力性のある材料で形成されていて、上記可撓性挿入部の先端部分の外周を弾力的に締め付ける状態に取り付けられる請求項1ないし11のいずれかの項に記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項13】
上記環状先端アダプタが、上記可撓性挿入部の先端部分の外周に軸線周り方向に回転自在に取り付けられる請求項1ないし11のいずれかの項に記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【請求項14】
上記可撓性挿入部の先端部分の外周に弾力的に締め付ける状態に着脱自在に取り付けられる取り付け環が、上記環状先端アダプタに軸線周り方向に回転自在に取り付けられている請求項13記載の内視鏡の外付けチャンネル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−161454(P2012−161454A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23781(P2011−23781)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】
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