再構成組織のサンプルおよび検出システムを含む装置
本発明は、再構成組織のサンプル(4)と、組織のサンプルおよび/またはサンプルを培養する装置と少なくとも部分的に接触した検出システム(20)、(30)と、を含み、検出システムが、物理的、生物学的および/または化学的刺激がサンプルの少なくとも一部に与える影響またはサンプルの少なくとも一部が物理的、生物学的および/または化学的刺激に与える影響を測定することを可能とする装置に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再構成組織、例えば、再構成皮膚のサンプルを検出システムと関連付けた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自然な皮膚との表皮の類似性によって特徴付けられる複数の再構成皮膚が知られている。
【0003】
第1の表皮モデルは角化細胞(ケラチノサイト)のみを含む。このモデルを使用することにより、特に、皮膚の老化をシミュレートすることができる。
【0004】
第2の表皮モデルはメラニン細胞も含む。このモデルは着色され、メラニン形成現象をより良く理解することができるようになる。
【0005】
第3の表皮モデルは角化細胞と、メラニン細胞と、ランゲルハンス細胞とを含む。この表皮モデルにより、光免疫抑制現象、すなわち、例えば、アレルギーの場合の皮膚の免疫応答を理解することができる。
【0006】
再構成皮膚は、培養装置を使用し、コラーゲン基体上において、ヒト成人角化細胞を、角化細胞が分化し、機能的角質を備えた表皮を再構成することを可能とする条件下で培養することによって得ることができる。角化細胞はコラーゲン支持体に浸漬しながら培養し、表皮の分化と角質の形成が生じることを可能とする時間にわたって浸漬した状態で保持することができる。
【0007】
再構成皮膚は、例えば、Episkin(登録商標)として市販されている。
【0008】
特に、皮膚の治療および/または皮膚との接触のための新しい物質を開発するためには、皮膚の生物学的、化学的または物理的特性を容易に理解することができるようすることが必要である。
【0009】
また、そのような物質の安全性および/または有効性の試験を改善または容易化する必要もある。
【発明の開示】
【0010】
第1の態様において、本発明は、再構成組織、特に、再構成皮膚のサンプルと、サンプルおよび/またはサンプルを培養する装置と少なくとも部分的に接触した検出システムと、を含み、検出システムが、物理的、生物学的および/または化学的刺激(ストレス;stress)がサンプルの少なくとも一部に与える影響またはサンプルの少なくとも一部が物理的、生物学的および/または化学的刺激に与える影響を測定することを可能とする装置を提供する。
【0011】
一実施形態では、刺激は、電気的、熱的、光学的、化学的および/または生物学的刺激である。
【0012】
別の実施形態では、検出システムはサンプルに接触したセンサーを含む。
【0013】
本発明の一実施形態では、検出システムは、物理的、生物学的および/または化学的刺激がサンプルの少なくとも一部に与える影響を測定するように構成されている。本発明の別の実施形態では、検出システムは、サンプルの少なくとも一部が物理的、生物学的および/または化学的刺激に与える影響を測定するように構成されている。
【0014】
検出システムは、サンプルおよび/またはサンプルを培養する装置に接触したセンサーまたは刺激付与手段を含んでもよい。
【0015】
明細書および請求項において、「センサー」という用語は狭い意味で使用するものではなく、それ自身または他の手段と共に、サンプルに加わる物理的、化学的および/または生物学的刺激に応じて有用な信号を供給することができる様々な構成要素を含むものである。特に、サンプルが生存可能な(viable)状態でサンプルに固定されたセンサーを含むことができる。
【0016】
同様に、「刺激付与手段」という表現も広い意味において理解されるべきであり、例えば、サンプルの物理的、化学的および/または生物学的パラメータの少なくとも1つを変更することができる構成要素、例えば、化学的および/または生物物質(entity)を放出することにより物理的刺激、特に、電気的、熱的、光学的、機械的および/または生物学的刺激を生成することができる構成要素を含む。
【0017】
検出システムは様々なセンサーを含むことができ、例えば、限定されるものではないが、以下のセンサーが挙げられる。
【0018】
アミノ酸、ビタミン、酵素、特に、グルコース脱水素酵素、グルカメート脱水素酵素および/またはNadH酸化酵素、アセチルコリンおよび/または過酸化水素水を検出するためのセンサー;
少なくとも1種の気体の分圧を検出するためのセンサー、特に、PO2またはPCO2センサー;
少なくとも1種のイオン種の濃度を感知するセンサー、特に、pHセンサー;
生物組織センサー;
サンプルに接触した少なくとも1つの電極であって、必要に応じてサンプルに対して不活性な材料、特に、不動態化材料を表面上に含む電極;
1つ以上のセンサーおよび/または光学的刺激付与手段、例えば、オプトロード、フォトダイオード、フォトトランジスタ、光導電体、レーザー、光ファイバおよび/または再構成皮膚のサンプルに接触した光ファイバの束の少なくとも1つ、特に、サンプルの一部を撮像および/またはサンプル内の化学または生物物質を分析および/または当該物質の位置を特定するように配置された光ファイバの束または他の手段;
温度センサー;
サンプルを加熱および/または冷却することができる加熱源または冷却源(例えば、ペルティエ効果要素)。
【0019】
本発明の一実施形態では、検出システムは、UVa放射線および/またはUVb放射線の放出源と、紫外線、特に、UVa放射線および/またはUVb放射線を感知する光センサーと、を少なくとも含む。
【0020】
そのような検出システムは、特に、サンプルの各層によって吸収される紫外線の量を確認したり、例えば、新しい日焼け止めの試験を行うために有用である。
【0021】
本発明の別の実施形態では、検出システムは、蛍光標識を励起するように選択された波長を有する光をサンプルに照射することができる光源と、蛍光標識によって放出される光の波長を感知するセンサーと、を含む。
【0022】
再構成皮膚は、表皮含有角化細胞を含んでもよい。再構成皮膚は、必要に応じて角質層を含んでもよい。再構成皮膚は、メラニン細胞および/またはランゲルハンス細胞を含んでもよい。再構成皮膚は、好ましくは真皮と表皮とを含む。
【0023】
上述したように、検出システムの少なくとも一部はサンプルと接触していてもよい。
【0024】
例えば、再構成皮膚のサンプルの場合には、検出システムの少なくとも一部は表皮内に位置してもよく、特に、装置は少なくとも部分的に表皮内(例えば、角質層の下方、角質層内または角質層と角化細胞の界面)に配置されたセンサーを含むことができる。
【0025】
あるいは、検出システムの少なくとも一部は真皮と表皮との間に配置されていてもよく、特に、装置は真皮と表皮との間に配置されたセンサーを含んでもよい。
【0026】
検出システムの少なくとも一部は真皮内に配置されていてもよく、特に、前記システムは真皮内に配置されたセンサーを含んでもよい。
【0027】
検出システムの少なくとも一部はサンプルの上方または下方に配置されていてもよく、特に、装置はサンプルの上方または下方に配置されたセンサーを含んでもよい。検出システムが少なくとも部分的に皮膚サンプルの上方に位置する場合には、検出システムは組織細胞を培養するための支持体として機能してもよい。
【0028】
また、検出システムはサンプルと必ずしも接触していなくともよく、培養装置のみに接触していてもよい。
【0029】
特に、センサーがサンプルの上方に配置された光センサーである場合には、検出システムは空気の層のみによってサンプルから分離されたセンサーを含むことができる。また、検出システムは、検出システムに属さない少なくとも1つの壁、特に、培養装置に属する壁によってサンプルから分離されたセンサーを含むこともできる。
【0030】
サンプルは、例えば、約0.3cm2から約1.35cm2の範囲、特に、約0.38cm2から約1.12cm2の範囲の面積を有してもよい。
【0031】
培養装置は、サンプルが配置されるバスケットと、バスケットを着脱可能に固定することができるウェルと、を含んでもよい。「バスケット」という用語は制限的な意味で使用するものではなく、少なくとも部分的にウェル内に配置された任意のサンプル支持体を含む。
【0032】
必要に応じて、検出システムは、ウェルの下方、ウェルの底部、ウェルの壁内、特に、ウェルの底壁内、バスケットの下方、バスケットの底部および/またはバスケットの壁内、特に、バスケットの底壁内の少なくとも1つに配置されたセンサーを含んでもよい。また、検出システムは、ウェルおよびバスケットの1方に固定された支持体に固定されたセンサーを含んでもよい。支持体は、必要に応じて着脱可能に構成されていてもよい。
【0033】
検出システムは、センサーからの信号を処理するための手段および/またはマイクロコンピュータとの接続のためのインターフェースを含んでもよい。
【0034】
別の態様において、本発明は、上述した装置を使用して、少なくとも1つの再構成組織のサンプル、例えば、再構成皮膚のサンプルの少なくとも1つの物理的、化学的および/または生物学的パラメータを測定する方法であって、少なくとも1つの物理的、生物学的および/または化学的刺激をサンプルに与える工程と、検出システムを使用して刺激時および/または刺激後のサンプルの少なくとも1つの物理的、化学的および/または生物学的パラメータを測定する工程と、を含む方法を提供する。
