説明

冷却媒体濾過装置

【課題】濾過材料の局部的なスラッジの堆積を防止すること。
【解決手段】冷却媒体を循環させる循環経路に設けられ、冷却媒体を貯留させるコンベアタンク(濾過槽)22と、前記コンベアタンク22内にて前記冷却媒体に混在するスラッジを取り除く濾過材料23とを有する冷却媒体濾過装置において、前記コンベアタンク22に貯留される冷却媒体に浸された状態で冷却媒体を排出する排出部50が、異なる複数方向に向けて排出口50bを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械における冷却媒体を濾過する冷却媒体濾過装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ベッドの加熱による熱変形を抑制することで研削精度の向上を図った研削盤の技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−127012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載の技術では、クーラントタンクに回収した使用後のクーラント(冷却媒体)を循環することについて考慮されていない。工作機械の冷却に使用した後のクーラントは、スラッジを含むので、濾過する濾過装置が必要となる。濾過装置では、濾過した後のクーラントをポンプによって工作機械側に移送する。ポンプは、工作機械側に移送するクーラントに気泡が含まれている場合、この気泡に耐えられるように、吸引力の高い特殊なポンプとする必要があるため、ポンプが高価となる。そこで、工作機械側から濾過槽にクーラントを移送する際、クーラントが泡立たないように静かに送ることが望まれる。ところが、クーラントを濾過槽内に静かに送ると、濾過槽内の濾過材料の特定部分にスラッジが堆積するおそれがある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、濾過材料の局部的なスラッジの堆積を防止することのできる冷却媒体濾過装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、冷却媒体濾過装置は、冷却媒体を循環させる循環経路に設けられ、前記冷却媒体を貯留させる濾過槽と、前記濾過槽内にて前記冷却媒体に混在するスラッジを取り除く濾過材料とを有する冷却媒体濾過装置において、前記濾過槽に貯留される前記冷却媒体に浸された状態で前記冷却媒体を排出する排出部が、異なる複数方向に向けて排出口を有することを特徴とする。
【0007】
この冷却媒体濾過装置によれば、排出部において冷却媒体を異なる複数方向に向けて排出させるため、冷却媒体は、濾過槽内の広範囲に亘って広がる。すなわち、濾過材料の広範囲に亘って冷却媒体が通過し、この冷却媒体に含まれるスラッジが濾過材料の広範囲に亘って捕捉される。この結果、濾過材料の局部的なスラッジの堆積を防止することができる。
【0008】
また、本発明の冷却媒体濾過装置は、前記排出部を回転させる回転部を有することを特徴とする。
【0009】
この冷却媒体濾過装置によれば、排出部を回転させる回転部を有することで、排出部において異なる複数方向に向けて排出させる冷却媒体は、濾過槽内のより広範囲に亘って広がるため、濾過材料のより広範囲に亘って冷却媒体が通過し、この冷却媒体に含まれるスラッジが濾過材料のより広範囲に亘って捕捉される。この結果、濾過材料の局部的なスラッジの堆積を防止する効果を顕著に得ることができる。
【0010】
また、本発明の冷却媒体濾過装置は、前記回転部による前記排出部の回転方向とは逆方向に前記排出口を向けることを特徴とする。
【0011】
この冷却媒体濾過装置によれば、回転方向と逆方向に冷却媒体が排出されるため、その排出速度が低下することになる。この結果、冷却媒体が緩やかに排出されるので、濾過槽内で冷却媒体が泡立つことを抑制することができる。
【0012】
また、本発明の冷却媒体濾過装置は、前記排出部を回転させる方向に前記排出口を向けることを特徴とする。
【0013】
