説明

円筒状ワークの外観検査装置

【課題】 円筒状ワークに対する外観検査の高速化、低コスト化、高精度化を図り、さらに生産性を向上することができる円筒状ワークの外観検査装置を提供する。
【解決手段】 円筒状ワーク10を回転させながら搬送する搬送手段2と、円筒状ワーク10が視野に入るように撮像素子4と光学レンズ5が設けられ、撮像素子4により撮影した撮像光を光電変換して出力する光電変換部6と、円筒状ワーク10を照明する照明手段8と、光電変換手段6の位置を円筒状ワーク10の回転移動に合わせて制御する外観駆動制御手段と、光電変換部6によって得られる円筒状ワーク10の画像情報に基づいて円筒状ワーク10の良否を判定する外観検査用画像処理装置9とを備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば複写機やプリンターに用いられる感光体ドラム、現像ローラ、定着ローラ、或いは、それらの素管であるアルミローラ等の円筒状の検査対象(以下、「円筒状ワーク」という)の全周面の外観欠陥を画像処理により高速且つ自動的に行うことができる円筒状ワークの外観検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から複写機やプリンターに用いられる感光体ドラム、現像ローラ、定着ローラ等の円筒状の検査対象(円筒状ワーク)の外観検査を行う円筒状ワークの外観検査装置が知られている。
しかしながら、従来の外観検査装置では円筒状ワークを検査位置に供給したり、検査後の円筒状ワークを検査位置から取り除いたりする必要があり、円筒状ワークのハンドリングが検査の高速化の障害になって生産性を低下させるという問題があった。
そこで、例えば特許文献1には、円筒状ワークのハンドリングを行うことなく、高速でしかも生産効率の良い外観検査装置が提案されている。特許文献1に開示されている外観検査装置は、搬送路上において円筒状ワークを回転させながら搬送する搬送装置と、搬送路の検査エリア上に設置されていてワークが少なくとも1回転する範囲を視野として有する二次元カメラと、二次元カメラの視野内で回転しながら移動するワークを照明する照明装置と、ワーク右半分用とワーク右半分用の二次元カメラにより一定間隔で撮像した画像を所定枚数取り込むことによりワークWの全周の画像情報を取得し、この画像情報に基づいてワークの外観の良否を判定する画像処理手段とが備えられている。
【特許文献1】特開2002−350358公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1の円筒状ワークの外観検査装置は、搬送装置の構造が複雑になる。
また円筒状ワークの全周を取り込むために必要な画像枚数が非常に多くなるため、画像処理に時間が掛かるといった問題点があった。
さらに例えば円筒状ワークの長さが比較的長い(例えば300mm程度)感光体ドラムの外観検査を行う場合、検出分解能を保つためには、多数の二次元カメラを並べる必要があるため、装置のコストが高くなると共に、画像処理を行う画像枚数も増大するため、画像処理に時間がかかるという問題点があった。
そこで、本発明は、上記したような点を鑑みてなされてなされたものであり、円筒状ワークに対する外観検査の高速化、低コスト化、高精度化を図り、さらに生産性を向上することができる円筒状ワークの外観検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、円筒状の検査対象である円筒状ワークの外観検査を行う円筒状ワークの外観検査装置であって、前記円筒状ワークを回転させながら搬送する搬送手段と、前記円筒状ワークが視野に入るように撮像素子と光学レンズが設けられ、前記撮像素子により撮影した撮像光を光電変換して出力する光電変換手段と、前記円筒状ワークを照明する照明手段と、前記光電変換手段の位置を前記円筒状ワークの回転移動に合わせて制御する駆動制御手段と、前記光電変換手段によって得られる前記円筒状ワークの画像情報に基づいて前記円筒状ワークの良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
また請求項2に記載の発明は、円筒状の検査対象である円筒状ワークの外観検査を行う円筒状ワークの外観検査装置であって、前記円筒状ワークを回転させながら搬送する搬送手段と、前記円筒状ワークが視野に入るように撮像素子と光学レンズが設けられ、前記撮像素子により撮影した撮像光を光電変換して出力する第一の光電変換手段と、前記円筒状ワークを照明する照明手段と、前記円筒状ワークの移動速度及び回転速度を測定する第二の光電変換手段と、前記第二の光電変換手段の出力に基づいて前記円筒状ワークの位置を測定するワーク位置測定手段と、前記ワーク位置測定手段によって得られた測定結果に基づいて前記第一の光電変換手段の位置を制御する駆動制御手段と、前記第一の光電変換手段によって得られた前記円筒状ワークの画像情報に基づいて前記円筒状ワークの良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
また請求項3に記載の発明は、円筒状の検査対象である円筒状ワークの外観検査を行う円筒状ワークの外観検査装置であって、前記円筒状ワークを回転させながら搬送する搬送手段と、前記円筒状ワークが視野に入るように撮像素子と光学レンズが設けられ、前記撮像素子により撮影した撮像光を光電変換して出力する光電変換手段と、前記円筒状ワークを照明する照明手段と、前記光学レンズの位置を前記円筒状ワークの回転移動に合わせて制御する駆動制御手段と、前記光電変換手段によって得られる前記円筒状ワークの画像情報に基づいて前記円筒状ワークの良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0005】