【0035】
サンプルに刺激を与える前にパラメータの値を測定することができる。例えば、パラメータは、限定されるものではないが、アミノ酸、ビタミン、アセチルコリン、過酸化水素水、O2、CO2、H+および/または酵素、特に、グルコース脱水素酵素、グルカメート脱水素酵素および/またはNadH酸化酵素から選択することができる少なくとも1つの化学および/または生物物質の濃度であってもよい。
【0036】
刺激は、サンプルに放射線、特に、UVa放射線および/またはUVb放射線を含む放射線を照射することを含むことができる。この場合、例えば、その存在が放射線に関連する化学または生物種(例えば、フリーラジカル)の濃度を測定することができる。
【0037】
また、光学的ではなく、熱的および/または機械的な刺激を皮膚に与えることもできる。
【0038】
刺激は、物質、特に、化粧品またはケア製品、例えば、日焼け止めをサンプルに塗布することを含むか、刺激を与える前に物質を塗布することができる。
【0039】
パラメータを、時間を置いて少なくとも2回測定することができ、刺激時のパラメータの変化を決定するためにそれらの測定値を比較することができる。
【0040】
別の態様において、本発明は、上述した装置の少なくとも1つの再構成組織のサンプルが物理的、化学的および/または生物学的刺激パラメータに与える影響を測定する方法であって、再構成組織のサンプル、例えば、再構成皮膚のサンプルを物理的、生物学的および/または化学的刺激に影響を与えることができるように配置し、検出システムを使用して刺激に対するサンプルの影響を示す少なくとも1つの情報を収集する方法を提供する。
【0041】
刺激は物理的刺激であってもよい。例えば、刺激は、放射線、特に、UVa放射線および/またはUVb放射線を含む放射線をサンプルに照射することを含んでもよい。これにより、サンプルによる放射線のスペクトルの少なくとも一部の吸収を示す大きさ(magnitude)を測定することができる。
【0042】
物理的刺激は、例えば、機械的パラメータ(特に、弾性)または電気的パラメータ(例えば、導電率)を測定するために、少なくとも1つの機械的作用、例えば、少なくとも1つの超音波をサンプルに供給することおよび/または少なくとも1つの電気的刺激をサンプルに与えることを含んでもよい。
【0043】
必要に応じて、検出システムの少なくとも一部は再構成組織を培養するための支持体として機能することができる。したがって、検出システムは組織、特に、皮膚の培養開始時から存在していてもよい。検出システムは、細胞の成長を妨げず、細胞にダメージを与えないように、不動態化のために表面処理されていてもよい。
【0044】
変形として、組織の培養時に検出システムを埋め込んでもよく、完全に再構成され、生存可能な組織に検出システムを埋め込んでもよい。例えば、装置の使用時のみ検出システムの少なくとも一部を再構成組織に埋め込んでもよい。特に、例えば、所与のパラメータの2回の測定の間に検出システムを埋め込んでもよい。
【0045】
検出システムは、実質的にサンプルを破壊することなくサンプルに埋め込むことが可能な長さを有してもよい。
【0046】
別の態様において、本発明は、再構成組織、特に、再構成皮膚のサンプルの少なくとも1つの物理的、化学的および/または生物学的パラメータを測定する方法であって、物理的、生物学的および/または化学的刺激の少なくとも1つをサンプルに与え、刺激の存在下でパラメータを少なくとも1回測定する方法を提供する。
【0047】
一実施形態では、刺激は、電気的、熱的、光学的、化学的および/または生物学的刺激である。
【0048】
例えば、初めに放射線をサンプルに照射し、次にサンプルによる放射線の吸収を示す大きさを測定することができる。
【0049】
以下の非限定的な実施形態の詳細な説明および添付図面によって本発明はより良く理解されるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
図1は再構成皮膚サンプル4(皮膚均等物ともいう)を培養するための公知の装置を示しており、装置はサンプル4を支持するバスケット3を収容するウェル2を含む。
【0051】
ウェル2は、複数(例えば、少なくとも10個)のウェルを有するプレートの一部を構成することができる。
【0052】
図示する実施形態では、ウェル2には溶液5(例えば、栄養培地)が部分的に充填されている。
【0053】
サンプル4は表皮6および真皮7を含むことができ、真皮は例えば、コラーゲンを含む。
【0054】
本実施形態では、バスケット3は皮膚サンプル4を支持する底壁13を含む。底壁13は貫通穴9を有する。
【0055】
再構成皮膚サンプルは、例えば、欧州特許第0 789 074 B1号、欧州特許出願公開第0 789 074 A1号、米国特許第6,079,415号、米国特許第6,660,522号に開示された方法のいずれかに従って培養される。
【0056】
本発明によれば、検出システム10がサンプル4に関連付けられている。
【0057】
図2は、センサー20および/または刺激付与手段30と、センサー20から供給された信号を処理し、1つ以上の刺激付与手段30を制御するための手段40と、を含む検出システム10を示す。
【0058】
例えば、手段40はセンサーおよび/または刺激付与手段30の特性に適合した特殊電子回路を含む。
【0059】
検出システム10は、例えば、マイクロコンピュータによって構成されたプロセッサ装置60とのデータ交換を可能とする統合インターフェース50を含むことができる。例えば、インターフェース50は、アナログ/デジタルインターフェース、シリアルまたはパラレルインタフェース、USBインターフェースまたはマイクロコンピュータ60とのデータ交換を可能とするその他のインターフェースである。
【0060】
検出システム10は、皮膚サンプル4または培養装置2、3に接触して配置された1つ以上のセンサー20および/または刺激付与手段30を含む。
【0061】
図面を明確にするために、センサー20および刺激付与手段30は図面では長方形で模式的に示している。言うまでもなく、センサー20および刺激付与手段30は様々な形状と寸法を有することができ、特に、サンプルに実質的にダメージを与えることなくサンプルに組み込むことができるように調節することができる。
【0062】
また、単一の長方形20、30を図示しているが、センサー20と刺激付与手段30は、皮膚サンプル内および/または培養装置2、3内または培養装置2、3上に分散された複数の異なる構成要素をそれぞれ含むことができる。
【0063】
図3に示す実施形態では、センサー20および/または刺激付与手段30は真皮7と表皮6との間に少なくとも部分的に配置されている。図4に示す実施形態では、センサー20および/または刺激付与手段30は表皮6内、例えば、角質層内、角化細胞内または角質層と角化細胞の界面に少なくとも部分的に配置されている。図5に示す実施形態では、センサー20および/または刺激付与手段30は真皮7内に少なくとも部分的に配置されている。
【0064】
図6および図7に示す実施形態では、センサー20および/または刺激付与手段30は皮膚サンプル4の下方に配置されている。この場合、検出システム10の少なくとも一部は皮膚を培養する前に底壁13に固定される。
【0065】
図7に示す実施形態では、検出システム10全体が皮膚サンプルを支持している。これにより、特に、UV放射線を感知するセンサーが、必要に応じて不動態化後に表面に皮膚角質層を有する培養角化細胞の支持体として機能する装置を構成することができる。そのような装置を紫外線ランプまたは太陽シミュレータの下方に配置すると、表皮内でのUVa放射線および/またはUVb放射線の光束を測定するために特に、有用であり、例えば、治療の保護効果を特徴付けることが可能となる。
【0066】
検出システム10が図3〜図7に示すように配置されたセンサー20を含む場合、例えば、センサー20に接触またはセンサー20の近傍に存在する少なくとも1つの化学および/または生物物質(例えば、任意に溶解した気体、還元剤、酸化剤、イオン、酵素および/またはアミノ酸)を検出および/または定量することができる。
【0067】
例えば、センサー20は酵素センサーまたは生物組織センサーであってもよい。
【0068】
例えば、センサー20は、限定されるものではないが、アミノ酸、ビタミン、アセチルコリン、過酸化水素水、酸素分圧、CO2分圧および/または酵素、特に、グルコース脱水素酵素、グルカメート脱水素酵素および/またはNadH酸化酵素を検出することができる。
【0069】
また、センサー20は所与のイオン種のpHを測定することもできる。
【0070】
センサー20は、1つ以上の電極、特に、再構成皮膚のサンプルに対して不活性な材料(例えば、白金等の希金属)からなる少なくとも1つの電極を含むことができ、電極は例えば、電流または電圧を測定するために機能することができる。
【0071】
また、センサー20は、上述したように例えば、紫外線を感知する光センサーであってもよい。例えば、センサー20は、フォトダイオード、フォトトランジスタまたは光導電体等の構成要素を含む。センサー20は、サンプルに接触した一端を有する1つ以上の光ファイバに接続することができる。
【0072】
例えば、センサー20は、サンプルに接触した第1の端部を有し、他端で画像(例えば、サンプル内の角質細胞または他の細胞の画像またはサンプル内の蛍光化合物の位置の特定および/または蛍光化合物の測量を可能とする画像)を得る光ファイバの束を含むことができる。
【0073】
