説明

冷蔵庫

【課題】熱い食品から出る蒸気や、ケース内に滞留した暖気が上昇し、天井面の凹部に暖気が溜まることで、赤外線センサーの周囲温度が変動することで、赤外線センサーの温度検知精度が低下するという課題を有していた。
【解決手段】赤外線センサー13の周囲を熱伝導率の大きい赤外線集光部材48で包囲することで、赤外線センサー13の周囲温度が変動する外乱影響(例えば扉開閉や熱い食品による温度変動)を赤外線集光部材48で吸収し、赤外線センサーと赤外線集光部材の温度が均一になり、赤外線センサー13の周囲の温度変動を抑制し、赤外線センサー13の検知精度を向上することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線センサーを利用した冷蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、冷蔵庫の大容量化の需要が高まるにつれて、無効空間縮小による容積効率の向上を図った冷蔵庫や、使い勝手の観点からさまざまなレイアウトの冷蔵庫が発売されている。
【0003】
その中で、冷蔵庫では従来から庫内の温度を検知するために庫内の空気温度をサーミスタ等で測定し、例えば熱い食品が入れられた時では、庫内に多数設置したサーミスタによって、この熱い食品の影響で温められた庫内空気の温度を測定することで冷却量を調整していた。しかしながら、このような冷蔵庫では食品の実際の温度を測定しているわけではないので、実際に食品を冷却できたかどうかが分からない。よって食品を冷却するには周囲を冷却しながら食品を目的の温度まで冷却するため、食品自身が目的の温度まで冷却されるには時間がかかるということがあった。そのため、庫内に赤外線センサーを設けることで、実際の食品の温度を検知し冷却運転を行うようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、図面を参照しながら上記従来の冷蔵庫を説明する。
【0005】
図6は特許文献1に記載された従来の冷蔵庫の側面縦断面図である。また、図7は図6の一部拡大側面断面図である。
【0006】
図に示すように、断熱箱体で形成された冷蔵庫本体101の内部を貯蔵空間として最上部に冷蔵室102、下方に野菜室103、最下部には冷凍室104をそれぞれ独立して配置し、冷蔵室102と野菜室103との間には断熱仕切壁を介して温度切替室105と製氷室(図示せず)とを左右に併置しており、各貯蔵室の前面開口には各々専用の扉を設けて開閉自在に閉塞している。
【0007】
野菜室103の後部には、冷凍室104や温度切替室105、製氷室など冷凍用の冷却器106およびこの冷凍用冷却器106で生成された冷気を貯蔵室内に循環する冷却送風ファン107を配置し、さらに、冷凍用冷却器106の前方位置に、冷蔵室102と野菜室104とを冷却する冷蔵用の冷却器108と冷蔵用ファン(図示せず)を設けており、本体下部の機械室に設置した圧縮機109の駆動および冷媒の流路切替弁の切替え制御によって前記冷凍および冷蔵用冷却器106、108に交互、あるいは双方同時に冷媒を流し、冷却された冷気を冷却送風ファン107や冷蔵用ファンにより冷凍温度帯側および冷蔵温度帯側の各貯蔵室に送風して、それぞれを所定温度に冷却制御している。また、冷凍用の冷却器106から吐出された低温の冷気は冷却送風ファン107によって、冷凍室104、製氷室、および温度切替室105に分流され、それぞれ専用ダクトを介して送風され冷却される。
【0008】
温度切替室105は、天井面の凹部113に取り付けられた赤外線センサー112が設けられている。そして、凹部113の開口には、シャッター機構114が設けられ、温度切替室105の扉開を検出すると、シャッター機構114が動作して凹部113の開口を閉塞し、更に温度切替室105の扉閉を検出すると、シャッター機構114が動作して凹部113の開口を開放させて、吹出口110から室内に冷気を吹き出し、この冷気で冷却される負荷である食品111の温度を赤外線センサー112で検出するとともに、あらかじめ設定された温度になるように冷凍サイクルの運転、および吹出口110近傍に設置した冷気ダンパーを開閉制御することによって室内への冷気導入量を調整し、食品111を所定の設定温度になるよう制御している。
【0009】
このようにして、赤外線センサー112で対象となる食品111の表面温度を検知し、必要な時に必要な量だけの冷却運転を行うことで効率的な冷却運転制御を行っている。
【特許文献1】特開2007−212053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の構成では、温度切替室の扉を開けて、熱い食品を収納する時に、外気の流入によって温度切替室のケース内に暖気が溜まるのを防ぐために温度切替室の扉開を検知してシャッター機構で凹部の開口を閉塞し、凹部内への暖気の流入を防止しているため、温度切替室には扉開閉を検知するスイッチとそれと連動するシャッター機構を備える必要があり、複雑な構造を有していた。特に扉の開閉と共にシャッター機構が開閉するといった複雑な可動部分を備えることによって、例えばシャッター機構周辺になんらかの異物や結露水および霜等が付着している場合には、シャッター機構の可動部分が動作不良をおこすといった可能性が生じてくる。こういった問題は特に平均使用年数が10年といった長期間の使用を前提とした冷蔵庫に搭載した場合には、繰り返しの扉開閉によって動作不良が生じる可能性が高まるため、冷蔵庫の信頼性を低下させる要因となるといった課題を有していた。
【0011】
また、上記従来の構成のような複雑な構成を用いた場合には、故障の可能性が高まることに加え、モータや制御装置を運転する電力も必要となり、省エネルギーで赤外線センサーを設置するということが難しいといった課題も有していた。
【0012】
本発明は、赤外線センサー周囲の外乱影響(例えば扉開閉等による周囲温度の変動)による検知精度の低下をより簡単な構成で抑制することで、長期間の使用を前提とした冷蔵庫に搭載した場合であっても信頼性が高くかつ省エネルギーで赤外線センサーの検知精度を向上する冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記従来の課題を解決するために、本発明は複数の断熱区画で構成された断熱箱体と、前記断熱箱体を仕切る断熱仕切り部と、前記仕切り部で仕切られた貯蔵室と、前記貯蔵室内に収納された収納物から放射された赤外線量を検知する温度検知部を有した赤外線センサーと、前記赤外線センサーよりも前記貯蔵室内側に備えられた赤外線集光部材とを有し、前記赤外線集光部材の少なくとも内壁面は前記赤外線センサーが備えられた貯蔵室の壁面よりも前記赤外線センサーが備えられた貯蔵室内の温度変動に対する温度追従性が悪くなるように形成したものである。
【0014】
また、本発明は、複数の断熱区画で構成された断熱箱体と、前記断熱箱体を仕切る断熱仕切り部と、前記仕切り部で仕切られた貯蔵室と、前記貯蔵室内に収納された収納物から放射された赤外線量を検知する温度検知部を有した赤外線センサーと、前記赤外線センサーよりも前記貯蔵室内側に備えられた赤外線集光部材とを有し、前記赤外線集光部材の少なくとも内壁面は前記赤外線センサーが備えられた貯蔵室の壁面よりも単位体積当たりの熱保持力が大きくなるように形成したものである。
【0015】
これによって、赤外線センサーの視野範囲の温度変動を抑制するために赤外線センサの視野範囲に位置する赤外線集光部材の内壁面が、暖気の流入等の外乱による温度変動に対する温度追従性を緩和することができ、赤外線センサーの視野範囲の温度安定性を高めることでき、赤外線センサーの温度検知部の周囲温度が変動する外乱影響(例えば扉開閉や熱い食品)よる検知精度の低下をより簡単な構成で抑制することが可能となり、赤外線センサーの検知精度を向上することができる。
