冷間圧延におけるエッジドロップの検出・制御方法及び装置
【課題】安価なγ線厚さ計を用いた走査型のプロフィール計により高精度なエッジドロップ制御を行う。
【解決手段】γ線源を用いた固定型及び走査型の板厚測定器を冷間圧延機列6の入側に配置し、固定型板厚測定器2はストリップ1中央部の厚さを測定し、一方、走査型板厚測定器3はストリップ1の板幅方向に機械的に走査することによって測定される幅方向の板厚プロフィールを用いてワークロール7のシフト位置を変更するエッジドロップのフィードフォワード制御を行うに際し、γ線厚さ計の精度が保証されない板幅端部の板厚プロフィールに、板幅端部より内側のγ線厚さ計測定値を用いて推定した板厚プロフィールを使用する。
【解決手段】γ線源を用いた固定型及び走査型の板厚測定器を冷間圧延機列6の入側に配置し、固定型板厚測定器2はストリップ1中央部の厚さを測定し、一方、走査型板厚測定器3はストリップ1の板幅方向に機械的に走査することによって測定される幅方向の板厚プロフィールを用いてワークロール7のシフト位置を変更するエッジドロップのフィードフォワード制御を行うに際し、γ線厚さ計の精度が保証されない板幅端部の板厚プロフィールに、板幅端部より内側のγ線厚さ計測定値を用いて推定した板厚プロフィールを使用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷間圧延におけるエッジドロップの検出・制御方法及び装置に係り、特に、薄鋼板に用いるのに好適な、ワークロールの端部に付与したテーパ状のクラウンによって、幅方向のエッジ端部に発生するエッジドロップを小さくして、幅方向板厚偏差を小さくすることが可能な、冷間圧延におけるエッジドロップの検出・制御方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷間圧延において、板のエッジ部はワークロール偏平の急激な回復、及び圧延材の幅方向のメタルフローにより中央部よりも板厚が急激に薄くなる、いわゆるエッジドロップが発生するのが一般的である。このエッジドップが大きいと板幅方向に均一な板厚が得られず、品質の良好な製品を得るためには耳切り代を大きくする必要があり、歩留まりを低下させ、非効率な生産を余儀なくされる。
【0003】
従来、このエッジドロップを軽減する方法としては、ロールにベンディング力を負荷する方法や、ワークロールにイニシャルクラウンを付与する方法があった。
【0004】
又、単純なテーパ状のクラウンをロール端部に付与し、ワークロールを軸方向にシフトさせ、このテーパで板のエッジ部を圧延する方法が特許文献1に開示されている。
【0005】
これらの制御においては、母板コイル(ホットコイル)のクラウン変動を補償するために、特許文献2に示されているように、冷間圧延機出側に設置したエッジドロップ計の情報により、エッジドロップ実績値を計測し、目標値との偏差に基づいて、ワークロールのシフト位置を変更するフィードバック制御や、特許文献3に示されるように、圧延機入側にプロフィール計を設置してホットコイルのクラウンを測定し、この測定値に基づいて、ワークロールのテーパ位置を変更するフィードフォワード制御が行われていた。
【0006】
【特許文献1】特開昭55−77903号公報
【特許文献2】特開昭60−12213号公報
【特許文献3】特開昭61−222619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの方法によれば、ホットコイルのクラウン変動を補償して冷間圧延後のエッジドロップを安定して軽減することが可能となるが、冷間圧延機の出側あるいは入側にエッジドロップ計やプロフィール計などと称される板幅方向の板厚偏差を測定できる計測器を設置する必要がある。
【0008】
ストリップの板幅方向プロフィールの測定方法としては、図1に示されるように、放射線源を用いた固定型及び走査型の2式の板厚測定器を配置し、固定型板厚測定器2はストリップ1中央部の厚さを測定し、一方、走査型測定器3はストリップ1の板幅方向に機械的に走査して幅方向の板厚プロフィールを測定する方法や、図2に示されるように、前記走査型測定器3の替わりに放射線発生器4とマルチチャンネル放射線検出器5を配して幅方向の板厚プロフィールを連続的に測定する方法などが実用化されている。
【0009】
これらプロフィール計の放射線源としては、X線あるいはγ線が用いられるが、X線を使用したX線厚さ計は大線量が容易に得られ、低雑音・高速応答に優れるという特長からプロフィール測定用の厚さ計として用いられ、特にエッジ部近傍のプロフィールの測定には前記多チャンネル型の測定装置と組み合わせたプロフィール計が好適である反面、高価であるという難点があった。
【0010】
