説明

冷凍粉砕装置

【課題】発電システムにおける液化天然ガスの消費量の変化にかかわらず安定した品質の粉砕物が得られる冷凍粉砕装置を提供する。
【解決手段】運転パターンに基づいて液化天然ガスを冷空気熱交換器4に導入して燃料ガスに変換して発電機6に供給する発電システム1に併設されて、冷空気熱交換器4に空気を導入し、冷空気熱交換器1で生成した冷空気を冷凍機21に導入して原料物質を冷凍し、この凍結原料物質を粉砕機23により粉砕して粉体を生成する冷凍粉砕装置10を備え、運転パターンに従って冷空気熱交換器4に導入する空気量を制御して均一な温度の冷空気を冷凍機21に導入すると共に、運転パターンに従って冷凍機21に原料物質の投入量を制御する。冷凍機21において良好な脆性粉砕が得られる冷凍原料物質が確保でき、均一な安定した品質の粉砕物が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原料を冷凍粉砕して粒状あるいは粉状の粉砕物を生成する冷凍粉砕装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にプラスチックやゴム等の展延性物質は、低温脆性を呈することから、液体窒素などを使用して超低温まで冷却し、これを粉砕機によって衝撃粉砕する冷凍粉砕が行われている。また、近年、このような冷凍粉砕技術は小麦、玄米、大豆等の食品加工への応用が注目されている。
【0003】
一方、従来から火力発電所の燃料として、液化天然ガス(LNG)が利用されている。LNGは約−160℃に冷却して貯蔵され、気化させて約16℃の燃料ガスとして利用される。ここで、LNGを熱交換器によって気化させて燃料ガスとして利用する際に、LNG冷熱によって冷凍粉砕装置に供給される冷却媒体の温度を低下させることにより環境負担の低減と省エネルギが実現できるLNG冷熱利用の冷凍粉砕装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−110471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1によると、発電システムにおけるLNG冷熱を有効利用して冷凍粉砕することによって、環境負担の低減及び省エネルギが得られる。
【0006】
一方、発電システムにおけるLNGの消費量は発電量の変化に伴って変化し、この発電量は需要電力量によって変化する。このLNGの消費量の変化に伴って熱交換器におけるLNG冷熱量が変化し、冷凍粉砕装置に供給される冷却媒体の温度が変化する。この冷却媒体の温度変化は、冷凍粉砕装置による粉砕性能に影響し、生成された粉砕物の粉度や成分の変質が発生して生成物の品質にバラツキが生じることが懸念される。例えば、冷凍された原料、即ち冷凍原料の冷凍温度が低い程衝撃粉砕により微粉化される傾向があり、かつ粉砕時に冷凍原料に与えられる衝撃エネルギが大きい程微粉化される傾向がある。更に、食料品にあっては冷凍原料の冷凍温度の上昇によって栄養価の損失を誘発するおそれがある。また、経済的理由等により他の発電設備から電力を供給する等により発電システムにおけるLNGの消費量が少ない夜間等にあっては十分なLNG冷熱量が確保できず、冷凍粉砕装置による粉砕が不可能な状態になることが懸念される。
【0007】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、発電システムにおけるLNGの消費量の変化に影響されることなく均一な安定した品質の粉砕物が得られる冷凍粉砕装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する請求項1に記載の冷凍粉砕装置の発明は、液化天然ガスを冷空気熱交換器に導入し、該冷空気熱交換器において燃料ガスに変換して発電機に供給する発電システムに併設され、前記冷空気熱交換器に導入した空気を該冷空気熱交換器において液化天然ガス冷熱と熱交換して冷空気を生成し、該冷空気を冷凍機に導入して該冷凍機に投入された原料を冷凍して冷凍原料を生成し、該冷凍原料を粉砕機で衝撃粉砕して粉砕物を生成する冷凍粉砕装置において、予想需要電力量の変移に基づく発電システムの運転パターンに従って供給量が制御された液化天然ガスが前記冷空気熱交換器に導入され、前記運転パターンに従って前記冷空気熱交換器に導入される空気量、冷凍機に投入する原料の投入量、冷凍機における原料の冷凍時間、及び粉砕機における冷凍原料に付与する衝撃エネルギのうちの1つ以上を制御して均一な品質の粉砕物を生成することを特徴とする。
【0009】
この発明によると、予想需要電力量の変移に基づく発電システムの運転パターンに従って供給量が制御された液化天然ガスを冷空気熱交換器に導入し、該冷空気熱交換器において燃料ガスに変換して発電機に供給する発電システムに併設され、冷空気熱交換器に導入される液化天然ガスの供給量に応じて、冷空気熱交換器に導入される空気量、冷凍機に投入する原料の投入量、冷凍機における原料の冷凍時間、及び粉砕機における冷凍原料に付与する衝撃エネルギ等を制御することにより、粉砕機における冷凍原料の脆性粉砕が良好に行われる。これにより発電システムにおける液化天然ガスの消費量の変化に影響されることなく安定した品質の粉砕物が得られる。なお、冷凍粉砕装置の運転パターンは、発電システムによる過去の運転パターンの実績、或いは工場における需要電力量等に基づく発電システムのシミュレーション等によって想定される運転パターンにおける所要の液化天然ガス供給量によって容易に設定できる。
【0010】
請求項2に記載の冷凍粉砕装置の発明は、液化天然ガスを冷空気熱交換器に導入し、該冷空気熱交換器において燃料ガスに変換して発電機に供給する発電システムに併設され、前記冷空気熱交換器に導入した空気を該冷空気熱交換器において液化天然ガス冷熱と熱交換して冷空気を生成し、該冷空気を冷凍機に導入して該冷凍機に投入された原料を冷凍して冷凍原料を生成し、該冷凍原料を粉砕機で衝撃粉砕して粉砕物を生成する冷凍粉砕装置において、予想需要電力量の変移に基づく発電システムの運転パターンに従って供給量が制御された液化天然ガスが前記冷空気熱交換器に導入され、前記運転パターンに従って前記冷空気熱交換器に導入される空気量を制御して前記冷凍機に均一な温度の冷空気を導入する空気供給量制御手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
この発明によると、予想需要電力量の変移に基づく発電システムの運転パターンに従って供給量が制御された液化天然ガスを冷空気熱交換器に導入し、該冷空気熱交換器において燃料ガスに変換して発電機に供給する発電システムに併設され、冷空気熱交換器に導入される液化天然ガスの供給量、即ち液化天然ガス冷熱の変化に応じて、空気供給量制御手段によって制御された空気量を冷空気熱交換器に導入することによって冷凍機に導入される冷空気の温度が一定に維持されて、冷凍機において安定した原料の冷凍が生成され、粉砕機において良好な脆性粉砕が得られる。これにより、発電システムにおける液化天然ガスの消費量の変化に影響されることなく均一な安定した品質の粉砕物が得られる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2の冷凍粉砕装置において、前記空気供給量制御手段は、空気を前記冷空気熱交換器に導入する空気導入ラインあるいは冷空気熱交換器で生成された冷空気を冷凍機に導入する冷空気供給ラインに配設され、前記運転パターンに従って流量を調整する冷空気量制御バルブを備えたことを特徴とする。
【0013】
この発明によると、空気供給量制御手段を、空気を冷空気熱交換器に導入する空気導入ラインあるいは冷空気を冷凍機に導入する冷空気供給ラインに配設されて運転パターンに従って流量が制御される冷空気量制御バルブによって容易に構成できる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の冷凍粉砕装置において、前記運転パターンに従って前記冷凍機に投入する原料の投入量を制御して該冷凍機において生成される冷凍原料の冷凍温度を均一にする原料投入量制御手段を備えたこと特徴とする。
