説明

内視鏡装置

【課題】簡単な構造にて、挿入部が挿通されたシースを挿入部とともに、被検体内において被検部位まで容易に進行させることのできる構成を有する内視鏡装置を提供する。
【解決手段】挿入部10とシース50との間隙に設けられた、気体Aが通過する気体通過部2と、シース50の基端側に設けられた、外部から気体通過部2に気体Aを導入する気体導入口金20と、シース50の基端側に位置する潰し部Tと、を具備し、潰し部Tが潰されて、シース50の径方向において対向する部位の一部が潰されることによって、挿入部10に対してシース50の潰された部位が摩擦を以て当接することにより、挿入部10とシース50とが一体的に動作可能となることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細長な挿入部を具備する内視鏡と、内部に挿入部が挿通されるとともに、挿通された挿入部とともに被検体内へ挿入される耐熱用シースとを具備する内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、内視鏡装置は、医療分野及び工業用分野において広く利用されている。医療用分野において利用されている内視鏡装置は、被検体である被検者の体腔内に細長の挿入部を挿入することによって、体腔内の被検部位の臓器を観察したり、必要に応じて、内視鏡の処置具挿通管路に挿通した処置具を用いて、体腔内の被検部位に対して治療、処置等をしたりすることができる。
【0003】
また、工業用分野において用いられる内視鏡装置は、内視鏡の細長い挿入部をジェットエンジン内や、工場の配管等の被検体内に挿入することによって、被検体内の被検部位の傷及び腐蝕等の観察や各種処置等を行うことができる。
【0004】
ところで、工業用分野において用いられる内視鏡において、挿入部を、高温環境下、例えば、雰囲気の温度が200℃〜300℃を有する被検体内に挿入する際、通常、内視鏡の動作保証範囲は、100℃程度であることから挿入部をそのまま被検体内に挿入してしまうと内視鏡が故障してしまう、具体的には、挿入部に設けられた撮像素子等が故障してしまうといった問題がある。よって、通常は、耐熱性を有するシースを被検体内に挿入し、シース内に挿入部を挿通することによって、高温環境下であっても内視鏡観察が行える手法が行われている。尚、以下、内視鏡と、該内視鏡の挿入部が挿通されるシースとから構成されたものを内視鏡装置と称す。
【0005】
また、特許文献1、2には、シース内に挿通された挿入部とシースの間隙に冷却用流体を供給することにより、高温環境下において、挿入部を冷却しながら内視鏡観察が行える内視鏡装置の構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−46482号公報
【特許文献2】特開2007−296047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、内部に内視鏡の挿入部が挿通されたシースを、被検体、例えば複雑な構成を有する機器内部において被検部位まで進行させていく場合には、作業者は、把持したシースの基端側に対し、押し引き動作を行ったり、捩り動作を行ったりする必要が生じる。
【0008】
しかしながら、特許文献1、2に開示された構成においては、シースに対し挿入部が固定されていないため、シースに付与された押し引き動作や捻り動作が、挿入部に伝達され難く、挿入部をシースとともに、被検部位まで挿入し難いといった問題があった。
【0009】
このような問題に鑑み、シース内部において、シースに対し挿入部を固定する構成も考えられるが、この場合、シース内部の構造が複雑になってしまうといった問題がある。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構造にて、挿入部が挿通されたシースを挿入部とともに、被検体内において被検部位まで容易に進行させることができる構成を有する内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明による内視鏡装置は、細長な挿入部を具備する内視鏡と、内部に前記挿入部が挿通されるとともに、挿通された前記挿入部とともに被検体内へ挿入される耐熱用シースとを具備する内視鏡装置において、前記挿入部と前記シースとの間隙に設けられた、流体が通過する流体通過部と、前記シースの挿入方向の基端側に設けられた、外部から前記流体通過部に前記流体を導入する流体導入口金と、前記シースの前記挿入方向の基端側に位置する潰し部と、を具備し、前記潰し部が潰されて、前記シースの径方向において対向する部位の一部が潰されることによって、前記挿入部に対して前記シースの潰された部位が摩擦を以て当接することにより、前記挿入部と前記シースとが一体的に動作可能となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単な構造にて、挿入部が挿通されたシースを挿入部とともに、被検体内において被検部位まで容易に進行させることのできる構成を有する内視鏡装置を提供することができる構成を有する内視鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1(a)】第1実施の形態の内視鏡装置の構成を示す部分断面図
【図1(b)】図1(a)のガイドチューブの基端側に薄肉部を形成し、薄肉部に潰し部を設けた変形例を示す部分断面図
【図1(c)】図1(a)のガイドチューブの基端側に切り欠き部を形成し、切り欠き部に潰し部を設けた変形例を示す部分斜視図
【図1(d)】図1(a)のガイドチューブの基端側にスポンジゴムを設け、該スポンジゴムに潰し部を設けた変形例を示す部分斜視図
【図1(e)】図1(d)の縦断面図
【図2】図1の潰し部近傍を拡大して示す部分断面図
【図3】図2中のII-II線に沿う潰し部の断面図
【図4】図1の潰し部の変形例の構成を拡大して示す部分断面図
