説明

再生機能付テレビジョン受像機

【課題】 電波障害等が発生したときに、その旨を利用者に確実に報知することができるとともに、設定された時刻になったときに利用者がお気に入りの映像を視聴することが可能な再生機能付テレビジョン受像機を提供する。
【解決手段】 予め設定されたオンタイマ時刻になったときにDVD一体型テレビジョン受像機10の電源をオンにするとともに、電源オフ時の受信チャンネルの受信電波の有無を判断し、受信電波がないと判断したときには、ディスク再生部27と分離回路24とが接続されるようにスイッチ回路23の切り替えを行い、再生デ−タ35bに基づいて最も再生回数の多い映像デ−タを、音量を増大させて再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVD(Digital Versatile Disk)やCD−ROM等に記憶された映像デ−タを再生する再生機能を具備するテレビジョン受像機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、予め設定された時刻になると本体の電源をオンにしてテレビジョン放送電波の受信を行うとともに、同テレビジョン放送電波に基づくテレビ映像を表示させるオンタイマ機能を具備するテレビジョン受像機が存在する(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開平10−248041号公報
【特許文献2】特開2003−46881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した特許文献2に記載の技術は、ビデオ一体型のテレビジョン受像機に関するものであり、予め設定された受信チャンネルの受信電波があるか否かを判断し、受信電波がないときに、テレビジョン放送の表示に切り替えてビデオを再生するものであるが、近年、DVD等に記憶されたデジタルの映像デ−タを再生するものが主流となりつつあり、デジタルの映像デ−タの再生機能を有するテレビジョン受像機についてもこのような切替機能を具備するものの登場が望まれている。また、受信電波がなく、電波障害等が発生しているときには、そのことを利用者に確実に報知することが可能なテレビジョン受像機の登場が望まれている。
【0004】
本発明は、かかる実情に鑑み、電波障害等が発生したときに、その旨を利用者に確実に報知することができるとともに、設定された時刻になったときに利用者がお気に入りの映像を視聴することが可能な再生機能付テレビジョン受像機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項2にかかる発明は、受信したテレビジョン放送電波に基づく映像を表示するテレビ機能と、デジタルの映像デ−タを再生する映像再生機能とを具備する再生機能付テレビジョン受像機において、
予め設定された時刻に同再生機能付テレビジョン受像機の電源をオンにするオンタイマ手段と、
過去に再生された上記映像デ−タに関する情報を記憶する映像デ−タ関連情報記憶手段と、
テレビジョン放送電波に基づくテレビ映像の表示と、映像デ−タの再生に基づくビデオ映像の表示とを切り替える切替手段と、
予め選択された受信チャンネルの受信電波があるか否かを判断する判断手段と、
上記タイマ手段により予め設定された時刻に再生機能付テレビジョン受像機の電源がオンとなったときに、上記判断手段により受信チャンネルの受信電波がないと判断されたことを受けて、映像デ−タの再生に基づくビデオ映像の表示への切り替えを上記切替手段に行わせるとともに、上記映像デ−タ関連情報記憶手段に記憶されている情報に基づいて選択された所定の映像デ−タを、音量を増大させて再生する再生制御手段と
を具備する構成としてある。
【0006】
上記のように構成した請求項2において、再生機能付テレビジョン受像機は、受信したテレビジョン放送電波に基づく映像を表示するテレビ機能と、デジタルの映像デ−タを再生する映像再生機能とを具備するものであり、予め設定された時刻に電源をオンにするオンタイマ手段を具備している。
また、再生機能付テレビジョン受像機は、過去に再生された上記映像デ−タに関する情報を記憶する映像デ−タ関連情報記憶手段を具備している。この映像デ−タ関連情報には、過去の映像デ−タやの再生回数や、リピ−ト回数等の情報が含まれる。