また請求項4に記載の発明は、円筒状の検査対象である円筒状ワークの外観検査を行う円筒状ワークの外観検査装置であって、前記円筒状ワークを回転させながら搬送する搬送手段と、前記円筒状ワークが視野に入るように撮像素子と光学レンズが設けられ、前記撮像素子により撮影した撮像光を光電変換して出力する第一の光電変換手段と、前記円筒状ワークを照明する照明手段と、前記円筒状ワークの移動速度及び回転速度を測定する第二の光電変換手段と、前記第二の光電変換手段の出力に基づいて前記円筒状ワークの位置を測定するワーク位置測定手段と、前記ワーク位置測定手段によって得られた測定結果に基づいて前記光学レンズの位置を制御する駆動制御手段と、前記第一の光電変換手段によって得られた前記円筒状ワークの画像情報に基づいて前記円筒状ワークの良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
また請求項5に記載の発明は、円筒状の検査対象である円筒状ワークの外観検査を行う円筒状ワークの外観検査装置であって、前記円筒状ワークを回転させながら搬送する搬送手段と、前記円筒状ワークが視野に入るように撮像素子と光学レンズが設けられ、前記撮像素子により撮影した撮像光を光電変換して出力する光電変換手段と、前記円筒状ワークを照明する照明手段と、前記撮像素子の位置を前記円筒状ワークの回転移動に合わせて制御する駆動制御手段と、前記光電変換手段によって得られる前記円筒状ワークの画像情報に基づいて前記円筒状ワークの良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
また請求項6に記載の発明は、円筒状の検査対象である円筒状ワークの外観検査を行う円筒状ワークの外観検査装置であって、前記円筒状ワークを回転させながら搬送する搬送手段と、前記円筒状ワークが視野に入るように撮像素子と光学レンズが設けられ、前記撮像素子により撮影した撮像光を光電変換して出力する第一の光電変換手段と、前記円筒状ワークを照明する照明手段と、前記円筒状ワークの移動速度及び回転速度を測定する第二の光電変換手段と、前記第二の光電変換手段の出力に基づいて前記円筒状ワークの位置を測定するワーク位置測定手段と、前記ワーク位置測定手段によって得られた測定結果に基づいて前記撮像素子の位置を制御する駆動制御手段と、前記第一の光電変換手段によって得られた前記円筒状ワークの画像情報に基づいて前記円筒状ワークの良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また請求項7に記載の発明は、前記搬送手段は下り勾配であることを特徴とする。
また請求項8に記載の発明は、前記搬送手段にワークストッパを設け、前記ワークストッパを解除した信号を、前記光電変換手段又は前記第一の光電変換手段、及び前記駆動制御手段の動作開始信号とすることを特徴とする。
また請求項9に記載の発明は、前記搬送手段を下り勾配としたうえで、前記円筒状ワークに働く重力の搬送方向成分と、転がり摩擦力の大きさが等しくなるように、前記搬送手段の傾斜角ところがり摩擦係数を設定したことを特徴とする。
また請求項10に記載の発明は、円筒状の検査対象である円筒状ワークの外観検査を行う円筒状ワークの外観検査装置であって、搬送経路が円弧状である搬送手段と、前記円弧の中心で前記円筒状ワークからの反射光を反射させるミラーと、前記円筒状ワークの移動に応じて前記ミラーの角度を調整するミラー角度調整手段と、前記円筒状ワークの表面画像を取得するための光電変換素子と、前記光電変換手段によって得られた前記円筒状ワークの画像情報に基づいて前記円筒状ワークの良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
また請求項11に記載の発明は、前記搬送手段の傾斜角度を0度とし、前記円筒状ワークを前記搬送手段に押し出すプッシャーを備えていることを特徴とする。
また請求項12に記載の発明は、前記円筒状ワークは、記搬送手段との接触部に溝が形成されていることを特徴とする。
また請求項13に記載の発明は、前記搬送手段に沿って前記円筒状ワークが軸方向にずれないように前記円筒状ワークの両端部を支持するガイドを設けるようにしたことを特徴とする。
また請求項14に記載の発明は、前記円筒状ワークは、前記搬送手段と接触する個所の径が、検査対象面の径に比べて小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の本発明によれば、回転搬送中の円筒状ワークの表面画像を、その円筒状ワークと共に移動する光電変換手段で撮像して外観検査を行うようにしているので、従来の外観検査装置に比べて搬送手段の構造を簡略化することができ、装置の低コスト化を図ることができる。
また円筒状ワークの全周を取り込むのに必要な画像枚数も最小限で済むため、画像処理に掛かる時間を短縮することができ、生産性を高めることができる。
さらに円筒状ワークを検査位置に供給したり、検査後に円筒状ワークを検査位置から取り除いたりするハンドリング動作を自動的に行うことができるので、この点からも外観検査の高速化を図ることができ、生産性の向上を図ることができる。
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1の外観検査装置に二次元撮像素子を設け、二次元撮像素子により、搬送中の円筒状ワークの位置を測定するようにしているので、回転速度や移動速度が変化しても、円周方向に等間隔な画像を全周において取得することができるようになる。
請求項3に記載の本発明によれば、回転搬送中の円筒状ワークの表面画像を、円筒状ワークと共に移動する光電変換手段で撮像して外観検査を行うようにしているので、円筒状ワークを検査位置に供給したり、検査後の円筒状ワークを検査位置から取り除いたり必要がなく、外観検査の高速化が可能になり、生産性の向上を図ることができる。
また光学レンズだけを移動させるようにしているので、一次元撮像素子と光学レンズからなる光電変換手段全体を移動させるよりも、移動距離を短くすることができ、また移動させる物の質量も小さくできるため、追従性能の高精度化、装置の簡素化を図ることができる。
