冷却ユニット及び投写型映像表示装置
【課題】 簡易な構成で冷却用空気を所望の方向に導くことを可能とする冷却ユニット及び投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】 冷却ユニット400は、ヒートパイプ420に連結されており、ヒートパイプ420が伸びる方向に沿って所定間隔で配置された複数の放熱フィン430を有する。放熱フィン430は、ヒートパイプ420が伸びる方向に対して垂直な主面を有する平板状のフィン本体431と、フィン本体431の主面に対して垂直な導風面を有する導風壁432とを有する。導風壁432は、複数の放熱フィン430に供給される冷却用空気を異なる向きに導くように設けられる。
【解決手段】 冷却ユニット400は、ヒートパイプ420に連結されており、ヒートパイプ420が伸びる方向に沿って所定間隔で配置された複数の放熱フィン430を有する。放熱フィン430は、ヒートパイプ420が伸びる方向に対して垂直な主面を有する平板状のフィン本体431と、フィン本体431の主面に対して垂直な導風面を有する導風壁432とを有する。導風壁432は、複数の放熱フィン430に供給される冷却用空気を異なる向きに導くように設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱フィンを有する冷却ユニット及び投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明光学系から出射される光を投写面上に投写する投写光学系を有する投写型映像表示装置が知られている。照明光学系は、例えば、LED(Light Emitting Diode)などの光源と、光源から出射された光を変調する光変調素子とを含む。また、投写型映像表示装置は、光源などの熱源を冷却するヒートシンクなどの冷却ユニットを有する。
【0003】
このようなケースにおいて、冷却ユニットは、吸気口から排気口に流れる冷却用空気の空気流路に配置される。冷却用空気を排気口に流すために、冷却ユニットを覆うカバーが設けられる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−13052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、冷却ユニットを覆うカバーを設けると、冷却ユニットの配置スペースが限られてしまい、冷却ユニットを有する投写型映像表示装置が大型化してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされてものであり、簡易な構成で冷却用空気を所望の方向に導くことを可能とする冷却ユニット及び投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の特徴に係る冷却ユニット(冷却ユニット400)は、ヒートパイプ(ヒートパイプ420)に連結されており、前記ヒートパイプが伸びる方向に沿って所定間隔で配置された複数の放熱フィン(放熱フィン430)を有する。前記放熱フィンは、前記ヒートパイプが伸びる方向に対して垂直な主面を有する平板状のフィン本体(フィン本体431)と、前記主面に対して垂直な導風面を有する導風壁(導風壁432)とを有する。前記導風壁は、前記複数の放熱フィンに供給される冷却用空気を異なる向きに導くように設けられる。
【0008】
第1の特徴において、前記主面は、矩形形状の主面を有する。前記導風壁は、前記主面のうち、互いに隣接する2辺に沿って設けられる。
【0009】
第1の特徴において、冷却ユニットは、前記放熱フィンとして、第1ヒートパイプに連結された第1個別ユニットに設けられた第1放熱フィンを有しており、前記放熱フィンとして、第2ヒートパイプに連結された第2個別ユニットに設けられた第2放熱フィンを有する。前記第1個別ユニット及び前記第2個別ユニットは、前記導風壁によって形成される空気流路上において、間隔を持ちながら隣接して配置される。
【0010】
第1の特徴において、前記第1個別ユニットは、第1熱源の冷却に用いられる。前記第2個別ユニットは、前記第1熱源よりも発熱量が小さい第2熱源の冷却に用いられる。前記第1個別ユニット及び前記第2個別ユニットは、前記第1個別ユニットから前記第2個別ユニットに前記冷却用空気が導かれるように配置される。
【0011】
第2の特徴に係る投写型映像表示装置は、第1の特徴に係る冷却ユニットを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡易な構成で冷却用空気を所望の方向に導くことを可能とする冷却ユニット及び投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の詳細を示す図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の詳細を示す図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る冷却ユニット400の詳細を示す図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係る冷却ユニット400の詳細を示す図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係る冷却ユニット400Gの詳細を示す図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る冷却ユニット400Bの詳細を示す図である。
【図9】図9は、変更例1に係る1つの個別ユニットを示す図である。
【図10】図10は、変更例1に係る1つの個別ユニットを示す図である。
【図11】図11は、変更例1に係る1つの個別ユニットを示す図である。
【図12】図12は、変更例1に係る複数の個別ユニットの組み合わせを示す図である。
【図13】図13は、変更例1に係る複数の個別ユニットの組み合わせを示す図である。
【図14】図14は、変更例1に係る複数の個別ユニットの組み合わせを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0015】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
[実施形態の概要]
