説明

内視鏡装置

【課題】拍動している心臓の病変部を簡易に特定し、その組織の分光分析を簡易に行う。
【解決手段】体内に挿入される挿入部2と、心膜Aを介して心臓Bに照射する近赤外光からなる照明光を挿入部2の先端から射出させる照明手段3と、照明手段3から心臓Bに照射され、心臓Bから挿入部2の先端に戻る近赤外光からなる戻り光を撮影して心臓Bの2次元的な画像を取得する撮像手段5と、心膜Aを介して心臓Bに入射させる近赤外光を出射する一方、心臓Bから反射および/または散乱して戻る近赤外光を検出する分光プローブ8と、分光プローブ8による近赤外光の検出が行われているときに、分光プローブ8の先端近傍の領域に照明手段3からの照明光が照射されないように照明範囲を制限する照射制限手段13,14とを備える内視鏡装置1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、臓器における病変部を特定する方法として、癌等の病変部に特異的に集積する蛍光プローブを投与して、内視鏡観察下において励起光を照射し、蛍光プローブが発する蛍光を検出する観察方法が知られている。
また、疾患の検査を行うために組織の分光分析を行うことも知られている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−248281号公報
【特許文献2】特開平10−337274号公報
【特許文献3】特開2003−35666号公報
【特許文献4】特開2004−150984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、心臓における病変部を特定する場合には、心臓が脈動しているために内視鏡を病変部に対して固定することができず、病変部を特定することが困難であるとともに、特定された病変部の組織の分光分析を行うことも困難であるという問題がある。
【0005】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、拍動している心臓の病変部を簡易に特定し、その組織の分光分析を簡易に行うことができる内視鏡装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、体内に挿入される挿入部と、心膜を介して心臓に照射する近赤外光からなる照明光を前記挿入部の先端から射出させる照明手段と、該照明手段から心臓に照射され、心臓から前記挿入部の先端に戻る近赤外光からなる戻り光を撮影して心臓の2次元的な画像を取得する撮像手段と、前記心膜を介して心臓に入射させる近赤外光を出射する一方、心臓から反射および/または散乱して戻る近赤外光を検出する分光プローブと、該分光プローブによる近赤外光の検出が行われているときに、該分光プローブの先端近傍の領域に前記照明手段からの照明光が照射されないように照明範囲を制限する照射制限手段とを備える内視鏡装置を提供する。
【0007】
本発明によれば、挿入部の先端を体内に挿入し、心膜を介して心臓に対向させた状態で、照明手段を作動させて近赤外光からなる照明光を心臓に照射し、心臓から戻る近赤外光からなる戻り光を撮像手段によって撮影することにより、心膜の外部から心膜を透過して心臓の2次元的な画像を取得することができる。一方、心膜を介して心臓に対向させた分光プローブの先端から近赤外光を心臓に入射させ、心臓表面から反射して戻る近赤外光や、心臓内部で散乱して戻る近赤外光を検出することにより、心臓表面や内部の状態を分光分析することが可能となる。
【0008】
この場合において、本発明によれば、照射制限手段の作動により、分光プローブによる近赤外光の検出が行われているときには、分光プローブの先端近傍の領域に照明手段からの照明光が照射されないように照明範囲が制限されるので、照明手段からの近赤外光が分光プローブによって検出されてしまう不都合の発生を防止することができる。これにより、撮像手段により取得した画像を用いて心臓表面の状態を確認しながら、心臓表面およびの内部の組織を分光分析することができる。
【0009】
上記発明においては、前記照明手段が、挿入部の基端側に配置される光源部と、該光源部からの照明光を挿入部の先端まで導光する導光部材とを備え、前記照射制限手段が、前記光源部に設けられ、前記導光部材への照明光の入射範囲を切り替える切替手段を備えていてもよい。