請求項4に記載の本発明によれば、請求項3の装置に二次元撮像素子を用いて搬送中の円筒状ワークの位置を計測することにより、回転速度や移動速度が変化しても、円周方向に等間隔な画像を全周において取得することができる。
【0008】
請求項5に記載の本発明によれば、回転搬送中の円筒状ワークの表面画像を、円筒状ワークと共に移動する光電変換手段で撮像して外観検査を行うようにしているので、円筒状ワークを検査位置に供給したり、検査後の円筒状ワークを検査位置から取り除いたりする必要がなく、外観検査の高速化が可能になり、生産性の向上を図ることができる。
またこの場合は一次元撮像素子だけを移動させるようにしているので、一次元撮像素子と光学レンズからなる光電変換手段全体を移動させるよりも、移動距離が短くすることができ、また移動させる物の質量も小さくできるため、追従性能の高精度化、装置の簡素化を図ることができる。
請求項6に記載の本発明によれば、請求項5の装置に二次元撮像素子を用いて搬送中の円筒状ワークの位置を計測することにより、回転速度や移動速度が変化しても、円周方向に等間隔な画像を全周において取得することができる。
請求項7に記載の本発明によれば、搬送手段を下り勾配にすることにより、簡単に円筒状ワークを回転搬送することができる。
【0009】
請求項8に記載の本発明によれば、搬送手段にワークストッパを設けることにより、円筒状ワークが静止している状態から、光電変換素子の移動及び撮像を開始させることができるため、撮像位置のずれが生じにくいという利点がある。
請求項9に記載の本発明によれば、円筒状ワークに働く重力の搬送方向成分と、転がり摩擦力の大きさが等しくなるように、搬送手段の傾斜角ところがり摩擦係数を設定するようにしているため、円筒状ワークを等速回転、等速移動させることができる。よって、光電変換手段の移動速度は等速でよくなるため、制御が容易になり、得られる画像の副走査方向撮像間隔をより一定値に安定させることができる。
請求項10に記載の本発明によれば、円弧状の搬送手段と円弧の中心で円筒状ワークからの反射光を反射させるミラーにより、円筒状ワークの表面画像を撮像することにより、光学倍率mが一定となる。また、ミラーを回転運動させるだけなので、光電変換手段全体を直線移動させるよりも、追従性能の高精度化、装置構成の簡素化を実現することができる。
請求項11に記載の本発明によれば、プッシャーによって水平搬送路中を回転しながら搬送される円筒状ワークの表面画像を、円筒状ワークと共に移動する光電変換手段で撮像して外観検査を行うようにしているので、円筒状ワークを検査位置に供給したり、検査後の円筒状ワークを検査位置から取り除いたり必要がなく、外観検査の高速化が可能になり、生産性の向上を図ることができる。
請求項12に記載の本発明によれば、搬送路が接触する円筒状ワーク部分に溝を形成することにより、円筒状ワークの軸線が斜めになることがなくなる。
請求項13に記載の本発明によれば、円筒状ワーク両端の位置を、軸方向に制限するようなガイドを設けることにより、円筒状ワークの軸線が斜めになることがない。
請求項14に記載の本発明によれば、円筒状ワーク上、搬送手段によって支持される部分の直径を、検査対象領域の直径よりも小さくすることにより、円筒状ワークが1周するのに必要な搬送手段の長さを短くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態としての円筒状ワークの外観検査装置について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る円筒状ワークの外観検査装置の構成を示した図である。
この図1に示す外観検査装置1において、搬送手段2は下り勾配になっており、例えば、円筒状ワーク10をその両端にある軸部分により支持した状態で、回転させながら下方向へ移動していくように搬送する。このため、搬送手段2の表面は円筒状ワーク10が滑ることなく転がるように、その傾斜や摩擦が調整されている。また、搬送手段2にはワークストッパ3が設けられており、このワークストッパ3によって検査前の円筒状ワーク10が静止されている。
一次元撮像素子4と光学レンズ5からなる光電変換部(光電変換手段)6は、円筒状ワーク10を視野として円筒状ワーク10の表面を撮影する。一次元撮像素子4の画素は円筒状ワーク10の軸方向と平行に並んでおり、1ラインの走査周期は通常固定されている。
また、このような光電変換部6は、搬送手段2と平行に移動できるようにリニアステージ等の駆動機構7に連結されている。照明手段8は円筒状ワーク10を照明する照明装置である。外観検査用画像処理装置(判定手段)9は、光電変換部6の一次元撮像素子4によって得られた円筒状ワーク10の画像情報に基づいて円筒状ワーク10の良否の判定を行う。
円筒状ワーク10は、例えば複写機やプリンターに用いられる感光体ドラム、現像ローラ、定着ローラ等の検査対象面である外観面が円筒状のものをいう。
上記のように構成される外観検査装置1においては、搬送手段2上の円筒状ワーク10を滑ることなく回転させながら移動させると共に、この円筒状ワーク10の移動に合わせて、光電変換部6を駆動機構7により移動させることで、円筒状ワーク10の1周分の画像を取得するようにしている。
【0011】
ところで、このような外観検査装置1では、円筒状ワーク10を静止させているワークストッパ3が外されると、搬送手段2上の円筒状ワーク10の回転速度及び重心の移動速度は重力により加速していくことになる。
