説明

再生装置

【課題】従来よりもユーザに対して親切で、簡単かつ確実にユーザ所望の区間をリピート再生区間に設定することを可能とする。
【解決手段】記録媒体に記録されたコンテンツに関して設定された再生開始地点から再生終了地点までの再生区間をリピート再生可能な再生装置において、上記再生区間のリピート再生の実行中に、所定の進み指示または戻り指示を受付けた場合に、上記再生区間の設定位置を移動させるか否かを問い合わせるメッセージを所定の画面に表示させる表示制御手段と、上記メッセージへの応答として上記再生区間の設定位置を移動させる指示を受付けた場合に、上記受付けた進み指示または戻り指示に応じた方向へ、上記再生区間を移動させる再生区間再設定手段とを備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の範囲のコンテンツを繰り返し再生させるリピート再生機能における、リピート範囲の設定操作の利便性向上が図られた再生装置が知られている(特許文献1参照。)。また、ユーザがリピート再生中のリピート再生区間の移動を希望した時点で、リピート再生区間送り方向移動用キーを長押した場合に、長押の時間分だけ送り方向に移動させる記録媒体再生装置が知られている(特許文献2参照。)。リピート再生区間の変更に関する技術が更に開示されている(特許文献3,4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007‐122759号公報
【特許文献2】特開2006‐107681号公報
【特許文献3】特開平11‐96736号公報
【特許文献4】特開平10‐312200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録媒体に記録されたコンテンツの一部区間をリピート再生する際に、ユーザは、既に設定されているリピート再生区間を変更したい場合がある。このような変更を行なう際に、従来よりもユーザに対して親切で、簡単かつ確実にユーザ所望の区間をリピート再生区間に設定可能とする技術が望まれていた。
【0005】
本発明は上記各課題に鑑みてなされたもので、従来よりもユーザに対して親切で、簡単かつ確実にユーザ所望の区間をリピート再生区間に設定することが可能な再生装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一つの態様は、記録媒体に記録されたコンテンツに関して設定された再生開始地点から再生終了地点までの再生区間をリピート再生可能な再生装置において、上記再生区間のリピート再生の実行中に、所定の進み指示または戻り指示を受付けた場合に、上記再生区間の設定位置を移動させるか否かを問い合わせるメッセージを所定の画面に表示させる表示制御手段と、上記メッセージへの応答として上記再生区間の設定位置を移動させる指示を受付けた場合に、上記受付けた進み指示または戻り指示に応じた方向へ、上記再生区間を移動させる再生区間再設定手段と、を備える構成としてある。
【0007】
本発明によれば、表示制御手段は、再生区間のリピート再生の実行中に、所定の進み指示または戻り指示を受付けた場合に、再生区間の設定位置を移動させるか否かを問い合わせるメッセージを所定の画面に表示させる。そのため、ユーザは、当該メッセージを見ることで、再生区間を移動させるべきか否か判断することができる。そして、再生区間再設定手段は、ユーザから当該メッセージへの応答として再生区間の設定位置を移動させる指示を受付けた場合に、上記受付けた進み指示または戻り指示に応じた方向へ、上記再生区間を移動させる。つまり本発明によれば、ユーザは、上記メッセージに対する応答を行なうことで、進み方向または戻り方向のうち所望する方向へ再生区間を移動させることができるため、ユーザに対して親切であり、簡単かつ確実にユーザ所望の区間をリピート再生区間に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】再生装置などの概略を示すブロック図である。
【図2】再生装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】ディスプレイに表示されるメッセージ画像の一例を示す図である。
【図4】リピート再生区間を移動させる様子を示す図である。
【図5】変形例にかかる処理を示すフローチャートである。
【図6】ディスプレイに表示されるメッセージ画像の他の例を示す図である。
【図7】ディスプレイに表示されるメッセージ画像の他の例を示す図である。
