説明

円形チャッキング防止緩衝体を備えたストライカー

【課題】
【解決手段】 支持構造に取り付けられかつラッチ機構に係合する緩衝体を有するストライカーについて述べる。ストライカーは、チャッキング、きしみ及びがたつき問題を低減又は除去する、改善された騒音及び振動制御特性を有する。ストライカーは、基部、緩衝体支柱、支柱、ブリッジ及び緩衝体を有することができる。基部は、基部を支持構造に接続するための少なくとも1つの開口部を有することができる。緩衝体支柱は、基部から外側に延在することができる。支柱は、基部から外側に延在すると共にラッチ機構に係合可能であり得る。ブリッジは、緩衝体支柱と支柱との間に、基部から距離を置いて延在することができ、ラッチ機構のフィッシュマウスと係合可能であり得る。緩衝体を、緩衝体支柱に回転可能に接続することができ、ラッチ機構の入口にくさび係合可能とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年5月5日に出願された「円形チャッキング防止緩衝体を備えたストライカー(Striker With Round Antichuck Bumper)」と題する米国仮特許出願第61/215,429号からの利益を主張し、その出願の開示内容はすべて参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、包括的にはストライカーに関し、特に、騒音及び振動特性が改善されたストライカーに関する。
【背景技術】
【0003】
ドア、リフトゲート等を備えた多くの車両では、車両が起伏のある面を走行する際に車両の後端部が歪むという問題がある。この歪みにより、ドアがドア開口部に対して著しく撓むことになる。この撓みは、多くの場合、ドアと開口部とが接触することになるほど大きいか、又はシステムから騒音が発生するほどに高い振動数である可能性がある。
【0004】
自動車業界内では、車体にさまざまな可動部品を解放可能に結合するために、種々のラッチ機構が用いられてきた。たとえば、ドア(たとえば助手席側ドア、リフトゲート、ボンネット、トランク等)を車両に解放可能に結合するためにラッチが用いられる。概して、ラッチ機構は、車体にドアを固定するようにラッチモードで、かつドアが車体に対して自由に移動可能であるラッチ解除モードで動作可能である。これらのラッチ機構は、通常、ドアが閉鎖位置にあるときにストライカーと係合するラッチを有することができる。ラッチを、通常、ドアの縁の近くに固定することができ、ストライカーを、通常車体に固定することができる。
【0005】
一般に、ドアの1つの縁のみが、1つ又は複数のヒンジ機構等によって車体に解放可能に結合される。ラッチは、通常、ヒンジ機構の縁と反対側の縁に取り付けられる。ドアの側縁は、一般に、車体に蝶番式に取り付けられずかつ物理的に接続されない。したがって、車両の動きにより、ドアの側縁に対する車体の「マッチボックス化(match-boxing)」した非平行な撓みか、又はドアと車体との間の相対的な動きがもたらされる可能性がある。この相対的な動きは、一部には、車両が、起伏のある又は平坦でない面に沿って走行する際に、「チャッキング(chucking)」として知られる負荷的な車両騒音を与えるため望ましくない。
【0006】
製造業者は、マッチボックス撓みからもたらされるチャッキングを低減するために種々のチャッキング防止ハードウェアを採用することが多い。チャッキングを低減する1つの試みは、ラッチのフィッシュマウス(fishmouth)に、ストライカーブリッジとフィッシュマウスとの間の隙間を低減する特徴を設けることを含む。2つの間のクリアランスを低減することにより、ストライカーとラッチとの相対移動を制御し最小限にすることができる。
【0007】
通常、フィッシュマウスの内壁には、コンプライアンスとともに剛性を提供するエラストマー材料によって裏打ちされている、硬質プラスチックフラップが設けられている。これらのフラップにより、ハウジングを、エラストマーのみの場合より耐久性がありながら、よりコンプライアンスの高いものとすることができる。これにより、フィッシュマウスは、ストライカーブリッジに適合することができ、ストライカーとラッチとの間の係合を強化することができる。しかしながら、このシステムは、ストライカーブリッジに対応する突出機構が含まれていない場合に有効性が制限される可能性がある。
【0008】