【図5】図4中のV-V線に沿う断面を、潰し前の状態と潰し後の状態とで示す図
【図6】第2実施の形態の内視鏡装置の構成を示す部分斜視図
【図7】図6のシースの内周面に凹凸部を設けた変形例を示す部分斜視図
【図8】図6の網管を、チューブ状部材の先端側部位と基端側部位との間の部位のみの外周に被覆した変形例の構成を示す部分斜視図
【図9】図6の網管をチューブ状部材に編み込んだ変形例を示す部分斜視図
【図10】図9の網管が収縮する前及び収縮した後を比較して示す図
【図11】第3実施の形態の内視鏡装置の構成を示す部分断面図
【図12】図11の潰し部を作業者の指によって潰した状態を拡大して示す部分断面図
【図13】ガイドチューブの潰し部より前方に気体導入口金を設けた変形例を示す斜視図
【図14】図13中のXIV-XIV線に沿う断面図
【図15】第4実施の形態の内視鏡装置の構成を示す部分断面図
【図16】図15の潰し部を作業者の指によって潰した状態を拡大して示す部分断面図
【図17】第5実施の形態の内視鏡装置の構成を示す部分断面図
【図18】潰し部に対し、潰し部材が嵌合自在な内視鏡装置の構成を示す部分斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。◎
(第1実施の形態)
図1(a)は、本実施の形態の内視鏡装置の構成を示す部分断面図、(b)は、図1(a)のガイドチューブの基端側に薄肉部を形成し、薄肉部に潰し部を設けた変形例を示す部分断面図、(c)は、図1(a)のガイドチューブの基端側に切り欠き部を形成し、切り欠き部に潰し部を設けた変形例を示す部分斜視図、(d)は、図1(a)のガイドチューブの基端側にスポンジゴムを設け、該スポンジゴムに潰し部を設けた変形例を示す部分斜視図、(e)は、図1(d)の縦断面図、図2は、図1の潰し部近傍を拡大して示す部分断面図、図3は、図2中のII-II線に沿う潰し部の断面図である。
【0015】
図1(a)に示すように、内視鏡装置1は、被検体内に挿入される細長な挿入部10を具備する内視鏡100と、内部に挿入部10が挿通されるとともに、挿通された挿入部10とともに被検体内へ挿入される耐熱用シース(以下、単にシースと称す)5とを有して主要部が構成されている。
【0016】
尚、シース50は、弾性力を有するチューブ状部材、例えばフッ素系ゴムから構成されているとともに、挿入部10に対して、挿入方向Sに前後に移動自在となるよう被覆されている。
【0017】
シース50の挿入方向Sの基端側(以下、単に基端側と称す)の端部の外周には、固定口金6が被覆されているとともに、シース50の基端側の端部の内周には、パイプ7の挿入方向Sの先端側(以下、単に先端側と称す)が嵌入されている。即ち、シース50の基端側の端部は、固定口金6とパイプ7とによって挟まれて潰されることにより固定されている。
【0018】
尚、固定口金6とパイプ7の隙間のサイズよりもシース50のチューブ部材の肉厚を若干厚くしてある。これによりシース50は間に挟まれた時、確実に固定されて、気体等の冷却流体を流した時の漏れがない。さらに、固定部材6を取り外せばシース50を取り外すことが可能となる。また、シース50は、フッ素系ゴムであるので、比較的熱に強いが、高温環境下にさらされると、劣化していく。よって、劣化に応じて交換が必要となるのため、着脱可能に構成されていることが好ましい。
【0019】
また、パイプ7の基端側の外周に、流体導入口金である気体導入口金20が着脱自在となるよう設けられている。具体的には、気体導入口金20は、挿入部10の外周を被覆するよう設けられており、胴体部21と、Oリング22、26と、ワッシャ23、27と、固定リング24、28と、継手25とを具備して主要部が構成されている。
【0020】
胴体部21の挿入方向Sの略中央には、内径方向に突出する内向フランジ21tが形成されており、胴体部21の内向フランジ21tよりも先端側の内周面には、後端が内向フランジ21tの先端面に当接するようOリング22が嵌合されており、Oリング22の内周面は、パイプ7の基端側の外周に当接している。
【0021】
また、胴体部21の内周面においてOリング22よりも先端側には、Oリング22に当接するようワッシャ23が設けられており、さらに、ワッシャ23よりも先端側には、胴体部21の内周面に形成されたネジ部21m1に螺合自在な固定リング24が設けられている。
【0022】
よって、固定リング24が、基端側に移動するよう回転されると、ワッシャ23を介して内向フランジ21tに対して押し潰されるOリング22は、挿入部10の内径方向に膨張する。その結果、パイプ7の基端側の外周に対し、気体導入口金20が固定される。
【0023】
尚、固定後、固定リング24が先端側に移動するよう回転されれば、Oリング22の内径方向への膨張は解除されるため、パイプ7に対する気体導入口金20の固定は解除される。即ち、気体導入口金20は、パイプ7に対して着脱自在な構成を有している。
【0024】
また、胴体部21の内向フランジ21tよりも基端側の内周面には、先端が内向フランジ21tの基端面に当接するようOリング26が嵌合されており、Oリング26の内周面は、挿入部10の外周に当接している。尚、Oリング26の開口径は、Oリング22の開口径よりも小さく形成されている。
【0025】
胴体部21の内周面においてOリング26よりも基端側には、Oリング26に当接するようワッシャ27が設けられており、さらに、ワッシャ27よりも基端側には、胴体部21の内周面に形成されたネジ部21m2に螺合自在な固定リング28が設けられている。
【0026】
よって、固定リング28が、先端側に移動するよう回転されると、ワッシャ27を介して内向フランジ21tに対して押し潰されるOリング26は、挿入部10の内径方向に膨張する。その結果、挿入部10の外周に対し、気体導入口金20が固定される。
【0027】