【0016】
また、このように、赤外線センサーの周囲に位置する赤外線集光部材の温度変動を低減することで、前記赤外線センサーの周囲の温度変動についても抑制することが可能となり、さらに赤外線センサーの検知精度を向上することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の冷蔵庫は、赤外線センサー周囲の外乱影響(例えば扉開閉等による周囲温度の変動)による検知精度の低下をより簡単な構成で抑制することで、長期間の使用を前提とした冷蔵庫に搭載した場合であっても信頼性が高くかつ省エネルギーで赤外線センサーの検知精度を向上することで、赤外線センサーを備えた冷蔵庫の品質を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
請求項1に記載の発明は、複数の断熱区画で構成された断熱箱体と、前記断熱箱体を仕切る断熱仕切り部と、前記仕切り部で仕切られた貯蔵室と、前記貯蔵室内に収納された収納物から放射された赤外線量を検知する温度検知部を有した赤外線センサーと、前記赤外線センサーよりも前記貯蔵室内側に備えられた赤外線集光部材とを有し、前記赤外線集光部材の少なくとも内壁面は前記赤外線センサーが備えられた貯蔵室の壁面よりも前記赤外線センサーが備えられた貯蔵室内の温度変動に対する温度追従性が悪くなるように形成した冷蔵庫である。
【0019】
これによって、赤外線センサーの視野範囲の温度変動を抑制するために赤外線センサーの視野範囲に位置する赤外線集光部材の内壁面の温度追従性を悪くすることで、外乱による温度変動に対する赤外線集光部材の温度追従性を緩和し、赤外線センサーの視野範囲の温度安定性を高めることでき、赤外線センサーの温度検知部の周囲温度が変動する外乱影響(例えば扉開閉や熱い食品)よる検知精度の低下をより簡単な構成で抑制することが可能となり、赤外線センサーの検知精度を向上することができる。
【0020】
また、このように、赤外線センサーの周囲に位置する赤外線集光部材の温度変動が低減することで、前記赤外線センサーの周囲の温度変動についても抑制することが可能となり、さらに赤外線センサーの検知精度を向上することができる。
【0021】
請求項2に記載の発明は、複数の断熱区画で構成された断熱箱体と、前記断熱箱体を仕切る断熱仕切り部と、前記仕切り部で仕切られた貯蔵室と、前記貯蔵室内に収納された収納物から放射された赤外線量を検知する温度検知部を有した赤外線センサーと、前記赤外線センサーよりも前記貯蔵室内側に備えられた赤外線集光部材とを有し、前記赤外線集光部材の少なくとも内壁面は前記赤外線センサーが備えられた貯蔵室の壁面よりも単位体積当たりの熱保持力が大きくなるように形成した冷蔵庫である。
【0022】
これによって、赤外線センサーの視野範囲の温度変動を抑制するために赤外線センサーの視野範囲に位置する赤外線集光部材の内壁面の熱保持力を大きくすることで、外乱による温度変動に対する赤外線集光部材の温度追従性を緩和し、赤外線センサーの視野範囲の温度安定性を高めることでき、赤外線センサーの温度検知部の周囲温度が変動する外乱影響(例えば扉開閉や熱い食品)よる検知精度の低下をより簡単な構成で抑制することが可能となり、赤外線センサーの検知精度を向上することができる。
【0023】
また、このように、赤外線センサーの周囲に位置する赤外線集光部材の温度変動が低減することで、前記赤外線センサーの周囲の温度変動についても抑制することが可能となり、さらに赤外線センサーの検知精度を向上することができる。
【0024】
請求項3に記載の発明は、前記赤外線センサーの検知範囲内のすべての面は、前記赤外線センサーが備えられた貯蔵室の壁面よりも前記赤外線センサーが備えられた貯蔵室内の温度変動に対する温度追従性が悪くなる、もしくは前記赤外線センサーが備えられた貯蔵室の壁面よりも単位体積当たりの熱保持力が大きくなるように形成した請求項1または2に記載の冷蔵庫である。
【0025】
これによって、集光部材だけではなく赤外線センサーの視野範囲全体の温度変動を抑制するために赤外線センサーの視野範囲に位置する面の熱保持力を大きくするもしくは温度追従性を悪くすることができ、さらに外乱による温度変動に対する赤外線集光部材の温度追従性を緩和し、赤外線センサーの視野範囲の温度安定性を高めることでき、赤外線センサーの温度検知部の周囲温度が変動する外乱影響(例えば扉開閉や熱い食品)よる検知精度の低下をより簡単な構成で抑制することが可能となり、赤外線センサーの検知精度を向上することができる。
【0026】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の冷蔵庫において、前記赤外線集光部材は、良熱伝導性のアルミを主成分とした金属からなることで、扉開閉による暖気の流入があっても、良熱伝導性を兼ね備えたアルミを主成分とした金属を用いることで、熱による応答性を早め、前記赤外線集光部材の貫通口の温度勾配をなくし、前記赤外線センサーの検知精度を向上させることができる。
【0027】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の冷蔵庫において、前記赤外線集光部材は、樹脂と粉体酸化物とを配合し、前記粉体酸化物を85%以上配合してなる電気絶縁性を特徴としたことにより、赤外線センサーの検知精度を低下させることなく、家電製品に関する各種法令で定められている電気絶縁性を確保することができる。
【0028】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明の冷蔵庫において、前記貫通口は、前記赤外線センサーの先端面から3mm以上の高さを備えたことにより、例えば、角度が広くなると赤外線センサーで温度検知している温度検知面も大きくなり、設置面以外の温度を検知したり、検知したい食品以外の食品が温度検知面に存在する可能性が増加する。これにより、貫通口の高さを3mm以上にすることで、視野角度を制限し、温度検知面を絞ることで、赤外線センサーの誤検知を最小限に抑えることができ、検知精度の安定性を更に向上させることができる。
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0030】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の要部側面断面図である。図2aは、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の赤外線センサー取付部の側面断面図である。
【0032】
図1、図2aにおいて、断熱箱体1で構成された冷蔵庫本体2の貯蔵室の一部である冷凍室3は、上方の上部断熱仕切体4と下方の下部断熱仕切体5によって温度帯の異なる冷蔵室6と野菜室7とから区画されている。また、冷凍室3の開口部(図示せず)には、その開口部の左右端をつなぐ仕切体8が設けられている。
【0033】
本実施の形態では仕切体8によって開口部の左右端のみをつないでいるが、冷凍室3を上下区画に分けて、どちらかの区画を例えば別の温度帯設定も可能となるような貯蔵室として使用する場合には仕切体8で上下区画を分けるように上部断熱仕切体4や下方の下部断熱仕切体5のように断面全体にわたって断熱仕切体で形成しても良い。
【0034】