チャッキングを低減する別の試みは、ドアの縁と車体との間に配置することができるくさび及びばね式緩衝体等のチャッキング防止ハードウェアを設けることを含む。くさび及び緩衝体を利用することにより、マッチボックス化からの負荷の一部をドアにそらすことができる。ラッチによっては、ばねによって駆動される可動くさびを有することも可能であり、それにより、くさびは、所与の間隙内でゼロクリアランスを維持するようにストライカーに対して連続的に締め付けるように設計される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
場合によっては、ドアのダイナミクス及び荷重は、くさび及び緩衝体を適所から外れるように跳ね返す可能性があるほど激しい可能性があり、それにより完全に効果がなくなる。さらに、埃及び氷が、くさび及び/又は緩衝体に対して適所から外れるようにさらに作用することによりこの問題を悪化させることが多い。多くの場合、緩衝体は摩滅する可能性があり、それにより、緩衝体は騒音及び振動を低減するのにもはや有効でない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
支持構造に取り付けられかつラッチ機構に係合する緩衝体を有するストライカーについて述べる。ストライカーは、チャッキング、きしみ及びがたつき問題を低減又は除去する、改善された騒音及び振動制御特性を有する。ストライカーは、基部、緩衝体支柱、支柱、ブリッジ及び緩衝体を有することができる。基部は、基部を支持構造に接続するための少なくとも1つの開口部を有することができる。緩衝体支柱は、基部から外側に延在することができる。支柱は、基部から外側に延在すると共にラッチ機構に係合可能であり得る。ブリッジは、緩衝体支柱と支柱との間に、基部から距離を置いて延在することができ、ラッチ機構のフィッシュマウスと係合可能であり得る。緩衝体を、緩衝体支柱に回転可能に接続することができ、ラッチ機構の入口にくさび係合可能とすることができる。
【0011】
本発明の動作とともに目的及び利点を、以下の図面に関連して以下の詳細な説明を参照することによって、より理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】緩衝体を有するストライカーの斜視図である。
【図2】図1のストライカーの側面図である。
【図3】図1のストライカーの正面図である。
【図4】図1のストライカーの上面図である。
【図5】緩衝体を有するストライカーの環境図の上部切取図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、本発明の例示的な実施形態を詳細に参照し、その例を添付図面に示す。他の実施形態を利用してもよく、本発明のそれぞれの範囲から逸脱することなく構造的変更及び機能的変更を行ってもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の説明は、単に例として提示するものであり、図示する実施形態に対して作成することができ、かつ依然として本発明の趣旨及び範囲内にあり得る、さまざまな代替形態及び変更形態を決して限定するものではない。
【0014】
図1〜図5に、減衰機能を備えたストライカー10を示す。ストライカー10は、改善された騒音及び振動制御特性を有することができ、ストライカー10を、ドア閉鎖機構におけるチャッキング、きしみ及びがたつき問題を低減又は除去するように設計することができる。ストライカー10は、いかなる適切な形状、サイズ又は構造であってもよい。ストライカー10は、基部12、緩衝体支柱14、支柱16及びブリッジ18を有することができる(図1及び図2)。
【0015】
基部12は、ストライカー10用の取付構造としての役割を果たすことができる。基部12は、略平面構造(図1)である等、任意の適切な形状、サイズ又は構造であり得る。たとえば、基部12を、略多角形状(図4)とすることができる。基部12は、第1の又は上部側20、第2の又は下部側22及び少なくとも1つの開口部24を有することができる(図1〜図4)。基部12は、1つ、3つ、4つ等、任意の適切な数の開口部24を有することができる。たとえば、基部12は2つの開口部24を有することができる。
【0016】
開口部24は、ストライカー10を、自動車本体等のドアフレーム等、周囲構造に取り付けるか又は固定するのを可能にすることができる。ストライカー10を、締結具(図示せず)によってこの周囲構造に固定することができる。締結具を、任意の適切な形状、サイズ又はタイプとすることができる。締結具を、基部12の開口部24に貫通させ、ストライカー10を周囲構造に取り付けるために用いることができる。
【0017】
