説明

冷凍装置

【課題】庫内温度上昇要因を特定することができる冷凍装置を提供することを目的とする。
【解決手段】冷媒を圧縮して吐出する圧縮機11と、熱交換により冷媒を凝縮させる凝縮器12と、凝縮に係る冷媒を減圧させるための絞り装置21と、減圧に係る冷媒と空気とを熱交換して冷媒を蒸発させる蒸発器22とを配管接続して冷媒回路を構成し、冷却対象の空間内における冷蔵庫100内側及び空間外の庫外壁側の温度を検知する庫内温度検知手段102及び庫外温度検知手段101と、庫内温度検知手段102及び庫外温度検知手段101の検知に係る温度に基づいて、冷却能力及び庫外壁側から庫内側に伝わる侵入熱による冷却負荷を演算し、侵入熱を含む、定常的な冷却負荷の大きさに基づいて冷蔵庫100内の温度上昇要因を特定する制御装置30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、冷蔵庫内の温度を維持・管理するための冷凍装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫内等の空間を冷却対象とする冷凍装置では、制御目標である庫内温度を管理するために、冷媒の流れにおいて、絞り装置より下流側における冷媒圧力(以下「低圧圧力」と称す)を、一定の範囲内に収めるように制御を行っている。これにより、蒸発器において冷媒との熱交換を行った空気の温度、冷却能力等を調整し、適切な庫内温度管理を行っている。
【0003】
一方、冷凍装置の構成要素である圧縮機に着目すると、圧縮機の吸入側圧力(低圧圧力に近い圧力)と吐出圧力の差が小さいほど圧縮機の運転負荷が軽くなり、消費電力あたりの冷却能力(いわゆるCOP:成績係数)が高くなるという性質がある。このため、省エネルギーでの運転を実現するためには、低圧圧力を極力高い圧力に維持することが重要となる。
【0004】
そこで、従来の冷凍装置では、冷蔵庫内の温度の推移から冷却能力の過不足を判断し、この判断結果に基づいて冷凍装置の低圧圧力の制御目標を適切な値に変化させることで、省エネルギーとなるように運転を行っていた。(例えば、非特許文献1参照)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】三菱冷蔵庫冷却システム据付工事説明書(WT05908X01)、2010年6月20日、p.11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ただ、実際には、庫内温度の上昇要因として、例えば、(1)冷蔵庫外壁からの侵入熱による冷却負荷の増大、(2)冷蔵庫内の保管物からの発熱による冷却負荷の増大、(3)冷蔵庫の扉の開閉による換気負荷の増大など様々ある。このため、庫内温度の上昇要因を特定することができれば、温度上昇に対する制御として低圧圧力の制御目標値を下げる設定を行うことだけに限らなくてよい場合もある。
【0007】
例えば、上記の(1)のような侵入熱に係る冷却負荷を要因とする温度上昇の場合には、恒常的な冷却能力不足が発生しているため、低圧圧力の制御目標値を下げて、さらに圧縮機の運転周波数を高くして、冷却能力を増加させる。一方で、例えば、上記の(2)、(3)の換気負荷等による温度上昇の場合、侵入熱による要因の場合に比べて庫内温度が急激に上がりやすい。このため、例えば圧縮機の運転周波数を一時的に変更するなどして、より短時間で冷却能力を変化させることができる制御をする方がよい。
【0008】
このような点について、例えば従来の技術では、庫内温度の推移のみで冷却能力の過不足を判断していたため、庫内温度の上昇は検知できたとしても、温度上昇の要因までは特定しづらかった。庫内温度の上昇要因に応じた制御が行えているとは言えなかった。
【0009】
また、上記の(2)、(3)のような負荷を要因とする温度上昇の場合、庫内温度上昇は一時的な要因により、長期的に冷却能力不足が発生しているわけではない。このため、一時的に上昇した庫内温度を下げてしまえば、低圧圧力の制御目標値を下げるように制御しなくても必要冷却能力を確保することができる。
【0010】
この点について、例えば従来の技術のように、上昇要因に関わらず、低圧圧力の制御目標値を下げるように制御することで、低圧圧力の制御目標値が、本来の最適値に対して低めに設定されてしまい、省エネルギー性の向上をはかれなくなるおそれがあった。