【0010】
このようにすることで、挿入部の基端側に配置された光源部から発せられた近赤外光が導光部材によって挿入部の先端まで導光されて、心臓に向けて照射される。分光プローブによる観察を行う場合には、切替手段の作動により導光部材への照明光の入射範囲を切り替えることにより、簡易に、分光プローブの先端近傍への照明光の照射が制限され、画像を取得するための照明光の影響を受けることなく、心臓用面および内部の組織を分光分析することができる。
【0011】
また、上記発明においては、前記挿入部に、長手方向に沿って前記分光プローブを挿通させ、その先端開口から分光プローブの先端部を出没させる器具用チャネルが備えられ、前記照射制限手段が、挿入部の先端に前記照明手段からの照明光の射出口の一部を開閉するように移動可能に配置される遮蔽部材と、前記分光プローブの先端開口からの突出動作に連動させて前記遮蔽部材による前記射出口の閉鎖量を増大させる連動機構とを備えていてもよい。
【0012】
このようにすることで、挿入部の器具用チャネルの先端開口から分光プローブを突出させると、連動機構の作動により遮蔽部材による射出口の閉鎖量が増大させられるので、分光プローブの先端近傍への照明光の照射が制限され、画像を取得するための照明光の影響を受けることなく、心臓の内部のより正確な分光分析を行うことができる。逆に、分光プローブを先端開口から器具用チャネルの内部に後退させると、連動機構の作動により遮蔽部材による射出口の閉鎖量が低下させられるので、広い範囲に照明光を照射して、視野範囲の広い観察を行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、拍動している心臓の病変部を簡易に特定し、その組織の分光分析を簡易に行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る内視鏡装置1について、図1〜図4を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る内視鏡装置1は、図1および図2に示されるように、体内に挿入される挿入部2と、近赤外光からなる照明光を射出する光源部3と、挿入部2の長手方向に沿って配置され、光源部3から発せられた照明光を挿入部2の先端まで導光するファイババンドル4と、挿入部2の先端に配置された撮像素子5と、挿入部2の先端を心膜Aに固定する固定手段6と、挿入部2に長手方向に沿って設けられた鉗子チャネル(器具用チャネル)7を介して挿入部2の先端から出没させられる分光プローブ8と、撮像素子5および分光プローブ8により取得された信号を処理する信号処理部9と、該信号処理部9により処理されて生成された画像を表示する表示部10とを備えている。
【0015】
光源部3は、近赤外光からなる照明光を発生する近赤外光源11と、該近赤外光源11から発せられた近赤外光をファイババンドル4の端面に集光するカップリングレンズ12と、該カップリングレンズ12により集光された近赤外光の光路上に進退可能に設けられるマスク13と、該マスク13を近赤外光の光路上に進退させるマスク位置制御部14とを備えている。
【0016】
マスク13は、カップリングレンズ12により集光された近赤外光全体をファイババンドル4に入射させる後退位置と、近赤外光の一部のファイババンドル4への入射を制限する前進位置とに移動させられるようになっている。
マスク13が後退位置に移動させられたときには、図3(a)に示されるように、近赤外光が視野範囲全体に照射されるようになっている。一方、マスク13が前進位置に移動させられたときには、図3(b)に示されるように、近赤外光は視野範囲の一部に照射され、分光プローブ8の先端面8aの周辺位置には照射されないようになっている。
【0017】
固定手段6は、挿入部2の先端に装着される筒状の吸引キャップ15と、図2に示されるように、挿入部2に設けられたチャネル16を介して吸引キャップ15内の空気を吸引する図示しない吸引手段とを備えている。吸引キャップ15は、少なくとも心膜Aに密着させられる先端部が柔軟な材質により構成されている。吸引キャップ15の先端を心膜Aに密着させた状態で吸引手段を作動させて吸引キャップ15内の空気を吸引することにより、吸引キャップ15内を減圧して、挿入部2の先端を心膜Aに対向させた状態で心膜Aに吸着固定することができるようになっている。