実施形態に係る冷却ユニットは、ヒートパイプに連結されており、ヒートパイプが伸びる方向に沿って所定間隔で配置された複数の放熱フィンを有する。放熱フィンは、ヒートパイプが伸びる方向に対して垂直な主面を有する平板状のフィン本体と、主面に対して垂直な導風面を有する導風壁とを有する。導風壁は、複数の放熱フィンに供給される冷却用空気を異なる向きに導くように設けられる。
【0017】
実施形態では、導風壁は、複数の放熱フィンに供給される冷却用空気を異なる向きに導くように設けられる。従って、簡易な構成で冷却用空気を所望の方向に導くことができる。
【0018】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の概略)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の概略について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100(床面投写)を示す図である。図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100(壁面投写)を示す図である。
【0019】
図1及び図2に示すように、投写型映像表示装置100は、筐体200を有しており、投写面(不図示)に映像を投写する。投写面は、図1に示すように、床面に設けられていてもよく、図2に示すように、壁面に設けられてもよい。
【0020】
なお、筐体200には、映像光を透過する透過領域211が設けられている。筐体200には、吸気口212(吸気口212A及び吸気口212B)及び排気口213(排気口213A及び排気口213B)が設けられている。
【0021】
(投写型映像表示装置の詳細)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の詳細について、図面を参照しながら説明する。図3及び図4は、投写型映像表示装置100の詳細を示す図である。図3は、図1及び図2に示すA方向から投写型映像表示装置100を見た斜視図である(正面視)。図4は、図3に示すB方向から投写型映像表示装置100を見た斜視図である(背面視)。なお、図3及び図4では、筐体200を透過して、投写型映像表示装置100の内部構成が示されている。
【0022】
図3及び図4に示すように、投写型映像表示装置100は、光源10(光源10R、光源10G及び光源10B)と、クロスダイクロイックミラー20と、折り返しミラー30と、DMD40と、投写ユニット50とを有する。
【0023】
光源10Rは、赤成分光Rを出射する光源であり、例えば、赤LED(Light Emitting Diode)や赤LD(Laser Diode)である。光源10Gは、緑成分光Gを出射する光源であり、例えば、緑LEDや緑LDである。光源10Bは、青成分光Bを出射する光源であり、例えば、青LEDや青LDである。
【0024】
クロスダイクロイックミラー20は、光源10Gから出射される緑成分光Gを透過し、光源10Bから出射される青成分光Bを反射する。また、クロスダイクロイックミラー20は、緑成分光Gを透過し、光源10Rから出射される赤成分光Rを反射する。
【0025】
折り返しミラー30は、クロスダイクロイックミラー20から出射された色成分光をDMD40側に反射する。
【0026】
DMD40は、複数の微小ミラーによって構成されており、複数の微小ミラーは可動式である。DMD40は、各微小ミラーの角度を変更することによって、折り返しミラー30で反射された光を投写ユニット50へ反射するか否かを切り替える。
【0027】
ここで、DMD40の中心は、投写ユニット50の光軸からシフトしていることに留意すべきである。具体的には、DMD40の中心は、投写ユニット50の光軸よりも、図2に示すB方向(すなわち、映像光の投写領域側)にシフトしている。
【0028】
投写ユニット50は、DMD40から出射される映像光を投写面に投写する。例えば、投写ユニット50は、投写レンズ群51と、反射ミラー52とを有する。
【0029】
投写レンズ群51は、DMD40から出射される映像光を反射ミラー52側に出射する。投写レンズ群51は、投写ユニット50の光軸を中心とする略円形形状のレンズ、投写ユニット50の光軸を中心とする略円形形状の一部分によって構成される形状(例えば、下半分の半円形状)のレンズなどを含む。
【0030】
なお、投写ユニット50に含まれるレンズの径は、反射ミラー52に近いほど大きいことに留意すべきである。
【0031】
反射ミラー52は、DMD40から出射された映像光を投写面側に反射する。反射ミラー52は、例えば、DMD40側に凹面を有する非球面ミラーである。
【0032】
図3及び図4に戻って、投写型映像表示装置100は、ファン311(ファン311A及びファン311Bと、ダクト312(ダクト312A及びダクト312B)とを有する。
【0033】
ファン311は、ダクト312によって形成される空気流路内において、吸気口212から排気口213への空気流を形成する。具体的には、ファン311Aは、筐体200の外部の空気を吸気口212Aからダクト312Aの内部に導くファンである。ファン311Bは、筐体200の外部の空気を吸気口212Aからダクト312Bの内部に導くファンである。
【0034】
ダクト312は、吸気口212から排気口213への空気流路を形成する。なお、ダクト312は、空気流路の一部のみを形成していてもよい。具体的には、ダクト312Aは、吸気口212Aから排気口213Aへの空気流路を形成する。また、ダクト312Bは、吸気口212Bから排気口213Bへの空気流路を形成する。
【0035】
投写型映像表示装置100は、冷却ユニット400(冷却ユニット400R、冷却ユニット400G、冷却ユニット400B、冷却ユニット400X、冷却ユニット400Y)を有する。
【0036】
冷却ユニット400Rは、光源10Rを冷却する。第1実施形態では、冷却ユニット400Rは、放熱フィン430Rである。
【0037】
冷却ユニット400Gは、光源10Gを冷却する。冷却ユニット400Bは、光源10Bを冷却する。冷却ユニット400G及び冷却ユニット400Bは、受熱部410(受熱部410G、受熱部410B)と、ヒートパイプ420(ヒートパイプ420G、ヒートパイプ420B)と、放熱フィン430(放熱フィン430G、放熱フィン430B)を有する。
【0038】
なお、冷却ユニット400G及び冷却ユニット400Bは、本明細書に係る冷却ユニットの一例である。また、冷却ユニット400G及び冷却ユニット400Bの詳細については後述する(図5を参照)。
【0039】
