説明

冷媒組成の制御

冷媒流の液化した部分(164)を汚染物除去カラム(162)に還流流として導入し、汚染物富化流(167)を汚染物除去カラムの塔底から取り出し、冷媒富化気相流(164)を汚染物除去カラムの塔頂から取り出し、そしてその気相流を逆ブレイトンサイクル冷媒装置に戻して導入することによって、汚染物を、逆ブレイトンサイクル冷媒装置(110〜150)の冷媒流から除去する。このカラムのリボイラー(270)の役割を、この装置によって冷却及び/又は液化されている流体(163)によって与えることができ、又は気相の輸送を、冷媒流の一部(563)又はその流体(163)によってカラムに与えることができる。本発明は、天然ガスの液化への特有の用途を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、逆ブレイトンサイクル冷媒装置での冷媒流からの汚染物の除去に関する。これは、排他的ではないが特に、窒素冷媒流を用いて天然ガスを液化するのに用いられる逆ブレイトンサイクル冷媒装置への適用性を有する。
【背景技術】
【0002】
天然ガスは、いわゆる逆ブレイトンサイクル(ガスリサイクル又は窒素リサイクルと呼ばれることもある)を用いることによって液化することができ、ここでは等エントロピーで膨張する冷媒を用いて、冷却をもたらす。天然ガス供給物は、冷却に用いる窒素冷媒流よりも通常は高い圧力である。それゆえ、天然ガスは、液化熱交換器内で窒素冷媒回路に漏出する場合がある。例えば、プレートフィン式熱交換器では、仕切板が、天然ガスを冷媒サイクルに漏出させる場合がある。巻コイル式熱交換器では、例えば、チューブが、交換器のシェル部で天然ガス流を冷媒サイクルに漏出させる場合がある。いずれの場合にも、炭化水素、特にメタンは、冷媒回路に蓄積し、これはサイクル効率を低下させる場合がある。冷却膨張器排出部で冷媒を露点付近に維持するように装置の圧力を低下させる必要があるため、サイクル効率は低下するであろう。装置の圧力は、設備に損傷をもたらす場合がある膨張器の排出部で過剰な液体を避けるために、低下させる必要がある。少量のリークでさえ、時間の経過によって蓄積することがある。例えば、冷媒として純粋な窒素を用いる利点の1つは、これが不活性であることであり、不活性冷媒流への炭化水素のリークは、この冷媒を可燃性とする場合がある。
【0003】
冷媒回路中への炭化水素のリークに対処する1つの方法は、供給ガス圧力を低下させ、そうして冷却回路へのリークを少なくし又は逆流させることを必要としていた。しかし、供給ガス圧力を低下させることは、サイクル効率を低下させていた。例えば、別個の熱交換器で液化及び過冷却を行い、リークが過冷却器で起こる場合、過冷却器に入る液化天然ガス(LNG)の圧力を、窒素圧力よりわずかに低い圧力まで低下させることによって、サイクル効率への影響なしにリークを和らげることもできる。
【0004】
比較的少量のリークに対処する他の1つの方法は、冷媒回路をパージして、そして純粋な窒素の補給を増やすことであった。圧縮機のシール及び他の損失を補うために、少量の補給を通常は必要とする。しかし、パージは、ガス状冷媒の主な成分である窒素を浪費する。パージガスを燃料と組み合わせることもできるが、このようにすることは、燃料の窒素含量を増加させ、それにより空気中に比較的多くの窒素酸化物をもたらすであろう。さらに、この窒素の補給、又は冷却サイクルに窒素を再生する性能は、浮体式用途に限られる場合がある。
【0005】
他の1つの方法は、天然ガスの液化器の使用を開示しており、ここでは等エントロピー的に膨張するガス状冷媒を用いて冷却を行い、かつ冷媒の一部を液化して、蒸留塔に還流させて、供給物の組成及び液化天然ガス生成物の内容に応じて、液化天然ガス生成物から窒素を除去していた。しかし、窒素を、ガス状冷媒からではなく液化天然ガス生成物から廃棄していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本分野では、パージをすることなく、予定されている修理を行うときの次の停止まで生産を阻害することなく、かつ装置の効率を低下させることなく、リークの可能性の問題に対処する必要性がある。
【0007】
本発明の態様は、パージをすることなく、修理を行うときの予定された次の停止まで生産を阻害することなく、かつこの装置の効率を低下させることなく、冷却装置中の汚染物を除去する装置及び方法を与えることによって、本分野のこの必要性を満たす。本発明の態様は、冷媒の保有量を制御するための装置及び方法も与える。本発明の方法を、浮体式生産貯蔵積出設備船で行うことができ、本発明の装置をこの船体に取り付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様では、本発明は、次の工程を含む、逆ブレイトンサイクル冷媒装置の冷媒流から比較的低い揮発性の汚染物を取り出す方法を与える:
窒素を含有している上記冷媒流の、ガス状の又は液化している部分を、逆ブレイトンサイクル冷媒装置から取り出す工程;
ガス状の場合、上記取り出した部分の少なくとも一部を液化する工程;
上記冷媒流の上記取り出した液化している部分又は上記液化したガス状部分の少なくとも一部を、還流流として汚染物除去カラムに導入する工程;
上記汚染物除去カラムの塔底部から、汚染物が富化した流を取り出す工程;
上記汚染物除去カラムの塔頂部から、冷媒が富化した蒸気流を取り出す工程;及び
上記逆ブレイトンサイクル冷媒装置に上記蒸気流を導入して戻す工程。
【0009】
好ましくは、冷却装置への供給ガスは天然ガスであり、これは液化及び/又は過冷却され、かつ/又は窒素が冷媒であり、かつ/又は汚染物は、1種以上の炭化水素である。特定の用途では、逆ブレイトンサイクル冷媒装置は、天然ガスを液化及び/又は過冷却し、炭化水素富化流は、そのガスから導かれた汚染物である。
【0010】
それゆえ、他の1つの態様では、本発明は、天然ガス流を液化する方法を与え、ここではこのガス流は、逆ブレイトンサイクル冷媒装置における冷媒流との間接的熱交換によって液化及び/又は過冷却される。この方法は、次の工程を含む:
上記冷媒流のガス状の又は液化している部分を取り出す工程;
ガス状の場合、上記取り出した部分の少なくとも一部を液化する工程;
上記取り出した液化している部分又は上記液化したガス状部分の少なくとも一部を、還流流として汚染炭化水素除去カラムに導入する工程;
上記汚染物除去カラムの塔底部から、炭化水素が富化した流を取り出す工程;
上記汚染物除去カラムの塔頂部から、冷媒が富化した蒸気流を取り出す工程;及び
上記逆ブレイトンサイクル冷媒装置に上記蒸気流を導入して戻す工程。
【0011】
適切には、炭化水素富化流を、液化しかつ/又は過冷却した天然ガス流と混合する。
【0012】
両方の態様に関して、逆ブレイトンサイクル冷媒装置から、冷媒流の一部を、液体かつ/又はガスとして取り出すことができる。
【0013】
上記取り出した部分が液体である場合、通常はその圧力を低下させた後で、これを還流流として汚染物除去カラムに直接導入することができる。取り出される液体部分は、加温する冷媒流との間接的熱交換で冷却し、そして液化することによって得ることができる。
【0014】
上記取り出した部分がガス状である場合、通常はその圧力を低下させた後で、その少なくとも一部を液化し、そして還流流として汚染物除去カラムに導入することができる。その液化しているガス状部分の一部を、例えば起動又は再開の間に、逆ブレイトンサイクル冷媒装置に後で戻すために、貯蔵することができる。
【0015】
汚染物除去カラム用の蒸気の輸送を、逆ブレイトンサイクル冷媒装置から取り出し、そしてカラムの頭底部に導入した部分的に冷却した供給流の一部によって与えることができる。あるいは又はさらに、このカラムのための焚上げ(boil up)を、逆ブレイトンサイクル冷媒装置からの部分的に冷却した供給流の一部、又は逆ブレイトンサイクル冷媒装置からの冷媒の一部を、カラムのリボイラーに導入することによって、与えることができる。
【0016】
本発明の好ましい実施態様では、汚染物を除去するための方法は、次の工程を含む:窒素を含有している冷媒流の液化している部分を、逆ブレイトンサイクル冷媒装置から取り出す工程;上記冷媒流の上記液化している部分の少なくとも一部を、還流流として汚染物除去カラムに導入する工程;上記汚染物除去カラムの塔底部から、汚染物流を取り出す工程;上記汚染物除去カラムの塔頂部から、窒素が富化した蒸気流を取り出す工程;及び、上記逆ブレイトンサイクル冷媒装置に、上記窒素が富化した蒸気流を戻して導入する工程。
【0017】
本発明の他の1つの好ましい実施態様では、汚染物を除去するための方法は、次の工程を含む:窒素を含有しているガス状冷媒流の一部を、逆ブレイトンサイクル冷媒装置から取り出す工程;上記ガス状冷媒流の上記取り出した部分を液化する工程;上記液化した冷媒流を、還流流として汚染物除去カラムに導入する工程;上記汚染物除去カラムの塔底部から、汚染物流を取り出す工程;上記汚染物除去カラムの塔頂部から、窒素が富化した蒸気流を取り出す工程;及び、上記逆ブレイトンサイクル冷媒装置に、上記窒素が富化した蒸気流を戻して導入する工程。
【0018】
本発明の他の1つの態様では、次を含む、汚染物を除去するための装置が与えられる:逆ブレイトンサイクル冷媒装置;汚染物除去カラム;上記逆ブレイトンサイクル冷媒装置と上記汚染物除去カラムの塔頂部との間を流体に流通させる第一の導管;上記汚染物除去カラムの塔頂部と上記逆ブレイトンサイクル冷媒装置との間を流体に流通させる第二の導管;及び汚染物除去カラムの塔底部から汚染物の流を、通常は汚染物貯蔵媒体に流れさせるための第三の導管。
【0019】
好ましくは、汚染物除去カラムは、炭化水素除去カラムである。この装置は、逆ブレイトンサイクル冷媒装置と、液体冷媒貯蔵タンクとの間で、流体を流通させる第四の導管をさらに有することができる。
【0020】
この装置は、第一の熱交換器、及び上記第一の熱交換器と流通している、ガス状冷媒を冷却するための第二の熱交換器、並びに上記第一の熱交換器及び上記第二の熱交換器と流通している、供給流を冷却するための第三の熱交換器を含むことができる。好ましくは、第三の熱交換器は、巻コイル式液化熱交換器である。この装置は、第四の熱交換器も具備することができ、ここでは第三の熱交換器は液化熱交換器であり、かつ第四の熱交換器は過冷却熱交換器である。
【0021】
他の1つの態様では、本発明は、天然ガス流を液化する方法を含み、これは次の工程を有する:逆ブレイトンサイクル冷媒装置からの窒素冷媒流の一部を、上記冷媒流との間接的熱交換によって冷却し、そして液化する工程;及び上記窒素冷媒流の上記冷却し、そして液化した部分の少なくとも一部を、貯蔵容器に貯蔵する工程。
【0022】
その液化して貯蔵した窒素冷媒の少なくとも一部を、抜き出し、そして次から選択される機能を果たすことができる:
上記液化した窒素冷媒の抜き出した部分を気化し、そして上記気化した窒素冷媒をパージガスとして用いること;
上記液体窒素冷媒を供給用運搬手段に搭載すること;及び
液化した窒素冷媒の上記抜き出した部分を気化し、そして上記気化した窒素冷媒を、逆ブレイトンサイクル冷媒装置に戻して導入して、天然ガス流を液化すること。
【0023】
好ましい実施態様に関して、天然ガスを液化及び/又は過冷却するのに必要な冷却負荷の少なくとも一部を、窒素を含むガス状冷媒を用いて与える天然ガス液化装置及び天然ガス液化方法が、開示される。ガス状冷媒に存在している過剰な炭化水素を、炭化水素除去カラムで除去することができる。ガス状冷媒の一部を、このカラムに導入することができる。炭化水素を除去した塔頂部からの生成物を、カラムの塔頂部から除去し、冷媒回路に戻すことができる。炭化水素が富化した塔底部の生成物を、カラムの塔底部から取り出すことができる。ガス状冷媒の一部を、少なくとも部分的に液化して、還流物としてカラムの塔頂部に導入することができる。還流物として用いられるそのガス状冷媒の一部を、ガス状冷媒の他の1つの部分との間接的熱交換によって、少なくとも部分的に液化することができる。それゆえ、ガス状冷媒は、還流物及び/又は貯蔵物として用いられるガス状冷媒を冷却し、かつ/又は液化するという点で、補助的な機能を果たすことができる。還流物として用いられるそのガス状冷媒の一部を、等エントロピー膨張によって少なくとも部分的に液化して2相領域にすることができる。
