内視鏡システム
【課題】どのような照明環境であっても、挿入部の物体内、物体外を確実に検出可能とすること。
【解決手段】内視鏡システムは、挿入部10を物体Oの挿入口Iから挿入し、物体内面を観察する内視鏡システムにおいて、電磁波を放射する電磁波放射ユニット12と、前記電磁波を検出する電磁波検出器14と、前記電磁波検出器14の検出結果に基づいて、前記挿入部10が物体内にあるかどうかを判断する判断部16と、を備え、前記電磁波放射ユニット12と前記電磁波検出器14の何れか一方を物体外部に配置し、他方を前記挿入部10に配置する。
【解決手段】内視鏡システムは、挿入部10を物体Oの挿入口Iから挿入し、物体内面を観察する内視鏡システムにおいて、電磁波を放射する電磁波放射ユニット12と、前記電磁波を検出する電磁波検出器14と、前記電磁波検出器14の検出結果に基づいて、前記挿入部10が物体内にあるかどうかを判断する判断部16と、を備え、前記電磁波放射ユニット12と前記電磁波検出器14の何れか一方を物体外部に配置し、他方を前記挿入部10に配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置の挿入部を物体の挿入口から挿入し、物体内面を観察する内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡装置においては、観察対象である物体内面を照明するための光源として、レーザなどの発光点の小さなものや、紫外光や青色光などの比較的高エネルギーな光を放射するものが用いられている。
【0003】
このような光源装置から放射される放射光に対し、人体の最大露光許容量(MPE)は眼に対するものと皮膚に対するものとで大きく異なっている。すなわち、眼に対するMPEに対し、皮膚に対するMPEは数十倍以上大きな値となっている。そこで、生体用内視鏡装置においては、体外では眼に対するMPEに基づく光量上限を設定し、また体内では皮膚に対する光量上限を想定しつつ、観察に必要な光量で発光させるように制御するため、体内、体外を検出する検出手段が望まれている。
【0004】
また、被検者がまぶしさに対して不快に感じるのを防ぐ目的においても、体内、体外を検出する検出手段が望まれている。
【0005】
一方、工業用内視鏡装置にあっては、光源装置の寿命を延ばしたり、省電力を達成するために、挿入部が観察対象物体の外に有る場合には光源を停止したり減光したりする目的で、やはり、観察対象物体内、物体外を検出する検出手段が望まれている。
【0006】
これに対し、特許文献1には、蛍光灯のフリッカをスコープ先端に取り付けた検出器で検出することで、生体内、生体外を検出する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4316118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術では、蛍光灯のフリッカを利用しているため、生体用内視鏡装置においては蛍光灯を用いていない診察室では体内外を検出することができず、工業用内視鏡装置においては屋外の使用環境では観察対象物体内外を検出することができない。また、部屋に蛍光灯が有った場合でも、他の照明装置が併用されている場合や、窓等から強い外光が入射する場合には、これらの光に埋もれて蛍光灯のフリッカを確実に検出できない恐れが有る。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、どのような照明環境であっても、挿入部の物体内、物体外を確実に検出可能とする内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の内視鏡システムの一態様は、
内視鏡装置の挿入部を物体の挿入口から挿入し、物体内面を観察する内視鏡システムにおいて、
電磁波を放射する電磁波放射ユニットと、
前記電磁波を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記挿入部が物体内にあるかどうかを判断する判断部と、
を具備し、
前記電磁波放射ユニットと前記検出部の何れか一方は物体外部に配置され、他方は前記挿入部に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電磁波放射ユニットより能動的に電磁波を放射し、内視鏡装置の挿入部での電磁波の検出状態により、該挿入部が物体内にあるかどうか判別するので、どのような照明環境であっても、挿入部の物体内、物体外を確実に検出可能とする内視鏡システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1(A)は、本発明の第1実施形態に係る内視鏡システムの概略構成図であり、図1(B)は、第1実施形態に係る内視鏡システムの動作フローチャートを示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る内視鏡システムの構成を示す図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る内視鏡システムの照明に係わる構成を示す図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る内視鏡システムにおけるスコープ先端部を示す斜視図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る内視鏡システムにおける電磁波放射ユニットの構成を示す図である。
【図6】図6(A)は、本発明の第2実施形態に係る内視鏡システムにおける電磁波検出器の構成を示す断面図であり、図6(B)は同じく斜視図である。
【図7】図7は、電磁波検出器の別の構成例を示す斜視図である。
【図8】図8は、本発明の第3実施形態に係る内視鏡システムにおけるスコープ部の操作部近傍を示す斜視図である。
【図9】図9は、第3実施形態に係る内視鏡システムの変形例におけるスコープ部の操作部近傍を示す斜視図である。
【図10】図10は、本発明の第4実施形態に係る内視鏡システムにおける電磁波放射ユニットの配置位置を示す図である。
【図11】図11は、本発明の第5実施形態に係る内視鏡システムにおける挿入部の構成を示す模式図である。
【図12】図12は、本発明の第7実施形態に係る内視鏡システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る内視鏡システムは、図1(A)に示すように、物体Oの挿入口Iから挿入される内視鏡装置の挿入部10と、電磁波を放射する電磁波放射ユニット12と、該電磁波放射ユニット12から放射された電磁波を検出する検出部としての電磁波検出器14と、該電磁波検出器14の検出結果に基づいて、挿入部10が物体内にあるかどうかを判断する判断部16と、から構成される。ここで、電磁波放射ユニット12は物体外部に配置され、電磁波検出器14は挿入部10に配置されている。
【0014】
このような内視鏡システムでは、図1(B)に示すように、まず、判断部16は、内視鏡装置の動作開始に伴って、電磁波放射ユニット12に電磁波の放射を開始させる(ステップS1)。
【0015】
その後、判断部16は、電磁波検出器14の検出結果を受け、その検出結果より、電磁波検出器14で電磁波が検出されているか否かを判別する(ステップS2)。ここで、電磁波検出器14で電磁波が検出されていると判別した場合には、挿入部10が物体外にあると判断して、その旨を出力する(ステップS3)。その後、内視鏡装置の動作終了か否かを判別し(ステップS4)、まだ動作終了でなければ、上記ステップS2に戻る。
【0016】
これに対して、上記ステップS2において、電磁波検出器14で電磁波が検出されなくなったと判別したならば、判断部16は、挿入部10が物体内にあると判断して、その旨を出力する(ステップS5)。その後、上記ステップS4に進んで、内視鏡装置の動作終了か否かを判別し、まだ動作終了でなければ、上記ステップS2に戻る。
【0017】
そして、上記ステップS4において、内視鏡装置の動作終了と判別したならば、判断部16は、電磁波放射ユニット12に電磁波の放射を終了させて(ステップS6)、動作を終了する。
【0018】
なお、ここでは、何れの判断結果も出力するとしたが、少なくとも一方の判断結果を出力すれば、該判断部16の出力を受ける部材は、当該判断結果が出力されているか否かにより、挿入部10が物体内、物体外の何れであるかを知ることができる。
【0019】
以下、内視鏡装置が生体用内視鏡装置である場合を例に、より具体的な構成を説明する。