冷却ユニット400Xは、DMD40を冷却する。第1実施形態では、冷却ユニット400Xは、放熱フィン430Xである。
【0040】
冷却ユニット400Yは、光源10を駆動するドライバ基板500(図4を参照)を冷却する。第1実施形態では、冷却ユニット400Yは、放熱フィン430Yである。
【0041】
(冷却ユニットの詳細)
以下において、第1実施形態に係る冷却ユニットの詳細について、図面を参照しながら説明する。図5は、第1実施形態に係る冷却ユニット400の詳細を示す図である。
【0042】
図5に示すように、冷却ユニット400(冷却ユニット400G及び冷却ユニット400B)は、受熱部410と、ヒートパイプ420と、放熱フィン430とを有する。
【0043】
受熱部410は、熱源から熱を受け取る。ヒートパイプ420は、放熱フィン430に熱を伝達する。放熱フィン430は、冷却用空気の空気流路上に配置される。
【0044】
すなわち、受熱部410Gが光源10Gの熱を受け取り、ヒートパイプ420Gが光源10Gの熱を放熱フィン430Gに伝達する。同様に、受熱部410Bが光源10Bの熱を受け取り、ヒートパイプ420Bが光源10Bの熱を放熱フィン430Bに伝達する。
【0045】
ここで、各冷却ユニット400は、複数の放熱フィン430を有する。複数の放熱フィン430は、ヒートパイプ420に連結されており、ヒートパイプ420が伸びる方向に沿って所定間隔で配置される。
【0046】
具体的には、図6に示すように、放熱フィン430(放熱フィン430G及び放熱フィン430B)は、フィン本体431(フィン本体431G、フィン本体431B)と、導風壁432(導風壁432G、導風壁432B)とを有する。
【0047】
フィン本体431は、ヒートパイプ420が伸びる方向に対して垂直な主面を有する平板状の形状を有する。導風壁432は、フィン本体431の主面に対して垂直な導風面を有する。
【0048】
第1実施形態では、導風壁432は、空気流路を流れる冷却用空気(すなわち、放熱フィン430に供給される冷却用空気)を異なる向きに導くように設けられる。
【0049】
第1実施形態では、フィン本体431の主面は、矩形形状の主面を有する。導風壁432は、フィン本体431の主面のうち、互いに隣接する2辺に沿って設けられる(例えば、図6に示す放熱フィン430B)。
【0050】
なお、「主面」とは、フィン本体431の面のうち、最も面積が広い面である。ここで、フィン本体431は、平板形状を有するため、1対の主面を有する。
【0051】
なお、冷却ユニット400G及び冷却ユニット400Bを1つの冷却ユニット400と考えた場合には、冷却ユニット400G及び冷却ユニット400Bのそれぞれは、個別ユニットを構成する。このようなケースにおいて、放熱フィン430G及び放熱フィン430Bは、導風壁432によって形成される空気流路上において、間隔を持ちながら隣接して配置される。
【0052】
ここで、光源10Gの発熱量は、光源10Bの発熱量よりも大きい。従って、冷却ユニット400G及び冷却ユニット400Bは、冷却ユニット400G(放熱フィン430G)から冷却ユニット400B(放熱フィン430B)に冷却用空気が導かれるように配置される。
【0053】
以下において、冷却ユニット400G及び冷却ユニット400Bについて、さらに詳細に説明する。図7は、第1実施形態に係る冷却ユニット400Gを示す図である。図8は、第1実施携帯に係る冷却ユニット400Bを示す図である。
【0054】
図7に示すように、冷却ユニット400Gは、受熱部410Gと、ヒートパイプ420Gと、放熱フィン430Gとを有する。また、放熱フィン430Gは、フィン本体431Gと、導風壁432Gとを有する。
【0055】
フィン本体431Gは、ヒートパイプ420Gが伸びる方向Xに対して垂直な平板状の形状を有する。導風壁432Gは、フィン本体431Gからヒートパイプ420Gが伸びる方向Xに沿って突出する形状を有する。言い換えると、導風壁432Gは、フィン本体431Gの主面に対して垂直な導風面を有する。
【0056】
例えば、導風壁432Gは、図7に示すように、フィン本体431Gと一体として形成されていてもよい。すなわち、平板の折曲げによって、導風壁432Gが形成されてもよい。
【0057】
或いは、導風壁432Gは、フィン本体431Gと別体として形成されていてもよい。このようなケースでは、ヒートパイプ420Gが伸びる方向Xに沿って配置された複数の放熱フィン430Gの導風壁432Gは、1枚の平板によって形成されてもよい。導風壁432Gを構成する1枚の平板は、例えば、ヒートパイプ420Gが伸びる方向Xに沿って配置された複数の放熱フィン430Gのフィン本体431Gの側面に接着される。
【0058】
図8に示すように、冷却ユニット400Bは、受熱部410Bと、ヒートパイプ420Bと、放熱フィン430Bとを有する。また、放熱フィン430Bは、フィン本体431Bと、導風壁432Bとを有する。
【0059】
フィン本体431Bは、ヒートパイプ420Bが伸びる方向Yに対して垂直な平板状の形状を有する。導風壁432Bは、フィン本体431Bからヒートパイプ420Bが伸びる方向Yに沿って突出する形状を有する。言い換えると、導風壁432Bは、フィン本体431Bの主面に対して垂直な導風面を有する。
【0060】
例えば、導風壁432Bは、図7に示すように、フィン本体431Bと一体として形成されていてもよい。すなわち、平板の折曲げによって、導風壁432Bが形成されてもよい。
【0061】
或いは、導風壁432Bは、フィン本体431Bと別体として形成されていてもよい。このようなケースでは、ヒートパイプ420Bが伸びる方向Yに沿って配置された複数の放熱フィン430Bの導風壁432Bは、1枚の平板によって形成されてもよい。導風壁432Bを構成する1枚の平板は、例えば、ヒートパイプ420Bが伸びる方向Yに沿って配置された複数の放熱フィン430Bのフィン本体431Bの側面に接着される。
【0062】
(作用及び効果)
第1実施形態では、導風壁432は、複数の放熱フィン430に供給される冷却用空気を異なる向きに導くように設けられる。従って、簡易な構成で冷却用空気を所望の方向に導くことができる。
【0063】
第1実施形態では、放熱フィン430G及び放熱フィン430Bは、導風壁432によって形成される空気流路上において、間隔を持ちながら隣接して配置される。従って、光源10Gから生じる熱が放熱フィン430Bに伝達されることが抑制され、光源10Bから生じる熱が放熱フィン430Gに伝達されることが抑制される。これによって、放熱フィン430G及び放熱フィン430Bの温度が均一化されることが抑制され、冷却用空気によって放熱フィン430を冷却する効率が向上する。