【0011】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、庫内温度上昇要因を特定することができる冷凍装置を提供することを目的とする。さらに、庫内温度が上昇した原因に基づき、過度の低圧圧力の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る冷凍装置は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、熱交換により冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮に係る冷媒を減圧させるための絞り装置と、減圧に係る冷媒と空気とを熱交換して冷媒を蒸発させる蒸発器とを配管接続して冷媒回路を構成し、冷却対象の空間となる冷蔵庫内側及び空間外の庫外壁側の温度を検知する温度検知手段と、温度検知手段の検知に係る温度に基づいて、冷却能力及び庫外壁側から庫内側に伝わる侵入熱による冷却負荷を演算し、侵入熱を含む、定常的な冷却負荷の大きさに基づいて冷蔵庫内の温度上昇要因を特定する制御装置とを備えるものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係る冷凍装置は、冷蔵庫内側及び空間外の庫外壁側の温度を検知する温度検知手段の検知に係る温度に基づいて冷却能力及び侵入熱による冷却負荷を演算し、定常的な冷却負荷の大きさに基づいて冷蔵庫内の温度上昇要因を特定するようにしたので、冷蔵庫内の温度上昇要因を特定することができる。
【0014】
また、冷却能力が不足している場合の対応策として、特定した温度上昇要因に基づき、目標蒸発温度の変更以外の制御も行うことで、冷却システムの効率低下を抑制でき、省エネルギー性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施の形態における冷凍装置の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態における制御装置30の処理の流れを表す図である。
【図3】この発明の実施の形態における低圧圧力と冷却能力との関係を表す図である。
【図4】この発明の実施の形態において、圧縮機11の運転周波数と冷凍サイクルとの関係を表すp−h線図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態.
図1は本発明の実施の形態における冷凍装置の概略を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の冷凍装置は、内側の空間を冷却対象空間とする冷蔵庫100外に設置された熱源機10と冷蔵庫100内に設置された冷却機20とを有している。そして、熱源機10が有する圧縮機11及び凝縮器12と冷却機20が有する絞り装置21及び蒸発器22とを配管接続し、冷媒回路を構成する。ここで、本実施の形態における冷蔵庫100は例えば家庭用の冷蔵庫であってもよいし、業務用のショーケース、冷蔵、冷凍用の倉庫等であってもよい。また、以下で説明する温度、圧力の高低については、特に絶対的な値との関係で高低等が定まっているものではなく、装置等における状態、動作等において相対的に定まる関係に基づいて表記しているものとする。
【0017】
圧縮機11は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。本実施の形態では、圧縮機11にインバータ装置等を備え、運転周波数を任意に変化させることで、圧縮機11の容量(単位時間あたりの冷媒を送り出す量)を細かく変化させることができるものとする。凝縮器12は、圧縮機11が圧縮した冷媒と空気(室外の空気)との熱交換を行い、冷媒を凝縮して液化させる。
【0018】
例えば膨張弁等の絞り装置21は、開度を変化させることで、蒸発器22内における冷媒の圧力、冷媒量を調整するために設ける。蒸発器22は、絞り装置21によって低圧状態になった冷媒と冷蔵庫100内の空気との熱交換を行う。冷媒は空気の熱を奪い、蒸発して気化し、空気を冷却する。
【0019】