開口部24を、略円形、矩形 又は卵形等、任意の適切な形状、サイズ又は構造とすることができる。開口部24を、基部12の任意の適切な位置に配置することができ、それにより、開口部24を、上方から見ると(図4)基部12の両側に配置することができる。各開口部24はリム30を有することができる(図1、図2及び図4)。
【0018】
リム30を、略三角形又は円錐形等、任意の適切な形状、サイズ又は構造とすることができ、それにより、リム30は、開口部24から離れる方向に伸びる先端に向かって狭くなる。リム30を、基部の第1の側20に等、ストライカー10の任意の適切な位置に、第1の側20から離れる方向におよそ垂直に延在するように配置することができる。
【0019】
基部12は、第1のボス26及び第2のボス28(図1、図2及び図4)をさらに有することができる。ボス26、28を、長方形、円形、三角形、矩形又はそれらの組合せ等、任意の適切な形状、サイズ又は構造とすることができる。ボス26、28は、形状及びサイズが同様であってもよく、又は異なっていてもよい。ボス26、28を、基部12の第1の側20等、ストライカー10の任意の適切な位置に、基部12の第1の側20から外側におよそ垂直に延在するように配置することができる。ボス26、28は、概して、ストライカー10にさらなる構造的な特徴を提供することができる。
【0020】
緩衝体支柱14を、任意の適切な形状、サイズ又は構造とすることができる。たとえば、緩衝体支柱14を、略円柱形状(図2)とすることができる。基部12及び緩衝体支柱14を、任意の適切なタイプの材料から製作することができる。基部12及び緩衝体支柱14を、単一の一体材料として製作することができる。別法として、基部12及び緩衝体支柱14を、溶接、リベット締め、接着剤、締結具等、任意の適切な手段によって互いに固定することができる別個の部材として製作することができる。
【0021】
緩衝体支柱14を、ストライカー10の任意の適切な位置に配置することができる。たとえば、緩衝体支柱14を、基部12の第1の側20に配置することができ、緩衝体支柱14は、基部12の第1の側20からおよそ垂直方向にかつそこから離れる方向に延出することができる(図2)。緩衝体支柱14を、第1のボス26内に又はそれに隣接して配置し、打抜き、溶接、締結具、接着剤等、任意の好適な手段によってそれに固定することも可能である。
【0022】
緩衝体支柱14は、緩衝体支柱基部34(図1及び図2)も有することができる。緩衝体支柱基部34を、緩衝体支柱14に比較して概して拡大した領域等、任意の適切な形状、サイズ又は構造とすることができる。緩衝体支柱基部34を、第1のボス26に隣接するか又は当接する等、緩衝体支柱14の任意の適切な位置に配置することができる(図1及び図2)。
【0023】
別法として、ストライカー10は、緩衝体支柱14の代りに又はそれに加えて後壁(図示せず)を有することができる。後壁又は緩衝体支柱14を、さらなる取付構造又は取付面として利用することができ、それを通して、締結具を、ストライカー10を本体に取り付けかつ固定するように貫通させるか又は延在させることができる。
【0024】
支柱16を、任意の適切な形状、サイズ又は構造とすることができる。たとえば、支柱16の外部構造を、略円柱形状とすることができ、それにより、支柱16は、ラッチ44の留め具50と容易に係合することができる(図1〜図3及び図5)。しかしながら、限定されないが扁円形、楕円形、球形、正方形、矩形、三角形等を含む、支柱16の他の任意の構造又は形状が可能であることが理解されるべきである。
【0025】
基部12及び支柱16を、任意の適切なタイプの材料から製作することができる。基部12及び支柱16を、単一の一体材料から製作することができる。代替的に、基部12及び支柱16を、溶接、リベット締め、接着剤、締結具等、任意の適切な手段によって互いに固定することができる別個の部材として製作することができる。さらなる代替形態として、基部12、緩衝体支柱14、ブリッジ18及び支柱16を、単一の一体材料から形成することができる。
【0026】
支柱16を、ストライカー10の任意の適切な位置に配置することができる。たとえば、支柱16を、基部12の第1の側20に配置することができ、支柱16は、基部12の第1の側20からおよそ垂直方向にかつそこから離れる方向に延出することができる(図2)。支柱16を、緩衝体支柱14に対して実質的に平行に配置することができる(図2)。支柱16を、第2のボス28内に又はそれに隣接して配置し、打抜き、溶接、締結具、接着剤等、任意の好適な手段によってそれに固定することも可能である。
【0027】