一方、冷延鋼板の測定を目的としたγ線厚さ計には、板厚測定範囲が0〜5mmの特性を持つAm(アメリシウム)厚さ計が一般的に用いられ、X線厚さ計と較べて安価であるという利点を有する反面、大線量化は難しいために、多チャンネル型のプロフィール計への適用が困難であると共に、走査型のプロフィール計に適用するにあたっては、線源の大きさが25〜50mmφと大きいために最エッジ部の測定精度に限界があり、精度が保証できる板幅方向の範囲は、せいぜい板幅端部から線源の大きさ相当より板幅中央寄りに限られる。
【0011】
しかしながら、冷間圧延におけるエッジドロップ制御の対象範囲は板幅端部のおおよそ50mmの範囲であり、この範囲の板厚が正確に測定できないために、γ線源を用いたプロフィール計はエッジドロップ制御に用いるには不適であるという欠点を有していた。
【0012】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、安価なγ線厚さ計を用いた走査型のプロフィール計により高精度なエッジドロップ制御を行えるようにすることを課題とする
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明者らは、冷延に供される母板コイルについて詳細に解析した結果、最エッジから20〜30mmまでの範囲のプロフィールであれば、それより内側のクラウンから推定することが可能であることを見出し、本発明に至った。
【0014】
即ち、本発明は、γ線源を用いた、例えば1台の固定型及び、例えば1台乃至2台の走査型の板厚測定器を冷間圧延機列の入側に配置し、固定型板厚測定器はストリップ中央部の厚さを測定し、一方、走査型板厚測定器はストリップの板幅方向に機械的に走査することによって測定される幅方向の板厚プロフィールを用いてワークロールのシフト位置を変更するエッジドロップのフィードフォワード制御を行うに際し、γ線厚さ計の精度が保証されない板幅端部の板厚プロフィールに、板幅端部より内側のγ線厚さ計測定値を用いて推定した板厚プロフィールを用いることによって、前記課題を解決したものである。
【0015】
又、板幅端部より内側の測定板厚から板幅端部のプロフィールを推定する方法として、板幅端部より内側の測定クラウンを定められた複数の偶数次からなる多次式に当て嵌め、この式を用いて板幅端部のプロフィールを推定するようにしたものである。
【0016】
あるいは、板幅端部より内側の定められた位置におけるクラウンと板幅端部プロフィールとの関係を予め統計的に求めておき、これを用いて板幅端部より内側の測定クラウンから板幅端部のプロフィールを推定するようにしたものである。
【0017】
本発明は、又、前記の方法で検出したエッジドロップを用いて、フィードフォワード制御を行なうことを特徴とする冷間圧延におけるエッジドロップの制御方法を提供するものである。
【0018】
又、冷間圧延機列の入側に配置された、ストリップ中央部の厚さを測定するための、γ線源を用いた固定型板厚測定器、及び、ストリップの板幅方向に機械的に走査され、ストリップ幅方向の板厚プロフィールを測定するための、γ線源を用いた走査型板厚測定器と、板幅端部より内側のγ線厚さ計測定値を用いて、γ線厚さ計の精度が保証されない板幅端部の板厚プロフィールを推定する手段と、を備えたことを特徴とする冷間圧延におけるエッジドロップの検出装置を提供するものである。
【0019】
又、前記の検出装置を含むことを特徴とする冷間圧延におけるエッジドロップの制御装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、安価なγ線厚さ計を用いて、最エッジまでの高精度なエッジドロップ制御が可能になり、エッジドロップが小さい鋼板の製造を安価な設備で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0022】
本発明を適用するに好適な構成例を図3に示す。放射線源を用いた固定型及び走査型の2式の板厚測定器を圧延機群6の入側に配置し、固定型板厚測定器2はストリップ1中央部の厚さを測定し、一方、走査型板厚測定器3はストリップ1の板幅方向に機械的に走査して幅方向の板厚プロフィールを測定する。走査型板厚測定器3は1台でもよいが、作業側3a及び駆動側3bの2台を配する方が好ましい。
【0023】
このようなプロフィールの測定装置においては、図4に示される走査型測定器3の位置が、x1のように板端よりも十分に幅方向中央側にあれば、放射線源31から放射される全ての放射線がストリップ1を通過するため、その減衰量により問題なく板厚が測定できるのであるが、走査型測定器3の位置が、x2のように板端近傍となると、散乱線8が発生し、本来ストリップ1を透過して入射される放射線よりも極めて多くの放射線が検出器32に入射され、その結果、本来得られるべき真の板厚よりも薄い板厚として測定されることになる。
【0024】