また、センサー20は、化学および/または生物物質を分析/または当該物質の位置を特定することを可能とする手段、特に、「A.Chovinら、規則配列の開発(Development of an ordered array)、Annal.Chem.2004、76、357〜364頁」に記載されているように、光ファイバの束を使用することにより誘導エレクトロルミネセンスによって検体を測量することを可能とする手段を含むことができる。
【0074】
センサー20は、少なくとも1つの物理的パラメータを測定するために、皮膚が生存可能な状態で皮膚サンプルに固定することができ、使用前に皮膚サンプルに取り付けることもできる。
【0075】
例えば、皮膚サンプルを1つ以上のセンサー20に固定する場合には、センサーが存在する状態で皮膚サンプルを培養することができる。例えば、センサーの表面に角化細胞を配置することができ、センサーは最初に不動態化し、次に培養物を支持させ、センサーと培養物を培地に浸漬する。
【0076】
また、検出システム10は皮膚サンプル4と直接接触していなくてもよい。
【0077】
図9に示す実施形態では、検出システム10は、支持体(図示せず)によって栄養培地5内に少なくとも部分的に配置されたセンサー20および/または刺激付与手段30を含む。図10に示す実施形態では、センサー20および/または刺激付与手段30は培養装置の壁内(この場合はバスケット3の底壁13内)に配置されている。図11に示す実施形態では、センサー20および/または刺激付与手段30はバスケット3の底壁13の下に配置されている。図12に示す実施形態では、センサー20および/または刺激付与手段30は培養装置の壁内(この場合はウェル2の底壁11内)に配置されている。図13に示す実施形態では、センサー20および/または刺激付与手段30はウェル2の底壁上に配置されている。
【0078】
図14は、ウェル2の底壁11の下に少なくとも部分的に配置されたセンサー20および/または刺激付与手段30を含む検出システム10を示し、図15は、培養装置に任意に着脱可能に固定することができ、例えば、バスケット3の上部壁に位置する支持体12に固定された検出システムを示している。
【0079】
図8〜図15の例は、例えば、皮膚に放射線を照射し、光が通過する様々な厚みが、厚みを介して測定される皮膚の光学的性質に匹敵する光学的性質を示す場合に有用である。
【0080】
したがって、例えば、図11の実施形態は、既知の光吸収特性を有する底壁13の下に配置されたセンサーまたは光源30に対応している。
【0081】
図示しない変形として、検出システムは2つ以上のセンサーまたは刺激付与手段を含み、各センサーまたは刺激付与手段は、例えば、上記構成のいずれかにおいてサンプル4に対して配置するために適している。
【0082】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。特に、上述したセンサー以外のセンサーを使用することができる。
【0083】
必要に応じて、同一のセンサーおよび/または刺激付与手段によって同一の方法で共通のプレートの全てのウェルを作成することができる。
【0084】
変形として、共通のプレートの少なくとも2つのウェルを異なるセンサーおよび/または刺激付与手段によって作製することができる。
【0085】
本発明は皮膚以外の再構成組織に適用することができる。
【0086】
請求項を含む説明において、特記しない限り、「含む」という表現は「少なくとも1つを含む」と同義であるものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】再構成皮膚のサンプルを培養するための公知の培養装置の概略軸方向断面である。
【図2】検出システムの例のブロック図である。
【図3】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図4】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図5】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図6】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図7】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図8】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図9】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図10】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図11】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図12】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図13】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図14】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図15】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【符号の説明】
【0088】
10 検出システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、再構成組織、例えば、再構成皮膚のサンプルを検出システムと関連付けた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自然な皮膚との表皮の類似性によって特徴付けられる複数の再構成皮膚が知られている。
【0003】
第1の表皮モデルは角化細胞(ケラチノサイト)のみを含む。このモデルを使用することにより、特に、皮膚の老化をシミュレートすることができる。
【0004】
第2の表皮モデルはメラニン細胞も含む。このモデルは着色され、メラニン形成現象をより良く理解することができるようになる。
【0005】
第3の表皮モデルは角化細胞と、メラニン細胞と、ランゲルハンス細胞とを含む。この表皮モデルにより、光免疫抑制現象、すなわち、例えば、アレルギーの場合の皮膚の免疫応答を理解することができる。
【0006】
再構成皮膚は、培養装置を使用し、コラーゲン基体上において、ヒト成人角化細胞を、角化細胞が分化し、機能的角質を備えた表皮を再構成することを可能とする条件下で培養することによって得ることができる。角化細胞はコラーゲン支持体に浸漬しながら培養し、表皮の分化と角質の形成が生じることを可能とする時間にわたって浸漬した状態で保持することができる。
【0007】
再構成皮膚は、例えば、Episkin(登録商標)として市販されている。
【0008】
特に、皮膚の治療および/または皮膚との接触のための新しい物質を開発するためには、皮膚の生物学的、化学的または物理的特性を容易に理解することができるようすることが必要である。
【0009】
また、そのような物質の安全性および/または有効性の試験を改善または容易化する必要もある。
【発明の開示】
【0010】
第1の態様において、本発明は、再構成組織、特に、再構成皮膚のサンプルと、サンプルおよび/またはサンプルを培養する装置と少なくとも部分的に接触した検出システムと、を含み、検出システムが、物理的、生物学的および/または化学的刺激(ストレス;stress)がサンプルの少なくとも一部に与える影響またはサンプルの少なくとも一部が物理的、生物学的および/または化学的刺激に与える影響を測定することを可能とする装置を提供する。
【0011】
一実施形態では、刺激は、電気的、熱的、光学的、化学的および/または生物学的刺激である。
【0012】
別の実施形態では、検出システムはサンプルに接触したセンサーを含む。
【0013】
本発明の一実施形態では、検出システムは、物理的、生物学的および/または化学的刺激がサンプルの少なくとも一部に与える影響を測定するように構成されている。本発明の別の実施形態では、検出システムは、サンプルの少なくとも一部が物理的、生物学的および/または化学的刺激に与える影響を測定するように構成されている。
【0014】
検出システムは、サンプルおよび/またはサンプルを培養する装置に接触したセンサーまたは刺激付与手段を含んでもよい。
【0015】
明細書および請求項において、「センサー」という用語は狭い意味で使用するものではなく、それ自身または他の手段と共に、サンプルに加わる物理的、化学的および/または生物学的刺激に応じて有用な信号を供給することができる様々な構成要素を含むものである。特に、サンプルが生存可能な(viable)状態でサンプルに固定されたセンサーを含むことができる。
【0016】
同様に、「刺激付与手段」という表現も広い意味において理解されるべきであり、例えば、サンプルの物理的、化学的および/または生物学的パラメータの少なくとも1つを変更することができる構成要素、例えば、化学的および/または生物物質(entity)を放出することにより物理的刺激、特に、電気的、熱的、光学的、機械的および/または生物学的刺激を生成することができる構成要素を含む。
【0017】
検出システムは様々なセンサーを含むことができ、例えば、限定されるものではないが、以下のセンサーが挙げられる。
【0018】
アミノ酸、ビタミン、酵素、特に、グルコース脱水素酵素、グルカメート脱水素酵素および/またはNadH酸化酵素、アセチルコリンおよび/または過酸化水素水を検出するためのセンサー;