【図8】さらなる変形例にかかる処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態にかかる再生装置10などの概略をブロック図により示している。再生装置10は、概略、ディスクドライブ11、ハードディスク(HD)12、再生処理部13、制御部14、外部接続インターフェイス(I/F)15、操作受付部16、リモートコントロールI/F17、記憶部(メモリー)18等を備える。ディスクドライブ11には、映像や音声などのコンテンツが収録されたDVDやブルーレイディスク(BD)等の記録媒体Mが挿入される。ディスクドライブ11は、記録媒体Mから信号の読み込みを行なう。また、HD12にも映像や音声などのコンテンツが格納されている。再生処理部13は、ディスクドライブ11や、HD12(記録媒体の一種)と接続し、ディスクドライブ11やHD12から入力したデータを伸張するデコーダ等を備えることにより、記録媒体MやHD12に記録されているコンテンツの再生処理を行なう。
【0010】
再生処理部13によって生成された映像音声信号は、外部接続I/F15を介して、外部の表示装置(例えば、テレビジョン30)へ出力される。操作受付部16は、ユーザからの各種指示を受付けるためのユーザI/Fであり、所定のボタンやスイッチ類からなる。リモートコントロールI/F17は、外部のリモートコントロール装置20から送信される赤外線信号(リモートコントロール信号)を受光し、受光した信号を制御部14に送信する。リモートコントロール装置20には、操作受付部16が備えるボタン等に相当する各種ボタン等や、上下左右のカーソルキー21などが配設されている。
制御部14はCPU等を備え、再生装置10の各部と接続し、予め保持した所定のプログラムに従って再生装置10全体を制御する。記憶部18は、後述する所定の各メッセージ画像を表現したメッセージ表示用データMDや、リピート再生区間を規定した再生区間設定情報RD等を記憶している。
【0011】
図2は、本実施形態で再生装置10が実行する処理の一例をフローチャートで示している。当該フローチャートの前提として、再生装置10においては、ユーザによる操作受付部16またはリモートコントロール装置20の操作により、記録媒体(記録媒体MまたはHD12)に記録された所定のコンテンツに関してリピート再生区間すなわちリピート再生のための開始地点(再生開始地点)および終了地点(再生終了地点)の情報が予め設定されて、記憶部18に再生区間設定情報RDとして記憶されているものとする。再生開始地点および再生終了地点はいずれも、例えば、コンテンツの開始シーンを基準(0時間0分0秒)とした時間情報で表される。
【0012】
ステップS100では、再生装置10は、リピート再生区間のリピート再生を開始する。つまり、ユーザが操作受付部16またはリモートコントロール装置20を操作することにより、上記所定のコンテンツのリピート再生区間のリピート再生指示を行った場合に、制御部14は、操作受付部16またはリモートコントロールI/F17を介して当該リピート再生指示を認識する。そして制御部14は、当該リピート再生指示に応じて、ディスクドライブ11またはHD12と、再生処理部13との駆動を制御することにより、上記所定のコンテンツにおける、上記再生区間設定情報RDに規定されている再生開始地点から再生終了地点までの区間の映像や音声の再生を繰り返し実行させ、かつ、外部接続I/F15を制御することにより、この再生信号をテレビジョン30に出力させる。この結果、ユーザは、テレビジョン30のディスプレイ31やスピーカ(不図示)を介して、上記リピート再生区間の内容の繰り返し再生を視聴することができる。
【0013】
ステップS110では、制御部14は、上記再生区間のリピート再生の実行中に、所定の進み指示または戻り指示を受付けたか否か判定する。進み指示とは、例えば、リモートコントロール装置20における右のカーソルキーの押下げによる指示であり、戻り指示とは、例えば、リモートコントロール装置20における左のカーソルキーの押下げによる指示である。制御部14は、進み指示と戻り指示のいずれかを受付けたと判定した場合には、ステップS120に進み、一方、進み指示と戻り指示のどちらも受付けていない場合には、ステップS100のリピート再生を継続する。
【0014】
