説明

内視鏡洗浄消毒装置

【課題】2つのリミットスイッチを用いて、薬液ボトルのロック位置及び挿入完了位置、ロック位置よりも手前の位置を検知できる構成を有する内視鏡洗浄消毒装置を提供する。
【解決手段】薬液ボトル100と、挿入部80と、薬液受部62と、刃部と、第1のリミットスイッチ81と、第2のリミットスイッチ82とを具備し、第1のリミットスイッチ81は、薬液ボトル100が第1の位置まで移動されるとオフからオンに変化して第1の位置を検知し、第2のリミットスイッチ82は、薬液受部62の内面とクチバシ部とが並ぶ第2の位置まで薬液ボトル100が挿入されると、オフからオンに変化して第2の位置を検知し、第1のリミットスイッチ81は、栓部が開栓される第3の位置まで薬液ボトル100が挿入されると、段差部103により薬液ボトル100からの押圧が解除され、オンからオフに変化することによって第3の位置を検知することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液ボトルと、薬液ボトルが挿入される挿入部とを具備する内視鏡洗浄消毒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡洗浄消毒装置の挿入部に薬液ボトルを傾けて挿入してセットすると、薬液ボトルにおける薬液貯留部の天面に設けられた栓部は、挿入部の奥に位置する刃部によって破壊されることによって開栓され、その結果、薬液ボトル内の薬液が、自重により管路を介して内視鏡洗浄消毒装置の薬液タンク内に注入される。尚、薬液ボトル内には、例えば内視鏡の消毒に用いる消毒液の濃縮液や、消毒液の緩衝液が注入されている。
【0003】
この薬液ボトルのセットにおいて、特許文献1では、挿入部に設けられた2つのリミットスイッチにおいて、第1のリミットスイッチが、挿入部への薬液ボトルの挿入後、刃部が栓部に刺さる直前の薬液ボトルの位置を検知するとともに、第2のリミットスイッチが、薬液ボトルの栓部を刃部が開栓する薬液ボトルの挿入完了位置を検知する内視鏡洗浄消毒装置の構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−121832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、刃部が栓部に刺さる直前の薬液ボトルの位置は、ロック機構によって薬液ボトルの挿入部からの抜去方向への移動が固定されることにより、薬液ボトルは、挿入方向前方のみにしか移動できないロック位置となっている。
【0006】
これは、ロック位置においては、クチバシの外周部がシールされているため、刃部による栓部の開栓後、ロック位置まで抜去されて薬液が漏れてしまったとしても、漏れた薬液は、内視鏡洗浄消毒装置内に漏れることなく薬液タンクに注入されるが、刃部による栓部の開栓後、ロック位置よりも手前まで薬液ボトルが抜去されてしまうと、薬液は内視鏡洗浄消毒装置内に漏れてしまうためである。
【0007】
しかしながら、特許文献1の構成では、ユーザーによって挿入部内に薬液ボトルが挿入された際、ロック位置よりも手前の位置を検知する構成を有していない。このことから、ロック位置よりも手前の位置まで薬液ボトルを挿入した状態においてユーザーの不注意から長時間放置されてしまうと、挿入部において薬液ボトルは傾いた状態で挿入されているため、刃部によって栓部が開栓されていなくても、栓部の構造によっては薬液が内視鏡洗浄消毒装置内に漏れてしまう虞がある。
【0008】
尚、このような問題は、リミットスイッチ数を増やせば、ロック位置よりも手前の位置を検知することができることにより解消できるが、この場合、構造が複雑となり、また製造コストが増加してしまうといった問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、2つのリミットスイッチを用いて、薬液ボトルのロック位置及び挿入完了位置を検知できる他、ロック位置よりも手前の薬液ボトルの位置を検知できることにより、薬液ボトルの挿入初期位置を検知することができる構成を有する内視鏡洗浄消毒装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため本発明による内視鏡洗浄消毒装置は、薬液を貯留する薬液貯留部と、前記薬液貯留部の側面に設けられた段差部と、前記薬液貯留部の天面に設けられた破壊可能な栓部と、前記薬液貯留部の前記天面おいて前記栓部の外周を囲むクチバシ部とを具備する薬液ボトルと、前記薬液ボトルを前記天面側から挿入可能な挿入部と、前記挿入部に設けられ、前記クチバシ部よりも大きな径を有する薬液受部と、前記薬液受部内に配置され、前記薬液受部に挿入された前記薬液ボトルの前記栓部を開栓する刃部と、前記挿入部に設けられた第1のリミットスイッチと、前記挿入部に設けられた、前記第1のリミットスイッチよりも前記刃部側に位置する第2のリミットスイッチと、を具備し、前記第1のリミットスイッチは、前記挿入部に第1の位置まで前記薬液ボトルが挿入されると、当接する前記薬液ボトルに押圧されることによりオフ状態からオン状態に変化して前記第1の位置を検知し、前記第2のリミットスイッチは、