冷却装置
【課題】 ヒートシンクの冷却フィンにルーバーを切り起こし形成しなくても、冷却風を強制的に前記ベース部の下面に吹き付けるようにした冷却装置を提供する。
【解決手段】
冷却装置1は、発熱体2を搭載するベース部3の一面に複数の冷却フィン4を平行に設けたヒートシンク5と、前記冷却フィン4間に配置されたルーバー6と、前記ヒートシンク5およびルーバー6を内蔵した筐体7と、を備えている。前記ルーバー6は、筐体7に設けられている。前記ルーバー6に、前記冷却フィン4間を流れる冷却風13の一部を前記ベース部3側および前記冷却フィン4側に向けて流すガイド部12を設けた。
【解決手段】
冷却装置1は、発熱体2を搭載するベース部3の一面に複数の冷却フィン4を平行に設けたヒートシンク5と、前記冷却フィン4間に配置されたルーバー6と、前記ヒートシンク5およびルーバー6を内蔵した筐体7と、を備えている。前記ルーバー6は、筐体7に設けられている。前記ルーバー6に、前記冷却フィン4間を流れる冷却風13の一部を前記ベース部3側および前記冷却フィン4側に向けて流すガイド部12を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータのCPU(中央演算装置)のような発熱体を冷却するヒートシンクを備えた冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図13に示すように、前記ヒートシンク101は、発熱体102を搭載したベース部103の一面に複数の冷却フィン104…104を平行に設けることにより構成されている。そして、前記冷却フィン104,104の間に冷却風105を流すことにより前記発熱体102を冷却するようになっている。なお、106は前記ヒートシンク101を設けた筐体である。
【0003】
ところで、上記従来のヒートシンク101にあっては、図14に示すように、前記冷却フィン104,104の間を流れる冷却風105の大部分は、温度の高いヒートシンク101のベース部103に触れずに外部に流れ出てしまうため冷却効率が悪いと言う問題点がある。
【0004】
そこで、上記問題点を解決するために、図15に示すように、前記冷却フィン104にルーバー(風向変更板)107…107を設け、これらルーバー107…107により冷却風105を強制的に前記ベース部103の下面に吹き付けるようにした冷却装置が開発されている。前記ルーバー107…107は、図16に示すように、前記冷却フィン104,104の一部に四角形のうちの3辺分の略コ字状の切り込み108を入れ、残る一辺109を軸にして切り起こすことにより形成されている(例えば特許文献1の段落0010、段落0011等)
【特許文献1】特開2001−118978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特開2001−118978号公報のヒートシンクにあっては、前述したように、前記冷却フィンの一部を切り起こして、前記ルーバーを形成していたために、次に述べるような問題点があった。
(1)ルーバーを製作するのに手間が掛かり、ヒートシンクのコストが高くなってしまう。
(2)ルーバーを切り起こしにより形成しているために、一旦、ルーバーを形成してしまうと、その傾斜角度を変更することができない。(ベース部上に取付ける発熱体の位置によってルーバーの傾斜角度を変えたい場合がある)。
【0006】
本発明の目的は、ヒートシンクの冷却フィンにルーバーを切り起こし形成しなくても、冷却風を強制的に前記ベース部の下面に吹き付けるようにした冷却装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、ルーバーの傾斜角度を容易に変更することのできる冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、発熱体を搭載するベース部の一面に複数の冷却フィンを平行に設けたヒートシンクと、前記冷却フィン間に配置されたルーバーと、前記ヒートシンクおよびルーバーを内蔵した筐体と、を備えた冷却装置において、前記ルーバーを、筐体側に設けると共に、前記ルーバーに、前記冷却フィン間を流れる冷却風の一部を前記ベース部側に向けて流すガイド部を設けた。