説明

再生装置及び再生方法等

【課題】ユーザがコンテンツデータファイルを指定しなくとも再生指示を行うだけで、自動的に放送日に基づく効果的な連続再生を行うことが可能な再生装置及び再生方法等を提供する。
【解決手段】本願は、夫々に対して配信日を示す配信日情報が付与され、一纏まりで管理されつつ記録されている複数のコンテンツデータファイルを再生するポータブルプレイヤー1であって、再生指令を受け付けた場合に、前記配信日情報に基づいて、前記複数のコンテンツデータファイルを連続的に再生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、夫々に対して配信日を示す配信日情報が付与され、一纏まりで管理されつつ記録されている複数のコンテンツデータファイルを再生する再生装置等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハードディスク等の記録媒体の小型化、大容量化等に伴い、膨大な数のコンテンツデータ(例えば、楽曲データ)等を記録し再生可能なポータブルプレイヤーが普及しており、かかるポータブルプレイヤーにおいては、前回再生した楽曲データに係る記録領域のラストポジションを記憶しておき、次回再生時には、当該ラストポジションから再生を行うことが可能になっている。
【0003】
このようなポータブルプレイヤーにおいては、楽曲データをラストポジションから再生できるものの、膨大な数の楽曲データの中からユーザが所望の楽曲を探して再生させるのは非常に煩雑であった。
【0004】
このような問題を解決可能な技術として、特許文献1には、再生時の環境に関する環境情報を取得し、その環境に合わせたマルチメディアデータを複数のマルチメディアデータの中から選択して再生する技術が提案されている。
【特許文献1】特開2004-348895号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば定期的(例えば毎日7時から10時)に放送(配信)される番組に係るコンテンツデータ(例えば、音声データ)を、上述したようなポータブルプレイヤーにて受信、記録して溜めておき、ユーザが後日一気に聴きたい場合、一つ一つ当該ファイルを選択しなければならず煩雑である。また、例えば番組毎に当該コンテンツデータファイルを連続的聴きたいような場合、従来の技術では、効果的に連続再生することは困難であった。
【0006】
そこで、本願は、このような問題の解消を課題の一例とし、ユーザがコンテンツデータファイルを指定しなくとも再生指示を行うだけで、自動的に放送日に基づく効果的な連続再生を行うことが可能な再生装置及び再生方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、夫々に対して配信日を示す配信日情報が付与され、一纏まりで管理されつつ記録されている複数のコンテンツデータファイルを再生する再生装置であって、再生指令を受け付ける再生指令受付手段と、前記再生指令を受け付けた場合に、前記配信日情報に基づいて、前記複数のコンテンツデータファイルを連続的に再生させる再生制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項8に記載の発明は、夫々に対して配信日を示す配信日情報が付与され、一纏まりで管理されつつ記録されている複数のコンテンツデータファイルを再生する再生方法であって、再生指令を受け付ける工程と、前記再生指令を受け付けた場合に、前記配信日情報に基づいて、前記複数のコンテンツデータファイルを連続的に再生させる工程と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項9に記載の再生処理プログラムの発明は、夫々に対して配信日を示す配信日情報が付与され、一纏まりで管理されつつ記録されている複数のコンテンツデータファイルを再生するコンピュータを、再生指令を受け付けた場合に、前記配信日情報に基づいて、前記複数のコンテンツデータファイルを連続的に再生させるように機能させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本願の最適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0011】
なお、以下に説明する実施の形態は、ポータブルプレイヤーに対して本願を適用した場合の実施形態である。
【0012】
先ず、図1等を参照して、本実施形態に係るポータブルプレイヤーの構成及び機能を説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係るポータブルプレイヤーの概要構成例を示す図である。
【0014】