図2に示すように、生体用内視鏡装置は、医師等の作業者が手に持って作業を行うスコープ部18と、トロリTに搭載される本体部20と、に分離可能に構成されている。具体的には、スコープ部18から延在する接続ケーブル22が、本体部20のコネクタ等の接続部24に対して着脱可能に構成されている。
【0020】
なお、トロリTとは、内視鏡装置を搭載する移動可能なラックを言い、本体部20に加えて、モニタMの他、撮影画像を印刷するプリンタ等が搭載されるものである。このトロリTには、特に図示はしていないが、スコープ部18を保持する保持部が設けられており、本体部20にスコープ部18を接続した状態で、スコープ部18を吊り下げて保持できるようになっている。使用時にはスコープ部18を保持部から外して使用する。
【0021】
本体部20は、スコープ部18に電力を供給し、またスコープ部18の先端に配された撮像部(後述)が撮影した画像を処理したりする画像処理装置(ビデオプロセッサ)26と、例えばスコープ部18の先端から照明光を放射するための光源装置28を含む内視鏡観察に必要な様々な部材と、を備え、撮像部が撮影した画像等を表示するモニタMと接続している。
【0022】
なお、上述した判断部16は、画像処理装置26内に構成しても良いし、光源装置28内に構成しても良いし、それらとは独立して本体部20内に構成しても構わない。
【0023】
また、本体部20には、上述した電磁波放射ユニット12が配置されている。なお、図2では、画像処理装置26と光源装置28を一つの本体部20の筐体内に組み込んだ例を示したが、それぞれ別筐体でなる複数の装置を組み合わせて全体として一つの本体部20を構成するものであっても構わない。この場合、上述した電磁波放射ユニット12は、画像処理装置26、光源装置28の何れの筐体に組み込まれていても良い。
【0024】
光源装置28は、例えば、図3に示すように、発光点の小さなレーザや、紫外光、青色光などの比較的高エネルギーな光を放射するLEDといった励起光源30と、該励起光源30からその励起光を集光する光学系32とを備え、さらに特に図示はしていないが、励起光源30の発光量や発光タイミングを制御する光源制御部を備えている。一方、照明対象物に対しては、白色光等の観察に適した波長の光で照明されることが必要である。そこで、スコープ部18の先端部には、波長変換部34が搭載されている。そして、励起光源30と波長変換部34とは、光ファイバ36で接続されている。すなわち、光ファイバ36は、接続ケーブル22とスコープ部18の内部に配置されている。よって、励起光源30から射出された励起光が光ファイバ36を経由して波長変換部34に照射されると、波長変換部34から照明光が放射され、照明光は照明対象物に向かって照射される。
【0025】
なお、接続ケーブル22内には、光ファイバ36に加えて、スコープ部18と本体部20との間の電気配線も形成されていることは言うまでもない。
【0026】
一方、スコープ部18は、医師等の作業者が右手でその先端近傍を保持して生体の管腔に挿入操作する挿入部10と、作業者が左手で持って操作する操作部38と、によって構成されている。挿入部10は、管腔の屈曲に応じて容易に変形可能に構成され、操作部38の操作により湾曲する湾曲部40と、該湾曲部40の先端部に設けられた、変形しない硬質部42と、からなる。この硬質部42の先端面には、図4に示すように、照明光を射出する二つの照明光射出部44と、画像を撮影する撮像部46と、鉗子等を挿入するチャネル48と、が設けられている。照明光射出部44の硬質部42内部に、上記波長変換部34が搭載されている。また、撮像部46の硬質部42内部にCCD等の不図示撮像素子が搭載されている。
【0027】
さらに、挿入部10の硬質部42側面には、上述した電磁波検出器14が設けられている。この電磁波検出器14からは、電力が供給される電源配線や、検出した信号を伝送する信号配線等、図示しない配線が挿入部10内部を操作部38方向に向かって伸びている。
【0028】
なお、電磁波検出器14の設置位置に関しては、挿入部10を被検者の管腔に挿入する際に、ある深さまで挿入されたときに物体内つまり体内であると判断することが望ましい、適した深さが有る。例えば、管腔である口から食道、胃へと挿入部10を挿入していく場合、食道への挿入を確実に行うため、被検者ののど部では明るく照明される必要が有る。よって、口内の長さである唇部からのど部への長さを考慮すると、電磁波検出器14は、具体的には、硬質部42の先端の端部から5cm程度の範囲に設置されることが望ましい。さらには、硬質部42が口内に挿入された瞬間に体内と検出することを避けるためには、端部から1cm以上の位置に配置されることが望ましい。
【0029】
また、硬質部42内部の撮像部46が電磁波の影響を受けて画像ノイズが発生する可能性が有る場合、硬質部42全体を電磁波を通しにくい部材によりシールドすることが望ましい。このとき、電磁波検出器14は、シールド外部に配置されるか、シールドに開口を設けて配置する必要が有る。
【0030】
電磁波放射ユニット12が放射し、電磁波検出器14が検出する電磁波としては、人体を透過しない波長領域である赤外線、もしくは、数センチメートル厚の人体組織で十分減衰される波長領域の電波等であることが必要である。以下、電磁波放射ユニット12は赤外線放射素子であり、電磁波検出器14は赤外線検出器であるとして説明するが、電磁波放射ユニット12を電波放射素子、電磁波検出器14を電波検出器としても良いことは勿論である。
【0031】
電磁波放射ユニット12は、図5に示すように、赤外線を放射する赤外線LED50と電磁波制御回路52とにより構成される。これら赤外線LED50と電磁波制御回路52は、配線54にて接続される。電磁波制御回路52は、赤外線LED50から放射される電磁波の放射量や、変調パターン等を制御する機能を有している。ここで、別機器から放射された同波長の電磁波を誤検出することが無いように、赤外線LED50から放射される電磁波を所定のパターンで変調、例えば点滅させるようにしているものである。そのため、電磁波制御回路52は、その所定の変調パターン(点滅パターン)を記憶する図示しない記憶部分を有している。電磁波制御回路52は、この記憶部分に予め記憶した所定の点滅パターンで、配線54を通じて赤外線LED50に電力を供給し、これを点滅発光させる。
【0032】
なお、電磁波制御回路52は、図示しない電気配線により、本体部20内の図示しない電源に接続されている。
【0033】
以上のように、生体用内視鏡の場合の内視鏡システムにおいては、電磁波放射ユニット12から放射される電磁波(赤外線)をスコープ部18の挿入部10先端の硬質部42に設けられた電磁波検出器14が検出する構成である。赤外線は人体をほとんど透過しないため、挿入部10先端の硬質部42が口内等の管腔内に挿入されると、赤外線を検出する電磁波検出器14は、電磁波放射ユニット12から放射される赤外線をほとんど検出しない。一方、赤外線は空間内を効率よく伝播するため、遮蔽物がない場合には確実に電磁波検出器14により検出される。
【0034】
電磁波放射ユニット12は、トロリTまたはそれに搭載された本体部20に予め設置されている。トロリT上の本体部20はスコープ部18と接続されているため、トロリT及び本体部20、スコープ部18、被検者、作業者(医者)の位置関係はほぼ決まっている。従って、赤外線が被検者の管腔の挿入口Iへ確実に照射されるようなトロリTまたは本体部20の位置に、電磁波放射ユニット12を予め設置する。こうすることで、赤外線が管腔の挿入口Iへ確実に照射されるので、作業者やその他の室内部材の陰になり、スコープ部18先端の硬質部42が体外に有るにもかかわらず、電磁波検出器14が赤外線を検出できず、体内と判断してしまう、という恐れをほとんど無くすことができる。また、本実施形態では、室内灯等からの光を利用せず、専用の発信機(電磁波放射ユニット12)と受信機(電磁波検出器14)を用いており、さらに、電磁波放射ユニット12は、所定の点滅パターンで点滅するため、判断部16は、その点滅パターンに合致する赤外線が検出されたか否かにより、体内であるのか体外であるのか、を誤検出なく、確実に検出できる。
【0035】
なお、判断部16は、光源装置28の図示しない光源制御部と接続して、その判断結果を光源制御部に出力することができる。こうすることで、光源制御部は、体外では眼に対するMPEに基づく光量上限を設定し、また体内では皮膚に対するMPEに基づく光量上限を想定しつつ、観察に必要な光量が得られるように、励起光源30を制御することが可能となる。
【0036】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