【0018】
分光プローブ8は、先端面8aから心臓Bに対して近赤外光Lを照射し、心臓Bの表面、内部において反射、散乱して戻る近赤外光Lを検出するようになっている。分光プローブ8には、該分光プローブ8を長手方向に移動させるプローブ移動機構17と、該プローブ移動機構17を制御するプローブ位置制御部18が設けられている。プローブ位置制御部18はマスク位置制御部14に接続されている。
プローブ位置制御部18の作動により、分光プローブ8の先端面8aが鉗子チャネル7の先端開口から突出させられたときには、マスク位置制御部14の作動によりマスク13が前進位置に移動させられ、分光プローブ8の先端面8aが鉗子チャネル7の先端開口内に後退させられたときには、マスク13が後退位置に移動させられるようになっている。
【0019】
信号処理部9は、撮像素子5により撮影された心臓Bの表面の像を処理して画像を生成する画像生成部19と、分光プローブ8により検出された近赤外光Lをスペクトル分析する分光分析部20と、画像生成部19により生成された画像および分光分析部20による分析結果を対応づけて記憶する記憶部21を備えている。
【0020】
撮像素子5および分光分析部20は、所定の時間間隔をあけて、心臓Bの撮影および近赤外光Lの検出を同時に行うようになっている。
分光プローブ8は鉗子チャネル7から出没させられて、撮像素子5により取得される画像の画角内の所定の位置における心臓Bの組織の分光分析を行うようになっている。
【0021】
画像処理部22は、画像生成部19により生成された複数の画像を処理して特徴点Pを抽出するようになっている。特徴点Pとしては、例えば、画像上の高輝度領域を挙げることができる。
複数の特徴点Pが抽出された場合、その特徴点Pのうちから、最も多くの画像に共通する特徴点Pを選択するようになっている。そして、画像処理部22は、選択された共通の特徴点Pの位置を基準として各画像において分光プローブ8による検出位置座標を算出するようになっている。
【0022】
記憶部21は、分光分析部20による分析結果と、画像処理部22により算出された分光プローブ8による検出位置座標とを対応づけて記憶するようになっている。
また、画像処理部22は、記憶部21に記憶されている画像の内からいずれかの画像を選択し、選択された画像に分析結果を合成し、表示部10に出力するようになっている。
すなわち、画像処理部22は、選択した画像内に存在する特徴点Pを手がかりとして、特徴点Pを基準とした検出位置座標に、分析結果を貼り付けるように合成するようになっている。
【0023】
このように構成された本実施形態に係る内視鏡装置1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る内視鏡装置1を用いて心臓Bの観察を行うには、先端に吸引キャップ15を取り付けた挿入部2の先端を体内に挿入し、光源部3を作動させて、心膜Aを介して心臓Bの表面を照明し、心臓Bの表面からの戻り光を撮像素子5により撮影する。光源部3からは近赤外光が照明光として出射されるので、心膜Aの外側から心臓Bの表面の画像を取得することができる。
【0024】
このとき、マスク位置制御部14は、マスク13を後退位置に配置し、マスク13が視野内に入らないように設定している。したがって、図3(a)に示されるように、視界がマスク13によって制限されない視野全体の画像Gaが取得される。
【0025】
そして、心臓Bの観察したい範囲が確認された状態で、吸引キャップ15の先端を心膜Aに密着させ、吸引手段を作動させることにより吸引キャップ15内を減圧して吸引キャップ15により挿入部2を心膜に吸着固定する。
この状態で、挿入部2の鉗子チャネル7から分光プローブ8の先端を突出させ、分光プローブ8の先端面8aを心膜Aに密着させる。
【0026】
そして、照明手段によって、心膜Aを介して心臓Bの表面を照明し、心臓Bの表面からの戻り光を撮像素子5により撮影する工程と、分光プローブ8の先端面8aから近赤外光Lを射出させて、心臓Bに入射させ、心臓Bの表面、内部において反射、散乱して戻る近赤外光Lを検出する工程とを同時に行う。
【0027】