尚、固定後、固定リング28が基端側に移動するよう回転されれば、Oリング26の内径方向への膨張は解除されるため、挿入部10に対する気体導入口金20の固定は解除される。即ち、気体導入口金20は、挿入部10に対して着脱自在な構成を有している。
【0028】
また、胴体部21において、内向フランジ21tが形成された位置には、挿入部10の径方向R1に沿って、胴体部21の内部の空間に連通する貫通孔21rが形成されており、貫通孔21rの胴体部21の外周面の開口には、継手25が設けられている。また、継手25には、エアチューブ29が挿通されており、エアチューブ29の先端は、貫通孔21rを介して、胴体部21の内部の空間に連通している。
【0029】
エアチューブ29は、該エアチューブ29の基端に接続された図示しない流体供給装置である気体供給装置から送気された気体Aを、胴体部21の内部の空間に導入することにより、胴体部21の内部に空間に連通する後述する流体通過部である気体通過部2に流体である気体Aを送気する機能を有している。尚、流体は気体に限定されない。例えば液体窒素や水であっても構わない。
【0030】
シース50と挿入部10との間隙には、気体Aが通過する気体通過部2が形成されている。気体通過部2は、胴体部21の内部の空間と、該空間に連通するパイプ7の内部の空間とに連通している。よって、胴体部21の内部の空間及びパイプ7の内部の空間も気体通過部2を構成している。
【0031】
気体通過部2は、気体供給装置からエアチューブ29を介して導入された気体Aが通過する流路であり、通過後の気体Aは、シース50の先端側の開口から吐出される。その結果、気体通過部2を気体Aが通過することにより、挿入部10は冷却される。尚、気体通過部2を通過する気体Aとしては、空気、窒素、アルゴン等が挙げられる。
【0032】
また、シース50の基端側部位50kの外周には、ゴム系、ウレタン系等の外力により変形可能な弾性部材から構成された取手3が被覆されている。尚、取手3の基端側の内周面には、固定口金6の先端側が嵌合されている。
【0033】
取手3は、図2、図3に示すように、シース50の径方向R1において対向する部位の一部が、作業者の指Fによって握り潰されることにより、挿入部10の外周面に対してシース50の基端側部位50kの潰された部位が摩擦を以て当接することにより、作業者により、挿入部10とシース50とが一体的に動作可能となる潰し部Tを構成している。よって、シース50の基端側部位50kも、取手3とともに潰し部Tを構成している。
【0034】
尚、シース50の基端側部位50k及び取手3は、図3に示すように、径方向R1において対向する部位の一部が径方向R1に潰されると、径方向R1に略直交する径方向R2は外径方向に膨張する。
【0035】
この際、外径方向に膨張したシース50と挿入部10の外周との間の間隙は、上述した気体通過部2を構成するため、シース50の基端側部位50kの一部が押し潰されたとしても、気体Aの通過を妨げることがない。即ち、潰し部Tにおける気体通過部2を確保することができる。
【0036】
また、本実施の形態においては、上述したように、シース50は、弾性力を有するチューブ状部材、例えばフッ素系ゴムから構成されていることから、基端側部位50kを取手3とともに握り潰したとしても、基端側部位50kが折れてしまうことがない。
【0037】
また、フッ素系ゴムは、テフロン(登録商標)よりも摩擦係数が大きい材料であるため、基端側部位50kを握り潰した際、挿入部10の外周面に対して、シース50は、十分な摩擦力を以て当接することから、挿入部10の操作性が向上するといった利点もある。
【0038】
さらに、従来は、テフロン(登録商標)から構成された剛性を有するシースを、挿入部10の湾曲部10wを被覆してしまうと湾曲部10wの湾曲を妨げてしまうことから、シースの湾曲部10wを被覆する部位のみ、発泡構造を有する材料から構成されたシースをテフロン(登録商標)から構成されたシースに繋いでシースを形成していた。しかしながら、本構成においては、シース50は、フッ素系ゴムにより1本から構成されているため、シース50の交換作業が容易となるといった利点もある。尚、従来、シース全体を、柔軟な発泡構造を有する材料から構成しなかったのは、発泡構造を有する材料から構成されたシースは、気体漏れが発生するためである。
【0039】
図1(a)に戻って、シース50の外周には、シース50及び挿入部10を、被検体内において被検部位へとガイドする、例えば湾曲形状を有するガイドチューブ5が、挿入方向Sの前後に移動自在となるよう被覆されている。
【0040】
尚、ガイドチューブ5は、気体通過部2を気体Aが通過することにより、径方向にシース50が膨張することを防ぐ機能も有している。また、気体Aの通過によるシース50の膨張は、先端側に向かうほど圧力が下がるため難くなる。即ち、シース50の基端側ほど膨張しやすい。
【0041】
ガイドチューブ5は、シース50内に挿入部10が挿通された際、挿入部10の湾曲部10wよりも挿入方向Sの後方であって、シース50の基端側部位50kに設けられた潰し部Tよりも前方に位置するシース50の部位50vを被覆する長さに形成されている。
【0042】
尚、ガイドチューブ5の基端側部位5jのみ、他の部位よりも柔軟な材料から構成されていても良い。よって、ガイドチューブ5の基端側部位5jが、シース50の基端側部位50kに重畳する位置までガイドチューブ5を移動させることにより、基端側部位50kが、取手3のみならず、ガイドチューブ5の基端側部位5jとともに、作業者の指Fにより握り潰されることが可能となる。尚、この際、基端側部位5jは、潰し部Tを構成している。このことにより、潰し部Tを潰して挿入部10を、例えば回転させる際、シース50のみならず、ガイドチューブ5も回転させることが可能となる。
【0043】
よって、作業者は、シース50のみを回転させる場合は、取手3及び基端側部位50kを潰せば良いし、ガイドチューブ5も回転させたい場合は、取手3及び基端側部位50kのみならず、基端側部位5jも一緒に潰せば良い。