前記第1のリミットスイッチがオン状態において前記薬液受部の内面と前記クチバシ部とが並ぶ第2の位置まで前記薬液ボトルが挿入されると、当接する前記薬液ボトルに押圧されてオフ状態からオン状態に変化して前記第2の位置を検知し、前記第1のリミットスイッチは、前記第2のリミットスイッチがオン状態において前記栓部に前記刃部が設定量刺さることにより前記栓部が開栓される第3の位置まで前記薬液ボトルが挿入されると、前記段差部により前記薬液ボトルからの押圧が解除され、オン状態からオフ状態に変化することによって前記第3の位置を検知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、2つのリミットスイッチを用いて、薬液ボトルのロック位置及び挿入完了位置を検知できる他、ロック位置よりも手前の薬液ボトルの位置を検知できることにより、薬液ボトルの挿入初期位置を検知することができる構成を有する内視鏡洗浄消毒装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施の形態を示す内視鏡洗浄消毒装置における薬液タンクへの薬液の注入構成の概略を示す図
【図2】図1の内視鏡洗浄消毒装置の挿入部に挿入される薬液ボトルを拡大して示す平面図
【図3】図2の薬液ボトルのクチバシ部を、図2中のIII方向からみた拡大平面図
【図4】図1の挿入部に薬液ボトルを挿入した直後の状態を概略的に示す図
【図5】図4よりも薬液ボトルを挿入方向前方に進行させ第1の位置まで挿入した状態を概略的に示す図
【図6】図5よりも薬液ボトルを挿入方向前方に進行させ第2の位置まで挿入した状態を概略的に示す図
【図7】図6よりも薬液ボトルを挿入方向前方に進行させ第3の位置まで挿入した状態を概略的に示す図
【図8】薬液ボトルの段差部を、切り欠きによって構成した薬液ボトルの変形例の構成の概略を示す図
【図9】薬液ボトルの段差部を、凸部によって構成した薬液ボトルの変形例の構成の概略を示す図
【図10】内視鏡洗浄消毒装置の外観の一例を示す斜視図
【図11】内視鏡洗浄消毒装置の内部構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施の形態を示す内視鏡洗浄消毒装置における薬液タンクへの薬液の注入構成の概略を示す図、図2は、図1の内視鏡洗浄消毒装置の挿入部に挿入される薬液ボトルを拡大して示す平面図、図3は、図2の薬液ボトルのクチバシ部を、図2中のIII方向からみた拡大平面図である。
【0014】
図1に示すように、内視鏡洗浄消毒装置1は、内部に薬液タンク58を有している。また、薬液タンク58よりも上方位置に、薬液ボトル100が天面側から挿入方向Sに向かって挿入可能な挿入部80が設けられている。尚、挿入部80に対しては、薬液ボトル100を、内視鏡洗浄消毒装置1に対して引き出し自在な図示しないカセットトレーを用いて挿入可能な構成であっても構わない。
【0015】
挿入部80は、一端に、内視鏡洗浄消毒装置1におけるユーザーが近接する前面の外表面に開口する挿入口80sを有しているとともに、他端に、挿入部80と薬液タンク58とを連通する薬液受部62が接続されている。図1では薬液受部62として管路が示されているが、形状は管路に限定されず開栓されたボトルから導出された薬液を薬液タンク58に導く形状であればよい。
【0016】
尚、挿入部80は、挿入部80に挿入された薬液ボトル100内の薬液を、薬液受部62を介して薬液タンク58に自重により注入できるよう、一端側から他端側に向かって下方に傾いて設けられている。
【0017】
また、挿入部80の他端側の内部には、挿入部80に挿入された薬液ボトル100の後述する栓部105(図3参照)を開栓する後述する刃部69(図4参照)が設けられている。
【0018】
さらに、挿入部80の上面には、後述する第1のリミットスイッチ81と、第1のリミットスイッチ81よりも刃部69側に位置する第2のリミットスイッチ82とが設けられている。
【0019】
また、内視鏡洗浄消毒装置1は、挿入方向Sにおいて、挿入部80に対して薬液ボトル100が後述する図6に示すように第2の位置まで挿入された後、薬液ボトル100の挿入部80に対する抜去方向Bへの動きを抑制する既知のロックアームを用いたロック部83を有している。尚、ロック部83によりロックされても、薬液ボトル100は、挿入方向Sの前方には移動できる構成となっている。
【0020】
尚、本実施の形態の挿入部80の構成は、第1のリミットスイッチ81、第2のリミットスイッチ82の設置位置以外は、従来から内視鏡洗浄消毒装置に用いられている薬液ボトルの挿入部と同じ構成であってもよい。即ち、刃部69の大きさ、形、設置位置、各リミットスイッチ81、82の形状、薬液ボトル100がロック部83によってロックされる挿入口80sからの距離、薬液ボトル100の栓部105が刃部69によって開栓される挿入口80sからの距離は従来と同じ距離であってもよい。
【0021】
薬液タンク58内に、薬液タンク58内に貯留される薬液の液量を段階的に検知する複数のレベルセンサ58a〜58dが設けられている。尚、各レベルセンサ58a〜58dからの薬液の液量の検知情報は、内視鏡洗浄消毒装置1内に設けられた制御部70に伝送されるようになっている。