【0015】
この発明によると、請求項2または3に加え、良好な冷凍原料が得られる量の原料を運転パターンに応じて冷凍機に投入することにより、粉砕機においてより良好な脆性粉砕が得られる冷凍原料が確保でき、発電システムにおける液化天然ガスの消費量の変化に影響されることなくより均一な安定した品質の粉砕物が得られる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項2または3に記載の冷凍粉砕装置において、前記運転パターンに従って前記冷凍機に投入される原料の冷凍時間を制御して該冷凍機において生成される冷凍原料の冷凍温度を均一にする冷凍時間制御手段を備えたこと特徴とする。
【0017】
この発明によると、請求項2または3に加え、更に冷凍機における冷凍の冷凍時間を、運転パターンにより冷凍機に導入される冷空気により良好な冷凍原料が得られるように制御することにより、粉砕機における良好な脆性粉砕が得られる冷凍原料が確保でき、発電システムにおける液化天然ガスの消費量の変化に影響されることなく均一な安定した品質の粉砕物が得られる。
【0018】
請求項6に記載の冷凍粉砕装置の発明は、液化天然ガスを冷空気熱交換器に導入し、該冷空気熱交換器において燃料ガスに変換して発電機に供給する発電システムに併設され、前記冷空気熱交換器に導入した空気を該冷空気熱交換器において液化天然ガス冷熱と熱交換して冷空気を生成し、該冷空気を冷凍機に導入して該冷凍機に投入された原料を冷凍して冷凍原料を生成し、該冷凍原料を粉砕機で衝撃粉砕して粉砕物を生成する冷凍粉砕装置において、予想需要電力量の変移に基づく発電システムの運転パターンに従って供給量が制御された液化天然ガスが前記冷空気熱交換器に導入され、前記運転パターンに従って、前記冷凍機に投入する原料の投入量を制御して該冷凍機において生成される冷凍原料の冷凍温度を均一にする原料投入量制御手段を備えたこと特徴とする。
【0019】
この発明によると、冷凍機に導入される冷空気により良好な冷凍原料が得られる量の原料を予想需要電力量の変移に基づく発電システムの運転パターンに応じて冷凍機に投入することにより、粉砕機における良好な脆性粉砕が得られる冷凍原料が確保でき、発電システムにおける液化天然ガスの消費量の変化に影響されることなく均一な安定した品質の粉砕物が得られる。
【0020】
請求項7に記載の冷凍粉砕装置の発明は、液化天然ガスを冷空気熱交換器に導入し、該冷空気熱交換器において燃料ガスに変換して発電機に供給する発電システムに併設され、前記冷空気熱交換器に導入した空気を該冷空気熱交換器において液化天然ガス冷熱と熱交換して冷空気を生成し、該冷空気を冷凍機に導入して該冷凍機に投入された原料を冷凍して冷凍原料を生成し、該冷凍原料を粉砕機で衝撃粉砕して粉砕物を生成する冷凍粉砕装置において、予想需要電力量の変移に基づく発電システムの運転パターンに従って供給量が制御された液化天然ガスが前記冷空気熱交換器に導入され、前記運転パターンに従って前記冷凍機に投入される原料の冷凍時間を制御して該冷凍機において生成される冷凍原料の冷凍温度を均一にする冷凍時間制御手段を備えたこと特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項4または6に記載の冷凍粉砕装置において、前記原料投入量制御手段は、冷凍機の原料投入口に配設されて前記運転パターンに従って原料の投入量を調整する投入量制御バルブを備えたことを特徴とする。
【0022】
この発明によると、原料投入量制御手段を、冷凍機の原料投入口に配設されて運転パターンに従って原料の投入量を調整する投入量制御バルブによって容易に構成できる。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項5または7に記載の冷凍粉砕装置において、前記冷凍時間制御手段は、前記冷凍機の搬出口に配設されて前記運転パターンに従って冷凍原料の搬出量を調整して原料冷凍時間を制御する搬出量制御バルブを備えたことを特徴とする。
【0024】
この発明によると、冷凍時間制御手段を冷凍機の搬出口に配設されて運転パターンに従って搬出量を調整する搬出量制御バルブによって容易に構成できる。
【0025】
請求項10に記載の冷凍粉砕装置の発明は、液化天然ガスを冷空気熱交換器に導入し、該冷空気熱交換器において燃料ガスに変換して発電機に供給する発電システムに併設され、前記冷空気熱交換器に導入した空気を該冷空気熱交換器において液化天然ガス冷熱と熱交換して冷空気を生成し、該冷空気を冷凍機に導入して該冷凍機に投入された原料を冷凍して冷凍原料を生成し、該冷凍原料を粉砕機で衝撃粉砕して粉砕物を生成する冷凍粉砕装置において、予想需要電力量の変移に基づく発電システムの運転パターンに従って供給量が制御された液化天然ガスが前記冷空気熱交換器に導入され、前記粉砕機は、回転駆動されるブレードにより投入された冷凍原料を衝撃粉砕する衝撃粉砕機であって、前記運転パターンに従ってブレードの回転数を制御して均一な品質の粉砕物を生成することを特徴とする。
【0026】
本発明によると、予想需要電力量の変移に基づく発電システムの運転パターンに従って供給量が制御された液化天然ガスを冷空気熱交換器に導入し、該冷空気熱交換器において燃料ガスに変換して発電機に供給する発電システムに併設され、冷空気熱交換器に導入される液化天然ガスの供給量に応じて粉砕機のブレードの回転数を制御されて、冷凍機において冷凍された冷凍原料の冷凍状態に応じたブレードの回転速度で冷凍原料が粉砕され、発電システムにおける液化天然ガスの消費量の変化に影響されることがなく均一な安定した品質の粉砕物が得られる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、予想需要電力量の変移に基づく発電システムの運転パターンに従って供給量が制御された液化天然ガスが冷空気熱交換器に導入されて冷空気熱交換器において変化する液化天然ガス冷熱量に応じて、冷空気熱交換器に導入される空気量、冷凍機に投入する原料の投入量、冷凍機における原料の冷凍時間、及び粉砕機における冷凍原料に付与する衝撃エネルギが制御され、粉砕機における冷凍原料の脆性粉砕が良好に行われる。これにより発電システムにおける液化天然ガスの消費量の変化に影響されることなく均一な安定した品質の粉砕物が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(第1実施の形態)
本発明による冷凍粉砕装置の第1実施の形態を、図1及び図2を参照して、原料が玄米であって、これを冷凍粉砕して粉砕物となる玄米粉を生成する場合を例に説明する。
【0029】
図1は、本実施の形態の概要を示すブロックである。
【0030】
発電システム1に冷凍粉砕装置10が併設されている。発電システム1は約−160℃に冷却されて液化されたLNGを貯留するLNG貯槽あるいはLNGバルクタンク等のLNG供給源2を有し、LNG供給源2から順に気化器としての機能を有する冷空気熱交換器4、発電機6が配置されている。
【0031】
発電システム1において、LNG供給源2内のLNGは、予想需要電力量の変移に基づく運転パターンに従って供給量が制御されてLNG供給ライン3を経て冷空気熱交換器4に導入され、この冷空気熱交換器4において気化されて燃料ガスとしての例えば16℃のNGに変換される。冷空気熱交換器4で変換されたNGはNG供給ライン5を経て外気と共に図示しない圧縮機により圧縮されて発電機6に導入される。そしてNGと圧縮空気との混合気を燃焼されることによりタービンを回転し、発電機6による発電が行われる。
【0032】
一方、冷凍粉砕装置10は、大気から取込んだ空気を所定温度まで冷却することによって冷却媒体である冷却空気を生成して装置本体20に供給する冷媒供給ライン11を有し、冷媒供給ライン11には、その上流側から順に圧縮機12、熱交換器13、除湿機14及び上記冷空気熱交換器4が配置されている。
【0033】
大気中から取込んだ空気が圧縮器12により約19℃でかつ約0.5Mpaに圧縮されて熱交換器13に導入され、熱交換器13において約14℃に冷却し、かつ除湿する。この熱交換器13は、冷水タンク13a、冷水ポンプ13b、冷却機13cを備え冷却媒体となる冷却水を循環する間接式熱交換器によって構成される。