なお、本第2実施形態も、生体用内視鏡装置による内視鏡システムとして説明する。以下、上記第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0037】
上記第1実施形態では、電磁波放射ユニット12は、トロリTまたはそれに搭載された本体部20の、赤外線が被検者の口等の管腔の開口部へ確実に照射されるような位置に、予め設置されているものとした。これに対し、本第2実施形態では、電磁波放射ユニット12は、任意の位置に着脱可能な独立したユニットとして構成している。
【0038】
例えば、図6に示すように、上記赤外線LED50や電磁波制御回路52等を一つの筐体56内に搭載し、該筐体56に、それを任意の位置に固定するための取付部材58を設ける。ここで、取付部材58は、作業者(医師や看護婦)のポケット等の被取付部に引っ掛ける形で取り付けるタイプのフックとして構成されており、被取付部への取り付け状態を確実に維持できるように、滑り止め60を有している。筐体56内部には、共通の配線基板62上に赤外線LED50と電磁波制御回路52が組み付けられ、さらに、該配線基板62上の不図示配線を介してそれらに電力を供給するバッテリ64が搭載されている。また、筐体56には、上記赤外線LED50に対応する位置に、赤外線を透過する赤外光放射窓66が設けられている。
【0039】
また、取付部材58としては、図7に示すように、被検者が横たわるベッドのフレームや作業者の腕を挟み込むように取り付けるタイプのフックとして構成することもできる。
【0040】
このように、取付部材58は、被取付部に適した形状、機能のものを選択して、筐体56に設ければよい。
【0041】
以上のような構成の電磁波放射ユニット12は、被検者の管腔の挿入口Iへの挿入部10の挿入の際に、その管腔の挿入口Iへ、より確実に赤外光を照射可能な位置に取り付けることができる。例えば、作業者の胸や腕、ベッドのポールやフレームで、挿入部10を直接または間接的に照明可能な位置に、電磁波放射ユニット12を取り付けることができ、その他、内視鏡システムのトロリTや検査室内の壁等、さまざまな場所に取り付けることができる。
【0042】
本実施形態の構成では、電磁波放射ユニット12を最適な位置に移動可能であるので、検査の種類等によって変化する、作業者、被検者、スコープ部18の位置関係等に応じて最適な位置に電磁波放射ユニット12を配置することができる。すなわち、病院の環境に応じて適切な位置に電磁波放射ユニット12を配置できる。
【0043】
また、電磁波放射ユニット12は、バッテリ64を用いているため、配線等がないので、配置する自由度がより高い。
【0044】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
なお、本第3実施形態も、生体用内視鏡装置による内視鏡システムとして説明する。以下、上記第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0045】
上記第1実施形態では、電磁波放射ユニット12は、トロリTまたはそれに搭載された本体部20の、赤外線が被検者の口等の管腔の挿入口Iへ確実に照射されるような位置に、予め設置されているものとした。これに対し、本第3実施形態では、電磁波放射ユニット12は、電磁波検出器14とともにスコープ部18に搭載している。
【0046】
例えば、電磁波放射ユニット12は、スコープ部18の操作部38(図2参照)に搭載されている。詳しくは、図8に示すように、操作部38(プラスティック等硬い部材であって、容易に変形しない)が挿入部10の湾曲部40と接続する接続部近傍であって、操作部38側端に搭載されている。特に、電磁波放射ユニット12の赤外線LED50(赤外光放射窓)は、操作部38のうち、作業者の手がかからない領域に配置されている。具体的には、操作部38のスコープ先端部側であって、作業者が左手で操作部38を保持したとき、右側を面する位置に取り付けられている。
【0047】
すなわち、作業者は、その利き手にかかわらず、操作部38のグリップ部68を左手で保持し、挿入部10の先端近傍を右手で保持して、被検者の管腔の挿入口Iに挿入部10を持っていく。したがって、本実施形態では、電磁波放射ユニット12は、操作部38を作業者が左手でグリップしたときに、その左手がかからない位置であって、かつ、右手側に面した位置に搭載されており、右手で保持される挿入部10先端方向へ、より確実に赤外線を放射できるように構成されている。
【0048】
この結果、赤外線が、作業者、被検者やその他の検査室内の部材等により遮られることを回避でき、挿入部10が被検者の体内、体外の何れにあるのかの検出の確実性を向上することができる。
【0049】
なお、電磁波放射ユニット12は、図9に示すように、操作部38のグリップ部68よりも本体部20側の位置に設けても良い。この場合も、電磁波放射ユニット12は、操作部38を作業者が左手で保持した時に、右側に面していることがより望ましい。
【0050】
図8のような位置よりも、図9のような位置の方が、電磁波放射ユニット12をグリップ部68の重心近くに配置できるため、作業者が電磁波放射ユニット12のサイズ、重さを感じにくい。よって、赤外線が、作業者、被検者やその他の検査室内の部材等により遮られることを回避でき、挿入部10が被検者の体内、体外の何れにあるのかの検出の確実性を向上することができるという効果を、より違和感なく享受できる。
【0051】
なお、電磁波放射ユニット12の位置は、作業者が絶対に掴まない位置で、被検者の口等の管腔の開口部に面する位置であれば、スコープ部18の他の位置であっても構わないことはもちろんである。
【0052】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を説明する。なお、本第4実施形態も、生体用内視鏡装置による内視鏡システムとして説明する。
【0053】
上記第1乃至第3実施形態では、電磁波放射ユニット12を1個のみとしていたが、本実施形態は、図10に示すように、複数の電磁波放射ユニット12を配置することで、死角を無くしたものである。
【0054】
即ち、上述した第1乃至第3実施形態に係る電磁波放射ユニット12を組み合わせて、トロリT、本体部20、作業者(医師や看護婦)OPのポケットや腕、被検者SU自身や被検者SUが横たわるベッドのフレーム、検査室内の壁、スコープ部18等、さまざまな場所に取り付ける。
【0055】
なおこの場合、複数の電磁波放射ユニット12が放射する赤外線はすべて同じ波長とし、所定の点滅パターンも同期させることが必要である。同期は、例えば、一つの電磁波放射ユニット12を親機として、それに同調させるようにすれば良く、高速で精密な、例えばマイクロ秒レベルでの同調は必要ないので、同調は容易である。
【0056】
このように、本実施形態では、同じ赤外線を複数のポイントから発光させることで死角を無くすことで、検出の確実性を向上することができる。
【0057】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態を説明する。なお、本第5実施形態も、生体用内視鏡装置による内視鏡システムとして説明する。
【0058】
上記第1乃至第4実施形態では、1つの電磁波検出器14をスコープ部18の挿入部10先端の硬質部42に配置している。これに対して、本実施形態は、硬質部42に複数の電磁波検出器14を配置し、それらの検出結果の差分を取ることで、スコープ部18の挿入部10先端の硬質部42の体内、体外の検出を確実にするものである。
【0059】
即ち、図11に示すように、硬質部42に所定距離離間させて、第1の電磁波検出器14−1と第2の電磁波検出器14−2を搭載する。ここで、先端側を第1の電磁波検出器14−1、手元側を第2の電磁波検出器14−2とすると、硬質部42全体が体外に有る場合、第1、第2の電磁波検出器14−1、14−2はほぼ同等の赤外線を検出している。硬質部42が被検者SUの管腔L内(体内)に挿入されるとき、まず第1の電磁波検出器14−1が赤外線を検出しなくなるが、このとき、第2の電磁波検出器14−2は電磁波を検出し続けている。そして、硬質部42が完全に体内に挿入されると、第1、第2の電磁波検出器14−1、14−2は何れも赤外線を検出しなくなる。
【0060】
したがって、第1、第2の電磁波検出器14−1、14−2は、正常に動作している場合、次の三つの場合のみが考えられる。
【0061】
(1) 両方とも同程度の赤外線を検出している。この場合は、挿入部10先端の硬質部42は、完全に体外にあると判断できる。
【0062】
(2) 第1の電磁波検出器14−1の検出量(赤外線光量)が、第2の電磁波検出器14−2のそれよりも小さく、かつ、徐々に小さく変化していく。この場合は、挿入部10先端の硬質部42は、徐々に管腔L内(体内)へ挿入されている状態であると判断できる。