【0024】
炭化水素が富化した塔底部の生成物を、LNG生成物と混合することができる。カラムのための蒸発を、ガス状天然ガスの一部をカラムの塔底部に導入することによって与えることができる。カラムのための蒸発を、カラムの塔底部で液体の一部を気化させるリボイラーにおいて、ガス状天然ガスの一部を濃縮することによって与えることができる。カラムのための蒸発を、リボイラーで液体天然ガスの一部を過冷却することによって与えることができる。カラムのための蒸発を、このリボイラーでガス状冷媒の一部を冷却することによって与えることができる。カラムのための蒸発を、外部の手段によって、例えば水によって、与えることができる。
【0025】
以下は、例としてのみの記載であり、また本発明の現行の好ましい実施態様についての添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1A】本発明の典型的な装置及び方法を示すフローチャートである。
【図1B】本発明の典型的な装置及び方法を示すフローチャートである。
【図1C】本発明の典型的な装置及び方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明の典型的な装置及び方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の典型的な装置及び方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の典型的な装置及び方法を示すフローチャートである。
【図5】典型的な装置及び方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に例証するように、天然ガス供給流100を、液化熱交換器114において、加温されるガス状冷媒流146との間接熱交換によって、冷却し、液化し、そして過冷却することができる。冷媒流146は、例えば窒素流であってよい。生成したこの液化し、過冷却した天然ガス流106を、バルブ107に通して減圧して、過冷却したLNG生成物流108とすることができる。そして、この回収した過冷却したLNG生成物流108を、例えば、貯蔵し、輸送し、又は他の1つのプロセスで使用することができる。
【0028】
加温されるガス状冷媒流146が液化熱交換器114を出た後に得られる流148を含む、ガス状の低圧冷媒流150を、冷媒圧縮機110で圧縮し、高圧冷媒流111を生成することができる。そして、高圧冷媒流111の少なくとも一部112を、液化熱交換器114に導入し、そして冷却することができる。部分的に冷却した流112の一部120を、膨張機122で膨張させて、流124を生じさせることができる。
【0029】
その一部120を取り出す位置の下流で、流112の他の一部138を液化熱交換器114から取り出すことができ、そして膨張機140で膨張させて、流142を生じさせることができる。汚染物除去カラム162の塔頂部から抜き出した炭化水素を除去した気相生成物の流164(例えば、窒素が富化した気相流)を、流142と混合することができ、そして混合した流146を、液化熱交換器114の低温側に導入することができる。汚染物除去カラム162は、例えば、炭化水素除去カラムとすることができる。
【0030】
膨張機122からの流124を、部分的に加温した流146と混合し、流148を生じさせることができる。例えば、流148を、断続的な窒素補給流149と混合して、冷媒を補充して、混合した流150を生じさせることができる。そして、混合した流150を、冷媒圧縮機110の吸引部に導入して、2つの膨張機の逆ブレイトンガス冷却サイクルループを完成させることができる(すなわち、ここでは、ガスは圧縮を経て、実質的に定圧の冷却が続き、そしてその高圧ガスは実質的に等エントロピーの膨張を経て、冷却を与える)。
【0031】
流111の一部である流151は、この冷却ループから出るあらゆる窒素損失を表す。実際には、損失は、複数の原因から、又は冷却回路の任意の場所から起こることがある。流151は、窒素パージ流を表すこともできる。簡単化のため、窒素補給流149及び窒素損失又は窒素パージ流151は、次の図2〜5で示さない。しかし、それらの関連する役割を、これらの続く図に適用することができ、適用しない場合もある。
【0032】
図1Aは、液化熱交換器114内の冷媒供給物が、冷媒回路流146に入る汚染物流10として示されるリークを、どのようにして形成するかを示している。例えば、汚染物流10は、炭化水素が富化した流となることもできる。
【0033】
冷媒流の一部112を、液化熱交換器114で液化して、流159を生じさせることができる。流159を、バルブ160に通して減圧して、液体流161を生成することができる。そして、液体流161を、汚染物除去カラム162の塔頂部に還流物として導入することができる。例えば、汚染物除去カラム162は、リーク10によりガス状冷媒に蓄積されるメタンを除去することができる。初期投入物が炭化水素を含有する場合、汚染物除去カラム162は、窒素冷媒を純化することができる。例えば、窒素冷媒の供給源が、窒素除去ユニット(NRU)又は窒素ストリッパーカラムである場合、汚染物除去カラム162は、冷媒として用いられるガス状窒素を純化するであろう。
【0034】
この典型的な実施態様では、汚染物除去カラム162のみが、汚染物流10を扱うのに必要な主要装置の追加の部分となることができる。その典型的な実施態様は、汚染物流10のリークの可能性が生じることに対して、(サイズについて)比較的小さく、かつ低コストの解決法を与える。
【0035】