【0034】
除湿機14には、アルミナゲルやゼオライト等の吸着剤が充填されている。熱交換器13から除湿器14に導入された空気は、除湿器14において水分や炭酸ガスが吸着、除去された後、約20℃でかつ0.04MPaの圧力で空気導入ライン15を介して冷空気熱交換器4に導入される。冷空気熱交換器4に導入された空気は、冷空気熱交換器4おいてLNGとの熱交換、即ちLNG冷熱によって所定温度に冷却され、その冷空気を冷却媒体として冷空気供給ライン18を経て装置本体20に導入される。
【0035】
装置本体20には、上流側から順に冷凍機21、供給機22、粉砕機23、分級機25、集塵機27及びブロア28が配置されている。
【0036】
冷凍機21は、原料投入口21aから投入された原料である玄米を原料投入口21aから搬出口21bに送り出す移送間に、粉砕機23による良好な脆性粉砕が可能な状態まで冷凍するものである。この冷凍機21には前記冷空気供給ライン18が接続されており、冷空気熱交換器4においてLNG冷熱との熱交換により生成された冷空気が導入されて玄米を冷凍して冷凍原料である冷凍玄米を生成する。この玄米の冷凍に使用された冷空気は大気に放出される。
【0037】
供給機22は、冷凍機21で生成されて搬出口21bから送出される冷凍玄米を粉砕機23に対して定量供給する装置である。この供給機22には、冷空気供給ライン18から分岐した分岐ライン18aが接続されており、冷凍機21と同様に冷空気が導入される構成になっている。これにより供給機22内における冷凍玄米の昇温を抑制してその冷凍状態を維持するようになっている。
【0038】
粉砕機23は、供給機22によって供給される冷凍玄米を粉砕するもので、モータ23aによって回転駆動されるブレード23bにより冷凍玄米に衝撃エネルギを付与して衝撃粉砕することによって玄米粉を生成する衝撃粉砕機である。この粉砕機23には、分岐ライン18aから更に分岐した分岐ライン18bが接続されており、冷空気が導入される構成になっている。これにより粉砕機23内における冷凍玄米の昇温を抑制してその冷凍状態を維持することによって、冷凍粉砕性能の安定化を図り生成された玄米粉の粉度の均一化及び玄米粉の成分の変質を抑制して、玄米粉の品質の安定化を確保する。この粉砕機23の上部出口23cに生成された玄米粉及び冷空気を分級機25に導く導出ライン24が接続されている。
【0039】
分級機25は、導出ライン24を介して冷空気と共に導入される玄米粉から所定以上の粉度の玄米粉を分離するものであって、その下部に分離された玄米粉を収容する製品収集ボックス25aが設けられている。この分級機25の上部出口25bに冷空気と共に残存する玄米粉を集塵機27に導く導出ライン26が接続されている。
【0040】
集塵機27は、分級機25から導出ライン26を介して供給される冷空気と共に導入される玄米粉から、旋回気流を利用して玄米粉と冷空気とに分離するいわゆるサイクロンからなり、その下部には分離された玄米粉を収容する製品収集ボックス27aが設けられている。一方、集塵機27の上部出口27bに冷空気を排出するブロア28が接続されている。
【0041】
この構成により、原料物質となる玄米は、冷凍機21に投入され、ここで冷空気熱交換器4から冷空気供給ライン18を経て導入される冷空気により冷凍される。そして、冷凍玄米が供給機22により定量ずつ粉砕機23に供給され、粉砕機23において回転駆動されるブレード23bにより衝撃粉砕されて玄米粉が生成された後、玄米粉は冷空気をキャリヤガスとして導出ライン24を通じて分級機25に導入する。分級機25で所定以上の粉度の玄米粉を冷空気から分離して製品収集ボックス25aに収容し、更に集塵機27によって残存する玄米粉と冷空気とに分離し、この分離された玄米粉を製品収集ボックス27aに収容する一方、冷空気はブロア28によって大気中に放出される。
【0042】
ここで、発電システム1における予想需要電力量の変移に基づく運転パターンによる変化に伴ってLNG供給ライン3を経て冷空気熱交換器4に導入されるLNGの供給量が制御され、冷空気熱交換器4におけるLNG冷熱量が変化する。このLNG冷熱量の変化による影響を抑制して安定した均一な粉度で栄養価が維持された玄米粉を確保する冷凍粉砕制御装置30が冷凍粉砕装置10に設けられている。
【0043】
冷凍粉砕制御装置30は、空気導入ライン15に配設されて冷空気熱交換器4に導入される空気量を制御する空気供給量制御手段となる冷空気量制御バルブ31、冷凍機21に投入される玄米の投入量を制御する原料投入量制御手段となる投入量制御バルブ32、これら冷空気量制御バルブ31及び投入量制御バルブ32を発電システム1の運転パターンに従って制御する制御装置35を備えている。
【0044】
制御装置35には、予想需要電力量の変移に基づく発電システム1の運転パターンが記憶される運転パターン記憶部36、運転パターンと冷空気量制御バルブ31の流量との相関データが記憶される空気導入量記憶部37、運転パターンと冷凍機21に投入される玄米の投入量を調整する投入量制御バルブ32の流量との相関データが記憶される投入量記憶部38及びこれら相関データに基づいて冷空気量制御バルブ31及び投入量制御バルブ32を駆動制御する制御部39を有している。
【0045】
この運転パターン記憶部36に記憶された運転パターン及び空気導入量記憶部37に記憶された相関データに基づいて、運転パターンに従って冷空気量制御バルブ31の開度、即ち流量を制御することによって、各運転パターンにおける運転時の冷空気熱交換器4に導入されるLNG供給量、即ちLNG冷熱量の変化に相応した空気量を冷空気熱交換器4に導入して冷凍機21に供給する冷空気を一定温度、例えば−100℃に維持する。
【0046】
具体的には、冷空気熱交換器4に導入されるLNG量が比較的多い高負荷時には、冷空気量制御バルブ31が高負荷流量に制御されてそのLNG冷熱量に相応した比較的多くの空気を冷空気熱交換器4に導入して冷空気熱交換器4から冷凍機21に供給される冷空気の温度を設定された約−100℃に保持する。一方、冷空気熱交換器4に導入されるLNG量が高負荷時時より減少する中間負荷時及び更に中間負荷時より減少する低負荷時には、冷空気量制御バルブ31をそれぞれ中間負荷流量及び低負荷流量に切り換えてその減少したLNG冷熱量に相応して減少された空気量を冷空気熱交換器4に導入して、冷空気熱交換器4から冷凍機21に供給される冷空気の温度の低下を防止して設定された約−100℃に維持する。
【0047】
また、運転パターン記憶部36に記憶された運転パターン及び投入量記憶部38に記憶された相関データに基づいて、運転パターンに従って投入量制御バルブ32の開度、即ち流量を制御して、各運転パターンにおける運転時の冷凍機21に導入される冷空気による良好な冷凍玄米が確保できる量の玄米を冷凍機21に投入し、粉砕機23により良好な脆性粉砕が得られる冷凍温度の冷凍玄米を確保する。
【0048】
具体的には、冷空気熱交換器4から冷空気供給ライン18を経て冷凍機21に導入される冷空気が比較的多い高負荷時には、投入量制御バルブ32が高負荷流量に制御されてその冷空気の冷熱量に相応した比較的多くの玄米を冷凍機21に投入して粉砕機23において良好な脆性粉砕が得られる冷凍温度の冷凍玄米を確保する。冷凍機21に導入される冷空気量が高負荷時より減少する中間負荷時あるいは更に減少する低負荷時には、投入量制御バルブ32をそれぞれ中間負荷流量あるいは低負荷流量に制御して、冷凍機21に導入される冷空気の冷熱量に相応して減少した玄米を冷凍機21に投入することによって、冷凍玄米の冷凍温度を適切に維持する。
【0049】
次に、このように構成された冷凍粉砕装置を併設する発電システムの運転パターンを図2の運転パターン説明図を参照して説明する。
【0050】
図2は、0時から24時までの24時間、即ち1日の運転パターンを示す説明図であって、破線aは工場電力需要の変移を示し、実線bは本実施の形態の発電システム1における発電量の変移、即ち運転パターンを示し、この設定された運転パターンbに従って発電システム1が運転され、その運転パターンbに相応してLNGが消費される。なお、破線aで示す工場電力需要と実線で示す発電システム1によるは発電量の差分cは他の発電設備から供給される電力によって補充される。