この冷却媒体濾過装置によれば、排出部からの冷却媒体の排出によって、駆動源や回転動力を伝達する機構を有さなくても排出部を回転可能に支持する回転支持部により排出部自身が回転する。このため、排出部において異なる複数方向に向けて排出させる冷却媒体は、コンベアタンク内のより広範囲に亘って広がるため、濾過材料のより広範囲に亘って冷却媒体が通過し、この冷却媒体に含まれるスラッジが濾過材料のより広範囲に亘って捕捉される。この結果、濾過材料の局部的なスラッジの堆積を防止する効果を顕著に得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、濾過材料の局部的なスラッジの堆積を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る冷却媒体濾過装置が適用される工作機械の一例を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す工作機械における砥石とワークの配置を説明する説明図である。
【図3】図3は、図1に示す工作機械における冷却システムの一例を説明する説明図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係る冷却媒体濾過装置を示す側断面図である。
【図5】図5は、図4におけるA−A断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態に係る冷却媒体濾過装置の他の形態を示す側断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態に係る冷却媒体濾過装置の他の形態を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る冷却媒体濾過装置が適用される工作機械の一例を示す斜視図であり、図2は、図1に示す工作機械における砥石とワークの配置を説明する説明図である。
【0018】
本実施の形態に係る工作機械である歯車研削盤100は、砥石3表面の研削歯が被加工物であるワークWと噛み合うことにより、歯車研削を行う研削装置である。図1に示すように、本実施の形態の歯車研削盤100は、ベッド1と、コラム2と、砥石3と、ワークテーブル4と、カウンタコラム5と、クーラントノズル9とを含んでいる。なお、本実施の形態では、工作機械として歯車研削盤100を例示するが、後述する冷却媒体(クーラント)を扱う他の工作機械についても適用できる。
【0019】
ベッド1は、歯車研削盤100のベース部(台座)となっており、その上にコラム2と、ワークテーブル4と、カウンタコラム5とが配置されている。コラム2は、砥石3を支持するもので、当該砥石3の位置を変えるためにベッド1に対してX方向にスライド移動可能に設けられている。
【0020】
また、コラム2は、垂直スライド11と、旋回ヘッド12と、研削スライダ13とを有している。垂直スライド11は、コラム2に対して砥石3をZ方向へスライド移動させる。旋回ヘッド12は、コラム2に対して砥石3をR方向へ旋回させる。研削スライダ13は、コラム2に対して砥石3をY方向へスライド移動させる。研削スライダ13は、研削スピンドル14を支持している。この研削スピンドル14は、砥石3を回転駆動させるモータなどの駆動源である。
【0021】
砥石3は、図2に示すように、砥石3の表面に所望の歯車に対応する研削歯が形成されている。研削スピンドル14の回転駆動により、砥石3は砥石回転中心軸3aを中心に回転する。
【0022】
ワークテーブル4は、上面に被加工物であるワークWを搭載可能な平面を有し、ベッド1上で回転方向Cに回転可能に設けられた回転テーブルである。
【0023】
カウンタコラム5は、ワークテーブル4上のワークWをその上方から押さえる機能を有する。図1に示すように、カウンタコラム5は、ベッド1に固定の基部5a上に、旋回リング6を介して設けられている。旋回リング6は、輪状に形成され、駆動手段によりB方向に旋回する。旋回リング6は、ワークWを保持可能な保持部である一対のグリッパ7、8と、ドレッシング装置10とが設けられている。
【0024】