【0044】
このように、本実施の形態においては、シース50が、弾性力を有するチューブ状部材、例えばフッ素系ゴムから構成されていると示した。
【0045】
また、シース50の基端側部位50kの外周に、弾性部材から構成された取手3が被覆されており、取手3及び基端側部位50kの潰し部Tが作業者の指Fによって握り潰されることにより、基端側部位50kの径方向R1において対向する一つの部位が、挿入部10の外周に摩擦力を以て当接して、挿入部10とシース50とが一体的に動作可能となると示した。さらに、ガイドチューブ5の基端側部位5jも潰し部Tを構成していると示した。
【0046】
このことによれば、作業者は、潰し部Tを指Fで握りつぶすのみで、挿入部10が、シース50またはシース50及びガイドチューブ5と一体的に操作可能となる。よって、簡単な構造により、挿入部10が挿通されたシース50を挿入部10とともに、被検体内において被検部位まで容易に進行させることのできる構成を有する内視鏡装置1を提供することができる。
【0047】
また、ガイドチューブ5の基端側部位5jについて、例えば、図1(b)のように、基端側部位5jに薄肉部201を構成して基端側部位5jを潰しやすくしてもよい。
【0048】
さらに、図1(c)のように、基端側部位5jに切り欠き部202を設けることで、基端側部位5jの素材の硬さを低減させて基端側部位5jを変形しやすくして、変形した基端側部位5jを介して指Fでシース50を押圧したり、切り欠き部202の隙間を介して直接指Fでシース50を押圧したりするようにしたことで、シース50をガイドチューブ5と共にねじることができる。尚、切り欠き部202が形成された基端側部位5j上に、該基端側部位5jとは別体の柔軟なゴム状部材が貼り付けられて固定されていても構わない。この場合、ゴム状部材を介して切り欠き部202の間隙に指Fをねじ込むことにより、ゴム状部材と基端側部位5jとの間の摩擦により、より確実にシース50を押圧することが可能となる。
【0049】
さらに、図1(d)、図1(e)に示すように、ガイドチューブ5の基端側部位5jに、着脱可能なスポンジゴム200が設けられていてもよい。
【0050】
スポンジゴム200の先端側の内周面は、固定口金221の基端側の外周面に着脱自在に固定されており、固定口金221の先端側の内周面に形成されたネジ221mには、Oリング222を介して固定リング224が螺合している。尚、Oリング222は、ガイドチューブ5の外周面に当接している。よって、作業者は、固定リング224を、該固定リング224が後方に移動するよう回転させると、Oリング222は潰され、径方向に膨張することにより、固定口金221は、ガイドチューブ5に固定される。尚、スポンジ200は、固定口金221から外れることにより、交換可能となっている。
【0051】
さらに、スポンジゴム200の基端側の内周面は、固定口金229の先端側の外周面に着脱自在に固定されており、固定口金229の基端側の内周面に形成されたネジ229mには、Oリング226を介して固定リング228が螺合している。尚、Oリング226は、シース50の外周面に当接している。よって、作業者は、固定リング228を、該固定リング228が前方に移動するよう回転させると、Oリング226は潰され、径方向に膨張することにより、固定口金229は、シース50に固定される。尚、スポンジ200は、固定口金229から外れることにより、交換可能となっている。
【0052】
このような構成によれば、作業者は、潰し部Tを構成するスポンジゴム200を指Fによって握り潰して、スポンジゴム200をシース50の外周面に当接させることにより、シース50をガイドチューブ5と共にねじることができる。
【0053】
尚、以下、変形例を、図4、図5を用いて示す。図4は、図1の潰し部の変形例の構成を拡大して示す部分断面図、図5は、図4中のV-V線に沿う断面を、潰し前の状態と潰し後の状態とで示す図である。
【0054】
上述した本実施の形態においては、シース50の基端側部位50kの外周に、潰し部Tを構成する取手3が被覆されていると示した。
【0055】
これに限らず、取手3の代わりに、図4に示すように、シース50の基端側部位50kの外周に、外力により変形される弾性部材である、例えば薄肉チューブ31を被覆し、該薄肉チューブ31の外周に、薄肉チューブ31を保護する、金属網管や弾性パイプ等から構成された保護部材32が被覆され、薄肉チューブ31及び保護部材32が、基端側部位50kとともに、潰し部Tを構成していても構わない。
【0056】
このことによれば、図5に示すように、潰し部Tを、径方向R1に潰した際、基端側部位50k、薄肉チューブ31、保護部材32は、上述した実施の形態よりも、保護部材32によって、径方向R2に広がりやすくなることから、潰し部Tにおける気体通過部2の流路径を、上述した実施の形態よりもより大きく確保することができる。
【0057】
(第2実施の形態)
図6は、本実施の形態の内視鏡装置の構成を示す部分斜視図である。◎
この第2実施の形態の内視鏡装置の構成は、上述した図1〜図3に示した第1実施の形態の内視鏡装置と比して、シースが、チューブ状部材と、該チューブ状部材に被覆された膨張規制部材とから構成されている点と、膨張規制部材が被覆されたチューブ状部材の基端側の部位が、潰し部を構成している点が異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0058】
図6に示すように、本実施の形態においては、シース50は、弾性力を有する部材、例えばフッ素系ゴムから構成されたチューブ状部材50cと、該チューブ状部材50cの外周に、挿入方向Sに対して前後に移動自在となるよう被覆された膨張規制部材である網管50aとから主要部が構成されている。
【0059】
網管50aは、挿入方向Sに対して前後に移動自在なことによりチューブ状部材50cに対する被覆位置を可変することができる構成を有している。このことにより、チューブ状部材50cから網管50aを抜去するのみで、チューブ状部材50cの交換が容易となる。