少なくとも1種の気体の分圧を検出するためのセンサー、特に、PO2またはPCO2センサー;
少なくとも1種のイオン種の濃度を感知するセンサー、特に、pHセンサー;
生物組織センサー;
サンプルに接触した少なくとも1つの電極であって、必要に応じてサンプルに対して不活性な材料、特に、不動態化材料を表面上に含む電極;
1つ以上のセンサーおよび/または光学的刺激付与手段、例えば、オプトロード、フォトダイオード、フォトトランジスタ、光導電体、レーザー、光ファイバおよび/または再構成皮膚のサンプルに接触した光ファイバの束の少なくとも1つ、特に、サンプルの一部を撮像および/またはサンプル内の化学または生物物質を分析および/または当該物質の位置を特定するように配置された光ファイバの束または他の手段;
温度センサー;
サンプルを加熱および/または冷却することができる加熱源または冷却源(例えば、ペルティエ効果要素)。
【0019】
本発明の一実施形態では、検出システムは、UVa放射線および/またはUVb放射線の放出源と、紫外線、特に、UVa放射線および/またはUVb放射線を感知する光センサーと、を少なくとも含む。
【0020】
そのような検出システムは、特に、サンプルの各層によって吸収される紫外線の量を確認したり、例えば、新しい日焼け止めの試験を行うために有用である。
【0021】
本発明の別の実施形態では、検出システムは、蛍光標識を励起するように選択された波長を有する光をサンプルに照射することができる光源と、蛍光標識によって放出される光の波長を感知するセンサーと、を含む。
【0022】
再構成皮膚は、表皮含有角化細胞を含んでもよい。再構成皮膚は、必要に応じて角質層を含んでもよい。再構成皮膚は、メラニン細胞および/またはランゲルハンス細胞を含んでもよい。再構成皮膚は、好ましくは真皮と表皮とを含む。
【0023】
上述したように、検出システムの少なくとも一部はサンプルと接触していてもよい。
【0024】
例えば、再構成皮膚のサンプルの場合には、検出システムの少なくとも一部は表皮内に位置してもよく、特に、装置は少なくとも部分的に表皮内(例えば、角質層の下方、角質層内または角質層と角化細胞の界面)に配置されたセンサーを含むことができる。
【0025】
あるいは、検出システムの少なくとも一部は真皮と表皮との間に配置されていてもよく、特に、装置は真皮と表皮との間に配置されたセンサーを含んでもよい。
【0026】
検出システムの少なくとも一部は真皮内に配置されていてもよく、特に、前記システムは真皮内に配置されたセンサーを含んでもよい。
【0027】
検出システムの少なくとも一部はサンプルの上方または下方に配置されていてもよく、特に、装置はサンプルの上方または下方に配置されたセンサーを含んでもよい。検出システムが少なくとも部分的に皮膚サンプルの上方に位置する場合には、検出システムは組織細胞を培養するための支持体として機能してもよい。
【0028】
また、検出システムはサンプルと必ずしも接触していなくともよく、培養装置のみに接触していてもよい。
【0029】
特に、センサーがサンプルの上方に配置された光センサーである場合には、検出システムは空気の層のみによってサンプルから分離されたセンサーを含むことができる。また、検出システムは、検出システムに属さない少なくとも1つの壁、特に、培養装置に属する壁によってサンプルから分離されたセンサーを含むこともできる。
【0030】
サンプルは、例えば、約0.3cm2から約1.35cm2の範囲、特に、約0.38cm2から約1.12cm2の範囲の面積を有してもよい。
【0031】
培養装置は、サンプルが配置されるバスケットと、バスケットを着脱可能に固定することができるウェルと、を含んでもよい。「バスケット」という用語は制限的な意味で使用するものではなく、少なくとも部分的にウェル内に配置された任意のサンプル支持体を含む。
【0032】
必要に応じて、検出システムは、ウェルの下方、ウェルの底部、ウェルの壁内、特に、ウェルの底壁内、バスケットの下方、バスケットの底部および/またはバスケットの壁内、特に、バスケットの底壁内の少なくとも1つに配置されたセンサーを含んでもよい。また、検出システムは、ウェルおよびバスケットの1方に固定された支持体に固定されたセンサーを含んでもよい。支持体は、必要に応じて着脱可能に構成されていてもよい。
【0033】
検出システムは、センサーからの信号を処理するための手段および/またはマイクロコンピュータとの接続のためのインターフェースを含んでもよい。
【0034】
別の態様において、本発明は、上述した装置を使用して、少なくとも1つの再構成組織のサンプル、例えば、再構成皮膚のサンプルの少なくとも1つの物理的、化学的および/または生物学的パラメータを測定する方法であって、少なくとも1つの物理的、生物学的および/または化学的刺激をサンプルに与える工程と、検出システムを使用して刺激時および/または刺激後のサンプルの少なくとも1つの物理的、化学的および/または生物学的パラメータを測定する工程と、を含む方法を提供する。
【0035】
サンプルに刺激を与える前にパラメータの値を測定することができる。例えば、パラメータは、限定されるものではないが、アミノ酸、ビタミン、アセチルコリン、過酸化水素水、O2、CO2、H+および/または酵素、特に、グルコース脱水素酵素、グルカメート脱水素酵素および/またはNadH酸化酵素から選択することができる少なくとも1つの化学および/または生物物質の濃度であってもよい。
【0036】
刺激は、サンプルに放射線、特に、UVa放射線および/またはUVb放射線を含む放射線を照射することを含むことができる。この場合、例えば、その存在が放射線に関連する化学または生物種(例えば、フリーラジカル)の濃度を測定することができる。
【0037】
また、光学的ではなく、熱的および/または機械的な刺激を皮膚に与えることもできる。
【0038】
刺激は、物質、特に、化粧品またはケア製品、例えば、日焼け止めをサンプルに塗布することを含むか、刺激を与える前に物質を塗布することができる。
【0039】
パラメータを、時間を置いて少なくとも2回測定することができ、刺激時のパラメータの変化を決定するためにそれらの測定値を比較することができる。
【0040】
別の態様において、本発明は、上述した装置の少なくとも1つの再構成組織のサンプルが物理的、化学的および/または生物学的刺激パラメータに与える影響を測定する方法であって、再構成組織のサンプル、例えば、再構成皮膚のサンプルを物理的、生物学的および/または化学的刺激に影響を与えることができるように配置し、検出システムを使用して刺激に対するサンプルの影響を示す少なくとも1つの情報を収集する方法を提供する。
【0041】
刺激は物理的刺激であってもよい。例えば、刺激は、放射線、特に、UVa放射線および/またはUVb放射線を含む放射線をサンプルに照射することを含んでもよい。これにより、サンプルによる放射線のスペクトルの少なくとも一部の吸収を示す大きさ(magnitude)を測定することができる。
【0042】
物理的刺激は、例えば、機械的パラメータ(特に、弾性)または電気的パラメータ(例えば、導電率)を測定するために、少なくとも1つの機械的作用、例えば、少なくとも1つの超音波をサンプルに供給することおよび/または少なくとも1つの電気的刺激をサンプルに与えることを含んでもよい。
【0043】
必要に応じて、検出システムの少なくとも一部は再構成組織を培養するための支持体として機能することができる。したがって、検出システムは組織、特に、皮膚の培養開始時から存在していてもよい。検出システムは、細胞の成長を妨げず、細胞にダメージを与えないように、不動態化のために表面処理されていてもよい。
【0044】
変形として、組織の培養時に検出システムを埋め込んでもよく、完全に再構成され、生存可能な組織に検出システムを埋め込んでもよい。例えば、装置の使用時のみ検出システムの少なくとも一部を再構成組織に埋め込んでもよい。特に、例えば、所与のパラメータの2回の測定の間に検出システムを埋め込んでもよい。
【0045】
検出システムは、実質的にサンプルを破壊することなくサンプルに埋め込むことが可能な長さを有してもよい。
【0046】
別の態様において、本発明は、再構成組織、特に、再構成皮膚のサンプルの少なくとも1つの物理的、化学的および/または生物学的パラメータを測定する方法であって、物理的、生物学的および/または化学的刺激の少なくとも1つをサンプルに与え、刺激の存在下でパラメータを少なくとも1回測定する方法を提供する。
【0047】
一実施形態では、刺激は、電気的、熱的、光学的、化学的および/または生物学的刺激である。
【0048】
例えば、初めに放射線をサンプルに照射し、次にサンプルによる放射線の吸収を示す大きさを測定することができる。
【0049】
以下の非限定的な実施形態の詳細な説明および添付図面によって本発明はより良く理解されるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
図1は再構成皮膚サンプル4(皮膚均等物ともいう)を培養するための公知の装置を示しており、装置はサンプル4を支持するバスケット3を収容するウェル2を含む。
【0051】
ウェル2は、複数(例えば、少なくとも10個)のウェルを有するプレートの一部を構成することができる。
【0052】
図示する実施形態では、ウェル2には溶液5(例えば、栄養培地)が部分的に充填されている。
【0053】
サンプル4は表皮6および真皮7を含むことができ、真皮は例えば、コラーゲンを含む。
【0054】
本実施形態では、バスケット3は皮膚サンプル4を支持する底壁13を含む。底壁13は貫通穴9を有する。