【0051】
冷凍粉砕装置の運転パターンは、発電システム1による過去の運転パターンの実績、或いは工場における需要電力量等に基づく発電システムのシミュレーション等によって想定され、0時から24時までの1時間毎のバッチ運転がなされる。0時から5時の各バッチ運転は発電量が比較的少ない低負荷に、5時から7時の各バッチ運転は発電量がやや増大した中間負荷に、7時から16時の各バッチ運転は発電量が比較的多い高負荷に、16時から18時の各バッチ運転は再び中間負荷に、18時から24時の各バッチ運転は低負荷に設定される。なお、図2におけるハッチングdは、各バッチ運転時における粉砕機23による玄米粉の生成量、従って、冷凍機21への玄米の投入量を示している。
【0052】
また、予め実験及びシミュレーションによって運転パターンが低負荷、中間負荷、高負荷時において冷凍機21に供給される冷空気の供給量及び粉砕機23における玄米粉の生成量が設定される。
【0053】
これら設定される低負荷、中間負荷、高負荷時における各発電量、LNG消費量、冷空気供給量、玄米投入量の一例を表1に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
予め、制御装置35の運転パターン記憶部36に運転パターンが記憶され、空気導入量記憶部37に各運転パターンと冷空気量制御バルブ31の流量との相関データ、投入量記憶部38に運転パターンと投入量制御バルブ32の流量との相関データがそれぞれ記憶される。
【0056】
そして設定された運転パターンに従って発電システム1及び冷凍粉砕装置10が運転される。
【0057】
0時から5時の低負荷時には、発電システム1のLNG供給源2からLNG供給ライン3を介して約−160℃のLNGが0.18t/h+βの供給量で冷空気熱交換器4に導入され、冷空気熱交換器4において気化して例えば16℃のNGに変換されてNG供給ライン5を介して発電機6に供給され、1020kW+αの発電が行われる。
【0058】
一方、冷凍粉砕装置10においては、運転パターンに従って制御装置35によって冷空気量制御バルブ31が低負荷流量に切り換えられて冷空気熱交換器4には645Nm3/hの空気が導入され、冷凍機21には冷空気供給ライン18を介して約−100℃の冷空気が645Nm3/hの送量で導入される。また、投入量制御バルブ32が低負荷流量に切り換えられて原料投入口21aから冷凍機21内に冷空気導入量に応じた65kg/hの玄米が投入される。
【0059】
これにより、冷凍機21に投入された玄米は、原料投入口21aから搬出口21bに送り出される移送間に粉砕機23において良好な脆性粉砕が可能な所定温度の冷凍玄米になる。
【0060】
冷凍機21において所定温度に冷凍された冷凍玄米は、供給機22により定量ずつ粉砕機23に供給され、粉砕機23において例えば5000rpmで回転駆動されるブレード23bにより65kg/hで30分間衝撃粉砕されて粉状化されて玄米粉となる。粉砕機23で生成された玄米粉は導出ライン24を通じて分級機25に導入され、分級機25で所定以上の粉度の玄米粉が分離されて製品収集ボックス25aに収容される。更に、分級機25から導出ライン25を経て集塵機に導入され、集塵機27によって残存する玄米粉と冷空気とに分離され、この分離された玄米粉が製品収集ボックス27aに収容される。
【0061】
5時から7時の中間負荷時には、発電システム1のLNG供給源2からLNG供給ライン3を経て約−160℃のLNGが0.23t/h+βの供給量で冷空気熱交換器4に導入され、冷空気熱交換器4において約16℃のNGに変換されてNG供給ライン5を経て発電機6に供給され、1300kW+αの発電が行われる。
【0062】
一方、冷凍粉砕装置10においては、運転パターンに従って制御装置35によって冷空気量制御バルブ31が中間負荷流量に切り換えられて冷空気熱交換器4には823Nm3/hの空気が導入され、冷凍機21には冷空気供給ライン18を経て約−100℃の冷空気が823Nm3/hの送量で導入される。また、投入量制御バルブ32が中間負荷流量に切り換えられて原料投入口21aから冷凍機21内に冷空気導入量に応じた82kg/hの玄米が投入される。
【0063】
これにより、冷凍機21に投入された玄米は、原料投入口21aから搬出口21bに送り出される移送間に粉砕機23による良好な脆性粉砕が可能な温度の冷凍玄米となる。冷凍機21において所定温度に冷凍された冷凍玄米は、供給機22により定量ずつ粉砕機23に供給され、粉砕機23において例えば5000rpmで回転駆動されるブレード23bにより82kg/hで30分間衝撃粉砕されて玄米粉が生成される。粉砕機23で生成された玄米粉は導出ライン24を通じて分級機25に導入され、分級機25で所定以上の粉度の玄米粉が分離されて製品収集ボックス25aに収容され、更に集塵機27によって残存する玄米粉と冷空気とに分離され、この分離された玄米粉が製品収集ボックス27aに収容される。
【0064】
7時から16時の高負荷時には、発電システム1のLNG供給源2からLNG供給ライン3を介して約−160℃のLNGが設定された0.28t/hの供給量で冷空気熱交換器4に導入され、この冷空気熱交換器4において気化して16℃のNGに変換されてNG供給ライン5を介して発電機6に供給され、1580kWの発電が行われる。
【0065】
一方、冷凍粉砕装置10においては、運転パターンに従って制御装置35によって冷空気量制御バルブ31が高負荷流量に切り換えられて冷空気熱交換器4には1000Nm3/hの空気が導入され、冷凍機21には冷空気供給ライン18を介して約−100℃の冷空気が1000Nm3/hの送量で導入される。また、投入量制御バルブ32が高負荷開度に切り換えられて原料投入口21aから冷凍機21内に冷空気導入量に応じた100kg/hの玄米が投入される。
【0066】
これにより、冷凍機21に投入された玄米は、冷凍機21において原料投入口21aから搬出口21bに送り出される移送間に粉砕機23による良好な脆性粉砕が可能な温度に冷凍された冷凍玄米になる。冷凍機21において、所定温度に冷凍された冷凍玄米は、供給機22により定量ずつ粉砕機23に供給され、粉砕機23において例えば5000rpmで回転駆動されるブレード23bにより100kg/hで30分間衝撃粉砕されて玄米粉が生成される。粉砕機23で生成された玄米粉は、導出ライン24を通じて分級機25に導入され、分級機25で所定以上の粉度の玄米粉が分離されて製品収集ボックス25aに収容され、更に集塵機27によって残存する玄米粉と冷空気とに分離され、この分離された玄米粉が製品収集ボックス27aに収容される。
【0067】
16時から18時の中間負荷時には、再び発電システム1のLNG供給源2から約−160℃のLNGが0.23t/h+βの供給量で冷空気熱交換器4に導入され、冷空気熱交換器4において気化して例えば16℃のNGに変換されて発電機6に供給され、1300kW+αの発電が行われる。
【0068】
一方、冷凍粉砕装置10においては、運転パターンに従って冷空気量制御バルブ31が中間負荷流量に切り換えられて冷空気熱交換器4には823Nm3/hの空気が導入され、冷凍機21には約−100℃の冷空気が823Nm3/hの送量で導入される。また、投入量制御バルブ32が中間負荷流量に切り換えられて原料投入口21aから冷凍機21内に冷空気導入量に応じて82kg/hの玄米が投入される。
【0069】
これにより、冷凍機21に投入された玄米は、原料投入口21aから搬出口21bに送り出される移送間に粉砕機23において良好な脆性粉砕が可能な温度の冷凍玄米が生成される。冷凍機21において所定温度に生成された冷凍玄米は、供給機22により定量ずつ粉砕機23に供給され、粉砕機23において例えば5000rpmで回転駆動されるブレード23bにより82kg/hで30分間衝撃粉砕されて玄米粉になる。粉砕機23で生成された玄米粉は導出ライン24を通じて分級機25に導入され、分級機25で所定以上の粉度の玄米粉が分離して製品収集ボックス25aに収容され、更に集塵機27によって残存する玄米粉と冷空気とに分離し、この分離された玄米粉が製品収集ボックス27aに収容される。