そこで、外観検査装置1では、円筒状ワーク10の周方向における撮像間隔が一定になるように、駆動機構7と共に駆動制御手段を構成している、この図には示していない速度制御コントローラにより、円筒状ワーク10の速度に合わせて、光電変換部6を駆動機構7により加速移動させ、円筒状ワーク10の1周分の画像を取得するようにしている。そして、1周分の画像を取得し終わると、光電変換部6は駆動機構7により初期位置へ戻される。全面の撮像が終了した円筒状ワーク10は所定の待機位置で静止させるようにする。ここで、仮に周方向撮像間隔が、円筒状ワーク10の軸方向の撮像間隔と同じであれば、アスペクト比1:1の等間隔で撮像した円筒状ワーク10全面の画像が得られる。このようにして、光電変換部6により得られた円筒状ワーク10全面の画像は外観検査用画像処理装置9に送られ、外観検査用画像処理装置9において欠陥部分が画像処理によって自動的に検出し、円筒状ワーク10の良否の判定を行うようにする。そして、良品と判定した円筒状ワーク10aは後工程へと搬送し、また不良品と判定した場合は廃棄用の搬送路へ搬送するようにしている。
従って、このような外観検査装置1によれば、搬送手段2により回転させながら搬送中の円筒状ワーク10の表面画像を、円筒状ワーク10と共に移動する光電変換部6で撮像して外観検査を行うようにしている。このようにすれば、搬送手段2は簡単な構造でよいため、従来の外観検査装置より低コストで実現することができる。
【0012】
また円筒状ワーク10の全周を取り込むのに必要な画像枚数も最小限で済むため、画像処理に掛かる時間を短縮することが可能になり、外観検査のる高速化を図ることができる。
さらに円筒状ワーク10を検査位置に供給したり、検査後に円筒状ワーク10を検査位置から取り除いたりするハンドリング動作を自動的に行うことができるので、この点からも外観検査の高速化を図ることができ、生産性の向上を図ることができる。
さらにまた、搬送手段2を下り勾配にしたことにより、円筒状ワーク10を簡単に回転搬送させることができる。
さらにまた、搬送手段2にワークストッパ3を設けたことで円筒状ワーク10が静止している状態から、光電変換部6の移動及び撮像を開始させることができるため、撮像位置のずれが生じにくいという利点もある。
ところで、上記図1に示した外観検査装置1においては、円筒状ワーク10の微妙な差や搬送路上の摩擦状態の変化等によって、搬送路上を移動する円筒状ワーク10の回転速度や移動速度が変化すると、周方向の撮像間隔も変化し、最悪の場合、円筒状ワークにおいて撮像していない領域が生じてしまうといったことが考えられる。
そこで、本発明の第2の実施形態として、例えば円筒状ワーク10の回転速度や移動速度が変化しても、円周方向に等間隔な画像を全周において取得できる外観装置について説明する。
【0013】
図2は第2の実施形態に係る円筒状ワークの外観検査装置の構成を示した図である。なお、図1と同一部位には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
この図2に示す外観検査装置21は、上記図1に示した外観検査装置に移動中の円筒状ワーク10を撮像するために二次元撮像素子22を追加したものである。このような二次元撮像素子22は、円筒状ワーク10が搬送手段2上を1回転する間中、円筒状ワーク10の側面の画像を捉えられるように視野や倍率を調整して、その位置を固定するようにしている。そして、円筒状ワーク10が搬送手段2上を搬送される間に、例えば図3に示すように円筒状ワーク10の軸11の側面に形成されているDカット12等を二次元撮像素子22で撮影し、撮影した画像を後述するワーク位置測定用画像処理装置に伝送するようにしている。
図4〜図6は円筒状ワークの搬送時において二次元撮像素子による撮影画像例を示した図である。
これら図4〜図6に示す撮影画像からパターンマッチング等の画像処理で円筒状ワーク10の軸11部分を切り出し、その重心部分を測定すれば円筒状ワーク10の重心位置がわかる。また、切り出した円筒状ワーク10の軸11部分から、さらにDカット12の直線部分12aを検出し、その角度を測定すれば、円筒状ワーク10の回転位置がわかる。従って、このような測定を一定時間間隔で繰り返し行って、円筒状ワーク10の回転速度や移動速度を算出し、その結果に基づいて光電変換部6の駆動機構7を制御すれば、例えば円筒状ワーク10の回転速度や移動速度が変化しても、円周方向に等間隔な画像を全周において取得することができる。
図7は、上記図3に示した外観検査装置の制御システムの構成を示した図である。
この図7に示すように、外観検査装置21では、二次元撮像素子(第2の光電変換手段)22からの撮影画像によりワーク位置測定用画像処理装置(ワーク位置測定手段)23において円筒状ワーク10の回転速度や移動速度を算出し、その算出結果に基づいて、駆動機構7と共に駆動制御手段を構成する速度制御用コントーラ24に速度指令を与えるようにしている。速度制御用コントーラ24は、一次元撮像素子4と光学レンズ5からなる光電変換部6に取り付けられた駆動機構7の速度制御を行うようにする。これにより、例えば円筒状ワーク10の回転速度や移動速度が変化しても、円周方向に等間隔な画像を全周において取得することができる。
【0014】
次に、本発明の第3の実施形態に係る外観検査装置について説明する。
図8は、第3の実施形態に係る外観検査装置の構成を示した図である。なお、図1と同一部位には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
この図8に示す外観検査装置31は、光電変換部(光電変換手段)32に設けられている一次元撮像素子4の位置は固定で、光電変換部32内の光学レンズ33に圧電素子等の駆動機構33を取り付けて、光学レンズ33の位置を移動可能に構成している。
このような外観検査装置31では、円筒状ワーク10の回転及び移動が開始されると光学33レンズの位置が制御されて撮像が開始される。
図9(a)は撮像開始初期状態の光学系を示した図、図9(b)は円筒状ワークが撮影開始初期状態から移動したときの光学系を示した図である。
