説明

円形溝プレス装置とスパッターリングターゲットの製造方法

円形溝プレス加工によって金属ターゲットブランク(1)を製造する方法が、金属または合金ターゲットブランク(1)を第一の円形溝付きプレス加工ダイ・セット(20A、20B)内でプレスして第一の同心波形となるようにし、このときターゲットブランク(1)の元の直径が保たれるようにして、ターゲットブランク(1)内に同心円状のせん断変形部が形成されるようにすることを含む。次に、平坦ダイ・セット(30A、30B)によって当該同心波形ターゲット(1)ブランクに当該ターゲットブランクを実質的に平坦にするのに十分な力を加えて、当該ターゲットブランク(1)の元の直径を保ったまま、当該ターゲットブランク(1)を実質的に平坦な状態に戻す。当該ターゲットブランク(1)を第二の円形溝付きダイ・セット(40A、40B)内でプレスして第二の同心波形となるようにし、このとき当該ターゲットブランク(1)の元の直径が保たれるようにし、さらにこのとき、当該第二のダイ・セット(40A、40B)が当該第一のダイ・セット(20A、20B)の溝パターンからずれた溝パターンを有し、当該ターゲットブランクのそれ以前に変形されなかった領域に同心円状のせん断変形部が形成されるようにする。ふたたび、平坦ダイ・セット(30A、30B)によって当該同心波形ターゲットブランク(1)に当該ターゲットブランク(1)を実質的に平坦にするのに十分な力を加えて、当該ターゲットブランク(1)の元の直径を保ったまま、当該ターゲットブランクを実質的に平坦な状態に戻す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アメリカ仮特許出願第61/195,800号(2008年、10月10日出願)に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、広く言えばスパッターリングターゲットの分野に関するものであり、より詳しくは、円形溝プレスの使用によりスパッターリングターゲットを製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
スパッターリングターゲットは、許容されるスパッターリングの均一性を実現するために、ある種の金属組織学的特性を必要とする。製造者は、アルミニウム合金、たとえばアルミニウム-銅、アルミニウム-シリコンおよびアルミニウム-シリコン-銅合金からスパッターターゲットを製造するのに、いくつかの処理技術によっている。従来、製造者は、微細結晶粒アルミニウム合金ターゲットを製造するのに、鍛造、プレス加工、焼鈍および圧延などの熱機械的処理の組合せを使用してきた。焼鈍は、結晶粒を再結晶させて、スパッターリングに有用な結晶粒集合組織とするものである。これらの焼鈍ターゲットの最終結晶粒径は、通常30〜75μmである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体製造で使用されるターゲットの大部分は、円板形であり軸対称性(cylindrical symmetry)を有している。しかし、通常の熱機械的処理は、主として、一軸プレス加工、鍛造および一方向圧延によるものである。方向性の集合組織の形成を防止するために、十字圧延が使用されることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、円形溝プレス加工によって金属ターゲットブランクを製造する方法を提供する。この方法は、金属または合金ターゲットブランクを第一の円形溝付きプレス加工ダイ・セット内でプレスして第一の同心波形となるようにし、このときターゲットブランクの元の直径が保たれるようにして、ターゲットブランク内に同心円状のせん断変形部が形成されるようにすることを含む。次に、平坦ダイ・セットによって当該同心波形ターゲットブランクに当該ターゲットブランクを実質的に平坦にするのに十分な力を加えて、当該ターゲットブランクの元の直径を保ったまま、当該ターゲットブランクを実質的に平坦な状態に戻す。それから、本発明は、当該ターゲットブランクを第二の円形溝付きダイ・セット内でプレスして第二の同心波形となるようにし、このとき当該ターゲットブランクの元の直径が保たれるようにし、さらにこのとき、当該第二のダイ・セットが当該第一のダイ・セットの溝パターンからずれた溝パターンを有し、当該ターゲットブランクのそれ以前に変形されなかった領域に同心円状のせん断変形部が形成されるようにすることを含む。次に、ふたたび、平坦ダイ・セットによって当該同心波形ターゲットブランクに当該ターゲットブランクを実質的に平坦にするのに十分な力を加えて、当該ターゲットブランクの元の直径を保ったまま、当該ターゲットブランクを実質的に平坦な状態に戻す。