【0063】
(3) 両方とも赤外線を検出していない。この場合は、挿入部10先端の硬質部42は、完全に管腔L内にあると判断できる。
【0064】
なお、上記三つの場合以外の場合は、電磁波放射ユニット12からの電磁波が正しく放射されていないか、または遮蔽物等の影響がある場合である。すなわち、このような場合は、挿入部10先端の硬質部42が管腔L内か外か(体内か体外か)が正しく検出できない恐れが有る。
【0065】
以上のように、本実施形態では、二つの電磁波検出器14−1,14−2を用いることで、二つの検出器の検出量を比較して、挿入部10が被検者の体内、体外の何れにあるのかをより確実に検出することができる。
さらに、管腔内外を検出する機構が正常に動作しているか否かを確認することができる。
【0066】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態を説明する。なお、本第6実施形態も、生体用内視鏡装置による内視鏡システムとして説明する。
【0067】
上記第1乃至第4実施形態では、1つの電磁波検出器14をスコープ部18の挿入部10先端の硬質部42に配置している。これに対して、本実施形態は、硬質部42以外の部分にさらに第2の電磁波検出器を配置し、それら二つの検出結果の差分を取ることで、スコープ部18の挿入部10先端の硬質部42の体内、体外の検出を確実にするものである。
【0068】
即ち、上記第5実施形態では、硬質部42に第1の電磁波検出器14−1と第2の電磁波検出器14−2を搭載したが、第2の電磁波検出器14−2を、例えばスコープ部18の操作部38に取り付ける。このような構成とすることにより、第2の電磁波検出器14−2の検出結果(赤外線受光量)により電磁波放射ユニット12が正常に動作していることが確認できる。また、スコープ部18まで電磁波(赤外線)が到達しているかどうか、その強度を知ることができるため、挿入部10先端の硬質部42に設けた第1の電磁波検出器14−1の検出強度と比較することにより、検出の確実性を向上することができる。
【0069】
また、第2の電磁波検出器14−2を、例えば本体部20に取り付けても良い。このような構成とすれば、第2の電磁波検出器14−2の検出結果(赤外線受光量)により、電磁波放射ユニット12が正常に動作していることが確認できる。
【0070】
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態を説明する。
上記第1乃至第6実施形態では、電磁波放射ユニット12を物体外部に配置し、電磁波検出器14(14−1と14−2、または14−1)を挿入部10に配置しているが、電磁波放射ユニット12と電磁波検出器14の配置関係は逆であっても構わない。
【0071】
即ち、図12に示すように、本第7実施形態に係る内視鏡システムは、物体Oの挿入口Iから挿入される内視鏡装置の挿入部10と、電磁波を放射する電磁波放射ユニット12と、該電磁波放射ユニット12から放射された電磁波を検出する検出部としての電磁波検出器14と、該電磁波検出器14の検出結果に基づいて、挿入部10が物体内にあるかどうかを判断する判断部16と、から構成され、電磁波放射ユニット12は挿入部10に配置され、電磁波検出器14は物体外部に配置されている。
【0072】
このような構成としても、上記第1乃至第6実施形態と同様の効果が得られる。
【0073】
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0074】
例えば、上記第1乃至第6実施形態は、生体用内視鏡装置の場合を例に説明したが、工業用内視鏡装置の場合にも同様に適用可能である。この場合、判断部16は、光源装置28の図示しない光源制御部と接続して、その判断結果を光源制御部に出力することができる。こうすることで、光源制御部は、物体外では、光源装置28の寿命を延ばしたり、省電力を達成するために、照明光を減光したり、停止したりするとともに、物体内では、観察に必要な光量が得られるように、励起光源30を制御することが可能となる。
【0075】
また、光源装置28は、波長変換部34は波長を変換せず、散乱させる散乱部や、ビームの広がり角等を変換する出射光特性変換部であっても良い。
【符号の説明】
【0076】
O…物体、 I…挿入口、 T…トロリ、 M…モニタ、 OP…作業者、 SU…被検者、 L…管腔、 10…挿入部、 12…電磁波放射ユニット、 14,14−1,14−2…電磁波検出器、 16…判断部、 18…スコープ部、 20…本体部、 22…接続ケーブル、 24…接続部、 26…画像処理装置、 28…光源装置、 30…励起光源、 32…光学系、 34…波長変換部、 36…光ファイバ、 38…操作部、 40…湾曲部、 42…硬質部、 44…照明光射出部、 46…撮像部、 48…チャネル、 50…赤外線LED、 52…電磁波制御回路、 54…配線、 56…筐体、 58…取付部材、 60…滑り止め、 62…配線基板、 64…バッテリ、 66…赤外光放射窓、 68…グリップ部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置の挿入部を物体の挿入口から挿入し、物体内面を観察する内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡装置においては、観察対象である物体内面を照明するための光源として、レーザなどの発光点の小さなものや、紫外光や青色光などの比較的高エネルギーな光を放射するものが用いられている。
【0003】
このような光源装置から放射される放射光に対し、人体の最大露光許容量(MPE)は眼に対するものと皮膚に対するものとで大きく異なっている。すなわち、眼に対するMPEに対し、皮膚に対するMPEは数十倍以上大きな値となっている。そこで、生体用内視鏡装置においては、体外では眼に対するMPEに基づく光量上限を設定し、また体内では皮膚に対する光量上限を想定しつつ、観察に必要な光量で発光させるように制御するため、体内、体外を検出する検出手段が望まれている。
【0004】
また、被検者がまぶしさに対して不快に感じるのを防ぐ目的においても、体内、体外を検出する検出手段が望まれている。
【0005】
一方、工業用内視鏡装置にあっては、光源装置の寿命を延ばしたり、省電力を達成するために、挿入部が観察対象物体の外に有る場合には光源を停止したり減光したりする目的で、やはり、観察対象物体内、物体外を検出する検出手段が望まれている。
【0006】
これに対し、特許文献1には、蛍光灯のフリッカをスコープ先端に取り付けた検出器で検出することで、生体内、生体外を検出する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4316118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術では、蛍光灯のフリッカを利用しているため、生体用内視鏡装置においては蛍光灯を用いていない診察室では体内外を検出することができず、工業用内視鏡装置においては屋外の使用環境では観察対象物体内外を検出することができない。また、部屋に蛍光灯が有った場合でも、他の照明装置が併用されている場合や、窓等から強い外光が入射する場合には、これらの光に埋もれて蛍光灯のフリッカを確実に検出できない恐れが有る。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、どのような照明環境であっても、挿入部の物体内、物体外を確実に検出可能とする内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の内視鏡システムの一態様は、
内視鏡装置の挿入部を物体の挿入口から挿入し、物体内面を観察する内視鏡システムにおいて、
電磁波を放射する電磁波放射ユニットと、
前記電磁波を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記挿入部が物体内にあるかどうかを判断する判断部と、
を具備し、