図9(a)に示すように一次元撮像素子4と光学レンズ33を備えた光電変換部32は、円筒状ワーク10上の領域nを視野としている。ここで、円筒状ワーク10の領域nと光学レンズ33の主点位置の距離をa、光学レンズ33の主点位置と一次元撮像素子4までの距離をb、その距離の和をlとする。また、それぞれの初期値をa0、b0、l0とする。
ここで、例えば図10(a)に示すように、光学レンズ33の焦点距離f=20mm、初期値a0=100mm、初期値b0=25mm、初期値l0=a0+b0=125mmとする。
そして、図9(b)に示すように円筒状ワーク10が移動して、距離lが長くなっていった時、円筒状ワーク上の領域nが一次元撮像素子上に結像する光学レンズ33の位置について説明する。
距離lが変化した場合、円筒状ワーク10上の領域nが一次元撮像素子4上に結像する距離a及びbと光学倍率m(=b/a)を図10(b)に示す。
この場合、光学レンズ33は光軸方向の移動に併せ、さらに光軸方向と垂直な方向にも移動させる必要がある。図9(b)に示すように、光学レンズ33の光軸と頂点に来た領域nとの間隔をax、光学レンズ33の光軸と一次元撮像素子4との間隔をbx、その和を間隔lxとすると、間隔lxは円筒状ワーク10の移動と共に長くなる。
そこで、本実施の形態では、bx/axが先に求めた光学倍率m(=b/a)と同じになるように光学レンズ33の位置を図9(b)の横方向に調整するようにしている。なお、初期位置からの調整距離はbxに等しい。
【0015】
図11は、第3の実施形態に係る外観検査装置の他の構成例を示した図である。なお、図8と同一部位には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
この図11に示す外観検査装置35は、光学レンズ33の光軸が搬送手段2と直角に設定されている。この場合、光学レンズ33は光軸方向に移動させる必要はなく、それと直角な方向のみに移動させればよい。
ところで、図8及び図11に示す外観検査装置31,35による撮像方法の場合、図10(b)からもわかるように、円筒状ワーク10が下に行くに従い光学倍率mが小さくなってしまう。つまり、撮像視野が広がり、その結果、一次元撮像素子4の副走査方向の撮像分解能が低下してしまう。そこで、本実施の形態では想定される副走査方向の撮像視野の最大値で撮像した画像からでも、最も小さな欠陥検出を行うことができるように、副走査方向の撮像視野の最大値を設定するようにしている。したがって、このような第3の実施形態にかかる外観検査装置31,35によれば、縮小光学系で円筒状ワーク10を撮像して光学レンズ33だけを移動させるようにしているので、一次元撮像素子4と光学レンズ33からなる光電変換部32全体を移動させるよりも、移動距離が短くなり、また移動させる物の質量も小さくできるため、追従性能の高精度化、装置の簡素化が実現できる。
【0016】
次に、本発明の第4の実施形態に係る外観検査装置について説明する。
第4の実施形態に係る外観装置としては、図示しないが上記図8及び図10に示した外観検査装置に移動中の円筒状ワーク10を撮像するための二次元撮像素子22(図2参照)を設けるようにする。この場合も二次元撮像素子22は、先に図2において述べたように、円筒状ワーク10が搬送手段2上を1回転する間中、円筒状ワーク10の側面の画像を捉えられるように視野や倍率を調整して、その位置を固定するようにしている。
図12は、第4の実施の形態に係る外観検査装置の制御システムの構成を示した図である。
この図12に示す外観検査装置では、上記図2に示した外観検査装置と同様、二次元撮像素子22からの撮影画像によりワーク位置測定用画像処理装置23において円筒状ワーク10の回転速度や移動速度を算出し、その算出結果に基づいて、速度制御用コントーラ24に速度指令を与えるようにしている。速度制御用コントーラ24は、一次元撮像素子4用の光学レンズ33に取り付けられた駆動機構34を制御する。このような制御は二次元撮像素子22による撮像毎に繰り返し行う。このようにすれば、例えば円筒状ワーク10の微妙な差や搬送路上の摩擦状態の変化等によって、搬送路上を移動する円筒状ワーク10の回転速度や移動速度が変化し、これに伴って周方向の撮像間隔も変化した場合でも、円周方向に等間隔な画像を全周において取得することができる。従って、円筒状ワークにおいて撮像していない領域が生じてしまうといったことがない。
図13は、本発明の第5の実施形態に係る外観検査装置の構成を示した図である。なお、図1と同一部位には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
この図13に示す外観検査装置41は、光電変換部(光電変換手段)42に設けられている光学レンズ33の位置は固定で、光電変換部42内の一次元撮像素子4に圧電素子等の駆動機構7を取り付けることで、一次元撮像素子4の位置が移動可能な状態になっている。このような外観検査装置41では、円筒状ワーク10の回転及び移動が開始されると一次元撮像素子4の位置が制御されて撮像が開始されることになる。
【0017】
図14は円筒状ワークの撮像時の光学系を示した図であり、この図14に示すように、一次元撮像素子4と光学レンズ33を備えた光電変換部42は、円筒状ワーク10上領域nを視野としている。ここで、先において説明した図9と同様に、円筒状ワーク10の領域nと光学レンズ33の主点位置の距離をa、光学レンズ33の主点位置と一次元撮像素子4までの距離をb、その距離の和をlとする。また、夫々の初期値をa0、b0、l0とする。そして、上記の場合と同様、例えば上記図10(a)に示すように、光学レンズ33の焦点距離f=20mm、初期値a0=100mm、初期値b0=25mm、初期値l0=a0+b0=125mmとする。そして、この場合において、図14に示すように円筒状ワーク10が移動して距離aが長くなっていった時の円筒状ワーク10上の領域nが一次元撮像素子4上に結像する一次元撮像素子4の位置について説明すると、距離aが変化した場合、円筒状ワーク10上の領域nが一次元撮像素子4上に結像する距離bと、光学倍率m(=b/a)は、上記図10(b)のように示すことができる。