【0064】
第1実施形態では、発熱量が相対的に大きい光源10Gを冷却する冷却ユニット400Gから、発熱量が相対的に小さい光源10Bを冷却する冷却ユニット400Bに冷却用空気が導かれる。従って、冷却用空気によって放熱フィン430を冷却する効率が向上する。
【0065】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0066】
具体的には、変更例1では、放熱フィン430のバリエーションについて説明する。なお、変更例1では、フィン本体431の主面が辺A〜辺Dを有する矩形形状であるケースについて例示する。
【0067】
(1つの個別ユニット)
ここでは、1つの個別ユニットについて説明する。すなわち、冷却ユニット400が1つの個別ユニットを有するケースについて説明する。
【0068】
例えば、図9に示すように、放熱フィン430は、辺C及び辺Dに沿って設けられた導風壁432を有する。辺Aから冷却用空気が流入し、辺Bから冷却用空気が流出する。これによって、冷却用空気を異なる向きに導くことができる。
【0069】
或いは、図10に示すように、放熱フィン430は、辺B〜辺Dに沿って設けられた導風壁432を有する。辺Aに設けられたダクト312がヒートパイプ420に達しており、辺Aから冷却用空気が流入し、辺Aから冷却用空気が流出する。これによって、冷却用空気を異なる向きに導くことができる。なお、冷却用空気は、ヒートパイプ420よりも辺C側を通る。
【0070】
或いは、図11に示すように、放熱フィン430は、辺B〜辺Dに沿って設けられた導風壁432を有する。辺Aに設けられたダクト312がヒートパイプ420に達しておらず、辺Aから冷却用空気が流入し、辺Aから冷却用空気が流出する。これによって、冷却用空気を異なる向きに導くことができる。なお、冷却用空気は、ヒートパイプ420よりも辺A側及び辺C側を通る。
【0071】
(複数の個別ユニット)
ここでは、複数の個別ユニットの組み合わせについて説明する。すなわち、冷却ユニット400が複数の個別ユニットを有するケースについて説明する。
【0072】
なお、個別ユニットに設けられた放熱フィン430は、上述したように、間隔を持ちながら隣接して配置されることが好ましい。
【0073】
例えば、図12に示すように、放熱フィン430Pは、辺C及び辺Dに沿って設けられた導風壁432を有する。放熱フィン430Qは、辺A及び辺Bに沿って設けられた導風壁432を有する。放熱フィン430Pの辺Aから冷却用空気が流入し、放熱フィン430Qの辺Cから冷却用空気が流出する。これによって、冷却用空気を異なる向きに導くことができる。
【0074】
或いは、図13に示すように、放熱フィン430Pは、辺B〜辺Dに沿って設けられた導風壁432を有する。放熱フィン430Qは、は、辺Bに沿って設けられた導風壁432を有する。放熱フィン430Pの辺Aから冷却用空気が流入し、ダクト312を介して放熱フィン430Qの辺Cに冷却用空気が流入し、放熱フィン430Qの辺Cから冷却用空気が流出する。これによって、冷却用空気を異なる向きに導くことができる。
【0075】
或いは、図14に示すように、放熱フィン430Pは、辺B〜辺Dに沿って設けられた導風壁432を有する。放熱フィン430Qは、は、辺B〜辺Dに沿って設けられた導風壁432を有する。また、ダクト312は、ヒートパイプ420P及びヒートパイプ420Qに達しており、放熱フィン430Pの辺Aから流出する冷却用空気を放熱フィン430Qの辺Aに導く。放熱フィン430Pの辺Aから冷却用空気が流入し、ダクト312を介して放熱フィン430Qの辺Aに冷却用空気が流入し、放熱フィン430Qの辺Aから冷却用空気が流出する。これによって、冷却用空気を異なる向きに導くことができる。
【0076】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0077】
実施形態では、光変調素子として、DMD(Digital Micromirror Device)を例示したに過ぎない。光変調素子は、反射型の液晶パネルであってもよい。
【0078】
実施形態では、フィン本体431の主面が矩形形状を有するケースについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、フィン本体431の主面は、円形形状であってもよい。
【符号の説明】
【0079】
10…光源、20…クロスダイクロイックミラー、30…折り返しミラー、40…DMD、50…投写ユニット、51…投写レンズ群、52…反射ミラー、100…投写型映像表示装置、200…筐体、211…透過領域、212…吸気口、213…排気口、311…ファン、312…ダクト、400…冷却ユニット、410…受熱部、420…ヒートパイプ、430…放熱フィン、431…フィン本体、432…導風壁
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱フィンを有する冷却ユニット及び投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明光学系から出射される光を投写面上に投写する投写光学系を有する投写型映像表示装置が知られている。照明光学系は、例えば、LED(Light Emitting Diode)などの光源と、光源から出射された光を変調する光変調素子とを含む。また、投写型映像表示装置は、光源などの熱源を冷却するヒートシンクなどの冷却ユニットを有する。
【0003】
このようなケースにおいて、冷却ユニットは、吸気口から排気口に流れる冷却用空気の空気流路に配置される。冷却用空気を排気口に流すために、冷却ユニットを覆うカバーが設けられる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−13052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、冷却ユニットを覆うカバーを設けると、冷却ユニットの配置スペースが限られてしまい、冷却ユニットを有する投写型映像表示装置が大型化してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされてものであり、簡易な構成で冷却用空気を所望の方向に導くことを可能とする冷却ユニット及び投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の特徴に係る冷却ユニット(冷却ユニット400)は、ヒートパイプ(ヒートパイプ420)に連結されており、前記ヒートパイプが伸びる方向に沿って所定間隔で配置された複数の放熱フィン(放熱フィン430)を有する。前記放熱フィンは、前記ヒートパイプが伸びる方向に対して垂直な主面を有する平板状のフィン本体(フィン本体431)と、前記主面に対して垂直な導風面を有する導風壁(導風壁432)とを有する。前記導風壁は、前記複数の放熱フィンに供給される冷却用空気を異なる向きに導くように設けられる。