【0060】
また、網管50aは、チューブ状部材50c内に挿入部10が挿通された際、挿入部10に設けられた湾曲部10wよりも挿入方向Sの後方の位置に、通常は摩擦によって、チューブ状部材50cに固定されている。これは、網管50aの被覆により、湾曲部10wの湾曲が妨げられてしまうことを防止するためである。
【0061】
網管50aは、気体通過部2を通過する気体Aにより、チューブ状部材50cが径方向へ膨張してしまうことを規制する機能を有している。
【0062】
また、本実施の形態においては、チューブ状部材50c及び網管50aから構成されたシース50の基端側部位50kは、作業者の指Fによって潰される潰し部Tを構成している。
【0063】
潰し部Tが作業者の指により潰され、チューブ状部材50cの径方向R1において対向する部位の一部が潰されることによって、挿入部10の外周に対してチューブ状部材50cの潰された部位が摩擦を以て当接する。このことにより、挿入部10とシース50とが一体的に動作可能となる。
【0064】
尚、その他の構成は、上述した第1実施の形態と同様である。このような構成によっても、上述した第1実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
尚、以下、変形例を、図7を用いて示す。図7は、図6のシースの内周面に凹凸部を設けた変形例を示す部分斜視図である。
【0066】
図7に示すように、シース50におけるチューブ状部材50cの内周面50nに、挿入部10の外周に部分的に当接する複数の凹凸部50dが形成されていても構わない。このことによれば、潰し部Tを潰して、挿入部10をシース50とともに回転させる際、挿入部10は、凹凸部50dによって、シース50の内周面50nに対し、挿入部10の周方向に引っ掛かりやすくなることから、より確実に、シース50を挿入部10とともに一体的に動作させることが可能となる。
【0067】
尚、凹凸部50dは、上述した第1実施の形態におけるシース50の内周面にも形成されていても構わない。
【0068】
また、以下、別の変形例を、図8を用いて示す。図8は、図6の網管を、チューブ状部材の先端側部位と基端側部位との間の部位のみの外周に被覆した変形例の構成を示す部分斜視図である。
【0069】
図8に示すように、網管50aは、チューブ状部材50c内に挿入部10が挿通された際、挿入部10の湾曲部10wを被覆するシース50の先端側部位50sよりも挿入方向Sの後方であって、シース50の基端側部位50kよりも挿入方向Sの前方に位置するチューブ状部材50cの部位50vの外周のみに被覆されていても構わない。
【0070】
この際、シース50の先端側部位50sを含む領域Xよりも、基端側部位50kを含む領域Zが硬いか同じ硬さとなるよう形成されているとともに、領域Zよりも部位50vを含む領域Yが硬くなるよう形成されている(X≦Z<Y)。
【0071】
尚、チューブ状部材50cは、全体が上述したようにフッ素系ゴムから構成されていても構わないし、Y領域のシースがより硬くなるよう、Y領域のチューブ状部材50cのみがテフロン(登録商標)から構成されていても構わないし、X領域のシースがZ領域のシースよりも柔らかくなるよう、X領域のチューブ状部材50cが、発泡構造を有していても構わない。
【0072】
尚、本構成においては、Z領域におけるチューブ状部材50cは、作業者の指Fによって潰される潰し部Tを構成している。また、その他の構成は、本実施の形態と同じである。このような構成によっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0073】
さらに、以下、別の変形例を、図9、図10を用いて示す。図9は、図6の網管をチューブ状部材に編み込んだ変形例を示す部分斜視図、図10は、図9の網管が収縮する前及び収縮した後を比較して示す図である。
【0074】
図9に示すように、網管50aは、チューブ状部材50cの図6に示した位置に対し、編み込まれて形成されていても構わない。具体的には、チューブ状部材50cに対し、繊維状のポリエチレン、ケブラ等が角度θで編まれて管状になっており、網管50aが形成されていても構わない。また、その網管50aは、チューブ状部材50cの外側に配される場合、密着させて接着してもよい。尚、編み込まれた網管を、以下、符号50a’を付与して示す。編み込まれた網管50a’は、チューブ状部材50cに対し、先端及び基端が、それぞれ糸縛り接着部41、42により固定されている。
【0075】
また、網管50a’は、気体通過部2に気体Aが供給された際、チューブ状部材50cの内部の圧力が高くなり、径方向に膨張するとともに、図10に示すように挿入方向Sの後方に、mだけ収縮し、径方向R1に膨張するよう(P2>P1)、チューブ状部材50cに編み込まれている。また、その他の構成は、本実施の形態と同じである。
【0076】
このような構成によれば、網管50a’がチューブ状部材50cに編み込まれていることにより、気体通過部2に気体Aを供給すると、積極的にチューブ状部材50cが挿入方向Sの後方に収縮し、シース50が径方向に膨張するため、本実施の形態よりも気体通過部2の流路径を大きく確保することができる。加えて、網管50a’を配することで、径方向の膨張もある程度規制されるので、保護にもなる。また、その他の効果は、本実施の形態と同じである。
【0077】
(第3実施の形態)
図11は、本実施の形態の内視鏡装置の構成を示す部分断面図、図12は、図11の潰し部を作業者の指によって潰した状態を拡大して示す部分断面図である。
【0078】
この第3実施の形態の内視鏡装置の構成は、上述した図1〜図3に示した第1実施の形態の内視鏡装置と比して、ガイチューブとシースとの間隙にも、気体通過部が形成されている点が異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0079】