一対のグリッパ7、8は、軸Oを基に対称の位置に設けられており、開閉する一対のホーク7a、8aにより、ワークWをその両側から挟み把持する。グリッパ7、8は、ワークWを下からすくい上げる機構や、磁力や吸着機構の保持手段でもよい。グリッパ7、8は、旋回リング6の旋回に伴って旋回し、これによりグリッパ7、8に把持されたワークWはワークテーブル4に搬入または搬出される。また、ドレッシング装置10は、グリッパ7、8の間に配置され、ドレッシング工具10aにより砥石3をドレッシングする。このドレッシング装置10も、旋回リング6の旋回に伴って旋回する。
【0025】
クーラントノズル9は、例えば、旋回ヘッド12に設けられ、砥石3の研削中、研削油などのクーラント(冷却媒体)を研削部位上方より吐出させる。クーラントは、冷却媒体としてベッド1の熱を奪って冷却することでベッド1の熱変形を防止する。また、クーラントは、研削屑の排除も担っている。
【0026】
図3は、図1に示す工作機械における冷却システムの一例を説明する説明図である。冷却システム200は、上述した工作機械である歯車研削盤100と、数値制御装置20と、クーラントノズル9から吐出する研削油などの冷却媒体(クーラント)iが循環する循環経路をなす媒体流路Q1、媒体流路Q2、媒体流路Q3および媒体流路Q4と、冷却媒体を循環させるためのポンプ31、ポンプ32およびポンプ33と、ダーティタンク21と、コンベアタンク(濾過槽)22と、温度計43と、温度計44とを含む。
【0027】
媒体流路Q1、媒体流路Q2、媒体流路Q3、および媒体流路Q4は、冷却媒体が通過する配管である。媒体流路Q1は、歯車研削盤100とダーティタンク21とを接続する。媒体流路Q2は、ダーティタンク21とコンベアタンク22とを接続する。媒体流路Q3は、コンベアタンク22と冷却タンク24とを接続する。媒体流路Q4は、冷却タンク24と歯車研削盤100のクーラントノズル9とを接続する。また、ポンプ31は、媒体流路Q2に設けられている。ポンプ32は、媒体流路Q3に設けられている。ポンプ33は、媒体流路Q4に設けられている。そして、数値制御装置20は、制御ラインP1、制御ラインP2および制御ラインP3を介して、ポンプ31、ポンプ32およびポンプ33を駆動し、これにより媒体流路Q1、媒体流路Q2、媒体流路Q3、および媒体流路Q4中の冷却媒体を循環させる。
【0028】
ダーティタンク21は、冷却媒体iが含む気泡を軽減し、冷却媒体iが含むスラッジ(泥状物)を沈殿させる。このため、ダーティタンク21内の冷却媒体i1は、媒体流路Q1から流入する冷却媒体iよりも気泡またはスラッジが低減された状態となる。そして、ポンプ31が媒体流路Q2を介して、ダーティタンク21内の冷却媒体i1をコンベアタンク22へ移送する。
【0029】
コンベアタンク22は、本実施の形態の冷却媒体濾過装置を構成するもので、冷却媒体を貯留させる濾過槽をなす。このコンベアタンク22は、その内部に濾過材料23を有している。濾過材料23は、コンベアタンク22内を上下に仕切るようにして冷却媒体に混在するスラッジを取り除くもので、例えば、濾紙、合成繊維、金属網(金属フィルタ)などを用いることができる。また、コンベアタンク22は、濾過材料23を間においた上流側(上側)に媒体流路Q2が接続され、濾過材料23を間においた下流側(下側)に媒体流路Q3が接続されている。このため、冷却媒体i2は、濾過材料23を通過することにより、スラッジを取り除かれた冷却媒体i3となる。そして、ポンプ32が媒体流路Q3を介して、コンベアタンク22内の冷却媒体i3を冷却タンク24へ移送する。なお、濾過材料23は、例えば、両端がロール状に巻かれており、コンベアタンク22内を上下に仕切るようにして冷却媒体に混在するスラッジを取り除く形態を維持しつつ、スラッジを取り除いて目詰まりしたものを、新規なものに交換することが可能である。
【0030】