【0055】
再構成皮膚サンプルは、例えば、欧州特許第0 789 074 B1号、欧州特許出願公開第0 789 074 A1号、米国特許第6,079,415号、米国特許第6,660,522号に開示された方法のいずれかに従って培養される。
【0056】
本発明によれば、検出システム10がサンプル4に関連付けられている。
【0057】
図2は、センサー20および/または刺激付与手段30と、センサー20から供給された信号を処理し、1つ以上の刺激付与手段30を制御するための手段40と、を含む検出システム10を示す。
【0058】
例えば、手段40はセンサーおよび/または刺激付与手段30の特性に適合した特殊電子回路を含む。
【0059】
検出システム10は、例えば、マイクロコンピュータによって構成されたプロセッサ装置60とのデータ交換を可能とする統合インターフェース50を含むことができる。例えば、インターフェース50は、アナログ/デジタルインターフェース、シリアルまたはパラレルインタフェース、USBインターフェースまたはマイクロコンピュータ60とのデータ交換を可能とするその他のインターフェースである。
【0060】
検出システム10は、皮膚サンプル4または培養装置2、3に接触して配置された1つ以上のセンサー20および/または刺激付与手段30を含む。
【0061】
図面を明確にするために、センサー20および刺激付与手段30は図面では長方形で模式的に示している。言うまでもなく、センサー20および刺激付与手段30は様々な形状と寸法を有することができ、特に、サンプルに実質的にダメージを与えることなくサンプルに組み込むことができるように調節することができる。
【0062】
また、単一の長方形20、30を図示しているが、センサー20と刺激付与手段30は、皮膚サンプル内および/または培養装置2、3内または培養装置2、3上に分散された複数の異なる構成要素をそれぞれ含むことができる。
【0063】
図3に示す実施形態では、センサー20および/または刺激付与手段30は真皮7と表皮6との間に少なくとも部分的に配置されている。図4に示す実施形態では、センサー20および/または刺激付与手段30は表皮6内、例えば、角質層内、角化細胞内または角質層と角化細胞の界面に少なくとも部分的に配置されている。図5に示す実施形態では、センサー20および/または刺激付与手段30は真皮7内に少なくとも部分的に配置されている。
【0064】
図6および図7に示す実施形態では、センサー20および/または刺激付与手段30は皮膚サンプル4の下方に配置されている。この場合、検出システム10の少なくとも一部は皮膚を培養する前に底壁13に固定される。
【0065】
図7に示す実施形態では、検出システム10全体が皮膚サンプルを支持している。これにより、特に、UV放射線を感知するセンサーが、必要に応じて不動態化後に表面に皮膚角質層を有する培養角化細胞の支持体として機能する装置を構成することができる。そのような装置を紫外線ランプまたは太陽シミュレータの下方に配置すると、表皮内でのUVa放射線および/またはUVb放射線の光束を測定するために特に、有用であり、例えば、治療の保護効果を特徴付けることが可能となる。
【0066】
検出システム10が図3〜図7に示すように配置されたセンサー20を含む場合、例えば、センサー20に接触またはセンサー20の近傍に存在する少なくとも1つの化学および/または生物物質(例えば、任意に溶解した気体、還元剤、酸化剤、イオン、酵素および/またはアミノ酸)を検出および/または定量することができる。
【0067】
例えば、センサー20は酵素センサーまたは生物組織センサーであってもよい。
【0068】
例えば、センサー20は、限定されるものではないが、アミノ酸、ビタミン、アセチルコリン、過酸化水素水、酸素分圧、CO2分圧および/または酵素、特に、グルコース脱水素酵素、グルカメート脱水素酵素および/またはNadH酸化酵素を検出することができる。
【0069】
また、センサー20は所与のイオン種のpHを測定することもできる。
【0070】
センサー20は、1つ以上の電極、特に、再構成皮膚のサンプルに対して不活性な材料(例えば、白金等の希金属)からなる少なくとも1つの電極を含むことができ、電極は例えば、電流または電圧を測定するために機能することができる。
【0071】
また、センサー20は、上述したように例えば、紫外線を感知する光センサーであってもよい。例えば、センサー20は、フォトダイオード、フォトトランジスタまたは光導電体等の構成要素を含む。センサー20は、サンプルに接触した一端を有する1つ以上の光ファイバに接続することができる。
【0072】
例えば、センサー20は、サンプルに接触した第1の端部を有し、他端で画像(例えば、サンプル内の角質細胞または他の細胞の画像またはサンプル内の蛍光化合物の位置の特定および/または蛍光化合物の測量を可能とする画像)を得る光ファイバの束を含むことができる。
【0073】
また、センサー20は、化学および/または生物物質を分析/または当該物質の位置を特定することを可能とする手段、特に、「A.Chovinら、規則配列の開発(Development of an ordered array)、Annal.Chem.2004、76、357〜364頁」に記載されているように、光ファイバの束を使用することにより誘導エレクトロルミネセンスによって検体を測量することを可能とする手段を含むことができる。
【0074】
センサー20は、少なくとも1つの物理的パラメータを測定するために、皮膚が生存可能な状態で皮膚サンプルに固定することができ、使用前に皮膚サンプルに取り付けることもできる。
【0075】
例えば、皮膚サンプルを1つ以上のセンサー20に固定する場合には、センサーが存在する状態で皮膚サンプルを培養することができる。例えば、センサーの表面に角化細胞を配置することができ、センサーは最初に不動態化し、次に培養物を支持させ、センサーと培養物を培地に浸漬する。
【0076】
また、検出システム10は皮膚サンプル4と直接接触していなくてもよい。
【0077】
図9に示す実施形態では、検出システム10は、支持体(図示せず)によって栄養培地5内に少なくとも部分的に配置されたセンサー20および/または刺激付与手段30を含む。図10に示す実施形態では、センサー20および/または刺激付与手段30は培養装置の壁内(この場合はバスケット3の底壁13内)に配置されている。図11に示す実施形態では、センサー20および/または刺激付与手段30はバスケット3の底壁13の下に配置されている。図12に示す実施形態では、センサー20および/または刺激付与手段30は培養装置の壁内(この場合はウェル2の底壁11内)に配置されている。図13に示す実施形態では、センサー20および/または刺激付与手段30はウェル2の底壁上に配置されている。
【0078】
図14は、ウェル2の底壁11の下に少なくとも部分的に配置されたセンサー20および/または刺激付与手段30を含む検出システム10を示し、図15は、培養装置に任意に着脱可能に固定することができ、例えば、バスケット3の上部壁に位置する支持体12に固定された検出システムを示している。
【0079】
図8〜図15の例は、例えば、皮膚に放射線を照射し、光が通過する様々な厚みが、厚みを介して測定される皮膚の光学的性質に匹敵する光学的性質を示す場合に有用である。
【0080】
したがって、例えば、図11の実施形態は、既知の光吸収特性を有する底壁13の下に配置されたセンサーまたは光源30に対応している。
【0081】
図示しない変形として、検出システムは2つ以上のセンサーまたは刺激付与手段を含み、各センサーまたは刺激付与手段は、例えば、上記構成のいずれかにおいてサンプル4に対して配置するために適している。
【0082】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。特に、上述したセンサー以外のセンサーを使用することができる。
【0083】
必要に応じて、同一のセンサーおよび/または刺激付与手段によって同一の方法で共通のプレートの全てのウェルを作成することができる。
【0084】
変形として、共通のプレートの少なくとも2つのウェルを異なるセンサーおよび/または刺激付与手段によって作製することができる。
【0085】
本発明は皮膚以外の再構成組織に適用することができる。
【0086】
請求項を含む説明において、特記しない限り、「含む」という表現は「少なくとも1つを含む」と同義であるものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】再構成皮膚のサンプルを培養するための公知の培養装置の概略軸方向断面である。
【図2】検出システムの例のブロック図である。
【図3】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図4】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図5】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図6】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図7】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図8】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図9】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図10】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図11】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図12】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図13】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図14】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【図15】再構成皮膚のサンプルおよび/または培養装置に対して検出システムを配置する様々な方法を示す概略軸方向断面である。