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の冷却装置において、前記冷却風の一部を前記ベース部に搭載した発熱体の略真下に当てる位置に前記ルーバーを配置した。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1の冷却装置において、前記ルーバーに、前記冷却フィン間を流れる冷却風の一部を前記冷却フィン側に向けて流すガイド部を設けた。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1の冷却装置において、前記ルーバーに、前記冷却フィン間を流れる冷却風の一部を前記ベース部側および前記冷却フィン側の双方に向けて流すガイド部を設けた。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1の冷却装置において、前記ルーバーのガイド部の主面を前記冷却フィンの主面と対向させて配置した。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1の冷却装置において、前記ルーバーを、ルーバー支持基板に設け、該ルーバー支持基板を、前記ルーバーを前記冷却フィン間に位置させた状態で前記ヒートシンクに取付けた。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1の冷却装置において、前記ルーバーを、冷却風の中に複数個配置した。
【発明の効果】
【0015】
(1)請求項1の冷却装置は、前記ルーバーを、筐体側に設けたので、前記ルーバーを、ヒートシンクに設ける必要性がなくなる。従ってヒートシンクを押出し成形等によって形成することができる。また、ルーバーも射出成形やダイカスト、板金加工等によって形成することができ、ヒートシンクに設ける場合に比べて製造コストを安価にすることが可能になる。また、前記ルーバーに、前記冷却風の一部を前記ベース部側に向けて流すガイド部を設けたので、該ガイド部によって冷却風の一部を強制的に前記ベース部に当てて、該ベース部を効果的に冷却することができる。
(2)請求項2の冷却装置は、前記冷却風の一部を前記ベース部に搭載した発熱体の略真下に当てる位置に前記ルーバーを配置したので、前記発熱体をより効果的に冷却することができる。
(3)請求項3の冷却装置は、前記ルーバーに、前記冷却フィン間を流れる冷却風の一部を前記冷却フィン側に向けて流すガイド部を設けたので、該ガイド部によって冷却風を強制的に冷却フィンに当てることができる。
(4)請求項4の冷却装置は、前記ルーバーに、前記冷却フィン間を流れる冷却風の一部を前記冷却フィン側および前記冷却フィン側の双方に向けて流すガイド部を設けたので、両ガイド部によって、ベース部と冷却フィンの双方を効果的に冷却することができる。
(5)請求項5の冷却装置は、、前記ルーバーのガイド部の主面を前記冷却フィンの主面と対向させて配置したので、前記冷却フィン間の隙間が狭い場合でもガイド部を配置することが可能になる。
(6)請求項6の冷却装置は、前記ルーバーを、ルーバー支持基板に設け、該ルーバー支持基板を、前記ルーバーを前記冷却フィン間に位置させた状態で前記ヒートシンクに取付けたので、筐体に直接、ルーバーを設ける場合に比べて、ルーバーの製造が容易になる。また、ルーバー支持基板をヒートシンクに取付けることにより、ヒートシンクと一体化することができる。
(7)請求項7の冷却装置は、前記ルーバーを、前記ルーバーを、冷却風の中に複数個配置したので、そのぶん冷却風のガイド効果を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は本発明の第1実施例の冷却装置1を示す略示的説明図である。冷却装置1は、発熱体2を搭載するベース部3の一面に複数の冷却フィン4…4を平行に設けたヒートシンク5と、前記冷却フィン4,4間に配置されたルーバー6と、前記ヒートシンク5およびルーバー6を内蔵した筐体7と、を備えている。前記ルーバー6は、筐体7に設けられている。前記ヒートシンク5の冷却フィン4,4間には、隙間Dが設定されている。
【0017】
図2に示すように、前記ルーバー6は、筐体7に取付けるための固定部11と、該固定部11の一側部に連設された複数のガイド部12と、を備えている。前記ガイド部12は、所定の幅W、高さH、肉厚Tに形成されている。前記ガイド部12の幅Wは、前記冷却フィン4,4間の隙間Dよりも小(W<D)に形成されている。また、前記ガイド部12は、前記固定部11に対して所定の傾斜角度θ、例えば120°に傾斜している。前記ルーバー6は、金属板を略コ字状に打ち抜いた後に対向する一対の辺の根元を所定の傾斜角度に折り曲げることにより形成されている。