冷凍室3の背面に設けられた冷気生成室9には、冷気を生成する蒸発器10と、冷気を冷蔵室6、冷凍室3、野菜室7にそれぞれ供給、循環させる送風機11が配置され、蒸発器10の下部空間には除霜時に通電される除霜用ヒータ12が配置されている。また、冷凍室3の背面には冷気分配室19が設けられており、冷気分配室19に連続して複数の冷気吐出口として冷気吐出口21及び冷気吐出口22および冷気吐出口33が設けられている。
【0035】
冷凍室3の開口部には、扉23と扉24が設けられており、冷凍室3からの冷気の流出が無いように冷凍室3を閉塞している。扉23と扉24はいずれも引き出し式の扉であり、食品を出し入れする場合は冷蔵庫手前側、すなわち図1で示すところの左側方向に引き出して使用される。また、扉23及び扉24の後方にはそれぞれ枠体25、26が設けられている。この枠体25、26上にはそれぞれ上段容器27と下段容器28が載置されている。
【0036】
上段容器27の底面の赤外線センサー13と対向する面である検知面には蓄冷材29が載置されている。この蓄冷材29は、一般的に冷凍される食品の凍結温度より低く、かつ、冷凍室3の温度よりも高い温度である−15℃に融解温度を設定されている。また、蓄冷材29の充填量としては、蓄冷材29上に食品が投入、配置された場合でも完全に融解することのない量に設定されている。
【0037】
また、赤外線センサー13が取り付けられている壁面である上部断熱仕切体4の庫内側の壁面はABS樹脂で形成されている。また、冷凍室3の他の庫内壁面も同様にABS樹脂で形成されており、上段容器27および下段容器28はABS樹脂と熱特性の似た一般の樹脂からなるPP樹脂で形成されている。
【0038】
また、冷凍室3の背面下部には冷気を吸い込み、蒸発器10まで導くための冷気吸入口30が設けられている。
【0039】
また、蓄冷材29上には食品31が使用者の手によって載置、保存される。
【0040】
赤外線センサー13は、一般的に視野範囲にある物体から放射される赤外線量を検出し、電気信号に変換する赤外線受光部40と、赤外線受光部40の周囲温度の基準温度を測定し、電気信号に変換するサーミスタ42とが内蔵された赤外線素子部43で構成されている。
【0041】
本実施の形態においては、食品31の温度を検知することを目的としているが、赤外線センサー13は食品31の温度を検知すると同時に赤外線センサー13の視野範囲内にあるものの温度を検知するので、冷凍室4の壁面や冷凍室4内収納される食品31および蓄冷材29などから放射される赤外線量を検出している。その際に赤外線受光部40の周囲温度を基準温度として測定している。
【0042】
また、赤外線素子部43が電気的に接続されたワイヤー46と、コネクタ44と、プリント配線(図示せず)された基板41とが電気的に接続され、冷蔵庫を制御する制御基板(図示せず)の配線45と、コネクタ44とが電気的に接続される。
【0043】
そして、赤外線素子部43は、サーミスタ42の基準温度の電圧と、赤外線受光部40の赤外線量の電圧とを制御基板(図示せず)に電圧を出力することで、検出した測定物の温度を算出し、算出した検知温度で、制御手段(図示せず)で判断を行う。
【0044】
赤外線集光部材48は、赤外線素子部43と熱的に接する状態で赤外線素子部43の周囲を覆って、基板45と隙間なく設けられ、食品31や蓄冷材29以外から放射される外乱の赤外線を取り除き、検知強度を高めるために視野角θ°を制限する貫通口50が赤外線受光部40へ導くように設けている。このように集光機能を有するために本実施の形態においては、赤外線集光部材48の貫通口50の内壁面50a先端部50bから後端部50cの高さを3mm以上とすることで、視野角が30°〜60°となるように設けられている。また、ここで、上段容器27の高さを略110mmとした場合は、視野角を略50°とすることが望ましい。
【0045】
また、ここで、貫通口50は、検知する範囲の円内部において、中心が最も赤外線検知強度が強く、端に行くほど検知強度が弱くなる。そのため赤外線センサーの視野角をより絞ることで赤外線センサーの視野範囲に入っている食品31等の検知物の赤外線量の強度を上げることができ、対象物温度をより確実に精度よく検出することができるが、視野角度の一部が貫通口50の内壁面50aおよび先端部50bに重なるため、内壁面50aや先端部50b温度の影響を受け誤検知の要因となることにより、赤外線センサーの視野範囲内に位置する赤外線集光部材48の少なくとも貫通口50の内壁面50aは、例えば扉の開閉に伴う暖気の流入といった外乱による温度変動があった場合でも、そういった外乱に対する温度追従性を緩和して安定した検知ができるようにするのが望ましく、本実施の形態においては、赤外線集光部材48の貫通口50の内壁面50aの熱保持力を大きくするために、赤外線集光部材48自体の熱保持力が高くなるように熱伝導性を高くかつ熱容量を大きくするように工夫している。
【0046】
ここで、本発明における熱保持力とは、周辺空気に温度変動等の熱負荷がかかった場合に、それらの温度変動に対する温度追従性の応答性を表しており、すなわち、熱負荷がかかった場合に温度追従性が悪い方向は熱保持力が大きくなる方向であり、追従性が良い方向は熱保持力が小さくなる方向とする。この熱容量は例えば部材の空気に露出している面の単位表面積辺りの熱放射量で表すことができる。具体的には、例えば赤外線集光部材48の空気に露出している表面積が同じであっても、赤外線集光部材48の体積が大きいと熱保持力は大きくなり、また同じ体積であっても、熱容量が大きい材料を使用するとその熱保持力は大きくなる。
【0047】
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
【0048】
まず、電源投入後、冷凍サイクル(図示せず)の運転が開始され、蒸発器10に冷媒が流通して冷気が生成される。生成された冷気は送風機11によって冷気分配室19に送られ、冷気吐出口21と冷気吐出口22から分配されて冷凍室3内に吐出される。
【0049】
冷凍室内3に吐出された冷気により冷凍室3が所定の温度まで冷却され、同時に蓄冷材29も冷却される。この時、冷凍室3は食品をある一定の期間冷凍保存できる温度、例えば−20℃に温調されているが、蓄熱材29は−15℃に融解温度を設定されたものを用いるため、冷凍室3が十分に冷却され一定時間経過した後では蓄冷材29は完全に凍結している状態となり、冷却室3内を冷却した冷気は冷気吸入口30から冷気生成室9に入り、蒸発器10によって再び冷却される。
【0050】
赤外線センサー13の温度検出は、例えば、基準温度となる赤外線センサー13の周囲温度を25℃とした時に赤外線センサー13から出力される電圧をV、サーミスタ42で測定する周囲温度をS、測定範囲を赤外線受光部40で赤外線量を測定する赤外線量の平均温度をBとした場合は、「V=α(B−S)」の関係式で表せる。ここでのαは係数である。
【0051】
従って、赤外線センサー13は、周囲温度Sと赤外線量の平均温度Bとの温度差がなければ、出力される電圧Vの値が0に近づき、基準となる温度が測定範囲の温度Sになり、温度差が大きければ、赤外線受光部40で検出している赤外線量が多くなり、出力される電圧も大きくなる。
【0052】
よって、仮に温かい食品が投入された場合に、基準温度となる赤外線センサー13の周囲温度Sもそれに伴って大きくなった場合には、周囲温度Sと平均温度Bとの差が小さくなり、温かい食品が入った場合でも相対的に温度の高い食品が投入されたと検出できず、赤外線センサー13の検知精度が低下してしまう。
【0053】
上記のように、サーミスタ42の温度が外乱によって変動せずに安定した温度を保つことができれば、温かい食品等が入った場合に正確な温度を赤外線センサー13が検知することが可能となる。