【0070】
18時から24時の低負荷時には、発電システム1のLNG供給源2から約−160℃のLNGが0.18t/h+βの供給量で冷空気熱交換器4に導入され、冷空気熱交換器4において例えば16℃のNGに変換されて発電機6に供給され、1020kW+αの発電が行われる。
【0071】
一方、冷凍粉砕装置10においては、運転パターンに従って制御装置35によって冷空気量制御バルブ31が低負荷流量に切り換えられて冷空気熱交換器4には645Nm3/hの空気が導入され、冷凍機21には冷空気供給ライン18を介して約−100℃の冷空気が645Nm3/hの送量で導入される。また、投入量制御バルブ32が低負荷流量に切り換えられて原料投入口21aから冷凍機21内に冷空気導入量に応じた65kg/hの玄米が投入される。
【0072】
これにより、冷凍機21に投入された玄米は、原料投入口21aから搬出口21bに送り出される移送間に粉砕機23において良好な脆性粉砕が可能な温度の冷凍玄米に冷凍される。
【0073】
冷凍機21において生成された冷凍玄米は、供給機22により定量ずつ粉砕機23に供給され、粉砕機23において例えば5000rpmで回転駆動されるブレード23bにより65kg/hで30分間衝撃粉砕されて粉状化されて玄米粉になる。粉砕機23で生成された玄米粉は、導出ライン24を経て分級機25に導入され、分級機25で所定以上の粉度の玄米粉が分離されて製品収集ボックス25aに収容され、更に集塵機27によって残存する玄米粉と冷空気とに分離され、この分離された玄米粉が製品収集ボックス27aに収容される。
【0074】
従って、本実施の形態によると、発電システム1の運転パターンによりLNGの消費量の変化、即ち冷空気熱交換器4におけるLNG冷熱量の変化に応じて冷空気熱交換器4に導入される空気量を制御して冷凍機21に導入される冷空気の温度を一定に維持すると共に、良好な玄米冷凍が得られる最適な量の玄米を冷凍機21に投入することにより粉砕機23における良好な脆性粉砕が得られる最適な冷凍玄米が確保でき、発電システム1のLNGの消費量の変化に影響されることなく均一な安定した品質の粉玄米が得られる。
なお、本実施の形態では、運転パターンにより冷凍機21に導入される冷空気による良好な玄米冷凍が得られる量の玄米を冷凍機21に投入することにより粉砕機23による良好な脆性粉砕が得られる最適な冷凍玄米を確保したが、投入量制御バルブ32に代えて冷凍機21の搬出口21bに冷凍時間制御手段となる搬出量制御バルブを設け、運転パターンに従って搬出量制御バルブの開度、即ち流量を制御することによって、各運転パターンにおける冷凍機21内に滞留する玄米の時間を冷空気により良好な玄米冷凍が得られる最適な冷凍時間に制御することによって、粉砕機23による良好な脆性粉砕が得られる最適な冷凍玄米を確保することもできる。
【0075】
(第2実施の形態)
図3を参照して本発明の第2実施の形態を説明する。なお、本実施の形態は冷凍粉砕制御装置が第1実施の形態と異なり、他の構成は第1実施の形態と同様の構成であり、同一部分に図1と同一符号を付して該部の詳細な説明を省略し、主に冷凍粉砕制御装置を説明する。
【0076】
本実施の形態における冷凍粉砕制御装置40は、各運転パターンにおける冷凍機21に滞留する玄米の時間を制御して良好な玄米冷凍が得ることにより、粉砕機23における良好な脆性粉砕が得られる最適な冷凍玄米を確保することを特徴とし、冷凍機21の搬出口21bに冷凍時間制御手段となる搬出量制御バルブ41及び搬出量制御バルブ41を発電システム1の運転パターンに従って制御する制御装置42を備えている。
【0077】
制御装置42には、発電システム1による過去の運転パターンの実績、或いは工場における需要電力量等に基づく発電システムのシミュレーション等によって想定された発電システム1の運転パターンが記憶される運転パターン記憶部43、運転パターンと搬出量制御バルブ41の流量との相関データが記憶される冷凍時間記憶部44、運転パターンと相関データに基づいて搬出量制御バルブ41を駆動制御する制御部45を有している。
【0078】
発電システム1の各運転パターンによって冷空気熱交換器4におけるLNG冷熱量が変化する一方、冷空気熱交換器4に導入ライン15から導入される空気量が一定であり、冷空気熱交換器4から冷凍機21に導入される冷空気の導入量は一定であるが、LNG冷熱の変化に相応して冷空気熱交換器4から冷凍機21導入される冷空気の温度が変化する。例えば、冷空気熱交換器4に導入されるLNGが比較的多い高負荷時には、導入ライン15から冷空気熱交換器4に導入される空気が比較的大きなLNG冷熱との熱交換により冷却されて冷空気熱交換機4から冷凍機21に供給される冷空気の温度が比較的低く設定される。一方、LNG冷熱が減少する中間負荷あるいは低負荷時には、LNG冷熱量に相応して冷凍機21に導入される冷空気の温度が比較的高く設定される。
【0079】
ここで、冷空気熱交換器4に導入されるLNG量が比較的多い高負荷時には、搬出量制御バルブ41が高負荷流量に制御されて原料投入口21aから冷凍機21に投入された玄米は、その原料投入口21aから搬出口21bに至る間の冷凍機21内に滞留する比較的短い冷凍時間で粉砕機23における良好な脆性粉砕が得られる温度の冷凍玄米が得られる。一方、冷空気熱交換機4に導入されるLNG量が減少する中間負荷あるいは低負荷時には、搬出量制御バルブ41が中間負荷流量あるいは低負荷流量に制御されて原料投入口21aから冷凍機21に投入された玄米は、その原料投入口21aから搬出口21bに至る間の冷凍機21内に比較的長く滞留することによって、粉砕機23による良好な脆性粉砕が得られる最適な温度の冷凍玄米が得られる。
【0080】
次に、このように構成された冷凍粉砕装置を有する発電システムの運転を図2の運転パターン説明図を参照して説明する。
【0081】
0時から5時の低負荷時には、発電システム1のLNG供給源2からLNG供給ライン3を介して約−160℃のLNGが0.18t/h+βの供給量で冷空気熱交換器4に導入され、冷空気熱交換器4において例えば16℃のNGに変換されてNG供給ライン5を介して発電機6に供給され、1020kW+αの発電が行われる。
【0082】
冷凍粉砕装置10においては、冷空気熱交換器4からは比較的高温の冷空気が冷凍機21に導入される一方、運転パターンに従って制御装置42によって搬出量制御バルブ41が低負荷流量に切り換えられる。これにより原料投入口21aから投入された玄米は、比較的長い時間冷凍機21内に滞留して比較的長い時間冷凍されて粉砕機23による良好な脆性粉砕が得られる最適な温度の冷凍玄米が得られる。
【0083】
冷凍機21において生成された冷凍玄米は、供給機22により粉砕機23に供給され、粉砕機23において例えば5000rpmで回転駆動されるブレード23bにより65kg/hで30分間衝撃粉砕されて玄米粉になる。粉砕機23で生成された玄米粉は導出ライン24を通じて分級機25に導入され、分級機25で所定以上の粉度の玄米粉が分離されて製品収集ボックス25aに収容され、更に集塵機27によって残存する玄米粉と冷空気とに分離され、この分離された玄米粉が製品収集ボックス27aに収容される。
【0084】
5時から7時の中間負荷時には、発電システム1のLNG供給源2からLNG供給ライン3を介して約−160℃のLNGが0.23t/h+βの供給量で冷空気熱交換器4に導入され、冷空気熱交換器4において気化して例えば16℃のNGに変換されてNG供給ライン5を介して発電機6に供給され、1300kW+αの発電が行われる。
【0085】
冷凍粉砕装置10においては、運転パターンに従って制御装置42によって搬出量制御バルブ41が低負荷流量より大きな開度の中間負荷流量に切り換えられる。原料投入口21aから冷凍機21に投入された玄米は、低負荷時より少ない時間冷凍機21に滞留して冷凍され、粉砕機23において良好な脆性粉砕が得られる温度の冷凍玄米が得られる。
【0086】