このとき、マスク位置制御部14は、マスク13を前進位置に配置し、光源部3からの近赤外光が、分光プローブ8の先端面8aを含む近傍領域に照射されないように設定される。したがって、図3(b)に示されるように、視界がマスク13によって制限された画像Gbが取得される。図中、符号Cはマスク13による影である。
そして、分光プローブ8の先端面8aの近傍領域には光源部3からの近赤外光が照射されないので、分光プローブ8により検出される近赤外光Lを、ほぼ分光プローブ8から射出された近赤外光Lのみとすることができる。
【0028】
このようにして、心臓Bの外面の多数の画像が画像生成部19により生成され、記憶部21に記憶されるとともに、画像処理部22において、複数の画像内の共通の特徴点Pが検出される。一方、分光分析部20においては各画像の取得と同時に検出された近赤外光Lの分光分析が行われる。
【0029】
また、各画像の画角内における分光プローブ8の位置は定まっているので、検出された特徴点Pを基準とした分光プローブ8の位置座標を検出位置座標として、各画像と同時に検出された近赤外光Lの分光分析結果が対応づけられて、記憶部21に記憶される。
そして、画像処理部22においては、記憶部21に記憶されているいずれかの画像と、記憶部21に記憶されている分光分析結果とが合成される。
【0030】
すなわち、画像処理部22においては、記憶部21に記憶されている画像内における上述した共通の特徴点Pを基準として、記憶部21に記憶されている検出座標位置に、当該検出座標位置と対応づけて記憶されている分光分析結果に貼り付けることにより合成される。分光分析結果としては、ケモメトリクス等の統計解析の結果、心臓組織内のコラーゲンや脂質等の構成成分量や割合等の算出値を用いることができる。
【0031】
例えば、所定の時間間隔で撮影と検出とを繰り返すことにより、図4(a)〜(e)に示されるように、複数の画像と、分光プローブ8の先端位置における分光分析結果とが得られる。
各画像の処理により、共通の特徴点Pが抽出され、分光プローブ8の先端位置の座標が、特徴点Pからの相対座標(ΔXn,ΔYn)(nは1〜4)として、上記分光分析結果と対応づけて記憶部21に記憶される。
【0032】
この状態で、観察者の指定により、あるいは画像処理部22によって自動的に、いずれか一の画像が選択されると、図5に示されるように、その画像内に、該画像に含まれる特徴点Pを基準とした相対座標(ΔXn,ΔYn)の位置に、分光分析結果が貼り付けられる。分光分析結果は、例えば、輝度に応じた色により表示される(図においては、ハッチングの密度が色の違い、すなわち、分光分析結果の違いを示している。)。
また、時間間隔を十分に小さく設定することにより、連続する特定の領域における分光分析結果を静止画像中に表示することができる。
【0033】
このように、本実施形態に係る内視鏡装置1によれば、挿入部2の先端を心膜Aに固定するので、拍動している心臓Bに固定する必要がなく、挿入部2の先端を移動している病変部に追従させずに済むという利点がある。その結果、心臓Bの観察を簡易に行うことができるとともに、心臓Bの拍動を利用して、広範囲にわたる心臓Bの観察を行うことができる。
【0034】
そして、取得された画像の中から選択したいずれか一枚の静止画像に分析結果を貼り付けていくので、観察者は、拍動する心臓Bの動画を観察するのではなく、表示部10に表示される静止画像により、病変部を容易に特定することができ、かつ、その組織の分光分析を簡易に行うことができるという利点がある。
【0035】
また、本実施形態に係る内視鏡装置1によれば、分光プローブ8による分光測定時に、分光プローブ8の先端面8aの近傍領域には光源部3からの近赤外光が照射されないので、分光プローブ8により検出される近赤外光に、光源部3からの近赤外光を混入させずに済む。その結果、精度よく分光分析を行うことができ、かつ、同時に取得される心臓Bの画像を見ながら、分光分析を行うことができる。
【0036】
なお、本実施形態においては、光源部3においてマスク13を進退させて近赤外光源11からの近赤外光の照射範囲を切り替えることとしたが、これに代えて、図6に示されるように、吸引キャップ15にファイババンドル4の前方に出没させられる可動部材23を設け、分光プローブ8の進退に応じて可動部材をファイババンドル4の前方に出没させることにしてもよい。
【0037】