図11に示すように、本実施の形態においては、シース50の基端部の外周に、ガイドチューブ口金68が固定されており、ガイドチューブ口金68に、気体通過部2に気体Aを導入する口金69が設けられている。具体的には、ガイドチューブ口金68の内周面にテーパ部68kが形成されており、テーパ部68kに、固定口金6の先端側が嵌入することにより、ガイドチューブ口金68が固定されている。
【0080】
また、第1実施の形態と同様に、パイプ7の基端側には、図示しない気体導入口金20が設けられているが、本実施の形態においては、ガイドチューブ口金68に気体Aを導入する口金69が設けられていることから、気体導入口金20には、継手25が設けられていない。
【0081】
さらに、本実施の形態においては、ガイドチューブ60は、シース50内に挿入部10が挿通された際、湾曲部10wよりも後方のシース50の外周を被覆しており、ガイドチューブ60の後端は、連結部材67を介して、ガイドチューブ口金68に固定されている。尚、ガイドチューブ60とシース50との間隙は、気体Aが通過する流体通過部である気体通過部63を構成している。
【0082】
また、ガイドチューブ60は、シース50の基端側部材を覆う部位60bが柔軟で弾力性を有する材料から構成されており、他の部位60aが、部位60bよりも硬い材料から構成され、部位60aと部位60bとは、連結部材66を介して、挿入方向Sにおいて連結されている。また、本実施の形態においても、図12に示すように、第1実施の形態同様、部位60bは、シース50の基端側部位50kとともに作業者の指Fによって潰される潰し部Tを構成している。
【0083】
ガイドチューブ60の先端は、シース50の湾曲部10wよりも後方の外周面にOリング65を介して当接する固定部材64に固定されている。
【0084】
また、シース50のガイドチューブ60の先端側に対向する部位には、導入孔50hが形成されている。
【0085】
よって、口金69を介して気体通過部63に導入された気体Aは、気体通過部63を通過し、導入孔50hから、気体通過部2を介して、シース50の先端から吐出される。この際、気体通過部2において、導入孔50hから気体通過部2に導入された気体Aが、挿入方向Sの後方に逆流してしまうが、上述したように、シース50の基端側には、気体導入口金20が設けられ、気体通過部2は、Oリング26(図1(a)参照)によって封止されていることから、逆流が発生しても、確実に、気体Aは、シース50の先端から吐出される。
【0086】
このような構成によれば、被検体内の熱に挿入部10、シース50、ガイドチューブ60の内、最も接するガイドチューブ60を、気体通過部63を通過する気体Aによって冷却することができることから、第1実施の形態よりも効果的に挿入部10を冷却することができる。
【0087】
尚、第1実施の形態同様、本実施の形態においても、気体通過部63の他、気体通過部2にも、口金69を介して気体Aを導入しても構わない。また、その他の効果は、上述した第1実施の形態と同様である。
【0088】
尚、以下、変形例を、図13、図14を用いて示す。図13は、ガイドチューブの潰し部より前方に気体導入口金を設けた変形例を示す斜視図、図14は、図13中のXIV-XIV線に沿う断面図である。
【0089】
上述した本実施の形態においては、気体導入口金20は、シース50の基端側、具体的には、パイプ7の基端側に設けられており、その結果、潰し部Tよりも基端側に設けられていると示した。
【0090】
これに限らず、図13、図14に示すように、本構成における気体導入口金20’は、ガイドチューブ60における潰し部Tを構成する部位60bよりも挿入方向Sの前方に設けられていても構わない。
【0091】
具体的には、図14に示すように、ガイドチューブ60の部位60aの基端側の部位には、径方向R1に貫通する貫通孔60hが形成されており、該貫通孔60hに胴体部21の貫通孔21rが対向するよう、部位60aの外周には、Oリング22’、26’の固定リング24、28の押圧による膨張により、気体導入口金20’が固定されている。
【0092】
また、図14に示すように、シース50は、部位60bに対向する部位50qを、その他の部位50pよりも柔らかい部材から構成し、部位50p、50qを、部位60aの内周面に当接するOリング76を具備する連結部材75で固定しても構わない。この際、部位60b、部位50qは、潰し部Tを構成している。
【0093】
このような構成によれば、潰し部Tよりも挿入方向Sの前方に、気体導入口金20’が設けられ、気体通過部63に気体導入口金20’から気体が導入される構成を有していることから、部位60b、50qからなる潰し部Tが潰されたとしても、気体通過部63が塞がれてしまうことが無いため、本実施の形態よりも、気体の通過量を増加させることができる。
【0094】
尚、以上の構成は、上述した第1実施の形態及び第2実施の形態にも適用可能である。
【0095】
(第4実施の形態)
図15は、本実施の形態の内視鏡装置の構成を示す部分断面図、図16は、図15の潰し部を作業者の指によって潰した状態を拡大して示す部分断面図である。
【0096】
この第4実施の形態の内視鏡装置の構成は、上述した図1〜図3に示した第1実施の形態の内視鏡装置と比して、シースの基端側部位の外周に被覆する弾性部材が、取手の代わりに、挿入方向Sに移動自在なスライダ部材から構成されている点が異なる。
【0097】
よって、この相違点のみを説明し、第1実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0098】
図15に示すように、シース50の基端部は、パイプ部材92に固定されており、基端部の外周は、シース50を固定口金91の傾斜部91aとパイプ部材92の傾斜部92aの間に挟まれて、螺合することにより固定される。
【0099】