この関係を模式的に示したものが図5であって、板厚誤差が発生するのは測定器の板端からの距離がおおむね放射線源31の大きさDより小さくなる板端よりxAの範囲である。ここで、放射線源に大線量が得られるX線を用いた板厚計の場合には、放射線源の大きさDは数mmであるため、この誤差が問題になることは少ないが、放射線源にγ線を用いた板厚計の場合には、放射線源の大きさDは25〜50mm程度もあるため、エッジドロップ制御に使用するエッジから50mm程度の範囲が正確に測定できないという致命的な欠点を有していたことは前述のとおりである。
【0025】
そこで、本発明においては、図5において、板端からxAの範囲のプロフィールを、板端からxAより板幅中央側の正確に測定された板厚プロフィールを用いて推定することによって、前記の問題点を解決している。
【0026】
板幅端部の板厚プロフィールの推定方法としては、以下に示す2つの方法が好適である。
【0027】
第1の方法は、板幅端部より内側の測定クラウンを定められた複数の偶数次からなる多次式に当て嵌め、この式を用いて板幅端部の板厚プロフィールを推定する方法である。即ち、コイル毎に板幅端部より内側のクラウン測定値を用いて、次式の係数a1,a2,・・・,anを決定する
【0028】
Cr(x)=a1Xm1+a2Xm2+・・・+anXmn …(1)
【0029】
ここで、図6に示すように、Xは板幅中央からの距離、Crは板幅中央からXの位置のクラウンである。又、m1,m2,・・・,mnは任意の偶数であるが、この組み合わせは板幅端部の板厚プロフィールが推定できるように適切に選択することが重要である。発明者らの検討によれば、2次及び10次以上の項を含む3項以上の多次式が好適であるが、本発明の対象となる冷間圧延の母板は、熱間圧延の操業条件や、中間工程での耳切り処理によって変化するため、適用するラインそれぞれについて予めサンプルを採取し、最適な組み合わせを決定することが望ましい。又、これら係数の決定は、n個の測定点から連立方程式で求めてもよいし、あるいはn+1個以上の測定点から重回帰によって求めてもよい。
【0030】
次に、第2の方法は、板幅端部より内側の定められた位置におけるクラウンと板幅端部の板厚プロフィールとの関係を予め統計的に求めておき、これを用いて板幅端部より内側の測定クラウンから板幅端部の板厚プロフィールを推定する方法である。即ち、この方法では次式のように正確に測定し得る板幅端部からx1,x2,・・・,xn位置のクラウンCr(x1),Cr(x2),・・・,Cr(xn)から板幅端部領域のクラウンCr(x)を推定する。
【0031】
Cr(x)=f0(x)+f1(x)Cr(x1)+f2(x)Cr(x2)+・・・+fn(x)Cr(xn)
…(2)
【0032】
ここで、f0(x),f1(x),f2(x),・・・,fn(x)はそれぞれの項にかかる係数で、板端からの距離xの関数である。又、推定に用いる測定点x1,x2,・・・,xnは発明者らの検討によれば少なくとも正確に測定できる最も板端に近い点を含み、エッジから100mm程度までの3点以上の点とすることが好適であるが、これらの係数及び測定点に関しても、第1の方法と同様、本発明の対象となる冷間圧延の母板は、熱間圧延の操業条件や、中間工程での耳切り処理によって変化するため、適用するラインそれぞれについて予めサンプルを採取して決定することが望ましい。
【比較例】
【0033】
まず、従来の方法として、γ線により板端までの測定を行い、オフラインにおける接触式の板厚計による測定結果(以降、真値と称す)と比較した。図7にその一例を示す。接触式板厚計で測定された板厚プロフィールの真値に対し、γ線板厚計による測定値は、エッジから25mmより板端では急激に小さくなることがわかる。図8(a)〜(f)に100コイルのサンプルについてエッジ25mmから最エッジまでのクラウン真値とγ線板厚計による測定値との比較を、表1に誤差の平均値と標準偏差を示す。
【0034】
【表1】
【0035】
これからわかるように、エッジ25mmより板端は誤差が大きく、測定値をエッジドロップ制御に用いることは不可能であった。
【実施例1】
【0036】
前述の第1の方法によりγ線による測定値の誤差が小さいエッジ25mmより板幅中央側の測定結果を用いて、誤差の大きいエッジ25mmより板端側の板厚プロフィールの推測を行った。板端の板厚プロフィールを精度よく推定できる条件を解析した結果、エッジ25〜100mmの測定値を用い、2、12、18、20次の4項からなる多次式に当て嵌めることが好適であった。即ち、各コイルについてエッジ25〜100mmの測定値を用いて次式の係数a1〜a4を求め、この結果からエッジ25mmより板端側の板厚プロフィールの推定を行った。
【0037】
Cr(x)=a1X2+a2X12+a3X18+a4X20 …(3)
【0038】
図7にその一例を併せて示す。又、図9(a)〜(e)に比較例と同じサンプルについてクラウン真値と本発明による推測値との比較を、表1に誤差の平均値と標準偏差を併せて示す。エッジドロップ制御に使用するに十分な推測精度を有していることがわかる。