【0018】
前記ルーバー6は、前記ガイド部12の幅W方向を前記冷却フィン4の長さ方向に直交させた状態で前記固定部11を介して前記筐体7の内面に取付けられている。なお、
上記実施例ではルーバー6は、1個のベース部11に対して2個のガイド部12を設けた場合を示したが、1個のベース部11に対して3個以上のガイド部12を設けても良い。
【0019】
第1実施例の冷却装置1は、上述のような構成であるから、前記冷却フィン4,4間に流入した冷却風13は、前記ガイド部12の主面であるガイド部12aに当たり、該ガイド部12aによって冷却風の一部は、強制的に前記ヒートシンク5のベース部3に当てられて、該ベース部3を効果的に冷却するのである。
【0020】
図3は本発明の第2実施例の冷却装置1を示す。この実施例は、前記冷却風13の一部を前記ベース部3上に搭載した発熱体2の略真下に当てる位置に前記ルーバー6を配置した場合を示す。前記ルーバー6を配置する位置は、前記ガイド部12の傾斜角度θ等を勘案して決定される。この実施例においては、冷却風13は、発熱体2の略真下のベース部3下面に当たるので、発熱体2の冷却効果が向上する。
【0021】
図4は本発明の第3実施例の冷却装置1を示す略示的説明図である。この実施例は、前記ルーバー6に、前記冷却フィン4,4間を流れる冷却風13の一部を前記冷却フィン4側に向けて流すガイド部を設けた場合を示す。
【0022】
この実施例において、前記ルーバー6は、図5に示すように、矩形状の固定部21と、該固定部21の長さ方向の両端部に設けられた一対のガイド部22を備えている。前記ルーバー6は、長方形状の金属板の長さ方向の両端部を同方向に略直角に折り曲げることにより形成されている。そして、図4(B)に示すように、冷却風13の流れる方向に対して、前記一対のガイド部22を所定の角度θに傾斜させた状態で前記固定部21が前記筐体7の内面に取付けられている。
【0023】
第3実施例の冷却装置1は、上述のような構成であるから、前記ガイド部22に当たった冷却風13は、その向きを変えられて強制的に冷却フィン4に当てられて、該冷却フィン4を効果的に冷却する。他の構成は基本となる第1実施例と同じであるので重複する説明は省略する。
【0024】
図6は本発明の第4実施例の冷却装置1を示す略示的説明図である。この実施例は、前記ルーバー6に、前記冷却フィン4,4間を流れる冷却風の一部をベース部3側および冷却フィン4側の両方に向けて流す場合を示す。この実施例は、図2に示したルーバー6を使用して、図6(A)に示すように前記一対のガイド部12を冷却フィン4に向けて所定の傾斜角度θで傾斜させて取り付けることにより構成されている。
【0025】
第4実施例の冷却装置1は、上述のような構成であるから、前記ガイド部12に当たった冷却風13は、前記ヒートシンク5のベース部3に向かうものと、前記ヒートシンク5の冷却フィン4側に向かうものとに分かれ、両者が効果的に冷却される。なお、図7に示すように、前記ガイド部12を、前記ベース部11に対して所定の傾斜角度θの捻りを加えた状態で形成することにより、図8に示すように、前記一対のガイド部12を冷却フィン4と平行に配置した場合、換言すれば前記ベース部11の長手方向を冷却フィン4に対し直交する方向に配置した場合でも、前記ガイド部12に当たった冷却風13が前記ヒートシンク5のベース部3と冷却フィン4の双方に当たるようにしても良い。
【0026】
図9は本発明の第5実施例の冷却装置1を示す略示的説明図である。この実施例は、前記ルーバー6により冷却フィン4,4間に乱流を発生させ、該乱流により冷却風を前記ベース部3と冷却フィン4の双方に当てるようにした場合を示す。
【0027】