【0007】
さらに、テレビ機能によるテレビジョン放送電波に基づくテレビ映像の表示と、映像再生機能による映像デ−タの再生に基づくビデオ映像とを切り替える切替手段と、予め選択された受信チャンネルの受信電波があるか否かを判断する判断手段とを具備している。
さらにまた、上記オンタイマ手段により予め設定された時刻に再生機能付テレビジョン受像機の電源がオンとなったときに、上記判断手段により予め選択された受信チャンネルの受信電波がないと判断されたことを受けて、映像デ−タの再生に基づくビデオ映像の表示への切り替えを上記切替手段に行わせるとともに、上記映像デ−タ関連情報記憶手段に記憶されている情報に基づいて選択された所定の映像デ−タを、音量を増大させて再生する再生制御手段を具備している。すなわち、設定された時刻になって映像デ−タ関連情報記憶手段の電源がオンになったときに、選択されていた受信チャンネルの受信電波がないと判断されたときには、映像デ−タの再生に基づくビデオ映像の表示に切り替わるのであるが、このとき、記憶されている映像デ−タに関する情報に基づいて、所定の映像デ−タを選択するとともに、音量を増大させて再生するのである。これにより、利用者が何度も視聴しているお気に入りの映像デ−タを再生させたり、まだ一度も視聴していない映像デ−タを再生させたりすることが可能となる。また、受信電波がなく、電波障害等が発生しているときに、音量が増大して再生されることとなるため、同電波障害等の発生を確実に認識することが可能となる。
【0008】
また、請求項3にかかる発明は、上記映像デ−タ関連情報記憶手段が、上記映像デ−タに関する情報として、映像デ−タの再生回数を記憶し、
上記再生制御手段が、上記映像デ−タ関連情報記憶手段に記憶されている上記映像デ−タの再生回数に基づいて、最も再生回数の多い映像デ−タを選択して、音量を増大させて再生する構成としてある。
上記のように構成した請求項3において、利用者が何度も視聴したお気に入りの映像デ−タを再生することが可能となる。
【0009】
さらに、請求項4にかかる発明は、上記映像デ−タ関連情報記憶手段が、上記映像デ−タに関する情報として、映像デ−タのリピ−ト回数を記憶し、
上記再生制御手段が、上記映像デ−タ関連情報記憶手段に記憶されている上記映像デ−タのリピ−ト回数に基づいて、最もリピ−ト回数の多い映像デ−タを選択して、音量を増大させて再生する構成としてある。
上記のように構成した請求項4において、利用者が何度もリピ−ト操作をして繰り返し視聴したお気に入りの映像デ−タを再生することが可能となる。
【0010】
さらに、請求項5にかかる発明は、上記映像デ−タ関連情報記憶手段が、上記映像デ−タに関する情報として、映像デ−タへのダイレクトサ−チが行われた回数を記憶し、
上記再生制御手段が、上記映像デ−タ関連情報記憶手段に記憶されている上記ダイレクトサ−チが行われた回数に基づいて、最もダイレクトサ−チが行われた回数の多い映像デ−タを選択して、音量を増大させて再生する構成としてある。
上記のように構成した請求項5において、利用者が何度もダイレクト選択して視聴したお気に入りの映像デ−タを再生することが可能となる。
【0011】
さらに、請求項6にかかる発明は、挿入された記憶媒体に記憶されている映像デ−タを読み取って再生可能である構成としてある。
上記のように構成した請求項6において、DVDやCD−ROMに記憶された映像デ−タを再生可能な再生機能付テレビジョン受像機とすることができる。
【0012】
さらに、請求項7にかかる発明は、複数の映像デ−タを記憶可能な記憶装置を具備している構成としてある。
上記のように構成した請求項7において、例えば、ハ−ドディスクドライブ(HDD)を搭載した再生機能付テレビジョン受像機とすることが可能となる。
【0013】
さらに、請求項8にかかる発明は、上記再生制御手段にて再生される映像デ−タを予め記憶する映像メモリを具備する構成としてある。