【実施例2】
【0039】
前述の第2の方法によりγ線による測定値の誤差が小さいエッジ25mmより板幅中央側の測定結果を用いて、誤差の大きいエッジ25mmより板端側の板厚プロフィールの推測を行った。この場合には、予めエッジ25mmより板幅中央側の板厚プロフィールとエッジ25mmより板端側の板厚プロフィールとの関係を定式化した。板端の板厚プロフィールを精度よく推定できる条件を解析した結果、エッジ25、30、35及び50mmの4点のクラウン測定値を用いることが好適であった。
【0040】
Cr(x)=f0(x)+f1(x)Cr(25)+f2(x)Cr(30)+f3(x)Cr(35)+f4(x)Cr(50)
…(4)
【0041】
即ち、(4)式のように表現された板端のクラウンに対して、f0〜f4は図10に示すように求められた。これらの定数又は係数は、次式のような2次式でよく表現できた。
【0042】
fi(x)=aix2+bix+ci …(5)
【0043】
表2に定数及び係数を示す。
【0044】
【表2】
【0045】
各コイルについてエッジ25、30、35及び50mmのγ線による測定値を(4)式に代入し、エッジ25mmより板端側の板厚プロフィールの推定を行った。図7にその一例を併せて示す。又、図11(a)〜(e)に比較例と同じサンプルについてクラウン真値と本発明による推測値との比較を、表1に誤差の平均値と標準偏差を示す。実施例1と同様、エッジドロップ制御に使用するに十分な推測精度を有していることがわかる。
【0046】
以上のように、本発明により安価なγ線板厚計を用いても板端部のエッジドロップを高精度に検出でき、高度なエッジドロップ制御を行うことが可能となることがわかる。
【0047】
なお、固定型板厚測定器の数は1台に限定されず2台以上あっても良く、走査型板厚測定器の数も1台乃至2台に限定されず3台以上あっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】走査型の板厚計を用いた板厚プロフィールの測定方法を示す模式図
【図2】マルチチャンネル型の板厚計を用いた板厚プロフィールの測定方法を示す模式図
【図3】本発明を実施するに好適な構成例を示す模式図
【図4】走査型測定器と鋼板の板幅方向との位置関係を示す模式図
【図5】板厚プロフィールの測定精度を示した概念図
【図6】クラウンの定義を示す説明図
【図7】比較例及び実施例における板厚プロフィールの測定値の比較図
【図8】比較例のクラウン真値と測定値との関係図
【図9】実施例1のクラウン真値と測定値との関係図
【図10】実施例2における定数および係数の幅方向位置との関係図
【図11】実施例1のクラウン真値と測定値との関係図
【符号の説明】
【0049】
1…ストリップ(鋼板)
2…固定型板厚測定器
3、3a、3b…走査型板厚測定器
4…放射線発生器
5…マルチチャンネル放射線検出器
6…圧延機
7…ワークロール
8…散乱放射線
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷間圧延におけるエッジドロップの検出・制御方法及び装置に係り、特に、薄鋼板に用いるのに好適な、ワークロールの端部に付与したテーパ状のクラウンによって、幅方向のエッジ端部に発生するエッジドロップを小さくして、幅方向板厚偏差を小さくすることが可能な、冷間圧延におけるエッジドロップの検出・制御方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷間圧延において、板のエッジ部はワークロール偏平の急激な回復、及び圧延材の幅方向のメタルフローにより中央部よりも板厚が急激に薄くなる、いわゆるエッジドロップが発生するのが一般的である。このエッジドップが大きいと板幅方向に均一な板厚が得られず、品質の良好な製品を得るためには耳切り代を大きくする必要があり、歩留まりを低下させ、非効率な生産を余儀なくされる。
【0003】
従来、このエッジドロップを軽減する方法としては、ロールにベンディング力を負荷する方法や、ワークロールにイニシャルクラウンを付与する方法があった。
【0004】
又、単純なテーパ状のクラウンをロール端部に付与し、ワークロールを軸方向にシフトさせ、このテーパで板のエッジ部を圧延する方法が特許文献1に開示されている。
【0005】
これらの制御においては、母板コイル(ホットコイル)のクラウン変動を補償するために、特許文献2に示されているように、冷間圧延機出側に設置したエッジドロップ計の情報により、エッジドロップ実績値を計測し、目標値との偏差に基づいて、ワークロールのシフト位置を変更するフィードバック制御や、特許文献3に示されるように、圧延機入側にプロフィール計を設置してホットコイルのクラウンを測定し、この測定値に基づいて、ワークロールのテーパ位置を変更するフィードフォワード制御が行われていた。
【0006】
【特許文献1】特開昭55−77903号公報