全ての典型的な実施態様を、例えば浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO)船で用いることができる。この典型的な実施態様は、非常に狭い空間を必要とし、かつあらゆる損失に対応するための補給冷媒又は交換冷媒として用いることができる少量の液体窒素の生産及び貯蔵を可能とすることができるがある。
【0036】
部分的に冷却した天然ガス供給流100の一部163を、液化熱交換器114から抜き出し、バルブ165に通して減圧させて、流166を生じさせ、そして汚染物除去カラム162の塔底部に導入して、汚染物除去カラム162に気相の輸送を与えることができる。流166は、例えば、部分的に気相の流となることができる。流163を、天然ガス供給流100の一部として液化熱交換器114の上流から抜き出すこともできる。汚染物質除去カラム162からの炭化水素富化液体生成物流167を、バルブ168に通して減圧させて、流169を生じさせることができる。流169を、液化過冷却天然ガス流108と混合して、混合したLNG生成物流109を生産することができる。
【0037】
圧縮機のインタークーラーとアフタークーラーは、簡単化のために示さないが、例えば冷媒圧縮機110と共に用いることができる。
【0038】
図1Bは、図1Aに類似した典型的な構成を示しているが、この典型的な実施態様では、液化熱交換器114を出る流158の一部180を、バルブ182に通して減圧させることができ、流184を生むことができる。そして、流184を液体窒素(LIN)貯蔵タンク186に入れることができる。通常の操業中では、流180は存在しない場合があり、又は循環冷媒流158の小さな一部のみとなる場合がある。例えば、流180を、停止前に増加させて、起動又は再開を含む後の使用のために、冷媒を貯蔵することができる。
【0039】
液化熱交換器114を出た流158の一部にすでになっている流159を、バルブ160に通して、減圧させ、液体流161を生成することができる。液体流161を、汚染物除去カラム162の塔頂部に還流物として導入することができる。
【0040】
起動又は再開の間、LIN流188を、LIN貯蔵タンク186から抜き出し、ポンプ190で適切な圧力とし、そして生成物流192を、気化器194で気化させて流196を生むことができる。そして、流196を冷媒圧縮機110の吸引側に導入することができる。
【0041】
図1Bで示されるように、流158及びより広義には冷媒回路は、2つの目的に資することができる。組成を制御する目的で、汚染物除去カラム162において還流物として用いられる供給流を与えること、及び冷媒保有量を制御する目的で、LINの供給流をLIN貯蔵タンク186に与えることである。
【0042】
汚染物除去カラム162がない場合でも、液体窒素回路(すなわち、冷媒が液化熱交換器114で液化される冷媒回路の一部)は、窒素保有量(起動、停止)を制御するために存在させることができる。例えば、液体流161を液体窒素(LIN)タンクで貯蔵することができる。図1Cに示すように、液化熱交換器114を出る流112の液化した一部である流180を、バルブ182に通して、減圧させて、184を生じさせることができる。そして、流184は、LIN貯蔵タンク186に入ることができる。
【0043】
LIN流188を、LIN貯蔵タンク186から抜き出し、ポンプ190で適切な圧力とし、そして生成物流192を、気化器194で気化させて流195を生むことができる。流195の一部197を、限定しないがパージガス等の様々な目的で用いることができる。それゆえ、この実施態様では、貯蔵した窒素の一部を、冷却ループ以外の目的のために用いることができる。
【0044】
流195の残りの流196を、流149、148と混合して、流150を生成して、冷媒圧縮機110の吸引側に導入することができる。LIN貯蔵タンク186を出る流185は、LINがLIN貯蔵タンクに十分に高い圧力の下で貯蔵される場合には存在する場合があり又は存在しない場合がある、フラッシュガスの小さな流を表している。
【0045】
他の1つの実施態様では、LIN貯蔵タンク186からの液体窒素冷媒を、他の1つの場所に供給するために搭載し、そして輸送することができる。
【0046】
図2は、図1Aに類似した典型的な実施態様を示すが、図1Aの液化熱交換器114は、3つの交換器214、232、204に分けられている。ここで、熱交換器214、232は、ガス状冷媒を冷却するのみであり、主要な巻きコイル式液化熱交換器204は、天然ガス供給100を冷却する。汚染物除去カラム162は、比較的良好な純度制御を可能とし、かつ冷媒ループのさらなる汚染の可能性を防ぐリボイラー270を具備することもできる。
【0047】
図2に示されるように、天然ガス供給物流100を、主要な巻きコイル式液化熱交換器204で加温するガス状冷媒流146(通常は窒素)を用いて、冷却し、液化し、そして過冷却して、液化して過冷却した天然ガス流106を生むことができる。
【0048】
ガス状の低圧冷媒流150を、冷媒圧縮機110で圧縮することができ、ここでは生成する高圧冷媒流112を、熱交換器214で冷却し、流216を生成することができる。生成する流216を、流120及び230に分けることができる。流120を、膨張機122で膨張させて、流124を生みながら、流230を、熱交換器232でさらに冷却して、流234を生成することができる。
【0049】
生成する流234を、流236及び138に分けることができる。流138を、膨張機140で膨張させて、流142を生成することができる。流142を、汚染物除去カラム162からの流164と混合することができ、そして混合した流146を、主要な巻きコイル式液化熱交換器204の低温側に導入することができる。流234の小さな一部である流236を、主要な巻きコイル式液化熱交換器204で液化して、流159を生じさせることができる。
【0050】