【0008】
第1の特徴において、前記主面は、矩形形状の主面を有する。前記導風壁は、前記主面のうち、互いに隣接する2辺に沿って設けられる。
【0009】
第1の特徴において、冷却ユニットは、前記放熱フィンとして、第1ヒートパイプに連結された第1個別ユニットに設けられた第1放熱フィンを有しており、前記放熱フィンとして、第2ヒートパイプに連結された第2個別ユニットに設けられた第2放熱フィンを有する。前記第1個別ユニット及び前記第2個別ユニットは、前記導風壁によって形成される空気流路上において、間隔を持ちながら隣接して配置される。
【0010】
第1の特徴において、前記第1個別ユニットは、第1熱源の冷却に用いられる。前記第2個別ユニットは、前記第1熱源よりも発熱量が小さい第2熱源の冷却に用いられる。前記第1個別ユニット及び前記第2個別ユニットは、前記第1個別ユニットから前記第2個別ユニットに前記冷却用空気が導かれるように配置される。
【0011】
第2の特徴に係る投写型映像表示装置は、第1の特徴に係る冷却ユニットを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡易な構成で冷却用空気を所望の方向に導くことを可能とする冷却ユニット及び投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の概略を示す図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の詳細を示す図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の詳細を示す図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る冷却ユニット400の詳細を示す図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係る冷却ユニット400の詳細を示す図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係る冷却ユニット400Gの詳細を示す図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る冷却ユニット400Bの詳細を示す図である。
【図9】図9は、変更例1に係る1つの個別ユニットを示す図である。
【図10】図10は、変更例1に係る1つの個別ユニットを示す図である。
【図11】図11は、変更例1に係る1つの個別ユニットを示す図である。
【図12】図12は、変更例1に係る複数の個別ユニットの組み合わせを示す図である。
【図13】図13は、変更例1に係る複数の個別ユニットの組み合わせを示す図である。
【図14】図14は、変更例1に係る複数の個別ユニットの組み合わせを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0015】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
[実施形態の概要]
実施形態に係る冷却ユニットは、ヒートパイプに連結されており、ヒートパイプが伸びる方向に沿って所定間隔で配置された複数の放熱フィンを有する。放熱フィンは、ヒートパイプが伸びる方向に対して垂直な主面を有する平板状のフィン本体と、主面に対して垂直な導風面を有する導風壁とを有する。導風壁は、複数の放熱フィンに供給される冷却用空気を異なる向きに導くように設けられる。
【0017】
実施形態では、導風壁は、複数の放熱フィンに供給される冷却用空気を異なる向きに導くように設けられる。従って、簡易な構成で冷却用空気を所望の方向に導くことができる。
【0018】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の概略)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の概略について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100(床面投写)を示す図である。図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100(壁面投写)を示す図である。
【0019】
図1及び図2に示すように、投写型映像表示装置100は、筐体200を有しており、投写面(不図示)に映像を投写する。投写面は、図1に示すように、床面に設けられていてもよく、図2に示すように、壁面に設けられてもよい。
【0020】
なお、筐体200には、映像光を透過する透過領域211が設けられている。筐体200には、吸気口212(吸気口212A及び吸気口212B)及び排気口213(排気口213A及び排気口213B)が設けられている。
【0021】
(投写型映像表示装置の詳細)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の詳細について、図面を参照しながら説明する。図3及び図4は、投写型映像表示装置100の詳細を示す図である。図3は、図1及び図2に示すA方向から投写型映像表示装置100を見た斜視図である(正面視)。図4は、図3に示すB方向から投写型映像表示装置100を見た斜視図である(背面視)。なお、図3及び図4では、筐体200を透過して、投写型映像表示装置100の内部構成が示されている。
【0022】
図3及び図4に示すように、投写型映像表示装置100は、光源10(光源10R、光源10G及び光源10B)と、クロスダイクロイックミラー20と、折り返しミラー30と、DMD40と、投写ユニット50とを有する。
【0023】
光源10Rは、赤成分光Rを出射する光源であり、例えば、赤LED(Light Emitting Diode)や赤LD(Laser Diode)である。光源10Gは、緑成分光Gを出射する光源であり、例えば、緑LEDや緑LDである。光源10Bは、青成分光Bを出射する光源であり、例えば、青LEDや青LDである。