【0006】
本発明は、また、スパッターリングターゲットブランクを製造する円形プレス加工装置にも関する。この円形溝プレス加工装置は、溝によってターゲットブランクを円形波形に加工するための第一の溝付きダイ・セットと、第一のダイスの溝寸法と同じ溝寸法の、第一のダイ・セット内で変形されなかったターゲットブランクの領域を波形加工するための第二の溝付きダイ・セットとを有する。この装置は、また、第一のダイ・セットの使用と第二のダイ・セットの使用との間でターゲットブランクに対して使用する、ターゲットブランクを平坦にするためのダイ・セットをも有する。
【0007】
本発明のこれらおよびその他の特徴と利点とは、添付の図面を参照し、以下の詳細な説明を読むことによりさらに十分に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ここで開示する本発明の実施形態の構造、動作および利点は、以下の説明を添付の図面を参照して考察することにより、明らかになるであろう。
【0009】
添付の図面の全体において、対応する参照番号は、対応する部分を示す。
【0010】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明を詳しく説明する。添付の図面には、本発明の実施が可能なように、代表的実施形態が詳細に示されている。ここでは、本発明を特定の代表的実施形態に関して説明するが、本発明はこれらの代表的実施形態のみに限定されるものではない、と理解すべきである。逆に、本発明には、以下の詳細な説明の考察から明らかになるように、多くの代替、変形および同等実施形態が含まれる。
【0011】
図面を参照すると、本発明は、図1に示すプレス1による円形溝プレス加工によって一体構造のスパッターリングターゲットを製造する方法を提供する。本発明においては、まず、大体平坦で円形に成形されたターゲットブランク10をプレス1に挿入する。このターゲットブランクは、任意の延性金属または合金、たとえば、Al、Al合金、CuおよびCu合金、TaおよびTa合金ならびに室温または高温で塑性変形できるその他の金属で作ることができる。以下で説明するように、プレス1とともに複数のダイスを使用してターゲットブランク10にせん断変形を発生させる。一つの実施形態においては、ターゲットブランクは直径約33 cm(13インチ)と厚さ3.175 cm(1.25インチ)を有するが、本発明の範囲を逸脱することなく、他の寸法も使用することができる。
【0012】
第一のプレス加工ステップ時には、図2A〜Cに示す下部ダイス20Aと上部ダイス20Bとからなる第一のダイ・セットを、プレス1とともに使用する。拘束シリンダー12を使用して、プレス加工ステップ中、プレス加工されるターゲットブランク10の直径を一定に保つ。第一のダイ・セット20A、20Bは、当該ダイスに成形された一つ以上の同心溝を有する。図2Cのダイ・セット20A、20Bの断面図に示すように、溝は、傾斜壁を有する参照記号Aで示す、ダイスの同心部分によって形成される。この傾斜壁は、好ましくは、約120°〜約150°の範囲の好ましい角度αを有し、さらに好ましくは約135°の角度αを有する。参照記号Bで示すこのダイ・セットの他の部分は平坦である。簡明なように、このダイ・セットのすべての部分には参照記号を付していないが、当業者にはわかるように、ダイ・セット20A、20Bには、妥当な技術的判断にもとづいて、傾斜部分と平坦部分との幅を変えることにより、かつ/またはダイ・セットの直径を変えることにより、いろいろな数の溝を成形することができる。
【0013】
この第一のステップでターゲットブランク10をプレス加工すると、下部および上部ダイス20Aおよび20Bの対向表面は、実質的にターゲットブランクの厚さに等しい距離まで接近する。プレス1によってターゲットブランク10に加えられる力により、ダイス20A、20Bの傾斜部分Aにはさまれたターゲットブランク領域はプレス加工されてせん断変形を受け、同心波形が形成される。ダイス20A、20Bの平坦部分Bにはさまれたターゲットブランク10の領域は、なんら実質的なせん断変形を受けない。拘束シリンダー12は、プレス加工ステップ中、プレス加工されたターゲットブランク10の直径を実質的に一定に保つ。すなわち、第一のダイ・セット20A、20Bは、まずプレス1で使用されて、ターゲットブランク10のある同心部分に同心せん断変形リングが形成される。図1には、拘束リング内のターゲットブランクを示す。ここでは、下部プレート20Aが第一のプレス加工ステップのあと取りはずされて、ターゲットブランクがせん断変形を受けた同心リング部分を有するのがわかるようになっている。