本実施形態に係るポータブルプレイヤー1は、図1に示すように、アンテナAT、受信部11、制御部12、記録部13、再生部14、アンプ15、スピーカ16、表示部17、及び操作部18等を備えて構成されている。
【0015】
受信手段の一例としての受信部11は、例えば、ラジオ放送局から放送(配信)された放送信号を受信するラジオチューナと、テレビ放送局から放送された放送信号(アナログ放送信号又はデジタル放送信号)を受信するテレビチューナと、を有しており、制御部12からの選局指示に係る周波数にチューニングして上記放送信号をアンテナATを介して受信し、当該放送信号に含まれるコンテンツデータ(例えば、音声データ及び映像データ等を含む)を制御部12に出力するようになっている。
【0016】
制御部12は、DSP(Digital Signal Processor)、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM、及び不揮発性メモリ(例えばEEPROM)等を備えている。DSPは、コンテンツデータに対して、例えば、公知のMPEG(Moving Picture Experts Group)−2(Video)及びMP3(MPEG-1 Audio Layer-3)等の規格に準じた圧縮(エンコード)/伸張(デコード)処理を実行するようになっている。これにより、受信部11からのコンテンツデータは、圧縮された後、記録部13に出力されてコンテンツデータファイルとして記録され、また、記録されたコンテンツデータファイルが再生される場合には、そのコンテンツデータが伸張されて再生部14に出力されることになる。なお、受信部11からのコンテンツデータは、そのまま再生部14にも出力可能になっている。
【0017】
また、CPUは例えばROMに記憶されたプログラム(本願の再生処理プログラムを含む)を読み出し実行することにより、本願の記録制御手段、再生指令受付手段、割当手段及び再生制御手段等として機能し、コンテンツデータの受信及び記録制御処理(予約登録リストに登録(例えば、チャンネル(又は周波数)、曜日及び時間帯(予約開始時刻及び予約終了時刻)等が登録)されたコンテンツデータの予約受信及び記録を含む)、及び記録されたコンテンツデータファイルの再生制御処理を実行するようになっている。
【0018】
記録部13は、HD(Hard Disk)ドライブ等を有しており、制御部12の記録制御にしたがって、上記圧縮されたコンテンツデータをコンテンツデータファイルとしてHDに記録し、また、制御部12の再生制御にしたがって、HDに記録されたコンテンツデータファイルを読み出し、制御部12に出力するようになっている。
【0019】
また、コンテンツデータファイルは、放送日(配信日)を示す放送日情報(配信日情報)が付与され、例えばフォルダにより管理されつつ(言い換えれば、フォルダに格納される形式で)複数記録されるようになっている。つまり、当該フォルダ単位で互いに異なる複数のコンテンツデータファイルが一纏まりで管理されることになる。
【0020】
図2は、フォルダにより管理されたコンテンツデータファイルの概念図である。
【0021】
図2の例では、複数のフォルダが示されており、各フォルダには、フォルダ名が付与されている。かかるフォルダ名としては、例えば所定の曜日の時間帯に放送される番組(例えば、英会話講座番組、音楽番組、ニュース番組等)の番組名、或いは当該曜日及び時間帯を示す数値が与えられる(フォルダ名が番組名であるフォルダの場合、当該フォルダにより管理された各コンテンツデータファイルは、当該番組で放送されたものであることを意味する)。なお、コンテンツデータファイルは番組で放送されたものに限定されるものではなく、放送日が規定されたコンテンツデータファイルであれば、その他のものであっても良い。
【0022】
また、各コンテンツデータファイルのファイル名は、再生/未再生を示すフラグ(未再生は「1」で示され、再生済は「2」で示される)と、放送日情報と、拡張子とで構成されており、例えば、図2に示すフォルダ51に格納されたコンテンツデータファイル52のファイル名「120060524」のうち、先頭の数値は再生/未再生を示すフラグ(この例では、未再生を示す)、これ以降の「20060524」は、放送日が2006年5月24日であることを示している。このようなファイル名は、例えばユーザにより記録予約登録された予約受信及び記録が行われる際に作成される。
【0023】
なお、当該ファイル名に年月日に加えて時間帯(例えば9時から10時等)を示す情報を付与するようにしても良い。
【0024】