【0024】
クロスダイクロイックミラー20は、光源10Gから出射される緑成分光Gを透過し、光源10Bから出射される青成分光Bを反射する。また、クロスダイクロイックミラー20は、緑成分光Gを透過し、光源10Rから出射される赤成分光Rを反射する。
【0025】
折り返しミラー30は、クロスダイクロイックミラー20から出射された色成分光をDMD40側に反射する。
【0026】
DMD40は、複数の微小ミラーによって構成されており、複数の微小ミラーは可動式である。DMD40は、各微小ミラーの角度を変更することによって、折り返しミラー30で反射された光を投写ユニット50へ反射するか否かを切り替える。
【0027】
ここで、DMD40の中心は、投写ユニット50の光軸からシフトしていることに留意すべきである。具体的には、DMD40の中心は、投写ユニット50の光軸よりも、図2に示すB方向(すなわち、映像光の投写領域側)にシフトしている。
【0028】
投写ユニット50は、DMD40から出射される映像光を投写面に投写する。例えば、投写ユニット50は、投写レンズ群51と、反射ミラー52とを有する。
【0029】
投写レンズ群51は、DMD40から出射される映像光を反射ミラー52側に出射する。投写レンズ群51は、投写ユニット50の光軸を中心とする略円形形状のレンズ、投写ユニット50の光軸を中心とする略円形形状の一部分によって構成される形状(例えば、下半分の半円形状)のレンズなどを含む。
【0030】
なお、投写ユニット50に含まれるレンズの径は、反射ミラー52に近いほど大きいことに留意すべきである。
【0031】
反射ミラー52は、DMD40から出射された映像光を投写面側に反射する。反射ミラー52は、例えば、DMD40側に凹面を有する非球面ミラーである。
【0032】
図3及び図4に戻って、投写型映像表示装置100は、ファン311(ファン311A及びファン311Bと、ダクト312(ダクト312A及びダクト312B)とを有する。
【0033】
ファン311は、ダクト312によって形成される空気流路内において、吸気口212から排気口213への空気流を形成する。具体的には、ファン311Aは、筐体200の外部の空気を吸気口212Aからダクト312Aの内部に導くファンである。ファン311Bは、筐体200の外部の空気を吸気口212Aからダクト312Bの内部に導くファンである。
【0034】
ダクト312は、吸気口212から排気口213への空気流路を形成する。なお、ダクト312は、空気流路の一部のみを形成していてもよい。具体的には、ダクト312Aは、吸気口212Aから排気口213Aへの空気流路を形成する。また、ダクト312Bは、吸気口212Bから排気口213Bへの空気流路を形成する。
【0035】
投写型映像表示装置100は、冷却ユニット400(冷却ユニット400R、冷却ユニット400G、冷却ユニット400B、冷却ユニット400X、冷却ユニット400Y)を有する。
【0036】
冷却ユニット400Rは、光源10Rを冷却する。第1実施形態では、冷却ユニット400Rは、放熱フィン430Rである。
【0037】
冷却ユニット400Gは、光源10Gを冷却する。冷却ユニット400Bは、光源10Bを冷却する。冷却ユニット400G及び冷却ユニット400Bは、受熱部410(受熱部410G、受熱部410B)と、ヒートパイプ420(ヒートパイプ420G、ヒートパイプ420B)と、放熱フィン430(放熱フィン430G、放熱フィン430B)を有する。
【0038】
なお、冷却ユニット400G及び冷却ユニット400Bは、本明細書に係る冷却ユニットの一例である。また、冷却ユニット400G及び冷却ユニット400Bの詳細については後述する(図5を参照)。
【0039】
冷却ユニット400Xは、DMD40を冷却する。第1実施形態では、冷却ユニット400Xは、放熱フィン430Xである。
【0040】
冷却ユニット400Yは、光源10を駆動するドライバ基板500(図4を参照)を冷却する。第1実施形態では、冷却ユニット400Yは、放熱フィン430Yである。
【0041】
(冷却ユニットの詳細)
以下において、第1実施形態に係る冷却ユニットの詳細について、図面を参照しながら説明する。図5は、第1実施形態に係る冷却ユニット400の詳細を示す図である。
【0042】
図5に示すように、冷却ユニット400(冷却ユニット400G及び冷却ユニット400B)は、受熱部410と、ヒートパイプ420と、放熱フィン430とを有する。
【0043】
受熱部410は、熱源から熱を受け取る。ヒートパイプ420は、放熱フィン430に熱を伝達する。放熱フィン430は、冷却用空気の空気流路上に配置される。
【0044】
すなわち、受熱部410Gが光源10Gの熱を受け取り、ヒートパイプ420Gが光源10Gの熱を放熱フィン430Gに伝達する。同様に、受熱部410Bが光源10Bの熱を受け取り、ヒートパイプ420Bが光源10Bの熱を放熱フィン430Bに伝達する。
【0045】
ここで、各冷却ユニット400は、複数の放熱フィン430を有する。複数の放熱フィン430は、ヒートパイプ420に連結されており、ヒートパイプ420が伸びる方向に沿って所定間隔で配置される。
【0046】
具体的には、図6に示すように、放熱フィン430(放熱フィン430G及び放熱フィン430B)は、フィン本体431(フィン本体431G、フィン本体431B)と、導風壁432(導風壁432G、導風壁432B)とを有する。
【0047】
フィン本体431は、ヒートパイプ420が伸びる方向に対して垂直な主面を有する平板状の形状を有する。導風壁432は、フィン本体431の主面に対して垂直な導風面を有する。
【0048】
第1実施形態では、導風壁432は、空気流路を流れる冷却用空気(すなわち、放熱フィン430に供給される冷却用空気)を異なる向きに導くように設けられる。
【0049】
第1実施形態では、フィン本体431の主面は、矩形形状の主面を有する。導風壁432は、フィン本体431の主面のうち、互いに隣接する2辺に沿って設けられる(例えば、図6に示す放熱フィン430B)。
【0050】
なお、「主面」とは、フィン本体431の面のうち、最も面積が広い面である。ここで、フィン本体431は、平板形状を有するため、1対の主面を有する。
【0051】