【0054】
次に扉23が閉時の赤外線センサー13の検出温度は、赤外線センサー13と対向する側に備えられた検知面である上段容器27の底面に据置された蓄冷材29の表面温度を含めて検出する。このように赤外線センサー13が検知する面を蓄冷機能を有する蓄冷材29で形成したことで、検知面における熱保持力も大きくすることができる。例えば、暖気の流入等の外乱があった場合でも、赤外線センサーの検知面も熱保持力が高く外乱に対する温度追従性を緩和することができるので、より外乱による温度変動に影響を受けにくく、安定した温度を保持することができるので、より高い検知精度を得ることができる。この場合は、蓄冷材29が配置されている検知面の方が、蓄冷材29が配置されていない部分の上段容器27の表面よりも周辺温度の変動による熱追従性が悪いことによって、外乱に対する温度追従性を緩和することができる。別の言い方をすると蓄冷材29が配置されている検知面の方が、蓄冷材29が配置されていない部分の上段容器27の表面よりも単位面積辺りの熱放射量が小さいことで熱保持力を大きくすることができる。
【0055】
このように、本実施の形態においては、赤外線センサー13の視野範囲に位置するものである赤外線集光部材48の貫通口50の内壁面50aと赤外線センサー13と対向する側に備えられた検知面である上段容器27の底面との両方すなわち赤外線センサー13の視野範囲全体を熱保持力の大きい部材で形成することによって、外乱による一時的な温度変動が生じた場合でも、赤外線センサーの視野範囲内に位置する部分の温度追従性を緩和することができるので、赤外線センサー13が温度検知する目的物である食品31の温度をより正確に検知することが可能となる。
【0056】
使用者が食品31を収納する時は、例えば、扉23が引き出され、この時は、赤外線センサー13の温度検出は、下段容器28内の温度を検出する。本実施の形態においては、このような扉23が開いた場合に赤外線センサーと対向する検知面である下段容器28内が本来の検知面である上段容器27の底面とほぼ同温度帯の冷凍温度帯であるために、赤外線センサー13が冷凍温度を検知するため、温度の高い検知を行うことがなく、不要な急速冷凍制御を行うことを防止することができる。
【0057】
このように引き出し式の扉を有する貯蔵室に赤外線センサーを備える場合において、扉の開閉を検知する扉開閉センサーを備えると扉の開放を検知して赤外線センサーの検知を停止することで誤検知を防止することが可能であるが、本実施の形態のように扉開閉センサーを備えない場合においては、赤外線センサーが検知する検知面が扉の開放に伴って変化することに伴う誤検知を防ぐために赤外線センサーの検知方向において検知面の投影線上の隣接する貯蔵室は、赤外線センサーを備えた貯蔵室と同温度帯もしくは低温度帯の貯蔵室とすることが望ましい。仮にこの隣接する貯蔵室が高い温度帯の貯蔵室である場合には高い温度を検知してしまうことで、冷凍サイクルに負荷をかけて冷却を促進する制御が動作することとなり、無駄なエネルギーを消費してしまう。
【0058】
よって、本実施の形態のように扉開閉センサーを備えない場合においては、赤外線センサーの検知方向において検知面の投影線上の赤外線センサーを備えた貯蔵室と隣接する貯蔵室は、赤外線センサーを備えた貯蔵室と同温度帯もしくは低温度帯の貯蔵室とすることが望ましく、これによって扉が開放された場合の誤検知を防ぎ、より検知精度を高めることで省エネルギーで冷凍負荷を着実に冷却する冷蔵庫を実現することが可能となる。
【0059】
そして、扉23が開いた状態となり、外気の暖気が扉23の開口面から流入し、冷凍室3の天井面の上段断熱仕切板4に沿って暖気が流れ、赤外線集光部材48の貫通口の内壁面50a先端部50bと、凹部49の先端面49aが同一面になるため、扉を開けた場合でも温度変動が小さいため、急激な周囲温度の変化による上昇や降下などが原因による誤検知を抑えることができ、赤外線センサー13の検知精度の安定性を向上させることができる。
【0060】
また、赤外線集光部材48の貫通口の内壁面50a先端部50bの温度が上昇するが、赤外線集光部材48の熱保持力が大きいため、暖気が流れても、赤外線集光部材48の貫通口の内壁面50a先端部50bから後端部50cにかけて温度勾配が付き難く、赤外線集光部材48の全体の温度が均温に保たれる。
【0061】
そして、赤外線センサー13は、周囲温度との温度差がない状態となり、赤外線センサー13の検知精度を向上することが可能である。
【0062】
ここで、図3を用いて扉の開閉が行われた場合の赤外線集光部材48の材料による熱保持力すなわち熱追従性の比較を説明する。
【0063】
本実施の形態では、赤外線集光部材48は、従来庫内壁面の材料として一般的だったABS樹脂と、ABS樹脂と比較して熱保持力が高くなるように熱伝導性を高くかつ熱容量を大きくしたアルミニウムを主成分とするもの、また少しコストが高いが熱伝導率や熱容量が高いことに加えて電気的に絶縁性を有する粉体酸化物からなる高熱電導樹脂材料とを比較した。また、粉体金属樹脂材料は周囲が空気中に露出しているもの(ケース無)と、周囲をこの集光部材よりも熱伝導率の低いケースで覆っているもの(ケース有)とを比較する実験を行った。
【0064】
また、粉体金属樹脂材料は具体的には、アルミナを主成分として、PPS、ABS、LSP(液晶ポリマ)等の樹脂に分散して混合配合した高熱電導樹脂材料を用いている。また、主成分はやシリカ、マグネシアの何れか1種類を用いても良い。
【0065】
実験条件は、外気温38℃に設置された冷蔵庫において、−17.5℃に保たれた冷凍室のドアを20秒間(横軸の10秒〜30秒の間)開放した後に閉塞した場合に、冷凍室内に備えられた赤外線センサーが検知する検知温度の時間経過に伴う温度を測定したものである。
【0066】
図3によると、従来一般的であったABS樹脂は−17.5℃に保たれた貯蔵室を20秒間開放した場合には、−3℃以上まで温度上昇した後、序々に温度は低下していくが、ドア閉塞後70秒経っても−15℃以下にはなっておらず、当初の温度まで復帰していなかった。本実験では比較しないが、こういったABS樹脂と同様に従来一般的な樹脂であったPP樹脂等でも同様の温度特性となる。
【0067】
これと比較して集光部材をアルミニウムで形成した場合には、ドアの開放で一時的に−7℃付近まで温度上昇するがその後急速に温度が低下し、ドアの閉塞後20秒で元の温度である−17.5℃まで温度低下していた。これは、アルミニウムの熱保持力が大きいために、一時的に表面の貯蔵室内の空気および外気といった暖気に接している集光部材の内壁面の温度は上昇するものの、アルミニウムの集光部材本体がドア開放前に保っていた−17.5℃の温度を熱保持していたので、ドアを閉めた後は、その温度が集光部材の内壁面に速やかに伝導してドア開放前に蓄えていた冷熱によって集光部材の内壁面も集光部材の温度まで低下したことで、赤外線センサーの検知温度が速やかに低下したと思われる。
【0068】
次に粉体金属樹脂の場合には、アルミニウムと同様にドアの開放で一時的に−7℃付近まで温度上昇するがその後急速に温度が低下し、ドアの閉塞後20秒で元の温度である−17.5℃まで温度低下しており、これも上記と同様に熱保持力が大きいために、一時的に表面の貯蔵室内の空気および外気といった暖気に接している集光部材の内壁面の温度は上昇するものの、集光部材本体がドア開放前に保っていた−17.5℃の温度を熱保持していたので、ドアを閉めた後は、その温度が集光部材の表面に速やかに伝導してドア開放前に蓄えていた冷熱によって集光部材の内壁面も集光部材の温度まで低下したことで、赤外線センサーの検知温度が速やかに低下したと思われる。