このような各フォルダのフォルダ名及び当該フォルダにより管理される各コンテンツデータファイルのファイル名は、制御部12により登録、管理される(例えば制御部12における不揮発性メモリに記憶されたフォルダリストにより管理)。更に、各フォルダには、例えばユーザにより再生時間帯が割り当てられるようになっており、割り当てられた再生時間帯を示す情報は各フォルダ名に対応付けられて登録、管理される。
【0025】
再生部14は、制御部12からのコンテンツデータに含まれる音声データに対して公知の音響処理を施し音声信号を再生出力する音声処理部と、制御部12からのコンテンツデータに含まれる映像データに対して公知の描画処理を施し映像信号を再生出力する映像処理部を有している。こうして再生部14から再生出力された音声信号は、アンプ15により増幅されスピーカ16から音波として出力(拡声)され、再生部14から再生出力された映像信号(ラジオ放送の場合は該当しない)は、表示部17に備えられた例えば液晶ディスプレイ上に表示されることになる。
【0026】
入力手段の一例としての操作部18には、ユーザが各種指示(例えば、記録指示、再生指示等)を行うための操作ボタンが設けられており、当該ユーザにより押下された操作ボタンに対応する指示信号(指令)が制御部12に出力されるようになっている。
【0027】
このようなポータブルプレイヤー1の構成において、制御部12は、例えばユーザからの再生指令を操作部18から受け付けた場合に、所定の条件に合致するフォルダにより管理されている夫々のコンテンツデータファイルに付与された放送日情報に基づいて、複数のコンテンツデータファイルを連続的に再生させるようになっている。これにより、放送日に基づく効果的な連続再生が可能となる。
【0028】
ここで、所定の条件に合致するフォルダとは、例えば、上記再生指令を受け付けた時刻が含まれる再生時間帯が割り当てられたフォルダ、或いは予めユーザにより設定登録されたフォルダが該当する。
【0029】
また、コンテンツデータファイルの再生順序は、ユーザにより設定可能であり、例えば、放送日情報に係る放送日が新しい順、又は放送日情報に係る放送日が古い順とすることができ、特に、未再生のコンテンツデータファイルを優先して再生される(言い換えれば、HDに記録後、既に再生されたコンテンツデータファイルはスキップされる)ように設定可能になっている。
【0030】
次に、図3乃至図6等を参照して、本実施形態に係るポータブルプレイヤー1の動作について、制御部12における処理を主体として説明する。
【0031】
図3は、制御部12におけるメイン処理を示すフローチャートであり、図4は、図3に示す予約実行処理を示すフローチャートであり、図5は、図3に示す再生時間帯登録処理を示すフローチャートであり、図6は、図3に示す再生制御処理を示すフローチャートである。
【0032】
図3の処理は、例えばポータブルプレイヤー1の電源ONされた場合に開始される。
【0033】
ステップS1では、制御部12は、ユーザから操作部18を介して記録(録音又は録画)予約登録指令を受け付けたか否かを判別し、記録(録音又は録画)予約登録指令を受け付けた場合には(ステップS1:YES)、ステップS2に移行する。当該ステップS2では、制御部12は、予約登録画面(図示せず)を表示部17に表示させる。
【0034】
このような予約登録画面の表示状態においてユーザは操作部18を操作して、所望のテレビ放送におけるチャンネル(又はラジオ放送における周波数)、曜日(月日でも良い)、時間帯(予約開始時刻及び予約終了時刻)、及びタイトル(例えば番組名)等の予約情報を入力し実行ボタンを押下すると、制御部12は、当該入力された予約情報を予約リスト(当該予約リストは、例えば不揮発性メモリに記憶されている)に登録する(ステップS3)。
【0035】
なお、ステップS2において、複数の番組セルから構成されたEPG(Electronic Program Guide)画面(EPG画面の元となるEPGデータは、放送局から定期的に放送され、ポータブルプレイヤー1において受信、記憶される)が表示されるようにし、ステップS3において、EPG画面上でユーザにより指定(操作部18の操作による)された番組に係るチャンネル(又はラジオ放送における周波数)、曜日、時間帯(予約開始時刻及び予約終了時刻)、及びタイトル(例えば番組名)等の予約情報が予約リストに登録されるように構成しても良い。
【0036】
図7は、予約リストにおける登録情報例を示す図である。図7の例では、記録(録音又は録画)予約に係る複数の番組の予約情報が登録されており、ここに登録された予約開始時刻は制御部12により監視されることになる。
【0037】
次に、ステップS4では、制御部12は、内部の計時手段から得られる現在時刻が、予約リストに登録された予約開始時刻になったか(或いは、予約開始時刻の数十秒前になったか)否かを判別し、予約開始時刻になった場合には(ステップS4:YES)、ステップS10に移行する。