支柱16は、支柱基部36(図1及び図3)も有することができる。支柱基部36を、支柱16に比較して概して拡大した領域等、任意の適切な形状、サイズ又は構造とすることができる。支柱基部36を、第2のボス28に隣接するか又は当接する等、支柱16の任意の適切な位置に配置することができる(図1及び図3)。
【0028】
ブリッジ18を、任意の適切な形状、サイズ又は構造とすることができる。たとえば、ブリッジ18を、略円柱状、矩形状、三角形状等とすることができる(図1、図2及び図4)。ブリッジ18を、ストライカー10の任意の適切な位置に配置することができる。たとえば、ブリッジ18を、緩衝体支柱14と支柱16との間に配置しかつ延在させることができ、それにより、ブリッジ18を基部12に対して実質的に平行に配置することができる(図2)。ブリッジ18を、溶接、接着剤、締結具等、任意の適切な手段によって緩衝体支柱14及び支柱16に接続することができる。しかしながら、ブリッジ18、緩衝体支柱14及び支柱16は、単一の一体材料であってもよいことが理解されよう。
【0029】
ストライカー10は、コーナー部38を有することができる(図1及び図2)。コーナー部38を、任意の適切な形状、サイズ又は構造とすることができる。たとえば、コーナー部38を、略円柱状、矩形状、楕円形又は湾曲形状とすることができる(図1及び図2)。コーナー部38を、ストライカー10の任意の適切な位置に配置することができる。たとえば、コーナー部38をブリッジ18と支柱16との間に配置することができ、それにより、コーナー部38は、ブリッジ18を支柱16に接続することができる(図1及び図2)。
【0030】
コーナー部38を、溶接、接着剤、締結具等、任意の適切な手段により、ブリッジ18及び支柱16に接続することができる。しかしながら、コーナー部38、ブリッジ18及び支柱16は単一の一体材料であってもよく、それによりコーナー部38はブリッジ18を継目なしに遷移して支柱16に接続することができることが理解されよう。
【0031】
代替形態として、ストライカー10は、緩衝体支柱ほぞ40及び支柱ほぞ42を、リベットの一部であり得るように有することができる(図2)。緩衝体支柱ほぞ40及び支柱ほぞ42を、略円柱状、三角形、正方形等、任意の適切な形状、サイズ又は構造とすることができる。緩衝体支柱ほぞ40および支柱ほぞ42を、本体12の第2の側22(図2)等、ストライカー10の任意の適切な位置に配置することができる。たとえば、緩衝体支柱ほぞ40を、緩衝体支柱14の位置とは反対側に配置することができ、支柱ほぞ42を支柱16の位置とは反対側に配置することができ、それにより、緩衝体支柱ほぞ40を、支柱ほぞ42に対しておよそ平行とすることができる。
【0032】
緩衝体支柱ほぞ40及び支柱ほぞ42を、任意の適切なタイプの材料から製作することができる。緩衝体支柱ほぞ40及び支柱ほぞ42を、それぞれ緩衝体支柱14及び支柱16と単一の一体材料として製作することができ、それにより、緩衝体支柱14及び支柱16は、それぞれ緩衝体支柱ほぞ40及び支柱ほぞ42を含むように本体12内を延在することができる。代替的に、緩衝体支柱ほぞ40及び支柱ほぞ42を、溶接、リベット締め、接着剤、締結具等、任意の適切な手段により、それぞれ緩衝体支柱14及び支柱16に、又は本体12に固定することができる別個の部材として製作することができる。
【0033】
ほぞ40、42を、緩衝体支柱14及び支柱16を保持すると共にストライカー10の基部12に固定するさらなる特徴として利用することができる。ほぞ40、42をスピニング加工されていないように示すが、ほぞ40、42にスピニング加工してもよいことが理解されるべきであり、それにより、本体12内で支柱14、16の位置を維持するために支柱14、16より大きい直径を提供する。
【0034】
ストライカー10を、ラッチ44(図5)と係合するように構成することができる。特に、ブリッジ18及び支柱16を、ラッチ44のフィッシュマウス46と係合するような形状及びサイズとすることができる。ラッチ構造44はストライカー10と係合することができ、それによりラッチ44の入口又は内壁48は、緩衝体支柱14及び緩衝体32に近づくことができる。緩衝体32とラッチ44の内壁48との係合により、がたつき又はチャッキング等の騒音及び振動の可能性があり得る。
【0035】
騒音及び振動を低減するために、ブリッジ18は、一方の側部又は両側部に、ブリッジ18(図4)の中心線に対して外側に突出することができる起伏外形又は突起52も有することができる。ストライカー10が、フィッシュマウスラッチ等のラッチ44と完全に係合すると、突起(複数可)52は、フィッシュマウス46の対応する内壁に圧力を加えることができる。突起52とフィッシュマウス46との係合により、騒音、振動及びチャッキングを低減することができる。参照により開示内容がすべて本明細書に援用される米国特許出願第11/732,351号には、こうしたブリッジ突起、こうしたブリッジ突起に対するさまざまな設計オプション及びそれらの動作モード(複数可)がさらに詳細に記載されている。