【0022】
また、薬液タンク58には、上述した洗浄消毒槽4内の薬液を薬液タンク58に回収する際用いられる薬液回収管路61の端部が接続されているとともに、洗浄消毒槽4に薬液タンク58から薬液を供給する際用いられる薬液管路64の端部が接続されている。尚、薬液管路64には、薬液ポンプ65が介装されている。
【0023】
図2に示すように、薬液ボトル100は、例えば2つの薬液ボトル101、102から構成されており、このように複数の薬液ボトルを用いる場合には薬液ボトル101と薬液ボトル102とは、帯状部材104によって、各薬液ボトル101、102の底面と天面との位置が一致するよう一体的に構成してもよい。よって、挿入部80に対しては、薬液ボトル101、102は、一体的に挿入される。
【0024】
尚、薬液ボトル100は、当然、1つのボトルや、3つ以上のボトルから構成されていても構わない。
【0025】
薬液ボトル101は、薬液が貯留される薬液貯留部101aと、薬液貯留部101aの天面に設けられた、上述した刃部69によって破壊可能な栓部105(図3参照)と、薬液貯留部101aの天面において栓部105の外周を囲むとともに天面から突出して設けられた筒状のクチバシ部101bとを具備して主要部が構成されている。尚、薬液貯留部101a内には、例えば消毒液の濃縮液が貯留されている。尚、消毒液としては、過酢酸等が挙げられる。
【0026】
また、薬液受部62として管路を用いる場合、クチバシ部101bの突出端における外周縁部には、挿入部80に対して薬液ボトル101を挿入した際、管路62の内周面部に弾性力を以て水密気密となるよう当接することにより、管路62に対してクチバシ部101bをシールするシール部107が設けられていてもよい。
【0027】
薬液ボトル102は、薬液が貯留される薬液貯留部102aと、薬液貯留部102aの天面に設けられた、上述した刃部69によって破壊可能な栓部105(図3参照)と、薬液貯留部102aの天面において栓部105の外周を囲むとともに天面から突出して設けられた筒状のクチバシ部102bとを具備して主要部が構成されている。尚、薬液貯留部102a内には、例えば消毒液の緩衝液が貯留されている。緩衝液は、内視鏡への消毒液の浸透力を高める他、消毒液を長持ちさせる機能を有している。
【0028】
また、クチバシ部102bの突出端における外周縁部には、挿入部80に対して薬液ボトル102を挿入した際、管路62の内周面部に弾性力を以て水密気密となるよう当接することにより、管路62に対してクチバシ部102bをシールするシール部107が設けられていてもよい。
【0029】
また、薬液ボトル102の薬液貯留部102aの一つの側面、具体的には、挿入部80に挿入された際、上述した第1のリミットスイッチ81、第2のリミットスイッチ82に対向する側の側面102asに、段差部103が形成されている。
【0030】
尚、段差部103は、図1、図2に示すように、例えば凹部から構成されている。また、段差部103は、薬液ボトル101の薬液貯留部101aの一つの側面、具体的には、挿入部80に挿入された際、上述した第1のリミットスイッチ81、第2のリミットスイッチ82に対向する側の側面101asに設けられていても構わない。この場合、第1のリミットスイッチ81、第2のリミットスイッチ82は、薬液ボトル101に当接する構成となる。
【0031】
また、薬液ボトル101と薬液ボトル102とは、薬液ボトル102に段差部103が形成されている以外は、同じ大きさ、同じ形状に形成されている。勿論、薬液ボトル101に対して薬液ボトル102が違う形状、大きさに形成されていても構わない。
【0032】
さらに、薬液ボトル102の形状は、段差部103が形成されている以外は、従来の薬液ボトルの形状と同じである。また、薬液ボトル100が1つから構成されている場合は、1つの薬液ボトルの薬液貯留部の側面に段差部103が設けられていれば良く、3つ以上から構成されている場合は、いずれか1つの薬液貯留部の側面に段差部103が設けられていれば良い。
【0033】
過酢酸などの揮発性のある薬剤を貯留する場合には図3に示すように、栓部105に、孔部105hを形成し蒸気抜きができるようにしてもよい。
【0034】
次に、第1のリミットスイッチ81、第2のリミットスイッチ82の機能について、図4〜図7を用いて説明する。図4は、図1の挿入部に薬液ボトルを挿入した直後の状態を概略的に示す図、図5は、図4よりも薬液ボトルを挿入方向前方に進行させ第1の位置まで挿入した状態を概略的に示す図、図6は、図5よりも薬液ボトルを挿入方向前方に進行させ第2の位置まで挿入した状態を概略的に示す図、図7は、図6よりも薬液ボトルを挿入方向前方に進行させ第3の位置まで挿入した状態を概略的に示す図である。
【0035】
図4に示すように、第1のリミットスイッチ81、第2のリミットスイッチ82は、それぞれ腕部81a、82aと、腕部81a、82aの先端に設けられた当接部81b、82bを有している。
【0036】