従って、この場合、光学レンズ33は光軸方向の移動に併せ、さらに光軸方向と垂直な方向にも移動させる必要がある。図14に示すように、光学レンズ33の光軸と頂点に来た領域nとの間隔をax、光学レンズ33の光軸と一次元撮像素子4との間隔をbx、その和を間隔lxとすると、間隔axは円筒状ワーク10の移動と共に長くなる。
そこで、本実施の形態では、bx/axが先に求めた光学倍率m(=b/a)と同じになるように一次元撮像素子4の位置を図14の横方向に調整するようにしている。なお、初期位置からの調整距離はbxに等しい。
【0018】
図15は、第5の実施形態に係る外観検査装置の他の構成例を示した図である。なお、図14と同一部位には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
この図15に示す外観検査装置43は、光学レンズ33の光軸が搬送手段2と直角に設定されている。この場合、一次元撮像素子4は光軸方向に移動させる必要はなく、それと直角な方向のみに移動させればよい。
そして、このような外観検査装置による撮像方法の場合も、先において述べたように、円筒状ワーク10が下に行くに従い光学倍率mが小さくなる(図10(b))参照)。つまり、撮像視野が広がり、その結果、一次元撮像素子4の副走査方向の撮像分解能が低下してしまう。そこで、本実施の形態では、想定される副走査方向の撮像視野の最大値で撮像した画像からでも、最も小さな欠陥検出を行うことができるように、副走査方向の撮像視野の最大値を設定するようにしている。
したがって、本発明の第5の実施形態に係る外観検査装置によれば、縮小光学系で円筒状ワーク10を撮像し、光学レンズ33だけを移動させる構成の場合、一次元撮像素子4と光学レンズ33からなる光電変換部42全体を移動させるよりも、移動距離が短くなり、また移動させる物の質量も小さくできるため、追従性能の高精度化、装置構成の簡素化が実現できる。
図16は、第5の実施形態に係る外観検査装置の制御システムの構成を示した図である。
この図16に示す外観検査装置では、上記図12に示した外観検査装置と同様、二次元撮像素子22からの撮影画像によりワーク位置測定用画像処理装置23において円筒状ワーク10の回転速度や移動速度が算出され、その算出結果に基づいて、速度制御用コントーラ24に速度指令が与えられる。速度制御用コントーラ24は、一次元撮像素子4用の光学レンズ33に取り付けられた駆動機構34を制御する。このような制御は二次元撮像素子22による撮像毎に繰り返し行うようにする。
このようにすれば、例えば円筒状ワーク10の微妙な差や搬送路上の摩擦状態の変化等によって、搬送路上を移動する円筒状ワーク10の回転速度や移動速度が変化し、これに伴って周方向の撮像間隔も変化した場合でも、円周方向に等間隔な画像を全周において取得することができる。従って、円筒状ワークにおいて撮像していない領域が生じてしまうといったことがない。
【0019】
次に、本発明の外観検査装置に適用される搬送手段について説明する。
例えば図17に示すように、搬送手段2の傾斜角度をα、円筒状ワーク10の半径をr、質量をM、ころがり摩擦係数をaとする。ころがり摩擦係数をaは円筒状ワーク10及び搬送手段2の材料に関する量であり、接触面の状態にも依存する。ころがり摩擦による力FはF=aN/rと表せる。Nは搬送手段2から円筒状ワーク10に働く抗力であり、Mgcosαに等しい。ここでgは重力加速度を示す。一方、円筒状ワーク10には重力により搬送方向にMgsinαなる力が働く。ここで、F=Mgsinαとなるように傾斜角度αと、ころがり摩擦係数を調整すれば、円筒状ワークは等速回転、等速移動するはずである。
そこで、図18に示すように、αよりも急な角度を搬送させることにより円筒状ワーク10を加速させ、ある速度のところで上記の関係を満たす傾斜角αの搬送手段50へ突入させると、円筒状ワーク10は搬送手段50に突入した初速度を保ったまま回転・移動を行うことになる。したがって、このような構成の搬送手段50を、これまで説明した本実施の形態の外観検査装置に適用して光電変換部により円筒状ワーク10の表面を撮像すれば、光電変換部の移動速度は等速で良いため、制御が容易になり、得られる画像の副走査方向撮像間隔がより一定値に安定するという利点がある。
図19は、搬送手段の他の構成例を示した図であり、この図19に示す搬送手段51は、その形状を円弧状にしている。そして、その円弧の中心位置にはミラー52が設置されており、ミラー角度調整機構53により角度調整が可能となっている。円弧状搬送手段51の中心と円筒状ワーク10の中心を結んだ線と、円筒状ワーク10の表面との交点を撮像位置Pとする。撮像位置Pからの光は、ミラー52の反射位置、つまり円弧状搬送手段51の中心位置で正反射して一次元撮像素子4に向かう。撮像位置Pと円弧状搬送手段51の中心までの距離Lは、円弧状搬送手段51の長さR、円筒状ワークの半径rとすると、L=R−2rとなり一定となる。
円筒状ワーク10の移動にあわせてミラー52の角度は調整される。円弧状搬送手段51の搬送長さは円筒状ワーク10が1回転するのに必要な長さが確保されている。このような円弧状搬送手段51を用いることにより、光路長が一定になり、光学倍率mも一定となる。また、ミラーを回転運動させるだけなので、図1に示したように光電変換部6全体を直線移動させるよりも、追従性能の高精度化、装置構成の簡素化が実現できる。
【0020】
図20は、搬送手段のさらに他の構成例を示した図である。