【符号の説明】
【0088】
10 検出システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再構成組織のサンプルと、
前記組織のサンプルおよび/または前記サンプルを培養する装置と少なくとも部分的に接触した検出システムと、
を含み、
前記検出システムは、物理的、生物学的および/または化学的刺激が前記サンプルの少なくとも一部に与える影響または前記サンプルの少なくとも一部が物理的、生物学的および/または化学的刺激に与える影響を測定するように構成されている装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記再構成組織は、再構成皮膚である装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記検出システムは、物理的、生物学的および/または化学的刺激が前記サンプルの少なくとも一部に与える影響を測定するように構成されている装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2において、
前記検出システムは、前記サンプルの少なくとも一部が物理的、生物学的および/または化学的刺激に与える影響を測定するように構成されている装置。
【請求項5】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、前記サンプルと接触したセンサーを含む装置。
【請求項6】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、前記組織を培養する装置に接触したセンサーを含む装置。
【請求項7】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、前記サンプルと接触した刺激付与手段を含む装置。
【請求項8】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、前記組織を培養する装置に接触した刺激付与手段を含む装置。
【請求項9】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、アミノ酸、ビタミン、アセチルコリン、過酸化水素水および/または酵素、特に、グルコース脱水素酵素、グルカメート脱水素酵素および/またはNadH酸化酵素を検出するためのセンサーを含む装置。
【請求項10】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、少なくとも1種の気体の分圧を検出するためのセンサーを含む装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記センサーは、PO2またはPCO2センサーである装置。
【請求項12】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、生物組織センサーを含む装置。
【請求項13】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、少なくとも1つの電極を含む装置。
【請求項14】
請求項13において、
前記電極は、前記サンプルと接触している装置。
【請求項15】
請求項14において、
前記電極は、前記サンプルに対して不活性な材料を少なくとも表面に含む装置。
【請求項16】
請求項15において、
前記材料は、不動態化材料である装置。
【請求項17】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、前記サンプルと接触したオプトロードおよび/または光ファイバおよび/または光ファイバの束を少なくとも含む装置。
【請求項18】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、前記サンプルの一部を結像および/または前記サンプル内の化学または生物物質を分析および/または前記サンプル内の化学または生物物質の位置を特定するように配置されている装置。
【請求項19】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、少なくとも1つの光センサー並びに光源および/または紫外線を感知する光センサーを含む装置。
【請求項20】
請求項19において、
前記光源は、UVa放射線および/またはUVb放射線を放射する装置。
【請求項21】
請求項19または請求項20において、
前記光センサーは、UVa放射線および/またはUVb放射線を感知する装置。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれかにおいて、
前記検出システムは、蛍光標識を励起するように選択された波長を有する光を前記サンプルに照射することができる光源と、前記蛍光標識によって放出される光の波長を感知するセンサーと、を含む装置。
【請求項23】
請求項21または請求項22において、
前記光センサーは、フォトダイオード、フォトトランジスタ、光導電体の少なくとも1つを含む装置。
【請求項24】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、温度センサーを含む装置。
【請求項25】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、レーザーを含む装置。
【請求項26】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、前記サンプルを加熱および/または冷却することができる加熱源または冷却源を含む装置。
【請求項27】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、少なくとも1種のイオン種の濃度を感知するセンサーを含む装置。
【請求項28】
請求項27において、
前記センサーは、少なくとも1つのpHセンサーである装置。
【請求項29】
前記請求項のいずれか1項において、
前記サンプルは、再構成皮膚のサンプルである装置。
【請求項30】
請求項29において、
前記サンプルは、角化細胞を含む表皮を含む装置。
【請求項31】
請求項29または請求項30において、
前記サンプルは、角質層を含む装置。
【請求項32】
請求項29または請求項30において、
前記サンプルは、角質層を含まない装置。
【請求項33】
請求項29〜32のいずれかにおいて、
前記サンプルは、メラニン細胞を含む装置。
【請求項34】
請求項29〜33のいずれかにおいて、
前記サンプルは、ランゲルハンス細胞を含む装置。
【請求項35】
請求項29〜34のいずれかにおいて、
前記サンプルは、真皮および表皮を含む装置。
【請求項36】
請求項1において、
前記検出システムの少なくとも一部は、前記サンプルと接触している装置。
【請求項37】
前記請求項のいずれかにおいて、
前記検出システムの少なくとも一部は、前記サンプルの上方に位置する装置。
【請求項38】
請求項37において、
前記検出システムは、前記サンプルの上方に位置するセンサーおよび/または刺激付与手段を含む装置。
【請求項39】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムの少なくとも一部は、前記サンプルの下方に位置する装置。
【請求項40】
請求項39において、
前記検出システムは、前記サンプルの下方に位置するセンサーおよび/または刺激付与手段を含む装置。
【請求項41】
請求項30において、
前記検出システムの少なくとも一部は、前記表皮内に位置する装置。
【請求項42】
請求項41において、
前記検出システムは、前記表皮内に少なくとも部分的に位置するセンサーおよび/または刺激付与手段を含む装置。
【請求項43】
前記請求項のいずれか1項、少なくとも請求項35において、
前記検出システムの少なくとも一部は、前記真皮と前記表皮との間に位置する装置。
【請求項44】
請求項43において、
前記検出システムは、前記真皮と前記表皮との間に位置するセンサーおよび/または刺激付与手段を含む装置。
【請求項45】
前記請求項のいずれか1項、少なくとも請求項35において、
前記検出システムの少なくとも一部は、前記真皮内に位置する装置。
【請求項46】
請求項45において、
前記検出システムは、前記真皮内に位置するセンサーを含む装置。
【請求項47】
前記請求項のいずれか1項において、
前記サンプルは、約0.3cm2から約1.35cm2の範囲の表面を有する装置。
【請求項48】
請求項47において、
前記表面は、約0.38cm2から約1.12cm2の範囲である装置。
【請求項49】
前記請求項のいずれか1項において、
前記培養装置は、前記サンプルが配置されたバスケットを含む装置。
【請求項50】
請求項49において、
前記培養装置は、前記バスケットを着脱可能に固定することができるウェルを含む装置。