ステップS120では、制御部14は、上記再生区間の設定位置を移動させるか否かを問い合わせるメッセージを所定の画面に表示させる。ステップS110,S120を実行可能な点で、再生装置10(制御部14等)は表示制御手段として機能すると言える。当該ステップS120では、制御部14は、記憶部18に記憶された上記メッセージ表示用データMDに基づくメッセージ画像を生成し、当該生成したメッセージ画像を外部接続I/F15を介してテレビジョン30に出力することにより、テレビジョン30のディスプレイ31に上記メッセージを表示させる。
【0015】
図3は、ステップS120でディスプレイ31に表示されるメッセージ画像31aを例示している。メッセージ画像31aは、例えば、「リピート再生区間を移動しますか?」といったメッセージ(第1メッセージ)を含む。また、メッセージ画像31a内には「Yes」および「No」の選択欄が設けられ、ユーザはリモートコントロール装置20等を操作することにより、「Yes」および「No」のいずれか一方を選択することができる。
【0016】
ステップS130では、制御部14は、メッセージ画像31aのメッセージへの応答として上記再生区間の設定位置を移動させる指示(Yesの選択)を受付けたか否か判定する。そして、Yesの選択を受付けた場合にはステップS140に進み、一方、上記再生区間の設定位置を移動させない旨の指示(Noの選択)を受付けた場合には、ステップS100のリピート再生を継続する。
【0017】
ステップS140では、制御部14は、上記ステップS110で受付けた進み指示または戻り指示に応じた方向へ、上記再生区間を移動させる。具体的には、上記ステップS110で上記右のカーソルキーの押下げによる指示を受付けていた場合には、当該ステップS140では、再生区間設定情報RDにおいて規定されているリピート再生区間を、上記所定のコンテンツ内における現在の位置よりも予め定められた時間(例えば5分)だけ進めた位置に移動させる。一方、上記ステップS110で上記左のカーソルキーの押下げによる指示を受付けていた場合には、当該ステップS140では、再生区間設定情報RDにおいて規定されているリピート再生区間を、上記所定のコンテンツ内における現在の位置よりも予め定められた時間(例えば5分)だけ戻した位置に移動させる。
【0018】
図4は、上記ステップS140においてリピート再生区間が5分進められた様子を説明している。図4の上段に示したように、例えば、当該フローチャートの開始前に、上記所定のコンテンツの開始地点から10分経過後のA地点が再生開始地点として、当該コンテンツの開始から20分経過後のB地点が再生終了地点として、設定されていたとする。このような状況で当該フローチャートが実行され、上記ステップS110で上記右のカーソルキーの押下げによる指示が受付けられ、上記ステップS130で再生区間の設定位置を移動させる指示が受付けられた場合には、図4の下段に示すように、リピート再生区間の長さ(A〜B地点の間隔)が維持されたまま、リピート再生区間が5分だけ進んだ位置に移動される。
【0019】
ステップS150では、制御部14は、当該移動させたリピート再生区間の再生開始地点に対応する時間情報および当該移動させたリピート再生区間の再生終了地点に対応する時間情報を、新たな再生区間設定情報RDとし、この新たな再生区間設定情報RDにより、これまでの再生区間設定情報RDを更新する。これにより、リピート再生区間の再設定を完了する。リピート再生区間の再設定完了後は、制御部14は、再生装置10による再生動作を停止させてもよいし、当該再設定したリピート再生区間のリピート再生を開始してもよい。ステップS130,S140,S150を実行可能な点で、再生装置10(制御部14等)は再生区間再設定手段として機能すると言える。
【0020】
このように本実施形態によれば、再生装置10は、リピート再生中に、ユーザが進み指示または戻り指示(右のカーソルキーの押下げまたは左のカーソルキーの押下げ)を行なうと、リピート再生区間の移動の是非を問い合わせるメッセージをディスプレイ31に表示させ、当該メッセージに対する応答として移動の旨を受付けた場合には、進み指示を受付けていればリピート再生区間の位置を所定時間だけ進め、戻り指示を受付けていればリピート再生区間の位置を所定時間だけ戻す。このため、ユーザにとって非常に親切であり、ユーザは当該メッセージを見ることで、リピート再生区間を移動させるべきか否か判断することができる。そして、当該メッセージに対する応答を行なうことで、進み方向または戻り方向のうち所望していた方向へリピート再生区間を移動させることができるため、ユーザは、簡単かつ確実にリピート再生区間を再設定することができる。