この図20に示す搬送手段60には傾斜がなく水平であり、円筒状ワーク10はプッシャー61によって押され回転、移動運動を開始する。このとき、円筒状ワーク10は搬送手段60上を滑ることなく回転運動を行うように、搬送手段60の摩擦係数やプッシャー61によって押す力を調整する。したがって、このような構成の搬送手段50を、これまで説明した本実施の形態の外観検査装置に適用して光電変換部により円筒状ワーク10の表面を一次元撮像素子4で撮像すれば、外観検査用画像処理装置9により欠陥部分を検出することができる。
ところで、例えば円筒状ワーク10の両端を支持して、これまで説明したような方法で搬送した場合、円筒状ワーク10の両端の移動速度に差が生じ、その結果、円筒状ワーク10の軸方向が斜めになり、一次元撮像素子4の主走査方向とずれていく可能性がある。
そこで、図21に示すように円筒状ワーク10の搬送手段70と接触する円筒状ワーク10の軸11部分に溝13を形成する溝加工を施しておくようにする。このような加工を施しておけば円筒状ワーク10の軸線が斜めになるようなことがなくなる。
また、例えば図22に示すように、円筒状ワーク10の両端の位置を、軸方向に制限するようなガイド71を設けて円筒状ワークの軸線が斜めになることを防ぐことも可能である。
さらに円筒状ワーク10の搬送手段70によって支持される部分の直径を、検査対象領域の直径よりも小さくすると、円筒状ワーク10が1周するのに必要な搬送手段70の長さを短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る円筒状ワークの外観検査装置の構成を示した図である。
【図2】第2の実施形態に係る円筒状ワークの外観検査装置の構成を示した図である。
【図3】円筒状ワークの構造を示した図である。
【図4】二次元撮像素子による撮影画像例を示した図である。
【図5】二次元撮像素子による撮影画像例を示した図である。
【図6】二次元撮像素子による撮影画像例を示した図である。
【図7】図3に示した外観検査装置の制御システムの構成を示した図である。
【図8】第3の実施形態に係る外観検査装置の構成を示した図である。
【図9】(a)(b)は図8に示した外観検査装置の光学系の状態を示した図である。
【図10】(a)は光学レンズの焦点距離と初期値を示した図、(b)は光学系の距離と光学倍率の関係を示した図である。
【図11】第3の実施形態に係る外観検査装置の他の構成例を示した図である。
【図12】第4の実施形態に係る外観検査装置の制御システムの構成を示した図である。
【図13】第5の実施形態に係る外観検査装置の構成を示した図である。
【図14】図13に示した外観検査装置の光学系の状態を示した図である。
【図15】第5の実施形態に係る外観検査装置の他の構成例を示した図である。
【図16】第5の実施形態に係る外観検査装置の制御システムの構成を示した図である。
【図17】搬送手段の基本的な構成を説明する図である。
【図18】本実施の形態の外観検査装置に適用される搬送手段の構成を示した図である。
【図19】搬送手段の他の構成例を示した図である。
【図20】搬送手段のさらに他の構成例を示した図である。
【図21】搬送手段のさらに他の構成例を示した図である。
【図22】搬送手段のさらに他の構成例を示した図である。
【符号の説明】
【0022】
1 21 31 35 41 43 外観検査装置、2 50 51 60 70 搬送手段、3 円筒状ワークストッパ、4 一次元撮像素子、5 33 光学レンズ、6 32 42 光電変換部、7 34 駆動機構、8 照明手段、9 外観検査用画像処理装置、10 円筒状ワーク、11 軸、12 Dカット、12a Dカットの直線部分、22 二次元撮像素子、23 ワーク位置測定用画像処理装置、24 速度制御用コントーラ、61 プッシャー、71 ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の検査対象である円筒状ワークの外観検査を行う円筒状ワークの外観検査装置であって、前記円筒状ワークを回転させながら搬送する搬送手段と、前記円筒状ワークが視野に入るように撮像素子と光学レンズが設けられ、前記撮像素子により撮影した撮像光を光電変換して出力する光電変換手段と、前記円筒状ワークを照明する照明手段と、前記光電変換手段の位置を前記円筒状ワークの回転移動に合わせて制御する駆動制御手段と、前記光電変換手段によって得られる前記円筒状ワークの画像情報に基づいて前記円筒状ワークの良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする円筒状ワークの外観検査装置。
【請求項2】
円筒状の検査対象である円筒状ワークの外観検査を行う円筒状ワークの外観検査装置であって、前記円筒状ワークを回転させながら搬送する搬送手段と、前記円筒状ワークが視野に入るように撮像素子と光学レンズが設けられ、前記撮像素子により撮影した撮像光を光電変換して出力する第一の光電変換手段と、前記円筒状ワークを照明する照明手段と、前記円筒状ワークの移動速度及び回転速度を測定する第二の光電変換手段と、前記第二の光電変換手段の出力に基づいて前記円筒状ワークの位置を測定するワーク位置測定手段と、前記ワーク位置測定手段によって得られた測定結果に基づいて前記第一の光電変換手段の位置を制御する駆動制御手段と、前記第一の光電変換手段によって得られた前記円筒状ワークの画像情報に基づいて前記円筒状ワークの良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする円筒状ワークの外観検査装置。
【請求項3】
円筒状の検査対象である円筒状ワークの外観検査を行う円筒状ワークの外観検査装置であって、前記円筒状ワークを回転させながら搬送する搬送手段と、前記円筒状ワークが視野に入るように撮像素子と光学レンズが設けられ、前記撮像素子により撮影した撮像光を光電変換して出力する光電変換手段と、前記円筒状ワークを照明する照明手段と、前記光学レンズの位置を前記円筒状ワークの回転移動に合わせて制御する駆動制御手段と、前記光電変換手段によって得られる前記円筒状ワークの画像情報に基づいて前記円筒状ワークの良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする円筒状ワークの外観検査装置。