【0069】
次に粉体金属樹脂の外周に熱保持促進部材としてABS樹脂からなるケースを備えた場合には、ドアを開放した場合でも温度があまり上昇せず、20秒間の開放後の温度は−15℃と2.5℃の上昇であった。その後ドアを閉塞した後20秒後には元の−17.5℃まで、赤外線センサーの検知温度が速やかに低下している。
【0070】
これは、熱保持促進部材によって外周部を囲まれていることで、暖気が流入した場合に熱放射する表面積がさらに小さくなり、熱放射が抑えられるために、集光部材の内壁面のみが暖気に接していても集光部材全体の熱保持力によって内壁面温度はすぐには上昇しないためと思われ、ドアの閉塞後は上記アルミニウムと同様に集光部材本体がドア開放前に保っていた−17.5℃の温度を熱保持していたので、ドアを閉めた後は、その温度が集光部材の内壁面に速やかに伝導してドア開放前に蓄えていた冷熱によって集光部材の内壁面も集光部材の温度まで低下したと思われる。
【0071】
よって、赤外線集光部材48は、熱保持力が高くなるようにするために、従来の集光部材や庫内壁面の材料として一般的であったABS樹脂と比較して熱伝導性および熱保持力の高い材料である例えばアルミニウム、チタン、ステンレス、鉄、銅等の金属もしくはそれらを含む材料で形成されている。特に、軽量で、熱伝導率や熱容量が高く、冷凍室3内に一部表面が剥き出して配置される観点から見ると、耐腐食性の高いアルミニウムを主成分とするものが好ましい。
【0072】
また、冷凍室3内に一部表面が剥き出して使用する場合は、使用者が庫内等を清掃する布巾等による摩擦や人体に帯電して発生する静電気による赤外線センサー13の誤動作や素子自体の破壊を防止するために、粉体金属樹脂の中でも、電気的に絶縁し、熱伝導率や熱容量が高い粉体酸化物樹脂で、例えば、アルミナやシリカ、マグネシアの何れか1種類を主成分として、PPS、ABS、LSP(液晶ポリマ)等の樹脂に分散して混合配合した材料を用いることで熱保持力を向上させることも可能であり、この場合には高熱保持力および高熱伝導性で且つ電気絶縁性を兼ね備え、その配合比は、重量比率で粉体酸化物が80%以上であるものが好ましく、電気絶縁性についても、一般の樹脂部材と同等の比抵抗で1.0×1014Ω・m以上あり、家電製品に関する各種法令で定められている電気絶縁性を満足させることも可能である。
【0073】
更に、貯蔵室内に収納する収納物を赤外線センサー13で温度を検知する場合は、扉開閉による温度変動で赤外線集光部材48の貫通口の内壁面50a先端部50bと後端部50cとの温度勾配ができ易いので、粉体酸化物の重量比率を略85%以上とすることで、熱伝導率が高くなり、熱伝導率は2W/m・K以上で、且つ、単位質量あたりの熱容量は、750J/kg・℃以上とすることが望ましい。
【0074】
上記のように赤外線集光部材48の少なくとも内壁面は赤外線センサーが取り付けられている壁面である上部断熱仕切り板の庫内側の壁面であるABS樹脂の壁面よりも温度変動に対する追従性が悪く、すなわち熱保持力が大きいものである。
【0075】
また、本実施の形態では、さらに赤外線集光部材48の熱保持力を向上させる熱保持促進部材として赤外線取付けケース47を用いて、赤外線集光部材48の周囲を赤外線取付ケース47の集光開口部51で包囲することで、熱容量を向上し、赤外線集光部材48の温度変動を更に低減させている。
【0076】
この場合、赤外線取付ケース47が赤外線集光部材48の周囲を取り囲む断熱部材として機能しており、赤外線集光部材48の外側表面が外気にさらされることを防止しているので、赤外線集光部材48の外気と接触面積を低減させるとともに、一定温度の赤外線集光部材の温度変化を緩慢にすることで、外乱による温度変動に対する追従性をより緩和することができ、熱保持力を向上させることができ、赤外線取付けケース47が熱保持力を向上させることができる熱保持促進部材として機能している。
【0077】
なお、本実施の形態では熱保持促進部材として赤外線集光部材48の少なくとも外表面を赤外線取り付けケース47で覆う構成としたが、これを赤外線集光部材48よりも熱伝導率の低い部材で形成すれば他の構成であっても良い。例えば、赤外線集光部材48の周囲にゴムやブチル等の部材を嵌め込むことによって熱保持促進部材としてもよく、この場合には他部品と取付けを行う際のシール部材としての機能も果たすことが可能である。また、一般的に冷蔵庫の庫内壁面に使用されているABS樹脂で形成し、そこに赤外線集光部材を嵌め込む形でも良い。さらに、熱伝導率の低い材料からなる断熱部材で赤外線集光部材48の周囲を囲う構造ではさらに赤外線集光部材48の熱保持力を向上させることが可能となり、より温度変動に対する追従性を緩和し、安定した検知精度を備えた赤外線センサーを備えることができる。
【0078】
このように熱保持促進部材を用いることで、赤外線センサーの検知範囲内の壁面である赤外線集光部材の内壁面は一般的な庫内壁面すなわちABS樹脂よりも単位面積あたりの熱放射量を小さくすることが可能となり、安定した検知精度を備えた赤外線センサーを備えることができる。
【0079】
上記に加えて、赤外線センサーの検知範囲内の壁面の中で大きな面積となる検知面である食品載置面についても一般的な庫内壁面すなわちABS樹脂よりも熱保持力を大きくすることで、単位面積あたりの熱放射量を小さくすることが可能となり、安定した検知精度を備えた赤外線センサーを備えることができる。このように赤外線センサーの検知範囲内のすべての面を赤外線センサーが備えられている壁面表面のABS樹脂よりも熱保持力を大きくすることで、単位面積あたりの熱放射量を小さくすることが可能となり、より暖気の流入による温度変動に対する温度追従性を緩和すなわち悪くすることができるので、赤外線センサーの検知面の温度変動を抑制し、安定した検知精度を備えた赤外線センサーを備えることができる。
【0080】
また、赤外線取付ケース47は、略中心に位置する部分に赤外線集光部材48の側面と同一形状で貫通した集光開口部51が設けられ、その集光開口部51に赤外線集光部材48を収納して、赤外線センサー13が赤外線取付ケース47に取付けられている。また、赤外線受光部40面と赤外線集光部材48の先端面48aが並行で、冷凍室3内に伸びる赤外線集光部材48の先端面48aと、赤外線取付ケース47の外面が同一面に設けられ段差を少なくすることで、扉23、扉24の開閉状態があっても、冷凍室3の天井面の上段断熱仕切板4に沿って風が流れやすく、暖気溜まりで赤外線集光部材48の貫通口50の内壁面50a先端部50bと後端部50cとの温度勾配ができ難いように設けられている。
【0081】
また、図2bに示すように本実施の形態においては、赤外線集光部材48の内壁面50aは円錐形の頂点をカットしたような横断面が台形であり、底辺が直径2.5mmで検知面側が直径3.9mmの断面が台形上の形をしており、高さ4mm、表面積は40.73mmである。
【0082】
また、赤外線集光部材48は赤外線の検知面である赤外線受光部40の配置面40aもしくはサーミスタ42の配置面42aよりも検知面である食品31が載置されている側と逆の上部断熱仕切り4側に延出して赤外線集光部材後端面48bが形成されており、赤外線集光部材48の内部に赤外線受光部40やサーミスタ42とを挟んで両側に赤外線集光部材48で囲まれた空間が形成されている。
【0083】
このように赤外線集光部材48の円心側の空間内に赤外線受光部40やサーミスタ42が配置されていることで、赤外線集光部材48の熱保持力を上げることが赤外線受光部40やサーミスタ42自身の温度変動を抑制することに直接的に関わっていることとなる。