【0021】
本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能であり、以下のような各変形例も可能である。むろん、上記実施形態や各変形例を組み合わせた構成も、本発明の範囲となる。
例えば、上記表示制御手段は、上記再生区間の移動量を問い合わせるメッセージを上記画面に表示させ、上記再生区間再設定手段は、上記移動量を問い合わせるメッセージへの応答として受付けた移動量に応じて、上記再生区間を移動させるとしてもよい。
また、上記表示制御手段は、上記再生区間の長さを問い合わせるメッセージを上記画面に表示させ、上記再生区間再設定手段は、上記長さを問い合わせるメッセージへの応答として受付けた再生区間の長さの指定に応じて、上記移動させた再生区間の長さを設定するとしてもよい。
【0022】
また、上記再生区間再設定手段は、上記移動させた再生区間の再生開始地点を少なくとも含む所定範囲の映像及び又は音声と、上記移動させた再生区間の再生終了地点を少なくとも含む所定範囲の映像及び又は音声とを、再生するとしてもよい。
また、上記再生区間再設定手段は、上記移動させた再生区間の再生開始地点および再生終了地点のそれぞれに対して変更指示を外部から受付け可能であり、受付けた変更指示に応じて、上記移動させた再生区間の再生開始地点及び又は再生終了地点の設定を変更するとしてもよい。
【0023】
さらに、上述した各構成を含んだ具体的構成の一例として、記録媒体に記録されたコンテンツに関して設定された再生開始地点から再生終了地点までの再生区間をリピート再生可能な再生装置において、
上記再生区間のリピート再生の実行中に、所定の進み指示または戻り指示を受付けた場合に、上記再生区間の設定位置を移動させるか否かを問い合わせる第1メッセージを所定の画面に表示させ、
第1メッセージへの応答として上記再生区間の設定位置を移動させる指示を受付けた場合に、上記再生区間の移動量を問い合わせる第2メッセージおよび上記再生区間の長さを問い合わせる第3メッセージを上記画面に表示させ、
上記受付けた進み指示または戻り指示に応じた方向へ、上記第2メッセージへの応答として受付けた移動量に応じて再生区間を移動させるとともに、上記第3メッセージへの応答として受付けた再生区間の長さの指定に応じて、当該移動させた再生区間の再生終了地点を調整することにより、移動後の再生区間を仮設定し、
上記仮設定した再生区間の再生開始地点を少なくとも含む所定範囲の映像及び又は音声と、上記仮設定した再生区間の再生終了地点を少なくとも含む所定範囲の映像及び又は音声とを再生し、
上記仮設定した再生区間を移動後の再生区間として本設定するか否かを問い合わせる第4メッセージを上記画面に表示させ、
上記第4メッセージへの応答として上記仮設定した再生区間を本設定しない旨の指示を受付けた場合には、上記仮設定した再生区間の再生開始地点及び又は再生終了地点のそれぞれに対して変更指示を受付け、受付けた変更指示に応じて再生開始地点及び又は再生終了地点の設定を変更した区間を移動後の再生区間として本設定し、上記第4メッセージへの応答として上記仮設定した再生区間を本設定する旨の指示を受付けた場合には上記仮設定した再生区間を移動後の再生区間として本設定し、
上記本設定した再生区間のリピート再生を実行する、という構成を把握することもできる。
【0024】
図5は、変形例にかかる処理を、フローチャートにより示している。図5に示した処理は、例えば、上記図2のステップS130とステップS140との間に実行される。
制御部14は、上記ステップS130でYesの選択を受付けた場合、ステップS131において、リピート再生区間の移動量を問い合わせるメッセージをディスプレイ31に表示させる。図6は、ステップS131においてディスプレイ31に表示されるメッセージ画像31bを例示している。メッセージ画像31bには、例えば「リピート再生区間の移動量を設定して下さい」といったメッセージ(第2メッセージ)とともに、移動量の設定欄31b1および「Cancel」の選択欄が設けられている。ユーザは、リモートコントロール装置20等を操作することにより、このメッセージに対する応答として、設定欄31b1にリピート再生区間の移動量(例えば、「10分」等といった時間量)を設定することができる。つまりステップS132では、制御部14は、ユーザによるリモートコントロール装置20等の操作に基づき、リピート再生区間の移動量を受付ける。ステップS131で「Cancel」の選択欄がユーザによって選択された場合には、制御部14は、ステップS100のリピート再生を継続する。