前記電磁波放射ユニットと前記検出部の何れか一方は物体外部に配置され、他方は前記挿入部に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電磁波放射ユニットより能動的に電磁波を放射し、内視鏡装置の挿入部での電磁波の検出状態により、該挿入部が物体内にあるかどうか判別するので、どのような照明環境であっても、挿入部の物体内、物体外を確実に検出可能とする内視鏡システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1(A)は、本発明の第1実施形態に係る内視鏡システムの概略構成図であり、図1(B)は、第1実施形態に係る内視鏡システムの動作フローチャートを示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る内視鏡システムの構成を示す図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る内視鏡システムの照明に係わる構成を示す図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る内視鏡システムにおけるスコープ先端部を示す斜視図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る内視鏡システムにおける電磁波放射ユニットの構成を示す図である。
【図6】図6(A)は、本発明の第2実施形態に係る内視鏡システムにおける電磁波検出器の構成を示す断面図であり、図6(B)は同じく斜視図である。
【図7】図7は、電磁波検出器の別の構成例を示す斜視図である。
【図8】図8は、本発明の第3実施形態に係る内視鏡システムにおけるスコープ部の操作部近傍を示す斜視図である。
【図9】図9は、第3実施形態に係る内視鏡システムの変形例におけるスコープ部の操作部近傍を示す斜視図である。
【図10】図10は、本発明の第4実施形態に係る内視鏡システムにおける電磁波放射ユニットの配置位置を示す図である。
【図11】図11は、本発明の第5実施形態に係る内視鏡システムにおける挿入部の構成を示す模式図である。
【図12】図12は、本発明の第7実施形態に係る内視鏡システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る内視鏡システムは、図1(A)に示すように、物体Oの挿入口Iから挿入される内視鏡装置の挿入部10と、電磁波を放射する電磁波放射ユニット12と、該電磁波放射ユニット12から放射された電磁波を検出する検出部としての電磁波検出器14と、該電磁波検出器14の検出結果に基づいて、挿入部10が物体内にあるかどうかを判断する判断部16と、から構成される。ここで、電磁波放射ユニット12は物体外部に配置され、電磁波検出器14は挿入部10に配置されている。
【0014】
このような内視鏡システムでは、図1(B)に示すように、まず、判断部16は、内視鏡装置の動作開始に伴って、電磁波放射ユニット12に電磁波の放射を開始させる(ステップS1)。
【0015】
その後、判断部16は、電磁波検出器14の検出結果を受け、その検出結果より、電磁波検出器14で電磁波が検出されているか否かを判別する(ステップS2)。ここで、電磁波検出器14で電磁波が検出されていると判別した場合には、挿入部10が物体外にあると判断して、その旨を出力する(ステップS3)。その後、内視鏡装置の動作終了か否かを判別し(ステップS4)、まだ動作終了でなければ、上記ステップS2に戻る。
【0016】
これに対して、上記ステップS2において、電磁波検出器14で電磁波が検出されなくなったと判別したならば、判断部16は、挿入部10が物体内にあると判断して、その旨を出力する(ステップS5)。その後、上記ステップS4に進んで、内視鏡装置の動作終了か否かを判別し、まだ動作終了でなければ、上記ステップS2に戻る。
【0017】
そして、上記ステップS4において、内視鏡装置の動作終了と判別したならば、判断部16は、電磁波放射ユニット12に電磁波の放射を終了させて(ステップS6)、動作を終了する。
【0018】
なお、ここでは、何れの判断結果も出力するとしたが、少なくとも一方の判断結果を出力すれば、該判断部16の出力を受ける部材は、当該判断結果が出力されているか否かにより、挿入部10が物体内、物体外の何れであるかを知ることができる。
【0019】
以下、内視鏡装置が生体用内視鏡装置である場合を例に、より具体的な構成を説明する。
図2に示すように、生体用内視鏡装置は、医師等の作業者が手に持って作業を行うスコープ部18と、トロリTに搭載される本体部20と、に分離可能に構成されている。具体的には、スコープ部18から延在する接続ケーブル22が、本体部20のコネクタ等の接続部24に対して着脱可能に構成されている。
【0020】
なお、トロリTとは、内視鏡装置を搭載する移動可能なラックを言い、本体部20に加えて、モニタMの他、撮影画像を印刷するプリンタ等が搭載されるものである。このトロリTには、特に図示はしていないが、スコープ部18を保持する保持部が設けられており、本体部20にスコープ部18を接続した状態で、スコープ部18を吊り下げて保持できるようになっている。使用時にはスコープ部18を保持部から外して使用する。
【0021】
本体部20は、スコープ部18に電力を供給し、またスコープ部18の先端に配された撮像部(後述)が撮影した画像を処理したりする画像処理装置(ビデオプロセッサ)26と、例えばスコープ部18の先端から照明光を放射するための光源装置28を含む内視鏡観察に必要な様々な部材と、を備え、撮像部が撮影した画像等を表示するモニタMと接続している。
【0022】
なお、上述した判断部16は、画像処理装置26内に構成しても良いし、光源装置28内に構成しても良いし、それらとは独立して本体部20内に構成しても構わない。
【0023】
また、本体部20には、上述した電磁波放射ユニット12が配置されている。なお、図2では、画像処理装置26と光源装置28を一つの本体部20の筐体内に組み込んだ例を示したが、それぞれ別筐体でなる複数の装置を組み合わせて全体として一つの本体部20を構成するものであっても構わない。この場合、上述した電磁波放射ユニット12は、画像処理装置26、光源装置28の何れの筐体に組み込まれていても良い。
【0024】
光源装置28は、例えば、図3に示すように、発光点の小さなレーザや、紫外光、青色光などの比較的高エネルギーな光を放射するLEDといった励起光源30と、該励起光源30からその励起光を集光する光学系32とを備え、さらに特に図示はしていないが、励起光源30の発光量や発光タイミングを制御する光源制御部を備えている。一方、照明対象物に対しては、白色光等の観察に適した波長の光で照明されることが必要である。そこで、スコープ部18の先端部には、波長変換部34が搭載されている。そして、励起光源30と波長変換部34とは、光ファイバ36で接続されている。すなわち、光ファイバ36は、接続ケーブル22とスコープ部18の内部に配置されている。よって、励起光源30から射出された励起光が光ファイバ36を経由して波長変換部34に照射されると、波長変換部34から照明光が放射され、照明光は照明対象物に向かって照射される。
【0025】
なお、接続ケーブル22内には、光ファイバ36に加えて、スコープ部18と本体部20との間の電気配線も形成されていることは言うまでもない。
【0026】
一方、スコープ部18は、医師等の作業者が右手でその先端近傍を保持して生体の管腔に挿入操作する挿入部10と、作業者が左手で持って操作する操作部38と、によって構成されている。挿入部10は、管腔の屈曲に応じて容易に変形可能に構成され、操作部38の操作により湾曲する湾曲部40と、該湾曲部40の先端部に設けられた、変形しない硬質部42と、からなる。この硬質部42の先端面には、図4に示すように、照明光を射出する二つの照明光射出部44と、画像を撮影する撮像部46と、鉗子等を挿入するチャネル48と、が設けられている。照明光射出部44の硬質部42内部に、上記波長変換部34が搭載されている。また、撮像部46の硬質部42内部にCCD等の不図示撮像素子が搭載されている。
【0027】
さらに、挿入部10の硬質部42側面には、上述した電磁波検出器14が設けられている。この電磁波検出器14からは、電力が供給される電源配線や、検出した信号を伝送する信号配線等、図示しない配線が挿入部10内部を操作部38方向に向かって伸びている。
【0028】
なお、電磁波検出器14の設置位置に関しては、挿入部10を被検者の管腔に挿入する際に、ある深さまで挿入されたときに物体内つまり体内であると判断することが望ましい、適した深さが有る。例えば、管腔である口から食道、胃へと挿入部10を挿入していく場合、食道への挿入を確実に行うため、被検者ののど部では明るく照明される必要が有る。よって、口内の長さである唇部からのど部への長さを考慮すると、電磁波検出器14は、具体的には、硬質部42の先端の端部から5cm程度の範囲に設置されることが望ましい。さらには、硬質部42が口内に挿入された瞬間に体内と検出することを避けるためには、端部から1cm以上の位置に配置されることが望ましい。
【0029】