【特許文献2】特開昭60−12213号公報
【特許文献3】特開昭61−222619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの方法によれば、ホットコイルのクラウン変動を補償して冷間圧延後のエッジドロップを安定して軽減することが可能となるが、冷間圧延機の出側あるいは入側にエッジドロップ計やプロフィール計などと称される板幅方向の板厚偏差を測定できる計測器を設置する必要がある。
【0008】
ストリップの板幅方向プロフィールの測定方法としては、図1に示されるように、放射線源を用いた固定型及び走査型の2式の板厚測定器を配置し、固定型板厚測定器2はストリップ1中央部の厚さを測定し、一方、走査型測定器3はストリップ1の板幅方向に機械的に走査して幅方向の板厚プロフィールを測定する方法や、図2に示されるように、前記走査型測定器3の替わりに放射線発生器4とマルチチャンネル放射線検出器5を配して幅方向の板厚プロフィールを連続的に測定する方法などが実用化されている。
【0009】
これらプロフィール計の放射線源としては、X線あるいはγ線が用いられるが、X線を使用したX線厚さ計は大線量が容易に得られ、低雑音・高速応答に優れるという特長からプロフィール測定用の厚さ計として用いられ、特にエッジ部近傍のプロフィールの測定には前記多チャンネル型の測定装置と組み合わせたプロフィール計が好適である反面、高価であるという難点があった。
【0010】
一方、冷延鋼板の測定を目的としたγ線厚さ計には、板厚測定範囲が0〜5mmの特性を持つAm(アメリシウム)厚さ計が一般的に用いられ、X線厚さ計と較べて安価であるという利点を有する反面、大線量化は難しいために、多チャンネル型のプロフィール計への適用が困難であると共に、走査型のプロフィール計に適用するにあたっては、線源の大きさが25〜50mmφと大きいために最エッジ部の測定精度に限界があり、精度が保証できる板幅方向の範囲は、せいぜい板幅端部から線源の大きさ相当より板幅中央寄りに限られる。
【0011】
しかしながら、冷間圧延におけるエッジドロップ制御の対象範囲は板幅端部のおおよそ50mmの範囲であり、この範囲の板厚が正確に測定できないために、γ線源を用いたプロフィール計はエッジドロップ制御に用いるには不適であるという欠点を有していた。
【0012】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、安価なγ線厚さ計を用いた走査型のプロフィール計により高精度なエッジドロップ制御を行えるようにすることを課題とする
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明者らは、冷延に供される母板コイルについて詳細に解析した結果、最エッジから20〜30mmまでの範囲のプロフィールであれば、それより内側のクラウンから推定することが可能であることを見出し、本発明に至った。
【0014】
即ち、本発明は、γ線源を用いた、例えば1台の固定型及び、例えば1台乃至2台の走査型の板厚測定器を冷間圧延機列の入側に配置し、固定型板厚測定器はストリップ中央部の厚さを測定し、一方、走査型板厚測定器はストリップの板幅方向に機械的に走査することによって測定される幅方向の板厚プロフィールを用いてワークロールのシフト位置を変更するエッジドロップのフィードフォワード制御を行うに際し、γ線厚さ計の精度が保証されない板幅端部の板厚プロフィールに、板幅端部より内側のγ線厚さ計測定値を用いて推定した板厚プロフィールを用いることによって、前記課題を解決したものである。
【0015】
又、板幅端部より内側の測定板厚から板幅端部のプロフィールを推定する方法として、板幅端部より内側の測定クラウンを定められた複数の偶数次からなる多次式に当て嵌め、この式を用いて板幅端部のプロフィールを推定するようにしたものである。
【0016】
あるいは、板幅端部より内側の定められた位置におけるクラウンと板幅端部プロフィールとの関係を予め統計的に求めておき、これを用いて板幅端部より内側の測定クラウンから板幅端部のプロフィールを推定するようにしたものである。
【0017】
本発明は、又、前記の方法で検出したエッジドロップを用いて、フィードフォワード制御を行なうことを特徴とする冷間圧延におけるエッジドロップの制御方法を提供するものである。
【0018】
又、冷間圧延機列の入側に配置された、ストリップ中央部の厚さを測定するための、γ線源を用いた固定型板厚測定器、及び、ストリップの板幅方向に機械的に走査され、ストリップ幅方向の板厚プロフィールを測定するための、γ線源を用いた走査型板厚測定器と、板幅端部より内側のγ線厚さ計測定値を用いて、γ線厚さ計の精度が保証されない板幅端部の板厚プロフィールを推定する手段と、を備えたことを特徴とする冷間圧延におけるエッジドロップの検出装置を提供するものである。
【0019】