【0038】
ステップS5では、制御部12は、ユーザから操作部18を介して再生時間帯登録指令を受け付けたか否かを判別し、再生時間帯登録指令を受け付けた場合には(ステップS5:YES)、ステップS11に移行する。
【0039】
ステップS6では、制御部12は、ユーザから操作部18を介して再生指令を受け付けたか否かを判別し、再生指令を受け付けた場合には(ステップS6:YES)、ステップS12に移行する。
【0040】
ステップS7におけるその他の処理では、ユーザからの操作部18を介した指令に基づき、再生対象となるフォルダの条件設定や、各フォルダ毎のコンテンツデータファイルの再生順序の設定等の処理、更にはユーザからの操作部18を介した通常の再生指令(例えば、コンテンツデータファイルの指定)に基づく再生制御処理が行われる。
【0041】
ステップS8では、制御部12は、当該処理を終了するか否かを判断しており、例えば電源OFF指令を受け付けた場合には、当該処理を終了すると判断し(ステップS8:YES)、当該処理を終了し、当該処理を終了しない場合には(ステップS8:NO)、ステップS1に戻る。
【0042】
次に、ステップS10における予約実行処理では、図4に示すように、先ず、制御部12は、当該番組に対応するフォルダが既に作成されているか否かを判別する(ステップS101)。当該番組に対応するフォルダが既に作成されている場合には(ステップS101:YES)、ステップS103に移行し、当該番組に対応するフォルダが未だ作成されていない場合には(ステップS101:NO)、ステップS102に移行する。
【0043】
ステップS102では、当該番組に対応するフォルダを作成し、そのフォルダに対してフォルダ名を付与してフォルダリスト(当該フォルダリストは、例えば不揮発性メモリに記憶されている)に登録する。かかるフォルダ名としては、例えば予約リストに登録された当該番組の番組名が付与される。或いは、デジタル放送(例えば公知の1セグ放送)の場合、番組名を示すデータは、音声データ及び映像データと共に放送され、受信できるので、フォルダに付与するフォルダ名として、とりあえず曜日及び時間帯を示す数値を付与しておき、後から、当該数値に代えて、上記受信された番組名が付与されるように構成しても良い。
【0044】
なお、同一チャンネルの同一番組のフォルダを複数作成することも可能である。例えば、一方のフォルダでは、毎日6時から7時に放送される当該番組のコンテンツデータファイルの全てを管理し、他方のフォルダでは、毎日6時から7時に放送される当該番組のうち火曜日に放送される当該番組(例えばあるパーソナリティだけのフォルダを作りたい場合)のみを管理するように構成することもできる。この場合、上述した予約登録画面において、ユーザは夫々のフォルダ分の予約情報(一方の予約情報における時間帯を毎日6時から7時及びタイトルを例えば英会話講座1とし、他方の予約情報における時間帯を火曜日の6時から7時及びタイトルを例えば英会話講座2とする(その他の予約情報は同じ))を別々に入力し、予約リストに登録させるようにすれば良い。
【0045】
ステップS103では、制御部12は、予約開始時刻になった番組のチャンネル(又は周波数)を受信部11に設定させ、次いで、コンテンツデータの受信・記録制御処理を実行する(ステップS104)。当該受信・記録制御処理において、制御部12は、受信部11から出力されたコンテンツデータを圧縮し、当該圧縮されたコンテンツデータをコンテンツデータファイルとして、当該番組に対応するフォルダにより管理されるように記憶部13のHDに記録(つまり、HDにおける当該番組のフォルダに対応するメモリ領域に記録)させる。
【0046】
次いで、制御部12は、現在時刻が、当該受信中の番組の予約終了時刻になったか否かを判別し(ステップS105)、予約終了時刻になるまで上記ステップS104の処理を継続し、予約終了時刻になった場合には(ステップS105:YES)、ステップS106に移行する。
【0047】
ステップS106では、制御部12は、放送日(この例では、現在日)を示す放送日情報を取得する。
【0048】
次いで、制御部12は、未再生を示すフラグ及び上記取得した放送日情報を含むファイル名を作成し、当該ファイル名を、当該記録されたコンテンツデータファイルに対して付与し、当該ファイル名及び当該コンテンツデータファイルの属性(例えば、音声又は映像)を、フォルダリストにおける当該番組に対応するフォルダ名に対応つけて登録し(ステップS107)、図3の処理に戻る。
【0049】
次に、ステップS11における再生時間帯登録処理では、図5に示すように、先ず、制御部12は、フォルダリスト画面を表示部17に表示させる(ステップS111)。
【0050】