また、シース50の基端側部位50kの外周には、挿入方向Sに対し前後に移動自在なスライダ部材90が被覆されており、スライダ部材90の基端部は、固定口金91に固定されており、先端側は、ガイドチューブ5の基端側の内周面におけるシース50とガイドチューブ5との間隙に嵌入されている。よって、スライダ部材90は、固定口金91、パイプ部材92を介してシース50とともに、ガイドチューブ5に対して挿入方向Sに対して前後に移動自在となっている。
【0100】
また、図16に示すように、スライダ部材90は、基端側部位50kとともに、潰し部Tを構成している。
【0101】
このような構成によれば、気体通過部2に気体が導入された際、シース50は、スライダ部材90の先端がガイドチューブ5の内周面にスライド嵌入していることにより、該スライダ部材90よりも前方部位が、径方向に膨張することから、作業者は、シース50が膨張していないスライダ部材90を握り潰すことができるため、潰し部Tを潰しやすくなる。また、パイプ部材92に対して、固定口金91がネジ92nで固定されているため、確実にシース50を固定することができると共に、容易に取り外すことができる。
【0102】
尚、その他の効果は、上述した第1実施の形態と同様である。
【0103】
(第5実施の形態)
図17は、本実施の形態の内視鏡装置の構成を示す部分断面図である。◎
この第5実施の形態の内視鏡装置の構成は、上述した図1〜図3に示した第1実施の形態の内視鏡装置と比して、シースの基端側部位を除く部位が、発泡構造を有する材料から構成されている点が異なる。
【0104】
よって、この相違点のみを説明し、第1実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0105】
図17に示すように、本実施の形態においては、シース50は、基端側部位50kに相当する部位50q’が、弾性力を有する部材、例えばフッ素系ゴムから構成されているとともに、他の部位50p’が、発泡構造を有する材料から構成されており、部位50p’と部位50q’とは、ガイドチューブ5の基端側の内周面に接触するOリング76を具備する連結部材75によって、挿入方向Sにおいて連結されている。
【0106】
また、シース50内に挿入部10が挿入された際、湾曲部10wよりも後方に位置する部位50p’の外周には、ガイドチューブ5が被覆されている。
【0107】
尚、部位50p’を構成する発泡構造を有する材料は、気体通過部2に気体Aが供給されると気体Aが漏れてしまうが、本構成においては、部位50p’を覆うガイドチューブ5及びOリング76により、外部に気体が漏れてしまうことが防止されている。また、部位50q’は、本実施の形態においては、潰し部Tを構成している。
【0108】
このような構成によれば、部位50p’を構成する発泡構造を有する材料は、フッ素系ゴムよりも柔らかいことから、湾曲部10wの湾曲を妨げることを、第1実施の形態よりも確実に防止することができる。また、部位50q’は、フッ素系ゴムから構成されていることから、第1実施の形態同様、折れ無く確実に潰すことができるため、挿入部10とシース50とを一体的に操作することができる。その他の効果は、第1実施の形態と同様である。
【0109】
尚、以下、変形例を、図18を用いて示す。図18は、潰し部に対し、潰し部材が嵌合自在な内視鏡装置の構成を示す部分斜視図である。
【0110】
上述した第1〜第5実施の形態においては、シース50の基端側に位置する潰し部Tは、作業者によって潰されると示した。
【0111】
これに限らず、図18に示すように、シース50またはガイドチューブ5、60の外周に嵌合自在(図18では、シース50の外周に嵌合自在となっている)な貫通孔82を具備するとともに、貫通孔から挿入方向Sの後方に、対向して延出する2本の延出部88と、該各延出部88の径方向R1の内面において、それぞれ対向するよう設けられた凹部81とを具備する潰し部材80を、シース50またはガイドチューブ5、60の外周に嵌合させて、各凹部81により、潰し部Tを押し潰しても構わない。
【0112】
このような構成によれば、作業者は、指Fで潰さなくとも、潰し部Tを潰すことができることから、作業性がより向上する。
【符号の説明】
【0113】
1…内視鏡装置
2…気体通過部(流体通過部)
3…取手(弾性部材)(潰し部)
5…ガイドチューブ
5j…ガイドチューブ基端部(潰し部)
10…挿入部
10w…湾曲部
20…気体導入口金(流体導入口金)
31…薄肉チューブ(弾性部材)(潰し部)
32…保護部材(潰し部)
50…シース
50a…網管(膨張規制部材)
50c…チューブ状部材
50d…凹凸部
50k…シースの基端側部位(潰し部)
50n…内周面
50q…シースの部位(潰し部)
50q’…シースの部位(潰し部)
50s…先端側部位
50v…先端側部位と基端側部位との間の部位
60…ガイドチューブ
60b…ガイドチューブ基端部(潰し部)
63…気体通過部(流体通過部)
80…潰し部材
90…スライド部材(潰し部)
100…内視鏡
A…気体(流体)
R1…径方向
S…挿入方向
T…潰し部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長な挿入部を具備する内視鏡と、内部に前記挿入部が挿通されるとともに、挿通された前記挿入部とともに被検体内へ挿入される耐熱用シースとを具備する内視鏡装置において、
前記挿入部と前記シースとの間隙に設けられた、流体が通過する流体通過部と、
前記シースの挿入方向の基端側に設けられた、外部から前記流体通過部に前記流体を導入する流体導入口金と、
前記シースの前記挿入方向の基端側に位置する潰し部と、
を具備し、
前記潰し部が潰されて、前記シースの径方向において対向する部位の一部が潰されることによって、前記挿入部に対して前記シースの潰された部位が摩擦を以て当接することにより、前記挿入部と前記シースとが一体的に動作可能となることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