この実施例は、図5に示した前記第3実施例に示すルーバー6のガイド部22の主面を前記冷却フィン3の内面に対向させて配置した場合、換言すれば前記ガイド部22を前記冷却フィン3と平行に配置した場合を示す。この実施例において、前記冷却フィン4,4間の隙間Dに対して前記ガイド部22の占める割合は、該ガイド部22の肉厚Tになるので、前記冷却フィン4,4間の隙間Dが狭い場合でも前記ガイド部22を配置することが可能になる。そして、前記冷却フィン4,4間に配置したガイド部22の存在によって、前記冷却フィン4,4間に乱流が発生し、該乱流によって冷却風がベース部3と冷却フィン4の双方に当たって冷却効果を向上させる。なお、図10に示すように、前記ガイド部22を波形等に湾曲させると平板状のガイド部よりも乱流を発生させる効果が向上する。
【0028】
図11は本発明の第6実施例の冷却装置1を示す略示的説明図である。この実施例は、前記ルーバー6を、ルーバー支持基板31に設け、該ルーバー支持基板31を、前記冷却フィン4,4間に位置させた状態で前記ヒートシンク5に取付けた場合を示す。この実施例によれば、筐体7に直接、ルーバー6を設ける必要がなくなるとともに、ルーバー支持基板31をヒートシンク5に取付けることにより、ヒートシンク5と一体化することができるという効果がある。その他の構成は前記第1〜第5実施例の場合と同じであるので重複する説明は省略する。
【0029】
図12は本発明の第7実施例の冷却装置1を示す略示的説明図である。この実施例は、前記第1〜第5実施例において、冷却風の流れの中に複数個のルーバー6を配置した場合を示す。この実施例によれば、ルーバー6によりベース部等に吹き付けられる冷却風の量がを増し、そのぶん冷却効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(A)本発明の第1実施例の要部の略示的正面図、(B)本発明の第1実施例の要部の略示的側面図。
【図2】ルーバーの斜視図。
【図3】本発明の第2実施例の要部の略示的側面図。
【図4】(A)本発明の第3実施例の要部の略示的正面図、(B)本発明の第3実施例の要部の略示的側面図。
【図5】ルーバーの斜視図。
【図6】(A)本発明の第4実施例の要部の略示的平面図、(B)本発明の第4実施例の要部の略示的正面図。
【図7】ルーバーの第1の変形例の斜視図。
【図8】第1の変形例のルーバーの使用状態の平面図。
【図9】(A)本発明の第5実施例の要部の略示的平面図、(B)本発明の第4実施例の要部の略示的正面図。
【図10】ルーバーの変形例の平面図。
【図11】本発明の第6実施例の要部の略示的正面図。
【図12】本発明の第7実施例の要部の略示的正面図。
【図13】従来のヒートシンクの斜視図。
【図14】従来のヒートシンクの問題点を示す説明図。
【図15】他の従来のヒートシンクの斜視図。
【図16】(A)と(B)は、ルーバーの形成方法を示す説明図。
【符号の説明】
【0031】
1…冷却装置
2…発熱体
3…ベース部
4…冷却フィン
5…ヒートシンク
6…ルーバー
7…筐体
11,21…固定部
12,22…ガイド部
31…ルーバー支持基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータのCPU(中央演算装置)のような発熱体を冷却するヒートシンクを備えた冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図13に示すように、前記ヒートシンク101は、発熱体102を搭載したベース部103の一面に複数の冷却フィン104…104を平行に設けることにより構成されている。そして、前記冷却フィン104,104の間に冷却風105を流すことにより前記発熱体102を冷却するようになっている。なお、106は前記ヒートシンク101を設けた筐体である。
【0003】
ところで、上記従来のヒートシンク101にあっては、図14に示すように、前記冷却フィン104,104の間を流れる冷却風105の大部分は、温度の高いヒートシンク101のベース部103に触れずに外部に流れ出てしまうため冷却効率が悪いと言う問題点がある。
【0004】
そこで、上記問題点を解決するために、図15に示すように、前記冷却フィン104にルーバー(風向変更板)107…107を設け、これらルーバー107…107により冷却風105を強制的に前記ベース部103の下面に吹き付けるようにした冷却装置が開発されている。前記ルーバー107…107は、図16に示すように、前記冷却フィン104,104の一部に四角形のうちの3辺分の略コ字状の切り込み108を入れ、残る一辺109を軸にして切り起こすことにより形成されている(例えば特許文献1の段落0010、段落0011等)