なお、冷却ユニット400G及び冷却ユニット400Bを1つの冷却ユニット400と考えた場合には、冷却ユニット400G及び冷却ユニット400Bのそれぞれは、個別ユニットを構成する。このようなケースにおいて、放熱フィン430G及び放熱フィン430Bは、導風壁432によって形成される空気流路上において、間隔を持ちながら隣接して配置される。
【0052】
ここで、光源10Gの発熱量は、光源10Bの発熱量よりも大きい。従って、冷却ユニット400G及び冷却ユニット400Bは、冷却ユニット400G(放熱フィン430G)から冷却ユニット400B(放熱フィン430B)に冷却用空気が導かれるように配置される。
【0053】
以下において、冷却ユニット400G及び冷却ユニット400Bについて、さらに詳細に説明する。図7は、第1実施形態に係る冷却ユニット400Gを示す図である。図8は、第1実施携帯に係る冷却ユニット400Bを示す図である。
【0054】
図7に示すように、冷却ユニット400Gは、受熱部410Gと、ヒートパイプ420Gと、放熱フィン430Gとを有する。また、放熱フィン430Gは、フィン本体431Gと、導風壁432Gとを有する。
【0055】
フィン本体431Gは、ヒートパイプ420Gが伸びる方向Xに対して垂直な平板状の形状を有する。導風壁432Gは、フィン本体431Gからヒートパイプ420Gが伸びる方向Xに沿って突出する形状を有する。言い換えると、導風壁432Gは、フィン本体431Gの主面に対して垂直な導風面を有する。
【0056】
例えば、導風壁432Gは、図7に示すように、フィン本体431Gと一体として形成されていてもよい。すなわち、平板の折曲げによって、導風壁432Gが形成されてもよい。
【0057】
或いは、導風壁432Gは、フィン本体431Gと別体として形成されていてもよい。このようなケースでは、ヒートパイプ420Gが伸びる方向Xに沿って配置された複数の放熱フィン430Gの導風壁432Gは、1枚の平板によって形成されてもよい。導風壁432Gを構成する1枚の平板は、例えば、ヒートパイプ420Gが伸びる方向Xに沿って配置された複数の放熱フィン430Gのフィン本体431Gの側面に接着される。
【0058】
図8に示すように、冷却ユニット400Bは、受熱部410Bと、ヒートパイプ420Bと、放熱フィン430Bとを有する。また、放熱フィン430Bは、フィン本体431Bと、導風壁432Bとを有する。
【0059】
フィン本体431Bは、ヒートパイプ420Bが伸びる方向Yに対して垂直な平板状の形状を有する。導風壁432Bは、フィン本体431Bからヒートパイプ420Bが伸びる方向Yに沿って突出する形状を有する。言い換えると、導風壁432Bは、フィン本体431Bの主面に対して垂直な導風面を有する。
【0060】
例えば、導風壁432Bは、図7に示すように、フィン本体431Bと一体として形成されていてもよい。すなわち、平板の折曲げによって、導風壁432Bが形成されてもよい。
【0061】
或いは、導風壁432Bは、フィン本体431Bと別体として形成されていてもよい。このようなケースでは、ヒートパイプ420Bが伸びる方向Yに沿って配置された複数の放熱フィン430Bの導風壁432Bは、1枚の平板によって形成されてもよい。導風壁432Bを構成する1枚の平板は、例えば、ヒートパイプ420Bが伸びる方向Yに沿って配置された複数の放熱フィン430Bのフィン本体431Bの側面に接着される。
【0062】
(作用及び効果)
第1実施形態では、導風壁432は、複数の放熱フィン430に供給される冷却用空気を異なる向きに導くように設けられる。従って、簡易な構成で冷却用空気を所望の方向に導くことができる。
【0063】
第1実施形態では、放熱フィン430G及び放熱フィン430Bは、導風壁432によって形成される空気流路上において、間隔を持ちながら隣接して配置される。従って、光源10Gから生じる熱が放熱フィン430Bに伝達されることが抑制され、光源10Bから生じる熱が放熱フィン430Gに伝達されることが抑制される。これによって、放熱フィン430G及び放熱フィン430Bの温度が均一化されることが抑制され、冷却用空気によって放熱フィン430を冷却する効率が向上する。
【0064】
第1実施形態では、発熱量が相対的に大きい光源10Gを冷却する冷却ユニット400Gから、発熱量が相対的に小さい光源10Bを冷却する冷却ユニット400Bに冷却用空気が導かれる。従って、冷却用空気によって放熱フィン430を冷却する効率が向上する。
【0065】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0066】
具体的には、変更例1では、放熱フィン430のバリエーションについて説明する。なお、変更例1では、フィン本体431の主面が辺A〜辺Dを有する矩形形状であるケースについて例示する。
【0067】
(1つの個別ユニット)
ここでは、1つの個別ユニットについて説明する。すなわち、冷却ユニット400が1つの個別ユニットを有するケースについて説明する。
【0068】
例えば、図9に示すように、放熱フィン430は、辺C及び辺Dに沿って設けられた導風壁432を有する。辺Aから冷却用空気が流入し、辺Bから冷却用空気が流出する。これによって、冷却用空気を異なる向きに導くことができる。
【0069】
或いは、図10に示すように、放熱フィン430は、辺B〜辺Dに沿って設けられた導風壁432を有する。辺Aに設けられたダクト312がヒートパイプ420に達しており、辺Aから冷却用空気が流入し、辺Aから冷却用空気が流出する。これによって、冷却用空気を異なる向きに導くことができる。なお、冷却用空気は、ヒートパイプ420よりも辺C側を通る。
【0070】
或いは、図11に示すように、放熱フィン430は、辺B〜辺Dに沿って設けられた導風壁432を有する。辺Aに設けられたダクト312がヒートパイプ420に達しておらず、辺Aから冷却用空気が流入し、辺Aから冷却用空気が流出する。これによって、冷却用空気を異なる向きに導くことができる。なお、冷却用空気は、ヒートパイプ420よりも辺A側及び辺C側を通る。
【0071】
(複数の個別ユニット)
ここでは、複数の個別ユニットの組み合わせについて説明する。すなわち、冷却ユニット400が複数の個別ユニットを有するケースについて説明する。
【0072】
なお、個別ユニットに設けられた放熱フィン430は、上述したように、間隔を持ちながら隣接して配置されることが好ましい。
【0073】
例えば、図12に示すように、放熱フィン430Pは、辺C及び辺Dに沿って設けられた導風壁432を有する。放熱フィン430Qは、辺A及び辺Bに沿って設けられた導風壁432を有する。放熱フィン430Pの辺Aから冷却用空気が流入し、放熱フィン430Qの辺Cから冷却用空気が流出する。これによって、冷却用空気を異なる向きに導くことができる。