【0084】
上記のように、赤外線集光部材48の体積は集光機能を発揮する部分よりも倍以上の体積である745.935mmのとしたので表面積は40.73mmに対して十分に大きな熱容量を実現することが可能となる。
【0085】
また、赤外線集光部材48の体積は赤外線受光部40の配置面40aの背面側の方が赤外線受光部40の配置面40aの先端側よりも大きくなるように構成している。すなわち、赤外線受光部40の配置面40aから赤外線集光部材の後端面48b側の体積の方が赤外線受光部40の配置面40aから赤外線集光部材の先端面48aの体積よりも大きくなるように形成していることで、より外気の影響を受けにくい赤外線集光部材の後端面48b側の熱容量を大きくすることができ、より周辺空気による温度変動を緩和し、熱安定性の高い集光部材を形成することが可能となる。
【0086】
以上のように、本実施の形態では、赤外線集光部材48の少なくとも内壁面は赤外線センサーが取り付けられている貯蔵室の壁面よりも単位体積当たりの熱保持力が大きくなるように形成したものである。
【0087】
これによって、赤外線センサーの視野範囲の温度変動を抑制するために赤外線センサの視野範囲に位置する赤外線集光部材の内壁面が、暖気の流入等の外乱による温度変動に対する温度追従性を緩和することができ、赤外線センサーの視野範囲の温度安定性を高めることでき、赤外線センサーの温度検知部の周囲温度が変動する外乱影響(例えば扉開閉や熱い食品)よる検知精度の低下をより簡単な構成で抑制することが可能となり、赤外線センサーの検知精度を向上することができる。
【0088】
また、本実施の形態で用いたアルミを主成分とした金属もしくは粉体金属樹脂を集光部材として用いると、その内壁面温度すなわち空気と接する表面温度は一時的に変動するものの、そういった一時的な外乱に対してはすぐに元の状態に復帰するため、暖気の流入等の外乱があった場合でも、赤外線センサーの検知面も熱保持力が高く外乱に対する温度追従性を緩和することができるので、より外乱による温度変動に影響を受けにくく、安定した温度を保持することができるので、より高い検知精度を得ることができることがわかった。
【0089】
また、赤外線集光部材48の先端の温度と、サーミスタ42との温度差があれば、赤外線集光部材48の先端部の温度を検出し、赤外線センサーによって検出した温度が赤外線センサー13の検知精度が悪くなる原因であるが、本実施の形態ではサーミスタ42と赤外線集光部材48の内壁面および先端部48aとの温度差を小さくすることができ、より検知精度を向上させた赤外線センサーを用いることが可能となる。
【0090】
また、赤外線集光部材48の少なくとも内壁面は赤外線センサーが取り付けられている壁面である上部断熱仕切り板の庫内側の壁面であるABS樹脂の壁面よりも温度変動に対する追従性が悪く、すなわち熱保持力が大きいものであるので、より外乱による温度変動に影響を受けにくく、安定した温度を保持することができるので、より高い検知精度を得ることができる。
【0091】
従って、赤外線センサー13の周囲を熱伝導率の大きい赤外線集光部材48で囲うことで、赤外線センサー13の周囲の外乱影響(例えば扉開閉や熱い食品による温度変動)を赤外線集光部材48で吸収し、赤外線センサー13と赤外線集光部材48の温度が均一になり、赤外線センサー13の周囲の温度変動が小さくなり、外乱による熱影響を低減し、温度変動を抑制することで赤外線センサー13の検知精度を向上することが可能である。
【0092】
また本発明では、赤外線センサー13の検知する上段容器27内に食品等の負荷から発せられる赤外線量を検知し、赤外線量から算出される温度が一定の温度以上(上限設定温度:T0)である場合に、自動で急凍制御に入り、また、急凍制御設定後に赤外線センサー128が検知する温度が一定の温度以下(下限設定温度:T1)である場合に急凍制御を終了するようにした。
【0093】
急凍制御の動作としては、食品が入り赤外線センサー13の検知温度が開始温度であるT0以上を検知すると、冷蔵庫は圧縮機(図示せず)の回転数を上昇させることで循環する冷媒量を上げ、蒸発器10の温度を下げる。更に、冷気送風機11の回転数を上昇させることにより、蒸発器10で生成された冷気を庫内に循環させる冷却量を増やすことで食品31を早く冷却させる。その後、食品31の温度を継続検知する中で、最大氷結晶生成帯である0℃〜−5℃の通過を確認後、終了温度である下限設定温度T1となると急凍制御を自動で終了し、通常の冷却運転とさせることで食品保存として鮮度に影響する最大氷結晶生成帯を早く通過させ、最大氷結晶生成帯を通過後には通常に冷却していても保鮮性の劣化にはほとんど影響はないので、通常運転としている。本実施の形態では、急凍制御の開始温度すなわち上限温度であるT0は−2.5℃とし、急凍制御の終了温度すなわち下限温度であるT1は−15℃としている。これは、食品の収納形態や食品自身の形態によって状態が異なるためである。
【0094】
このように、本実施の形態では自動で急速冷凍(急凍)の制御に入り冷却能力の向上が自動で行われるので、冷蔵庫の冷却を必要に応じた冷却運転で行うことができる。特に、負荷投入によっての庫内温度の上昇や、急速に凍結させたい負荷への冷却に対して、従来のように圧縮機を中回転で運転し負荷をゆっくり冷却するよりも、高能力で短時間の冷却とするほうが、実際の冷蔵庫の消費電力量としては運転時間を短縮することができるので、さらに省エネルギーを実現した冷蔵庫を提供することができる。
【0095】
このような、自動での急速冷凍を行う場合には、赤外線センサー13の検知精度が悪いと無駄に急速冷凍の制御が始まってしまうといった課題があるが、本実施の形態では赤外線センサー13の検知精度をより向上させているので、自動での急速冷凍をより精度よく行うことが可能となる。
【0096】
以上のように、本実施の形態1においては、複数の断熱区画で構成された断熱箱体と、断熱箱体を仕切る断熱仕切り部と、仕切り部で仕切られた貯蔵室と、貯蔵室内に収納された収納物から放射された赤外線量を検知する温度検知部を有した赤外線センサーと、温度検知部の周囲を囲い赤外線センサーに放射量を導く貫通口を備えた、赤外線集光部材とを有し、赤外線集光部材は、樹脂と比較して、熱伝導率の大きい特性を備え、赤外線センサーの周囲を熱伝導率の大きい赤外線集光部材で包囲し、赤外線センサーの周囲の外乱影響(例えば扉開閉や熱い食品等)による温度変動を赤外線集光部材で吸収し、赤外線センサーと赤外線集光部材の温度が均一になり、赤外線センサーの周囲の温度変動が低減し、赤外線センサーの周囲の温度変動を抑制することで、赤外線センサーの検知精度を向上することができる。
【0097】
また、断熱仕切り部に形成した凹部と、赤外線センサーを収納する赤外線取付ケースと、赤外線取付ケースの一部に赤外線集光部材の側面と同一形状で貫通した集光開口部とを備え、凹部に赤外線取付ケースを埋設したことにより、赤外線集光部材の側面を更に熱容量の大きい樹脂部材で囲うことで、熱容量を向上し、更に赤外線集光部材の温度変動を低減することで、赤外線センサーの検知精度を更に向上させることができる。
【0098】
また、赤外線集光部材の先端面は、凹部の先端面と同一面に埋設したことにより、扉開閉による暖気の流入を赤外線集光部材の先端面のみを通過させることで、凹凸をなくす同一面とすることで、扉開閉による暖気の流入や、食品等を収納し、その食品から出る蒸気の暖気溜まりをなくすことで、扉を開けた場合でも温度変動が小さいため、急激な周囲温度の変化による上昇や降下などが原因による誤検知を抑えることができ、検知精度の安定性を向上させることができる。