【請求項51】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、少なくとも1つのセンサーからの信号を処理するための手段を含む装置。
【請求項52】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、マイクロコンピュータとの接続のためのインターフェースを含む装置。
【請求項53】
請求項1〜52のいずれかに記載の装置を使用して、少なくとも1つの組織のサンプルの少なくとも1つの物理的、化学的および/または生物学的パラメータを測定する方法であって、
少なくとも1つの物理的、生物学的および/または化学的刺激を前記サンプルに与え、
前記検出システムを使用して前記刺激時および/または前記刺激後の前記サンプルの少なくとも1つの物理的、化学的および/または生物学的パラメータを測定する方法。
【請求項54】
請求項53において、
前記少なくとも1つの組織のサンプルは、再構成皮膚である方法。
【請求項55】
請求項1〜52のいずれかに記載の装置の少なくとも1つの組織のサンプルが物理的、化学的および/または生物学的刺激パラメータに与える影響を測定する方法であって、
前記サンプルを物理的、生物学的および/または化学的刺激に影響を与えることができるように配置し、
前記検出システムを使用して前記刺激に対する前記サンプルの影響を示す少なくとも1つの情報を収集する方法。
【請求項56】
請求項55において、
前記少なくとも1つの組織のサンプルは、再構成皮膚である方法。
【請求項57】
請求項53〜56のいずれかにおいて、
前記サンプルに刺激を与える前に、前記パラメータの値を測定する方法。
【請求項58】
請求項53〜57のいずれかにおいて、
前記パラメータは、少なくとも1つの化学および/または生物物質の濃度である方法。
【請求項59】
前記請求項のいずれか1項に記載の方法において、
前記化学および/または生物物質は、アミノ酸、ビタミン、アセチルコリン、過酸化水素水、O2、CO2、H+および/または酵素から選択される方法。
【請求項60】
請求項59において、
前記酵素は、グルコース脱水素酵素、グルカメート脱水素酵素および/またはNadH酸化酵素である方法。
【請求項61】
請求項53〜60のいずれかにおいて、
前記刺激は、物理的刺激である方法。
【請求項62】
前記請求項のいずれか1項に記載の方法において、
前記刺激は、前記サンプルに放射線を照射することを含む方法。
【請求項63】
前記請求項のいずれか1項に記載の方法において、
前記放射線は、UVa放射線および/またはUVb放射線を含む方法。
【請求項64】
前記請求項のいずれか1項に記載の方法において、
前記サンプルによる前記放射線のスペクトルの少なくとも一部の吸収を示す大きさを測定することができる方法。
【請求項65】
請求項53〜64のいずれかにおいて、
前記刺激は、前記サンプルに物質を塗布することを含む方法。
【請求項66】
請求項65において、
前記物質は、化粧品またはケア製品である方法。
【請求項67】
請求項53〜66のいずれかにおいて、
前記サンプルに熱的刺激を与える方法。
【請求項68】
請求項53〜67のいずれかにおいて、
前記サンプルに機械的刺激を与える方法。
【請求項69】
請求項53〜68のいずれかにおいて、
前記物理的刺激は、少なくとも1つの電気的刺激を含む方法。
【請求項70】
請求項53〜69のいずれかにおいて、
前記パラメータを、時間をおいて少なくとも2回測定する方法。
【請求項71】
請求項1〜52のいずれか1項に記載の装置の製造方法であって、前記検出システムの少なくとも一部が前記再構成組織のサンプルを培養するための支持体として機能する方法。
【請求項72】
前記請求項のいずれか1項に記載の方法において、
前記検出システムは、前記組織の培養開始時から存在する方法。
【請求項73】
請求項71において、
前記サンプルの培養時に前記検出システムを前記サンプル内に埋め込む方法。
【請求項74】
請求項1〜52のいずれか1項に記載の装置の製造方法であって、
前記検出システムの少なくとも一部を、完全に再構成され、生存可能な組織に埋め込む方法。
【請求項75】
前記請求項のいずれか1項に記載の方法において、
前記検出システムを使用しながら、前記検出システムの少なくとも一部を前記再構成組織内に埋め込む方法。
【請求項76】
前記請求項のいずれか1項に記載の方法において、
前記検出システムを2回の測定の間に前記再構成組織内に埋め込む方法。
【請求項77】
再構成組織のサンプルの少なくとも1つの物理的、化学的および/または生物学的パラメータを測定する方法であって、物理的、生物学的および/または化学的刺激を前記サンプルに与え、前記刺激の存在下で前記パラメータを少なくとも1回測定する方法。
【請求項1】
再構成組織のサンプルと、
前記組織のサンプルおよび/または前記サンプルを培養する装置と少なくとも部分的に接触した検出システムと、
を含み、
前記検出システムは、物理的、生物学的および/または化学的刺激が前記サンプルの少なくとも一部に与える影響または前記サンプルの少なくとも一部が物理的、生物学的および/または化学的刺激に与える影響を測定するように構成されている装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記再構成組織は、再構成皮膚である装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記検出システムは、物理的、生物学的および/または化学的刺激が前記サンプルの少なくとも一部に与える影響を測定するように構成されている装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2において、
前記検出システムは、前記サンプルの少なくとも一部が物理的、生物学的および/または化学的刺激に与える影響を測定するように構成されている装置。
【請求項5】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、前記サンプルと接触したセンサーを含む装置。
【請求項6】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、前記組織を培養する装置に接触したセンサーを含む装置。
【請求項7】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、前記サンプルと接触した刺激付与手段を含む装置。
【請求項8】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、前記組織を培養する装置に接触した刺激付与手段を含む装置。
【請求項9】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、アミノ酸、ビタミン、アセチルコリン、過酸化水素水および/または酵素、特に、グルコース脱水素酵素、グルカメート脱水素酵素および/またはNadH酸化酵素を検出するためのセンサーを含む装置。
【請求項10】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、少なくとも1種の気体の分圧を検出するためのセンサーを含む装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記センサーは、PO2またはPCO2センサーである装置。
【請求項12】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、生物組織センサーを含む装置。
【請求項13】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、少なくとも1つの電極を含む装置。
【請求項14】
請求項13において、
前記電極は、前記サンプルと接触している装置。
【請求項15】
請求項14において、
前記電極は、前記サンプルに対して不活性な材料を少なくとも表面に含む装置。
【請求項16】
請求項15において、
前記材料は、不動態化材料である装置。
【請求項17】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、前記サンプルと接触したオプトロードおよび/または光ファイバおよび/または光ファイバの束を少なくとも含む装置。
【請求項18】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、前記サンプルの一部を結像および/または前記サンプル内の化学または生物物質を分析および/または前記サンプル内の化学または生物物質の位置を特定するように配置されている装置。
【請求項19】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、少なくとも1つの光センサー並びに光源および/または紫外線を感知する光センサーを含む装置。
【請求項20】
請求項19において、
前記光源は、UVa放射線および/またはUVb放射線を放射する装置。
【請求項21】
請求項19または請求項20において、
前記光センサーは、UVa放射線および/またはUVb放射線を感知する装置。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれかにおいて、
前記検出システムは、蛍光標識を励起するように選択された波長を有する光を前記サンプルに照射することができる光源と、前記蛍光標識によって放出される光の波長を感知するセンサーと、を含む装置。
【請求項23】