【0025】
制御部14は、ステップS133において、リピート再生区間の長さを問い合わせるメッセージをディスプレイ31に表示させる。図7は、ステップS133においてディスプレイ31に表示されるメッセージ画像31cを例示している。メッセージ画像31cには、例えば「リピート再生区間の長さを設定して下さい」といったメッセージ(第3メッセージ)とともに、長さの設定欄31c1および「Cancel」の選択欄が設けられている。ユーザは、リモートコントロール装置20等を操作することにより、このメッセージに対する応答として、設定欄31c1にリピート再生区間の長さ(例えば、「3分」等といった時間量)を設定することができる。つまりステップS134では、制御部14は、ユーザによるリモートコントロール装置20等の操作に基づき、リピート再生区間の長さを受付ける。ステップS133で「Cancel」の選択欄がユーザによって選択された場合には、制御部14は、ステップS100のリピート再生を継続する。
【0026】
このようにステップS131〜S134を経た後のステップS140では、制御部14は、上記ステップS110で受付けた進み指示または戻り指示に応じた方向へ、上記メッセージ画像31bのメッセージへの応答として受付けた移動量に応じてリピート再生区間を移動させ、上記メッセージ画像31cのメッセージへの応答として受付けた長さの指定に応じて、リピート再生区間の再生終了地点を調整する。例えば、上記ステップS110で進み指示を受けており、上記移動量として「10分」という値を受付けていた場合には、リピート再生区間を上記所定のコンテンツ内における現在の位置よりも10分だけ進めた位置に移動させる。さらに、上記長さとして、例えば、「3分」という値を受付けていた場合には、移動後のリピート再生区間の再生終了地点を変更することにより、再生開始地点から再生終了地点までの長さを3分に設定する(リピート再生区間の長さを拡大または短縮する)。
【0027】
ただし、上記ステップS131〜S134の処理は、その全てが実行される必要は無く、制御部14は、ステップS131,S132の処理と、ステップS133,S134の処理との、いずれか一方のみを実行するとしてもよい。つまり、ステップS130でYesの選択を受付けた後に、ユーザにリピート再生区間の移動量のみを任意に設定させてもよいし、リピート再生区間の長さのみを任意に設定させてもよい。なお、ステップS130でYesの選択を受付けた後に、リピート再生区間の長さのみを設定させた場合、制御部14は、ステップS140では、上述したようにリピート再生区間を上記所定のコンテンツ内における現在の位置から予め定められた時間だけ移動させ、移動させたリピート再生区間を、上記受付けた長さに変更する。ステップS150では、ステップS140で移動された(さらには長さの変更がされた)後のリピート再生区間について、その再生開始地点に対応する時間情報および再生終了地点に対応する時間情報を、新たな再生区間設定情報RDとし、この新たな再生区間設定情報RDにより、これまでの再生区間設定情報RDを更新する。
【0028】
このように、再生装置10は、リピート再生区間の移動量や長さをユーザに任意に設定させるためのメッセージ画面を表示すれば、ユーザにとってより親切となり、ユーザはメッセージに対する応答を行なうことで、簡単かつ確実にリピート再生区間を所望の位置、長さに再設定することができる。
【0029】
図8は、さらなる変形例にかかる処理を、フローチャートにより示している。図8に示した処理は、上記図2のステップS140の後に、上記ステップS150の替わりに実行される。むろん、ステップS140の前には図5で説明した処理が挿入されていてもよい。ステップS160では、制御部14は、ステップS140で移動された(さらには長さの変更がされた)後のリピート再生区間を、移動後のリピート再生区間として仮設定する。
【0030】