【特許文献1】特開2001−118978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特開2001−118978号公報のヒートシンクにあっては、前述したように、前記冷却フィンの一部を切り起こして、前記ルーバーを形成していたために、次に述べるような問題点があった。
(1)ルーバーを製作するのに手間が掛かり、ヒートシンクのコストが高くなってしまう。
(2)ルーバーを切り起こしにより形成しているために、一旦、ルーバーを形成してしまうと、その傾斜角度を変更することができない。(ベース部上に取付ける発熱体の位置によってルーバーの傾斜角度を変えたい場合がある)。
【0006】
本発明の目的は、ヒートシンクの冷却フィンにルーバーを切り起こし形成しなくても、冷却風を強制的に前記ベース部の下面に吹き付けるようにした冷却装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、ルーバーの傾斜角度を容易に変更することのできる冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、発熱体を搭載するベース部の一面に複数の冷却フィンを平行に設けたヒートシンクと、前記冷却フィン間に配置されたルーバーと、前記ヒートシンクおよびルーバーを内蔵した筐体と、を備えた冷却装置において、前記ルーバーを、筐体側に設けると共に、前記ルーバーに、前記冷却フィン間を流れる冷却風の一部を前記ベース部側に向けて流すガイド部を設けた。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の冷却装置において、前記冷却風の一部を前記ベース部に搭載した発熱体の略真下に当てる位置に前記ルーバーを配置した。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1の冷却装置において、前記ルーバーに、前記冷却フィン間を流れる冷却風の一部を前記冷却フィン側に向けて流すガイド部を設けた。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1の冷却装置において、前記ルーバーに、前記冷却フィン間を流れる冷却風の一部を前記ベース部側および前記冷却フィン側の双方に向けて流すガイド部を設けた。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1の冷却装置において、前記ルーバーのガイド部の主面を前記冷却フィンの主面と対向させて配置した。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1の冷却装置において、前記ルーバーを、ルーバー支持基板に設け、該ルーバー支持基板を、前記ルーバーを前記冷却フィン間に位置させた状態で前記ヒートシンクに取付けた。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1の冷却装置において、前記ルーバーを、冷却風の中に複数個配置した。
【発明の効果】
【0015】
(1)請求項1の冷却装置は、前記ルーバーを、筐体側に設けたので、前記ルーバーを、ヒートシンクに設ける必要性がなくなる。従ってヒートシンクを押出し成形等によって形成することができる。また、ルーバーも射出成形やダイカスト、板金加工等によって形成することができ、ヒートシンクに設ける場合に比べて製造コストを安価にすることが可能になる。また、前記ルーバーに、前記冷却風の一部を前記ベース部側に向けて流すガイド部を設けたので、該ガイド部によって冷却風の一部を強制的に前記ベース部に当てて、該ベース部を効果的に冷却することができる。
(2)請求項2の冷却装置は、前記冷却風の一部を前記ベース部に搭載した発熱体の略真下に当てる位置に前記ルーバーを配置したので、前記発熱体をより効果的に冷却することができる。
(3)請求項3の冷却装置は、前記ルーバーに、前記冷却フィン間を流れる冷却風の一部を前記冷却フィン側に向けて流すガイド部を設けたので、該ガイド部によって冷却風を強制的に冷却フィンに当てることができる。
(4)請求項4の冷却装置は、前記ルーバーに、前記冷却フィン間を流れる冷却風の一部を前記冷却フィン側および前記冷却フィン側の双方に向けて流すガイド部を設けたので、両ガイド部によって、ベース部と冷却フィンの双方を効果的に冷却することができる。