また、硬質部42内部の撮像部46が電磁波の影響を受けて画像ノイズが発生する可能性が有る場合、硬質部42全体を電磁波を通しにくい部材によりシールドすることが望ましい。このとき、電磁波検出器14は、シールド外部に配置されるか、シールドに開口を設けて配置する必要が有る。
【0030】
電磁波放射ユニット12が放射し、電磁波検出器14が検出する電磁波としては、人体を透過しない波長領域である赤外線、もしくは、数センチメートル厚の人体組織で十分減衰される波長領域の電波等であることが必要である。以下、電磁波放射ユニット12は赤外線放射素子であり、電磁波検出器14は赤外線検出器であるとして説明するが、電磁波放射ユニット12を電波放射素子、電磁波検出器14を電波検出器としても良いことは勿論である。
【0031】
電磁波放射ユニット12は、図5に示すように、赤外線を放射する赤外線LED50と電磁波制御回路52とにより構成される。これら赤外線LED50と電磁波制御回路52は、配線54にて接続される。電磁波制御回路52は、赤外線LED50から放射される電磁波の放射量や、変調パターン等を制御する機能を有している。ここで、別機器から放射された同波長の電磁波を誤検出することが無いように、赤外線LED50から放射される電磁波を所定のパターンで変調、例えば点滅させるようにしているものである。そのため、電磁波制御回路52は、その所定の変調パターン(点滅パターン)を記憶する図示しない記憶部分を有している。電磁波制御回路52は、この記憶部分に予め記憶した所定の点滅パターンで、配線54を通じて赤外線LED50に電力を供給し、これを点滅発光させる。
【0032】
なお、電磁波制御回路52は、図示しない電気配線により、本体部20内の図示しない電源に接続されている。
【0033】
以上のように、生体用内視鏡の場合の内視鏡システムにおいては、電磁波放射ユニット12から放射される電磁波(赤外線)をスコープ部18の挿入部10先端の硬質部42に設けられた電磁波検出器14が検出する構成である。赤外線は人体をほとんど透過しないため、挿入部10先端の硬質部42が口内等の管腔内に挿入されると、赤外線を検出する電磁波検出器14は、電磁波放射ユニット12から放射される赤外線をほとんど検出しない。一方、赤外線は空間内を効率よく伝播するため、遮蔽物がない場合には確実に電磁波検出器14により検出される。
【0034】
電磁波放射ユニット12は、トロリTまたはそれに搭載された本体部20に予め設置されている。トロリT上の本体部20はスコープ部18と接続されているため、トロリT及び本体部20、スコープ部18、被検者、作業者(医者)の位置関係はほぼ決まっている。従って、赤外線が被検者の管腔の挿入口Iへ確実に照射されるようなトロリTまたは本体部20の位置に、電磁波放射ユニット12を予め設置する。こうすることで、赤外線が管腔の挿入口Iへ確実に照射されるので、作業者やその他の室内部材の陰になり、スコープ部18先端の硬質部42が体外に有るにもかかわらず、電磁波検出器14が赤外線を検出できず、体内と判断してしまう、という恐れをほとんど無くすことができる。また、本実施形態では、室内灯等からの光を利用せず、専用の発信機(電磁波放射ユニット12)と受信機(電磁波検出器14)を用いており、さらに、電磁波放射ユニット12は、所定の点滅パターンで点滅するため、判断部16は、その点滅パターンに合致する赤外線が検出されたか否かにより、体内であるのか体外であるのか、を誤検出なく、確実に検出できる。
【0035】
なお、判断部16は、光源装置28の図示しない光源制御部と接続して、その判断結果を光源制御部に出力することができる。こうすることで、光源制御部は、体外では眼に対するMPEに基づく光量上限を設定し、また体内では皮膚に対するMPEに基づく光量上限を想定しつつ、観察に必要な光量が得られるように、励起光源30を制御することが可能となる。
【0036】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
なお、本第2実施形態も、生体用内視鏡装置による内視鏡システムとして説明する。以下、上記第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0037】
上記第1実施形態では、電磁波放射ユニット12は、トロリTまたはそれに搭載された本体部20の、赤外線が被検者の口等の管腔の開口部へ確実に照射されるような位置に、予め設置されているものとした。これに対し、本第2実施形態では、電磁波放射ユニット12は、任意の位置に着脱可能な独立したユニットとして構成している。
【0038】
例えば、図6に示すように、上記赤外線LED50や電磁波制御回路52等を一つの筐体56内に搭載し、該筐体56に、それを任意の位置に固定するための取付部材58を設ける。ここで、取付部材58は、作業者(医師や看護婦)のポケット等の被取付部に引っ掛ける形で取り付けるタイプのフックとして構成されており、被取付部への取り付け状態を確実に維持できるように、滑り止め60を有している。筐体56内部には、共通の配線基板62上に赤外線LED50と電磁波制御回路52が組み付けられ、さらに、該配線基板62上の不図示配線を介してそれらに電力を供給するバッテリ64が搭載されている。また、筐体56には、上記赤外線LED50に対応する位置に、赤外線を透過する赤外光放射窓66が設けられている。
【0039】
また、取付部材58としては、図7に示すように、被検者が横たわるベッドのフレームや作業者の腕を挟み込むように取り付けるタイプのフックとして構成することもできる。
【0040】
このように、取付部材58は、被取付部に適した形状、機能のものを選択して、筐体56に設ければよい。
【0041】
以上のような構成の電磁波放射ユニット12は、被検者の管腔の挿入口Iへの挿入部10の挿入の際に、その管腔の挿入口Iへ、より確実に赤外光を照射可能な位置に取り付けることができる。例えば、作業者の胸や腕、ベッドのポールやフレームで、挿入部10を直接または間接的に照明可能な位置に、電磁波放射ユニット12を取り付けることができ、その他、内視鏡システムのトロリTや検査室内の壁等、さまざまな場所に取り付けることができる。
【0042】
本実施形態の構成では、電磁波放射ユニット12を最適な位置に移動可能であるので、検査の種類等によって変化する、作業者、被検者、スコープ部18の位置関係等に応じて最適な位置に電磁波放射ユニット12を配置することができる。すなわち、病院の環境に応じて適切な位置に電磁波放射ユニット12を配置できる。
【0043】
また、電磁波放射ユニット12は、バッテリ64を用いているため、配線等がないので、配置する自由度がより高い。
【0044】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
なお、本第3実施形態も、生体用内視鏡装置による内視鏡システムとして説明する。以下、上記第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0045】
上記第1実施形態では、電磁波放射ユニット12は、トロリTまたはそれに搭載された本体部20の、赤外線が被検者の口等の管腔の挿入口Iへ確実に照射されるような位置に、予め設置されているものとした。これに対し、本第3実施形態では、電磁波放射ユニット12は、電磁波検出器14とともにスコープ部18に搭載している。
【0046】
例えば、電磁波放射ユニット12は、スコープ部18の操作部38(図2参照)に搭載されている。詳しくは、図8に示すように、操作部38(プラスティック等硬い部材であって、容易に変形しない)が挿入部10の湾曲部40と接続する接続部近傍であって、操作部38側端に搭載されている。特に、電磁波放射ユニット12の赤外線LED50(赤外光放射窓)は、操作部38のうち、作業者の手がかからない領域に配置されている。具体的には、操作部38のスコープ先端部側であって、作業者が左手で操作部38を保持したとき、右側を面する位置に取り付けられている。
【0047】
すなわち、作業者は、その利き手にかかわらず、操作部38のグリップ部68を左手で保持し、挿入部10の先端近傍を右手で保持して、被検者の管腔の挿入口Iに挿入部10を持っていく。したがって、本実施形態では、電磁波放射ユニット12は、操作部38を作業者が左手でグリップしたときに、その左手がかからない位置であって、かつ、右手側に面した位置に搭載されており、右手で保持される挿入部10先端方向へ、より確実に赤外線を放射できるように構成されている。
【0048】
この結果、赤外線が、作業者、被検者やその他の検査室内の部材等により遮られることを回避でき、挿入部10が被検者の体内、体外の何れにあるのかの検出の確実性を向上することができる。