冷凍機21において生成された冷凍玄米は、供給機22により粉砕機23に供給され、粉砕機23において例えば5000rpmで回転駆動されるブレード23bにより65kg/hで30分間衝撃粉砕されて玄米粉になる。粉砕機23で生成された玄米粉は導出ライン24を通じて分級機25に導入され、分級機25で所定以上の粉度の玄米粉が分離されて製品収集ボックス25aに収容され、更に集塵機27によって残存する玄米粉と冷空気とに分離され、玄米粉が製品収集ボックス27aに収容される。
【0087】
7時から16時の高負荷時には、発電システム1のLNG供給源2からLNG供給ライン3を介して約−160℃のLNGが0.28t/hの供給量で冷空気熱交換器4に導入され、冷空気熱交換器4において約16℃のNGに変換されてNG供給ライン5を介して発電機6に供給され、1580kWの発電が行われる。
【0088】
冷凍粉砕装置10においては、運転パターンに従って制御装置42によって搬出量制御バルブ41が中間負荷流量より大きな開度の高負荷流量に切り換えられる。原料投入口21aから冷凍機21に投入された玄米は、冷凍機21内に中間負荷時より少ない時間滞留して冷凍されて粉砕機23による良好な脆性粉砕が得られる最適な温度に冷却され冷凍玄米が得られる。
【0089】
冷凍機21において生成された冷凍玄米は、供給機22により粉砕機23に供給され、粉砕機23において例えば5000rpmで回転駆動されるブレード23bにより65kg/hで30分間衝撃粉砕されて玄米粉になる。粉砕機23で生成された玄米粉は、導出ライン24を通じて分級機25に導入され、分級機25で所定以上の粒度の玄米粉が分離されて製品収集ボックス25aに収容され、更に集塵機27によって残存する玄米粉と冷空気とに分離され、この分離された玄米粉が製品収集ボックス27aに収容される。
【0090】
16時から18時の中間負荷時には、再び発電システム1のLNG供給源2から約−160℃のLNGが0.23t/h+βの供給量で冷空気熱交換器4に導入され、冷空気熱交換器4において例えば約16℃のNGに変換されて発電機6に供給され、1300kW+αの発電が行われる。
【0091】
一方、冷凍粉砕装置10においては、運転パターンに従って制御装置40によって、搬出量制御バルブ41が高負荷流量より小さい開度の中間負荷流量に切り換えられる。供給口21aから冷凍機21に投入された玄米は、冷凍機21内に高負荷時より長い時間滞留して冷凍されて粉砕機23による良好な脆性粉砕が得られる最適な温度の冷凍玄米が得られる。
【0092】
冷凍機21において生成された冷凍玄米は、供給機22により粉砕機23に供給され、粉砕機23において回転駆動されるブレード23bにより衝撃粉砕されて玄米粉になり、導出ライン24を通じて分級機25に導入されて、分級機25で所定以上の粉度の玄米粉が分離されて製品収集ボックス25aに収容され、更に集塵機27によって残存する玄米粉と冷空気とに分離され、この分離された玄米粉が製品収集ボックス27aに収容される。
【0093】
18時から24時の低負荷時には、発電システム1のLNG供給源2から約−160℃のLNGが0.18t/h+βの供給量で冷空気熱交換器4に導入され、冷空気熱交換器4において例えば16℃のNGに変換されて発電機6に供給され、1020kW+αの発電が行われる。
【0094】
一方、冷凍粉砕装置10においては、運転パターンに従って制御装置42によって、搬出量制御バルブ41が中間負荷流量より小さい開度の低負荷流量に切り換えられる。原料投入口21aから冷凍機21に投入された玄米は、中間負荷時より長い時間冷凍機21内に滞留して粉砕機23における良好な脆性粉砕が得られる最適な温度に冷却され冷凍玄米が得られる。
【0095】
冷凍機21において生成された冷凍玄米は、供給機22により粉砕機23に供給され、粉砕機23において回転駆動されるブレード23bにより衝撃粉砕されて玄米粉が生成される。
【0096】
粉砕機23で生成された玄米粉は導出ライン24を通じて分級機25に導入されて、分級機25で所定以上の粉度の玄米粉が分離されて製品収集ボックス25aに収容され、更に集塵機27によって残存する玄米粉と冷空気とに分離され、この分離された玄米粉が製品収集ボックス27aに収容される。
【0097】
従って、本実施の形態によると、発電システム1の運転パターンにより変化する冷空気交換機4のLNG冷熱量の変化、即ちLNGの消費量に応じて搬出量制御バルブ41の流量を変えることにより冷凍機21における冷凍時間が制御されて粉砕機23による良好な脆性粉砕が得られる最適な冷凍玄米が確保でき、発電システム1のLNGの消費量の変化に影響されることなく均一な安定した品質の粉玄米が得られる。
【0098】
なお、本実施の形態では、運転パターンにより搬出制御バルブ41の流量を制御して冷凍機21による冷凍時間を制御して粉砕機23による良好な脆性粉砕が得られる最適な冷凍玄米を確保したが、搬出量制御バルブ41に代えて冷凍機21の原料投入口21aに玄米の投入量を調整する投入量制御バルブを設け、運転パターンに従って投入量制御バルブの流量を制御することによって、冷空気により良好な玄米冷凍が得られる最適な冷凍玄米量に制御することによって、粉砕機23による良好な脆性粉砕が得られる最適な冷凍玄米を確保することもできる。
【0099】
(第3実施の形態)
図4を参照して本発明の第3実施の形態を説明する。なお、本実施の形態は冷凍粉砕制御装置が第1実施の形態と異なり、他の構成は第1実施の形態と同様の構成であり、同一部分に図1と同一符号を付して該部の詳細な説明を省略し、主に冷凍粉砕制御装置を説明する。
【0100】
本実施の形態における冷凍粉砕装置10は、各運転パターンにおいて粉砕機23の回転数を制御して良好な脆性粉砕を確保して、最適な冷凍玄米を確保することを特徴とし、粉砕機23の回転数を制御する冷凍粉砕制御装置50を備えている。
【0101】
冷凍粉砕制御装置50は、発電システム1による過去の運転パターンの実績、或いは工場における需要電力量等に基づく発電システムのシミュレーション等によって想定された発電システム1の運転パターンが記憶される運転パターン記憶部51、運転パターンと破砕機23の回転数との相関データが記憶される破砕機回転数記憶部52、運転パターンと相関データに基づいて破砕機21の回転数を制御する制御部53を有している。
【0102】
発電システム1の各運転パターンによって冷空気熱交換器4に導入されるLNG冷熱量が変化する一方、冷空気熱交換器4に導入ライン15から導入される空気量が一定であるが、LNG冷熱の変化に相応して冷空気熱交換器4から冷凍機21導入される冷空気の温度が変化する。例えば、冷空気熱交換器4に導入されるLNGが比較的多い高負荷時には、比較的大きなLNG冷熱との熱交換により冷却されて冷空気熱交換器4から冷凍機21に供給される冷空気の温度が比較的低く設定される。一方、LNG冷熱が減少する中間負荷あるいは低負荷時には、LNG冷熱量に相応して冷凍機21に導入される冷空気の温度が比較的高く設定される。
【0103】
この冷凍機21に導入される冷温度の変化による冷凍玄米の冷凍温度の変化に起因して粉砕機23において衝撃粉砕により生成される玄米粉の粉度が変化する。例えば、冷凍玄米の冷凍温度が低い程粉度が小さく、また、粉砕機23のブレード23bの回転数を上げて高い衝撃エネルギを与えることにより玄米が微粉化する傾向がある。
【0104】
ここで、冷空気熱交換器4に導入されるLNGが比較的多い高負荷時には、凍結玄米の凍結温度が低く微粉化される傾向があることから、粉砕機23のブレード23bの回転数を比較的低くい高負荷回転数に制御することによりブレード23bによる衝撃エネルギの付与を抑制して過剰の微粉化を抑制する。一方、冷空気熱交換機4にけるLNG冷熱が減少する中間負荷あるいは低負荷時には、凍結玄米の凍結温度が比較的高く、比較的微粉化され難い傾向があることから、粉砕機23のブレード23bの回転数を比較的高い中間負荷回転数あるいは更に高い低負荷回転数に制御することによりブレード23bによる衝撃エネルギの付与を制御して均一な粉度の玄米粉を確保する。
【0105】
次に、このように構成された冷凍粉砕装置を有す発電システムの運転を図2の運転パターン説明図を参照して説明する。