図6に示す例では、可動部材23は吸引キャップ15に移動可能に設けられ、図示しないバネのような弾性部材によって、ファイババンドル4の前方から後退する方向に付勢されている。また、可動部材23には分光プローブ8に接触する傾斜面23aが設けられている。
【0038】
図6(a)に示されるように、分光プローブ8が挿入部2内に後退させられている状態では、ファイババンドル4からの近赤外光の照射範囲は可動部材23によって制限されていない。一方、図6(b)に示されるように、分光プローブ8が挿入部2から突出させられて分光測定が行われるときには、可動部材23が矢印に示される方向に移動させられて、ファイババンドル4の前方に突出させられ、ファイババンドル4から出射される近赤外光が、分光プローブ8の先端面8a近傍に照射されないように制限される。これにより、上記と同様に、心臓Bの外面を観察しながら、同時に、精度よく分光分析を行うことができるという利点がある。
吸引キャップ15に可動部材23を設けることに代えて、吸引キャップ15とは別体のキャップ(図示略)に可動部材23を設けることにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る内視鏡装置を示すブロック図である。
【図2】図1の内視鏡装置における挿入部の心膜への固定方法を説明する部分的な縦断面図である。
【図3】図1の内視鏡装置により取得された画像例であって、(a)分光測定を行っていない場合、(b)分光測定析を行っている場合をそれぞれ示す図である。
【図4】図1の内視鏡装置により取得された(a)〜(d)画像例および(e)分光分析結果例を示す図である。
【図5】図4の分光分析結果を選択された一枚の静止画像に貼り付けた合成画像を示す図である。
【図6】図1の内視鏡装置の変形例であって、(a)分光測定を行っていない場合、(b)分光測定析を行っている場合をそれぞれ示す部分的な縦断面図である。
【符号の説明】
【0040】
A 心膜
B 心臓
L 近赤外光
P 特徴点
1 内視鏡装置
2 挿入部
3 光源部(照明手段)
4 ファイババンドル(導光部材)
5 撮像素子(撮像手段)
7 鉗子チャネル(器具用チャネル)
8 分光プローブ
13 マスク(照射制限手段)
14 マスク位置制御部(照射制限手段:切替手段)
23 可動部材(照射制限手段:遮蔽部材)
23a 傾斜面(連動機構)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内に挿入される挿入部と、
心膜を介して心臓に照射する近赤外光からなる照明光を前記挿入部の先端から射出させる照明手段と、
該照明手段から心臓に照射され、心臓から前記挿入部の先端に戻る近赤外光からなる戻り光を撮影して心臓の2次元的な画像を取得する撮像手段と、
前記心膜を介して心臓に入射させる近赤外光を出射する一方、心臓から反射および/または散乱して戻る近赤外光を検出する分光プローブと、
該分光プローブによる近赤外光の検出が行われているときに、該分光プローブの先端近傍の領域に前記照明手段からの照明光が照射されないように照明範囲を制限する照射制限手段とを備える内視鏡装置。
【請求項2】
前記照明手段が、挿入部の基端側に配置される光源部と、該光源部からの照明光を挿入部の先端まで導光する導光部材とを備え、
前記照射制限手段が、前記光源部に設けられ、前記導光部材への照明光の入射範囲を切り替える切替手段を備える請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記挿入部に、長手方向に沿って前記分光プローブを挿通させ、その先端開口から分光プローブの先端部を出没させる器具用チャネルが備えられ、
前記照射制限手段が、挿入部の先端に前記照明手段からの照明光の射出口の一部を開閉するように移動可能に配置される遮蔽部材と、前記分光プローブの先端開口からの突出動作に連動させて前記遮蔽部材による前記射出口の閉鎖量を増大させる連動機構とを備える請求項1に記載の内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−63839(P2010−63839A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235633(P2008−235633)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】