流124を、流226及び228に分けることができる。流226を、熱交換器232に導入することができ、流228を主要な巻きコイル型液化熱交換器204に導入することができる。流228は、主要な巻きコイル型液化熱交換器204において、加温した流146と混合する。加温して混合した流146及び228の一部を、主要な巻きコイル型液化熱交換器204から、流254として抜き出して、比較的弱い冷却を必要とする主要な巻きコイル型液化熱交換器204の予冷(高温)部を調整することができる。
【0051】
流226を熱交換器232で加温して、流252を生成することができる。流252を、主要な巻きコイル型液化熱交換器204からの流254と混合して、混合した流256を生成することができる。流256を、熱交換器214でさらに加温して、流258を生むことができる。ガス状冷媒流248は、主要な巻きコイル型液化熱交換器204の高温側から出る。流258を、主要な巻きコイル型液化熱交換器204からの流248と混合して、混合した流150を形成することができる。そして、流150を冷媒圧縮機110の吸引部に導入して、逆ブレイトンガス冷却サイクルループを完結することができる。
【0052】
この実施態様では、汚染物流10として示されるリークは、主要な巻きコイル型液化熱交換器204のシェル側に入る。汚染物流10は、例えば炭化水素が富化した流となることができる。
【0053】
この典型的な実施態様では、流163をリボイラー熱交換器で液化して、汚染物除去カラム162のための蒸発を与える。そして、生成液272を流106と混合し、混合した流206を生むことができる。流206を、バルブ207に通して減圧させて、LNG生成物流208を生むことができる。
【0054】
炭化水素が富化した液体生成物167を、汚染物除去カラム162から取り出すことができる。これを、バルブ168に通して減圧させて、流169をもたらすことができる。流169を、LNG生成物流208と混合して、最終LNG生成物流209を生産することができる。
【0055】
流163を、主要な巻きコイル型液化熱交換器204の上流部から、天然ガス供給流100の一部として引き出すことができる。しかし、リボイラーのサイズをより小さくしなければならいので、流163を天然ガス供給流100から引き出すことは、熱力学的に効率が比較的低くなるであろう。他の1つの実施態様では、他の1つの外部加熱手段を用いることができ、例えば水を用いることができる。
【0056】
主要な巻きコイル型液化熱交換器204から生成流159を、バルブ160に通して減圧して、流161を生むことができる。流161を、汚染物除去カラム162の塔頂部に還流物として導入することができる。例えば、液体流161を、LINタンクに貯蔵することもできる。
【0057】
図3は、ガス状冷媒液化回路のない装置を含む典型的な実施態様を示す(すなわち、ここでは少量部の冷媒を、加温する膨張したガス状冷媒との間接的な熱交換により液化する)。膨張器140を出る流342は、二相の流である。熱交換器の底部は、好ましくはシェル側にガス状冷媒を有する巻きコイル型は、相分離器として機能する。二相流342の液体部分360は、熱交換器204を出て、汚染物除去カラム162で還流物として用いられる。例えば、液体流360を、LINタンクに貯蔵することができる。
【0058】
図3に示したように、天然ガス供給流100を、主要な巻きコイル型液化熱交換器204で加温するガス状冷媒流342及び164(通常は窒素)を用いて、冷却し、液化し、そして過冷却して、液化して過冷却した天然ガス流106を生成することができる。この実施態様では、流342及び164を、主要な巻きコイル型液化熱交換器204で混合することができる。
【0059】
ガス状の低圧冷媒流150を、冷媒圧縮機110で圧縮することができ、ここでは生成する高圧冷媒流112を、熱交換器214で冷却して、流216を生成することができる。生成する流216を、流120及び230に分けることができる。流120を膨張器122で膨張させて、流124を生むことができ、流230を、熱交換器232でさらに冷却して、流234をもたらすことができる。流234を、膨張器140で膨張して、流342を二相流として生むことができる。
【0060】
流124を、流226及び228に分けることができる。流226を、熱交換器232の高温側に導入することができ、流228を、主要な巻きコイル型液化熱交換器204に導入することができる。流228は、加温した流342及び164と、主要な巻きコイル型液化熱交換器204で混合する。混合し加温した流342、164、228の一部を、主要な巻きコイル型液化熱交換器204から流254として引き出して、比較的弱い冷却を必要とする主要な巻きコイル型液化熱交換器204の予冷(高温)部を調整することができる。
【0061】
流226を、熱交換器232で加温して、流252を生成することができる。流252を、主要な巻きコイル型液化熱交換器204からの流254と混合して、混合した流256を生成することができる。流256を、熱交換器214でさらに加温して流258を生むことができる。ガス状冷媒流248は、主要な巻きコイル型液化熱交換器204の高温側を出る。流258は、主要な巻きコイル型液化熱交換器204からの流248と混合して、混合した流150を形成することができる。そして、流150を、冷媒圧縮機110の吸引部に導入して、逆ブレイトンガス冷却サイクルループを完結することができる。
【0062】
この実施態様では、汚染物流10として示されるリークが、主要な巻きコイル型液化熱交換器204のシェル側に入る。例えば、汚染物流10は、炭化水素が富化した流となることができる。
【0063】
この実施態様では、流163を、リボイラー熱交換器270で液化して、汚染物除去カラム162のための蒸発を与えることができる。そして、生成する液体272を、流106と混合して、混合した流206を生むことができる。流206を、バルブ207に通して減圧して、LNG生成物流208を生むことができる。
【0064】
炭化水素が富化した液体生成物167を、汚染物除去カラム162から取り出して、これをバルブ168に通して減圧して、流169を生成することができる。流169を、LNG生成物流208と混合して、最終LNG生成物流209を生むことができる。