ステップS170では、制御部14は、仮設定されているリピート再生区間の再生開始地点を少なくとも含む所定範囲の映像及び又は音声と、上記仮設定したリピート再生区間の再生終了地点を少なくとも含む所定範囲の映像及び又は音声とを再生する。制御部14は、例えば、ディスクドライブ11またはHD12と再生処理部13とを制御することにより、上記所定のコンテンツにおける、上記仮設定の再生開始地点に対応する映像を抽出し、当該抽出した映像を静止画としてテレビジョン30のディスプレイ31に数秒間表示させる。その後、制御部14は、ディスクドライブ11またはHD12と再生処理部13とを制御することにより、上記所定のコンテンツにおける、上記仮設定の再生終了地点に対応する映像を抽出し、当該抽出した映像を静止画としてディスプレイ31に数秒間表示させる。あるいは、制御部14は、上記所定のコンテンツにおける、上記仮設定の再生開始地点を含む前後数秒間の映像(動画)を音声とともにテレビジョン30によって出力させ、その後、上記所定のコンテンツにおける、上記仮設定の再生終了地点を含む前後数秒間の映像(動画)を音声とともにテレビジョン30によって出力させるとしてもよい。
【0031】
ステップS180では、制御部14は、仮設定にかかるリピート再生区間を移動後のリピート再生区間として本設定するか否かを問い合わせるメッセージ(第4メッセージ)をディスプレイ31に表示させる。つまり、上記ステップS170において、上記仮設定されたリピート再生区間の再生開始地点および再生終了地点の映像が少なくとも再生されているため、ユーザはかかる再生を視聴することで、上記仮設定されたリピート再生区間が、リピート再生区間として相応しいか否かを判定することができる。そのためステップS190では、制御部14は、ユーザによるリモートコントロール装置20等の操作に基づき、上記ステップS180のメッセージへの応答を受付け、本設定する旨の指示(ステップS190において“Yes”)を受付けた場合にはステップS220へ進む。
【0032】
ステップS220では、制御部14は、その時点で仮設定されているリピート再生区間を、移動後のリピート再生区間として本設定する。つまり、本設定の対象としたリピート再生区間について、その再生開始地点に対応する時間情報および再生終了地点に対応する時間情報を、新たな再生区間設定情報RDとし、この新たな再生区間設定情報RDにより、これまで記憶部18に記憶されていた再生区間設定情報RDを更新する。これにより、リピート再生区間の再設定を完了する。リピート再生区間の再設定完了後は、制御部14は、再生装置10による再生動作を停止させてもよいし、当該再設定した(本設定した)リピート再生区間のリピート再生を開始してもよい。
【0033】
上記ステップS180のメッセージへの応答として、本設定しない旨の指示(ステップS190において“No”)を受付けた場合には、制御部14は、ステップS200へ進む。ステップS200では、制御部14は、現時点での仮設定にかかるリピート再生区間の再生開始地点および又は再生終了地点のそれぞれに対して、変更指示を外部から受付ける。制御部14は、ディスプレイ31に、変更後の再生開始地点および変更後の再生終了地点をそれぞれ設定入力させる画面を表示させる。ユーザは、当該画面を介して再生開始地点(時間情報)、再生終了地点(時間情報)の両方あるいはいずれか一方を変更することができ、制御部14は、変更後の再生開始地点および又は変更後の再生終了地点を取得する。ステップS210では、制御部14は、上記ステップS200で取得した変更後の再生開始地点および又は再生終了地点により、現時点での仮設定にかかるリピート再生区間の再生開始地点および又は再生終了地点を変更し、このように再生開始地点及び又は再生終了地点が変更された区間を、新たな仮設定のリピート再生区間とする。ステップS210の後は、ステップS170に戻り、その時点で仮設定されているリピート再生区間を対象としてステップS170以下の処理を繰り返す。
【0034】
このように、再生装置10は、移動させたリピート再生区間の再生開始地点および再生終了地点をそれぞれ再生することで、移動後のリピート再生区間が所望の区間であるかをユーザに簡易的に確認させ、ユーザが納得した場合に、そのときの移動後のリピート再生区間を、再設定後のリピート再生区間に本決めするとした。そのため、ユーザにとって非常に親切であり、ユーザはメッセージに対する応答を行なうことで、簡単かつ確実にリピート再生区間を所望の区間に再設定することができる。
【符号の説明】
【0035】
10…再生装置、11…ディスクドライブ、12…HD、13…再生処理部、14…制御部、15…外部接続I/F、16…操作受付部、17…リモートコントロールI/F、18…記憶部、20…リモートコントロール装置、21…カーソルキー、30…テレビジョン、31…ディスプレイ、31a,31b,31c…メッセージ画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録されたコンテンツに関して設定された再生開始地点から再生終了地点までの再生区間をリピート再生可能な再生装置において、