冷却タンク24は、媒体流路Q3を介して移送されてきた冷却媒体i4の温度を下げるための流路に、第1のチラー装置41および第2のチラー装置42が配置されている。第1のチラー装置41および第2のチラー装置42は、水冷式熱交換機や空冷式熱交換機などからなる熱交換部41aおよび熱交換部42aにより冷却媒体i4の熱を奪う。このため、第1のチラー装置41および第2のチラー装置42は、その少なくとも1つで冷却媒体i4の温度を下げる。すなわち、冷却タンク24内の上流側の冷却媒体i4は、下流側の冷却媒体i5より温度が高い状態となる。そして、冷却タンク24は、上流側の冷却媒体i4よりも温度を低下させた下流側の冷却媒体i5を媒体流路Q4へ流通させることができる。そして、ポンプ33が媒体流路Q4を介して、冷却タンク24内の冷却媒体i5をクーラントノズル9へ移送する。そして、数値制御装置20は、信号ラインc1を介して第1のチラー装置41の運転状況を制御する。また、数値制御装置20は、信号ラインc2を介して第2のチラー装置42の稼働を制御する。
【0031】
温度計43は、工作機械の基準温度を計測する基準温度計測手段であり、本実施の形態では、ベッド1の温度情報Tbを計測する。温度計44は、冷却タンク24内の温度を計測する制御温度計測手段であり、本実施の形態では、下流側の冷却媒体i5の温度情報Tcを計測する。そして、数値制御装置20は、信号ラインt1を介して、温度計43の温度情報Tbを取得する。また、数値制御装置20は、信号ラインt2を介して、温度計44の温度情報Tcを取得する。温度情報Tcは、歯車研削盤100を冷却する冷却媒体iの温度により近い温度である。
【0032】
図4は、本実施の形態に係る冷却媒体濾過装置を示す側断面図であり、図5は、図4におけるA−A断面図である。
【0033】
図4および図5に示すように、冷却媒体濾過装置は、排出部50を有している。排出部50は、媒体流路Q2に接続され、コンベアタンク22内の濾過材料23を間においた上流側(上側)にて、コンベアタンク22に貯留される冷却媒体i2に浸されるように配置されている。排出部50は、冷却媒体i2に浸される部分が、媒体流路Q2に接続される管路よりも内径が大きくされた大径部50aを有している。そして、大径部50aは、排出口50bが設けられている。排出口50bは、異なる複数方向に向けて開口して設けられている。具体的に、媒体流路Q2に接続される排出部50の管路は、コンベアタンク22の上方からほぼ垂直に延在して、コンベアタンク22に貯留される冷却媒体i2に浸されるように配置されている。大径部50aは、この排出部の管路の下端に設けられている。本実施の形態の大径部50aは、円筒状の管路に対して横長の長方形状に形成されることで、管路よりも内径が大きくされる。また、排出口50bは、長方形状の長手方向に沿って、大径部50aの両側および底に形成されている。このため、媒体流路Q2を介して移送される冷却媒体i2は、排出部50を経てコンベアタンク22に貯留される冷却媒体i2内に送られ、大径部50aで流れを緩やかにされてコンベアタンク22内で冷却媒体i2が泡立つことを抑制されつつ、各排出口50bから異なる複数の方向に排出される。
【0034】
このように、本実施の形態の冷却媒体濾過装置は、コンベアタンク(濾過槽)22に貯留される冷却媒体i2に浸された状態で冷却媒体を排出する排出部50が、異なる複数方向に向けて排出口50bを有している。
【0035】
この冷却媒体濾過装置によれば、排出部50において冷却媒体i2を異なる複数方向に向けて排出させため、冷却媒体i2は、コンベアタンク22内の広範囲に亘って広がる。すなわち、濾過材料23の広範囲に亘って冷却媒体i2が通過し、この冷却媒体i2に含まれるスラッジが濾過材料23の広範囲に亘って捕捉される。この結果、濾過材料23の局部的なスラッジの堆積を防止することが可能になる。
【0036】
図6は、本実施の形態に係る冷却媒体濾過装置の他の形態を示す側断面図である。図6に示すように、冷却媒体濾過装置は、排出部50を回転させる回転部51を有している。回転部51は、コンベアタンク22に対して排出部50の円筒状の基部50cを回転可能に支持する回転支持部51aを有する。また、回転部51は、基部50cの外周に固定された従動歯車51bと、この従動歯車51bに噛合する駆動歯車51dが出力軸に固定された駆動源としてのモータ51cとを有する。なお、図には明示しないが、従動歯車51bと駆動歯車51dとの間に、減速歯車が設けられる。
【0037】