又、前記の検出装置を含むことを特徴とする冷間圧延におけるエッジドロップの制御装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、安価なγ線厚さ計を用いて、最エッジまでの高精度なエッジドロップ制御が可能になり、エッジドロップが小さい鋼板の製造を安価な設備で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0022】
本発明を適用するに好適な構成例を図3に示す。放射線源を用いた固定型及び走査型の2式の板厚測定器を圧延機群6の入側に配置し、固定型板厚測定器2はストリップ1中央部の厚さを測定し、一方、走査型板厚測定器3はストリップ1の板幅方向に機械的に走査して幅方向の板厚プロフィールを測定する。走査型板厚測定器3は1台でもよいが、作業側3a及び駆動側3bの2台を配する方が好ましい。
【0023】
このようなプロフィールの測定装置においては、図4に示される走査型測定器3の位置が、x1のように板端よりも十分に幅方向中央側にあれば、放射線源31から放射される全ての放射線がストリップ1を通過するため、その減衰量により問題なく板厚が測定できるのであるが、走査型測定器3の位置が、x2のように板端近傍となると、散乱線8が発生し、本来ストリップ1を透過して入射される放射線よりも極めて多くの放射線が検出器32に入射され、その結果、本来得られるべき真の板厚よりも薄い板厚として測定されることになる。
【0024】
この関係を模式的に示したものが図5であって、板厚誤差が発生するのは測定器の板端からの距離がおおむね放射線源31の大きさDより小さくなる板端よりxAの範囲である。ここで、放射線源に大線量が得られるX線を用いた板厚計の場合には、放射線源の大きさDは数mmであるため、この誤差が問題になることは少ないが、放射線源にγ線を用いた板厚計の場合には、放射線源の大きさDは25〜50mm程度もあるため、エッジドロップ制御に使用するエッジから50mm程度の範囲が正確に測定できないという致命的な欠点を有していたことは前述のとおりである。
【0025】
そこで、本発明においては、図5において、板端からxAの範囲のプロフィールを、板端からxAより板幅中央側の正確に測定された板厚プロフィールを用いて推定することによって、前記の問題点を解決している。
【0026】
板幅端部の板厚プロフィールの推定方法としては、以下に示す2つの方法が好適である。
【0027】
第1の方法は、板幅端部より内側の測定クラウンを定められた複数の偶数次からなる多次式に当て嵌め、この式を用いて板幅端部の板厚プロフィールを推定する方法である。即ち、コイル毎に板幅端部より内側のクラウン測定値を用いて、次式の係数a1,a2,・・・,anを決定する
【0028】
Cr(x)=a1Xm1+a2Xm2+・・・+anXmn …(1)
【0029】
ここで、図6に示すように、Xは板幅中央からの距離、Crは板幅中央からXの位置のクラウンである。又、m1,m2,・・・,mnは任意の偶数であるが、この組み合わせは板幅端部の板厚プロフィールが推定できるように適切に選択することが重要である。発明者らの検討によれば、2次及び10次以上の項を含む3項以上の多次式が好適であるが、本発明の対象となる冷間圧延の母板は、熱間圧延の操業条件や、中間工程での耳切り処理によって変化するため、適用するラインそれぞれについて予めサンプルを採取し、最適な組み合わせを決定することが望ましい。又、これら係数の決定は、n個の測定点から連立方程式で求めてもよいし、あるいはn+1個以上の測定点から重回帰によって求めてもよい。
【0030】
次に、第2の方法は、板幅端部より内側の定められた位置におけるクラウンと板幅端部の板厚プロフィールとの関係を予め統計的に求めておき、これを用いて板幅端部より内側の測定クラウンから板幅端部の板厚プロフィールを推定する方法である。即ち、この方法では次式のように正確に測定し得る板幅端部からx1,x2,・・・,xn位置のクラウンCr(x1),Cr(x2),・・・,Cr(xn)から板幅端部領域のクラウンCr(x)を推定する。
【0031】
Cr(x)=f0(x)+f1(x)Cr(x1)+f2(x)Cr(x2)+・・・+fn(x)Cr(xn)
…(2)
【0032】
ここで、f0(x),f1(x),f2(x),・・・,fn(x)はそれぞれの項にかかる係数で、板端からの距離xの関数である。又、推定に用いる測定点x1,x2,・・・,xnは発明者らの検討によれば少なくとも正確に測定できる最も板端に近い点を含み、エッジから100mm程度までの3点以上の点とすることが好適であるが、これらの係数及び測定点に関しても、第1の方法と同様、本発明の対象となる冷間圧延の母板は、熱間圧延の操業条件や、中間工程での耳切り処理によって変化するため、適用するラインそれぞれについて予めサンプルを採取して決定することが望ましい。
【比較例】
【0033】