上記のように構成した請求項8において、上記映像デ−タ関連情報記憶手段に記憶されている情報に基づいて選択された映像デ−タ、例えば、最も再生回数の多い映像デ−タや、最もリピ−ト回数の多い映像デ−タ等を予め映像メモリに記憶させておくことが可能となる。このようにすることにより、例えば、電源オン時に再生されるべき映像デ−タが記憶された記憶媒体が挿入されていない場合であっても、同映像デ−タを上記映像メモリから呼び出して再生することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項2にかかる発明では、電波障害等の発生時に、お気に入りの映像デ−タを再生することができるとともに、同電波障害等の発生を確実に認識することが可能となる。
請求項3にかかる発明では、利用者が何度も視聴したお気に入りの映像デ−タを再生することが可能となる。
請求項4にかかる発明では、利用者が何度もリピ−ト操作をして繰り返し視聴したお気に入りの映像デ−タを再生することが可能となる。
請求項5にかかる発明では、利用者が何度もダイレクト選択して視聴したお気に入りの映像デ−タを再生することが可能となる。
請求項6にかかる発明では、DVDやCD−ROMに記憶された映像デ−タを再生可能な再生機能付テレビジョン受像機とすることができる。
請求項7にかかる発明では、例えば、ハ−ドディスクドライブ(HDD)を搭載した再生機能付テレビジョン受像機とすることが可能となる。
請求項8にかかる発明では、電源オン時に再生されるべき映像デ−タが記憶された記憶媒体が挿入されていない場合であっても、同映像デ−タを上記映像メモリから呼び出して再生することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)DVD一体型テレビジョン受像機の内部構成:
(2)DVD一体型テレビジョン受像機の動作:
(3)各種変形例:
(4)まとめ:
【0016】
(1)DVD一体型テレビジョン受像機:
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下においては、DVDプレ−ヤが内蔵されたDVD一体型テレビジョン受像機に本発明を適用する場合について説明するが、後述するよう本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明にかかるDVD一体型テレビジョン受像機の概略構成を示している。同図において、DVD一体型テレビジョン受像機10は、アンテナ11からの周波信号を入力するチュ−ナ部22を具備している。チュ−ナ部22は、いわゆるシンセサイザ方式のチュ−ナの構成とされ、選局制御信号としてPLLデータ、すなわち、PLLル−プにおける可変分周回路の分周比のデ−タがチュ−ナ部22に与えられる。また、チュ−ナ部22では、後述するCPU28からの選局制御信号としてのPLLデータを受けて、入力された周波信号から所望の周波数帯の周波信号を抽出することにより、複数の受信チャンネルのなかから一つの受信チャンネルを選択する。
【0017】
また、DVD一体型テレビジョン受像機10は、挿入されたDVDディスクに記憶されている映像デ−タを再生するためのディスク再生部27を具備している。なお、このディスク再生部27は、DVDディスクの他、CD−ROM等に記憶されている映像デ−タの再生や、CD−DAに記憶されている音声デ−タの再生を行うことが可能となっている。
【0018】
上述したチュ−ナ部22およびディスク再生部27は、スイッチ回路23に接続されている。このスイッチ回路は、後述する分離回路24に供給する映像信号を、チュ−ナ部22からの映像信号、または、ディスク再生部27からの映像信号に切り替えるためのものであり、上記切替手段に相当するものである。スイッチ回路23により、チュ−ナ部22と分離回路24とが接続されているときには、チュ−ナ部22から出力される信号に基づく映像がディスプレイ30に表示されるとともに、同信号に基づく音声がスピ−カ31から出力されるのである。一方、スイッチ回路23により、ディスク再生部27と分離回路24とが接続されているときには、挿入されたDVDディスク等から読み出された映像デ−タに基づいてディスク再生部27から出力される信号に基づく映像がディスプレイ30に表示されるとともに、同信号に基づく音声がスピ−カ31から出力されるのである。
【0019】
スイッチ回路23と接続された分離回路24は、入力された信号から、映像信号と音声信号と同期信号を分離するとともに、同映像信号を後述する映像信号処理回路25に供給し、同音声信号を音声信号処理回路26に供給し、同同期信号をCPU28に供給する。チュ−ナ部22からの信号を分離回路24が入力しているときには、この同期信号が供給されていないとCPU28が判断したときに、受信電波がなく、電波障害等が発生したと判断するのである。