上記再生区間のリピート再生の実行中に、所定の進み指示または戻り指示を受付けた場合に、上記再生区間の設定位置を移動させるか否かを問い合わせるメッセージを所定の画面に表示させる表示制御手段と、
上記メッセージへの応答として上記再生区間の設定位置を移動させる指示を受付けた場合に、上記受付けた進み指示または戻り指示に応じた方向へ、上記再生区間を移動させる再生区間再設定手段と、を備えることを特徴とする再生装置。
【請求項2】
上記表示制御手段は、上記再生区間の移動量を問い合わせるメッセージを上記画面に表示させ、上記再生区間再設定手段は、上記移動量を問い合わせるメッセージへの応答として受付けた移動量に応じて、上記再生区間を移動させることを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
上記表示制御手段は、上記再生区間の長さを問い合わせるメッセージを上記画面に表示させ、上記再生区間再設定手段は、上記長さを問い合わせるメッセージへの応答として受付けた再生区間の長さの指定に応じて、上記移動させた再生区間の長さを設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の再生装置。
【請求項4】
上記再生区間再設定手段は、上記移動させた再生区間の再生開始地点を少なくとも含む所定範囲の映像及び又は音声と、上記移動させた再生区間の再生終了地点を少なくとも含む所定範囲の映像及び又は音声とを、再生することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の再生装置。
【請求項5】
上記再生区間再設定手段は、上記移動させた再生区間の再生開始地点および再生終了地点のそれぞれに対して変更指示を外部から受付け可能であり、受付けた変更指示に応じて、上記移動させた再生区間の再生開始地点及び又は再生終了地点の設定を変更することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の再生装置。
【請求項6】
記録媒体に記録されたコンテンツに関して設定された再生開始地点から再生終了地点までの再生区間をリピート再生可能な再生装置において、
上記再生区間のリピート再生の実行中に、所定の進み指示または戻り指示を受付けた場合に、上記再生区間の設定位置を移動させるか否かを問い合わせる第1メッセージを所定の画面に表示させ、
第1メッセージへの応答として上記再生区間の設定位置を移動させる指示を受付けた場合に、上記再生区間の移動量を問い合わせる第2メッセージおよび上記再生区間の長さを問い合わせる第3メッセージを上記画面に表示させ、
上記受付けた進み指示または戻り指示に応じた方向へ、上記第2メッセージへの応答として受付けた移動量に応じて再生区間を移動させるとともに、上記第3メッセージへの応答として受付けた再生区間の長さの指定に応じて、当該移動させた再生区間の再生終了地点を調整することにより、移動後の再生区間を仮設定し、
上記仮設定した再生区間の再生開始地点を少なくとも含む所定範囲の映像及び又は音声と、上記仮設定した再生区間の再生終了地点を少なくとも含む所定範囲の映像及び又は音声とを再生し、
上記仮設定した再生区間を移動後の再生区間として本設定するか否かを問い合わせる第4メッセージを上記画面に表示させ、
上記第4メッセージへの応答として上記仮設定した再生区間を本設定しない旨の指示を受付けた場合には、上記仮設定した再生区間の再生開始地点及び又は再生終了地点のそれぞれに対して変更指示を受付け、受付けた変更指示に応じて再生開始地点及び又は再生終了地点の設定を変更した区間を移動後の再生区間として本設定し、上記第4メッセージへの応答として上記仮設定した再生区間を本設定する旨の指示を受付けた場合には上記仮設定した再生区間を移動後の再生区間として本設定し、
上記本設定した再生区間のリピート再生を実行することを特徴とする再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−113586(P2011−113586A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266757(P2009−266757)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】