また、第1のリミットスイッチ81、第2のリミットスイッチ82は、当接部81b、82bが薬液ボトル102の薬液貯留部102aの外表面に当接すると、押圧されてスイッチ状態が、OFFからONに変化するよう構成されており、スイッチ状態の変化を、制御部70(図1参照)に送信する機能を有している。
【0037】
即ち、第1のリミットスイッチ81、第2のリミットスイッチ82は、当接部81b、82bが当接により押圧されると、スイッチ状態がONになり、当接部81b、82bの押圧が終わると、スイッチ状態がOFFになるスイッチから構成されており、スイッチ状態の変化を、制御部70(図1参照)に送信することにより、薬液ボトル100の位置を検知する機能を有している。
【0038】
また、第1のリミットスイッチ81、第2のリミットスイッチ82は、挿入部80の上面において、第1のリミットスイッチ81の当接部81bが、薬液ボトル102の薬液貯留部102aの外表面に形成された凹部から構成された段差部103に嵌入可能な位置に設けられている。尚、凹部は、薬液ボトル101、102のどちら側に設けられていても良い。また、リミットスイッチは、薬液ボトル101のみに当接しても良く、薬液ボトル102のみに当接しても良い。さらに、第一のリミットスイッチ81のみが薬液ボトル1102に当接し、第二のリミットスイッチ82のみが薬液ボトル101のみに当接する場合でも構わない。
【0039】
第1のリミットスイッチ81、第2のリミットスイッチ82は、挿入部80に薬液ボトル100が挿入されていない場合や、図4に示すように、挿入口80sを介して挿入部80に薬液ボトル100が挿入された直後は、いずれもスイッチ状態はOFFとなっている。
【0040】
また、図5に示すように、第1のリミットスイッチ81は、薬液ボトル100が、図4よりも挿入方向Sの前方に挿入され、第1のリミットスイッチ81の当接部81bが薬液貯留部102aの外表面に当接する第1の位置まで挿入されると、第1のリミットスイッチ81の当接部81bが薬液貯留部102aの外表面に当接して押圧されることにより、スイッチ状態は、OFFからONに変化する。即ち、第1のリミットスイッチ81は、薬液ボトル100の第1の位置を検知する。尚、検知結果は、制御部70に送信される。また、第1の位置においては、第2のリミットスイッチ82のスイッチ状態は、OFFのままである。
【0041】
さらに、図6に示すように、第2のリミットスイッチ82は、第1のリミットスイッチのスイッチ状態が押圧に伴いONのままで、薬液ボトル100が、図5よりも挿入方向Sの前方に挿入され、第2のリミットスイッチ82の当接部82bが薬液貯留部102aの外表面に当接する、薬液受部62の内面とクチバシ部101b、102bとが並ぶ第2の位置まで移動されると、第2のリミットスイッチ82の当接部82bが薬液貯留部102aの外表面に当接して押圧されることにより、スイッチ状態は、OFFからONに変化する。即ち、第2のリミットスイッチ82は、薬液ボトル100の第2の位置を検知する。尚、検知結果は、制御部70に送信される。
【0042】
また、第2の位置においては、第1のリミットスイッチ81、第2のリミットスイッチ82とも、スイッチ状態はONになっている。尚、第2の位置においては、薬液ボトル100を構成する各薬液ボトル101、102のクチバシ部101b、102bの突出端に設けられた各シール部107は、薬液受部62の内周面に対して弾性力を以て水密気密に当接する。
【0043】
さらに、第2のリミットスイッチ82のスイッチ状態がOFFからONに変化する第2の位置においては、ONに変化後、上述したロック部83によって、薬液ボトル100の抜去方向Bへの動きがロックされる。即ち、第2の位置は、薬液ボトルのロック位置を構成している。
【0044】
これは、栓部105が開栓される前に、図6に示す第2の位置まで薬液ボトル100が抜去された場合、例え栓部105の孔部105hから薬液が漏れてしまったとしても、シール部107によって、クチバシ部101b、102bは、薬液受部62の内面と並んでいる事から、漏れた薬液は薬液受部62が受け止めるので装置内に浸入してしまうことを抑制できる。また、開栓後に抜去された場合も同様に、漏れた薬液は薬液受部62が受け止めるので装置内に進入してしまうことを抑制できる。
【0045】
図7に示すように、第1のリミットスイッチ81は、薬液ボトル100が、図6よりも挿入方向Sの前方に挿入され、第2のリミットスイッチ82のスイッチ状態が押圧に伴いONのままで、栓部105に刃部69が所定量刺さることにより栓部105が開栓される薬液ボトルの挿入完了位置となる第3の位置まで移動されると、段差部103を構成する凹部内に、当接部81bが嵌入することにより、薬液貯留部102aの外表面から当接部81bは押圧されなくなる。
【0046】
その結果、第1のリミットスイッチ81のスイッチ状態は、ONからOFFに変化する。即ち、第1のリミットスイッチ81は、薬液ボトル100の第3の位置を検知する。尚、検知結果は、制御部70に送信される。尚、この第3の位置においては、第2のリミットスイッチ82のスイッチ状態はONのままである。
【0047】