【0020】
映像信号処理回路25は、Y/C分離回路、クロマデコ−ダ等を含み分離回路24にて分離された映像信号を入力し、同映像信号に対して各種の処理を行う。そして、同各種の処理が行われた映像信号はディスプレイ30に供給され、ディスプレイ30にて同映像信号に基づく映像が表示される。本発明においては、テレビ映像を表示させるテレビ機能が、アナログの放送電波に基づくテレビ映像を表示させるものであっても、デジタルの放送電波に基づくテレビ映像を表示させるものであってもよく、映像信号処理回路25は、受信可能に設定しようとする放送電波の種別に応じて任意に設計することが可能である。また、音声信号処理回路26は、分離回路24にて分離された音声信号を入力し、同音声信号に対して、スピ−カ31から同音声信号に基づく音声を出力可能とするための各種の処理を実行する。また、この音声信号処理回路は、増幅回路を含み、CPU28からの命令信号に基づいて、スピ−カ31から出力される音声の音量を増大させることが可能となっている。
【0021】
上述したCPU28は、バス29に接続されており、バス29に接続されたRAM32をワ−クエリアとしながら、DVD一体型テレビジョン受像機10の各種機能を実現するための制御処理を実行する。この制御処理を実行するプログラムは、予めRAM33に格納されており、CPU28は、適宜ROM33から所定のプログラムをRAM32に読み込みつつ制御処理を実行することになる。また、バス29には、映像メモリ34が接続されている。この映像メモリ34は、所定の容量の映像デ−タを記憶したり、記憶されている映像デ−タを消去したりすることが可能となっている。
【0022】
また、バス29には、オンタイマ時刻を管理するタイマ37が接続されている。実施形態にかかるDVD一体型テレビジョン受像機10では、予め設定された時刻になるとCPU28により電源制御部38が制御され、DVD一体型テレビジョン受像機10の電源がオンになるのである。また、バス29には書き換え可能なEEPROM35が接続されており、CPU28はEEPROM35に記憶された各種デ−タを使用して制御処理を実行する。EEPROM35に記憶されているデ−タの一例として、選局デ−タ35aが記憶されている。この選局デ−タ35aは、リモコン40等からの受信チャンネルの選局指示に基づいて、チュ−ナ部22が受信する周波数帯を選択するためのものである。さらに、バス29にはリモコンI/F36が接続されており、外部機器としてのリモコン40から出力される赤外線明滅信号を入力可能になっている。この赤外線明滅信号は、バス29を介してCPU28に送出され、CPU28は対応する制御処理を実行する。
【0023】
また、EEPROM35に記憶されているデ−タの一例として、再生デ−タ35bが記憶されている。この再生デ−タ35bは、過去に再生された映像デ−タに関するデ−タであり、この再生デ−タ35bを記憶しているEEPROM35は、上記映像デ−タ関連情報記憶手段に相当する。図2は、EEPROM35に記憶されている再生デ−タ35bの一例を示す図である。同図において、再生デ−タ35bとして、過去に再生された映像デ−タが記憶されているディスク種別、映像デ−タのタイトル、映像デ−タのチャプタ、映像デ−タの再生回数、映像デ−タのリピ−ト回数および映像デ−タのダイレクトサ−チ回数が示されている。例えば、DVDディスクであるディスクAのチャプタ4にかかる映像デ−タについては、再生回数が12回であり、リピ−ト回数が1回であり、ダイレクトサ−チ回数が2回となっている。すなわち、ディスクAのチャプタ4にかかる映像デ−タは、過去に12回再生が行われ、リピ−ト操作が1回行われ、その映像デ−タへのダイレクトサ−チが2回行われていることとなる。
【0024】
(2)DVD一体型テレビジョン受像機の動作:
以下、本発明にかかるDVD一体型テレビジョン受像機10にて、設定されたオンタイマ時刻になったときに行われる処理の概要を説明する。DVD一体型テレビジョン受像機10では、オンタイマ時刻になると、DVD一体型テレビジョン受像機10の電源がオンになり、電源オフ時に設定されていた受信チャンネルのテレビ放送を受信する。このとき、受信電波がなく、テレビ放送を受信することができないと判断されたときには、ディスプレイ30に表示される映像がディスク再生部27に切り替わり、DVDディスク等に記憶されている映像デ−タに基づく映像に切り替わる。このとき、再生される映像デ−タとして、EEPROM35に記憶されている再生デ−タ35bに基づいて、最も再生回数の多い映像デ−タが選択されるのである。
【0025】
ところで、再生デ−タ35bに基づいて、最も再生回数の多い映像デ−タを選択して再生する際、DVD一体型テレビジョン受像機10に同映像デ−タが記憶されているDVDディスク等が挿入されていない場合には、同映像デ−タの再生を行うことができない。この問題を解決するために、DVD一体型テレビジョン受像機10では、最も再生回数の多い映像デ−タを、適宜、映像メモリ34に格納するようにしている。このとき、DVDディスク等の再生が行われ、再生デ−タ35bが更新された結果、最も再生回数の多い映像デ−タが変更になったときには、同変更された映像デ−タを映像メモリ34に上書きする。
【0026】
次に、図1に示したDVD一体型テレビジョン受像機10において実行される再生デ−タ更新処理の流れを図3に示すフロ−チャ−トに基づいて説明する。まず、ステップS10において、映像デ−タの再生が開始されたか否かを判断する。映像デ−タの再生が開始されたと判断した場合、次に、ステップS110において再生回数を1増加させる処理を行う。この処理において、再生デ−タ35bに登録されている再生回数を1増加させて更新する処理を行う。例えば、再生デ−タ35bが図2のようになっているときに、ディスクAのチャプタ4にかかる映像デ−タが再生されたときには、再生回数「12」が1増加して13となるのである。
【0027】
ステップS110の処理を実行するか、または、ステップS100において映像デ−タの再生が開始されていないと判断した場合、次に、ステップS120においてリピ−ト操作があったか否かを判断する。リピ−ト操作があったと判断した場合には、次に、ステップS130においてリピ−ト回数を1増加させる処理を行う。この処理において、再生デ−タ35bに登録されているリピ−トを1増加させて更新する処理を行う。例えば、再生デ−タ35bが図2のようになっているときに、ディスクAのチャプタ4にかかる映像デ−タをリピ−ト再生する旨の操作があったときには、リピ−ト回数「1」が、1増加して「2」となるのである。
【0028】
ステップS130の処理を実行するか、または、ステップS120においてリピ−ト操作がないと判断した場合、次に、ステップS140においてダイレクトサ−チが行われた否かを判断する。ダイレクトサ−チが行われたと判断した場合には、次に、ステップS150において、ダイレクトサ−チ回数を1増加させる処理を行う。この処理において、再生デ−タ35bに登録されているダイレクトサ−チ回数を1増加させて更新する処理を行う。例えば、再生デ−タ35bが図2のようになっているときに、ディスクAのチャプタ4にかかる映像デ−タに対するダイレクトサ−チが行われたときには、ダイレクトサ−チ回数「2」が1増加して「3」となるのである。
【0029】
ステップS150の処理を実行するか、または、ステップS140においてダイレクトサ−チが行われていないと判断した場合、次に、ステップS160において最も再生回数の多い映像デ−タが変更されたか否かを判断する。すなわち、ステップS110の処理が行われ再生回数の更新が行われた結果、最も再生回数が多い映像デ−タが変更となったか否かを判断するのである。ステップS160において最も再生回数の多い映像デ−タが変更されたと判断した場合には、ステップS170において映像メモリに映像デ−タを上書きする処理を行う。この処理において、ステップS160において変更された判断された最も再生回数の多い映像デ−タを映像メモリ34に上書きする処理を実行する。ステップS170の処理を実行するか、ステップS160において最も再生回数の多い映像デ−タが変更されていないと判断した場合には、再生デ−タ更新処理を終了させる。
【0030】