また、本実施の形態の冷凍装置は、庫内温度検知手段102、庫外温度検知手段101及び扉開閉検知手段103を有している。庫内温度検知手段102、庫外温度検知手段101は、それぞれ冷蔵庫100の内壁面、外壁面に取り付けられ、検知した温度に係る信号を制御装置30に送る。また、扉開閉検知手段103は、冷蔵庫100の扉の開閉を検知し、信号を制御装置30に送る。制御装置30は冷凍装置の各機器を制御する装置である。特に本実施の形態においては、冷蔵庫100内の温度上昇要因を判断し、判断に基づく制御を行う。ここで、本実施の形態において、制御装置30は、扉開閉検知手段103の検知に基づいて扉の開放時間を計測するため、タイマ等の計時手段(図示せず)を有している。
【0020】
次に、冷凍装置の各構成機器における動作等を、冷媒回路を循環する冷媒の流れに基づいて説明する。まず、圧縮機11は、冷媒を吸入し、圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。吐出した冷媒は凝縮器12へ流入する。凝縮器12は、送風機、ポンプ等(図示せず)から供給される空気、水等と冷媒との間で熱交換を行い、冷媒を凝縮液化させる。凝縮液化した冷媒は絞り装置21を通過する。絞り装置21は、通過する凝縮液化した冷媒を減圧する。減圧した冷媒は蒸発器22に流入する。蒸発器22は、冷蔵庫100内の空気との熱交換により冷媒を蒸発ガス化する。蒸発ガス化した冷媒を圧縮機11が吸入する。
【0021】
さらに、本実施の形態における制御装置30が行う処理等について説明する。本実施の形態における冷凍装置では、冷蔵庫100内の温度を、庫内温度検知手段102により管理する。制御装置30は、庫内温度検知手段102の検知した温度が庫内温度管理範囲の上限値(以下サーモON値と記す)に達したものと判断すると、冷却機20等の運転動作を開始させて、蒸発器22における熱交換により冷蔵庫100内を冷却する。また、庫内温度管理範囲の下限値(以下サーモOFF値と記す)に達すると、冷却機20等の運転動作を停止させることで、冷蔵庫100内の温度(庫内温度)を所定範囲内に維持するようにしている。
【0022】
ここで、冷凍装置は、冷蔵庫100内の空気を介して庫内温度の維持をはかるものであるため、庫内温度を直接制御することができない。そのため、蒸発器22内を流れる冷媒の蒸発温度に相当する低圧圧力をパラメータとして、庫内温度と蒸発温度との差が一定の値となるように蒸発温度の制御を行っている。
【0023】
このような構成の冷凍装置において、庫内温度を所望する温度に維持するための必要冷却能力Qは、冷蔵庫100の壁面を介して伝わる侵入熱、冷蔵庫100内の保管物より発生する熱量など、様々な要因により変化する。このため庫内温度を安定させるためには、必要冷却能力Qの変化に応じて、冷凍装置が冷蔵庫100内の空気に供給する冷却能力(熱量)であるシステム能力QSYS を変更する必要がある。
【0024】
ここで、必要冷却能力Qは、庫内温度上昇を抑えるために必要な冷却能力ということでもあるため、冷蔵庫100の内容積Vが既知であれば、庫内温度検知手段102の検知に係る温度からサーモOFF中の庫内温度変化ΔTを計測することにより、次式(1)から求めることができる。ここで、ρAIR は空気密度[kg/m3 ]、CAIR は空気比熱[kJ/(kg・K)]であり、事前に設定可能な既知の値である。
Q=Q(定常)+Q(過渡)=ΔT×V×ρAIR ×CAIR /3600 …(1)
【0025】
また、必要冷却能力Qは、冷蔵庫100の壁面からの侵入熱、内部機器(例えば電灯など)の発生熱による定常的な冷却負荷Q(定常)と、扉開閉の都度発生する換気熱量や保管物より発生する熱量による過渡的な冷却負荷Q(過渡)とに大別することができる。Q(定常)は、次式(2)に示すように、冷蔵庫100の壁面からの侵入熱Q(侵入)と内部機器の発生熱量Q(内部機器)に分けることができる。
Q(定常)=Q(侵入)+Q(内部機器) …(2)
【0026】
また、冷蔵庫100の壁面からの侵入熱Q(侵入)は、冷蔵庫100内外の空気間の熱交換量という考え方もできる。そこで、冷蔵庫100壁面の熱伝導率B[W/(m・K)]と表面積A(m2 )とが既知であれば、庫内温度検知手段102の検知に係る温度の値TINと庫外温度検知手段101の検知に係る温度の値TOUT とに基づいて、次式(3)によりQ(侵入)を求めることができる。また、Q(内部機器)については、冷蔵庫100内の機器構成により決まる値であり、既知の値といえる。
Q(侵入)=B×A×(TOUT −TIN) …(3)
【0027】