【0106】
0時から5時の低負荷時には、発電システム1のLNG供給源2からLNG供給ライン3を介して約−160℃のLNGが設定された0.18t/h+βの供給量で冷空気熱交換器4に導入され、冷空気熱交換器4において気化して例えば16℃のNGに変換されてNG供給ライン5を介して発電機6に供給され、1020kW+αの発電が行われる。
【0107】
冷凍粉砕装置10においては、冷空気熱交換器4からは比較的高温の冷空気が冷凍機21に導入され、運転パターンに従って冷凍粉砕制御装置50によって粉砕機23のブレード23bの回転数が比較的高い低負荷回転数に切り換えられる。原料投入口21aから冷凍機21に投入された玄米は、その原料投入口21aから搬出口21bに至る間の冷空気熱交換器4から冷凍機21内に導入される冷空気により冷却され冷凍玄米となる。
【0108】
冷凍機21において生成された冷凍玄米は、供給機22により粉砕機23に供給され、粉砕機23において低負荷回転数で回転駆動されるブレード23bにより衝撃粉砕される。この粉砕機23におけるブレード23bの衝撃粉砕は、冷空気熱交換器4から冷凍機21に導入される比較的高い温度の冷空気により冷凍された冷凍玄米の粉砕に適した比較的高速回転のブレード23bにより比較的大きい衝突エネルギの付与により粉砕することにより、適切な粉度が確保できる。
【0109】
粉砕機23で生成された玄米粉は、冷空気を導出ライン24を通じて分級機25に導入され、分級機25で所定以上の粉度の玄米粉が分離されて製品収集ボックス25aに収容され、更に集塵機27によって残存する玄米粉と冷空気とに分離され、この分離された玄米粉が製品収集ボックス27aに収容される。
【0110】
5時から7時の中間負荷時には、発電システム1のLNG供給源2からLNG供給ライン3を介して約−160℃のLNGが0.23t/h+βの供給量で冷空気熱交換器4に導入され、冷空気熱交換器4において例えば16℃のNGに変換されてNG供給ライン5を介して発電機6に供給され、1300kW+αの発電が行われる。
【0111】
冷凍粉砕装置10においては、冷空気熱交換器4からは低負荷時より低温の冷空気が冷凍機21に導入され、運転パターンに従って冷凍粉砕制御装置50によって粉砕機23のブレード23bの回転数が低負荷時より低い中間負荷回転数に切り換えられる。
【0112】
原料投入口21aから冷凍機21に投入された玄米は、その原料投入口21aから搬出口21bに至る間の冷空気熱交換器4から冷凍機21内に導入される冷空気により冷却され冷凍玄米となる。
【0113】
冷凍機21において生成された冷凍玄米は、供給機22により粉砕機23に供給され、粉砕機23において中間荷回転数で回転駆動されるブレード23bにより衝撃粉砕される。この粉砕機23におけるブレード23bの衝撃粉砕は、冷空気熱交換機4から冷凍機21に導入される冷空気により冷凍された冷凍玄米の粉砕に適した中間負荷回転数のブレード23bによる過不足のない衝突エネルギの付与によって粉砕することにより、適切な粉度が確保できる。
【0114】
粉砕機23で生成された玄米粉は、導出ライン24を通じて分級機25に導入し、分級機25で所定以上の粉度の玄米粉が分離されて製品収集ボックス25aに収容され、更に集塵機27によって残存する玄米粉と冷空気とに分離され、この分離された玄米粉が製品収集ボックス27aに収容される。
【0115】
7時から16時の高負荷時には、発電システム1のLNG供給源2からLNG供給ライン3を介して約−160℃のLNGが設定された0.28t/hの供給量で冷空気熱交換器4に導入され、冷空気熱交換器4において気化して16℃のNGに変換されてNG供給ライン5を介して発電機6に供給され、1580kWの発電が行われる。
【0116】
冷凍粉砕装置10においては、冷空気熱交換器4からは比較的低温の冷空気が冷凍機21に導入され、運転パターンに従って冷凍粉砕制御装置50によって粉砕機23のブレード23bの回転数が比較的低い高負荷回転数に切り換えられる。原料投入口21aから冷凍機21に投入された玄米は、比較的低い冷空気により冷却され冷凍玄米となる。
【0117】
冷凍機21において生成された冷凍玄米は、供給機22により粉砕機23に供給され、粉砕機23において高負荷回転数で回転駆動されるブレード23bにより衝撃粉砕されて粉状化される。この粉砕機23におけるブレード23bの衝撃粉砕は、冷空気熱交換機4から冷凍機21に導入される比較的低い温度の冷空気により冷凍された冷凍玄米の粉砕に適した比較的低速回転のブレード23bにより比較的小さい衝突エネルギの付与により粉砕することにより過剰な微粉化が防止され適切な粉度が確保できる。
【0118】
粉砕機23で生成された玄米粉は、導出ライン24を通じて分級機25に導入し、分級機25で所定以上の粉度の玄米粉が分離されて製品収集ボックス25aに収容され、更に集塵機27によって残存する玄米粉と冷空気とに分離され、この分離された玄米粉が製品収集ボックス27aに収容される。
【0119】
16時から18時の中間負荷時には、再び発電システム1のLNG供給源2から約−160℃のLNGが0.23t/h+βの供給量で冷空気熱交換器4に導入され、冷空気熱交換器4において気化して例えば16℃のNGに変換されて発電機6に供給され、1300kW+αの発電が行われる。
【0120】
一方、冷凍粉砕装置10においては、冷空気熱交換器4からは高負荷時より高温の冷空気が冷凍機21に導入され、運転パターンに従って冷凍粉砕制御装置50によって粉砕機23のブレード23bの回転数が高負荷時より高い中間負荷回転数に切り換えられる。
【0121】
原料投入口21aから冷凍機21に投入された玄米は、その原料投入口21aから搬出口21bに至る間に冷空気熱交換器4から冷凍機21内に導入される冷空気により冷却され高負荷時より温度の高い冷凍玄米となる。
【0122】
冷凍機21において生成された冷凍玄米は、供給機22により粉砕機23に供給され、粉砕機23において中間負荷回転数で回転駆動されるブレード23bにより衝撃粉砕される。この粉砕機23におけるブレード23bの衝撃粉砕は、冷空気熱交換機4から冷凍機21に導入される冷空気により冷凍された冷凍玄米の粉砕に適した中間負荷回転数のブレード23bにより過不足のない衝突エネルギの付与によって行うことにより、適切な粉度が確保できる。
【0123】
粉砕機23で生成された玄米粉は、導出ライン24を通じて分級機25に導入され、分級機25で所定以上の粉度の玄米粉が分離されて製品収集ボックス25aに収容され、更に集塵機27によって残存する玄米粉と冷空気とに分離され、この分離された玄米粉が製品収集ボックス27aに収容される。
【0124】
18時から24時の低負荷時には、発電システム1のLNG供給源2から約−160℃のLNGが0.18t/h+βの供給量で冷空気熱交換器4に導入され、冷空気熱交換器4において気化して例えば16℃のNGに変換されて発電機6に供給され、1020kW+αの発電が行われる。
【0125】
一方、冷凍粉砕装置10においては、冷空気熱交換器4からは比較的温度の高い冷空気が冷凍機21に導入され、運転パターンに従って冷凍粉砕制御装置50によって粉砕機23のブレード23bの回転数が比較的高い低負荷回転数に切り換えられる。原料投入口21aから冷凍機21に投入された玄米は、比較的高い温度の冷空気により冷凍されて冷凍玄米となる。
【0126】
冷凍機21において生成された冷凍玄米は、供給機22により粉砕機23に供給され、粉砕機23において低負荷回転数で回転駆動されるブレード23bにより衝撃粉砕されて粉状化される。この粉砕機23におけるブレード23bの衝撃粉砕は、冷空気熱交換器4から冷凍機21に導入される比較的高い温度の冷空気により冷凍された冷凍玄米の粉砕に適した比較的高速回転のブレード23bにより比較的大きい衝突エネルギの付与によって行うことにより、適切な粉度が確保できる。
【0127】
粉砕機23で生成された玄米粉は、導出ライン24を通じて分級機25に導入され、分級機25で所定以上の粉度の玄米粉が分離されて製品収集ボックス25aに収容され、更に集塵機27によって残存する玄米粉と冷空気とに分離され、この分離された玄米粉が製品収集ボックス27aに収容される。