次に、図1に示したDVD一体型テレビジョン受像機10において、オンタイマ時刻が設定されたときに呼び出されて実行されるオンタイマ実行処理の流れを、図4に示すフロ−チャ−トに基づいて説明する。まず、ステップS200において、オンタイマ時刻になったか否かを判断する。すなわち、オンタイマ時刻になったことを示す制御信号をタイマ37から受信したか否かを判断する。オンタイマ時刻になっていないと判断した場合、ステップS200に処理を戻し、オンタイマ時刻になるまで待機する。
【0031】
ステップS200においてオンタイマ時刻になったと判断した場合、次に、ステップS210において、電源をオンにする処理を行う。すなわち、電源制御部38を制御し、DVD一体型テレビジョン受像機10の電源をオンにするのである。なお、上述したステップS200およびステップS210の処理を実行するとき、CPU28、タイマ37および電源制御部38は、オンタイマ手段として機能する。
【0032】
ステップS210の処理を実行すると、次に、ステップS220において、受信電波があるか否かを判断する。この処理において、分離回路42から分離された同期信号が入力されているか否かを判断する。このステップS210の処理を実行するとき、CPU28は判断手段として機能する。ステップS210において受信電波があると判断した場合、次に、ステップS230においてテレビ映像を表示させる処理を行う。この処理において、チュ−ナ部22から出力される信号に基づくテレビ映像をDVD一体型テレビジョン受像機30に表示させるとともに、同信号に基づく音声をスピ−カ31から出力させる処理を行う。ステップS230の処理を実行するとオンタイマ実行処理を終了させる。
【0033】
一方、ステップS220において受信電波がないと判断した場合、次に、ステップS240においてビデオ映像に切り替える処理を行う。この処理において、スイッチ回路23に制御信号を送信し、分離回路24とチュ−ナ部22とが接続されている状態から、分離回路24とディスク再生部27とが接続されている状態にする。これにより、ディスプレイ30には、ディスク再生部20から出力される信号に基づく映像が表示され、スピ−カ31には、同信号に基づく音声が出力されるようになるのである。
【0034】
ステップS240の処理を実行すると、次に、ステップS250において再生回数が最も多い映像デ−タが記憶されているディスクが挿入されているか否かを判断する。この処理において、再生デ−タ35bを参照し、再生回数が最も多い映像デ−タを検索するとともに、検索された再生回数が最も多い映像デ−タが、挿入されているディスク(DVDディスク等)に記憶されているか否かを判断する。例えば、図2に示した再生デ−タ35bを参照した場合には、最も再生回数の多い映像デ−タは、ディスクAのチャプタ4にかかる映像デ−タであるため、同映像デ−タが記憶されているディスクが挿入されているか否かを判断するのである。
【0035】
ステップS250において、再生回数が最も多い映像デ−タが記憶されているディスクが挿入されていると判断した場合、次に、ステップS260において、ディスクに記憶されている上記再生回数が最も多い映像デ−タを、音量を増大させて再生する処理を実行する。例えば、図2に示した再生デ−タ35bにおいては、ディスクAのチャプタ4にかかる映像デ−タを、挿入されているディスクAから読み取って、増幅回路を制御して音量を増大させつつ再生するのである。
【0036】
一方、ステップS250において、再生回数が最も多い映像デ−タが記憶されているディスクが挿入されていないと判断した場合、同映像デ−タが記憶されていないディスクが挿入されているか、または、何もディスクが挿入されていないことになるので、次に、ステップS270において、映像メモリに記憶されている映像デ−タを、音量を増大させつつ再生する処理を行う。図3に示したように、映像メモリ34には、再生回数の最も多い画像デ−タが格納されるように上書き制御が行われるため、映像メモリ34の映像デ−タを読み出して再生することにより、上述したステップS260の処理により表示される映像と同一の映像を表示することができるのである。ステップS260またはステップS270の処理を実行すると、オンタイマ実行処理を終了させる。図4に示したオンタイマ処理を実行するとき、DVD一体型テレビジョン受像機10は、再生制御手段として機能する。
【0037】
(3)各種変形例:
上述した実施形態においては、本発明をDVD一体型テレビジョン受像機に適用した場合について説明したが、本発明のテレビジョン受像機は、デジタルの映像デ−タを再生する映像再生機能を具備していれば、DVDディスクに記憶されている映像デ−タを再生するものに限定されず、例えば、ハ−ドディスクドライブ(HDD)を具備し、同HDDに記憶されている映像デ−タを再生するHDD内蔵型テレビジョン受像機であってもよい。また、映像を表示するディスプレイを具備するテレビジョン受像機ではなく、ディスプレイを具備しないテレビジョン受信チュ−ナに本発明を適用してもよい。
【0038】
また、上述した実施形態においては、電波障害等が発生していることを報知する際に、映像デ−タを音量を増大させて再生するように構成されている場合について説明したが、本発明では、電波障害等の発生を報知する方法として、映像の輝度を上昇させてもよい。具体的には、例えば、図4に示したフロ−チャ−トのステップS260およびステップS270の処理において、通常の映像よりもR(赤)、G(緑)、B(青)の各映像信号の輝度が高くなるような輝度補正用のルックアップテ−ブルを用いて輝度補正を行い、補正後の映像信号に基づく映像をディスプレイ30に表示させるようにしてもよい。
【0039】
また、上述した実施形態においては、映像デ−タに関する情報として、映像デ−タの再生回数を参照し、再生回数の最も多い映像デ−タを電波障害等の発生時に再生する場合について説明したが、再生する映像デ−タを選択する際に参照する上記映像デ−タに関する情報としては、上記映像デ−タの再生回数の限定されるものではなく、例えば、図2に示した映像デ−タのリピ−ト回数や、映像デ−タのダイレクトサ−チ回数であってもよい。すなわち、リピ−ト回数の最も多い映像デ−タを電波障害等の発生時に再生するようにしてもよく、ダイレクトサ−チ回数の最も多い映像デ−タを電波障害等の発生時に再生するようにしてもよい。また、再生回数、リピ−ト回数およびダイレクトサ−チ回数の最も少ない映像デ−タを選択して再生するようにしてもよい。
【0040】
(4)まとめ:
以上説明したように、実施形態にかかるDVD一体型テレビジョン受像機10によれば、予め設定されたオンタイマ時刻になったときにDVD一体型テレビジョン受像機10の電源をオンにするとともに、電源オフ時の受信チャンネルの受信電波の有無を判断し、受信電波がないと判断したときには、ディスク再生部27と分離回路24とが接続されるようにスイッチ回路23の切り替えを行い、再生デ−タ35bに基づいて最も再生回数の多い映像デ−タを、音量を増大させて再生するように構成されているため、利用者が何度も視聴しているお気に入りの映像デ−タを再生することができるとともに、電波障害等の発生を確実に認識することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】DVD一体型テレビジョン受像機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】再生デ−タの一例を示す図である。
【図3】再生デ−タ更新処理の流れを示す図である。
【図4】オンタイマ実行処理の流れを示すフロ−チャ−トである。
【符号の説明】
【0042】
10…DVD一体型テレビジョン受像機
11…アンテナ
22…チュ−ナ部
23…スイッチ回路
24…分離回路
25…映像信号処理回路
26…音声信号処理回路
27…ディスク再生部
28…CPU
29…バス
30…ディスプレイ
31…スピ−カ
32…RAM
33…ROM
34…映像メモリ
35…EEPROM
35a…選局デ−タ
35b…再生デ−タ
37…タイマ
38…電源制御部
40…リモコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信したテレビジョン放送電波に基づくテレビ映像を表示するテレビ機能と、挿入されたDVDに記憶されているデジタルの映像デ−タを読み取って再生可能なDVD再生機能とを具備するDVD再生機能付テレビジョン受像機において、
予め設定された時刻に同再生機能付テレビジョン受像機の電源をオンにするオンタイマ手段と、
過去に再生された映像デ−タに関する情報として、映像デ−タの再生回数、映像デ−タのリピ−ト回数、または、映像デ−タのダイレクトサ−チ回数を記憶する映像デ−タ関連情報記憶手段と、
テレビジョン放送電波に基づくテレビ映像の表示と、映像デ−タの再生に基づくビデオ映像の表示とを切り替える切替手段と、