図8(A)は、フォルダリスト画面の表示例を示す図である。図8(A)の例では、フォルダリストに登録されたフォルダ名及びコンテンツデータファイルの属性がリスト化され、選択可能に表示されている。このようなフォルダリスト画面の表示状態においてユーザは操作部18を操作して、所望のフォルダ名を例えばカーソル61により選択し実行ボタンを押下すると、制御部12は、選択されたフォルダ名を認識し(ステップS112:YES)、再生時間帯登録画面を表示部17に表示させる(ステップS113)。
【0051】
図8(B)は、再生時間帯登録画面の表示例を示す図である。図8(B)の例では、選択されたフォルダ名に係るフォルダに対して割り当てるべき再生時間帯(この例では、曜日も含む)入力するための入力欄62が設けられており、ユーザが操作部18を操作して、入力欄62に所望の再生時間帯を入力し、例えば登録ボタン63にカーソルを合わせて実行ボタンを押下すると、制御部12は、当該入力された再生時間帯を示す情報を認識し(ステップS114:YES)、再生時間帯を示す情報を、フォルダリストにおける当該フォルダ名に対応つけて登録し(ステップS115)、図3の処理に戻る。
【0052】
なお、フォルダリスト画面が表示されたときに、画面表示される所定時間(例えば、1分)の計時が開始され、当該所定時間が経過した場合に、強制的にフォルダリスト画面又は再生時間帯登録画面を消し、図3の処理に戻るように構成しても良い。
【0053】
次に、ステップS12における再生制御処理では、図6に示すように、先ず、制御部12は、例えばフォルダリストを参照し、内部の計時手段から得られる現在時刻が含まれる(当てはまる)再生時間帯が割り当てられたフォルダが存在するか(当該再生時間帯が対応付けられたフォルダ名がフォルダリストに登録されているか)否かを判別する(ステップS121)。当該再生時間帯が割り当てられたフォルダが存在しない場合には(ステップS121:NO)、当該処理は終了され、図3の処理に戻る。
【0054】
一方、当該再生時間帯が割り当てられたフォルダが存在する場合には(ステップS121:YES)、当該フォルダが特定される(ステップS122)。
【0055】
次いで、制御部12は、上記特定したフォルダにより管理されているコンテンツデータファイルのファイル名を参照して、未再生の(例えば、ファイル名の先頭の数値が「1」である)コンテンツデータファイルが記録されているか否かを判別する(ステップS123)。未再生のコンテンツデータファイルが記録されていない場合には(ステップS123:NO)、当該処理は終了され、図3の処理に戻る。
【0056】
一方、未再生のコンテンツデータファイルが記録されている場合には(ステップS123:YES)、制御部12は、当該未再生のコンテンツデータファイルのうち、放送日が最も現在日(今日)に近いコンテンツデータファイルを特定する(ステップS124)。
【0057】
次いで、制御部12は、上記特定したコンテンツデータファイルの再生制御処理を行う(ステップS125)。かかる再生制御処理では、記録部13からコンテンツデータファイルが読み出され制御部12で伸張された後、再生部14から再生出力されスピーカ16等を介して出力される。
【0058】
次いで、制御部12は、当該コンテンツデータファイルの再生が終了したか否かを判別し(ステップS126)、再生終了していない場合には(ステップS126:NO)、ステップS125に戻り、再生制御処理を継続し、再生終了した場合には(ステップS126:YES)、当該再生終了したコンテンツデータファイルのファイル名を再生済が示されるように変更(例えば、ファイル名の先頭の数値を「1」から「2」に変更)し(ステップS127)、上記ステップS123に戻る。こうして戻ったステップS123において、未再生のコンテンツデータファイルが未だ記録されている場合には、上記再生されたコンテンツデータファイルの次に放送日が現在日(今日)に近いコンテンツデータファイルが特定され、再生されることになる。
【0059】
図9は、7時から10時までの再生時間帯が割り当てられたフォルダにより管理されたコンテンツデータファイルの再生順序の一例を示す概念図である。例えばユーザによる再生指令が例えば5月25日の9時にあった場合、図9に示すフォルダ51が特定され、上記再生制御処理により、当該フォルダ51内のコンテンツデータファイルが矢印の順序(120060524.mp3→120060523.mp3→120060521.mp3→120060520.mp3・・・の順序)で連続的に再生(220060522.mp3のコンテンツデータファイルは再生済であるためこの処理では再生されない)されることになる。
【0060】