【0014】
第二のステップでは、ダイス20A、20Bの第一のセットは、図3に示す同一の下部および上部平坦面を有する平坦ダイス30A、30Bのセットで置き換えられる。平坦ダイス30A、30Bのセットにより、実質的に平坦な面を回復させるのに十分な力が、同心波形ターゲットブランクに加えられる。もちろん、当業者には明らかなように、一つのプレス1を使用して、各方法ステップのためにダイスを交換することができるが、あるいは本発明の範囲を逸脱することなく、ターゲットブランクを第一のダイ・セットを備えた第一のプレス1から第二のダイ・セットを備えた第二のプレスに移動させることができる。このことは、以下で述べる各後続ステップに対しても当てはまる。拘束シリンダー12は、第二のプレス加工ステップ中、ダーゲットブランク10の直径を実質的に一定に保つ。
【0015】
第三のステップにおいては、図4A〜Cに示す下部ダイス40Aと上部ダイス40Bからなる第二の溝付きダイスのセットが、プレス1とともに使用される。拘束シリンダー12は、やはり、このプレス加工ステップ中にプレス加工されるターゲットブランク10の直径を一定に保つ。第二のダイ・セット40A、40Bも、当該ダイスに成形された一つ以上の同心溝を有し、ターゲットブランク10を円形波形加工する。これらの溝は第一のダイ・セットの溝の寸法に等しい寸法を有するが、たとえば一周期だけずれていて、第二のダイ・セットは、第一のダイ・セット20A、20Bで変形されなかったターゲットブランク10の領域を波形加工するようになっている。図4Cの第二のダイ・セット40A、40Bの断面図から明らかなように、第二のダイ・セットの溝は、第一のダイ・セットの溝からずれており、この場合、参照記号A´で示すダイスの同心円部分が平坦壁を有し、参照記号B´で示すこのダイ・セットの別の部分が傾斜壁を有するようになっている。ターゲットブランク10をこの第三のステップにおいてプレス加工すると、下部および上部ダイス40Aおよび40Bの対向表面は、ターゲットブランクの厚さに実質的に等しい距離まで互いに近づいて、第一のステップにおいて変形されなかったターゲットブランクの部分を変形する。プレス1によってターゲットブランク10に加えられる力により、ダイス40A、40Bの傾斜部分B´にはさまれたターゲットブランク領域がせん断変形される。ダイス40A、40Bの平坦部分A´にはさまれたターゲットブランク10の領域はなんら実質的なせん断変形を受けない。拘束シリンダー12は、このプレス加工中、プレス加工されるターゲットブランク10の直径を実質的に一定に保つ。すなわち、第二のダイ・セット40A、40Bは、プレス1で使用されて、前記第一のプレス加工ステップにおいてせん断変形されなかった、ターゲットブランク10の第一のステップにおける場所からずれた同心部分にせん断変形を発生させる。
【0016】
第四のステップにおいては、同じ下部および上部平坦面を有する平坦ダイス30A、30Bを使用してふたたびターゲットブランク10を平坦にする。このとき、拘束シリンダー12は、ターゲットブランク10の直径を実質的に一定に保つ。
【0017】
次に、このターゲットブランクは、スパッターリングターゲットの製造に使用され、あるいは必要であれば、さらに変形を蓄積させるために溝付きダイスで追加プレス加工することができる。すなわち、当業者にはわかるように、プレス加工ステップは、ターゲットブランク片が、所望の微視組織、微細化結晶粒および改良された機械的性質(すなわち、強度)を有する製造物となるまで、繰返すことができる。円形溝プレス加工により、軸対称性を有するターゲットブランク10が作られる。したがって、このターゲットブランクの金属組織(metallurgy)にも軸対称性が与えられる。
【0018】
ターゲットブランク10は、前記の円形溝プレス加工を加えたあとには、高められた強度のほかにも有利な性質を有しうる。プレス加工工程により、ターゲットブランク10に、通常の圧延では得られない集合組織が発達する。強い<200>集合組織材料に対して最適化した磁石を用いた試験の結果によれば、円形溝プレス加工法により<200>方向が約45°傾く、と考えられる。すなわち、小さめの直径のターゲットがより高い均一性を与えうるように、スパッターリングビームを調節することができる。ウェーハ直径が増大したので、ターゲット直径もそれに比例して増大した。スパッターターゲット寸法をウェーハ寸法に近づけることができれば、より効率の高いチャンバーを作ることができる、と考えられる。半径方向に傾斜した集合組織をその傾斜に対して最適化した磁石と組み合わせることにより、材料およびスペースに関してより効率的な物理蒸着システムを作ることができると考えられる。