前記シースの潰された部位以外における前記挿入部と前記シースとの間隙に、前記流体通過部が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記潰し部は、前記シースの前記挿入方向の基端側部位に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記潰し部は、前記シースの前記挿入方向の基端側部位の外周に被覆された、外力により変形される弾性部材から構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記弾性部材の外周に、該弾性部材を保護する保護部材が被覆されており、
前記保護部材は、前記弾性部材とともに前記潰し部を構成していることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記シースは、弾性力を有するチューブ状部材から構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項7】
前記シースは、
弾性力を有するチューブ状部材と、
前記チューブ状部材の外周に被覆された、前記流体通過部を通過する前記流体による前記チューブ状部材の径方向への膨張を規制する、外力により変形される膨張規制部材と、
により構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項8】
前記シースの内周面に、前記挿入部の外周に部分的に接触することにより、前記シース内における前記挿入部の回転を防ぐ凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項9】
前記チューブ状部材の少なくとも前記潰し部を構成する部位は、フッ素系ゴムから構成されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項10】
前記膨張規制部材は、前記シース内に前記挿入部が挿通された際、前記挿入部の前記挿入方向の先端側に設けられた湾曲部よりも、前記挿入方向の後方に位置する前記チューブ状部材の外周を被覆していることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡装置。
【請求項11】
前記膨張規制部材は、前記シース内に前記挿入部が挿通された際、前記挿入部の前記挿入方向の先端側に設けられた湾曲部よりも前記挿入方向の後方であって、前記シースの基端側部位よりも前記挿入方向の前方に位置する前記チューブ状部材の外周を被覆しており、
前記シースは、前記湾曲部を被覆する先端側部位よりも、前記シースの基端側部位が硬いか同じ硬さに形成されており、前記シースの前記基端側部位よりも、該基端側部位と前記先端側部位との間の部位が硬く形成されていることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡装置。
【請求項12】
前記膨張規制部材は、前記チューブ状部材に編み込まれて形成されていることを特徴とする請求項10または11に記載の内視鏡装置。
【請求項13】
前記シースは、前記流体通過部に前記流体が供給された際、前記挿入方向の後方に収縮し、前記シースの径方向に膨張するよう、前記チューブ状部材に前記膨張規制部材が編み込まれていることを特徴とする請求項12に記載の内視鏡装置。
【請求項14】
前記シースの外周に、前記潰し部を潰す潰し部材が嵌合自在であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項の記載の内視鏡装置。
【請求項15】
前記シースの外周に、前記シースを、被検部位へとガイドするガイドチューブが被覆されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項16】
前記シースと前記ガイドチューブとの間隙に、さらに流体が通過する流体通過部が形成されていることを特徴とする請求項15に記載の内視鏡装置。
【請求項17】
前記ガイドチューブの基端側の部位は、前記シースとともに、前記潰し部を構成していることを特徴とする請求項15または16に記載の内視鏡装置。
【請求項18】
前記ガイドチューブの前記潰し部は、前記ガイドチューブの他の部位よりも柔軟な弾性部材により形成されていることを特徴とする請求項17に記載の内視鏡装置。
【請求項19】
前記シースの基端側部位の外周に、前記シースと前記ガイドチューブとの間隙に嵌入する弾性部材から構成された、前記挿入方向に対して前後にスライド移動自在なスライド部材が嵌入されており、
前記スライド部材は、前記シースとともに、前記潰し部を構成していることを特徴とする請求項15に記載の内視鏡装置。
【請求項20】
前記ガイドチューブに被覆された部位の前記シースは、発泡構造を有していることを特徴とする請求項15に記載の内視鏡装置。
【請求項21】
前記ガイドチューブの外周に、前記潰し部を潰す潰し部材が嵌合自在であることを特徴とする請求項17または18に記載の内視鏡装置。
【請求項22】
前記潰し部は、前記流体導入口金よりも前記挿入方向の後方に設けられていることを特徴とする請求項1、3〜21のいずれか1項の記載の内視鏡装置。


【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図1(c)】
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【図1(d)】
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【図1(e)】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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