さらに、Q(過渡)は、次式(4)に示すように、扉開閉の都度発生する換気熱量Q(換気)と保管物より発生する熱量Q(保管物)とに大別することができる。このうち、Q(換気)は扉開閉時間に比例するため、Q(過渡)が上昇する時間帯と扉開閉検知手段103により得られる扉開放時間とが連動していればQ(換気)が主要因とし、そうでなければQ(保管物)が主要因とみなすことができる。
Q(過渡)=Q(換気)+Q(保管物) …(4)
【0028】
以上に述べた情報を総合することで、必要冷却能力Qとその能力を必要とする負荷の概略構成比が求められ、冷凍装置の制御に活用することが可能となる。
【0029】
図2は制御装置30が行う必要冷却能力Qに対する処理の流れを表す図である。まず、制御装置30は、必要冷却能力Qが減少したかどうかを判断する(S1)。減少したものと判断すると、冷凍装置が冷蔵庫100内の空気に供給しているシステム能力QSYS が過多であるものとし、低圧圧力の目標値を上げる設定を行う(S2)。そして、システム能力QSYS を下げるとともに、圧縮機11の運転効率を上げて、省エネルギーを実現する運転ができるようにする。
【0030】
また、必要冷却能力Qが減少していないと判断すると、必要冷却能力Qが増加しているかどうかを判断する(S3)。必要冷却能力Qが増加していないと判断すると、S1に戻って判断を行う。必要冷却能力Qが増加していると判断すると、以下のようにして必要冷却能力Qの増加要因(冷蔵庫100内の温度上昇要因)を判断して制御パラメータの変更等を行い、冷凍装置の機器を制御してシステム能力QSYS を供給する。
【0031】
図3は本実施の形態における低圧圧力と冷却能力との関係を表す図である。Q(定常)/Q>0.5であるかどうかを判断する(S4)。Q(定常)/Q>0.5であると判断すると、定常的な冷却負荷Q(定常)が必要冷却能力Qの半分よりも多く占める主要因となっているものとする。このため、一時的なものでなく定常的に冷却能力不足が発生しているとして、冷媒回路における低圧圧力の制御目標値を下げる設定処理を行う(S5)。例えば図3に示すようにLP1からLP2に下げる。このとき、例えば開度を狭めるように絞り装置21に指示する等の制御を行う。
【0032】
図4は本実施の形態における圧縮機11の運転周波数と冷凍サイクルとの関係の一例を表すp−h線図である。低圧圧力の制御目標値を下げることで、実際の低圧圧力と目標値の差が大きくなる。このため、制御装置30は熱源機10の圧縮機11の運転周波数を上げる制御を行って、冷媒回路内の冷媒が、例えば図4の破線で示す冷凍サイクルの状態となるように移行しようとする。
【0033】
一方で、冷却機20側の能力は図3に示すような関係にあるため、圧縮機11の運転周波数アップをうけてシステムのバランス圧力はLP2に下がり、結果的にシステム能力QSYS はQ1からQ2に増加する。
【0034】
Q(定常)/Q>0.5でないと判断すると、Q(過渡)の増加が主要因であるものとする。そして、扉開閉検知手段103の検知に基づいて、扉開放時間が2分以上であるかどうかを判断する(S6)。特に限定するものではないが、本実施の形態において、扉開放時間が2分以上というのは、直近5分間において扉が開放された時間の合計が2分以上であるものとする。2分以上であるものと判断すると、換気負荷Q(換気)による負荷上昇と判断し、低圧圧力の現在値と目標値との差に関係なく、圧縮機11の運転周波数を一時的に上げる(S7)。これにより、システム能力QSYS は図4に示すQ3まで上昇し、急速冷却を行う。そして、庫内温度が目標の範囲内に入ったものと判断すると、圧縮機11の運転周波数を元に戻し、庫内温度が下がりすぎるのを防止する。この結果、庫内温度の急激な変化に対しても追従性の高い庫内温度制御を行うことができる。
【0035】
扉開放時間が2分以上でないものと判断すると、保管物からの発生熱Q(保管物)による負荷を要因する温度上昇があったものとして処理を行う。この場合は、保管物の種類によって急速冷凍が好ましいケースも、緩慢冷却が望ましいケースもありうるが、本実施の形態では、例えば、その中間的な制御を行うものとし、低圧圧力の制御目標値を少しだけ下げる(S5における制御目標値よりも下げ幅を小さくする)処理を行い、また、圧縮機11の運転周波数を少しだけ上げる(S7よりも上げ幅を小さくする)制御を行う(S8)。
【0036】