なお、図6に示す再生制御処理では、放送日が新しい順に複数のコンテンツデータファイルを連続的に再生させるようにした構成したが、設定により放送日が古い順に複数のコンテンツデータファイルを連続的に再生させることも可能である。この場合、上記ステップS124において、放送日が最も現在日(今日)に遠いコンテンツデータファイルが特定されることになる。
【0061】
また、図6に示す再生制御処理では、再生済のコンテンツデータファイルはステップS124において特定されず再生されないようにした構成したが、再生済のコンテンツデータファイルも特定されるように構成しても構わない。或いは、未再生のコンテンツデータファイルが全て再生された後に、放送日情報に基づいて再生済のコンテンツデータファイルを連続的に再生させるように構成しても構わない。
【0062】
以上説明したように、上記実施形態に係るポータブルプレイヤー1によれば、例えばユーザからの再生指令を操作部18から受け付けた場合に、例えば現在時刻が含まれる再生時間帯が割り当てられたフォルダにより管理されている夫々のコンテンツデータファイルのファイル名に含まれる放送日情報に基づいて、複数のコンテンツデータファイルを連続的に再生させるように構成したので、ユーザがコンテンツデータファイルを指定しなくとも再生指示を行うだけで、自動的に放送日に基づく効果的な連続再生を行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0063】
また、ユーザから操作部18を介して入力された指示にしたがって、各フォルダに対して上記再生時間帯を割り当てられるようにしたので、ユーザは、フォルダ毎に所望の再生時間帯を設定することができ、例えば、朝通勤する時間帯はラジオの英会話講座番組のフォルダ内のコンテンツデータファイルを再生させ、夜帰宅する時間帯は音楽番組のフォルダ内のコンテンツデータファイルを再生させるといった利便性の高い使い方をすることができる。
【0064】
しかも、各フォルダ内の複数のコンテンツデータファイルを放送日が新しい順に連続的に再生させることができるので、例えば最新のコンテンツデータファイルから古いコンテンツデータファイルに遡って効果的に連続再生させることができる。
【0065】
また、各フォルダ内の複数のコンテンツデータファイルを放送日が古い順に連続的に再生させることができるので、例えば毎日聴けずに溜めてしまうことがある場合に、最も古いコンテンツデータファイルから順番に連続再生させることができる。
【0066】
また、上記連続再生において、未再生のコンテンツデータファイルを優先して再生させるようにしたので、ユーザは未だ聴いていないコンテンツデータファイルを優先して(或いは、ユーザは未だ聴いていないコンテンツデータファイルのみを)聴くことができる。
【0067】
なお、上記実施形態においては、フォルダによりコンテンツデータファイルを管理するようにしたが、当該フォルダの代わりに、制御部12で作成され例えば不揮発性メモリに記憶されるプレイリストにより複数のコンテンツデータファイルを管理するように構成しても良い。
【0068】
また、上記実施形態においては、放送局から放送されたコンテンツデータを含む放送信号をアンテナATを介して受信する形態を例にとって説明したが、本願は、インターネット等のネットワークに接続された配信サーバから配信されたコンテンツデータを受信する形態に適用することも可能である。この場合、ポータブルプレイヤー1における受信部11の代わりにネットワークに接続するための通信機器が備えられ、ポータブルプレイヤー1は、当該ネットワークを介して配信サーバに接続して配信要求を行うことによりコンテンツデータを受信することになる。また、この場合、受信、記録されたコンテンツデータファイルのファイル名に含まれる配信日情報に係る配信日は、例えば当該コンテンツデータのリリース日(配信開始日)とすることが望ましい(配信前のコンテンツデータファイルのファイル名には既にリリース日を示す情報が含まれるケースが多く、受信側でも当該リリース日を把握することができる)。
【0069】
また、上記実施形態においては、本願をポータブルプレイヤー1に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば移動体(例えば車両)に搭載される音声データ等の記録及び再生機能を有するプレーヤや、パーソナルコンピュータ等に対しても適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本実施形態に係るポータブルプレイヤーの概要構成例を示す図である。
【図2】フォルダにより管理されたコンテンツデータファイルの概念図である。
【図3】制御部12におけるメイン処理を示すフローチャートである。
【図4】図3に示す予約実行処理を示すフローチャートである。