【0049】
なお、電磁波放射ユニット12は、図9に示すように、操作部38のグリップ部68よりも本体部20側の位置に設けても良い。この場合も、電磁波放射ユニット12は、操作部38を作業者が左手で保持した時に、右側に面していることがより望ましい。
【0050】
図8のような位置よりも、図9のような位置の方が、電磁波放射ユニット12をグリップ部68の重心近くに配置できるため、作業者が電磁波放射ユニット12のサイズ、重さを感じにくい。よって、赤外線が、作業者、被検者やその他の検査室内の部材等により遮られることを回避でき、挿入部10が被検者の体内、体外の何れにあるのかの検出の確実性を向上することができるという効果を、より違和感なく享受できる。
【0051】
なお、電磁波放射ユニット12の位置は、作業者が絶対に掴まない位置で、被検者の口等の管腔の開口部に面する位置であれば、スコープ部18の他の位置であっても構わないことはもちろんである。
【0052】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を説明する。なお、本第4実施形態も、生体用内視鏡装置による内視鏡システムとして説明する。
【0053】
上記第1乃至第3実施形態では、電磁波放射ユニット12を1個のみとしていたが、本実施形態は、図10に示すように、複数の電磁波放射ユニット12を配置することで、死角を無くしたものである。
【0054】
即ち、上述した第1乃至第3実施形態に係る電磁波放射ユニット12を組み合わせて、トロリT、本体部20、作業者(医師や看護婦)OPのポケットや腕、被検者SU自身や被検者SUが横たわるベッドのフレーム、検査室内の壁、スコープ部18等、さまざまな場所に取り付ける。
【0055】
なおこの場合、複数の電磁波放射ユニット12が放射する赤外線はすべて同じ波長とし、所定の点滅パターンも同期させることが必要である。同期は、例えば、一つの電磁波放射ユニット12を親機として、それに同調させるようにすれば良く、高速で精密な、例えばマイクロ秒レベルでの同調は必要ないので、同調は容易である。
【0056】
このように、本実施形態では、同じ赤外線を複数のポイントから発光させることで死角を無くすことで、検出の確実性を向上することができる。
【0057】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態を説明する。なお、本第5実施形態も、生体用内視鏡装置による内視鏡システムとして説明する。
【0058】
上記第1乃至第4実施形態では、1つの電磁波検出器14をスコープ部18の挿入部10先端の硬質部42に配置している。これに対して、本実施形態は、硬質部42に複数の電磁波検出器14を配置し、それらの検出結果の差分を取ることで、スコープ部18の挿入部10先端の硬質部42の体内、体外の検出を確実にするものである。
【0059】
即ち、図11に示すように、硬質部42に所定距離離間させて、第1の電磁波検出器14−1と第2の電磁波検出器14−2を搭載する。ここで、先端側を第1の電磁波検出器14−1、手元側を第2の電磁波検出器14−2とすると、硬質部42全体が体外に有る場合、第1、第2の電磁波検出器14−1、14−2はほぼ同等の赤外線を検出している。硬質部42が被検者SUの管腔L内(体内)に挿入されるとき、まず第1の電磁波検出器14−1が赤外線を検出しなくなるが、このとき、第2の電磁波検出器14−2は電磁波を検出し続けている。そして、硬質部42が完全に体内に挿入されると、第1、第2の電磁波検出器14−1、14−2は何れも赤外線を検出しなくなる。
【0060】
したがって、第1、第2の電磁波検出器14−1、14−2は、正常に動作している場合、次の三つの場合のみが考えられる。
【0061】
(1) 両方とも同程度の赤外線を検出している。この場合は、挿入部10先端の硬質部42は、完全に体外にあると判断できる。
【0062】
(2) 第1の電磁波検出器14−1の検出量(赤外線光量)が、第2の電磁波検出器14−2のそれよりも小さく、かつ、徐々に小さく変化していく。この場合は、挿入部10先端の硬質部42は、徐々に管腔L内(体内)へ挿入されている状態であると判断できる。
【0063】
(3) 両方とも赤外線を検出していない。この場合は、挿入部10先端の硬質部42は、完全に管腔L内にあると判断できる。
【0064】
なお、上記三つの場合以外の場合は、電磁波放射ユニット12からの電磁波が正しく放射されていないか、または遮蔽物等の影響がある場合である。すなわち、このような場合は、挿入部10先端の硬質部42が管腔L内か外か(体内か体外か)が正しく検出できない恐れが有る。
【0065】
以上のように、本実施形態では、二つの電磁波検出器14−1,14−2を用いることで、二つの検出器の検出量を比較して、挿入部10が被検者の体内、体外の何れにあるのかをより確実に検出することができる。
さらに、管腔内外を検出する機構が正常に動作しているか否かを確認することができる。
【0066】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態を説明する。なお、本第6実施形態も、生体用内視鏡装置による内視鏡システムとして説明する。
【0067】
上記第1乃至第4実施形態では、1つの電磁波検出器14をスコープ部18の挿入部10先端の硬質部42に配置している。これに対して、本実施形態は、硬質部42以外の部分にさらに第2の電磁波検出器を配置し、それら二つの検出結果の差分を取ることで、スコープ部18の挿入部10先端の硬質部42の体内、体外の検出を確実にするものである。
【0068】
即ち、上記第5実施形態では、硬質部42に第1の電磁波検出器14−1と第2の電磁波検出器14−2を搭載したが、第2の電磁波検出器14−2を、例えばスコープ部18の操作部38に取り付ける。このような構成とすることにより、第2の電磁波検出器14−2の検出結果(赤外線受光量)により電磁波放射ユニット12が正常に動作していることが確認できる。また、スコープ部18まで電磁波(赤外線)が到達しているかどうか、その強度を知ることができるため、挿入部10先端の硬質部42に設けた第1の電磁波検出器14−1の検出強度と比較することにより、検出の確実性を向上することができる。
【0069】
また、第2の電磁波検出器14−2を、例えば本体部20に取り付けても良い。このような構成とすれば、第2の電磁波検出器14−2の検出結果(赤外線受光量)により、電磁波放射ユニット12が正常に動作していることが確認できる。
【0070】
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態を説明する。
上記第1乃至第6実施形態では、電磁波放射ユニット12を物体外部に配置し、電磁波検出器14(14−1と14−2、または14−1)を挿入部10に配置しているが、電磁波放射ユニット12と電磁波検出器14の配置関係は逆であっても構わない。
【0071】
即ち、図12に示すように、本第7実施形態に係る内視鏡システムは、物体Oの挿入口Iから挿入される内視鏡装置の挿入部10と、電磁波を放射する電磁波放射ユニット12と、該電磁波放射ユニット12から放射された電磁波を検出する検出部としての電磁波検出器14と、該電磁波検出器14の検出結果に基づいて、挿入部10が物体内にあるかどうかを判断する判断部16と、から構成され、電磁波放射ユニット12は挿入部10に配置され、電磁波検出器14は物体外部に配置されている。
【0072】
このような構成としても、上記第1乃至第6実施形態と同様の効果が得られる。
【0073】
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0074】
例えば、上記第1乃至第6実施形態は、生体用内視鏡装置の場合を例に説明したが、工業用内視鏡装置の場合にも同様に適用可能である。この場合、判断部16は、光源装置28の図示しない光源制御部と接続して、その判断結果を光源制御部に出力することができる。こうすることで、光源制御部は、物体外では、光源装置28の寿命を延ばしたり、省電力を達成するために、照明光を減光したり、停止したりするとともに、物体内では、観察に必要な光量が得られるように、励起光源30を制御することが可能となる。
【0075】
また、光源装置28は、波長変換部34は波長を変換せず、散乱させる散乱部や、ビームの広がり角等を変換する出射光特性変換部であっても良い。
【符号の説明】
【0076】