以上のように、本実施の形態の冷凍装置によれば、例えば、庫内温度検知手段102及び庫外温度検知手段101の検知に係る温度に基づいて冷蔵庫100の壁面を介して冷蔵庫100内に侵入する侵入熱Q(侵入)を算出し、Q(侵入)に基づいて得られる冷却負荷Q(定常)から、必要冷却能力Qにおいて、一時的に生じる冷却負荷Q(過渡)より定常的に生じる冷却負荷Q(定常)の割合が多いかどうかを判断し、Q(定常)が多いと判断すれば低圧圧力の制御目標値を下げる処理を行い、Q(過渡)が多いと判断すれば、例えば、低圧圧力の制御目標値をそのままにして圧縮機11の運転周波数を上げるようにする等、庫内温度の上昇要因に基づいてパラメータ変更等を行うようにしているので、例えば一時的な温度上昇に対しては急速冷却、恒常的な温度上昇に対しては低圧圧力の制御目標値の見直しといったように、状況に応じた運転を選択して行うことができ、冷蔵庫100内の厳密な温度管理をすることができる。
【0037】
また、低圧圧力の制御目標値を低下させるだけでなく、庫内温度の上昇要因に対して他の制御を行うことができるようにしたので、冷媒回路において必要以上に低圧圧力が下がることを防止することができ、圧縮機11の運転効率を向上させることができ、省エネルギーをはかった運転を行うことができる。
【0038】
また、Q(過渡)の割合が多い場合に、制御装置30は、扉開閉検知手段103の検知に基づいて、扉開放時間を判断するようにしたので、扉の開放による温度上昇要因を正確に判断することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 熱源機、11 圧縮機、12 凝縮器、20 冷却機、21 絞り装置、22 蒸発器、30 制御装置、100 冷蔵庫、101 庫外温度検知手段、102 庫内温度検知手段、103 扉開閉検知手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、熱交換により前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮に係る冷媒を減圧させるための絞り装置と、減圧に係る冷媒と空気とを熱交換して前記冷媒を蒸発させる蒸発器とを配管接続して冷媒回路を構成し、
冷却対象の空間となる冷蔵庫内側及び前記空間外の庫外壁側の温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段の検知に係る温度に基づいて、冷却能力及び前記庫外壁側から前記冷蔵庫内側に伝わる侵入熱による冷却負荷を演算し、前記侵入熱を含む、定常的な冷却負荷の大きさに基づいて前記冷蔵庫内の温度上昇要因を特定する制御装置と
を備えることを特徴とする冷凍装置。
【請求項2】
前記冷蔵庫の扉の開放時間を検知するための扉開閉検知手段をさらに備え、
前記制御装置は、前記冷却能力における前記定常的な冷却負荷の割合に基づいて、前記冷蔵庫内の温度上昇が一時的なものであると判断すると、前記扉の開放時間に基づいて、前記冷蔵庫内の温度上昇が扉の開放によるものであるかを判断する処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記扉の開放時間に基づいて、前記冷蔵庫内の温度上昇が扉の開放によるものと特定すると、前記圧縮機の運転周波数を上げる制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の冷凍装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記冷却能力における前記定常的な冷却負荷の割合に基づいて、前記冷蔵庫内の温度上昇が前記侵入熱によるものと特定すると、前記蒸発器の蒸発温度を設定する制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷凍装置。
【請求項5】
直近の所定時間において扉が開放された積算時間を前記扉の開放時間とすることを特徴とする請求項2又は3に記載の冷凍装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−19559(P2013−19559A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151072(P2011−151072)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】