まず、従来の方法として、γ線により板端までの測定を行い、オフラインにおける接触式の板厚計による測定結果(以降、真値と称す)と比較した。図7にその一例を示す。接触式板厚計で測定された板厚プロフィールの真値に対し、γ線板厚計による測定値は、エッジから25mmより板端では急激に小さくなることがわかる。図8(a)〜(f)に100コイルのサンプルについてエッジ25mmから最エッジまでのクラウン真値とγ線板厚計による測定値との比較を、表1に誤差の平均値と標準偏差を示す。
【0034】
【表1】
【0035】
これからわかるように、エッジ25mmより板端は誤差が大きく、測定値をエッジドロップ制御に用いることは不可能であった。
【実施例1】
【0036】
前述の第1の方法によりγ線による測定値の誤差が小さいエッジ25mmより板幅中央側の測定結果を用いて、誤差の大きいエッジ25mmより板端側の板厚プロフィールの推測を行った。板端の板厚プロフィールを精度よく推定できる条件を解析した結果、エッジ25〜100mmの測定値を用い、2、12、18、20次の4項からなる多次式に当て嵌めることが好適であった。即ち、各コイルについてエッジ25〜100mmの測定値を用いて次式の係数a1〜a4を求め、この結果からエッジ25mmより板端側の板厚プロフィールの推定を行った。
【0037】
Cr(x)=a1X2+a2X12+a3X18+a4X20 …(3)
【0038】
図7にその一例を併せて示す。又、図9(a)〜(e)に比較例と同じサンプルについてクラウン真値と本発明による推測値との比較を、表1に誤差の平均値と標準偏差を併せて示す。エッジドロップ制御に使用するに十分な推測精度を有していることがわかる。
【実施例2】
【0039】
前述の第2の方法によりγ線による測定値の誤差が小さいエッジ25mmより板幅中央側の測定結果を用いて、誤差の大きいエッジ25mmより板端側の板厚プロフィールの推測を行った。この場合には、予めエッジ25mmより板幅中央側の板厚プロフィールとエッジ25mmより板端側の板厚プロフィールとの関係を定式化した。板端の板厚プロフィールを精度よく推定できる条件を解析した結果、エッジ25、30、35及び50mmの4点のクラウン測定値を用いることが好適であった。
【0040】
Cr(x)=f0(x)+f1(x)Cr(25)+f2(x)Cr(30)+f3(x)Cr(35)+f4(x)Cr(50)
…(4)
【0041】
即ち、(4)式のように表現された板端のクラウンに対して、f0〜f4は図10に示すように求められた。これらの定数又は係数は、次式のような2次式でよく表現できた。
【0042】
fi(x)=aix2+bix+ci …(5)
【0043】
表2に定数及び係数を示す。
【0044】
【表2】
【0045】
各コイルについてエッジ25、30、35及び50mmのγ線による測定値を(4)式に代入し、エッジ25mmより板端側の板厚プロフィールの推定を行った。図7にその一例を併せて示す。又、図11(a)〜(e)に比較例と同じサンプルについてクラウン真値と本発明による推測値との比較を、表1に誤差の平均値と標準偏差を示す。実施例1と同様、エッジドロップ制御に使用するに十分な推測精度を有していることがわかる。
【0046】
以上のように、本発明により安価なγ線板厚計を用いても板端部のエッジドロップを高精度に検出でき、高度なエッジドロップ制御を行うことが可能となることがわかる。
【0047】
なお、固定型板厚測定器の数は1台に限定されず2台以上あっても良く、走査型板厚測定器の数も1台乃至2台に限定されず3台以上あっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】走査型の板厚計を用いた板厚プロフィールの測定方法を示す模式図
【図2】マルチチャンネル型の板厚計を用いた板厚プロフィールの測定方法を示す模式図
【図3】本発明を実施するに好適な構成例を示す模式図
【図4】走査型測定器と鋼板の板幅方向との位置関係を示す模式図
【図5】板厚プロフィールの測定精度を示した概念図
【図6】クラウンの定義を示す説明図
【図7】比較例及び実施例における板厚プロフィールの測定値の比較図
【図8】比較例のクラウン真値と測定値との関係図
【図9】実施例1のクラウン真値と測定値との関係図
【図10】実施例2における定数および係数の幅方向位置との関係図
【図11】実施例1のクラウン真値と測定値との関係図
【符号の説明】
【0049】
1…ストリップ(鋼板)
2…固定型板厚測定器
3、3a、3b…走査型板厚測定器
4…放射線発生器
5…マルチチャンネル放射線検出器
6…圧延機
7…ワークロール
8…散乱放射線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