また、制御部70は、図5に示すように、第1の位置において第1のリミットスイッチ81のスイッチ状態がOFFからONに変化した後、ON状態が所定時間、例えば10秒以上続いた場合、即ち、薬液ボトル100が、図5から挿入方向Sの前方に移動されずに、図7に示すように、段差部103によって、設定時間後にOFF状態にならない場合、警告を報知する報知部を構成している。
【0048】
尚、制御部70による警告としては、図10に示すように、後述するメイン操作パネル25やサブ操作パネル13に表示される警告表示や、別途設けられた警告ランプの点灯や、警告音等、従来公知の技術が挙げられる。
【0049】
制御部70が報知部を構成していることにより、図5に示す第1の位置において、薬液ボトル100が長時間放置されてしまった場合であっても、その旨がユーザーに報知されることにより、薬液ボトル100を第3の位置まで挿入することを促すことができる。これにより、開栓前、図6に示す第2の位置よりも抜去方向Bの手前側に薬液ボトルが移動され、長時間放置されてしまった結果、薬液ボトルから薬液が内視鏡洗浄消毒装置1内に浸入しまうのを抑制できる。
【0050】
尚、変形例として、段差部103を構成する凹部を、本実施の形態よりも挿入方向S(抜去方向B)に大きく設け、第2の位置において、第1のリミットスイッチ81の当接部81bを凹部に嵌入させることによって、第1の位置においてONになっている第1のリミットスイッチ81のスイッチ状態をOFFにすることにより、第2の位置を検出し、第3の位置において、第1のリミットスイッチ81がOFFのままで、第2のリミットスイッチ82が薬液ボトル100に当接することにより、第2のリミットスイッチ82のスイッチ状態をOFFからONにすることにより、第3の位置を検出する構成も考えられる。
【0051】
このように、本実施の形態においては、第1のリミットスイッチ81の当接部81bが、薬液ボトル102の薬液貯留部102aの外表面に当接することによって、第1のリミットスイッチ81のスイッチ状態がOFFからONとなることにより薬液ボトル100の第1の位置を検知し、第2のリミットスイッチ82の当接部82bが薬液ボトル102の薬液貯留部102aの外表面に当接することによって第2のリミットスイッチ82のスイッチ状態がOFFからONとなることにより、前記薬液受部の内面と前記クチバシ部とが並ぶ第2の位置を検知し、第1のリミットスイッチ81の当接部81bが、薬液ボトル102の薬液貯留部102aの側面に形成された段差部103を構成する凹部に嵌入することによって、第1のリミットスイッチ81のスイッチ状態がONからOFFとなることにより、薬液ボトル100の第3の位置を検知すると示した。
【0052】
このことによれば、2つのリミットスイッチ81、82のみにより、薬液ボトル100のロック位置となる第2の位置及び挿入完了位置となる第3の位置を検知できる他、第2の位置よりも手前の薬液ボトル100の位置を第1のリミットスイッチ81によって検知できることにより、薬液ボトル100の挿入初期位置を検知することができる構成を有する内視鏡洗浄消毒装置1を提供することができる。
【0053】
また、本実施の形態においては、制御部70は、第1の位置において、第1のリミットスイッチ81がON状態となった後、設定時間経過後、第3の位置において、第1のリミットスイッチ81がOFF状態とならない場合、警告を報知すると示した。
【0054】
このことによれば、第1の位置において、薬液ボトル100が長時間放置され、挿入部80内に栓部105の孔部105hから薬液が漏れてしまう可能性がある状態であることを、確実にユーザーに警告することができることから、薬液ボトル100からの内視鏡洗浄消毒装置1内への薬液の漏れを、抑制することができ、ユーザーは認識することができる。
【0055】
また、以下、図8、図9を用いて、別の変形例を示す。図8は、薬液ボトルの段差部を、切り欠きによって構成した薬液ボトルの変形例の構成の概略を示す図、図9は、薬液ボトルの段差部を、凸部によって構成した薬液ボトルの変形例の構成の概略を示す図である。
【0056】
上述した本実施の形態においては、薬液ボトル102に形成される段差部103は、凹部により構成されていると示した。
【0057】
これに限らず、第3の位置において、第1のリミットスイッチ81をOFF状態にする段差部103であれば、どのような形状の段差であっても構わず、例えば、図8に示すような切り欠き203であっても構わない他、図9に示すように、凸部303から構成されていても構わない。
【0058】
尚、段差部103を凸部303から構成する場合、第1のリミットスイッチ81は、凸部303aを乗り越えることにより、OFF状態からON状態へと変化するとともに、凸部303bを乗り越えることにより、ON状態からOFF状態へと変化する構成である必要がある。即ち、凸部303a、303bに当接する度にON/OFFが切り替わる構成である必要がある。
【0059】
また、段差部103は、第1のリミットスイッチ81の当接部81bが当接後に、形成されるものであっても構わない。
【0060】