(5)請求項5の冷却装置は、、前記ルーバーのガイド部の主面を前記冷却フィンの主面と対向させて配置したので、前記冷却フィン間の隙間が狭い場合でもガイド部を配置することが可能になる。
(6)請求項6の冷却装置は、前記ルーバーを、ルーバー支持基板に設け、該ルーバー支持基板を、前記ルーバーを前記冷却フィン間に位置させた状態で前記ヒートシンクに取付けたので、筐体に直接、ルーバーを設ける場合に比べて、ルーバーの製造が容易になる。また、ルーバー支持基板をヒートシンクに取付けることにより、ヒートシンクと一体化することができる。
(7)請求項7の冷却装置は、前記ルーバーを、前記ルーバーを、冷却風の中に複数個配置したので、そのぶん冷却風のガイド効果を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は本発明の第1実施例の冷却装置1を示す略示的説明図である。冷却装置1は、発熱体2を搭載するベース部3の一面に複数の冷却フィン4…4を平行に設けたヒートシンク5と、前記冷却フィン4,4間に配置されたルーバー6と、前記ヒートシンク5およびルーバー6を内蔵した筐体7と、を備えている。前記ルーバー6は、筐体7に設けられている。前記ヒートシンク5の冷却フィン4,4間には、隙間Dが設定されている。
【0017】
図2に示すように、前記ルーバー6は、筐体7に取付けるための固定部11と、該固定部11の一側部に連設された複数のガイド部12と、を備えている。前記ガイド部12は、所定の幅W、高さH、肉厚Tに形成されている。前記ガイド部12の幅Wは、前記冷却フィン4,4間の隙間Dよりも小(W<D)に形成されている。また、前記ガイド部12は、前記固定部11に対して所定の傾斜角度θ、例えば120°に傾斜している。前記ルーバー6は、金属板を略コ字状に打ち抜いた後に対向する一対の辺の根元を所定の傾斜角度に折り曲げることにより形成されている。
【0018】
前記ルーバー6は、前記ガイド部12の幅W方向を前記冷却フィン4の長さ方向に直交させた状態で前記固定部11を介して前記筐体7の内面に取付けられている。なお、
上記実施例ではルーバー6は、1個のベース部11に対して2個のガイド部12を設けた場合を示したが、1個のベース部11に対して3個以上のガイド部12を設けても良い。
【0019】
第1実施例の冷却装置1は、上述のような構成であるから、前記冷却フィン4,4間に流入した冷却風13は、前記ガイド部12の主面であるガイド部12aに当たり、該ガイド部12aによって冷却風の一部は、強制的に前記ヒートシンク5のベース部3に当てられて、該ベース部3を効果的に冷却するのである。
【0020】
図3は本発明の第2実施例の冷却装置1を示す。この実施例は、前記冷却風13の一部を前記ベース部3上に搭載した発熱体2の略真下に当てる位置に前記ルーバー6を配置した場合を示す。前記ルーバー6を配置する位置は、前記ガイド部12の傾斜角度θ等を勘案して決定される。この実施例においては、冷却風13は、発熱体2の略真下のベース部3下面に当たるので、発熱体2の冷却効果が向上する。
【0021】
図4は本発明の第3実施例の冷却装置1を示す略示的説明図である。この実施例は、前記ルーバー6に、前記冷却フィン4,4間を流れる冷却風13の一部を前記冷却フィン4側に向けて流すガイド部を設けた場合を示す。
【0022】
この実施例において、前記ルーバー6は、図5に示すように、矩形状の固定部21と、該固定部21の長さ方向の両端部に設けられた一対のガイド部22を備えている。前記ルーバー6は、長方形状の金属板の長さ方向の両端部を同方向に略直角に折り曲げることにより形成されている。そして、図4(B)に示すように、冷却風13の流れる方向に対して、前記一対のガイド部22を所定の角度θに傾斜させた状態で前記固定部21が前記筐体7の内面に取付けられている。
【0023】
第3実施例の冷却装置1は、上述のような構成であるから、前記ガイド部22に当たった冷却風13は、その向きを変えられて強制的に冷却フィン4に当てられて、該冷却フィン4を効果的に冷却する。他の構成は基本となる第1実施例と同じであるので重複する説明は省略する。
【0024】