【0065】
また、流163を、天然ガス供給流の一部として、主要な巻きコイル型液化熱交換器204の上流から引き出すことができる。しかし、リボイラーのサイズをより小さくする必要があるため、流163を天然ガス供給流から引き出すことは、熱力学的に効率が低くなるであろう。他の1つの実施態様では、他の1つの外部加熱手段、例えば水を用いることができる。
【0066】
図4は、ガス状冷媒を2つの異なる圧力に膨張させることができ、かつ主要な熱交換器を液化熱交換器部分402と過冷却熱交換器部分408に分けることができる典型的な装置を示す。
【0067】
図4に示されるように、天然ガス供給流100を、加温するガス状冷媒流228(典型的には窒素)を用いて液化熱交換器部分402で冷却し、そして液化して、流404を生むことができる。流404を、流406及び463に分けることができる。流406を、過冷却熱交換器408で過冷却して、過冷却した天然ガス流106を生むことができる。流463を、リボイラー熱交換器270で液化して、汚染物除去カラム162のための蒸発を与えることができる。
【0068】
また、流463を、天然ガス供給流100の一部として液化熱交換器部分402の上流から引き出すことができる。しかし、リボイラーのサイズをより小さくする必要があるので、天然ガス供給流100を流463から引き出すことは、熱力学的に効率が低いであろう。他の1つの実施態様では、他の1つの外部加熱手段、例えば水を用いることができる。
【0069】
ガス状低圧冷媒流150を、冷媒圧縮機110で圧縮することができ、ここでこの生成高圧冷媒流112を熱交換器214で冷却し、流216を生成することができる。生成流216を、流120及び230に分けることができる。流120を、膨張機122で膨張させて、流124を生成させ、一方で流230を熱交換器232でさらに冷却させて流234を生成することができる。
【0070】
そして生成流234を、流138及び236に分けることができる。流138を、膨張機140で膨張させて、流142を生むことができる。この実施態様では、膨張機140は、膨張機122より低い圧力に排出する。流234の小さな一部である流236を、過冷却熱交換器408で過冷却して、過冷却した流159を生むことができる。過冷却した流159を、バルブ160に通して減圧させて、流161をもたらすことができる。そして、流161を、還流物として汚染物除去カラム162に導入することができる。例えば、液体流161を、LINタンクに貯蔵することもできる。
【0071】
流142を、汚染物除去カラム162からの流164と混合することができ、混合した流146を、過冷却熱交換器408の低温側に導入することができる。そして、生成する加温した流426を熱交換器232でさらに加温して、流456を生むことができる。そして、流456を熱交換器214でさらに加温して、流458を生むことができる。そして、流458を冷媒圧縮機410で圧縮して、流448を生むことができる。
【0072】
流124を、流226及び228に分けることができる。流226を、熱交換器232の高温側に導入する一方で、流228を液化熱交換器部分402に導入することができる。加温した流228の一部を、液化熱交換器部分402から流254として引き出して、比較的弱い冷却を必要とする主要な巻きコイル型液化熱交換器402の予冷(高温)部分を調整することができる。
【0073】
流226を、熱交換器232で加温して流252をもたらすことができる。流252を、液化熱交換器402からの流254と混合して、混合した流256をもたらすことができる。流256を、熱交換器214で加温して、流258を生むことができる。ガス状冷媒流248は、液化熱交換器部分402の高温側を出る。流258を、液化熱交換器402からの流248及び冷媒圧縮機410からの流448と混合し、流150を生むことができる。そして、流150を、冷媒圧縮機110の吸引部に導入し、逆ブレイトンガス冷却サイクルループを完結させることができる。
【0074】
この実施態様において、汚染物流10として示されるリークは、液化熱交換器部分402のシェル側に入る。例えば、汚染物流10は、炭化水素が富化した流となることができる。
【0075】
流463を、リボイラー熱交換器270で液化して、汚染物除去カラム162のための蒸発を与え、液体流272をもたらすことができる。そして、流272を流106と混合し、混合した流206を生じさせることができる。流206を、バルブ207を通して減圧させて、LNG生成物流208を生むことができる。
【0076】
炭化水素が富化した液体生成物167を、汚染物除去カラム162から取り出すことができ、ここではこれを、バルブ168に通して減圧させて流169をもたらすことができる。流169は、LNG生成物流208と混合して、最終LNG生成物流209を生むことができる。
【0077】
図5は、他の1つの典型的な装置及びプロセスを示す。この実施態様では、汚染物除去カラムのリボイラー270は、ガス状冷媒の一部を加熱手段として用いる。
【0078】
図5に示すように、天然ガス供給流100を、主要な巻きコイル型液化熱交換器204で加温するガス状冷媒流146(通常は窒素)を用いて、冷却し、液化し、そして過冷却し、液化して過冷却した天然ガス流106を生成することができる。
【0079】
ガス状低圧冷媒流150を、冷媒圧縮機110で圧縮することができ、ここでは生成した高圧冷媒流112を熱交換器214で冷却し、流216をもたらすことができる。生成する流216を、流120及び230に分けることができる。流230を、熱交換器232でさらに冷却し、流234をもたらすことができる。流234を、流236及び138に分けることができる。流234の小さな一部である流236を、主要な巻きコイル型液化熱交換器204で液化して、流159を生むことができる。
【0080】