具体的には、薬液ボトル102の薬液貯留部102aの側面102asに機械的強度が弱い部位が設けられることにより、側面102asを段差の無い平坦な面に形成し、図7に示す第3の位置において、機械的強度が弱い部位が第1のリミットスイッチ81の当接部81bの当接後、当接部81bからの荷重により破壊されるか変形されるかにより、側面102asに段差部103が形成される構成であっても構わない。
【0061】
この場合、破壊後または変形後の機械的強度が弱い部位によって形成された段差部103により、第1のリミットスイッチ81のスイッチ状態はOFFとなることから、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
尚、以下、本実施の形態の薬液ボトル100が挿入される挿入部80を有する内視鏡洗浄消毒装置の構成の一例を、図10、図11を用いて示す。図10は、内視鏡洗浄消毒装置の外観の一例を示す斜視図、図11は、内視鏡洗浄消毒装置の内部構成の一例を示す図である。
【0063】
図10に示すように、内視鏡洗浄消毒装置1は、装置本体2と、その上部に、例えば図示しない蝶番を介して開閉自在に接続されたトップカバー3とにより主要部が構成されている。
【0064】
また、トップカバー3が、装置本体2に閉じられている状態では、装置本体2とトップカバー3とは、装置本体2及びトップカバー3の互いに対向する位置に配設された、例えばラッチ8により固定される構成となっている。
【0065】
装置本体2の操作者が近接する、図10中の前面であって、図10中における左半部の上部に、洗剤/アルコールトレー11が、装置本体2の前方へ引き出し自在に配設されている。
【0066】
洗剤/アルコールトレー11には、内視鏡を洗浄する際に用いられる洗浄剤が貯留された洗剤タンク11aと、洗浄消毒後の内視鏡を乾燥する際に用いられるアルコールが貯留されたアルコールタンク11bとが収納されており、洗剤/アルコールトレー11が引き出し自在なことにより、各タンク11a、11bに、所定に液体が補充できるようになっている。
【0067】
尚、洗剤/アルコールトレー11には、2つの窓部11mが設けられており、窓部11mにより、各タンク11a、11bに注入されている洗浄剤及びアルコールの残量が操作者によって確認できるようになっている。この洗浄剤は、図示しない給水フィルタにより濾過処理がされた水道水により所定の濃度に希釈される濃縮洗剤である。
【0068】
また、装置本体2の前面であって、図10中における右半部の上部に、上述した挿入部80が設けられている。挿入部80には、上述した薬液ボトル101、102が挿入可能となっている。
【0069】
さらに、装置本体2の前面であって、挿入部80の上部に、洗浄消毒時間の表示や、消毒液を加温するための指示釦等が配設されたサブ操作パネル13が配設されている。
【0070】
また、装置本体2の下部に、装置本体2の上部に閉じられているトップカバー3を、操作者の踏み込み操作により、装置本体2の上方に開くためのペダルスイッチ14が配設されている。
【0071】
また、装置本体2の上面において、例えば操作者が近接する前面側の端部寄りに、装置本体2の洗浄、消毒動作スタートスイッチ、及び洗浄、消毒モード選択スイッチ等の設定スイッチ類が配設されたメイン操作パネル25が設けられている。
【0072】
また、装置本体2の上面であって、操作者が近接する前面とは反対となる背面側に、装置本体2に水道水を供給するための、水道蛇口に接続された給水ホース(いずれも図示されず)が接続される給水ホース接続口31が配設されている。尚、給水ホース接続口31に、水道水を濾過するメッシュフィルタが配設されていてもよい。
【0073】
よって、図11に示すように、内視鏡洗浄消毒装置1は、給水ホース接続口31に、給水ホース31aの一端が接続され、この給水ホース31aの他端が外部の水道蛇口5に接続されることにより、水道水が供給される構成を有している。
【0074】
図11に示すように、給水ホース接続口31は、給水管路9の一端と連通している。この給水管路9は、他端が三方電磁弁10に接続されており、管路の中途において、給水ホース接続口31側から順に、給水電磁弁15と、逆止弁16と、給水フィルタ17とが介装されている。
【0075】
尚、給水フィルタ17は、定期的に交換できるように、カートリッジタイプの濾過フィルタとして構成されている。給水フィルタ17は、通過する水道水の異物、雑菌等を除去する。
【0076】
三方電磁弁10は、流液管路18の一端と接続されており、給水循環ノズル24に対する給水管路9と流液管路18との連通を内部の弁によって切り替える。つまり、給水循環ノズル24は、三方電磁弁10の切り替え動作により、給水管路9と流液管路18とのいずれか一方と連通する。また、流液管路18の他端側には、液体のみを移送することができる、液体の移送能力に優れた非自吸式のポンプである流液ポンプ19が介装されている。
【0077】
洗浄消毒槽4に配設された循環口56は、循環管路20の一端に接続されている。循環管路20の他端は、流液管路18の他端及びチャンネル管路21の一端と連通するように、2つに分岐している。チャンネル管路21の他端は、各送気送水/鉗子口用ポート33に連通している。また、図示しないが、チャンネル管路21の他端は、図示しない鉗子起上用ポートにも連通している。