【0074】
或いは、図13に示すように、放熱フィン430Pは、辺B〜辺Dに沿って設けられた導風壁432を有する。放熱フィン430Qは、は、辺Bに沿って設けられた導風壁432を有する。放熱フィン430Pの辺Aから冷却用空気が流入し、ダクト312を介して放熱フィン430Qの辺Cに冷却用空気が流入し、放熱フィン430Qの辺Cから冷却用空気が流出する。これによって、冷却用空気を異なる向きに導くことができる。
【0075】
或いは、図14に示すように、放熱フィン430Pは、辺B〜辺Dに沿って設けられた導風壁432を有する。放熱フィン430Qは、は、辺B〜辺Dに沿って設けられた導風壁432を有する。また、ダクト312は、ヒートパイプ420P及びヒートパイプ420Qに達しており、放熱フィン430Pの辺Aから流出する冷却用空気を放熱フィン430Qの辺Aに導く。放熱フィン430Pの辺Aから冷却用空気が流入し、ダクト312を介して放熱フィン430Qの辺Aに冷却用空気が流入し、放熱フィン430Qの辺Aから冷却用空気が流出する。これによって、冷却用空気を異なる向きに導くことができる。
【0076】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0077】
実施形態では、光変調素子として、DMD(Digital Micromirror Device)を例示したに過ぎない。光変調素子は、反射型の液晶パネルであってもよい。
【0078】
実施形態では、フィン本体431の主面が矩形形状を有するケースについて例示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、フィン本体431の主面は、円形形状であってもよい。
【符号の説明】
【0079】
10…光源、20…クロスダイクロイックミラー、30…折り返しミラー、40…DMD、50…投写ユニット、51…投写レンズ群、52…反射ミラー、100…投写型映像表示装置、200…筐体、211…透過領域、212…吸気口、213…排気口、311…ファン、312…ダクト、400…冷却ユニット、410…受熱部、420…ヒートパイプ、430…放熱フィン、431…フィン本体、432…導風壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートパイプに連結されており、前記ヒートパイプが伸びる方向に沿って所定間隔で配置された複数の放熱フィンを有する冷却ユニットであって、
前記放熱フィンは、前記ヒートパイプが伸びる方向に対して垂直な主面を有する平板状のフィン本体と、前記主面に対して垂直な導風面を有する導風壁とを有しており、
前記導風壁は、前記複数の放熱フィンに供給される冷却用空気を異なる向きに導くように設けられることを特徴とする冷却ユニット。
【請求項2】
前記主面は、矩形形状の主面を有しており、
前記導風壁は、前記主面のうち、互いに隣接する2辺に沿って設けられることを特徴とする請求項1に記載の冷却ユニット。
【請求項3】
前記放熱フィンとして、第1ヒートパイプに連結された第1個別ユニットに設けられた第1放熱フィンを有しており、
前記放熱フィンとして、第2ヒートパイプに連結された第2個別ユニットに設けられた第2放熱フィンを有しており、
前記第1個別ユニット及び前記第2個別ユニットは、前記導風壁によって形成される空気流路上において、間隔を持ちながら隣接して配置されることを特徴とする請求項1に記載の冷却ユニット。
【請求項4】
前記第1個別ユニットは、第1熱源の冷却に用いられ、
前記第2個別ユニットは、前記第1熱源よりも発熱量が小さい第2熱源の冷却に用いられ、
前記第1個別ユニット及び前記第2個別ユニットは、前記第1個別ユニットから前記第2個別ユニットに前記冷却用空気が導かれるように配置されることを特徴とする請求項3に記載の冷却ユニット。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の冷却ユニットを備えることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項1】
ヒートパイプに連結されており、前記ヒートパイプが伸びる方向に沿って所定間隔で配置された複数の放熱フィンを有する冷却ユニットであって、
前記放熱フィンは、前記ヒートパイプが伸びる方向に対して垂直な主面を有する平板状のフィン本体と、前記主面に対して垂直な導風面を有する導風壁とを有しており、
前記導風壁は、前記複数の放熱フィンに供給される冷却用空気を異なる向きに導くように設けられることを特徴とする冷却ユニット。
【請求項2】
前記主面は、矩形形状の主面を有しており、
前記導風壁は、前記主面のうち、互いに隣接する2辺に沿って設けられることを特徴とする請求項1に記載の冷却ユニット。
【請求項3】
前記放熱フィンとして、第1ヒートパイプに連結された第1個別ユニットに設けられた第1放熱フィンを有しており、
前記放熱フィンとして、第2ヒートパイプに連結された第2個別ユニットに設けられた第2放熱フィンを有しており、
前記第1個別ユニット及び前記第2個別ユニットは、前記導風壁によって形成される空気流路上において、間隔を持ちながら隣接して配置されることを特徴とする請求項1に記載の冷却ユニット。
【請求項4】
前記第1個別ユニットは、第1熱源の冷却に用いられ、
前記第2個別ユニットは、前記第1熱源よりも発熱量が小さい第2熱源の冷却に用いられ、
前記第1個別ユニット及び前記第2個別ユニットは、前記第1個別ユニットから前記第2個別ユニットに前記冷却用空気が導かれるように配置されることを特徴とする請求項3に記載の冷却ユニット。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の冷却ユニットを備えることを特徴とする投写型映像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−155154(P2012−155154A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14470(P2011−14470)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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