図6は本発明の第4実施例の冷却装置1を示す略示的説明図である。この実施例は、前記ルーバー6に、前記冷却フィン4,4間を流れる冷却風の一部をベース部3側および冷却フィン4側の両方に向けて流す場合を示す。この実施例は、図2に示したルーバー6を使用して、図6(A)に示すように前記一対のガイド部12を冷却フィン4に向けて所定の傾斜角度θで傾斜させて取り付けることにより構成されている。
【0025】
第4実施例の冷却装置1は、上述のような構成であるから、前記ガイド部12に当たった冷却風13は、前記ヒートシンク5のベース部3に向かうものと、前記ヒートシンク5の冷却フィン4側に向かうものとに分かれ、両者が効果的に冷却される。なお、図7に示すように、前記ガイド部12を、前記ベース部11に対して所定の傾斜角度θの捻りを加えた状態で形成することにより、図8に示すように、前記一対のガイド部12を冷却フィン4と平行に配置した場合、換言すれば前記ベース部11の長手方向を冷却フィン4に対し直交する方向に配置した場合でも、前記ガイド部12に当たった冷却風13が前記ヒートシンク5のベース部3と冷却フィン4の双方に当たるようにしても良い。
【0026】
図9は本発明の第5実施例の冷却装置1を示す略示的説明図である。この実施例は、前記ルーバー6により冷却フィン4,4間に乱流を発生させ、該乱流により冷却風を前記ベース部3と冷却フィン4の双方に当てるようにした場合を示す。
【0027】
この実施例は、図5に示した前記第3実施例に示すルーバー6のガイド部22の主面を前記冷却フィン3の内面に対向させて配置した場合、換言すれば前記ガイド部22を前記冷却フィン3と平行に配置した場合を示す。この実施例において、前記冷却フィン4,4間の隙間Dに対して前記ガイド部22の占める割合は、該ガイド部22の肉厚Tになるので、前記冷却フィン4,4間の隙間Dが狭い場合でも前記ガイド部22を配置することが可能になる。そして、前記冷却フィン4,4間に配置したガイド部22の存在によって、前記冷却フィン4,4間に乱流が発生し、該乱流によって冷却風がベース部3と冷却フィン4の双方に当たって冷却効果を向上させる。なお、図10に示すように、前記ガイド部22を波形等に湾曲させると平板状のガイド部よりも乱流を発生させる効果が向上する。
【0028】
図11は本発明の第6実施例の冷却装置1を示す略示的説明図である。この実施例は、前記ルーバー6を、ルーバー支持基板31に設け、該ルーバー支持基板31を、前記冷却フィン4,4間に位置させた状態で前記ヒートシンク5に取付けた場合を示す。この実施例によれば、筐体7に直接、ルーバー6を設ける必要がなくなるとともに、ルーバー支持基板31をヒートシンク5に取付けることにより、ヒートシンク5と一体化することができるという効果がある。その他の構成は前記第1〜第5実施例の場合と同じであるので重複する説明は省略する。
【0029】
図12は本発明の第7実施例の冷却装置1を示す略示的説明図である。この実施例は、前記第1〜第5実施例において、冷却風の流れの中に複数個のルーバー6を配置した場合を示す。この実施例によれば、ルーバー6によりベース部等に吹き付けられる冷却風の量がを増し、そのぶん冷却効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(A)本発明の第1実施例の要部の略示的正面図、(B)本発明の第1実施例の要部の略示的側面図。
【図2】ルーバーの斜視図。
【図3】本発明の第2実施例の要部の略示的側面図。
【図4】(A)本発明の第3実施例の要部の略示的正面図、(B)本発明の第3実施例の要部の略示的側面図。
【図5】ルーバーの斜視図。
【図6】(A)本発明の第4実施例の要部の略示的平面図、(B)本発明の第4実施例の要部の略示的正面図。
【図7】ルーバーの第1の変形例の斜視図。
【図8】第1の変形例のルーバーの使用状態の平面図。
【図9】(A)本発明の第5実施例の要部の略示的平面図、(B)本発明の第4実施例の要部の略示的正面図。
【図10】ルーバーの変形例の平面図。
【図11】本発明の第6実施例の要部の略示的正面図。
【図12】本発明の第7実施例の要部の略示的正面図。
【図13】従来のヒートシンクの斜視図。
【図14】従来のヒートシンクの問題点を示す説明図。
【図15】他の従来のヒートシンクの斜視図。
【図16】(A)と(B)は、ルーバーの形成方法を示す説明図。
【符号の説明】
【0031】
1…冷却装置
2…発熱体
3…ベース部
4…冷却フィン
5…ヒートシンク
6…ルーバー
7…筐体
11,21…固定部
12,22…ガイド部