【0078】
チャンネル管路21は、管路の中途において、一端側から順に、チャンネルポンプ26、チャンネルブロック27、チャンネル電磁弁28がそれぞれ介装されている。チャンネルブロック27とチャンネル電磁弁28の間におけるチャンネル管路21には、洗浄ケース6と一端が接続しているケース用管路30の他端が接続されている。このケース用管路30には、リリーフ弁36が介装されている。尚、チャンネルポンプ26は、液体と気体とをどちらも、非自吸式ポンプよりも高圧で移送することができる自吸式のポンプから構成されている。
【0079】
洗剤ノズル22は、洗浄剤管路39の一端と接続されており、洗浄剤管路39の他端は、洗剤タンク11aに接続されている。この洗浄剤管路39には、その中途に、洗浄剤を洗剤タンク11aから洗浄消毒槽4まで持ち上げるため高圧の自吸式のポンプから構成された洗剤用ポンプ40が介装されている。
【0080】
アルコールタンク11bは、アルコール管路41の一端と接続されており、このアルコール管路41はチャンネル管路21と所定に連通するように、チャンネルブロック27に接続されている。
【0081】
このアルコール管路41には、アルコールをアルコールタンク11bから洗浄消毒槽4まで持ち上げるため高圧の自吸式のポンプから構成されたアルコール供給ポンプ42と、電磁弁43とが介装されている。
【0082】
また、チャンネルブロック27には、気体を移送することができる自吸式ポンプから構成されたエアポンプ45からの空気を供給するためのエア管路44の一端が所定にチャンネル管路21と連通するように接続されている。このエア管路44は、他端が前記エアポンプ45に接続されており、エア管路44の中途位置には、逆止弁47と、定期的に交換されるエアフィルタ46とが介装されている。
【0083】
洗浄消毒槽4の第1の排水口55には、弁の切り替え動作により、外部へ洗浄液等を排出したり、薬液タンク58に消毒液を回収したりするための開閉自在な切替弁57が配設されている。
【0084】
切替弁57は、外部排水口へ接続される不図示の排水ホースと一端が接続されて連通する排水管路59の他端と接続されており、この排水管路59には、非自吸式のポンプから構成された排水ポンプ60が介装されている。また、切替弁57は、薬液回収管路61の一端と接続され、この薬液回収管路61の他端は薬液タンク58に接続されている。
【0085】
薬液タンク58は、上述したように、薬液ボトル100から薬液、例えば消毒液が供給されるように、薬液受部62の一端とも接続されている。この薬液受部62の他端は、カセットトレー12に所定に接続されている。
【0086】
また、薬液タンク58内には、一端に吸引フィルタ63が設けられた薬液管路64の前記一端部分が所定に収容されている。この薬液管路64は、他端が消毒液ノズル23に接続されており、中途位置に、消毒液を薬液タンク58から洗浄消毒槽4まで持ち上げるため高圧の自吸式のポンプから構成された薬液ポンプ65が介装されている。
尚、洗浄消毒槽4の底面50tの下部には、上述したように、例えば2つの超音波振動子52と、ヒータ53とが配設されている。また、ヒータ53の温度調節のため、洗浄消毒槽4の底面50tの略中央には、温度検知センサ53aが設けられている。
【0087】
このヒータ53は、洗浄消毒槽4内に貯留され、装置内を循環する消毒液を所定の温度に加温するためのものである。尚、消毒液には、その消毒効果が最も期待できる適正温度がある。この適正温度である前記所定の温度までヒータ53によって加温された消毒液は、内視鏡及び装置本体2内の各管路を有効的に消毒することができる。
【0088】
また、温度検知センサ53aは、洗浄消毒槽4内に貯留され、装置内を循環する消毒液の液温を検知し、その検知結果を制御部70へと伝達する。そして、制御部70は、温度検知センサ53aからの検知結果に基づいて、前記消毒液を前記所定の温度に保つように、ヒータ53を駆動、停止する制御を行う。
【0089】
また、内視鏡洗浄消毒装置1の内部には、外部のACコンセントから電力が供給される電源71と、この電源71と電気的に接続される制御部70が設けられている。この制御部70は、メイン操作パネル25及びサブ操作パネル13からの各種信号が供給され、上述した各ポンプ、各電磁弁などを駆動制御する。
【0090】
特に、制御部70は、少なくとも給水管路9内に対して、循環管路20、チャンネル管路21を介して、既知の水抜き、消毒、濯ぎを行うととともに、洗浄消毒槽4内の少なくとも水道水と消毒液とのいずれかを、薬液回収管路61を介して薬液タンク58に回収するか排水管路59を介して外部排水口から排水するかのいずれかを行う給水管路消毒プログラムを備えており、給水管路消毒プログラムに応じて、各弁及び各ポンプに対し既知の駆動制御を行う。
【0091】
また、制御部70は、内視鏡洗浄消毒装置1内の全管路内を消毒する全管路消毒プログラムや、ポート33にチューブを介して接続された内視鏡の内視鏡管路を洗浄消毒する内視鏡洗浄消毒プログラムも具備している。
【符号の説明】
【0092】
1…内視鏡洗浄消毒装置
2…装置本体
3…トップカバー
4…洗浄消毒槽
5…水道蛇口
6…洗浄ケース