【0128】
従って、本実施の形態によると、発電システム1の運転パターンにより変化する冷空気交換機4のLNG冷熱量の変化に応じて粉砕機23のブレード23bの回転数を運転パターンに従って制御することにより、冷凍機21において冷凍された冷凍玄米に応じたブレード23bの回転速度で冷凍玄米を粉砕でき、発電システム1のLNGの消費量の変化に影響されることなく均一な安定した品質の粉玄米が得られる。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されること発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、第1実施の形態においては冷空気量制御バルブ31を冷空気熱交換器4に空気を導入する空気導入ライン15に配置したが、冷空気熱交換器4から冷凍機21に冷空気を導入する冷空気供給ライン18に冷空気量制御バルブ31を配置することもできる。また、上記各実施の形態では、玄米を粉砕し玄米粉を製造する例について説明したが、プラスチック、ゴム等の展延性物質や、小麦、大豆等の穀物の他の冷凍粉砕に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の第1実施の形態の概要を示すブロック図である。
【図2】運転パターンを示す説明図である。
【図3】第2実施の形態の概要を示すブロック図である。
【図4】第3実施の形態の概要を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0130】
1 発電システム
2 LNG供給源
4 冷空気熱交換器
6 発電機
10 冷凍粉砕装置
11 冷媒供給ライン
15 空気導入ライン
18 冷空気供給ライン
20 装置本体
21 冷凍機
21a 原料投入口
21b 搬出口
22 供給機
23 粉砕機
23a モータ
23b ブレード
25 分級機
27 集塵機
28 ブロア
30 冷凍粉砕制御装置
31 冷空気量制御バルブ(空気供給量制御手段)
32 投入量制御バルブ(原料投入量制御手段)
40 冷凍粉砕制御装置
41 搬出量制御バルブ(冷凍時間制御手段)
50 冷凍粉砕制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化天然ガスを冷空気熱交換器に導入し、該冷空気熱交換器において燃料ガスに変換して発電機に供給する発電システムに併設され、前記冷空気熱交換器に導入した空気を該冷空気熱交換器において液化天然ガス冷熱と熱交換して冷空気を生成し、該冷空気を冷凍機に導入して該冷凍機に投入された原料を冷凍して冷凍原料を生成し、該冷凍原料を粉砕機で衝撃粉砕して粉砕物を生成する冷凍粉砕装置において、
予想需要電力量の変移に基づく発電システムの運転パターンに従って供給量が制御された液化天然ガスが前記冷空気熱交換器に導入され、
前記運転パターンに従って前記冷空気熱交換器に導入される空気量、冷凍機に投入する原料の投入量、冷凍機における原料の冷凍時間、及び粉砕機における冷凍原料に付与する衝撃エネルギのうちの1つ以上を制御して均一な品質の粉砕物を生成することを特徴とする冷凍粉砕装置。
【請求項2】
液化天然ガスを冷空気熱交換器に導入し、該冷空気熱交換器において燃料ガスに変換して発電機に供給する発電システムに併設され、前記冷空気熱交換器に導入した空気を該冷空気熱交換器において液化天然ガス冷熱と熱交換して冷空気を生成し、該冷空気を冷凍機に導入して該冷凍機に投入された原料を冷凍して冷凍原料を生成し、該冷凍原料を粉砕機で衝撃粉砕して粉砕物を生成する冷凍粉砕装置において、
予想需要電力量の変移に基づく発電システムの運転パターンに従って供給量が制御された液化天然ガスが前記冷空気熱交換器に導入され、
前記運転パターンに従って前記冷空気熱交換器に導入される空気量を制御して前記冷凍機に均一な温度の冷空気を導入する空気供給量制御手段を備えたことを特徴とする冷凍粉砕装置。
【請求項3】
前記空気供給量制御手段は、空気を前記冷空気熱交換器に導入する空気導入ラインあるいは冷空気熱交換器で生成された冷空気を冷凍機に導入する冷空気供給ラインに配設され、前記運転パターンに従って流量を調整する冷空気量制御バルブを備えたことを特徴とする請求項2に記載の冷凍粉砕装置。
【請求項4】
前記運転パターンに従って前記冷凍機に投入する原料の投入量を制御して該冷凍機において生成される冷凍原料の冷凍温度を均一にする原料投入量制御手段を備えたこと特徴とする請求項2または3に記載の冷凍粉砕装置。
【請求項5】
前記運転パターンに従って前記冷凍機に投入される原料の冷凍時間を制御して該冷凍機において生成される冷凍原料の冷凍温度を均一にする冷凍時間制御手段を備えたこと特徴とする請求項2または3に記載の冷凍粉砕装置。
【請求項6】
液化天然ガスを冷空気熱交換器に導入し、該冷空気熱交換器において燃料ガスに変換して発電機に供給する発電システムに併設され、前記冷空気熱交換器に導入した空気を該冷空気熱交換器において液化天然ガス冷熱と熱交換して冷空気を生成し、該冷空気を冷凍機に導入して該冷凍機に投入された原料を冷凍して冷凍原料を生成し、該冷凍原料を粉砕機で衝撃粉砕して粉砕物を生成する冷凍粉砕装置において、
予想需要電力量の変移に基づく発電システムの運転パターンに従って供給量が制御された液化天然ガスが前記冷空気熱交換器に導入され、
前記運転パターンに従って、前記冷凍機に投入する原料の投入量を制御して該冷凍機において生成される冷凍原料の冷凍温度を均一にする原料投入量制御手段を備えたこと特徴とする冷凍粉砕装置。
【請求項7】
液化天然ガスを冷空気熱交換器に導入し、該冷空気熱交換器において燃料ガスに変換して発電機に供給する発電システムに併設され、前記冷空気熱交換器に導入した空気を該冷空気熱交換器において液化天然ガス冷熱と熱交換して冷空気を生成し、該冷空気を冷凍機に導入して該冷凍機に投入された原料を冷凍して冷凍原料を生成し、該冷凍原料を粉砕機で衝撃粉砕して粉砕物を生成する冷凍粉砕装置において、
予想需要電力量の変移に基づく発電システムの運転パターンに従って供給量が制御された液化天然ガスが前記冷空気熱交換器に導入され、
前記運転パターンに従って前記冷凍機に投入される原料の冷凍時間を制御して該冷凍機において生成される冷凍原料の冷凍温度を均一にする冷凍時間制御手段を備えたこと特徴とする冷凍粉砕装置。
【請求項8】
前記原料投入量制御手段は、冷凍機の原料投入口に配設されて前記運転パターンに従って原料の投入量を調整する投入量制御バルブを備えたことを特徴とする請求項4または6に記載の冷凍粉砕装置。
【請求項9】
前記冷凍時間制御手段は、前記冷凍機の搬出口に配設されて前記運転パターンに従って冷凍原料の搬出量を調整して原料冷凍時間を制御する搬出量制御バルブを備えたことを特徴とする請求項5または7に記載の冷凍粉砕装置。
【請求項10】
液化天然ガスを冷空気熱交換器に導入し、該冷空気熱交換器において燃料ガスに変換して発電機に供給する発電システムに併設され、前記冷空気熱交換器に導入した空気を該冷空気熱交換器において液化天然ガス冷熱と熱交換して冷空気を生成し、該冷空気を冷凍機に導入して該冷凍機に投入された原料を冷凍して冷凍原料を生成し、該冷凍原料を粉砕機で衝撃粉砕して粉砕物を生成する冷凍粉砕装置において、
予想需要電力量の変移に基づく発電システムの運転パターンに従って供給量が制御された液化天然ガスが前記冷空気熱交換器に導入され、
前記粉砕機は、回転駆動されるブレードにより投入された冷凍原料を衝撃粉砕する衝撃粉砕機であって、前記運転パターンに従ってブレードの回転数を制御して均一な品質の粉砕物を生成することを特徴とする冷凍粉砕装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−104972(P2008−104972A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−291206(P2006−291206)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】