【0036】
ストライカー10は、緩衝体32(図1〜図4)をさらに有することができる。緩衝体32を、任意の適切な形状、サイズ又は構造とすることができる。たとえば、緩衝体32を、緩衝体支柱14(図2)より直径が大きくてもよい略円柱形状とすることができる。緩衝体32を、任意の適切なタイプの材料から製作することができる。たとえば、緩衝体32を、エラストマー又はゴム等、弾性材料から製作することができる。しかしながら、緩衝体32を、騒音及び振動を減衰させるのに有用である任意の材料から製作することができる。緩衝体32を、緩衝体支柱14の一部を包囲する等(図1及び図2)、ストライカー10の任意の適切な位置に配置することができる。
【0037】
緩衝体32は、ラッチ44の内壁48等のラッチ44とストライカー10との間の騒音、振動及びチャッキングを低減するのに役立つことができる。緩衝体32を、ストライカー10とラッチ44との間の相互作用を抑制するように適合させることができる。その目的で、緩衝体32は、緩衝体支柱14と係合して、緩衝体支柱14とラッチ44の内壁48との係合を抑制することができる。たとえば、緩衝体32は、基部12の近くからブリッジ18及び緩衝体支柱14の交差部分まで又はそれを越えて延在して、緩衝体支柱14の表面を覆うことができる。
【0038】
典型的には、緩衝体を、ストライカー10とラッチ44との係合を抑制するように設計することができる。多くの場合、これら緩衝体を、後壁に取り付けることができ、それらはくさび形構造を有することができる。そして、くさび形構造は、ラッチ開口部と係合して、騒音及び振動を減衰させることができる。参照により開示内容がすべて本明細書に援用される米国特許出願第12/316,225号には、くさび型緩衝体の実施形態がより詳細に記載されている。
【0039】
くさび型緩衝体を含むすべての緩衝体が、長期の使用により摩耗する可能性がある。特に、車のドアで使用されるストライカー10及びラッチ44の場合、ドアの長期の閉鎖状態により、緩衝体が変形する可能性があり、それにより、緩衝体の騒音及び振動を低減する能力が低下する。さらに、くさび型緩衝体は、ドアの開閉中にラッチハウジングに引っ掛る傾向があることが多く、それにより緩衝体が変形する可能性がある。
【0040】
緩衝体32に対する摩耗を低減すると共にその耐用年数を増大させるために、緩衝体32と緩衝体支柱14との係合を、緩衝体32が緩衝体支柱14を中心に回転することができるように設計することができる。たとえば、緩衝体支柱14を、円柱形状とすることができる(図1)。緩衝体32を、緩衝体支柱14と係合させてもよいが、固定して接続しなくてもよく、それにより緩衝体32が緩衝体支柱14を中心に回転することができる。図1は、緩衝体32の一部を緩衝体支柱14とブリッジ18との間の接続部分の周囲に延在するものとして示すことができるが、緩衝体32は、代替的にブリッジ18の下方で中断してもよく、それにより緩衝体32を、緩衝体支柱14を中心に回転させることができる。
【0041】
緩衝体32を、任意の適切な手段によって緩衝体支柱14に回転可能に接続することができる。緩衝体32を、ストライカー10及びラッチ44の通常の使用中にそれ自体で向きを変えるか又は回転するように構成することも可能である。たとえば、緩衝体32を緩衝体支柱14に緩く係合させることにより、緩衝体32が緩衝体支柱14を中心として自由に回転することができるようにしてもよい。代替的に、緩衝体32は、緩衝体支柱14を中心に弾性的に締め付けられていてもよいが、望ましい場合は手動で回転させるために十分緩くてもよい。
【0042】
さらに、緩衝体支柱14を円柱状であるように示すことができるが、緩衝体支柱14を、緩衝体32を回転させることができるように、扁円形、楕円形、球形、正方形、矩形、三角形又は任意の形状等、任意の形状とすることができることが理解されよう。緩衝体32を、緩衝体支柱14を中心に回転することができるようにすることにより、摩耗を、緩衝体32の表面全体にわたって分散させることができ、それは、緩衝体32をラッチ44に係合させることができる特定の領域に限定されることがない。緩衝体32を、緩衝体32とラッチ44の入口又は内壁48との係合により、ストライカー10とラッチ44との間の騒音及び振動を減衰させることができるようなサイズ及び形状とすることができる。