【0099】
また、赤外線集光部材は、良熱伝導性のアルミを主成分とした金属からなることで、扉開閉による暖気の流入があっても、良熱伝導性を兼ね備えたアルミを主成分とした金属を用いることで、熱による応答性を早め、赤外線集光部材の貫通口の温度勾配をなくし、赤外線センサーの検知精度を向上させることができる。
【0100】
また、赤外線集光部材は、樹脂と粉体酸化物とを配合し、粉体酸化物を85%以上配合してなる電気絶縁性を特徴としたことにより、赤外線センサーの検知精度を低下させることなく、家電製品に関する各種法令で定められている電気絶縁性を確保することができる。
【0101】
また、貫通口は、赤外線センサーの先端面から3mm以上の高さを備えたことにより、例えば、角度が広くなると赤外線センサーで温度検知している温度検知面も大きくなり、設置面以外の温度を検知したり、検知したい食品以外の食品が温度検知面に存在する可能性が増加する。これにより、貫通口の高さを3mm以上にすることで、視野角度を制限し、温度検知面を絞ることで、赤外線センサーの誤検知を最小限に抑えることができ、検知精度の安定性を更に向上させることができる。
【0102】
また、一般に赤外線センサー112は、物体から照射される赤外線の放射量を検知するもので、熱い食品から出る蒸気により、凹部113の周囲や赤外線センサー112の周囲が結露し、その結露(水)が持つ熱エネルギーを赤外線の放射量として検知するので、食品の表面温度を検出するより、赤外線センサー112の周辺に付着した結露(水)の温度を検出してしまい、食品の表面温度を正確に検出できないという課題を有していたが、本実施の形態では、赤外線センサーと食品との間にカバーや集光レンズといった介在物を設けずに赤外線センサー表面と貯蔵室内空間が連通していることで介在物に結露水が付着することによる赤外線センサーの検知精度の低下を防止することができる。
【0103】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上記実施の形態1と同一構成の部分は同じ符号をふり詳細な説明を省略し、同一の技術思想が適用できる部分については詳細な説明を省略する。
【0104】
本実施の形態2は本願発明の他の実施の形態で説明した構成要素との組合せが可能であり、目的に応じて随時適用できるものである。
【0105】
図4は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の要部側面断面図である。
【0106】
冷蔵庫内の貯蔵室の一つである冷凍室3内に備えられた赤外線センサー13は、一般的に視野範囲にある物体から放射される赤外線量を検出し、電気信号に変換する赤外線受光部40と、赤外線受光部40の周囲温度の基準温度を測定し、電気信号に変換するサーミスタ42とが内蔵された赤外線素子部43で構成されている。よって、赤外線センサー13の視野範囲外に温度の高い食品が投入された場合には、検知できないこととなる。
【0107】
本実施の形態においては、より赤外線センサー13を用いた場合の検知精度を向上させるために、前方側に備えられた第一の赤外線センサー13aと後方側に備えられた第二の赤外線センサー13bの複数の赤外線センサーを備えている。
【0108】
また、上段容器27内を冷却する冷気吐出口21も複数設けられ、主に前方側へ冷気を吐出する第一の冷気吐出口21aおよび主に後方側へ冷気を吐出する第二の冷気吐出口21bを備えている。
【0109】
これによって、冷凍室3内の上段容器27内の例えば冷蔵庫の前方側の温度は第一の赤外線センサー13aによって検知し、上段容器27の後方側の温度は赤外線センサー13bによって検知することが可能であるので、複数の赤外線センサーの検知温度を制御手段によって比較して、どの領域に冷却が必要な負荷が投入されたかを判定する。
【0110】
そして、上段容器27内のいずれの箇所に温かい食品が投入された場合には複数の赤外線センサー13のうち最も高い温度を検知している赤外線センサーの配置されている領域を集中的に冷却することで効率的な冷却を行うために、複数の吐出口の風量を変化させることが可能となっている。
【0111】
具体的には、例えば赤外線センサー13の中で最も高い温度を検知した赤外線センサーが第一の赤外線センサー13aであった場合には、前方側に温かいものが投入されたと判断し、第二の冷気吐出口21bはダンパーによって閉塞し、第一の冷気吐出口21aから集中的に冷気を吐出することで、上段容器27の前方側の領域に投入された食品を急速に冷却することが可能となる。
【0112】
このような急速冷却を行うことで、温度が高い食品からの熱影響によって貯蔵室全体の温度が上昇して予め保存していた食品の温度上昇により鮮度が低下するといったことを防止することができ、また温度が上昇した貯蔵室の食品全体を万遍なく冷却するよりも温度が高いものに集中して急速冷却することができるので、省エネルギーでの冷却が可能となる。なかでも、赤外線センサーの検知温度によって自動で急速冷却を行うような制御を行うと、さらに必要な箇所のみ必要な負荷量だけ急速冷却を行うことができるので、より省エネルギーを実現して冷却保存を行うことができる。
【0113】
また、このような急速冷却を行う場合に本実施の形態のように、赤外線センサー13と対向する側に備えられた検知面である上段容器27の底面を熱保持力の大きい部材で形成することによって、温かい食品を入れることで大きな熱負荷が増えた場合でも、より速やかな急速冷却を行うことが可能となる。
【0114】
また、本実施の形態においても実施の形態1と同様に赤外線センサーの検知範囲を絞る赤外線集光部材を熱保持力の大きくすることで、より検知精度を高めた効率の良い急速冷却が行うことができるのは言うまでもない。
【0115】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、上記実施の形態1および2と同一構成の部分は同じ符号をふり詳細な説明を省略し、同一の技術思想が適用できる部分については詳細な説明を省略する。
【0116】
本実施の形態3は本願発明の他の実施の形態で説明した構成要素との組合せが可能であり、目的に応じて随時適用できるものである。
【0117】
図5aは、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の要部側面断面図である。図5bは、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の冷凍室の上から見た平面図である。
【0118】
冷蔵庫内の貯蔵室の一つである冷凍室3内に備えられた赤外線センサー13は、一般的に視野範囲にある物体から放射される赤外線量を検出し、電気信号に変換する赤外線受光部40と、赤外線受光部40の周囲温度の基準温度を測定し、電気信号に変換するサーミスタ42とが内蔵された赤外線素子部43で構成されている。よって、赤外線センサー13の視野範囲外に温度の高い食品が投入された場合には、検知できないこととなる。
【0119】
よって、本実施の形態では赤外線センサー13を首振り可能なすなわち検知範囲を可動機構によって変化させることのできる赤外線センサー13cを用いている。
【0120】
この赤外線センサー13cは貯蔵室の赤外線センサー13cが検知する検知面すなわち食品載置面である上段容器27の底面における長手方向の中心線27aを中心として上段容器27の幅寸法27wに対し少なくとも赤外線受光部40が可動するように赤外線センサー13c全体を可動させている。
【0121】