すなわち、回転部51は、モータ51cが駆動されることで、駆動歯車51dから従動歯車51bに回転動力が伝達され、基部50cを自身の中心軸Sを中心に回転させる。このため、排出部50の大径部50aは、中心軸Sを中心に回転する。
【0038】
このように本実施の形態の冷却媒体濾過装置によれば、排出部50を回転させる回転部51を有することで、排出部50において異なる複数方向に向けて排出させる冷却媒体i2は、コンベアタンク22内のより広範囲に亘って広がるため、濾過材料23のより広範囲に亘って冷却媒体i2が通過し、この冷却媒体i2に含まれるスラッジが濾過材料23のより広範囲に亘って捕捉される。この結果、濾過材料23の局部的なスラッジの堆積を防止する効果を顕著に得ることが可能になる。
【0039】
なお、本実施の形態の冷却媒体濾過装置は、回転の中心軸Sを垂直に配置した例を示しているが、中心軸Sを斜めに配置したり、水平に配置したりしてもよい。
【0040】
図7は、本実施の形態に係る冷却媒体濾過装置の他の形態を示す側断面図である。図7に示すように、冷却媒体濾過装置は、上述した回転部51を有した構成において、排出部50の回転方向とは逆方向に排出口50bを向けている。
【0041】
この冷却媒体濾過装置によれば、回転方向と逆方向に冷却媒体i2が排出されるため、その排出速度が低下することになる。このため、冷却媒体i2が緩やかに排出されるので、コンベアタンク22内で冷却媒体i2が泡立つことを抑制することが可能になる。この結果、コンベアタンク22の外部に濾過された冷却媒体i3を移送させるポンプ32に、吸引力の高い特殊なポンプを適用する必要がなくなり、製造コストを低減することが可能になる。
【0042】
また、図7に示す冷却媒体濾過装置は、回転部51として回転支持部51aのみを有する構成とする。そして、排出部50を回転させる方向に排出口50bを向ける。この冷却媒体濾過装置によれば、排出部50からの冷却媒体i2の排出によって、駆動源や回転動力を伝達する機構を有さなくても排出部50を回転可能に支持する回転支持部51aにより排出部50自身が回転する。このため、排出部50において異なる複数方向に向けて排出させる冷却媒体i2は、コンベアタンク22内のより広範囲に亘って広がるため、濾過材料23のより広範囲に亘って冷却媒体i2が通過し、この冷却媒体i2に含まれるスラッジが濾過材料23のより広範囲に亘って捕捉される。この結果、濾過材料23の局部的なスラッジの堆積を防止する効果を顕著に得ることが可能になる。
【符号の説明】
【0043】
22 コンベアタンク(濾過槽)
23 濾過材料
50 排出部
50a 大径部
50b 排出口
50c 基部
51 回転部
51a 回転支持部
51b 従動歯車
51c モータ
51d 駆動歯車
i,i1,i2,i3,i4,i5 冷却媒体
S 中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却媒体を循環させる循環経路に設けられ、前記冷却媒体を貯留させる濾過槽と、前記濾過槽内にて前記冷却媒体に混在するスラッジを取り除く濾過材料とを有する冷却媒体濾過装置において、
前記濾過槽に貯留される前記冷却媒体に浸された状態で前記冷却媒体を排出する排出部が、異なる複数方向に向けて排出口を有することを特徴とする冷却媒体濾過装置。
【請求項2】
前記排出部を回転させる回転部を有することを特徴とする請求項1に記載の冷却媒体濾過装置。
【請求項3】
前記回転部による前記排出部の回転方向とは逆方向に前記排出口を向けることを特徴とする請求項2に記載の冷却媒体濾過装置。
【請求項4】
前記排出部を回転させる方向に前記排出口を向けることを特徴とする請求項2に記載の冷却媒体濾過装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−103323(P2013−103323A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250951(P2011−250951)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】