【0019】
随意であるが、この円形溝プレス加工法は、四つのプレス加工ステップのうち一つ以上のステップのあとにターゲットブランクを焼鈍することをも含むことができる。さらに、一つの実施形態においては、一つ以上のプレス加工ステップに先立って、ターゲットブランクを加熱および/または冷却する。
【実施例1】
【0020】
Al-0.2%Si-0.5%Cu合金インゴットをプレス加工して圧延し、直径33 cm(13インチ)で厚さ3.175 cm(1.25インチ)の板を作った。このターゲットブランクを、2サイクルの溝プレス加工と2サイクルの平坦化加工を使用して、円形溝プレス加工し、完成板も直径33 cm(13インチ)で厚さ3.175 cm(1.25インチ)となるようにした。焼鈍は行わなかった。
【0021】
次に、ターゲットブランクを機械加工して、直径31.75 cm(12.5インチ)×2.79 cm(1.1インチ)のターゲットブランクを作り、この円形プレス加工材料の機械的性質を測定して解析した。加工した板から標準試験試料を切り出して、引張り強さを測定した。結果を表1に示す。
【表1】

【0022】
この結果からわかるように、加工した材料は元の材料に比して約50%大きな引張り強さを有する。
【実施例2】
【0023】
Al-0.2%Si-0.5%Cu合金インゴットをプレス加工して圧延し、直径33 cm(13インチ)×厚さ3.175 cm(1.25インチ)の板を作り、円形溝プレス加工ターゲットブランクを作るのに使用した。2サイクルの溝プレス加工と2サイクルの平坦化加工を使用して、完成板も直径33 cm(13インチ)×厚さ3.175 cm(1.25インチ)となるようにした。ここでは、焼鈍は行わなかった。
【0024】
次に、ターゲットブランクを機械加工して、直径31.75 cm(12.5インチ)×2.79 cm(1.1インチ)のターゲットブランクを作り、この円形プレス加工材料の結晶粒均一性を測定して解析した。結果を表2に示す。
【表2】

【実施例3】
【0025】
Al-0.2%Si-0.5%Cu合金インゴットをプレス加工して圧延し、直径33 cm(13インチ)×厚さ3.175 cm(1.25インチ)の板を作り、円形溝プレス加工ターゲットブランクを作るのに使用した。2サイクルの溝プレス加工と2サイクルの平坦化加工を使用して、完成板も直径33 cm(13インチ)×厚さ3.175 cm(1.25インチ)となるようにした。ここでは、焼鈍は行わなかった。
【0026】
次に、ターゲットブランクを機械加工して、直径31.75 cm(12.5インチ)×2.79 cm(1.1インチ)のターゲットブランクを作り、これを使用して、標準Enduraターゲット(32.97 cm(12.98インチ)×0.635 cm(0.25インチ))を作った。このターゲットをスパッターして薄膜蒸着の均一性を調べた。
【0027】
図5には、標準49点抵抗率試験によって測定した薄膜の均一性が許容レベルの<2.5%であることを示している。
【0028】
以上、本発明をいくつかの代表的実施形態に関して、図示し、説明したが、本明細書を読んで理解した当業者が本発明に同等の変形および変更を加えることができる、ということは明らかである。本発明は、そのような同等の変形と変更のすべてを含み、また本発明は、特許請求の範囲のみによって限定される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の代表的実施形態において、円形溝プレス加工に使用するプレスの部分をターゲットブランクとともに示す斜視図である。
【図2A】円形溝プレス加工のためのプレスとともに使用する第一のダイ・セットの斜視図である。
【図2B】図2Aの第一のダイ・セットの平面図である。
【図2C】図2Bの線2C−2Cに沿う第一のダイ・セットの断面図である。
【図3】円形溝プレス加工のためのプレスとともに使用する平坦ダイ・セットの斜視図である。
【図4A】円形溝プレス加工のためのプレスとともに使用する第二のダイ・セットの斜視図である。
【図4B】図4Aの第二のダイ・セットの平面図である。
【図4C】図4Bの線4C−4Cに沿う第二のダイ・セットの断面図である。
【図5】円形溝プレス加工によって製造されたターゲットに関するパーセント標準偏差49点抵抗率試験の結果を示す。