【請求項4】
円筒状の検査対象である円筒状ワークの外観検査を行う円筒状ワークの外観検査装置であって、前記円筒状ワークを回転させながら搬送する搬送手段と、前記円筒状ワークが視野に入るように撮像素子と光学レンズが設けられ、前記撮像素子により撮影した撮像光を光電変換して出力する第一の光電変換手段と、前記円筒状ワークを照明する照明手段と、前記円筒状ワークの移動速度及び回転速度を測定する第二の光電変換手段と、前記第二の光電変換手段の出力に基づいて前記円筒状ワークの位置を測定するワーク位置測定手段と、前記ワーク位置測定手段によって得られた測定結果に基づいて前記光学レンズの位置を制御する駆動制御手段と、前記第一の光電変換手段によって得られた前記円筒状ワークの画像情報に基づいて前記円筒状ワークの良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする円筒状ワークの外観検査装置。
【請求項5】
円筒状の検査対象である円筒状ワークの外観検査を行う円筒状ワークの外観検査装置であって、前記円筒状ワークを回転させながら搬送する搬送手段と、前記円筒状ワークが視野に入るように撮像素子と光学レンズが設けられ、前記撮像素子により撮影した撮像光を光電変換して出力する光電変換手段と、前記円筒状ワークを照明する照明手段と、前記撮像素子の位置を前記円筒状ワークの回転移動に合わせて制御する駆動制御手段と、前記光電変換手段によって得られる前記円筒状ワークの画像情報に基づいて前記円筒状ワークの良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする円筒状ワークの外観検査装置。
【請求項6】
円筒状の検査対象である円筒状ワークの外観検査を行う円筒状ワークの外観検査装置であって、前記円筒状ワークを回転させながら搬送する搬送手段と、前記円筒状ワークが視野に入るように撮像素子と光学レンズが設けられ、前記撮像素子により撮影した撮像光を光電変換して出力する第一の光電変換手段と、前記円筒状ワークを照明する照明手段と、前記円筒状ワークの移動速度及び回転速度を測定する第二の光電変換手段と、前記第二の光電変換手段の出力に基づいて前記円筒状ワークの位置を測定するワーク位置測定手段と、前記ワーク位置測定手段によって得られた測定結果に基づいて前記撮像素子の位置を制御する駆動制御手段と、前記第一の光電変換手段によって得られた前記円筒状ワークの画像情報に基づいて前記円筒状ワークの良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする円筒状ワークの外観検査装置。
【請求項7】
前記搬送手段は下り勾配であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の円筒状ワークの外観検査装置。
【請求項8】
前記搬送手段にワークストッパを設け、前記ワークストッパを解除した信号を、前記光電変換手段又は前記第一の光電変換手段、及び前記駆動制御手段の動作開始信号とすることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の円筒状ワークの外観検査装置。
【請求項9】
前記搬送手段を下り勾配としたうえで、前記円筒状ワークに働く重力の搬送方向成分と、転がり摩擦力の大きさが等しくなるように、前記搬送手段の傾斜角ところがり摩擦係数を設定したことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の円筒状ワークの外観検査装置。
【請求項10】
円筒状の検査対象である円筒状ワークの外観検査を行う円筒状ワークの外観検査装置であって、搬送経路が円弧状である搬送手段と、前記円弧の中心で前記円筒状ワークからの反射光を反射させるミラーと、前記円筒状ワークの移動に応じて前記ミラーの角度を調整するミラー角度調整手段と、前記円筒状ワークの表面画像を取得するための光電変換素子と、前記光電変換手段によって得られた前記円筒状ワークの画像情報に基づいて前記円筒状ワークの良否を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする円筒状ワークの外観検査装置。
【請求項11】
前記搬送手段の傾斜角度を0度とし、前記円筒状ワークを前記搬送手段に押し出すプッシャーを備えていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の円筒状ワークの外観検査装置。
【請求項12】
前記円筒状ワークは、記搬送手段との接触部に溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の円筒状ワークの外観検査装置。
【請求項13】
前記搬送手段に沿って前記円筒状ワークが軸方向にずれないように前記円筒状ワークの両端部を支持するガイドを設けるようにしたことを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の円筒状ワークの外観検査装置。
【請求項14】
前記円筒状ワークは、前記搬送手段と接触する個所の径が、検査対象面の径に比べて小さいことを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の円筒状ワークの外観検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−145503(P2006−145503A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−339657(P2004−339657)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】