流120を、流563及び520に分けることができる。流563を、リボイラー熱交換器270で液化して、汚染物除去カラム162のための蒸発を与えることができる。生成した流572を、流138と混合して、流538を生むことができる。流538を、膨張機140で膨張させて、流142を生むことができる。流142を、汚染物除去カラム162からの流164と混合することができ、混合した流146を、主要な巻きコイル型液化熱交換器204の低温部に導入することができる。
【0081】
流520を、膨張機122で膨張させて、流124をもたらすことができる。流124を、流226及び228に分けることができる。流226を、熱交換器232に導入することができ、流228を、主要な巻きコイル型液化熱交換器204に導入することができる。流228は、主要な巻きコイル型液化熱交換器204で、加温した流146と混合する。加温して混合した流146及び228の一部を、主要な巻きコイル型液化熱交換器204から、流254として引き出して、比較的弱い冷却を必要とする主要な巻きコイル型液化熱交換器204の予冷(高温)部を調整することができる。
【0082】
流226を、熱交換器232で加温して、流252をもたらすことができる。流252を、主要な巻きコイル型液化熱交換器204からの流254と混合して、混合した流256をもたらすことができる。流256を、熱交換器214でさらに加温して、流258を生じさせることができる。ガス状冷媒流248は、主要な巻きコイル型液化熱交換器204の高温側を出る。流258を、主要な巻きコイル型液化熱交換器204からの流248と混合して、混合した流150を形成することができる。そして、流150を、冷媒圧縮機110の吸引部に導入して、逆ブレイトンガス冷却サイクルループを完結することができる。
【0083】
汚染物流10として示されるリークは、主要な巻きコイル型液化熱交換器204のシェル側に入る。例えば、汚染物流10は、炭化水素が富化した流となることができる。
【0084】
主要な巻きコイル型液化熱交換器204からの流159を、バルブ160に通して減圧し、流161を生むことができる。流161を、汚染物除去カラム162の塔頂部に還流物として導入することができる。例えば、液体流161を、LINタンクに貯蔵することもできる。
【0085】
炭化水素が富化した液体生成物167を、汚染物除去カラム162から取り出すことができ、これを、バルブ168に通して減圧し、流169をもたらすことができる。主要な巻きコイル型液化熱交換器204からの流106を、バルブ107に通して減圧し、LNG生成物流108を生むことができる。流169を、LNG生成物流108と混合して、最終LNG生成物流109を生むことができる。
【実施例】
【0086】
プラントが、年間150万ショートトン(米国)(135万トン)のLNGを生産する。このプラントは、膨張機が2機の逆ブレイトンサイクルを用いる。このプラントは、ガス状の窒素を冷媒として用いる。天然ガスの冷媒回路へのリークは、1時間当たり90kgである。天然ガスは、4%の窒素、91%のメタン及び5%のエタンを含有する。
【0087】
図2に示すように、リボイラーを有する炭化水素除去カラムを、液化機に追加した。炭化水素除去カラムは、リボイラーに加えて5つの理論段数を含む。約4フィート(1.2m)の充填層高さを、全ての場合に用いた。リボイラーの負荷は、約290KWである。表1は、冷媒回路に維持されるメタン濃度の関数とした場合の、基本的な例(Base Case)(リークなし、純粋な窒素冷媒)と比較した場合のこのプラントの相対的な電力消費、及びSulzer 500Y充填を用いたおおよその炭化水素除去カラムの直径を示す。
【0088】
【表1】

【0089】
表1に示されるように、効率に最小限の影響のみを与える小さな汚染物除去カラムを用いて、メタンを、冷媒流から効果的に除去して、冷媒回路において低いメタン濃度を維持することができる。
【0090】
本発明の態様を、様々な図の好ましい実施態様に関連して述べてきたが、他の同様の実施態様を用いることができ、又は本発明から離れることなく、本発明と同じ機能を達成するために記載した実施態様に変更及び追加をなすことができると理解される。それゆえ、請求の範囲に係る発明は、あらゆる単一の態様に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲に従って、幅及び範囲をもって解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の工程を含む、逆ブレイトンサイクル冷媒装置の冷媒流から比較的揮発性の低い汚染物を除去する方法:
前記冷媒流のガス状部分、又は前記冷媒流の液化部分を取り出す工程;
ガス状部分の場合、前記取り出した部分の少なくとも一部を液化する工程;
前記取り出した液化部分の少なくとも一部、又は前記液化したガス状部分の少なくとも一部を、汚染物除去カラムに還流流として導入する工程;
前記汚染物除去カラムの塔底部から汚染物が富化した流を取り出す工程;
前記汚染物除去カラムの塔頂部から冷媒が富化した気相流を取り出す工程;及び
前記気相流を、前記逆ブレイトンサイクル冷媒装置に戻して導入する工程。
【請求項2】
次の工程を含む、逆ブレイトンサイクル冷媒装置の冷媒流との間接的熱交換によって、天然ガス流を液化及び/又は過冷却する方法:
前記冷媒流のガス状部分、又は前記冷媒流の液化部分を取り出す工程;
ガス状部分の場合、前記取り出した部分の少なくとも一部を液化する工程;
前記取り出した液化部分の少なくとも一部、又は前記液化したガス状部分の少なくとも一部を、汚染炭化水素除去カラムに還流流として導入する工程;
前記汚染物除去カラムの塔底部から炭化水素が富化した流を取り出す工程;
前記汚染物除去カラムの塔頂部から冷媒が富化した気相流を取り出す工程;及び
前記気相流を、前記逆ブレイトンサイクル冷媒装置に戻して導入する工程。
【請求項3】