8…ラッチ
9…給水管路
10…三方電磁弁
11…アルコールトレー
11a…洗剤タンク
11b…アルコールタンク
11m…窓部
12…カセットトレー
13…サブ操作パネル
14…ペダルスイッチ
15…給水電磁弁
16…逆止弁
17…給水フィルタ
18…流液管路
19…流液ポンプ
20…循環管路
21…チャンネル管路
22…洗剤ノズル
23…消毒液ノズル
24…給水循環ノズル
25…メイン操作パネル
26…チャンネルポンプ
27…チャンネルブロック
28…チャンネル電磁弁
30…ケース用管路
31…給水ホース接続口
31a…給水ホース
33…送気送水/鉗子口用ポート
36…リリーフ弁
39…洗浄剤管路
40…洗剤用ポンプ
41…アルコール管路
42…アルコール供給ポンプ
43…電磁弁
44…エア管路
45…エアポンプ
46…エアフィルタ
47…逆止弁
50t…底面
52…超音波振動子
53…ヒータ
53a…温度検知センサ
55…排水口
56…循環口
57…切替弁
58…薬液タンク
58a…レベルセンサ
58b…レベルセンサ
58c…レベルセンサ
58d…レベルセンサ
59…排水管路
60…排水ポンプ
61…薬液回収管路
62…薬液受部(管路)
63…吸引フィルタ
64…薬液管路
65…薬液ポンプ
69…刃部
70…制御部
71…電源
80…挿入部
80s…挿入口
81…リミットスイッチ
81a…腕部
81b…当接部
82…リミットスイッチ
82a…腕部
82b…当接部
83…ロック部
100…薬液ボトル
101…薬液ボトル
101a…薬液貯留部
101as…側面
101b…クチバシ部
102…薬液ボトル
102a…薬液貯留部
102as…側面
102b…クチバシ部
103…段差部
104…帯状部材
105…栓部
105h…孔部
107…シール部
303…凸部
B…抜去方向
S…挿入方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液を貯留する薬液貯留部と、前記薬液貯留部の側面に設けられた段差部と、前記薬液貯留部の天面に設けられた破壊可能な栓部と、前記薬液貯留部の前記天面おいて前記栓部の外周を囲むクチバシ部とを具備する薬液ボトルと、
前記薬液ボトルを前記天面側から挿入可能な挿入部と、
前記挿入部に設けられ、前記クチバシ部よりも大きな径を有する薬液受部と、
前記薬液受部内に配置され、前記薬液受部に挿入された前記薬液ボトルの前記栓部を開栓する刃部と、
前記挿入部に設けられた第1のリミットスイッチと、
前記挿入部に設けられた、前記第1のリミットスイッチよりも前記刃部側に位置する第2のリミットスイッチと、
を具備し、
前記第1のリミットスイッチは、前記挿入部に第1の位置まで前記薬液ボトルが挿入されると、当接する前記薬液ボトルに押圧されることによりオフ状態からオン状態に変化して前記第1の位置を検知し、
前記第2のリミットスイッチは、前記第1のリミットスイッチがオン状態において前記薬液受部の内面と前記クチバシ部とが並ぶ第2の位置まで前記薬液ボトルが挿入されると、当接する前記薬液ボトルに押圧されてオフ状態からオン状態に変化して前記第2の位置を検知し、
前記第1のリミットスイッチは、前記第2のリミットスイッチがオン状態において前記栓部に前記刃部が設定量刺さることにより前記栓部が開栓される第3の位置まで前記薬液ボトルが挿入されると、前記段差部により前記薬液ボトルからの押圧が解除され、オン状態からオフ状態に変化することによって前記第3の位置を検知することを特徴とする内視鏡洗浄消毒装置。
【請求項2】
報知部をさらに具備し、
前記報知部は、前記第1のリミットスイッチが前記第1の位置においてオフ状態からオン状態に変化した後、オン状態が所定時間続いた場合に、警告を報知することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡洗浄消毒装置。
【請求項3】
前記薬液ボトルの前記挿入部に対する抜去方向への動きを抑制するロック部をさらに具備し、
前記ロック部は、前記第2の位置において前記第2のリミットスイッチがオフ状態からオン状態に変化した後、前記薬液ボトルの前記抜去方向への動きをロックすることを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡洗浄消毒装置。
【請求項4】
前記段差部は、前記薬液貯留部の前記側面に設けられた凹部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内視鏡洗浄消毒装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−110475(P2012−110475A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261091(P2010−261091)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【特許番号】特許第4674272号(P4674272)
【特許公報発行日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】