請求項21または請求項22において、
前記光センサーは、フォトダイオード、フォトトランジスタ、光導電体の少なくとも1つを含む装置。
【請求項24】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、温度センサーを含む装置。
【請求項25】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、レーザーを含む装置。
【請求項26】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、前記サンプルを加熱および/または冷却することができる加熱源または冷却源を含む装置。
【請求項27】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、少なくとも1種のイオン種の濃度を感知するセンサーを含む装置。
【請求項28】
請求項27において、
前記センサーは、少なくとも1つのpHセンサーである装置。
【請求項29】
前記請求項のいずれか1項において、
前記サンプルは、再構成皮膚のサンプルである装置。
【請求項30】
請求項29において、
前記サンプルは、角化細胞を含む表皮を含む装置。
【請求項31】
請求項29または請求項30において、
前記サンプルは、角質層を含む装置。
【請求項32】
請求項29または請求項30において、
前記サンプルは、角質層を含まない装置。
【請求項33】
請求項29〜32のいずれかにおいて、
前記サンプルは、メラニン細胞を含む装置。
【請求項34】
請求項29〜33のいずれかにおいて、
前記サンプルは、ランゲルハンス細胞を含む装置。
【請求項35】
請求項29〜34のいずれかにおいて、
前記サンプルは、真皮および表皮を含む装置。
【請求項36】
請求項1において、
前記検出システムの少なくとも一部は、前記サンプルと接触している装置。
【請求項37】
前記請求項のいずれかにおいて、
前記検出システムの少なくとも一部は、前記サンプルの上方に位置する装置。
【請求項38】
請求項37において、
前記検出システムは、前記サンプルの上方に位置するセンサーおよび/または刺激付与手段を含む装置。
【請求項39】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムの少なくとも一部は、前記サンプルの下方に位置する装置。
【請求項40】
請求項39において、
前記検出システムは、前記サンプルの下方に位置するセンサーおよび/または刺激付与手段を含む装置。
【請求項41】
請求項30において、
前記検出システムの少なくとも一部は、前記表皮内に位置する装置。
【請求項42】
請求項41において、
前記検出システムは、前記表皮内に少なくとも部分的に位置するセンサーおよび/または刺激付与手段を含む装置。
【請求項43】
前記請求項のいずれか1項、少なくとも請求項35において、
前記検出システムの少なくとも一部は、前記真皮と前記表皮との間に位置する装置。
【請求項44】
請求項43において、
前記検出システムは、前記真皮と前記表皮との間に位置するセンサーおよび/または刺激付与手段を含む装置。
【請求項45】
前記請求項のいずれか1項、少なくとも請求項35において、
前記検出システムの少なくとも一部は、前記真皮内に位置する装置。
【請求項46】
請求項45において、
前記検出システムは、前記真皮内に位置するセンサーを含む装置。
【請求項47】
前記請求項のいずれか1項において、
前記サンプルは、約0.3cm2から約1.35cm2の範囲の表面を有する装置。
【請求項48】
請求項47において、
前記表面は、約0.38cm2から約1.12cm2の範囲である装置。
【請求項49】
前記請求項のいずれか1項において、
前記培養装置は、前記サンプルが配置されたバスケットを含む装置。
【請求項50】
請求項49において、
前記培養装置は、前記バスケットを着脱可能に固定することができるウェルを含む装置。
【請求項51】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、少なくとも1つのセンサーからの信号を処理するための手段を含む装置。
【請求項52】
前記請求項のいずれか1項において、
前記検出システムは、マイクロコンピュータとの接続のためのインターフェースを含む装置。
【請求項53】
請求項1〜52のいずれかに記載の装置を使用して、少なくとも1つの組織のサンプルの少なくとも1つの物理的、化学的および/または生物学的パラメータを測定する方法であって、
少なくとも1つの物理的、生物学的および/または化学的刺激を前記サンプルに与え、
前記検出システムを使用して前記刺激時および/または前記刺激後の前記サンプルの少なくとも1つの物理的、化学的および/または生物学的パラメータを測定する方法。
【請求項54】
請求項53において、
前記少なくとも1つの組織のサンプルは、再構成皮膚である方法。
【請求項55】
請求項1〜52のいずれかに記載の装置の少なくとも1つの組織のサンプルが物理的、化学的および/または生物学的刺激パラメータに与える影響を測定する方法であって、
前記サンプルを物理的、生物学的および/または化学的刺激に影響を与えることができるように配置し、
前記検出システムを使用して前記刺激に対する前記サンプルの影響を示す少なくとも1つの情報を収集する方法。
【請求項56】
請求項55において、
前記少なくとも1つの組織のサンプルは、再構成皮膚である方法。
【請求項57】
請求項53〜56のいずれかにおいて、
前記サンプルに刺激を与える前に、前記パラメータの値を測定する方法。
【請求項58】
請求項53〜57のいずれかにおいて、
前記パラメータは、少なくとも1つの化学および/または生物物質の濃度である方法。
【請求項59】
前記請求項のいずれか1項に記載の方法において、
前記化学および/または生物物質は、アミノ酸、ビタミン、アセチルコリン、過酸化水素水、O2、CO2、H+および/または酵素から選択される方法。
【請求項60】
請求項59において、
前記酵素は、グルコース脱水素酵素、グルカメート脱水素酵素および/またはNadH酸化酵素である方法。
【請求項61】
請求項53〜60のいずれかにおいて、
前記刺激は、物理的刺激である方法。
【請求項62】
前記請求項のいずれか1項に記載の方法において、
前記刺激は、前記サンプルに放射線を照射することを含む方法。
【請求項63】
前記請求項のいずれか1項に記載の方法において、
前記放射線は、UVa放射線および/またはUVb放射線を含む方法。
【請求項64】
前記請求項のいずれか1項に記載の方法において、
前記サンプルによる前記放射線のスペクトルの少なくとも一部の吸収を示す大きさを測定することができる方法。
【請求項65】
請求項53〜64のいずれかにおいて、
前記刺激は、前記サンプルに物質を塗布することを含む方法。
【請求項66】
請求項65において、
前記物質は、化粧品またはケア製品である方法。
【請求項67】
請求項53〜66のいずれかにおいて、
前記サンプルに熱的刺激を与える方法。
【請求項68】
請求項53〜67のいずれかにおいて、
前記サンプルに機械的刺激を与える方法。
【請求項69】
請求項53〜68のいずれかにおいて、
前記物理的刺激は、少なくとも1つの電気的刺激を含む方法。
【請求項70】
請求項53〜69のいずれかにおいて、
前記パラメータを、時間をおいて少なくとも2回測定する方法。
【請求項71】
請求項1〜52のいずれか1項に記載の装置の製造方法であって、前記検出システムの少なくとも一部が前記再構成組織のサンプルを培養するための支持体として機能する方法。
【請求項72】
前記請求項のいずれか1項に記載の方法において、
前記検出システムは、前記組織の培養開始時から存在する方法。
【請求項73】
請求項71において、
前記サンプルの培養時に前記検出システムを前記サンプル内に埋め込む方法。
【請求項74】
請求項1〜52のいずれか1項に記載の装置の製造方法であって、
前記検出システムの少なくとも一部を、完全に再構成され、生存可能な組織に埋め込む方法。
【請求項75】
前記請求項のいずれか1項に記載の方法において、
前記検出システムを使用しながら、前記検出システムの少なくとも一部を前記再構成組織内に埋め込む方法。
【請求項76】
前記請求項のいずれか1項に記載の方法において、
前記検出システムを2回の測定の間に前記再構成組織内に埋め込む方法。
【請求項77】
再構成組織のサンプルの少なくとも1つの物理的、化学的および/または生物学的パラメータを測定する方法であって、物理的、生物学的および/または化学的刺激を前記サンプルに与え、前記刺激の存在下で前記パラメータを少なくとも1回測定する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2008−520199(P2008−520199A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540826(P2007−540826)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053770
【国際公開番号】WO2006/051515
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053770
【国際公開番号】WO2006/051515
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】
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