逆ブレイトンサイクル冷媒装置から取り出した冷媒流の前記部分が液体であり、かつその少なくとも一部を、前記汚染物除去カラムに還流流として導入する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記冷媒流の前記取り出した液化部分を、加温される冷媒流との間接的熱交換によって冷却し、そして液化する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
逆ブレイトンサイクル冷媒装置から取り出した冷媒流の前記部分がガス状であり、かつその少なくとも一部を、液化し、そして前記汚染物除去カラムに還流流として導入する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記逆ブレイトンサイクル冷媒装置に後で戻すために、前記冷媒流の前記液化したガス状部分を貯蔵する工程をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記冷媒流が、窒素を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記汚染物の流が、炭化水素が富化した流である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記逆ブレイトンサイクル冷媒装置が、天然ガスを液化及び/又は過冷却し、かつ前記炭化水素が富化した流が、前記天然ガスに由来する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記炭化水素富化流と、前記液化及び/又は過冷却した天然ガス流とを混合する工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記逆ブレイトンサイクル冷媒装置から、部分的に冷却した供給流の一部を取り出す工程、及び前記部分的に冷却した供給流を、前記汚染物除去カラムの前記塔底部に導入して、前記汚染物除去カラムに気相の輸送を与える工程をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記逆ブレイトンサイクル冷媒装置から、部分的に冷却した供給流の一部を取り出す工程、及び前記部分的に冷却した供給流を、前記汚染物除去カラムのリボイラーに導入して、前記汚染物除去カラムのための焚き上げを与える工程をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記逆ブレイトンサイクル冷媒装置から、前記冷媒の一部を取り出す工程、及び前記一部を、前記汚染物除去カラムのリボイラーに導入して、前記汚染物除去カラムのための焚き上げを与える工程をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
浮体式生産貯蔵積出設備船で実行する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
次を具備している、請求項1に記載方法によって汚染物を除去するための装置:
逆ブレイトンサイクル冷媒装置;
汚染物除去カラム;
前記逆ブレイトンサイクル冷媒装置と、前記汚染物除去カラムの塔頂部との間に流体の流通を与える、第一の導管;
前記汚染物除去カラムの塔頂部と、前記逆ブレイトンサイクル冷媒装置との間に流体の流通を与える、第二の導管;及び
前記汚染物除去カラムの塔底部からの汚染物の流体の流通を与える第三の導管。
【請求項16】
前記汚染物除去カラムが、炭化水素除去カラムである、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記逆ブレイトンサイクル冷媒装置と液体冷媒貯蔵タンクとの間に流体の流通を与えるための第四の導管をさらに具備している、請求項15又は16に記載の装置。
【請求項18】
前記逆ブレイトンサイクル冷媒装置が、第一の熱交換器、及び前記第一の熱交換器と流通している、ガス状冷媒を冷却するための第二の熱交換器、並びに前記第一の熱交換器及び前記第二の熱交換器と流通している、供給流を冷却するための第三の熱交換器をさらに具備している、請求項15〜17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記第三の熱交換器が巻きコイル型液化熱交換器である、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記逆ブレイトンサイクル冷媒装置が、過冷却熱交換器である第四の熱交換器を有し、かつ前記第三の熱交換器が、液化熱交換器である、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
次の工程を有する、天然ガス流を液化する方法:
逆ブレイトンサイクル冷媒装置からの窒素冷媒流の一部を、前記冷媒流との間接的熱交換によって冷却し、そして液化する工程;
前記窒素冷媒流の前記冷却及び液化した部分の少なくとも一部を、貯蔵容器に貯蔵する工程。
【請求項22】
前記貯蔵した液体窒素冷媒の少なくとも一部を引き出し、そうして次から選択される機能を果たす工程をさらに含む、請求項21に記載の方法:
液体窒素冷媒の前記引き出した部分を気化し、前記気化した液体窒素冷媒をパージガスとして用いること;
液体窒素冷媒を供給用の輸送手段に積載すること;及び
液体窒素冷媒の前記引き出した部分を気化し、前記気化した液体窒素冷媒を前記逆ブレイトンサイクル冷媒装置に戻して導入して、天然ガス流を液化すること。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−506105(P2013−506105A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524295(P2012−524295)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【国際出願番号】PCT/IB2010/001910
【国際公開番号】WO2011/018686
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】