【図5】図3に示す再生時間帯登録処理を示すフローチャートである。
【図6】図3に示す再生制御処理を示すフローチャートである。
【図7】予約リストにおける登録情報例を示す図である。
【図8】(A)はフォルダリスト画面の表示例を示す図であり、(B)は再生時間帯登録画面の表示例を示す図である。
【図9】7時から10時までの再生時間帯が割り当てられたフォルダにより管理されたコンテンツデータファイルの再生順序の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0071】
1…ポータブルプレイヤー
11…受信部
12…制御部
13…記録部
14…再生部
15…アンプ
16…スピーカ
17…表示部
18…操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
夫々に対して配信日を示す配信日情報が付与され、一纏まりで管理されつつ記録されている複数のコンテンツデータファイルを再生する再生装置であって、
再生指令を受け付ける再生指令受付手段と、
前記再生指令を受け付けた場合に、前記配信日情報に基づいて、前記複数のコンテンツデータファイルを連続的に再生させる再生制御手段と、
を備えることを特徴とする再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の再生装置において、
前記複数のコンテンツデータファイルは、フォルダ又はプレイリストにより一纏まりで管理されており、
ユーザから入力手段を介して入力された指示にしたがって、前記フォルダ又はプレイリストに対して再生時間帯を割り当てる割当手段を更に備え、
前記再生制御手段は、前記再生指令を受け付けた時刻が含まれる再生時間帯が割り当てられたフォルダ又はプレイリストにより管理された前記複数のコンテンツデータファイルを連続的に再生させることを特徴とする再生装置。
【請求項3】
請求項2に記載の再生装置において、
前記フォルダ又はプレイリストは複数登録されており、夫々の前記フォルダ又はプレイリストにより管理されるコンテンツデータファイルは互いに異なることを特徴とする再生装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の再生装置において、
前記再生制御手段は、前記配信日情報に係る配信日が新しい順に、前記複数のコンテンツデータファイルを連続的に再生させることを特徴とする再生装置。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の再生装置において、
前記再生制御手段は、前記配信日情報に係る配信日が古い順に、前記複数のコンテンツデータファイルを連続的に再生させることを特徴とする再生装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の再生装置において、
前記再生制御手段は、未再生のコンテンツデータファイルを優先して再生させることを特徴とする再生装置。
【請求項7】
請求項2乃至6の何れか一項に記載の再生装置において、
予め設定された日時に配信されたコンテンツデータを受信する受信手段と、
前記受信されたコンテンツデータを前記コンテンツデータファイルとし、対応する前記フォルダ又はプレイリストにより管理されるように記録させる記録制御手段と、
を備えることを特徴とする再生装置。
【請求項8】
夫々に対して配信日を示す配信日情報が付与され、一纏まりで管理されつつ記録されている複数のコンテンツデータファイルを再生する再生方法であって、
再生指令を受け付ける工程と、
前記再生指令を受け付けた場合に、前記配信日情報に基づいて、前記複数のコンテンツデータファイルを連続的に再生させる工程と、
を備えることを特徴とする再生方法。
【請求項9】
夫々に対して配信日を示す配信日情報が付与され、一纏まりで管理されつつ記録されている複数のコンテンツデータファイルを再生するコンピュータを、
再生指令を受け付けた場合に、前記配信日情報に基づいて、前記複数のコンテンツデータファイルを連続的に再生させるように機能させることを特徴とする再生処理プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の再生処理プログラムをコンピュータ読み取り可能に記録したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−154030(P2008−154030A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340880(P2006−340880)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】