31…ルーバー支持基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体を搭載するベース部の一面に複数の冷却フィンを平行に設けたヒートシンクと、前記冷却フィン間に配置されたルーバーと、前記ヒートシンクおよびルーバーを内蔵した筐体と、を備え、
前記ルーバーは、筐体側に設けられていると共に、前記冷却フィン間を流れる冷却風の一部を前記ベース部側に向けて流すガイド部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項2】
前記ルーバーは、前記冷却風の一部を前記ベース部に搭載した発熱体の略真下に当てる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記ルーバーは、前記冷却フィン間を流れる冷却風の一部を前記冷却フィン側に向けて流すガイド部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記ルーバーは、前記冷却フィン間を流れる冷却風の一部を前記ベース部側および前記冷却フィン側の双方に向けて流すガイド部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記ルーバーは、前記冷却フィン間に冷却フィンと平行に配置されていて前記冷却フィン間を流れる冷却風に乱流を発生させることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記ルーバーは、ルーバー支持基板に設けられていて、該ルーバー支持基板は、前記ルーバーを前記冷却フィン間に位置させた状態で前記ヒートシンクに取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記ルーバーは、冷却風の中に複数個配置されていることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項1】
発熱体を搭載するベース部の一面に複数の冷却フィンを平行に設けたヒートシンクと、前記冷却フィン間に配置されたルーバーと、前記ヒートシンクおよびルーバーを内蔵した筐体と、を備え、
前記ルーバーは、筐体側に設けられていると共に、前記冷却フィン間を流れる冷却風の一部を前記ベース部側に向けて流すガイド部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項2】
前記ルーバーは、前記冷却風の一部を前記ベース部に搭載した発熱体の略真下に当てる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記ルーバーは、前記冷却フィン間を流れる冷却風の一部を前記冷却フィン側に向けて流すガイド部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記ルーバーは、前記冷却フィン間を流れる冷却風の一部を前記ベース部側および前記冷却フィン側の双方に向けて流すガイド部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記ルーバーは、前記冷却フィン間に冷却フィンと平行に配置されていて前記冷却フィン間を流れる冷却風に乱流を発生させることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記ルーバーは、ルーバー支持基板に設けられていて、該ルーバー支持基板は、前記ルーバーを前記冷却フィン間に位置させた状態で前記ヒートシンクに取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記ルーバーは、冷却風の中に複数個配置されていることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−196847(P2006−196847A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−9582(P2005−9582)
【出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)
【Fターム(参考)】
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