γ線源を用いた固定型及び走査型の板厚測定器を冷間圧延機列の入側に配置し、固定型板厚測定器はストリップ中央部の厚さを測定し、一方、走査型板厚測定器はストリップの板幅方向に機械的に走査することによって測定される幅方向の板厚プロフィールを用いてワークロールのシフト位置を変更するエッジドロップのフィードフォワード制御を行うに際し、
γ線厚さ計の精度が保証されない板幅端部の板厚プロフィールに、板幅端部より内側のγ線厚さ計測定値を用いて推定した板厚プロフィールを使用することを特徴とする冷間圧延におけるエッジドロップの検出方法。
【請求項2】
板幅端部より内側の測定クラウンを定められた複数の偶数次からなる多次式に当て嵌め、この式を用いて板幅端部の板厚プロフィールを推定することを特徴とする請求項1記載の冷間圧延におけるエッジドロップの検出方法。
【請求項3】
板幅端部より内側の定められた位置におけるクラウンと板幅端部の板厚プロフィールとの関係を予め統計的に求めておき、これを用いて板幅端部より内側の測定クラウンから板幅端部の板厚プロフィールを推定することを特徴とする請求項1記載の冷間圧延におけるエッジドロップの検出方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の方法で検出したエッジドロップを用いて、フィードフォワード制御を行なうことを特徴とする冷間圧延におけるエッジドロップの制御方法。
【請求項5】
冷間圧延機列の入側に配置された、ストリップ中央部の厚さを測定するための、γ線源を用いた固定型板厚測定器、及び、ストリップの板幅方向に機械的に走査され、ストリップ幅方向の板厚プロフィールを測定するための、γ線源を用いた走査型板厚測定器と、
板幅端部より内側のγ線厚さ計測定値を用いて、γ線厚さ計の精度が保証されない板幅端部の板厚プロフィールを推定する手段と、
を備えたことを特徴とする冷間圧延におけるエッジドロップの検出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の検出装置を含むことを特徴とする冷間圧延におけるエッジドロップの制御装置。
【請求項1】
γ線源を用いた固定型及び走査型の板厚測定器を冷間圧延機列の入側に配置し、固定型板厚測定器はストリップ中央部の厚さを測定し、一方、走査型板厚測定器はストリップの板幅方向に機械的に走査することによって測定される幅方向の板厚プロフィールを用いてワークロールのシフト位置を変更するエッジドロップのフィードフォワード制御を行うに際し、
γ線厚さ計の精度が保証されない板幅端部の板厚プロフィールに、板幅端部より内側のγ線厚さ計測定値を用いて推定した板厚プロフィールを使用することを特徴とする冷間圧延におけるエッジドロップの検出方法。
【請求項2】
板幅端部より内側の測定クラウンを定められた複数の偶数次からなる多次式に当て嵌め、この式を用いて板幅端部の板厚プロフィールを推定することを特徴とする請求項1記載の冷間圧延におけるエッジドロップの検出方法。
【請求項3】
板幅端部より内側の定められた位置におけるクラウンと板幅端部の板厚プロフィールとの関係を予め統計的に求めておき、これを用いて板幅端部より内側の測定クラウンから板幅端部の板厚プロフィールを推定することを特徴とする請求項1記載の冷間圧延におけるエッジドロップの検出方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の方法で検出したエッジドロップを用いて、フィードフォワード制御を行なうことを特徴とする冷間圧延におけるエッジドロップの制御方法。
【請求項5】
冷間圧延機列の入側に配置された、ストリップ中央部の厚さを測定するための、γ線源を用いた固定型板厚測定器、及び、ストリップの板幅方向に機械的に走査され、ストリップ幅方向の板厚プロフィールを測定するための、γ線源を用いた走査型板厚測定器と、
板幅端部より内側のγ線厚さ計測定値を用いて、γ線厚さ計の精度が保証されない板幅端部の板厚プロフィールを推定する手段と、
を備えたことを特徴とする冷間圧延におけるエッジドロップの検出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の検出装置を含むことを特徴とする冷間圧延におけるエッジドロップの制御装置。
【図3】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図2】
【図4】
【図6】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図2】
【図4】
【図6】
【公開番号】特開2007−196261(P2007−196261A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−17688(P2006−17688)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
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