O…物体、 I…挿入口、 T…トロリ、 M…モニタ、 OP…作業者、 SU…被検者、 L…管腔、 10…挿入部、 12…電磁波放射ユニット、 14,14−1,14−2…電磁波検出器、 16…判断部、 18…スコープ部、 20…本体部、 22…接続ケーブル、 24…接続部、 26…画像処理装置、 28…光源装置、 30…励起光源、 32…光学系、 34…波長変換部、 36…光ファイバ、 38…操作部、 40…湾曲部、 42…硬質部、 44…照明光射出部、 46…撮像部、 48…チャネル、 50…赤外線LED、 52…電磁波制御回路、 54…配線、 56…筐体、 58…取付部材、 60…滑り止め、 62…配線基板、 64…バッテリ、 66…赤外光放射窓、 68…グリップ部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡装置の挿入部を物体の挿入口から挿入し、物体内面を観察する内視鏡システムにおいて、
電磁波を放射する電磁波放射ユニットと、
前記電磁波を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記挿入部が物体内にあるかどうかを判断する判断部と、
を具備し、
前記電磁波放射ユニットと前記検出部の何れか一方は物体外部に配置され、他方は前記挿入部に配置されることを特徴とする内視鏡システム。
【請求項2】
前記内視鏡システムは、生体の管腔に前記挿入部を挿入して使用する内視鏡システムであって、
前記電磁波放射ユニットは、前記管腔外に配置され、
前記検出部は、前記挿入部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記電磁波放射ユニットは、赤外線を放射する赤外線放射素子、または、それより波長の長い電波を放射する電波放射素子であることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記内視鏡システムは、前記挿入部を有するスコープ部と、該スコープ部で観察した観察画像を処理し、表示する本体部と、に分離可能であり、
前記判断部は、前記本体部内に構成され、
前記検出部は、前記スコープ部の前記挿入部に組み込まれており、
前記電磁波放射ユニットは、前記スコープ部とは別体であることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡システム。
【請求項5】
前記本体部は、トロリに搭載され、
前記電磁波放射ユニットは、前記本体部及びトロリの少なくとも一方に予め組み込まれていることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記電磁波放射ユニットは、任意の位置に着脱可能に構成されることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡システム。
【請求項7】
前記内視鏡システムは、前記挿入部を有するスコープ部と、該スコープ部で観察した観察画像を処理し、表示する本体部と、に分離可能であり、
前記判断部は、前記本体部内に構成され、
前記電磁波放射ユニットは、前記スコープ部の前記挿入部を除く領域に配置されており、
前記検出部は、前記スコープ部の前記挿入部に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡システム。
【請求項8】
前記電磁波放射ユニットは、前記スコープ部の操作部に搭載されることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡システム。
【請求項9】
前記スコープ部の前記挿入部の少なくとも先端部は硬質部として形成されており、
前記検出部は、前記挿入部の前記硬質部に配置されることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡システム。
【請求項10】
前記電磁波放射ユニットを複数備えることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
【請求項11】
前記電磁波を検出する第2の検出器を更に具備し、
前記判断部は、前記検出器の検出結果と前記第2の検出器の検出結果の差分により、前記挿入部が物体内にあるかどうかを判断することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
【請求項12】
前記電磁波放射ユニットは、前記電磁波として所定のパターンで変調された電磁波を放射することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
【請求項1】
内視鏡装置の挿入部を物体の挿入口から挿入し、物体内面を観察する内視鏡システムにおいて、
電磁波を放射する電磁波放射ユニットと、
前記電磁波を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記挿入部が物体内にあるかどうかを判断する判断部と、
を具備し、
前記電磁波放射ユニットと前記検出部の何れか一方は物体外部に配置され、他方は前記挿入部に配置されることを特徴とする内視鏡システム。
【請求項2】
前記内視鏡システムは、生体の管腔に前記挿入部を挿入して使用する内視鏡システムであって、
前記電磁波放射ユニットは、前記管腔外に配置され、
前記検出部は、前記挿入部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記電磁波放射ユニットは、赤外線を放射する赤外線放射素子、または、それより波長の長い電波を放射する電波放射素子であることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記内視鏡システムは、前記挿入部を有するスコープ部と、該スコープ部で観察した観察画像を処理し、表示する本体部と、に分離可能であり、
前記判断部は、前記本体部内に構成され、
前記検出部は、前記スコープ部の前記挿入部に組み込まれており、
前記電磁波放射ユニットは、前記スコープ部とは別体であることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡システム。
【請求項5】
前記本体部は、トロリに搭載され、
前記電磁波放射ユニットは、前記本体部及びトロリの少なくとも一方に予め組み込まれていることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記電磁波放射ユニットは、任意の位置に着脱可能に構成されることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡システム。
【請求項7】
前記内視鏡システムは、前記挿入部を有するスコープ部と、該スコープ部で観察した観察画像を処理し、表示する本体部と、に分離可能であり、
前記判断部は、前記本体部内に構成され、
前記電磁波放射ユニットは、前記スコープ部の前記挿入部を除く領域に配置されており、
前記検出部は、前記スコープ部の前記挿入部に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡システム。
【請求項8】
前記電磁波放射ユニットは、前記スコープ部の操作部に搭載されることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡システム。
【請求項9】
前記スコープ部の前記挿入部の少なくとも先端部は硬質部として形成されており、
前記検出部は、前記挿入部の前記硬質部に配置されることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡システム。
【請求項10】
前記電磁波放射ユニットを複数備えることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
【請求項11】
前記電磁波を検出する第2の検出器を更に具備し、
前記判断部は、前記検出器の検出結果と前記第2の検出器の検出結果の差分により、前記挿入部が物体内にあるかどうかを判断することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
【請求項12】
前記電磁波放射ユニットは、前記電磁波として所定のパターンで変調された電磁波を放射することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−143391(P2012−143391A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4118(P2011−4118)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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