【符号の説明】
【0030】
1 プレス
10 ターゲットブランク
12 拘束シリンダー
20A 下部ダイス
20B 上部ダイス
30A 下部平坦ダイス
30B 上部平坦ダイス
40A 下部ダイス
40B 上部ダイス
A ダイスの傾斜部分
A´ ダイスの平坦部分
B ダイスの平坦部分
B´ ダイスの傾斜部分
α 傾斜角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形溝プレス加工によって金属ターゲットブランクを製造する方法であって、
a. 金属または合金ターゲットブランクを第一の円形溝付きプレス加工ダイ・セット内でプレスして第一の同心波形となるようにし、このときターゲットブランクの元の直径が保たれるようにして、ターゲットブランク内に同心円状のせん断変形部が形成されるようにし、
b. 平坦ダイ・セットによって当該同心波形ターゲットブランクに当該ターゲットブランクを実質的に平坦にするのに十分な力を加えて、当該ターゲットブランクの元の直径を保ったまま、当該ターゲットブランクを実質的に平坦な状態に戻し、
c. 当該ターゲットブランクを第二の円形溝付きダイ・セット内でプレスして第二の同心波形となるようにし、このとき当該ターゲットブランクの元の直径が保たれるようにし、さらにこのとき、当該第二のダイ・セットが当該第一のダイ・セットの溝パターンからずれた溝パターンを有し、当該ターゲットブランクのステップa)で変形されなかった領域に同心円状のせん断変形部が形成されるようにし、
d. 平坦ダイ・セットによって当該同心波形ターゲットブランクに当該ターゲットブランクを実質的に平坦にするのに十分な力を加えて、当該ターゲットブランクの元の直径を保ったまま、当該ターゲットブランクを実質的に平坦な状態に戻す、
各ステップからなることを特徴とする方法。
【請求項2】
当該第二の溝付きダイ・セットが、当該ターゲットブランクの同心円波形形成のための、当該ダイ・セットに成形された同心溝を有し、当該溝の寸法が当該第一のダイ・セットの溝のそれに実質的に等しいが、一周期だけずれていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、ステップa)、b)、c)およびd)を反復することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップa)〜d)のうち一つ以上のあと、当該ターゲットブランクを焼鈍するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップa)〜d)のうち一つ以上の前に、当該ターゲットブランクを加熱するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ステップa)〜d)のうち一つ以上の前に、当該ターゲットブランクを冷却するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
スパッターリングターゲットブランクを製造するための円形溝プレス装置であって、
a. ターゲットブランクに円形波形を形成させるための、溝を有する第一の溝付きダイ・セット、
b. 当該ターゲットブランクの、当該第一のダイ・セットで変形されなかった領域に波形を形成させるための第二の溝付きダイ・セットであって、その溝の寸法が当該第一のダイスの溝の寸法に等しいダイ・セット、
c. 当該ターゲットブランクを平坦にするためのダイ・セット、
からなることを特徴とする円形溝プレス装置。
【請求項8】
当該第二の溝付きダイ・セットが、当該ターゲットブランクに円形波形を形成させるために当該ダイ・セットに形成された同心溝を有し、当該溝の寸法が当該第一のダイ・セットの溝のそれに実質的に等しいが一周期だけずれていることを特徴とする請求項7に記載の円形溝プレス装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−505311(P2012−505311A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531032(P2011−531032)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/005572
【国際公開番号】WO2010/042227
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(500190801)トーソー エスエムディー,インク. (7)
【Fターム(参考)】