【0043】
本発明の実施形態を、添付図面に示すと共に上述した詳細な説明に記載したが、本発明は、開示した実施形態に限定されるべきではなく、本明細書に記載した発明は、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく多数の再配置、変更及び置換が可能であることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持構造に取り付けられかつラッチ機構に係合するストライカーであって、
基部であって、当該基部を前記支持構造に接続するための少なくとも1つの開口部を有する基部と、
前記基部から外側に延在する緩衝体支柱と、
前記基部から外側に延在すると共に前記ラッチ機構に係合可能な支柱と、
前記緩衝体支柱と前記支柱との間に、前記基部から距離を置いて延在するブリッジであって、前記ラッチ機構のフィッシュマウスと係合可能なブリッジと、
前記緩衝体支柱に回転可能に接続される緩衝体であって、前記ラッチ機構の入口にくさび係合が可能な緩衝体と、
を具備するストライカー。
【請求項2】
前記緩衝体が円柱状である、請求項1に記載のストライカー。
【請求項3】
前記緩衝体は前記ラッチ機構の前記入口に回転可能に係合する、請求項2に記載のストライカー。
【請求項4】
前記緩衝体は柔軟な材料を含む、請求項2に記載のストライカー。
【請求項5】
前記緩衝体支柱に隣接して配置された第1のボスをさらに具備する、請求項1に記載のストライカー。
【請求項6】
前記支柱に隣接して配置された第2のボスをさらに具備する、請求項1に記載のストライカー。
【請求項7】
前記緩衝体は前記ラッチ機構において横方向の動きを防止する、請求項1に記載のストライカー。
【請求項8】
前記緩衝体支柱は前記基部と一体的に形成される、請求項1に記載のストライカー。
【請求項9】
前記支柱は前記基部と一体的に形成される、請求項8に記載のストライカー。
【請求項10】
前記ブリッジは前記緩衝体支柱及び前記支柱と一体的に形成される、請求項9に記載のストライカー。
【請求項11】
前記ブリッジは、該ブリッジの側部に沿って位置する少なくとも1つの突起を有し、前記少なくとも1つの突起は前記フィッシュマウスとくさび係合が可能である、請求項1に記載のストライカー。
【請求項12】
支持構造に取り付けられかつラッチ機構と係合するストライカーであって、
上部側、下部側、及び該基部を前記支持構造に接続するための少なくとも1つの開口部を有する基部と、
前記基部の前記上部側から外側に延在する緩衝体支柱と、
前記基部の前記上部側から外側に延在すると共にラッチ機構と係合可能な支柱と、
前記緩衝体支柱と前記支柱との間に、前記基部から距離を置いて延在するブリッジであって、前記ラッチ機構のフィッシュマウスと係合可能なブリッジと、
前記緩衝体支柱に回転可能に接続された緩衝体であって、前記ラッチ機構の入口にくさび係合が可能な緩衝体と、
前記基部の前記下部側から外側に延在する少なくとも1つのほぞと、
を具備するストライカー。
【請求項13】
前記緩衝体支柱及び前記支柱は、前記基部からおよそ垂直に延出する、請求項12に記載のストライカー。
【請求項14】
前記緩衝体支柱及び前記支柱は、互いにおよそ平行に配置される、請求項13に記載のストライカー。
【請求項15】
一対のほぞをさらに具備する、請求項12に記載のストライカー。
【請求項16】
前記一対のほぞは、前記緩衝体支柱から離れる方向に延在する緩衝体支柱ほぞを含む、請求項15に記載のストライカー。
【請求項17】
前記緩衝体支柱ほぞ及び前記緩衝体支柱は一体的に形成される、請求項16に記載のストライカー。
【請求項18】
前記緩衝体は前記ラッチ機構に回転可能に係合する、請求項12に記載のストライカー。
【請求項19】
前記緩衝体は前記ラッチ機構において横方向の動きを防止する、請求項12に記載のストライカー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−526222(P2012−526222A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509950(P2012−509950)
【出願日】平成22年5月5日(2010.5.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/033743
【国際公開番号】WO2010/129683
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(511246360)
【Fターム(参考)】