よって、上段容器27の幅寸法27wに対する赤外線センサー13cの視野範囲の幅方向における寸法27xは下記のようになっている。
【0122】
27w/2≦27x≦27w
これによって、赤外線センサーの視野範囲27をより絞ることで、投入食品が入った場合の温度検知精度をより向上させることができ、どの領域に冷却が必要な負荷が投入されたかをより正確に判定して冷却を行うことが可能となる。
【0123】
そして、上段容器27内のいずれの箇所に温かい食品が投入された場合には複数の赤外線センサー13のうち最も高い温度を検知している赤外線センサーの配置されている領域を集中的に冷却することで効率的な冷却を行うために、複数の吐出口の風量を変化させることが可能となっている。
【0124】
具体的には、例えば赤外線センサー13cの視野範囲の中で最も高い温度を検知した部分が前方側(すなわち扉23側)にあった場合には、前方側に温かいものが投入されたと判断し、第二の冷気吐出口21bはダンパーによって閉塞し、第一の冷気吐出口21aから集中的に冷気を吐出することで、上段容器27の前方側の領域に投入された食品を急速に冷却することが可能となる。
【0125】
このような急速冷却を行うことで、温度が高い食品からの熱影響によって貯蔵室全体の温度が上昇して予め保存していた食品の温度上昇により鮮度が低下するといったことを防止することができ、また温度が上昇した貯蔵室の食品全体を万遍なく冷却するよりも温度が高いものに集中して急速冷却することができるので、省エネルギーでの冷却が可能となる。なかでも、赤外線センサーの検知温度によって自動で急速冷却を行うような制御を行うと、さらに必要な箇所のみ必要な負荷量だけ急速冷却を行うことができるので、より省エネルギーを実現して冷却保存を行うことができる。
【0126】
また、本実施の形態では、吐出口を複数設けて負荷の大きい領域に集中的に冷気を流すことで急速冷却を行ったが、単一の吐出口であっても風向を可変できるような風向可変装置を備え、負荷の大きい領域に冷気が流れるように風向きを調整することも可能であり、この場合には複数の吐出口21を設ける必要がないため、より簡素な構成で必要な領域を集中的に冷却することが可能となる。
【0127】
なお、本実施の形態においては、貯蔵室の赤外線センサー13cが検知する検知面をより広範囲とするために、赤外線センサー13c全体を可動させているが、この目的は赤外線検知面を移動させることであるので、例えば、表面にカバー等のなんらかの集光部材を形成する場合には、その集光部材の開口部のみ可動するような構成でもよく、その場合には、赤外線センサー自体の電気配線等を可動させずに集光部材の開口部のみを可動する構成を備えることで、低温環境においても電気配線や可動部への負担を低減し、より信頼性の高い可動部を備えた赤外線センサー13cを備えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0128】
以上のように、本発明にかかる冷蔵庫の赤外線センサーは、周囲の外乱影響(例えば扉開閉や熱い食品による温度変動)を受けず検知精度を向上することができ、且つ、家電製品に関する各種法令で定められている電気絶縁性を確保し、製品品質を向上させると共に家庭用冷蔵庫のみならず、業務用冷蔵庫や周囲影響が大きい環境下の測定機器などの用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の実施の形態1における冷蔵庫の要部側面断面図
【図2a】本発明の実施の形態1における冷蔵庫の赤外線センサー取付部の側面断面図
【図2b】図2aの要部拡大図
【図3】本発明の実施の形態1における開扉に伴う赤外線集光部の温度比較を示す図
【図4】本発明の実施の形態2における冷蔵庫の要部側面断面図
【図5a】本発明の実施の形態3における冷蔵庫の要部側面断面図
【図5b】本発明の実施の形態3における冷蔵庫の冷凍室の上から見た平面図
【図6】従来技術による冷蔵庫の側面縦断面図
【図7】従来技術による冷蔵庫の図6の一部拡大側面断面図
【符号の説明】
【0130】
1 断熱箱体
2 冷蔵庫本体
3 冷凍室(貯蔵室)
4 上部断熱仕切板
5 下部断熱仕切板
6 冷蔵室(貯蔵室)
7 野菜室(貯蔵室)
8 仕切体
9 冷気生成室
10 蒸発器
11 送風機
12 除霜用ヒータ
13 赤外線センサー
13a 第一の赤外線センサー
13b 第二の赤外線センサー
21 冷気吐出口
21a 第一の冷気吐出口
21b 第二の冷気吐出口
22 冷気吐出口
23 扉
24 扉
25 枠体
26 枠体
27 上段容器
28 下段容器
29 蓄冷材
30 冷気吸入口
31 食品
32 中段容器
33 冷気吐出口
40 赤外線受光部
40a 赤外線受光部の配置面
41 基板
42 サーミスタ
42a サーミスタの配置面
43 赤外線素子
44 コネクタ
45 配線
46 ワイヤー
47 赤外線取付ケース
48 赤外線集光部材
48a 赤外線集光部材の先端面
48b 赤外線集光部材の後端面
49 凹部
49a 凹部の先端面
50 貫通口
50a 貫通口の内壁面
50b 貫通口の先端部
51 集光開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の断熱区画で構成された断熱箱体と、前記断熱箱体を仕切る断熱仕切り部と、前記仕切り部で仕切られた貯蔵室と、前記貯蔵室内に収納された収納物から放射された赤外線量を検知する温度検知部を有した赤外線センサーと、前記赤外線センサーよりも前記貯蔵室内側に備えられた赤外線集光部材とを有し、前記赤外線集光部材の少なくとも内壁面は前記赤外線センサーが備えられた貯蔵室の壁面よりも前記赤外線センサーが備えられた貯蔵室内の温度変動に対する温度追従性が悪くなるように形成した冷蔵庫。
【請求項2】
複数の断熱区画で構成された断熱箱体と、前記断熱箱体を仕切る断熱仕切り部と、前記仕切り部で仕切られた貯蔵室と、前記貯蔵室内に収納された収納物から放射された赤外線量を検知する温度検知部を有した赤外線センサーと、前記赤外線センサーよりも前記貯蔵室内側に備えられた赤外線集光部材とを有し、前記赤外線集光部材の少なくとも内壁面は前記赤外線センサーが備えられた貯蔵室の壁面よりも単位体積当たりの熱保持力が大きくなるように形成した冷蔵庫。
【請求項3】
前記赤外線センサーの検知範囲内のすべての面は、前記赤外線センサーが備えられた貯蔵室の壁面よりも前記赤外線センサーが備えられた貯蔵室内の温度変動に対する温度追従性が悪くなる、もしくは前記赤外線センサーが備えられた貯蔵室の壁面よりも単位体積当たりの熱保持力が大きくなるように形成した請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記赤外線集光部材は、良熱伝導性のアルミを主成分とした金属からなる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記赤外線集光部材は、樹脂と粉体酸化物とを配合し、前記粉体酸化物を85%以上配合してなる電気絶縁性を有した請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記貫通口は、前記赤外線センサーの先端面から3mm以上の高さを備えた請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−243870(P2009−243870A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−202836(P2008−202836)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】