予め選択された受信チャンネルの受信電波があるか否かを判断する判断手段と、
上記オンタイマ手段により予め設定された時刻にDVD再生機能付テレビジョン受像機の電源がオンとなったときに、上記判断手段により受信チャンネルの受信電波がないと判断されたことを受けて、映像デ−タの再生に基づくビデオ映像の表示への切り替えを上記切替手段に行わせるとともに、上記映像デ−タ関連情報記憶手段に記憶されている情報に基づいて選択された映像デ−タの再生回数、映像デ−タのリピ−ト回数、または、映像デ−タのダイレクトサ−チ回数の最も多い映像デ−タを、音量を増大させて再生する再生制御手段と
を具備することを特徴とするDVD再生機能付テレビジョン受像機。
【請求項2】
受信したテレビジョン放送電波に基づくテレビ映像を表示するテレビ機能と、デジタルの映像デ−タを再生する映像再生機能とを具備する再生機能付テレビジョン受像機において、
予め設定された時刻に同再生機能付テレビジョン受像機の電源をオンにするオンタイマ手段と、
過去に再生された上記映像デ−タに関する情報を記憶する映像デ−タ関連情報記憶手段と、
テレビジョン放送電波に基づくテレビ映像の表示と、映像デ−タの再生に基づくビデオ映像の表示とを切り替える切替手段と、
予め選択された受信チャンネルの受信電波があるか否かを判断する判断手段と、
上記オンタイマ手段により予め設定された時刻に再生機能付テレビジョン受像機の電源がオンとなったときに、上記判断手段により受信チャンネルの受信電波がないと判断されたことを受けて、映像デ−タの再生に基づくビデオ映像の表示への切り替えを上記切替手段に行わせるとともに、上記映像デ−タ関連情報記憶手段に記憶されている情報に基づいて選択された所定の映像デ−タを、音量を増大させて再生する再生制御手段と
を具備することを特徴とする再生機能付テレビジョン受像機。
【請求項3】
上記映像デ−タ関連情報記憶手段は、上記映像デ−タに関する情報として、映像デ−タの再生回数を記憶し、
上記再生制御手段は、上記映像デ−タ関連情報記憶手段に記憶されている上記映像デ−タの再生回数に基づいて、最も再生回数の多い映像デ−タを選択して、音量を増大させて再生することを特徴とする請求項2に記載の再生機能付テレビジョン受像機。
【請求項4】
上記映像デ−タ関連情報記憶手段は、上記映像デ−タに関する情報として、映像デ−タのリピ−ト回数を記憶し、
上記再生制御手段は、上記映像デ−タ関連情報記憶手段に記憶されている上記映像デ−タのリピ−ト回数に基づいて、最もリピ−ト回数の多い映像デ−タを選択して、音量を増大させて再生することを特徴とする請求項2に記載の再生機能付テレビジョン受像機。
【請求項5】
上記映像デ−タ関連情報記憶手段は、上記映像デ−タに関する情報として、映像デ−タへのダイレクトサ−チが行われた回数を記憶し、
上記再生制御手段は、上記映像デ−タ関連情報記憶手段に記憶されている上記ダイレクトサ−チが行われた回数に基づいて、最もダイレクトサ−チが行われた回数の多い映像デ−タを選択して、音量を増大させて再生することを特徴とする請求項2に記載の再生機能付テレビジョン受像機。
【請求項6】
挿入された記憶媒体に記憶されている映像デ−タを読み取って再生可能であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の再生機能付テレビジョン受像機。
【請求項7】
複数の映像デ−タを記憶可能な記憶装置を具備していることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の再生機能付テレビジョン受像機。
【請求項8】
上記再生制御手段にて再生される映像デ−タを予め記憶する映像メモリを具備することを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の再生機能付テレビジョン受像機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−174049(P2006−174049A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−363229(P2004−363229)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】